JP6569768B2 - 移動式クレーン - Google Patents

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Description

本発明は、上方に高さ制限がある空間である「低空頭空間」でクレーン作業が行える移動式クレーンに関する。
クローラクレーンなどに代表される移動式クレーンは、例えば、数メートルから数十メートルに及ぶ長いブームを備え、このブームに備えられたフック装置を用いて様々な荷物を吊下する作業(クレーン作業)を行ったり、フック装置に代えてバケットを取り付けて地盤の土壌を掘り起こす掘削作業(バケット作業)を行うことがある。このようなクレーン作業などは、一般的に、上方に高さ制限がない空間で行われる。
上記のクレーン作業で用いられる移動式クレーンとしては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1の図6に示すように、クレーン作業者が乗り込むキャブなどを備えた上部旋回体と、上部旋回体を旋回自在に下側から支持すると共に、走行を行う下部走行体と、を備えている。その上部旋回体上には、様々な荷物を吊下する作業(クレーン作業)に用いられるフック装置を、吊りロープを介して吊り下げる長いブームと、吊りロープを巻回するウインチと、ブームを起伏させるAフレーム(ガントリ)が備えられている。
一方で、上方に高さ制限がある空間である「低空頭空間」でクレーン作業などを行う場合もある。上記の「低空頭空間」でのクレーン作業で用いられる移動式クレーンとしては、例えば、特許文献2に開示されたものがある。特許文献2には、低空頭空間でクレーン作業などを行うことを目的とした専用の移動式クレーンが開示されている。この低空頭空間専用のクレーンは、同文献の図1(b)、図2などに示すように、キャブ、ウインチなどを備えた上部旋回体の上部に、略水平に配置され、且つその水平からやや斜め前方に起伏させることが可能となっているブームを備え、高架下などの高さ制限のある空間でのクレーン作業を可能としている。
特開2003−81579号公報 特開平8−282972号公報
ところで、近年では、数十年前に建設された鉄道の高架や橋梁等の橋脚の老朽化が顕在化しており、それらの補強工事が必要となってきている。それらの補強工事を行う場合、高架や橋梁の下側、つまり低空頭(上方の高さ制限がある)現場で作業することになる。しかしながら、高架や橋脚の補強工事の現場では高さ制限があるが故に、例えば特許文献1に開示のような長いブームを用いると、その長い分最少作業半径が大きくなってしまう。その結果、定格総荷重が小さくなってしまうこととなる。
また、長いブームを用いると、移動式クレーン(クローラクレーン)の専有面積が大きくなってしまうことから、橋脚間の狭い範囲では作業できなくなるケースが生じる虞がある。例えば、場所打ち杭を打つ工法のひとつに、全旋回掘削機を使用する場合があるが、その自重は重く、移動のために掘削機を吊り上げるには、作業半径を小さくする必要があるが、上述のように高さに制約を受けている場合、掘削機を吊り上げることができないケースが生じてくる。
そのため、本明細書の図2に示すように、一般に多く用いられている移動式クレーンの下部ブーム(上部旋回体に直接取り付けられるブーム)にコンパクトな上部ブームを取り付けて、ブーム全長を短くした機械が存在している。上記、一般に用いられている移動式クレーンに特殊な上部ブームを装着すれば、例えば本明細書の図2に示すように、地面(床面)からの高さ「H」mに高架等の障害物のある作業現場でも、作業半径「R1」mまでブームを起伏できるので、重量作業可能である。なお、ブームを長くすると、作業半径を「R2」m以下に短くとれないので、結果的に重量物が吊れなくなってしまう。
ところが、上記のような特殊な上部ブームを付けても、移動式クレーン後方に設置されているガントリの地面(床面)からの高さが「H1」mと、地面からの障害物の高さ「H」mより高いと、移動式クレーンを完全に作業現場内に入れて作業することができない。すなわち現状では、作業現場によっては、移動式クレーンの前側部分のみを高さ制限のある作業現場に進入させてクレーン作業をするしかできなかった。
このような、移動式クレーンの前側部分のみを突っ込ませてクレーン作業をする状況の場合、移動式クレーンを操作するキャブ内のオペレータは、細心の注意を払って作業を行っているのではあるが、後方(オペレータの背後)に位置しているガントリを直視できないことから、ガントリの存在を忘れてしまう可能性がある。その忘れた状況で移動式クレーンを旋回させてしまうと、ガントリを高架等の障害物に接触させてしまう事故を引き起こしてしまうことがある。例えば、鉄道が敷かれている近傍でのクレーン作業では、鉄道に関する電線等を切断してしまう可能性もある。
上記の問題に対する回避方法としては、例えば、特許文献2に開示のような、ブームが略水平に配置された低空頭空間専用の特殊な移動式クレーンを採用することが考えられる。しかしながら、このような特殊なクレーンでは、低空頭空間での作業が終わってしまえば、低空頭空間専用ではブーム長さが短すぎることで、通常のクレーン作業(高さ制限のない空間での作業)には使えない、すなわち一般の移動式クレーンで作業する方が高効率であることから、低空頭空間専用の移動式クレーンの稼働率が下がってしまい、作業コストが嵩むこととなる。このような理由から、低空頭空間専用の移動式クレーンを新たに別に用意することは、現実的ではないと考える。
また、ガントリを単に低くした特殊なクレーンを採用することも考えられるが、通常のクレーン作業では、長尺のブームを装着することがあるため、長尺のブームを装着して通常のクレーン作業を行う場合、ガントリが低ければその分、ガントリにかかる荷重、長尺のブームやクレーン本体に掛かる反力が大きくなるので、長いブームを引き起こすことは困難であり、移動式クレーンの強度に対する問題が発生する虞がある。
上記したように、ガントリの高さが低い特殊な移動式クレーンや、特許文献2に開示のような移動式クレーンを、通常のクレーン作業に使うことは好ましくない。そこで、上記の問題を解決する方法を考慮すると、通常のクレーン作業に使用される移動式クレーンに、通常のクレーン作業時と、低空頭空間での作業時のそれぞれに対応するガントリをユニットごとに、作業毎に交換すればよいことが考えられる。
しかし、ガントリをユニットごと交換するには、起伏ワイヤロープの巻き替え作業や、重量物であるガントリを吊上げるために、別にクレーンを用意する必要があるので、交換作業が煩雑であり、且つ交換時間もかかり、さらには別のクレーンをチャーターする必要も出てくる、すなわちクレーンのレンタル費用がかかってしまうなどいった課題があり、ユニットの交換作業が大がかりなものとなってしまう虞がある。
ところで、クローラクレーンにおいては、自立できるブーム長を長くする、また、吊上能力を向上させるために、ガントリのピーク高さを高くする方法が取られている。理由としては、ガントリのピーク高さを高くすれば、ブームとガイケーブルとのなす角度を大きくすることができる。その結果、ブーム圧縮力及びガイケーブル張力を減ずることができるからである。なお、上記のガイケーブルは、ブームの先端部とガントリの先端部とを結ぶものである。
さて、従来より、ガントリを構成するテンションメンバー(後側脚部)が垂直に立っている。ここで、ガントリテンションメンバーが起立状態である理由を考える。まず、ガントリを構成するコンプレッションメンバー(前側脚部)を一定長さと仮定して考察すると、テンションメンバーを垂直からクローラクレーン後方に傾斜させていくと、ガントリのピーク位置が低くなることがわかる。
一方で、逆にテンションメンバーをクローラクレーン前方に傾斜させていくと、さらにピーク位置は高くなるのだが、クローラクレーンの構成上、テンションメンバーは上部旋回体(旋回フレーム)の最後端側に取り付けられているので、テンションメンバーの引張り力を、上部旋回体にスムーズに伝えることができなくなる。このようなことから、上部旋回体の強度を確保するために、上部旋回体の後端を後方へ伸ばすことが考えられるが、クローラクレーン本体の重量増及び、上部旋回体の後端における旋回半径の増加といった別の課題が生じてしまう虞がある。
上記の理由から、テンションメンバーは垂直に立っていることが一般であり、その結果、上部旋回体には垂直方向の引張り力しか、かからないこととなる。よって、テンションメンバーが細長い構造でも曲げがかからないので、十分な強度が得られており、その結果、上部旋回体の軽量化及び、上部旋回体の後端における旋回半径の縮小化が果たせている。
言い換えれば、一般的な上部旋回体のままで、テンションメンバーを前後方向のいずれかに傾斜させると、上部旋回体に形成されているテンションメンバー取付部に曲げ力がかかってしまい、その取付部が強度不足となり、破損してしまう虞がある。そこで本発明は、上記問題点に鑑み、移動式クレーンにおいて、「低空頭空間」での作業時にはテンションメンバーを上部旋回体の後方に傾斜させた状態にすることで、上方の高さ制限がある「低空頭空間」での作業も行うことができる移動式クレーンを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。本発明のかかる移動式クレーンは、上部旋回体の上部に、ブームと、テンションメンバーを有し、且つ前記ブームを起伏させるガントリとが配備されている移動式クレーンにおいて、上方に高さ制限がある空間である「低空頭空間」にてクレーン作業を行うにあたっては、前記テンションメンバーを、前記上部旋回体の後方に傾斜させた状態にして、前記ガントリの高さを、前記低空頭空間のクレーン作業の最小ブーム角にした際における前記ブームの高さと同じまたはより低い位置に設定可能な構成とされ、前記テンションメンバーは、少なくとも第1部材と、前記第1部材を収容可能な第2部材であって前記第1部材が挿通される筒状部を含む第2部材と、を有する複数段の構造からなり、前記通常クレーン作業時の前記ガントリの高さと、前記低空頭空間のクレーン作業時の前記ガントリの高さを、自在に切換可能とされた伸縮自在のテレスコピック構造とされることを特徴とする。
好ましくは、前記テンションメンバーは、前記第2部材を収容可能な第3部材であって前記第2部材が挿通される筒状部を含む第3部材を更に有し、前記第1部材が前記第2部材から引き出されるとともに前記第2部材が前記第3部材から引き出されると、前記テンションメンバーが前記上部旋回体に対して略直立し、通常のクレーン作業が可能な状態とされ、前記第1部材が前記第2部材から引き出されるとともに前記第2部材が前記第3部材に収容されると、前記テンションメンバーが前記上部旋回体の後方に傾斜し、前記低空頭空間におけるクレーン作業が可能とされ、前記第1部材が前記第2部材に収容されるとともに前記第2部材が前記第3部材に収容されると、前記テンションメンバーが前記上部旋回体の上部に略水平に載置され、前記ガントリが格納状態とされるとよい。好ましくは、前記低空頭空間にてクレーン作業を行う際には、前記テンションメンバーとして低空頭作業用の短尺テンションメンバーを取り付けて、当該短尺テンションメンバーを、前記上部旋回体の後方に傾斜させた状態にして、前記ガントリの高さを、前記ブームの高さと同じまたはより低い位置に維持可能な構成とされているとよい。好ましくは、前記上部旋回体に、前記短尺テンションメンバーを取り付ける取付部が設けられており、前記取付部は、前記「低空頭空間」にてクレーン作業時に、前記短尺テンションメンバーに作用する引張力の方向を向き、且つ当該取付部には曲げ力がかからない形状とされているとよい。
好ましくは、前記ガントリの高さを、前記ブームの高さより低い位置に維持可能な構成とされているとよい。
本発明によれば、移動式クレーンにおいて、「低空頭空間」での作業時にはテンションメンバーを上部旋回体の後方に傾斜させた状態にすることで、上方の高さ制限がある「低空頭空間」での作業も行うことができる。
本発明にかかる移動式クレーンの概略図であって、取り替え式とされたテンションメンバーを有するガントリを模式的に示した図であり、「低空頭空間」での作業時におけるガントリの位置及び、格納時におけるガントリの位置を示した図である。 本発明にかかる移動式クレーンの概略を模式的に示した図である。 テレスコピック構造とされたガントリを模式的に示した図であり、(a)は、格納時におけるガントリの位置を示した図であり、(b)は、「低空頭空間」での作業時におけるガントリの位置を示した図であり、(c)は、上方の高さ制限がない空間での作業時におけるガントリの位置を示した図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。本実施形態においては、移動式クレーン1のうち、ラチスブーム式クローラクレーンを例に挙げて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示内容だけに限定されるものではない。また、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1〜図3に示すように、本発明は、「低空頭空間」でのクレーン作業で用いられるクローラクレーン1を対象としている。ここで例えばビルなどの建築物の作業現場といった、クレーン作業において上方に高さ制限がない空間で行われる作業、つまり一般的なクレーン作業のことを、以降の説明においては、単に、通常のクレーン作業と呼ぶこととする。
なお、この通常のクレーン作業においては、ガントリを構成するテンションメンバー(後側脚部)が垂直に立っている状態である。まず、その対象となるクローラクレーン1の基本的な装置構成について、図2を参照しながら説明する。なお、この図2に関して、クローラクレーン1の構成の一部(例えば、フック装置、吊りロープ、起伏ロープなど)を省略して描いている。
図2に示すように、クローラクレーン1(以下、単にクレーン1ということもある)は、上部旋回体4と、上部旋回体4を旋回自在に下から支持するとともに、走行を行う下部走行体2と、を備えている。また、上部旋回体4の幅方向中央の前方には、フック装置を吊りロープを介して吊り下げるブーム6が備えられている。なお、本明細書では、下部走行体2の走行方向と上部旋回体4に備えられたブーム6の軸長方向が一致する位置、すなわちクローラクレーン1の基準位置(ホームポジション)において、上部旋回体4から伸びるように配備されたブーム6及びキャブ5側をクローラクレーン1の前側とし、上部旋回体4に搭載されているガントリ9及びカウンタウェイト8側をクローラクレーン1の後側とする。また、上部旋回体4の幅方向一方側をクローラクレーン1の右方向とし、上部旋回体4の幅方向他方側をクローラクレーン1の左方向とする。これは、キャブ5に搭乗したオペレータから見た方向と一致する。
クレーン1の下部走行体2は、金属製の帯体を環状に形成してなる無限軌道(クローラ3)を左右方向の両端にそれぞれ備え、このクローラ3により地面を走行可能とされている。この下部走行体2の中央上部には、上部旋回体4を旋回自在に下から支持し、且つ上部旋回体4を上下方向軸心回りに旋回させる旋回手段が搭載されている。上部旋回体4は、鋼材で形成され、前後方向の長さが、左右方向の幅より長い板状の枠体である。上部旋回体4の後部の左右両側には、カウンタウェイト8が配備されている。
さらに、上部旋回体4の幅方向一方側(右側)の前方には、内部が空間とされた筐体とされ、その内部にブーム6を操作する操作ユニットが配備されたキャブ5(運転室)が搭載されている。キャブ5の内部の座席に着座したオペレータは、操作部を操作することによりクレーン操作を行う。また、キャブ5の後方には、エンジンやエンジンに関する付帯機器などの駆動部がガード部材内に格納されている。駆動部は、クレーン1の機能(クローラ3の走行、ウインチ7の駆動、ブーム6及びガントリ9の起伏など)を動作させるものである。なお、駆動部には、エンジンのみならず、冷却装置、油圧ポンプ、油圧モータ、コントロールバルブ、作動油タンクなどの付帯機器などが含まれている。
一方、上部旋回体4の幅方向中央前側には、起伏自在のブーム6が配備されている。そのブーム6には、吊荷を吊るためのフック装置が、吊りロープを介して先端から吊り下げられている。また、ブーム6の先端には、起伏ロープが掛回されている。ところで、図2に示すように、本実施形態においては、通常のクレーン作業で用いられるクレーン1の上部旋回体4に直接取り付けられている下部ブーム6aだけを残し、その下部ブーム6aの前端側にコンパクト(短尺)な上部ブーム6bを取り付けた、ブーム6全長を短くしたクレーンである。この上部ブーム6bは、上方に高さ制限がある空間である「低空頭空間」でクレーン作業に用いられる特殊なブームである。
ブーム6の後方の上部旋回体4には、ウインチ7が前後方向に並ぶように複数搭載されている。これらウインチ7は、吊りロープの巻き取りや繰り出しを行って、フック装置の引き上げや降下を行ったり、起伏ロープの巻き取りや繰り出しを行って、ブーム6の後方に取り付けられたガントリ9を介して、ブーム6の引き起こしや格納を行う。すなわち、ブーム6は、その先端部とガントリ9先端部との間にかけ渡されたガイライン及び起伏ロープによって起伏自在とされている。
図1、図2に示すように、ガントリ9は、ブーム6を引き起こすとともに、そのブーム6の後方から支持する部材である。ガントリ9は、上部旋回体4の上部に格納される際には、水平方向を向くように傾倒される。つまり、ガントリ9は、格納時に上部旋回体4上に倒れこんで収容される構成とされている。このガントリ9には、起伏ロープが掛回されている。
ガントリ9は、コンプレッションメンバー10(前側脚部)とテンションメンバー11(後側脚部)とを有している。コンプレッションメンバー10は、左右方向に所定の間隔で配備された一対の長尺の棒材と、その棒材の間を連結する部材とからなる枠体である。コンプレッションメンバー10は、基端が上部旋回体4に回動自在に取り付けられていて、起伏自在となっている。
テンションメンバー11は、コンプレッションメンバー10に隣接配備された、一対の長板状の部材である。テンションメンバー11は、折りたたみ自在の部材であって、コンプレッションメンバー10が引き起こされたときは伸長されて略起立状態とされ、格納時には略水平方向を向くように折りたたまれるようになっている。テンションメンバー11は、基端が上部旋回体4に回動自在に取り付けられている。
コンプレッションメンバー10とテンションメンバー11は、それぞれの上端において、互に回動自在に連結されている。図2中の仮想線(一点破線)に示すように、コンプレッションメンバー10、テンションメンバー11ともに、略水平に寝かされた状態が、ガントリ9の格納時の姿勢である。また、図2中の仮想線(二点破線)に示すように、コンプレッションメンバー10が上部旋回体4に対して後方上向きに傾斜した状態とされ、且つそれを支持するテンションメンバー11が上部旋回体4に対して略垂直に立設された状態、略直角三角形の形状の状態が、通常のクレーン作業の姿勢である。
なお、コンプレッションメンバー10は、ガイライン及び起伏ロープを介して、ブーム6を引き起こす際、及び引き起こした際に作用する圧縮荷重を受ける部材である。また、テンションメンバー11は、ガイライン及び起伏ロープを介して、ブーム6を引き起こす際、及び引き起こした際に作用する引張荷重を受ける部材である。ところで、本発明は、クレーン作業において上方に高さ制限がない空間での作業、すなわち通常のクレーン作業で用いられるクレーン1において、高架下などの上方に高さ制限がある空間である「低空頭空間」にクレーン1全体を進入させて、その中でクレーン作業ができるように、それに適切な高さにすることができる構造を有するガントリ9を備えたクレーン1である。
図2に示すように、本発明のクレーン1に配備されているガントリ9は、高架下などの上方に高さ制限がある空間である「低空頭空間」にてクレーン作業を行うにあたっては、低空頭空間のクレーン作業の最小ブーム角αにした際におけるブーム6の床面からの高さH3に対し、テンションメンバー11を、通常のクレーン作業時より、上部旋回体4の後方に傾斜させた状態にして、コンプレッションメンバー10の床面からの高さH2を、ブーム6の高さH3と同じ、あるいはより低い位置に切換可能な構成とされている。
すなわち、本発明のクレーン1は、通常のクレーン作業時のコンプレッションメンバー10をそのまま取り付けておき、そのコンプレッションメンバー10を後方から支持するテンションメンバー11の長さを可変とすることで、ガントリ9の高さを低くして、低空頭空間にてクレーン作業を行えるようにしている。また、本発明のクレーン1は、ガントリ9の高さを、ブーム6の高さより低い位置に維持可能な構成とされている。
なお、コンプレッションメンバー10の形状及び寸法などの基本構成については、通常のクレーン作業時に使われるものであるので、詳細な説明は省略する。図1に示すように、例えば、通常のクレーン作業に対応した長尺のテンションメンバーと、低空頭空間の高さに対応した短尺のテンションメンバー11を、少なくとも2種類以上設定しておき、通常のクレーン作業時には、長尺のテンションメンバーを用い、低空頭空間のクレーン作業には、短尺のテンションメンバー11を用いるとよい。
つまり、通常のクレーン作業に用いる、長尺のテンションメンバーよりも短尺のテンションメンバー11を取り付けて、短尺のテンションメンバー11を通常のクレーン作業時より、上部旋回体4の後方に傾斜させた状態にして、コンプレッションメンバー10(ガントリ9)の高さH2を、ブーム6の高さH3と同じ、あるいはより低い位置に維持可能な構成としてもよい。
通常のクレーン作業用の長尺のテンションメンバーに加えて、低空頭空間の高さに対応した短尺のテンションメンバー11を用意しておくことで、短時間に、テンションメンバー11の組み換えが可能となる。ところで、図1に示すように、上部旋回体4の上面側には、長尺のテンションメンバー乃至は短尺のテンションメンバー11を取り付ける取付部12が形成されている。
この取付部12は、板状の部材であって、上部旋回体4から上方に突出するように、左右一対設けられている。その取付部12の上端には、テンションメンバー11の基端を回動自在に連結する連結孔が形成されている。この連結孔と、テンションメンバー11の基端に形成されている連結孔とを合わせてピン22を介して連結することで、テンションメンバー11が基端を中心に回動して起伏するようになっている。
また、取付部12は、長尺のテンションメンバー乃至は、短尺のテンションメンバー11を引き起こした際に、そのどちらのテンションメンバー11に作用する引張力の方向に対応する方向を向き、且つ当該取付部12には曲げ力がかからずに、上部旋回体4に力が伝わる形状とされている。すなわち、取付部12は、上端よりも基端が前後方向に長い、言い換えれば側面視で基端が幅広な形状(例えば、略三角形状)とされた板材である。
なお、テンションメンバー11に作用する引張力とは、テンションメンバー11が後方に傾斜した状態(上端が基端より後方となった状態)において、ガイライン及び起伏ロープにより、斜め後上方に引っ張られるようにかかる力のことである。取付部12を上記の形状とすることで、上部旋回体4(旋回フレーム)の重量の増加、上部旋回体4の後端側の旋回半径の増加を極力抑えた、上部旋回体4の構成となる。
さて、図3(a)〜(c)に示すように、テンションメンバー11は、通常クレーン作業時のコンプレッションメンバー10の高さと、低空頭空間のクレーン作業時のコンプレッションメンバー10の高さを、自在に切換可能とされた伸縮自在のテレスコピック構造とされていてもよい。具体的には、テンションメンバー11は、その全長をおよそ3等分した長さの、第1メンバー部材11a、第2メンバー部材11b、第3メンバー部材11cからなる3段構造とされていて、第1メンバー部材11aは第2メンバー部材11bに収容され、第2メンバー部材11bは第3メンバー部材11cに収容される構成となっている。
ところで、テンションメンバー11全体の長さ、幅などの基本構成については、通常のクレーン作業時に使われるものとほぼ同じであるので、詳細な説明は省略する。なお、ここでの長さは、テンションメンバー11がほぼ直立状態で上部旋回体4上に立設された際における上下方向の長さを示す。また、幅は、テンションメンバー11がほぼ直立状態で上部旋回体4上に立設された際における前後方向の長さを示す。
第1メンバー部材11aは、上記したテンションメンバー11の約1/3の長さで且つ、所定の厚みを有する1本の平板材で構成されている。この第1メンバー部材11aの上端は、ピン22を介してコンプレッションメンバー10の上端に、回動自在に連結されている。第1メンバー部材11aが第2メンバー部材11b内に収容された状態のときは、その基端はピン22を介して、第2メンバー部材11bの基端に連結される。第1メンバー部材11aが引き出されると、その基端はピン22を介して、第2メンバー部材11bの上端に連結される。
第2メンバー部材11bは、上記したテンションメンバー11の約1/3の長さで且つ、所定の厚みを有する一対の平板材で構成されている。この一対の平板材は、所定の間隔を離して配備されていて、その間隔は第1メンバー部材11aの厚み(左右方向の長さ)とほぼ同じか、或いは、やや広い間隔である。この第2メンバー部材11bは、上記の間隔を空けて、平板材を2本重ね合わせるように配備した構造となっているので、第1メンバー部材11aを挟み込むように収容することが可能となっている。
第2メンバー部材11bが第3メンバー部材11c内に収容されているときは、上端がピン22を介して第3メンバー部材11cの上端に連結され、基端はピン22を介して第3メンバー部材11cの長手方向中途部に連結される。一方、第1メンバー部材11aのみが引き出されたとき、第2メンバー部材11bは、上端がピン22を介して第1メンバー部材11aの基端に連結され、基端はピン22を介してそのまま第3メンバー部材11cの長手方向中途部に連結される。
また、第2メンバー部材11bが引き出されたときは、その上端がピン22を介して第1メンバー部材11aの基端に連結され、基端はピン22を介して第3メンバー部材11cの上端に連結される。第3メンバー部材11cは、上記したテンションメンバー11の約1/3の長さで且つ、所定の厚みを有する一対の平板材で構成されている。この一対の平板材は、所定の間隔を離して配備されていて、その間隔は第2メンバー部材11bの厚みとほぼ同じか、或いは、やや広い間隔である。
この第3メンバー部材11cは、上記の間隔を空けて、平板材を2本重ね合わせるように配備した構造となっているので、第2メンバー部材11bを挟み込むように収容することが可能となっている。第3メンバー部材11cの基端は、ピン22を介して上部旋回体4に設けられている取付部12に、回動自在に連結されている。
第2メンバー部材11bを収容しているときの第3メンバー部材11cの上端は、ピン22を介して第2メンバー部材11bの上端に連結される。一方、第2メンバー部材11bが引き出されたときの第3メンバー部材11cの上端は、ピン22を介して第2メンバー部材11bの基端に連結される。なお、各メンバー部材の連結位置を変更可能としていてもよい。この場合、テンションメンバー11の長さを作業現場の高さに応じて、調整することが可能となる。
以上述べたテレスコピック構造に関しては、テンションメンバー11が高さを切換できるテレスコピック構造であれば、構成する各メンバー部材11a〜11cの形状及び構成については特に限定はしない。例えば、第1メンバー部材11aを棒形状乃至は筒形状としておき、第2メンバー部材11bを第1メンバー部材11aが収容可能な内部とされた筒形状としておき、さらに第3メンバー部材11cを第2メンバー部材11bが収容可能な内部とされた筒形状とした、テレスコピック構造としておいてもよい。また、例示した3段のテレスコピック構造でもよいし、2段構造・4段以上の構造など、複数段の構造としてもよい。さらに、テレスコピック構造の各メンバー部材11a〜11cは均等な長さである必要は無く、少なくとも各メンバー部材11a〜11cのうちの一つまたは複数の組み合わせの長さが、予め使用が想定される低空頭作業に適した長さとなるようにしておけばよい。
次に、テンションメンバー11がテレスコピック構造とされた場合における、ガントリ9の起伏動作を、図3(a)〜(c)を参照しながら、説明する。図3(a)は、ガントリ9の格納状態を示す。図3(a)に示すように、ガントリ9を構成するコンプレッションメンバー10及びテンションメンバー11は、左右両側のカウンタウェイト8間に、上部旋回体4の上部に略水平に載置された状態、すなわち寝かされた状態である。
このとき、コンプレッションメンバー10は、上端が固定バー20により格納状態を維持されている。また、テンションメンバー11は、第1メンバー部材11aが第2メンバー部材11b内に収容され、その第2メンバー部材11bが第3メンバー部材11c内に収容された状態である。また、コンプレッションメンバー10を起伏動作させる伸縮シリンダ21は、収縮した状態である。
そして、コンプレッションメンバー10の上端に取り付けられている固定バー20を外し、伸縮シリンダ21を動作させて、コンプレッションメンバー10を起こしてゆき、図3(b)に示す状態にする。図3(b)は、「低空頭空間」でのクレーン作業時におけるガントリ9の状態を示す。図3(b)に示すように、コンプレッションメンバー10は、斜め後上方に傾斜した状態である。また、テンションメンバー11は、斜め後上方に傾斜状態であるが、コンプレッションメンバー10よりやや起きた状態である。
ガントリ9は、上端(コンプレッションメンバー10の上端とテンションメンバー11の上端とが連結されている部分)がテンションメンバー11の基端より後方に位置した、側面視で三角形状となっている。このとき、テンションメンバー11は、基端を中心に前方に回動して起こされて、第1メンバー部材11aが第2メンバー部材11bから引き出されている状態である。第1メンバー部材11aの基端と第2メンバー部材11bの上端が、ピン22を介して連結されている。一方、第2メンバー部材11bは、第3メンバー部材11c内に収容された状態である。
つまり、第1メンバー部材11aと、第2メンバー部材11bを収容する第3メンバー部材11cが、ピン22などを介して固定されて、1本のテンションメンバー11となる。「低空頭空間」でのクレーン作業時におけるテンションメンバー11の長さは、テンションメンバー11の全長(通常のクレーン作業時の長さ)に対して、およそ2/3程度となっている。
このように、テンションメンバー11の長さを切り換える、すなわち地面からのテンションメンバー11の高さH2を、地面からのブーム6の高さH3より低くすることができるので、高架下など高さに制限がある空間(高さH)でも、クレーン1全体を作業現場に進入させてクレーン作業を行うことが可能となる(H2≦H)。続いて、通常のクレーン作業を行う場合、伸縮シリンダ21をさらに動作させて、コンプレッションメンバー10を起こしていき、図3(c)に示す状態にする。
図3(c)は、通常のクレーン作業時におけるガントリ9の状態を示す。図3(c)に示すように、コンプレッションメンバー10は、斜め後上方に傾斜した状態であるが、「低空頭空間」でのクレーン作業時におけるコンプレッションメンバー10の傾きより起きた状態である。また、テンションメンバー11は、ほぼ直立した状態である。ガントリ9は、上端がテンションメンバー11の基端のほぼ真上に位置した、側面視で直角三角形状となっている。
このとき、テンションメンバー11は、基端を中心に前方に回動してさらに起こされて、第1メンバー部材11aが第2メンバー部材11bから引き出されるとともに、第2メンバー部材11bも第3メンバー部材11cから引き出された状態である(高さH1)。第1メンバー部材11aの基端と第2メンバー部材11bの上端がピン22を介して連結されるとともに、第2メンバー部材11bの基端と第3メンバー部材11cの上端がピン22を介して連結されている。
つまり、第1メンバー部材11aと、第2メンバー部材11bと、第3メンバー部材11cが、ピン22などを介してそれぞれ固定されて、1本のテンションメンバー11となる。なお、ガントリ9を格納するには、上で述べた逆の手順、すなわち図3(c)〜図3(a)の順に、格納動作を行うとよい。
このように、テンションメンバー11をテレスコピック構造とすることで、長さをより簡便に変更することができるようになるので、地面からのガントリ9の高さH2を、地面からのブーム6の高さH3より低くすることができる。また、テンションメンバー11をテレスコピック構造とすることで、様々な作業現場に応じた専用のテンションメンバーを用意する必要がなく、それぞれの作業現場に応じて容易且つ迅速に、ガントリ9の地面からの高さを切り換えることができる。
以上より、高架下など高さに制限がある空間(高さH)でも、クレーン1全体を作業現場に進入させてクレーン作業を行うことが可能となる(H2≦H)。以上述べたように、本発明のクレーン1は、地面からの高さを容易に変えることができる構成のガントリ9を配備しているので、高さ制限のない通常でのクレーン作業が行うことができるとともに、高さ制限のある「低空頭空間」でのクレーン作業も行うことができる。
つまり、高さを切り換えることのできるガントリ9を、上方の高さ制限がない作業現場で用いられる移動式クレーン1に備えるだけでよいので、「低空頭空間」専用のクレーンを別に用意しなくてもよく、1台のクレーン1で様々な状況のクレーン作業を行うことができ、クレーン1の稼働率が向上する。また、本発明のクレーン1を用いれば、「低空頭空間」でのクレーン作業時に、上方の障害物(高架橋等)との干渉を気にせず、安全にクレーン作業を行うことができる。
また、本発明の技術は、通常の移動式クレーン1に備えられたコンプレッションメンバー10をそのまま使用することができるので、起伏ロープをドラムに巻き込む作業や、上部スプレッダ及び下部スプレッダを取り外す手間が不要となり、クレーン1の準備時間を短縮することができる。また、前述の準備作業に用いられる別のクレーンのチャーター費用の削減等も可能となる。
なお、今回開示された各実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された各実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
例えば、移動式クレーン1を操作するキャブ5内のオペレータは、後方(オペレータの背後)に位置しているガントリ9を直視できないので、ガントリ9の存在を忘れてしまう可能性がある。このような状況を回避するため、ガントリ9が、通常のクレーン作業の使用になっている(テンションメンバー11がほぼ直立状態)か、低空頭空間でのクレーン作業の使用になっている(テンションメンバー11が傾斜状態)か、を検出するようにしておき、例えば通常のクレーン作業時に、ガントリ9が低空頭空間でのクレーン作業の使用になっている場合、その低空頭空間の使用のままでは大きな負荷がガントリ9にかかってしまい安全な作業が行えなくなるので、その前にオペレータに対して警告を発する安全装置を、クレーン1の制御装置などに備えておくとよい。
本発明を説明する上で、クローラクレーン1を例に挙げて説明したが、本発明の技術は(例えば、ラチスブーム式)ホイールクレーンなど、種々の移動式クレーンに適用可能である。また、テンションメンバー11に関し、高さを自在に切換できる機能、その高さを切り換えた状態を維持できる形状及び構成あれば、特に限定はしない。たとえば、リンク構造とされていてもよい。
1 移動式クレーン(クローラクレーン)
2 下部走行体
3 クローラ
4 上部旋回体
5 キャブ
6 ブーム
7 ウインチ
8 カウンタウェイト
9 ガントリ
10 コンプレッションメンバー(圧縮部材)
11 テンションメンバー(引張部材)
11a 第1メンバー部材
11b 第2メンバー部材
11c 第3メンバー部材
12 取付部
20 固定バー
21 伸縮シリンダ
22 ピン


Claims (5)

  1. 上部旋回体の上部に、ブームと、テンションメンバーを有し、且つ前記ブームを起伏させるガントリとが配備されている移動式クレーンにおいて、
    上方に高さ制限がある空間である「低空頭空間」にてクレーン作業を行うにあたっては、
    前記テンションメンバーを、前記上部旋回体の後方に傾斜させた状態にして、
    前記ガントリの高さを、前記低空頭空間のクレーン作業の最小ブーム角にした際における前記ブームの高さと同じまたはより低い位置に設定可能な構成とされ、
    前記テンションメンバーは、少なくとも第1部材と、前記第1部材を収容可能な第2部材であって前記第1部材が挿通される筒状部を含む第2部材と、を有する複数段の構造からなり、前記通常クレーン作業時の前記ガントリの高さと、前記低空頭空間のクレーン作業時の前記ガントリの高さを、自在に切換可能とされた伸縮自在のテレスコピック構造とされる
    ことを特徴とする移動式クレーン。
  2. 前記テンションメンバーは、前記第2部材を収容可能な第3部材であって前記第2部材が挿通される筒状部を含む第3部材を更に有し、
    前記第1部材が前記第2部材から引き出されるとともに前記第2部材が前記第3部材から引き出されると、前記テンションメンバーが前記上部旋回体に対して略直立し、通常のクレーン作業が可能な状態とされ、
    前記第1部材が前記第2部材から引き出されるとともに前記第2部材が前記第3部材に収容されると、前記テンションメンバーが前記上部旋回体の後方に傾斜し、前記低空頭空間におけるクレーン作業が可能とされ、
    前記第1部材が前記第2部材に収容されるとともに前記第2部材が前記第3部材に収容されると、前記テンションメンバーが前記上部旋回体の上部に略水平に載置され、前記ガントリが格納状態とされる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動式クレーン。
  3. 前記低空頭空間にてクレーン作業を行う際には、
    前記テンションメンバーとして低空頭作業用の短尺テンションメンバーを取り付けて、
    当該短尺テンションメンバーを、前記上部旋回体の後方に傾斜させた状態にして、
    前記ガントリの高さを、前記ブームの高さと同じまたはより低い位置に維持可能な構成とされている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の移動式クレーン。
  4. 前記上部旋回体に、前記短尺テンションメンバーを取り付ける取付部が設けられており、
    前記取付部は、前記「低空頭空間」にてクレーン作業時に、前記短尺テンションメンバーに作用する引張力の方向を向き、且つ当該取付部には曲げ力がかからない形状とされている
    ことを特徴とする請求項3に記載の移動式クレーン。
  5. 前記ガントリの高さを、前記ブームの高さより低い位置に維持可能な構成とされている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の移動式クレーン。
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