JP6567407B2 - キャノピ及びキャノピを備えた作業機 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されたキャノピは、右側の側枠部材と、左側の側枠部材と、屋根部材とを備えている。右側の側枠部材は、運転席の右後方から上方へ延設され且つ上方から前方へ延設されている。左側の側枠部材は、運転席の左後方から上方へ延設され且つ上方から前方へ延設されている。屋根部材は、右側の側枠部材と左側の側枠部材の上部間に架設されており、前部が後部に比べて低くなるように傾斜している。屋根部材の上面には、複数の凸状部と、樋部と、堰き止め部と、溝部と、堰き止め片とが設けられている。複数の凸状部は、屋根部材の幅方向に間隔をあけて形成され、前方から後方に向けて延びている。樋部は、隣り合う凸状部の間に形成されている。堰き止め部は、凸状部の前方に設けられ、屋根部材の幅方向に延びている。溝部は、屋根部材の右前部及び左前部に形成されている。堰き止め片は、右側の溝部と左側の溝部の間に設けられている。
本発明に係る作業機のキャノピは、作業機の機体から上方に延びる複数本の支柱と、前記複数本の支柱の上部に渡って設けられ且つ運転席の上方に位置するルーフと、を備え、前記ルーフは、前記機体の前方から後方に向けて次第に低くなるように形成された上面と、前記上面から上方に向けて隆起した隆起部と、前記上面の後端部から後方に向けて突出した鍔部と、を有し、前記隆起部は、前記ルーフの外縁に沿って設けられた第1隆起部と、前方から後方に向けて延びると共に前記機体の幅方向に間隔をあけて且つ前記第1隆起部と隔てて設けられた複数の第2隆起部と、を有し、前記鍔部は、前記上面の後端部の前記幅方向全長に渡って延設されると共に、前記幅方向の中央から外方に向けて次第に低くなるように形成されており、前記隆起部は、前記第2隆起部の後方に設けられ且つ前記幅方向に延びる第3隆起部を有し、前記第3隆起部は、前記幅方向の中央から外方に向かうにつれて、次第に低くなるように傾斜し且つ前縁が後方に移行するように湾曲しており、前記鍔部は、前記第3隆起部の後方に設けられ且つ前記幅方向の長さが前記第3隆起部よりも長い。
本発明に係る作業機は、上記した本発明に係る作業機のキャノピを備えている。
また、上述したキャノピを備えた作業機によれば、上述した優れた効果を奏する作業機が提供される。
作業機1は、機体2と、キャノピ3と、走行装置4と、作業装置5とを備えている。以下、本発明の実施形態において、作業機1の運転席7に着座した運転者の前側(図16の左側)を前方、運転者の後側(図16の右側)を後方、運転者の左側(図16の手前側)を左方、運転者の右側(図16の奥側)を右方として説明する。また、前後の方向K1(図16参照)に直交する方向である水平方向K2(図16参照)を機体幅方向として説明する。
旋回台6の右前部には支持ブラケット21が設けられている。支持ブラケット21には、スイングブラケット22が枢支されている。スイングブラケット22は、旋回基板8に取り付けられたスイングシリンダ16の駆動により縦軸回りに揺動可能となっている。
作業装置5は、ブーム10と、アーム11と、作業具(バケット)12とを有している。さらに作業装置5は、これらのブーム等の駆動機構(油圧アクチュエータ等)として、ブームシリンダ13と、アームシリンダ14と、作業具シリンダ15とを有している。ブームシリンダ13、アームシリンダ14、作業具シリンダ15及びスイングシリンダ16は、油圧シリンダにより構成されている。
ブームシリンダ13は、スイングブラケット22とブーム10とを連結している。アームシリンダ14は、ブーム10とアーム11とを連結している。作業具シリンダ15は、アーム11と作業具12とを連結している。
図1、図2に示すように、旋回基板8上には、縦リブ23R,23L、仕切り板24、第1支持台25、第2支持台26R,26L、第3支持台27R,27Lが設けられている。縦リブ23Rは、旋回基板8の右部に設けられている。第1縦リブ23Lは、旋回基板8の左部に設けられている。第1縦リブ23Rと第2縦リブ23Lとは、支持ブラケット21の後部から後方に向けて延びている。仕切り板24は、エンジンが配置されるエンジンルームERの前方に設けられており、機体幅方向に延びている。第1支持台25は、支持ブラケット21の左方に設けられており、機体幅方向に延びている。第2支持台26Rは、仕切り板24の後面の右部に固定されている。第2支持台26Lは、仕切り板24の後面の左部に固定されている。第3支持台27Rは、旋回基板8の右後部に設けられている。第3支持台27Lは、旋回基板8の左後部に設けられている。
右前脚20Aは、第2支持台26R上に固定されることにより、運転席7の右後方に配置される。左前脚20Bは、第2支持台26L上に固定されることにより、運転席7の左後方に配置される。右後脚20Cは、第3支持台27R上に固定されることにより、右前脚20Aの後方に配置される。左後脚20Dは、第3支持台27L上に固定されることにより、左前脚20Bの後方に配置される。連結板20Eは、機体幅方向に延びており、右前脚20Aの上部、左前脚20Bの上部、右後脚20Cの上部、左後脚20Dの上部を連結している。受け台20Fは、連結板20Eの上面に固定されている。
図3に示すように、キャノピ3は、キャノピ本体30と、フロントガード60とを有している。先ず、キャノピ本体30について説明する。
図6〜図8、図15に示すように、キャノピ本体30は、第1支柱31と、第2支柱32と、ルーフ33とを有している。
は、第1プレート31eの後面に固定されている。ナット31fの中心と貫通孔31gの中心とは同一軸線上に配置されている。
ルーフ33は、板状であって、第1部分33aと第2部分33bとを有している。図1等に示すように、第1部分33aは運転席7の上方に位置している。第1部分33aは、前方から後方に向かうにつれて次第に低位置となるように傾斜している。図9に示すように、第1部分33aは、機体幅方向の中央部が最も高く、当該中央部から機体幅方向の両端部に向かうにつれて次第に低くなるように湾曲している。このルーフ33の傾斜形状により、運転席7に着座した運転者の頭上空間を広く確保することができると共に、運転者の前上方の視界を確保することができる。
上述した構成により、ルーフ33の第1部分33a上面で受けられた雨水は、第1部分33aの傾斜及び湾曲に沿って、機体幅方向の中央部から端部に向けて且つ前方から後方に向けて流れた後、第2部分33bに沿って流下する。つまり、第1部分33aの傾斜及び湾曲と第2部分33bの湾曲によって、雨水を運転席7の側方且つ後方に導いて流下さ
せることができる。そのため、雨水は、運転席7に着座した運転者から離れた位置に流下し、運転者が濡れることが防がれる。
第1隆起部36、第2隆起部37、第3隆起部38は、ルーフ33の上面から上方に向けて隆起している。第1隆起部36、第2隆起部37、第3隆起部38は、ルーフ33の第1部分33aをプレス成形することにより、ルーフ33と一体に形成されている。
右隆起部36Rは、第1部分33aの右縁を、第1支柱31の第1横部31bの外方(右方)まで延伸して形成されている。図7に示すように、右隆起部36Rは、第1横部31bの上方を覆っている。右隆起部36Rは、第1横部31bを形成するパイプの外周面の上部に沿って円弧状に湾曲されることにより、上方に隆起している。
前隆起部36Fは、第1部分33aの前縁を前方に延伸して形成されている。前隆起部36Fは、右隆起部36Rの前端部と左隆起部36Lの前端部とを繋ぐように、上方に隆起して機体幅方向に延設されている。
第2隆起部37は、機体幅方向に間隔をあけて且つ第1隆起部36と隔てて設けられた複数の隆起部を有している。本実施形態では、第2隆起部37は、一方隆起部37Aと、他方隆起部37Bと、中央隆起部37Cとを有している。一方隆起部37A、他方隆起部37B、中央隆起部37Cは、第1部分33aの上面に前方から後方に向けて延設されている。
図10に示すように、一方隆起部37Aの前部と第1隆起部36の右隆起部37Rとの間隔D1は、一方隆起部37Aの後部と右隆起部37Rとの間隔D2よりも大きい。また、他方隆起部37Bと前部と第1隆起部36の左隆起部37Lとの間隔D3は、他方隆起部37Bと後部と左隆起部37Lとの間隔D4よりも大きい。また、中央隆起部37Cの前端は、一方隆起部37Aの前端及び他方隆起部37Bの前端よりも後方に設けられている。これにより、ルーフ33の前部に雨水を一時的に貯めることができるスペースS1、S2,S3が形成される。そのため、短時間に多量の降雨があった場合でも、ルーフ33
の前方や側方から雨水が流れ落ちることが防がれる。
第1凹溝41〜第6凹溝46は、第1部分33aの上面を流れる雨水を受け入れて、後方(第2部分33bの方)且つ側方(右側及び左側)へと導く樋の機能を有している。詳しくは、ルーフ33の第1部分33aの上面で受けられた雨水は、第1部分33aの傾斜によって、第6凹溝46から第1凹溝41、第2凹溝42、第3凹溝43及び第4凹溝44を通って前方から後方へと流れる。このうち、第1凹溝41、第2凹溝42及び第3凹溝43を通って後方に流れた雨水は、第1部分33aの湾曲によって、第2部分33bの右部又は左部に流れ落ちる。また、第4凹溝44を通って流れた雨水は、第5凹溝45を通って右方又は左方へと流れた後、第2部分33bの右部又は左部に流れ落ちる。
図6〜図10に示すように、鍔部50は、第1鍔部51と第2鍔部52とを有している。図10等に示すように、第1鍔部51は、右鍔部51a、左鍔部51b及び前鍔部51cを有している。
すように、左鍔部51bは、第2横部32bの外面左部より外方(左方)に向けて突出している。左鍔部51bは、第2横部32bを形成するパイプの軸心より上方に設けられている。これにより、左鍔部51bを第2横部32bの軸心高さに設けた場合に比べて、左鍔部51bの平面視における突出量が少なくなる。そのため、運転者が左鍔部51bに接触することを防止できる。
上述の通り、キャノピ3は、第1横部31b,32bの外面より外方に向けて突出して雨水を受ける第1鍔部51(右鍔部51a、左鍔部51b及び前鍔部51c)を備えている。これにより、ルーフ33の上面で受けた雨水の水滴が支柱(第1支柱31、第2支柱32)の第1横部31b,32bの外面を回り込んで流れ落ちることを、第1鍔部51によって防ぐことができる。加えて、水滴は、支柱の第1横部31b,32bの外面に沿って流れ落ちる途中で第1鍔部51に遮られることで流下速度が低下する。そのため、水滴が第1鍔部51を越えて第1横部31b,32bの外面下部に回り込んだとしても、水滴は回り込み方向(運転席7側に向かう方向)の速度が自由落下方向(下方)の速度に比べて小さくなる。これにより、水滴が運転席7側に向けて落下することを防ぐことができる。また、第1鍔部51(右鍔部51a及び左鍔部51b)が第1横部31b,32bを形成するパイプの軸心よりも上方に設けられていることにより、水滴がパイプの外周面に沿って下方に回り込むことが確実に防がれ、水滴が運転席側に向けて落下することを効果的に防止できる。
これにより、第1屈曲部31cに沿って右鍔部51aを流れてきた雨水は、第1屈曲部31cに沿って下方に流れずに、図6、図9の矢印Aに示すように、第1屈曲部31cの中途部から斜め下方向に飛び出すことになる。そのため、右鍔部51aに沿って流れてきた雨水を、運転席7から離れる方向(後方)に飛び出させることが可能となる。
これにより、第2屈曲部32cに沿って左鍔部51bを流れてきた雨水は、第2屈曲部32cに沿って下方に流れずに、図6、図9の矢印Bに示すように、第2屈曲部32cの中途部から斜め下方向に飛び出すことになる。
第2鍔部52は、ルーフ33の上面の後端部から後方に向けて突出している。具体的には、図6、図9に示すように、第2鍔部52は、第2部分33bの下端部に設けられており、横部31b,32bから離れる方向(後方)に向けて突出している。図1に示すよう
に、第2鍔部52は運転席の後方に配置される。
第2鍔部52は、第1支柱31から第2支柱32に向かう方向(機体幅方向)に延設されている。第2鍔部52の延設長さL7(図9参照)は、第1支柱31と第2支柱32の間の距離(第1支柱31の軸心と第2支柱32の軸心との距離L0)よりも短い。本実施形態では、第2鍔部52の右端部は第1支柱31の軸心よりも左方に位置し、第2鍔部52の左端部は第2支柱32の軸心よりも右方に位置している。
図13、図14に示すように、フロントガード60は、基板66と、第1前柱部61と、第2前柱部62と、ガード部63とを有している。
図13、図14に示すように、第1前柱部61は、第1固定部61aと、第1上延部61bと、第1後延部61cと、第3接続部61dとを有している。
第3接続部61dは、第1後延部61cの後端に設けられている。
第2固定部62aは、第2前柱部62の下端に設けられており、運転席7の左前方にて基板66に固定されている。具体的には、第2固定部62aは、第2前柱部62の下端を、基板66の第1貫通孔66aLに嵌入して溶接等により固定した構成である。第2上延部62bは、第2固定部62aから上方に延びた後、屈曲して後方且つ上方(斜め後上方)に延びている。第2後延部62cは、第2上延部62bの上部から後方に延びている。第4接続部62dは、第2後延部62cの後端に設けられている。
図1、図13等に示すように、第2前柱部62は、手摺62hを有している。手摺62hは、第2上延部62bの中途部から前方に向けて突出している。第2前柱部62が手摺62hを有することにより、運転者が乗降する際に手摺61hを把持することで安全に乗降することができる。尚、第2前柱部62に手摺62hを設ける代わりに、第1前柱部61に同様の手摺を設けてもよい。また、第1前柱部61と第2前柱部62の両方に手摺を設けてもよい。
縦部材64は、第1前柱部61と第2前柱部62との間において互いに間隔をあけて複数本(図示例では11本)設けられている。各縦部材64は、金属製の帯状板により形成されており、下方から上方に向けて延びている。
第1連結部材651は、第1前柱部61の上部と第2前柱部62の上部とを連結している。具体的には、第1連結部材651は、第1上延部61bから第1後延部61cに至る屈曲部分と、第2上延部62bから第2後延部62cに至る屈曲部分とを連結している。これにより、第1前柱部61及び第2前柱部62に設けられた屈曲部分が補強される。
り、運転席に着座した作業者を前方からの飛来物から保護することができる。また、通常作業を行う場合には、フロントガード60をキャノピ本体30と機体2から取り外して使用することにより、作業者の前方の視界を良好に確保することができる。
2 機体
3 キャノピ
31 支柱(第1支柱)
32 支柱(第2支柱)
33 ルーフ
36 隆起部(第1隆起部)
37 隆起部(第2隆起部)
37A 一方隆起部
37B 他方隆起部
37C 中央隆起部
38 隆起部(第3隆起部)
50 鍔部
Claims (6)
- 作業機の機体から上方に延びる複数本の支柱と、
前記複数本の支柱の上部に渡って設けられ且つ運転席の上方に位置するルーフと、を備え、
前記ルーフは、前記機体の前方から後方に向けて次第に低くなるように形成された上面と、前記上面から上方に向けて隆起した隆起部と、前記上面の後端部から後方に向けて突出した鍔部と、を有し、
前記隆起部は、前記ルーフの外縁に沿って設けられた第1隆起部と、前方から後方に向けて延びると共に前記機体の幅方向に間隔をあけて且つ前記第1隆起部と隔てて設けられた複数の第2隆起部と、を有し、
前記鍔部は、前記上面の後端部の前記幅方向全長に渡って延設されると共に、前記幅方向の中央から外方に向けて次第に低くなるように形成されており、
前記隆起部は、前記第2隆起部の後方に設けられ且つ前記幅方向に延びる第3隆起部を有し、
前記第3隆起部は、前記幅方向の中央から外方に向かうにつれて、次第に低くなるように傾斜し且つ前縁が後方に移行するように湾曲しており、
前記鍔部は、前記第3隆起部の後方に設けられ且つ前記幅方向の長さが前記第3隆起部よりも長い作業機のキャノピ。 - 前記ルーフは、前記鍔部とは別に、前記上面の右端に形成されて後方に延びる右鍔部及び前記上面の左端に形成されて後方に延びる左鍔部を有し、
前記右鍔部の後端部及び前記左鍔部の後端部は、前記第3隆起部の左端部及び右端部よりも後方に配置されている請求項1に記載の作業機のキャノピ。 - 前記第2隆起部は、
前記幅方向の中央に設けられた中央隆起部と、
前記幅方向の一方側に設けられた一方隆起部と、
前記幅方向の他方側に設けられた他方隆起部と、を有し、
前記一方隆起部は、前方から後方に向かうにつれて一方側に移行し、
前記他方隆起部は、前方から後方に向かうにつれて他方側に移行し、
前記中央隆起部は、前方から後方に向かう中途部で二股に分岐している請求項1又は2に記載の作業機のキャノピ。 - 前記中央隆起部の前端は、前記一方隆起部の前端及び前記他方隆起部の前端よりも後方に設けられており、
前記一方隆起部の前部と前記第1隆起部との間隔は、前記一方隆起部の後部と前記第1隆起部との間隔よりも大きく、
前記他方隆起部の前部と前記第1隆起部との間隔は、前記他方隆起部の後部と前記第1隆起部との間隔よりも大きい請求項3に記載の作業機のキャノピ。 - 前記ルーフの上面は、前記機体の幅方向の中央から外方に向けて次第に低くなるように形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の作業機のキャノピ。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のキャノピを備えている作業機。
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