JP6566953B2 - 加飾タイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ表面に加飾印刷層が形成された加飾タイヤ及びその製造方法に関する。
タイヤの意匠性を高めるため、タイヤのサイドウォール部表面に加飾印刷層を形成し、更に、加飾印刷層の上にオーバーコート層を形成することが行われている。例えば、下記の特許文献1には、オーバーコート層として水系ウレタン樹脂を用いることが開示されている。
また、下記の特許文献2には、タイヤ表面に形成するコーティング剤として、黒色物を分散媒に分散させてなる第一液を塗布し、それにより形成された黒色被膜の上に、シリコーングラフトアクリル系樹脂を溶剤に溶解させてなる第二液を塗布して、オーバーコート層を形成する方法が開示されている。
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂や塩化ビニル樹脂の他にも、ポリカーボネート基材上に形成した活性エネルギー線硬化型インクが、190℃環境下において、所定の破断伸びと架橋点間分子量との関係を満足する活性エネルギー線硬化型インクが提案されている(特許文献2参照)。
特開2012−176682号公報 特開2007−332165号公報
このようなオーバーコート層は、タイヤのサイドウォール部表面に形成される加飾印刷層を保護するために、耐傷性に優れる必要がある。また、タイヤの表面は、タイヤ走行時に大きな変形を繰返し受けるため、当該変形に対する延伸性及び繰り返し伸縮性を有することが求められる。延伸性とは、基材の変形に対して亀裂を生じることなく同調して伸縮することを意味する。
しかし、これらはトレードオフの関係にあるため、延伸性及び耐傷性を両立させた加飾タイヤ及びその製造方法は開発が難しく、未だ開発されていないのが実情である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、タイヤ基材への密着性に優れると共に、タイヤの伸縮に対する延伸性、耐傷性に優れる加飾印刷層がタイヤ表面に形成された加飾タイヤ及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、加飾タイヤに用いる活性エネルギー線重合性モノマーの組成の検討をし、特定の組成を有する活性エネルギー線重合性モノマーを用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 活性エネルギー線硬化型インク組成物の硬化膜である加飾印刷層がタイヤ表面に形成され、前記活性エネルギー線硬化型インク組成物は、活性エネルギー線重合性モノマーを含有し、前記活性エネルギー線重合性モノマーとして、モノマーA):環状構造を有する単官能モノマーと、モノマーB):分子量/官能基数≧200の3官能以上のモノマーと、を含有し、前記活性エネルギー線重合性モノマーの全量における、前記モノマーA)を含む全単官能モノマーの合計含有量が85.0mol%以上であり、前記モノマーB)の含有量が0.5mol%以上10.0mol%以下である加飾タイヤ。
(2)前記モノマーA)の単官能モノマー全体における含有量比が、60.0mol%以上100.0mol%以下である(1)に記載の加飾タイヤ。
(3)前記活性エネルギー線重合性モノマーの全量における、前記モノマーB)の含有量が1.0mol%以上7.0mol%以下である(1)又は(2)に記載の加飾タイヤ。
(4)前記活性エネルギー線重合性モノマーとして、モノマーC):分子量/官能基数≧200の2官能のモノマーと、を含有する(1)から(3)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
(5)前記活性エネルギー線重合性モノマーの全量における、前記モノマーC)の含有量が0.5mol%以上5.0mol%以下である(4)に記載の加飾タイヤ。
(6)前記活性エネルギー線硬化型インク組成物を、JIS 3号試験片を作製して、JIS K6251に準拠して引張試験を行ったときの100%伸長時の弾性率が1.0〜1.5MPaであるゴム基材上に厚さ10μmの硬化膜として形成し、この硬化膜が形成された硬化膜形成基材を、ダンベル状6号形(JIS K6251−5)の試験片として、JIS K7161法にしたがい25℃で引張速度100mm/分で引張試験した際に、前記硬化膜の割れが生じる硬化膜破断点伸びが50%以上である前記加飾印刷層がタイヤ表面に形成されている、(1)から(5)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
(7)前記活性エネルギー線硬化型インク組成物を、JIS 3号試験片を作製して、JIS K6251に準拠して引張試験を行ったときの100%伸長時の弾性率が1.0〜1.5MPaであるゴム基材上に厚さ10μmの硬化膜として形成し、この硬化膜が形成された硬化膜形成基材の伸び率が0%から30%までの範囲を繰返すように前記硬化膜形成基材の伸縮を100mm/minの歪み速度で10回繰り返したときに、前記硬化膜の割れが3個以下である、(1)から(5)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
(8)前記加飾印刷層の厚さが1μm以上100μm以下である、(1)から(7)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
(9)前記加飾印刷層の表面を保護するオーバーコート層が前記加飾印刷層の表面に形成されている、(1)から(8)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
(10)前記オーバーコート層はシリコーン変性(メタ)アクリル系エマルジョンを塗布乾燥してなる硬化膜であり、該オーバーコート層の厚さは1μm以上100μm以下である、(9)に記載の加飾タイヤ。
(11)前記タイヤ表面と前記加飾印刷層との間にプライマー層が形成されている、(1)から(10)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
(12)前記加飾印刷層がインクジェット法により形成されている、(1)から(11)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
(13)前記加飾印刷層をインクジェット法により形成する工程を含む、(1)から(12)のいずれかに記載の加飾タイヤを製造する方法。
(14)前記モノマーA)の分子量が1000以下である(1)から(12)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
(15)前記モノマーB)の分子量/官能基数が250以上であって、前記モノマーB)の分子量が750以上である(1)から(12)又は(14)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
(16)前記モノマーB)の分子量が750以上3000以下である(15)に記載の加飾タイヤ。
(17)前記モノマーB)の分子量/官能基数が259以上であって、前記モノマーB)の分子量が776以上である(1)から(12)又は(14)から(16)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
(18)前記モノマーB)の分子量が776以上2659以下である(17)に記載の加飾タイヤ。
(19)前記活性エネルギー線重合性モノマーの全量における前記モノマーB)の含有量が1.5mol%以上、10.0mol%以下である(1)から(12)又は(14)から(18)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
(20)前記モノマーA)の単官能モノマー全体における含有量比が、80.0mol%以上、100.0mol%以下である(1)から(12)又は(14)から(19)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
(21)前記モノマーA)がベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、クレゾールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート、パラクミルフェノキシエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、1−アダマンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−3−5−トリメチルシクロヘキサノールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート及び(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレートからなる群より選ばれた少なくとも一種以上のモノマーであってアルコキシ変性、及びカプロラクトン変性を有してもよいモノマーである(1)から(12)又は(14)から(20)のいずれかに記載の加飾タイヤ。
本発明によれば、タイヤ表面に加飾印刷層として形成させた場合、本来トレードオフの関係にある延伸性及び耐傷性を両立させることができる優れる加飾タイヤを提供することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<<加飾タイヤ>>
タイヤは、地面と接するトレッド部に連続する一対のサイドウォール部を有している。このサイドウォール部は、車両にタイヤが装着されたときに車両周囲の人の視界に容易に入る部分であるため、当該タイヤのサイドウォール部の外観を悪化させない、更には美麗であることが望まれる。そのために、サイドウォール部の表面に、加飾印刷層を形成して装飾を施すことが行われている。
本発明の加飾タイヤは、インク組成物の硬化膜が加飾印刷層としてタイヤ表面に形成されており、オーバーコート層が加飾印刷層上に形成されている。なお、本発明におけるタイヤ表面とは、加飾印刷層を形成できるタイヤのサイドウォールの表面を意味する。
タイヤを構成するゴム組成物としては特に限定されないが、一般的なタイヤ用ゴム成分を適宜含むことができる。例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等の少なくとも1種を含むことができる。
<活性エネルギー線硬化型インク組成物>
加飾タイヤに活性エネルギー線硬化型インク組成物を用いることで、(ア)タイヤに印字する際、インク組成物の表面張力が低いので基材に適切に塗布できる点、(イ)活性エネルギー線硬化型のため、タイヤに印字した際、インク組成物の乾燥時間を短縮できる点、(ウ)前記乾燥時間の短縮によって、色の異なる複数種類のインク組成物がタイヤ上で混ざるのを防止でき、鮮明な画像をタイヤ表面上で形成できる点、(エ)溶剤系インク組成物と比較してタイヤに印字する際、インク組成物が基材を膨潤させにくい点、などの効果が得られる。
本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物は、環状構造を有する単官能モノマーA)と、「分子量/官能基数≧200」である3官能以上のモノマーB)とを含有する。そして、活性エネルギー線重合性モノマーの全量における単官能モノマー:85.0mol%以上、活性エネルギー線重合性モノマーの全量におけるモノマーB):0.5mol%以上、10.0mol%以下とで構成される。ここで、mol%とは、ある物質のモル数を全ての物質のモル数の和で割ったものの百分率を意味する。
(単官能モノマー)
[モノマーA):環状構造を有する単官能モノマー]
単官能モノマーは、モノマーA)(以下、「モノマーA)」ともいう。)環状構造を有する。モノマーA)は、活性エネルギー線による硬化に影響を与え、環状構造を有することで、環状構造を有さない非環状の単官能モノマーを使用したときに比べ、より硬化速度を上げることが可能となる。その結果、非環状の単官能モノマーを使用したときに比べると、より硬化が進行するため、より耐傷性を向上させることが可能となる。
モノマーA)の例として、環状構造としては芳香族環、脂肪族環、ヘテロ環のいずれでもよい。具体的には、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、クレゾールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート、パラクミルフェノキシエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、1−アダマンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−3−5−トリメチルシクロヘキサノールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、これらのアクリレートにアルコキシ変性、及びカプロラクトン変性等の各種変性を有するもの、及び(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルカプロラクタム、イミドアクリレート、等が挙げられる。中でも粘度が低く、硬化性が良い特性を有することから、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートなどの芳香族である単官能モノマーや、イソボルニルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−3−5−トリメチルシクロヘキサノールアクリレートなどの脂環構造を有する単官能モノマーから選択されるいずれか1以上のモノマーであることが好ましく、より好ましくは、芳香族モノマーのベンジルアクリレートや、イソボルニルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、3−3−5−トリメチルシクロヘキサノールアクリレートなどの脂環構造を有する単官能モノマーである。ベンジルアクリレートを使用することで、組成物として適度な構成を有しつつ、低粘度とすることができる。脂環構造を有する化合物を使用することで後述する基材との密着性が向上させることができる。特にベンジルアクリレートと脂環構造を有する単官能モノマーを併用することで、低粘度、適度な硬化性を有しつつ、基材への密着性を兼ね揃えることが可能であるため特に好ましい。また、モノマーA)の分子量は1000以下とすることが好ましく、800以下とすることがより好ましく、500以下とすることがさらに好ましい。モノマーA)の分子量を1000以下とすることで、活性エネルギー線硬化型インクの粘度を低くすることができ、また、活性エネルギー線硬化型インク組成物により形成される硬化膜の硬化速度が速くなり、硬化膜の耐傷性を向上させることができる。
[その他の単官能モノマー]
単官能モノマーには、活性エネルギー線硬化型インク組成物に含まれる単官能モノマーの合計が85.0mol%以上に範囲であれば必要に応じて、イソオクチルアクリレート、トリデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソデシルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の非環状の単官能モノマーを入れることもできる。単官能モノマーの合計が85.0mol%未満の場合、多官能モノマーが多すぎて架橋密度が高くなり、耐延伸性が低下し、また活性エネルギー線硬化型インク自体の粘度が高くなるため、インクジェット等の方式で印字する場合に困難となるため好ましくない。
モノマーA)の含有量は、単官能モノマー全体における含有量比で、モノマーA)が60.0mol%以上100.0mol%以下であり、80.0mol%以上100.0mol%以下であることがより好ましい。環状構造を有するモノマーA)が60.0mol%以上100.0mol%以下であることで、非環状の単官能モノマーと比べ、硬化速度をより向上させることができる。そのため、硬化不足による耐傷性の低下を防ぐことができ、耐傷性を向上させた優れた装飾タイヤとすることができる。
(3官能以上のモノマー)
[モノマーB):「分子量/官能基数≧200」である3官能以上のモノマー]
活性エネルギー線重合性多官能モノマーは、モノマーB):「分子量/官能基数≧200」である3官能以上のモノマー(以下、「モノマーB)」ともいう。)を含有する。モノマーB)は延伸性を維持しつつ、耐傷性の向上に寄与する。加えて、モノマーB)を使用することで塗膜が強靭になり、繰り返し伸縮性も向上する。分子量/官能基数≧200である3官能以上のモノマーであれば、活性エネルギー線硬化型インクが硬化したときに、架橋により耐傷性を向上することができ、且つ架橋点間に十分な距離を確保することができるため、柔軟性も併せ持つことができる。そのため、モノマーB)を用いることで延伸性と耐傷性の向上を両立することができる。なお、モノマーB)の分子量/官能基数は、230以上600以下であることが好ましく、250以上600以下であることが好ましく、259以上600以下であることがさらに好ましく、380以上600以下あることがさらにより好ましい。分子量/官能基数が230以上であることで、本発明の活性エネルギー線硬化型インク組成物の硬化膜の延伸性及び繰り返し伸縮性を向上させることができる。分子量/官能基数が600以下であることで、本発明の活性エネルギー線硬化型インクの硬化膜内の架橋点を十分に確保することができるため、当該硬化膜の耐傷性を向上させることができる。
モノマーB)のうち、「分子量/官能基数≧200」である3官能以上のモノマーの例として、トリメチロールプロパントリアクリレートの例えばエチレンオキサイド変性(EO変性)(9)(分子量=692、官能基数=3、分子量/官能基数=231)、EO変性(15)(分子量=956、官能基数=3、分子量/官能基数=319)、EO変性(20)(分子量=1176、官能基数=3、分子量/官能基数=392)、EO変性(30)(分子量=1616、官能基数=3、分子量/官能基数=539)、プロピレンオキサイド変性(PO変性)(6)(分子量=645、官能基数=3、分子量/官能基数=215)、グリセリントリアクリレートの例えばEO変性(9)(分子量=650、官能基数=3、分子量/官能基数=217)、EO変性(20)(分子量=1134、官能基数=3、分子量/官能基数=378)、PO変性(6)(分子量=602、官能基数=3、分子量/官能基数=201)、PO変性(9)(分子量=776、官能基数=3、分子量/官能基数=259)、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの例えばEO変性(35)(分子量=1892、官能基数=4、分子量/官能基数=473)、PO変性(10)(分子量=932、官能基数=4、分子量/官能基数=233)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの例えばEO変性(18)(分子量=1339、官能基数=6、分子量/官能基数=223)、EO変性(24)(分子量=1603、官能基数=6、分子量/官能基数=267)、EO変性(48)(分子量=2659、官能基数=6、分子量/官能基数=443)、カプロラクトン変性(6)(分子量=1231、官能基数=6、分子量/官能基数=205)、カプロラクトン変性(12)(分子量=1915、官能基数=6、分子量/官能基数=319)、及びこれらの変性数違い、変性種違い、構造違いの(メタ)アクリレート等が挙げられる。モノマーB)の分子量は、640以上3000以下であることが好ましく、750以上3000以下であることがより好ましく、776以上3000以下であることがさらに好ましく、1100以上3000以下であることがさらに好ましい。なお、モノマーB)の分子量の上限は2659以下であることが好ましい。モノマーB)の分子量が640以上であることで、本発明の活性エネルギー線硬化型インク組成物の硬化膜の延伸性及び繰り返し伸縮性を向上させることができる。モノマーB)の分子量が3000以下であることで、本発明の活性エネルギー線硬化型インク組成物の硬化膜内の架橋点を十分に確保することができるため、当該硬化膜の耐傷性を向上させることができる。
モノマーB)の含有量は、活性エネルギー線硬化型モノマー全量に対して0.5mol%以上10.0mol%以下であり、1.0mol%以上7.0mol%以下であることがより好ましく、1.5mol%以上5.0mol%以下であることが最も好ましい。0.5mol%未満であると架橋点が少ない、もしくは架橋点間距離が短いことにより架橋密度が適切な範囲から外れるため、延伸性と耐傷性とのバランスを取ることが困難になる。また、10.0mol%を超えると架橋密度が高くなるため、延伸性が低下しクラックが入りやすくなる。
(その他モノマー)
本発明においては、本発明の目的を達成できる範囲で、その他のモノマーを含有していてもよい。その他のモノマーとして包含するものとしては、例えば、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのアクリレートのように比較的高い粘性を有するモノマーを含有した活性エネルギー線硬化型インク組成物は、そのインク全体の粘度が高くなるため、例えば、インクジェット装置を用いて吐出する場合に吐出圧力によっては吐出し難くなる場合がある。そのため、これらのアクリレートを含有するときはモノマー全量に対してこれらのアクリレートが10.0質量%以下包含されていることが好ましく、5.0質量%以下包含されていることがより好ましく、実質的に包含していないことがさらに好ましい。なお、実質的に包含していないとは、モノマー全量に対してその他のモノマーが1.0質量%以下であることをいう。ここで、モノマーとは、その分子量によってはオリゴマー又はプレポリマーとも称される化合物をも含む概念である。
また、例えば、上記アクリレートの他に従来公知の、2官能モノマー又はモノマーB)以外の3官能以上のモノマーであって分子量/官能基数が200未満のものなどをその他モノマーとして包含していてもよい。2官能モノマーとして、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートの例えば変性なし(分子量=226、分子量/官能基数=113)、EO変性(2)(分子量=314、分子量/官能基数=157)、EO変性(3)(分子量=358、分子量/官能基数=179)、EO変性(5)(分子量=446、分子量/官能基数=223)、PO変性(2)(分子量=342、分子量/官能基数=171)、PO変性(3)(分子量=400、分子量/官能基数=200)、ネオペンチルグリコールジアクリレートの例えば変性無し(分子量=212、分子量/官能基数=106)、PO変性(8)(分子量=676、分子量/官能基数=338)、PO変性(16)(分子量=1140、分子量/官能基数=570)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレートの例えば変性無し(分子量=326、分子量/官能基数=163)、カプロラクトン変性(2)(分子量=554、分子量/官能基数=277)、カプロラクトン変性(4)(分子量=782、分子量/官能基数=391)、ポリアルキレングリコールジアクリレートの例えばEO変性(2)(分子量=214、分子量/官能基数=107)、EO変性(3)(分子量=258、分子量/官能基数=129)、EO変性(4)(分子量=302、分子量/官能基数=151)、EO変性(9)(分子量=508、分子量/官能基数=254)、EO変性(14)(分子量=742、分子量/官能基数=371)、EO変性(23)(分子量=1138、分子量/官能基数=569)、EO変性(46)(分子量=2150、分子量/官能基数=1075)、PO変性(2)(分子量=242、分子量/官能基数=121)、PO変性(3)(分子量=300、分子量/官能基数=150)、PO変性(7)(分子量=532、分子量/官能基数=266)、PO変性(12)(分子量=822、分子量/官能基数=411)、PO変性(12)&EO変性(6)(分子量=1086、分子量/官能基数=543)、PO変性(6)&EO変性(12)(分子量=1002、分子量/官能基数=501)、PO変性(4)&EO変性(12)(分子量=886、分子量/官能基数=443)、PO変性(4)&EO変性(17)(分子量=1106、分子量/官能基数=553)、PO変性(13)&EO変性(5)(分子量=3124、分子量/官能基数=1562)、ブチレンオキサイド変性(BO変性)(3.5)(分子量=378、分子量/官能基数=189)、BO変性(9)(分子量=774、分子量/官能基数=387)、BO変性(14)(分子量=1134、分子量/官能基数=567)、アルコキシ化ビスフェノールAジアクリレートの例えばEO変性(2)(分子量=424、分子量/官能基数=212)、EO変性(3)(分子量=468、分子量/官能基数=234)、EO変性(4)(分子量=512、分子量/官能基数=256)、EO変性(10)(分子量=776、分子量/官能基数=388)、EO変性(20)(分子量=1216、分子量/官能基数=608)、EO変性(30)(分子量=1656、分子量/官能基数=828)、PO変性(3)(分子量=510、分子量/官能基数=255)、PO変性(6)&EO変性(3)(分子量=816、分子量/官能基数=408)、3官能モノマーとして、トリメチロールプロパントリアクリレートの例えば変性無し(分子量=296、分子量/官能基数=99)、EO変性(3)(分子量=428、分子量/官能基数=143)、EO変性(6)(分子量=560、分子量/官能基数=187)、PO変性(3)(分子量=470、分子量/官能基数=157)、グリセリントリアクリレートの例えばEO変性(3)(分子量=386、分子量/官能基数=129)、EO変性(6)(分子量=518、分子量/官能基数=173)、PO変性(3)(分子量=428、分子量/官能基数=143)、PO変性(5.5)(分子量=573、分子量/官能基数=191)、ペンタエリスリトールトリアクリレートの例えば変性無し(分子量=298、分子量/官能基数=99))、4官能モノマーとして、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの例えば変性無し(分子量=352、分子量/官能基数=88)、EO変性(4)(分子量=528、分子量/官能基数=132)、PO変性(4)(分子量=584、分子量/官能基数=146)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートの例えば、変性無し(分子量=482、分子量/官能基数=121)、EO変性(4)(分子量=658、分子量/官能基数=165)、PO変性(4)(分子量=714、官能基数=4、分子量/官能基数=179)、5官能モノマーとして、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの例えば、変性無し(分子量=525、分子量/官能基数=105)、6官能モノマーとして、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの例えば、変性無し(分子量=547、分子量/官能基数=91)、EO変性(6)(分子量=811、分子量/官能基数=135)、EO変性(12)(分子量=1075、分子量/官能基数=179)、PO変性(6)(分子量=895、官能基数=6、分子量/官能基数=149)、カプロラクトン変性(2)(分子量=775、官能基数=6、分子量/官能基数=129)、カプロラクトン変性(3)(分子量=889、官能基数=6、分子量/官能基数=148)、及びこれらの変性数違い、変性種違い、構造違いの(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。中でも、「分子量/官能基数≧200」を満たす2官能モノマーは、モノマーA)、モノマーB)に加えて第3成分として使用することで架橋密度が緩和され、延伸性(特に0℃以下における延伸性)を更に向上させることができる点で特に好ましい。なお、本実施形態におけるモノマーとは、その分子量によってはオリゴマーとも称される化合物をも含む概念である。
活性エネルギー線硬化型インク組成物は、全単官能モノマーとモノマーBとその他のモノマーとの合計量が、モノマー全量に対して80.0質量%以上であることが好ましく、90.0質量%以上であることがより好ましく、実質的に100.0質量%であることが好ましい。ここで、実質的に100.0質量%とは、モノマー全量に対してモノマーAとモノマーBとその他のモノマーとの合計量が99.0質量%以上であることをいう。
特に、2官能モノマーのうち、「分子量/官能基数≧200」のモノマーC)が0.5mol%以上5.0mol%以下、より好ましくは1.3mol%以上3.0mol%以下、さらに好ましくは1.5mol%以上2.6mol以下である装飾タイヤは、耐傷性を維持できる範囲内で架橋密度を緩和することができるため、より延伸性を向上させることができる。特に延伸性が必要な使用環境下については特に好ましく用いることができる。なお、モノマーC)の分子量/官能基数は、1750以下であることが好ましい。分子量/官能基数が1750以下であることで、本発明の活性エネルギー線硬化型インクの硬化膜内の架橋点を十分に確保することができるため、当該硬化膜の耐傷性を向上させることができる。また、モノマーCの分子量は、400以上3500以下であることが好ましい。モノマーC)の分子量が400以上であることで、本発明の活性エネルギー線硬化型インク組成物の硬化膜の延伸性及び繰り返し伸縮性を向上させることができる。モノマーC)の分子量が3500以下であることで、本発明の活性エネルギー線硬化型インク組成物の硬化膜内の架橋点を十分に確保することができ、当該硬化膜の耐傷性を維持することができる。
モノマーA)及びB)を特定量とした活性エネルギー線硬化型インク組成物は、従来の活性エネルギー線硬化型インクと比較すると3官能以上の多官能モノマー成分が従来のインク組成と比較して多く含まれている。また、モノマーの分子量/官能基数が高く、硬化すると2重結合間距離が長い多官能モノマー同士が重合し架橋することになる。その結果、従来の活性エネルギー線硬化型インクに比べ架橋間距離が増大する。そのため、延伸時においてタイヤに追随して延伸する延伸性に優れた活性エネルギー線硬化型インクとすることができる。また、このように多官能モノマーの構成を3官能以上のモノマーとすることで、架橋点間距離を長く保ちつつ、架橋点の数を一定量以上確保することが可能となる。その結果、延伸性と耐傷性を両立した装飾タイヤを得ることができる。
なお、本実施形態では、反応性を有しないポリマー成分を更に含有していてもよい。このようなポリマー成分としては、アクリル樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂などが例示できる。
[活性エネルギー線重合開始剤]
活性エネルギー線硬化型インク組成物は、必要に応じて活性エネルギー線重合開始剤を含有しても良い。活性エネルギー線は、ラジカル、カチオン、アニオン等の重合反応の契機となり得るエネルギー線であれば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波のほか、電子線、プロトン線、中性子線等のいずれであってもよいが、硬化速度、照射装置の入手容易さ、価格等の観点において、紫外線照射による硬化が好ましい。活性エネルギー線重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射により活性エネルギー線硬化型インク組成物中のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の重合反応を促進するものであれば特に限定されず、従来公知の活性エネルギー線重合開始剤を用いることができる。活性エネルギー線重合開始剤の具体例として、例えば、チオキサントン等を含む芳香族ケトン類、α−アミノアルキルフェノン類、α−ヒドロキシケトン類、アシルフォスフィンオキサイド類、芳香族オニウム塩類、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物等が挙げられる。
活性エネルギー線重合開始剤の量は、活性エネルギー線重合性モノマーの重合反応を適切に開始できる量であればよく、活性エネルギー線硬化型インク組成物全体に対して1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。なお、本発明においては、活性エネルギー線重合開始剤は必ずしも必須でなく、例えば活性エネルギー線として電子線を用いる場合には活性エネルギー線重合開始剤は用いなくてもよい。
[色材]
活性エネルギー線硬化型インク組成物は、必要に応じて色材を含有しても良い。色材を含有することで、タイヤ表面の硬化膜を加飾用の硬化膜(加飾印刷層)として好ましく用いることができる。色材は、従来の油性インク組成物に通常用いられている無機顔料又は有機顔料であればどのようなものであってもよく、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化チタン、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、ジケトピロロピロール、アンスラキノン、ベンズイミダゾロン、アンスラピリミジン、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、アルミペースト、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、沈降性硫酸バリウム、パール顔料等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化型インク組成物の顔料の好ましい分散粒径は、レーザー散乱法による体積平均粒径で10nm以上300nm以下であることが好ましい。体積平均粒径を10nm以上300nm以下にすることで、耐光性を維持することが可能となることや、分散の安定化が可能となり顔料の沈降やインクジェット記録装置でインクジェットインクを吐出する際でのヘッド詰まりや吐出曲がりが発生する可能性が軽減することが可能となるため、より好ましい硬化型インクとすることができる。
本発明において、顔料を用いる場合、その含有量は適宜調整されればよい。顔料の種類によっても異なるが、インクジェットインク組成物全体における、顔料の含有量は、分散性と着色力を両立する点から、有機顔料の場合、0.1質量%以上20質量%以下が好ましく、0.2質量%以上10質量%以下がより好ましい。また、分散性と着色力を両立する点から、無機顔料の場合、1質量%以上40質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
[艶消し材]
活性エネルギー線硬化型インク組成物は、必要に応じて、艶消し材を含有しても良い。艶消し剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウムなどの各種の粉粒体を使用することができる。艶消し剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用しても良い。
[分散剤]
活性エネルギー線硬化型インク組成物は、必要に応じて分散剤を含有しても良い。分散剤としては例えば高分子分散剤が挙げられる。この高分子分散剤の主鎖はポリエステル系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミン系、ポリカプロラクトン系等からなり、高分子分散剤は、側鎖としてアミノ基、カルボキシル基、スルホン基、ヒドロキシル基等の極性基やこれらの塩を有するのが好ましい。
好ましい高分子分散剤はポリエステル系分散剤であり、具体例として、日本ルーブリゾール社製「SOLSPERSE33000」、「SOLSPERSE32000、「SOLSPERSE24000」;ビックケミー社製「Disperbyk168」、;味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」等が挙げられる。
[表面調整剤]
活性エネルギー線硬化型インク組成物は、必要に応じて表面調整剤を含有していてもよい。表面調整剤としては特に限定されないが、具体例としては、ジメチルポリシロキサンを有するビックケミー社製「BYK−306」、「BYK−333」、「BYK−371」、「BYK−377」、エボニックデグサジャパン社製「TegoRad2100」、「TegoRad2200N」、「TegoRad2300」等が挙げられる。
表面調整剤の含有量は、インク組成物全量に対して0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。0.1質量%以上5.0質量%以下とすることで、インク組成物が熱可塑性樹脂基材等に対し好ましい濡れ性を有することとなり、タイヤに印字する際に活性エネルギー線硬化型インク組成物がハジキを生じることなく濡れ広がることが可能となるため、特に好ましい活性エネルギー線硬化型インク組成物とすることができる。
[その他の添加剤]
また、活性エネルギー線硬化型インク組成物は、その他の添加剤として、可塑剤、重合禁止剤、光安定化剤、酸化防止剤等、種々の添加剤を必要に応じ含有していてもよい。溶剤は本願の目的を達成する範囲内で添加することもできる。
[粘度]
活性エネルギー線硬化型インク組成物の粘度は、40℃において5mPa・s以上30mPa・s以下であることが好ましく、5mPa・s以上20mPa・s以下であることがより好ましい。5mPa・s以上30mPa・s以下とすることで、インクジェット装置を用いて吐出する場合に、好ましい吐出性を維持することができるようになるため、より好ましい活性エネルギー線硬化型インク組成物とすることができる。ここで吐出性とは連続印刷中にインクのドット抜け発生頻度や、吐出の乱れ等が生じることによる印字の正確性等を意味する。
また、活性エネルギー線硬化型インク組成物の表面張力は、インクジェットの吐出性、吐出安定性の点から、40℃での表面張力が20mN/m以上40mN/m以下であることが好ましい。
[硬化膜]
本発明においては、加飾印刷層がタイヤ表面の少なくとも一部に形成されており、オーバーコート層は、加飾印刷層上からタイヤ表面上に渡って形成されていてもよい。この態様の場合には、オーバーコート層は、加飾印刷層上及びタイヤ表面上に形成されることになり、オーバーコート層は、加飾印刷層上及びタイヤ表面上の両方において上記の密着性や追従性の効果を発揮することができる。
活性エネルギー線硬化型インク組成物により形成される硬化膜は、前述したように色材等を含有していれば加飾印刷層として用いることができるが、色材を添加せずに加飾印刷層上に吐出すれば本硬化膜自体を硬化膜を保護するオーバーコート層として利用することもできる。さらに、タイヤ表面と硬化膜との間に形成することで両者の密着性を向上させるためのプライマー層としても利用することができる。
活性エネルギー線硬化型インク組成物は、活性エネルギー線硬化型インク組成物により形成される硬化膜のみで加飾印刷層、オーバーコート層又はプライマー層をそれぞれ単独で形成することもできるし、またはこれらの層を複数組合わせて形成することもできる。例えば活性エネルギー線硬化型インク組成物に色材等を加え加飾印刷層を形成し、その加飾印刷層上に色材等を加えていない活性エネルギー線硬化型インク組成物を吐出することでオーバーコート層を形成することもできる。また、活性エネルギー線硬化型インク組成物により形成される硬化膜を、従来公知のインク組成物により形成される加飾印刷層、オーバーコート層又はプライマー層と組み合わせて使用することもできる。例えば活性エネルギー線硬化型インク組成物を加飾印刷層として利用した場合に、その加飾印刷層上に従来公知のオーバーコート組成物を用いてオーバーコート層を形成することもできる。
加飾印刷層の厚さは、1μm以上100μm以下であることが好ましい。1μm以上とすることで、加飾印刷層の色濃度が適切になり意匠性や装飾性が向上し、また密着性や伸長性等の物性が向上するため好ましい。100μm以下とすることで、インク組成物に対して活性エネルギー線を照射した際に、インク組成物を短時間で充分に硬化することができるようになるため好ましい。
タイヤにオーバーコート層やプライマー層を形成する場合、これらの層を形成する方法としてはどのような方法であってもよく、例えば、スプレー塗布、タオル、スポンジ、不織布、ティッシュ等を用いた塗布、ディスペンサー、刷毛塗り、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット、熱転写方式等のいずれであってもよい。
[オーバーコート層]
タイヤの耐久性をより向上させることを目的に、インク組成物の硬化膜の表面に、従来公知のオーバーコート剤からなるオーバーコート層またはインク組成物をオーバーコート剤として用いて形成されるオーバーコート層がさらに形成されていてもよい。なお、オーバーコート層は、インク組成物の硬化膜からなる層の表面に形成される場合に限らず、タイヤの表面に直接形成されていてもよいし、タイヤの表面に形成された、後述するプライマー層の表面に形成されていてもよい。
オーバーコート剤としては、本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物を好ましく用いることができる。本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物を用いることで、優れた延伸性と耐傷性を実現することができる。さらに、例えば本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物を用いた硬化膜に本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物を用いたオーバーコート剤によりオーバーコート層を形成した場合には、当該硬化膜と当該オーバーコート層は同様の組成であるため、これらの密着性は極めて高い。そのため、本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物の硬化膜用のオーバーコート剤として用いることが特に好ましい。
オーバーコート層の厚さは、1μm以上100μm以下であることが好ましい。1μm以上とすることで、加飾印刷層を適切に保護することができるため好ましい。また、100μm以下とすることで、オーバーコート層を形成するために乾燥時間が短縮され、生産性に優れたものとすることができるため好ましい。
また、従来公知のオーバーコート剤としては、タイヤへの追従性、耐傷性、耐薬品性等に優れることから、有効成分量を20%以上60%未満としたTgが50℃以下のシリコーン変性(メタ)アクリル系エマルジョンを含む組成物も用いることができる。シリコーン変性(メタ)アクリル系エマルジョンを含むオーバーコート層形成用樹脂組成物の市販品として、OP−330、OP−520(いずれもDNPファインケミカル社製)が挙げられる。これらはいずれも含有するシリコーン変性(メタ)アクリル系エマルジョンのTgが50℃以下であるために硬化膜の伸びが良好となる。また、繰返し応力がかかる条件においても、タイヤへの高い追従性を有する。
また、オーバーコート層を形成する際にインク組成物の吐出量やインク組成物を吐出してから活性エネルギー線照射までの時間等の条件を調節することで、オーバーコート層に意匠性を付与することもできる。例えば、表面を艶消し調やグロス調にすることや、表面の膜厚をあえて不均一にすることで凹凸が付けられた立体的で意匠性の高いオーバーコート層を形成することもできる。具体的には、インク組成物を吐出後、所定時間経過後に活性エネルギー線を照射することで表面をグロス調にすることができ、また吐出後、速やかに活性エネルギー線を照射することで表面を艶消し調とすることができる。また1回の吐出量を吐出箇所によって増減させることで凹凸を付与することもできるし、また同一箇所でインク組成物の吐出と活性エネルギー線の照射とを繰り返すことで他の箇所との凹凸差を付与することもできる。なお、そのようなオーバーコート層は条件調整が容易である点からインクジェット方式で形成することが望ましい。
[プライマー層]
層間(例えば、タイヤと加飾印刷層、タイヤとオーバーコート層、加飾印刷層とオーバーコート層などの層間)の密着性を向上させる目的で、従来公知のプライマー剤により形成されるプライマー層またはインク組成物により形成される硬化膜をプライマー層として設けても良い。例えば本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物を用いた硬化膜を、加飾印刷層および/又はオーバーコート層として形成した場合に、本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物によりプライマー層を形成したときには、当該硬化膜と当該プライマー層は同様の組成であるため、これらの密着性は極めて高い。そのため、プライマー剤として本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物を用いることが特に好ましい。
従来公知のプライマー剤としては、プライマー剤全体に対してシリコーン変性(メタ)アクリル系エマルジョンの有効成分量としては10質量%以上80質量%未満が好ましく、20質量%以上60質量%未満がより好ましい。10質量%以上とすることで、プライマー層を形成するために乾燥時間の点から、生産性が向上する点で好ましい。80質量%未満とすることで、プライマー剤を塗布しやすくなる点で好ましい。
硬化剤として、ポリイソシアネートが挙げられる。硬化剤の含有量は、プライマー剤100質量部に対して1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。1質量部以上とすることで、硬化剤を加えても接着性が有意に向上する点で好ましい。50質量部以下とすることで、タイヤへの追従性が向上するため、好ましい。
プライマー剤に隠蔽性顔料を加えることで隠蔽性を有するプライマー剤とすることができる。隠蔽性を有するプライマー剤とすることで、例えばタイヤが有色である場合にタイヤの色を隠蔽することができるので、加飾印刷層を形成したときに意匠性や発色性を向上させることができる。隠蔽性を有する顔料としては従来公知の隠蔽顔料を使用できるが、例えば、酸化チタン等の白色顔料、アルミペースト、パール顔料等の隠ぺい性顔料を用いることができる。特に、加飾印刷層の意匠性や発色性を向上するために、酸化チタンを含有するプライマー剤が好ましい。
プライマー剤が酸化チタンを含有する場合、酸化チタンの含有量は、プライマー剤100質量部に対して1質量部以上50質量部以下であることが好ましい。1質量部以上にすることで、印刷後の意匠性や発色性が有意に向上する。50質量部以下にすることで、硬化膜の追従性等が向上する。
プライマー層の厚さは、1μm以上100μm以下であることが好ましい。1μm以上とすることで、タイヤ表面と加飾印刷層との接着性が有意に向上し、隠蔽性顔料を含有するプライマー層の場合に加飾印刷層を印刷後の意匠性や発色性が有意に向上することができるため好ましい。また、100μm以下とすることで、オーバーコート層を形成するために乾燥時間が短縮され、生産性に優れたものとすることができるため好ましい。
プライマー剤の市販品として、酸化チタン及びシリコーン変性(メタ)アクリル系エマルジョンを含有するPR−12,PR−13(いずれもDNPファインケミカル社製)が挙げられる。
<加飾タイヤの製造方法>
本発明の加飾タイヤの製造は、活性エネルギー線硬化型インク組成物をタイヤ上に印刷した後、活性エネルギー線で硬化することによって行われる。
加飾印刷層の印刷は、インクジェット方式、スプレー方式、刷毛塗り方式等、どのような方式であっても良いが、装飾の自由度が高まる点で、インクジェット方式であることが好ましい。
活性エネルギー線は、200nm以上450nm以下の波長域の光が好ましく、250nm以上430nm以下の波長域の光がより好ましい。光源は、特に限定されるものではなく、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー、太陽光、LEDランプ等が挙げられる。これらの光源を用い、積算光量が100mJ/cm以上、好ましくは200mJ/cm以上になるように活性エネルギー線を照射することにより、インク組成物を瞬時に硬化させることができる。
タイヤ表面に形成する硬化膜の厚さは、1μm以上100μm以下であることが好ましい。1μm以上にすることで、色材を含有する硬化膜の色濃度が薄くなることがないため、意匠性や装飾性の低下や密着性、伸長性等の物性が向上するため、より好ましい。100μm以下にすることで、インク組成物に対して活性エネルギー線を照射した際に、インク組成物をより短時間で充分に硬化することができるようになるため、より好ましい。
硬化膜の膜厚測定方法は、作製した硬化膜と同様の塗布条件でPETフィルム(東洋紡績社製、A4300)にインク組成物を塗布し、得られた硬化膜の厚さをマイクロメーターにより測定した。測定は1サンプルにつき10箇所行い、これらの平均値を平均膜厚とした。後述のオーバーコート層及びプライマー層についても同様のものとする。
活性エネルギー線硬化型インク組成物を、JIS 3号試験片を作製して、JIS K6251に準拠して引張試験を行ったときの100%伸長時の弾性率が1.0〜1.5MPaであるゴム基材上に厚さ10ミクロンの硬化膜として形成し、この硬化膜が形成された硬化膜形成基材を、ダンベル状6号形(JIS K6251−5)の試験片として、JIS K7161法にしたがい25℃で引張速度100mm/分で引張試験した際に硬化膜の割れが生じるときの最小の伸び率を硬化膜破断点伸びと定義し、該硬化膜破断点伸びは、50%(例えば、基材を元の2倍に伸ばしたときの伸びを100%と表記する)以上であることが好ましく、100%以上であることがさらに好ましく、また、1000%以下であることが好ましい。硬化膜破断点伸びは、50%以上であることで、基材の伸びに対して充分に追従でき、基材が伸縮した場合であっても、その表面に形成された硬化膜の割れや剥がれをいっそう抑制できる。一方、硬化膜破断点伸びが、1000%を超えるものは硬化膜の強度を大きくしにくい。
また、活性エネルギー線硬化型インク組成物をJIS 3号試験片を作製して、JIS K6251に準拠して引張試験を行ったときの100%伸長時の弾性率が1.0〜1.5MPaであるゴム基材上に厚さ10μmの硬化膜として形成し、この硬化膜が形成された硬化膜形成基材の伸び率が0%から30%までの範囲を繰り返すように硬化膜形成基材の伸縮を100mm/minの歪み速度で10回伸縮を繰り返しても、硬化膜の割れが生じない。そのため、基材の伸縮に対して充分に追従でき、基材が伸縮した場合であっても、その表面に形成された硬化膜の割れや剥がれを抑制できる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<インク組成物の調製(実施例1〜10、比較例1〜4)>
実施例におけるインク組成物100g中の各モノマーのmol数を表1に、実施例におけるインク組成物のモノマーの全量における各モノマーのmol%を表2に示す。
Figure 0006566953
(単位はmol)
Figure 0006566953
(単位はmol%)
比較例におけるインク組成物100g中の各モノマーのmol数を表3に、比較例におけるインク組成物のモノマーの全量における各モノマーのmol%を表4に示す。
Figure 0006566953
(単位はmol)
Figure 0006566953
(単位はmol%)
実施例、比較例におけるインク組成物の全体モノマーの全量におけるモノマーA合計量のmol%、モノマーB合計量のmol%、及び全単官能モノマー中のモノマーA合計量のmol%を表5及び表6に示す。
Figure 0006566953
(単位はmol%)
Figure 0006566953
(単位はmol%)
〔インク組成物の調製〕
顔料として酸化チタン12質量%、高分子分散剤を顔料に対して有効成分8質量%となるようにモノマー中に分散させた分散液を調製し、これに表1〜6に示す割合になるようにモノマーを混合し、更に光開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドを10質量%、重合禁止剤としてフェノチアジン0.05質量%となるように混合したものを、50℃に加温しながら1時間撹拌した。その後、溶け残りがないことを確認し、室温に戻した後、予め調製した分散体を加えて1時間撹拌した。その後、メンブレンフィルターを用いて濾過を行い、実施例1〜10及び比較例1〜4のインク組成物を調製した。
<積層体の製造(実施例1〜10、比較例1〜4)>
JIS 3号試験片を作製して、JIS K6251に準拠して引張試験を行ったときの100%伸長時の弾性率が1.0〜1.5MPaであるゴム基材を基材として積層体を製造した。基材の表面に、組成物をインクジェット法にて各サンプルを作製した。そして、SubZeroシステム(UVランプシステム,Integration Technology社製,Dバルブ,出力100W/cm)を用いて、積算光量が900mJ/cm、ピーク照度が640mW/cm、搬送速度が18m/minの条件でインク組成物を硬化した。積算光量及びピーク照度の測定は、紫外線光量計UV−351(オーク製作所社製)を用いて行った。これにより、加飾印刷層を作製した。
〔延伸性の評価〕
実施例及び比較例の積層体をダンベル状6号形(JIS K6251−5)の試験片として、25℃で伸び率が0%から100%までの範囲を積層体の伸縮を100mm/minの歪み速度で1回延伸した時に、硬化膜の割れが生じるか否かを確認した。伸び率は、(硬化膜の割れが生じたときの積層体の長さ−積層体の元の長さ)/積層体の元の長さ×100から算出した。結果を表7、8に示す。伸び率が100%の段階でも実質的な割れの発生が3個未満であったときを“◎”とし、伸び率が50〜100%の段階で実質的な割れの発生が3個未満であったときを“○”とし、伸び率が50%の段階で実質的な割れの発生が3個以上であったときを“×”とした。ここで、実質的な割れとはサンプル片幅の長さに対して50%以上割れ(クラック)が進行した割れを意味する。
〔繰返し伸縮性の評価〕
実施例及び比較例の積層体をダンベル状6号形(JIS K6251−5)の試験片として、25℃で伸び率が0%から30%までの範囲を積層体の伸縮を100mm/minの歪み速度で10回延伸した時に、硬化膜の割れが生じるか否かを確認した。伸び率は、(硬化膜の割れが生じたときの積層体の長さ−積層体の元の長さ)/積層体の元の長さ×100から算出した。結果を表7、8に示す。硬化膜の割れが生じなかったときを“○”とし、極一部に亀裂がみられたものの実質的な割れが3個以下であり、実質上許容範囲内であったときを“△”とし、亀裂や剥離がみられ、実質上許容範囲を超えたときを“×”とした。ここで、実質的な割れとはサンプル片幅の長さに対して50%以上割れ(クラック)が進行した割れを意味する。
〔耐傷性の評価〕
積層体の耐傷性の評価は、硬化後の塗膜をコインで削り、傷の有無を確認することにより行った。結果を表7、8に示す。コインにより傷が全く付着しなかった場合を“◎”とし、コインにより傷がほとんど付着しなかった場合を“○”とし、コインにより傷が少し付着したが実質上許容範囲内であった場合を“△”とし、コインにより傷が付着し、実質上許容範囲を超えた場合を“×”とした。
〔タックの評価〕
タックの評価は、室温で行った。
積層体を室温下におき、塗膜を指で触れ、べたつきの有無を確認した。結果を表7、8に示す。べたつきがない場合を“○”とし、ややべたつきがあるが実質上許容範囲内であった場合を“△”、べたつきが強く実質上許容範囲を超えた場合を“×”とした。
Figure 0006566953
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モノマーA):環状構造を有する単官能モノマーと、モノマーB):「分子量/官能基数≧200」である3官能以上のモノマーが包含される、活性エネルギー線硬化型インクであって、単官能モノマーの合計が85.0mol%以上であり、モノマーBが0.5mol%以上10.0mol%以下である活性エネルギー線硬化型インクから作られる硬化膜は延伸性、繰返し伸縮性、耐傷性及びタック性能のバランスに優れるため、エラストマー樹脂のように弾性を有する基材に対しても使用することができる優れた活性エネルギー線硬化型インクであることが確認された。
特に、実施例1及び実施例3〜10に係る活性エネルギー線硬化型インクは、モノマーB)の含有量を1.0mol%以上7.0mol%以下となっていることから、より延伸性、繰返し伸縮性、耐傷性及びタック性能のバランスに優れる活性エネルギー線硬化型インクであることが確認された。
さらに、実施例2及び実施例7、8、10に係る活性エネルギー線硬化型インクは、2官能モノマーのうち、「分子量/官能基数≧200」のモノマーC)が1.3mol%以上3.0mol%未満含まれているため、耐傷性を有しつつ、且つ、より延伸性に優れる活性エネルギー線硬化型インクであることが確認された。また、実施例7、8と実施例10の表7における評価基準では延伸性評価はいずれも“◎”となっているものの、延伸性の優れる実施例10と比較しても、モノマーC)が1.5mol%以上2.6mol%未満含まれている実施例7,8はさらに延伸性に優れた硬化膜を形成する活性エネルギー線硬化型インク組成物であることが確認された。
なお、実施例に係る積層体は、25℃で伸び率が0%から100%までの範囲で延伸させる延伸性試験において、“○”又は“◎”評価であることから、これらの積層体は、JIS K7161法にしたがい25℃で引張速度100mm/分で引張試験した際においても、前記硬化膜の割れが生じる硬化膜破断点伸びが50%以上であることが推認される。
一方、単官能モノマーの合計が85.0mol%以上含まれていない比較例1は、実施例と比べて多官能モノマーの比率が高くなるため、架橋密度が高くなっているため、耐傷性は良好であるものの、延伸性が劣っており、延伸性、繰り返し伸縮性、耐傷性及びタック性能のバランスに優れているとはいえない硬化膜が形成されていたことが確認された。
また、単官能モノマーの合計が85.0mol%以上含まれているものの、モノマーB)が0.5mol%以上含まれていない比較例2は、実施例と比べて多官能モノマーの比率が低くなるため、架橋密度が低くなっており、延伸性は良好であるものの、耐傷性が劣っており、延伸性、繰り返し伸縮性、耐傷性及びタック性能のバランスに優れているとはいえない硬化膜が形成されていたことが確認された。
さらに、モノマーB)の合計が10.0mol%を超えて含まれている比較例3は、実施例と比べて多官能モノマーの比率が高くなるため、架橋密度が高くなっており、耐傷性は良好であるものの、延伸性が劣っており、延伸性、繰り返し伸縮性、耐傷性及びタック性能のバランスに優れているとはいえない硬化膜が形成されていたことが確認された。
さらに、モノマーB)が含まれておらず、Mw/官能基数が200に満たない多官能モノマーを含む比較例4は、架橋点距離が短くなることで、架橋密度が高くなっているため、耐傷性は良好であるものの、延伸性が劣っており、延伸性、繰り返し伸縮性、耐傷性及びタック性能のバランスに優れているとはいえない硬化膜が形成されていたことが確認された。
そのため、比較例1,3及び4における延伸性評価では、大きな割れが3個を超えてみられ、実質上許容範囲を超えているため、これらの積層体は、JIS K7161法にしたがい25℃で引張速度100mm/分で引張試験した際においても、前記硬化膜の割れが生じる硬化膜破断点伸びが50%未満であることが推認される。
そのため、比較例1,3及び4における延伸性評価では、大きな割れが3個を超えてみられ、実質上許容範囲を超えているため、これらの積層体は、JIS K7161法にしたがい25℃で引張速度100mm/分で引張試験した際においても、前記硬化膜の割れが生じる硬化膜破断点伸びが50%未満であることが推認される。
<加飾タイヤの製造(実施例1〜10、比較例1〜4)>
ドラム走行試験等に供するため、タイヤ(製品名:SNWAKER、サイズ:155/65R13、ブリヂストン社製)を基材として、実施例1〜10、比較例1〜4の加飾印刷層をインクジェット法にて印字後、従来公知のオーバーコート剤であるOP−520(DNPファインケミカル社製)を刷毛塗りで塗布し、100℃で5分乾燥することで加飾タイヤを製造した。なお、乾燥後のオーバーコート剤により形成したオーバーコート層はいずれも15μmであった。
〔耐傷性の評価〕
加飾タイヤの耐傷性の評価は、硬化後の塗膜をコインで削り、傷の有無を確認することにより行った。実施例の結果を表9に、比較例の結果を表10に示す。コインにより傷が全く付着しなかった場合を“◎”とし、コインにより傷がほとんど付着しなかった場合を“○”とし、コインにより傷が少し付着したが実質上許容範囲内であった場合を“△”とし、コインにより傷が付着し、実質上許容範囲を超えた場合を“×”とした。
〔ドラム走行試験の評価〕
加飾タイヤのドラム走行試験の評価は、ドラム走行試験を行うことによって評価した。60km/hの速度でタイヤ走行試験を行い、塗膜の剥離や割れの有無を確認した。実施例の結果を表9に、比較例の結果を表10に示す。1000km走行後、5000km走行後に加飾面を目視で確認し、塗膜の剥離や割れが見られない場合を“○”とし、塗膜の剥離や割れが見られた場合を“×”とした。
Figure 0006566953
Figure 0006566953
モノマーA):環状構造を有する単官能モノマーと、モノマーB):「分子量/官能基数≧200」である3官能以上のモノマーが包含される、活性エネルギー線硬化型インクであって、単官能モノマーの合計が85.0mol%以上であり、モノマーBが0.5mol%以上、10.0mol%以下である活性エネルギー線硬化型インク組成物の硬化膜である加飾印刷層がインクジェット法によってタイヤ表面に形成されている加飾タイヤは、長時間走行させても、装飾にひび割れや剥がれが入ることを予防できることが確認された(実施例1〜10)。
一方、単官能モノマーの合計が85.0mol%以上含まれていない場合(比較例1)、モノマーB)が0.5mol%以上含まれていない場合(比較例2)、モノマーB)の合計が10.0mol%を超えて含まれている場合(比較例3)、モノマーB)が含まれておらず、Mw/官能基数が200に満たない多官能モノマーを含む場合(比較例4)のいずれにおいても、長時間走行させると、装飾にひび割れや剥がれが入り得るため好ましくないことが確認された。

Claims (13)

  1. 活性エネルギー線硬化型インク組成物の硬化膜である加飾印刷層がタイヤ表面に形成され、
    前記活性エネルギー線硬化型インク組成物は、活性エネルギー線重合性モノマーを含有し、
    前記活性エネルギー線重合性モノマーとして、
    モノマーA):環状構造を有する単官能モノマーと、
    モノマーB):分子量/官能基数≧200の3官能以上のモノマーと、を含有し、
    前記活性エネルギー線重合性モノマーの全量における、
    前記モノマーA)を含む全単官能モノマーの合計含有量が85.0mol%以上であり、
    前記モノマーB)の含有量が0.5mol%以上10.0mol%以下である加飾タイヤ。
  2. 前記モノマーA)の単官能モノマー全体における含有量比が、60.0mol%以上100.0mol%以下である請求項1に記載の加飾タイヤ。
  3. 前記活性エネルギー線重合性モノマーの全量における、
    前記モノマーB)の含有量が1.0mol%以上7.0mol%以下である請求項1又は2に記載の加飾タイヤ。
  4. 前記活性エネルギー線重合性モノマーとして、
    モノマーC):分子量/官能基数≧200の2官能のモノマーを含有する請求項1から3のいずれかに記載の加飾タイヤ。
  5. 前記活性エネルギー線重合性モノマーの全量における、
    前記モノマーC)の含有量が0.5mol%以上5.0mol%以下である請求項4に記載の加飾タイヤ。
  6. 前記活性エネルギー線硬化型インク組成物を、JIS 3号試験片を作製して、JIS K6251に準拠して引張試験を行ったときの100%伸長時の弾性率が1.0〜1.5MPaであるゴム基材上に厚さ10μmの硬化膜として形成し、この硬化膜が形成された硬化膜形成基材を、ダンベル状6号形(JIS K6251−5)の試験片として、JIS K7161法にしたがい25℃で引張速度100mm/分で引張試験した際に、前記硬化膜の割れが生じる硬化膜破断点伸びが50%以上である前記加飾印刷層がタイヤ表面に形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の加飾タイヤ。
  7. 前記活性エネルギー線硬化型インク組成物を、JIS 3号試験片を作製して、JIS K6251に準拠して引張試験を行ったときの100%伸長時の弾性率が1.0〜1.5MPaであるゴム基材上に厚さ10μmの硬化膜として形成し、この硬化膜が形成された硬化膜形成基材の伸び率が0%から30%までの範囲を繰返すように前記硬化膜形成基材の伸縮を100mm/minの歪み速度で10回繰り返したときに、前記硬化膜の割れが3個以下である、請求項1から5のいずれかに記載の加飾タイヤ。
  8. 前記加飾印刷層の厚さが1μm以上100μm以下である、請求項1から7のいずれかに記載の加飾タイヤ。
  9. 前記加飾印刷層の表面を保護するオーバーコート層が前記加飾印刷層の表面に形成されている、請求項1から8のいずれかに記載の加飾タイヤ。
  10. 前記オーバーコート層はシリコーン変性(メタ)アクリル系エマルジョンを塗布乾燥してなる硬化膜であり、該オーバーコート層の厚さは1μm以上100μm以下である、請求項9に記載の加飾タイヤ。
  11. 前記タイヤ表面と前記加飾印刷層との間にプライマー層が形成されている、請求項1から10のいずれかに記載の加飾タイヤ。
  12. 前記加飾印刷層がインクジェット法により形成されている、請求項1から11のいずれかに記載の加飾タイヤ。
  13. 前記加飾印刷層をインクジェット法により形成する工程を含む、請求項1から11のいずれかに記載の加飾タイヤを製造する方法。

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