JP6566256B2 - 熱間鍛造用金型装置の組み立て方法 - Google Patents

熱間鍛造用金型装置の組み立て方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱間鍛造用金型装置の組み立て方法に関するものである。
蒸気タービンや航空機エンジン用のタービンディスク、タービンブレード等に用いられるNi基超耐熱合金、Ti合金等は難加工性材料であるため、その塑性加工には熱間鍛造が適用される。熱間鍛造用金型の加熱方法としては、例えば、ダイホルダ中に設置したヒータによってダイホルダを加熱し、このダイホルダから金型への伝熱により、金型を加熱する方法が挙げられる。
例えば、特開2013−215746号公報(特許文献1)には、上金型と下金型からなる金型と、これら上下の少なくとも一方の金型を支持する金型保持手段を備え、前記金型保持手段をプレス本体に固定した後、金型を加熱して鍛造を行う鍛造金型装置の加熱方法の発明がある。
特開2013−215746号公報
前述の特許文献1の発明は、前記上下の少なくとも一方の金型を予熱し、この予熱した金型を加熱された前記金型保持手段上に設置した後、前記予熱した金型を加熱手段により加熱し、前記金型の成形面を、前記金型の加熱手段とは別の加熱手段により所要の温度に加熱するようにするもので、十分な温度に加熱することができるものである。
ところで、最近では、5万トン規模の大型熱間鍛造装置による熱間鍛造が行われるようになっている。このような従来にない大きさの熱間鍛造装置に用いる金型も大型化してきている。そのため、金型は幾つかの金型の組立て体の構造となり、金型の材質もJISで規定される熱間金型用鋼を用いて、金型の製作費用を低減しなければならない。例えば、特許文献1で示されるように金型をNi基超耐熱合金で作製すると、作製費用は5〜10倍にもなる。
例えば、大型の熱間鍛造装置用に熱間金型用鋼製の金型を用いて、例えば、ホットダイ鍛造を行おうとすると、Ni基超耐熱合金製の金型と比較して、予熱温度を高温にできない中でホットダイ鍛造に適用可能な温度が必要になる。また、金型を予熱しても、その金型を大型鍛造装置に取り付けるまでに金型の温度低下も見られることから、できるだけ温度低下させず、短時間で適切な温度まで昇温可能な金型温度に維持できる取り付け方法を検討することが急務である。
本発明の目的は、複数個の金型の組立て体でなる上金型と下金型とを用いる熱間鍛造用金型を熱間鍛造装置に取り付けるまでの温度低下を抑制し、例えば、ホットダイ鍛造等の鍛造温度により短時間で加熱することが可能な熱間鍛造用金型装置の組み立て方法を提供する。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものである。
すなわち本発明は、少なくとも、下金型母型と成形面を有する下金型とを組み立てて下金型組立て体とする下金型組立て体工程と、
前記下金型組立て体と成形面を有する上金型と上金型母型とを加熱炉で所定の温度に加熱する金型加熱工程と、
前記下金型組立て体を前記加熱炉から取出して、下金型固定台上に載置し、前記下金型組立て体と前記下金型組立て体を外側から固定する下金型固定金型と一体化して下金型セットとするとともに前記下金型セットを前記下金型固定台に固定する下金型セット固定工程と、
上金型設置台の周囲に上金型固定金型を準備し、前記上金型設置台上に前記加熱炉から取出した前記上金型を成形面が下向きになるように載置し、その後、前記上金型の上に前記上金型母型を設置して、前記上金型と前記上金型母型とからなる上金型組立て体を構成し、前記上金型固定金型を上昇させて、前記上金型固定金型が前記上金型組立て体を外側から固定して一体化させて上金型セットとする上金型セット工程と、
前記下金型セットの成形面と、前記上金型セットの成形面が対向するように、前記下金型セット上に前記上金型セットを載置し、
次いで、上金型固定台を降下させ、前記上金型固定台に前記上金型セットを固定する上金型セット固定工程と、
を含む熱間鍛造用金型装置の組み立て方法である。
また本発明の別な構成は、少なくとも、下金型母型と成形面を有する下金型とを組み立てて下金型組立て体とする下金型組立て体工程と、
少なくとも、上金型母型と成形面を有する上金型とを組み立てて上金型組立て体とする上金型組立て体工程と、
前記下金型組立て体と前記上金型組立て体とを加熱炉で所定の温度に加熱する金型加熱工程と、
前記下金型組立て体を前記加熱炉から取出して、下金型固定台上に載置し、前記下金型組立て体と前記下金型組立て体を外周から固定する下金型固定金型と一体化して下金型セットとするとともに前記下金型セットを前記下金型固定台に固定する下金型セット固定工程と、
上金型設置台の周囲に上金型固定金型を準備し、前記上金型設置台上に前記加熱炉から取出した前記上金型組立て体を成形面が下向きになるように載置し、その後、前記上金型固定金型を上昇させて、前記上金型固定金型が前記上金型組立て体を外側から固定して一体化させて上金型セットとする上金型セット工程と、
前記下金型セットの成形面と、前記上金型セットの成形面が対向するように、前記下金型セット上に前記上金型セットを載置し、
次いで、上金型固定台を降下させ、前記上金型固定台に前記上金型セットを固定する上金型セット固定工程と、
を含む熱間鍛造用金型装置の組み立て方法である。
また本発明は、前記上金型セット固定工程の後、前記上金型セットを上昇させ、前記上金型セットの成形面と前記下金型セットの成形面を加熱装置により加熱することが好ましい。
また、前記加熱装置が、前記上金型セットの成形面を加熱するための第1加熱体と、前記第1加熱体の前記下金型セット側を覆う第1断熱体とを有する第1加熱ユニットと、
前記下金型セットの成型面を加熱するための第2加熱体と、前記第2加熱体の前記上金型セット側を覆う第2断熱体とを有する第2加熱ユニットと、
前記第1加熱ユニットおよび前記第2加熱ユニットを保持する枠体とを備え、
前記第1断熱体と第2断熱体との間に、枠体の外部に通じる空間を有することが好ましい。
本発明によれば、複数個の金型の組立て体でなる上金型と下金型とを用いる熱間鍛造用金型を熱間鍛造装置に取り付けるまでの温度低下を抑制することができる。これにより、例えば、ホットダイ鍛造等の鍛造温度により短時間で加熱することが可能となる。
本発明の一実施形態の熱間鍛造用金型(下金型セット及び上金型セット)の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態の下金型組立て体を示す模式図である。 本発明の一実施形態の上金型組立て体を示す模式図である。 本発明の一実施形態の下金型セットを下金型固定台に固定したときの模式図である。 本発明の一実施形態の上金型セット工程を示す模式図である。 本発明の一実施形態の上金型セット固定工程を示す模式図である。 本発明の一実施形態の下金型と上金型の成形面に加熱装置を挿入したときの模式図である。 本発明の一実施形態の加熱装置の一例を示す断面模式図である。
本発明を図面を用いて説明する。
図1には本発明の一実施形態に係る大型の熱間鍛造装置用の熱間鍛造用金型の模式図を示す。図1(a)で示すのは熱間鍛造装置に取り付ける下金型セット1である。下金型セット1は、下金型母型2と成形面を有する下金型3とでなる下金型組立て体4と、前記下金型組立て体4を外側から固定する下金型固定金型5で構成されている。ここで、下金型固定金型5は下金型組立て体4の全周を固定する構造であることが好ましいが、下金型組立て体4の全周のうち、部分的に固定する構造でもよい。なお、下金型母材2は、その寸法に応じて、それ自体を幾つかの金型の組立て体とすることが可能である。そして、下金型セットの寸法は、おおよそ1500〜2500mmの直径を有し、総重量は10000〜50000kgの大型のものである。材質はJIS−G4404で示される熱間金型用鋼やその改良鋼が好ましい。また、下金型3の成形面に例えば、Ni基超耐熱合金の肉盛層を形成しておくのが好ましい。
図1(b)で示すのは熱間鍛造装置に取り付ける上金型セット11である。上金型セット11は、上金型母型12と成形面を有する上金型13とでなる上金型組立て体14と、前記上金型組立て体14を外側から固定する上金型固定金型15で構成されている。ここで、上金型固定金型15は上金型組立て体14の全周を固定する構造であることが好ましいが、上金型組立て体14の全周のうち、部分的に固定する構造でもよい。なお、上金型母材2においても、前記の下金型母材2と同様、その寸法に応じて、それ自体を幾つかの金型の組立て体(2と(2)、12と(12))とすることが可能である。そして、下金型セットの寸法は、おおよそ1500〜2500mmの直径を有し、総重量は10000〜50000kgの大型のものである。材質はJIS−G4404で示される熱間金型用鋼やその改良鋼が好ましい。また、上金型13の成形面に例えば、Ni基超耐熱合金の肉盛層を形成しておくのが好ましい。
次に、上記の熱間鍛造用金型(下金型セット及び上金型セット)の組立て方法について説明する。
<下金型組立て体工程>
先ず、下金型母型2、成形面を有する下金型3を準備し、図2のように下金型母型2と下金型3とを組み立てて下金型組立て体4とする。この金型の組み立て作業は室温で行えば良い。組み立て作業はクレーンを用いて行うと良い。
<上金型組立て体工程(室温)>
本発明においては、上金型組立て体工程を2つのタイミングで行うことができる。これは、上金型の形状によっては上金型固定金型15で固定しないと金型が落下する場合があるためである。また、落下するおそれがあっても、上金型母型12から上金型13が落下しないように双方をボルト等の固定手段で固定することができるのであれば室温で組み立てることができる。
室温での組み立ては、前記の下金型組立て体工程と同様であり、上金型母型12、成形面を有する上金型13を準備し、図3のように上金型母型12と上金型13とを組み立てて上金型組立て体14とする。組み立て作業はクレーンを用いて行うと良い。
<金型加熱工程>
次に、前記下金型組立て体4と、上金型13と上金型母型12(室温で上金型組立て体14とした場合は、上金型組立て体14)を加熱炉(図示しない)で所定の温度に加熱する。加熱温度の上限は材質に応じて若干変化するが、熱間金型用鋼の焼戻し温度未満である。具体的には、おおよそ500〜700℃の範囲である。加熱時間は10〜24時間であれば十分である。
<下金型セット固定工程>
次に、金型加熱工程で加熱された下金型組立て体4を加熱炉から取り出す。図4に示すように、取り出した下金型組立て体4は、下金型固定台上6に前記下金型組立て体4を載置し、前記下金型組立て体4の外側から全周を固定する下金型固定金型5と一体化して下金型セット1とするとともにこの下金型セット1を下金型固定台6に固定する。下金型固定台6は熱間鍛造装置の一部となるボルスタであることが効率的である。なお、下金型セット1と下金型固定台6の固定方法は、例えば、ボルト締め等の締結手段で固定する方法や下金型固定台6に設けられたクランプ機構7で固定すれば良い。クランプ機構を用いて下金型セット1と下金型固定台6とを固定する方法は、安全性、作業性の面から特に好ましい。下金型セット固定作業はクレーンを用いて行うと良い。
<上金型セット工程>
本発明では、上金型セット工程の方法として2通りの方法がある。
1つ目の方法は、最初に上金型組立て体工程を含む方法である。
図5に示すように、上金型設置台17の周囲に上金型組立て体の外側から全周を固定するための上金型固定金型15を準備する(図5(a))。上金型設置台17はその底面を接地させ、上面に上金型13を載置して、加熱炉から取り出した上金型13の放熱を抑制するものである。また、上金型設置台17の外周面に沿うように配置された上金型固定金型15を上昇させるときにガイドの役目を果たすものである。
そして、前記上金型設置台17上に加熱炉から取出した上金型13を成形面が下向きになるように載置(図5(b))し、その後、上金型13の上に前記上金型母型12を設置して上金型組立て体14とする(図5(c))。これらの作業はクレーンを用いて行うと良い。次に、前記上金型固定金型15をクレーンにより矢印方向に上昇させて、上金型固定金型15が上金型組立て体14を外側から固定して、上金型固定金型15と上金型組立て体14とを一体化させて上金型セット11とする(図5(c))。この上金型セット工程は、後にそのまま熱間鍛造装置にセットしやすいように、上金型13を成形面を下向きとして行う。1つ目の方法は、上金型固定金型15を用いないと上金型13が落下してしまう構造の金型に好適である。
2つ目の方法は、前記の室温で組み立てた上金型組立て体14を用いる方法である。
図5(a)で示すように、上金型設置台17の周囲に上金型組立て体の外側から全周を固定するための上金型固定金型15を準備する。前記上金型設置台上に加熱炉から取出した上金型組立て体14を成形面が下向きになるように載置し、その後、前記上金型固定金型15をクレーンにより矢印方向に上昇させて、上金型固定金型15が上金型組立て体14を外側から固定して、上金型固定金型15と上金型組立て体14と一体化させて上金型セット11とする(図5(c))。2つ目の方法は、既に上金型組立て体としているものを上金型固定金型15で固定するため、短時間で上金型セット11とすることができ、放熱による金型の温度低下を抑制するのに効果的である。
<上金型セット固定工程>
次に、上記の上金型セット11をクレーンなどの運搬機構で下金型セット1上に運搬し、前記下金型セットの成形面と、前記上金型セットの成形面が対向するように、前記下金型セット上に前記上金型セットを載置する(図6(a))。これにより、最も温度低下を抑制させたくない成形面の冷却速度を低くすることができる。下金型固定台6上に設置された下金型セット上への上金型セットの載置はクレーンを用いれば良い。
下金型固定台6をボルスタであれば、そのまま熱間鍛造装置内にボルスタを引き込ませて下金型セットを熱間鍛造が可能な所定の位置に移動させる(図6(b))。そして、熱間鍛造装置に取り付けられた上金型固定台16を降下させ、上金型固定台16と上金型セット11を固定する(図6(c))。
以上で説明したように、本発明の熱間鍛造用金型装置の組み立て方法によれば、複数個の金型の組立て体でなる上金型と下金型とを用いる熱間鍛造用金型を熱間鍛造装置に取り付けるまでの温度低下を抑制することができる。
例えば、上記の上金型セット工程において、最初に上金型組立て体工程を含む方法を適用した場合、JIS−SKD61製の金型を550℃で金型加熱工程を行った場合、上金型セット固定工程終了時の成形面の表面温度を放射温度計で測定すると、450℃以上の温度に維持することができる。この温度であれば、例えば、ホットダイ鍛造等を行う場合に成形面の温度を500〜600℃程度の適温に短時間で加熱することができる。
次に、本発明の熱間鍛造用金型装置の組み立て方法において、上金型セット固定工程の後、上金型および下金型の特に成型面を加熱することが好ましい。本発明において、用いることが好ましい加熱方法並びに加熱装置について以下説明する。
上述したとおり、本発明の熱間鍛造用金型装置の組み立て方法によれば、大型の熱間鍛造用金型であっても450℃以上の温度に維持することができる。これを例えば、ホットダイ鍛造に好適な温度とするには、下金型及び上金型の成形面を所定の温度とすることが好ましい。
そのため、図7に示すように、前記上金型セット固定工程の後、前記上金型セット11を上昇させ、前記上金型セット11の成形面と前記下金型セット1の成形面を加熱装置21により加熱して成形面を所定の温度に加熱することが好ましい。
<加熱装置の構成>
図7および8を参照しつつ本発明に係る加熱装置の実施形態を説明する。
図7は加熱装置21、金型セット(上金型セット11、下金型セット1)およびプレス機を有する鍛造装置の、加圧方向(z方向)に垂直な方向から見た断面模式図であり、加熱装置21で金型セットの成形面を加熱している状態を示している。加熱装置21は、対向配置された上金型セット11および下金型セット1の間に配置され、上金型セット11および下金型セット1の成形面を加熱する。加熱装置21の、上金型セット11および下金型セット1の間に配置されている部分は、加圧方向を厚さ方向とする板状を呈しており、図8はかかる加熱装置を、熱間鍛造装置の加圧方向(z方向)に垂直な方向(x−y方向)から見た断面図である。
図8に示す加熱装置21では、第1加熱体31と、第1加熱体31の下金型側を覆う第1断熱体32とを有する第1加熱ユニット33と、第2加熱体34と、第2加熱体34の上金型側を覆う第2断熱体35とを有する第2加熱ユニット36とが、熱間鍛造時の加圧方向、すなわち上金型セット11と下金型セット1の対向方向に対置されている。第1加熱体31として抵抗加熱体が用いられている。抵抗加熱体は、上金型側に露出する状態で第1断熱体32の上面に留め具を用いて固定されている。同様に、第2加熱体34として用いられている抵抗加熱体が下金型側に露出する状態で第2断熱体35の下面に留め具を用いて固定されている。第1加熱体31が上金型側に、第2加熱体34が下金型側に、それぞれ露出する構成により、上金型および下金型の成型面を効率よく加熱することができる。
第1加熱体31および第2加熱体34の種類はこれを特に限定するものではないが、加熱効率の観点からは、直接発熱する部分が上金型側または下金型側に露出する構成が好ましい。図8に示す実施形態では、線状の抵抗加熱体が断熱体の表面を這うように配置されている。第1加熱体31および第2加熱体34は、一つの制御系で加熱を制御してもよいし、それぞれ別々の制御系で加熱を制御してもよい。前者には制御系が簡略化できる利点があり、後者には金型形状が上下非対称である場合に、より適正な加熱制御を実行することができる利点がある。
第1断熱体32および第2断熱体35の種類もこれを特に限定するものではない。例えば、セラミックス繊維、セラミックスブロック等を用いることができる。第1断熱体32および第2断熱体35は、それぞれ単体で構成してもよいし、複数の固体を組み合わせて構成してもよい。なお、図8に示す実施形態では、第1加熱体31および第2加熱体34の外周側に断熱体41を配置して、側方への熱の放出を抑制しているが、断熱体41は必須ではなく、側方への熱の放出が許容できる場合は、その配置を省略することもできる。
第1加熱ユニット33と第2加熱ユニット36は枠体37に保持されている。第1断熱体32と第2断熱体35とはz方向に離間して配置されており、第1断熱体32と第2断熱体35との間には断熱体のない空間50が存在する。第1加熱体31と第2加熱体34は空間50側に露出しない構造のため、加熱装置内部の空間50への熱伝導が抑制されている。さらに、空間50は枠体37の側方側(外周側)で外部(解放空間)と通じており、空気の出入りが可能である。そのため、自然対流、強制的気流、冷却装置等によって加熱装置内部の熱を外部に放出することができる。
ここで、枠体37および空間50に係る上記構成の特徴について説明する。
第1加熱ユニット33等の加熱機構を枠体37で保持することにより、加熱機構、特に大型の加熱機構の確実な支持が可能になり、枠体37を介した加熱装置21の容易かつ迅速な変位操作も可能になる。
ここで、枠体37を用いる場合、第1断熱体32および第2断熱体35を保持するために、枠体の一部(底部材38、39)は第1断熱体の下金型側および第2断熱体の上金型側に配置する必要がある。第1加熱体31および第2加熱体34が発生する熱の一部は断熱体を通って加熱装置内部に伝わる。このとき、空間50が枠体37の外部と通じることで熱放出が可能になり、枠体を用いて加熱機構を保持および支持する場合でも、枠体の変形を防止することができる。そのため加熱装置の支持・変位機構の熱的負荷や強度上の制約が低減される。
図8に示す枠体37は金属製の円筒状部材と、かかる円筒状部材と一体化している板状の底部材38、39を有することができる。底部材38、39は、例えば梁状、格子状またはベタに形成することができるが、このうち強度確保の観点からは底部材38、39はベタに形成することが好ましい。図8に示す加熱装置21は、鍛造素材をディスク状の鍛造製品に熱間鍛造するための金型を加熱することを想定している。このため、枠体37の外形は略円形状としている。但し、対象とする鍛造製品の形状、加熱装置の形状がこれに限定されるものでない。枠体37の外形は円形状に限らず、多角形状でもよい。枠体37の形態は鍛造製品、金型の形状に応じて適宜選択すればよい。
枠体37の側面(外周面)には空間50が外部に通じるための開口部が設けられており、開口部以外の部分で第1加熱ユニット33を保持する部分と第2加熱ユニットを保持する部分とが連結されている。空間50の一部に底部材38と底部材39とを連結する連結部を設けることもできる。空間50が外部に通じるための開口部の割合、個数はこれを特に限定するものではないが、空気の出入りを円滑にするためには開口部は複数であることが好ましく、中心を挟むように対称的に配置することがより好ましい。なお、空間50が外部に通じるための開口部は、枠体の形状設計等によって構成されるものであり、作製上不可避的な寸法誤差やクリアランスによるものは含まない。
枠体37の支持、補強等の目的で、枠体37の外側にさらに別の枠体が連結されていてもよいし、枠体以外の突起部等が連結されていてもよい。図8に示す実施形態のように枠体37に支持部42が側方から連結されていることで、加熱装置の支持が安定するとともに、加熱装置21の変位動作も容易になっている。支持部42の他端側は、水平方向および垂直方向に変位する駆動機構に接続されている。駆動機構を動作させることで、待機位置と加熱位置とを切り替えることができる。
図8に示す実施形態では、第1加熱体31および第2加熱体34の配置領域は環状であり、鍛造製品がディスク形状である場合のように中央を積極的に加熱する必要がない鍛造金型の加熱に好適である。なお、ここでいう配置領域とは、例えば、図8に示す線状の抵抗加熱体を用いる場合であれば、個々の線状領域ではなく、並べて配置された全体の外縁で画される領域を意味する。また、第1加熱体31および第2加熱体34の配置領域に係る「環状」とは、外形が円形状の場合に限らず、多角形の場合等も含む趣旨である。一方、第1断熱体32および第2断熱体35は円板状であり、それぞれ、第1加熱体31および第2加熱体34の円環状の配置領域の内側も覆っている。加熱体が配置されていない中央部を含めて、枠体の内側全体を覆うことで、加熱装置内部への熱の流入をより確実に抑制することができるとともに、断熱体および枠体の構成も簡略化される。
以上、説明する加熱装置を用いることで、効率の良い加熱が行える。
1 下金型セット
2 下金型母型
3 下金型
4 下金型組立て体
5 下金型固定金型
6 下金型固定台
7 クランプ機構
11 上金型セット
12 上金型母型
13 上金型
14 上金型組立て体
15 上金型固定金型
16 上金型固定台
17 上金型設置台
21 加熱装置
31 第1加熱体
32 第1断熱体
33 第1加熱ユニット
34 第2加熱体
35 第2断熱体
36 第2加熱ユニット
37 枠体
38、39 底部材
41 断熱体
42 支持部
50 空間

Claims (4)

  1. 少なくとも、下金型母型と成形面を有する下金型とを組み立てて下金型組立て体とする下金型組立て体工程と、
    前記下金型組立て体と成形面を有する上金型と上金型母型とを加熱炉で所定の温度に加熱する金型加熱工程と、
    前記下金型組立て体を前記加熱炉から取出して、下金型固定台上に載置し、前記下金型組立て体と前記下金型組立て体を外側から固定する下金型固定金型とを一体化して下金型セットとするとともに前記下金型セットを前記下金型固定台に固定する下金型セット固定工程と、
    上金型設置台の周囲に上金型固定金型を準備し、前記上金型設置台上に前記加熱炉から取出した前記上金型を成形面が下向きになるように載置し、その後、前記上金型の上に前記上金型母型を設置して、前記上金型と前記上金型母型とからなる上金型組立て体を構成し、前記上金型固定金型を上昇させて、前記上金型固定金型が前記上金型組立て体を外側から固定して一体化させて上金型セットとする上金型セット工程と、
    前記下金型セットの成形面と、前記上金型セットの成形面が対向するように、前記下金型セット上に前記上金型セットを載置し、
    次いで、上金型固定台を降下させ、前記上金型固定台に前記上金型セットを固定する上金型セット固定工程と、
    を含むことを特徴とする熱間鍛造用金型装置の組み立て方法。
  2. 少なくとも、下金型母型と成形面を有する下金型とを組み立てて下金型組立て体とする下金型組立て体工程と、
    少なくとも、上金型母型と成形面を有する上金型とを組み立てて上金型組立て体とする上金型組立て体工程と、
    前記下金型組立て体と前記上金型組立て体とを加熱炉で所定の温度に加熱する金型加熱工程と、
    前記下金型組立て体を前記加熱炉から取出して、下金型固定台上に載置し、前記下金型組立て体と前記下金型組立て体を外周から固定する下金型固定金型とを一体化して下金型セットとするとともに前記下金型セットを前記下金型固定台に固定する下金型セット固定工程と、
    上金型設置台の周囲に上金型固定金型を準備し、前記上金型設置台上に前記加熱炉から取出した前記上金型組立て体を成形面が下向きになるように載置し、その後、前記上金型固定金型を上昇させて、前記上金型固定金型が前記上金型組立て体を外側から固定して一体化させて上金型セットとする上金型セット工程と、
    前記下金型セットの成形面と、前記上金型セットの成形面が対向するように、前記下金型セット上に前記上金型セットを載置し、
    次いで、上金型固定台を降下させ、前記上金型固定台に前記上金型セットを固定する上金型セット固定工程と、
    を含むことを特徴とする熱間鍛造用金型装置の組み立て方法。
  3. 前記上金型セット固定工程の後、前記上金型セットを上昇させ、前記上金型セットの成形面と前記下金型セットの成形面を加熱装置により加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の熱間鍛造用金型装置の組み立て方法。
  4. 前記加熱装置が、前記上金型セットの成形面を加熱するための第1加熱体と、前記第1加熱体の前記下金型セット側を覆う第1断熱体とを有する第1加熱ユニットと、
    前記下金型セットの成形面を加熱するための第2加熱体と、前記第2加熱体の前記上金型セット側を覆う第2断熱体とを有する第2加熱ユニットと、
    前記第1加熱ユニットおよび前記第2加熱ユニットを保持する枠体とを備え、
    前記第1断熱体と第2断熱体との間に、枠体の外部に通じる空間を有することを特徴とする請求項3に記載の熱間鍛造用金型装置の組み立て方法。

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