JP6677902B2 - タービンブレード用素材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タービンブレード用素材の製造方法に関するものである。
近年、蒸気タービンの高効率化の要請により、蒸気タービンに用いられるタービンブレード(以下単に「ブレード」という。)も長尺化してきている。約1500mmを超える長尺のブレード素材を製造する場合では、素材を上型と下型の間に挟み込んで、大型のプレス鍛造でブレード素材に成形する方法が主流である。
例えば、特開平4−46651号公報(特許文献1)には、三次元形状に複雑に捩れたタービン翼を鍛造により製造する方法において、鍛造素材の少なくとも一端に被係合部を形成し、該被係合部を金型に形成した係合部に係脱自在に係合させて前記素材を金型正規位置に保持し、その後の鍛造中において前記被係合部は鍛造変形を与えずに素材の軸方向に変位自在とされて鍛造素材を金型で三次元形状に鍛造するタービン翼の製造方法の発明が開示されている。
特開平4−46651号公報
ところで、長尺のブレードの製造のために数万トンクラスの大型鍛造装置を用いる場合、製造の高効率化のためには、種々の新たな課題が顕在化している。
本発明者らがこの大型熱間鍛造装置を用いて、長尺ブレードを製造するにあたり、できるだけ効率よく製品形状の良い鍛造材を製造しようとすると、種々の新たな課題に直面した。具体的には、長尺ブレードとなる荒地の材質がNi基超耐熱合金やTi合金などの難加工性材料であり、その荒地も大型化し、熱間鍛造時の鍛造荷重が予想以上に大きくなった。
また、荒地を下型に載置する際には、載置位置を適切とし、且つ、熱間鍛造中に荒地を所定の位置に固定しておかないと鍛造品の形状に不具合が生じることになる。
本発明の目的は、長尺ブレードを製造する場合に、鍛造荷重を低減し、且つ、鍛造後の鍛造品形状の不具合を防止することが可能なタービンブレード用素材の製造方法を提供することである。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものである。
すなわち本発明は、根部と翼部を有するタービンブレード用素材の製造方法であって、
棒状の荒地を下型上に載置する載置工程と、
前記下型上に載置された前記荒地を上型で押圧して、タービンブレード用素材を得る押圧工程とを含み、
前記荒地は、長手方向に沿って、根部となる部分と翼部となる部分とを有するとともに、長手方向両端部に位置決め部を有し、
前記根部となる部分と前記翼部となる部分は、それぞれ荒地の長手方向に垂直な断面形状が円形状であるとともに、前記翼部となる部分には長手方向に垂直な方向に張り出したカバー部となる部分を備え、
前記荒地は、前記位置決め部を用いて位置決めされつつ前記下型上に載置され
前記根部となる部分が前記上型と前記下型とにより押圧される際、最初に押圧される前記根部となる部分の断面において最初に前記上型と接触する点と最初に前記下型と接触する点とを結ぶ線を第一線としたとき、前記第一線が鉛直線に対し傾きをもっており、
前記カバー部となる部分が前記上型と前記下型とにより押圧される際、最初に押圧される前記カバー部となる部分の断面において最初に前記上型と接触する点と最初に前記下型と接触する点とを結ぶ線を第二線としたとき、前記第二線が鉛直線に対し傾きもっており、
前記第一線と前記第二線とは、前記荒地の長手方向から見て、それぞれ鉛直線に対して反対方向に傾いており、
前記根部となる部分に最初に接触する前記上型の押圧面及び前記カバー部となる部分に最初に接触する前記上型の押圧面が平坦状に形成されており、
前記位置決め部を収納する下型位置決め部の部分が前記下型に脱着可能な別部品であり、
前記荒地の位置決め部と下型位置決め部の底面とは非接触であるタービンブレード用素材の製造方法である。
好ましくは、前記根部となる部分に最初に接触する前記下型の押圧面及び前記カバー部となる部分に最初に接触する前記下型の押圧面が平坦状に形成されているタービンブレード用素材の製造方法である。
更に好ましくは、前記荒地の位置決め部と下型位置決め部の底面とに形成された隙間の間隔が5mm以上であるタービンブレード用素材の製造方法である。
本発明によれば、長尺ブレードを製造する場合に、鍛造荷重を低減し、且つ、鍛造後の鍛造品形状の不具合を防止することができる。
本発明で用いるタービンブレード用素材の荒地の一例を示す模式図である。 荒地を下型上に載置したときの一例を示す模式図である。 根部となる部分の長手(中心軸)方向から見た熱間鍛造(押圧)を開始する時の根部となる部分と上型及び下型の関係の一例を示す断面模式図である。 カバー部となる部分の中心軸方向から見た熱間鍛造(押圧)を開始する時の根部となる部分と上型及び下型の関係の一例を示す断面模式図である。 タービンブレード用素材の一例を示す模式図である。 脱着可能とした下型位置決め部と荒地の位置決め部との関係の一例を示す模式図である。 脱着可能とした下型位置決め部と荒地の位置決め部との関係の別な一例を示す模式図である。
本発明を図面を用いて説明する。
本発明に係るタービンブレード用素材の製造方法に供する荒地の準備の仕方はこれを特に限定するものではないが、例えば以下のようにして作製することができる。
準備する荒地1は根部となる部分2と翼部となる部分3を有し、図1に示すように、それぞれ荒地の長手方向に垂直な断面形状が円形状であり、翼部となる部分3には長手方向に垂直な方向に張り出した径の大きいカバー部となる部分4を備え、根部となる部分2と翼部となる部分3とは軸方向に配列され、長尺状の荒地の両端部には位置決め部5を有するものである。なお、図1中の一点鎖線は中心軸を示すものである。
このうち、位置決め部5は荒地を下型に載置する際に、載置位置を適切とし、且つ、熱間鍛造中に荒地を所定の位置に固定するためのものである。なお、位置決め部5は、根部となる部分2、翼部となる部分3、カバー部となる部分4とを備える部分を本体部6とすると、位置決め部5は本体部6を成形した後に別な部品として接合するのが良い。これは、適切な位置に位置決め部を接合しやすいためである。また、その場合、位置決め部5と本体部の材質は同一とするとリサイクルが行いやすく更に好ましい。
次に、下型11の好ましい構造について説明する。図2に示すように下型11は、前記荒地の両端部に形成された位置決め部5を収納して前記荒地1を所定の位置とする下型位置決め部12を備えている。そして、下型位置決め部12は下型11に脱着可能な別部品である。
直接下型を加工して下型位置決め部を形成する方法もあるが、その加工幅や加工深さを変更しようとすると、金型本体を加工する必要がある。しかしながら、大型のタービンブレードを製造するための熱間鍛造用金型はその重量が数トンもあり、運搬や加工に多大のコストが必要になる。また、加工に失敗した場合、大型の金型本体が不良となってしまう恐れもある。そのため、下型位置決め部12を脱着可能な別部品にしておけば、位置決め部5の形状、直径に応じて下型位置決め部12のみを交換することで、種々の位置決め部5の形状に対応が可能となる。
また、下型位置決め部12は下型11に嵌め合うことが可能な構造とするのが良い。例えば、図2には、下型位置決め部12の突出した部分(突出部)15が下型の本体に嵌め合った場合の模式図が示されている。この突出部によって、下型位置決め部12と下型11とが固定される。その場合の固定方法としては、単に嵌め合うことでも良いが、ボルトなどの締結部材で固定しておく方が強固な固定ができて好ましい。
更に、図6や図7に示すように下型位置決め部12には位置決め部5の収納を容易にするために、面取り部16を設けておくことが好ましい。これは、たいていの場合、加熱された荒地はマニピュレータを用いて下型の所定の位置に配置されることになる。このとき、下型位置決め部12内に位置決め部5をスムースにセットするためである。
なお、下型位置決め部12は図6に示すような一体物としても良いが、図7に示すように2つ以上の別部材としても良い。
本発明で用いる下型11は、図6や図7で示すように前記荒地の位置決め部5と前記下型位置決め部側面との間には、0.8mm以上の隙間が形成される間隔を有することが好ましい。これは、荒地が熱間鍛造温度への加熱によって熱膨張するため、位置決め部5と下型位置決め部12の側面との間に隙間を確保するものである。そのため、好ましくは、0.8mm以上の間隔(隙間)を設けて、加熱された位置決め部を下型位置決め部内へ挿入するのを容易にする。なお、隙間の間隔の上限は2mm程度で良い。過度に隙間が広すぎると所定の位置からずれてしまう心配がある。好ましくは1.5mm以下である。なお、ここでいう“隙間”とは図6や図7で示す(A)と(A’)の合計の間隔であり、熱間鍛造温度に荒地を加熱する前の状態での間隔である。仮に、(A)と(A’)の隙間がゼロとなっても、もう一方の隙間を0.8mm以上確保することも許容されるが、隙間(A)と(A’)は均等な間隔をもつようにして、位置決め部と下型位置決め部の側面とが接触しないようにするのが更に好ましい。
また、特に、位置決め部と下型位置決め部12の底面側の隙間((B)として示す)は5mm以上の大きな隙間としておくのが好ましい。下型位置決め部の底面が位置決め部と接触していると、熱間鍛造を行う際に接触面同士が擦れたり、位置決め部が下型位置決め部の底面に引っかかることで荒地の本体部が所定の位置からずれてしまう場合があるためである。なお、位置決め部5の底面側の隙間を大きく形成しようとすると、図7の下型位置決め部12のように、位置決め部5の左右両側に個別に下型位置決め部品を設けておくのが好ましい。
つまり、下型位置決め部12と位置決め部5とは非接触の状態とするのが良い。そのためには、図6や図7で示すように、下型位置決め部の側面同士を一定の間隔が保てるように平行な場所を設けておき、熱間鍛造中に位置決め部の移動を拘束させないようにしておくのが良い。
<載置工程>
次に熱間鍛造温度に加熱した荒地4を、図2に示すように下型11上に載置する。このとき、荒地1に形成された位置決め部5と、下型11に設けられた下型位置決め部12よって、載置位置を適切とし、且つ、熱間鍛造中に荒地が所定の位置に固定される。この場合、前述したように下型に設ける下型位置決め部12を別部品としておけば、位置決め部5の形状が変化しても下型位置決め部12のみを変更することで所定の位置に荒地を確実に固定できる。
<押圧工程>
次に、下型11上に載置された荒地1を上型で押圧して、タービンブレード用素材とする。このとき、鍛造荷重を低減するために以下の条件を満足しつつ熱間鍛造(押圧)を行う。
図3は根部となる部分2の中心軸方向から見た断面模式図であり、根部となる部分2を上型と下型により熱間鍛造(押圧)を開始する時の、根部となる部分2と上型の押圧面13及び下型の押圧面14との関係を示す断面模式図である。図3に示すように、根部となる部分2が上型と下型とにより押圧される際、最初に押圧される根部となる部分の断面において最初に上型と接触する点(A)と最初に下型と接触する点(B)とを結ぶ線を第一線としたとき、この第一線が鉛直線に対し傾きをもっている。
また、図4はカバー部となる部分4の中心軸方向から見た断面模式図であり、根部となる部分2を上型と下型により熱間鍛造(押圧)を開始する時の、カバー部となる部分4と上型の押圧面13及び下型の押圧面14の関係を示す断面模式図である。なお、鍛造時において、根部となる部分2とカバー部となる部分4はほぼ同時に押圧される。
図4に示すように、カバー部となる部分4が上型と下型とにより押圧される際、最初に押圧されるカバー部となる部分の断面において、最初に上型と接触する点(C)と最初に下型と接触する点(D)とを結ぶ線を第二線としたとき、この第二線が鉛直線に対し傾きもっている。
熱間鍛造後のタービンブレード用素材は、図5に示すように、根部21から徐々に捻じれた翼部22とカバー部23を有するものである。このため、熱間鍛造時に用いる上型と下型の型彫り面形状もそれに合わせた形状となる。そのため、根部となる部分2と翼部となる部分3側の何れかには、上型と下型に形成された型彫り面が傾斜して接触することになる。なお、本発明においては、鍛造荷重を効率よく低減させるため、断面において、最初に上型と接触する点(A)(C)と最初に下型11と接触する点(B)(D)は荒地の長手方向の断面から見ると点接触である。
本発明においては、鍛造荷重を低減するために、根部となる部分2と翼部となる部分3に形成されたカバー部となる部分4の両方に対して、上型と下型に形成された型彫り面を傾斜して接触させる。具体的には、図3及び図4に示すように、第一線と第二線とは異なる方向(例えば右傾斜と左傾斜)、換言すると、それぞれ鉛直線に対して反対方向に傾いている。この互いに異なる方向に傾斜させ、接触する点を4点とする構成により、鍛造荷重を低減しつつ、熱間鍛造時に荒地が移動してしまうこともより確実に抑制できる。これは、図5に示すように、タービンブレード用素材は捻じれた形状である。例えば、根部となる部分または翼部となる部分の何れかを垂直に押圧できれば鍛造も容易になるが、一方を垂直にすると他方の角度を大きく形成しないとならなくなる。そうすると、鍛造時の荷重が大きくなるだけでなく、必要な荒地体積も大きくなる。この角度は熱間鍛造の容易さ(肉流れ)と荷重の兼ね合いをみて決定し、鍛造荷重を大きくさせないようにするものである。
また、本発明においては、図3及び図4に示すように、根部となる部分2に最初に接触する上型の押圧面13及びカバー部となる部分4に最初に接触する上型の押圧面13は平坦状とするのが好ましい。熱間鍛造時の肉の流れ方を考慮すると、図3や図4で示す第一線と第二線が荒地の中心点付近を通るようにすると、均等に肉が流れやすくなって欠肉等の形状不良を防止することができる。しかし、荒地は熱間鍛造材であることから、その寸法公差は若干のばらつきを持っている。そのばらつきを持つ荒地の根部となる部分2に最初に接触する上型の押圧面13及びカバー部となる部分4に最初に接触する上型の押圧面13が凸形状の曲面状であると、接触する場所が一定にはなり難い。そうなると、第一線や第二線が荒地の中心点から大きく外れる場合がある。第一線または第二線が中心点から外れた方向の反対側に熱間鍛造時に肉が流れやすくなって欠肉等の形状不良を生じてしまう。また、第一線や第二線が荒地の中心点から大きく外れてしまうと熱間鍛造を開始する時に、荒地が移動するおそれもある。
一方で、根部となる部分2に最初に接触する上型の押圧面13及びカバー部となる部分4に最初に接触する上型の押圧面13が平坦状であれば、点(A)や点(C)の位置が点(B)や点(D)から中心点かその近傍を通る直線状になりやすい。そのため、熱間鍛造時に第一線と第二線の左右方向に均等に肉が流れて欠肉等の形状不良を防止することができる。
更に好ましくは上型の最初の接触面に対向する下型の押圧面14の場所も平坦状にすることである。下型の押圧面も平坦にしておけば、熱間鍛造時の荒地の移動もより確実に防止することができ、形状不良の発生をより確実に防止することができる。さらに好ましくは、図3や図4に示すように、上型と下型の押圧面の場所を平坦にしつつ、上型と下型の押圧面同士を平行にすると良い。
上記で説明する鍛造荷重を低減するための条件を満足させることで、熱間鍛造(押圧)を行うと、長尺ブレードを製造する場合に、鍛造荷重を低減し、且つ、鍛造後の鍛造品形状の不具合を防止することができる。
本発明のタービンブレードの製造方法について実施例で示しながら説明する。
先ず、図1に示すような荒地1を2本用意した。材質は2本ともTi合金である。50インチクラスの荒地1は、本体部6の断面形状を円形状とし、翼部となる部分3と根部となる部分2とに成形するために体積を変化させた形状である。なお、翼部となる部分3には径の大きいカバー部となる部分4を備えたものである。断面形状は円形状である。
前記の荒地1のうち、1本については本体部6の中心軸の延長線上の翼部側端面と根部側端面に深さ50mmの穴あけ加工を施した。更に、位置決め部とする直径が40mmの円筒柱状のTi合金製の位置決め部5を嵌め込み、溶接を行って、本体部6と位置決め部5とを接合させて荒地1とした。なお、位置決め部に用いたTi合金と本体部のTi合金は共に同一組成である。
また、前記の荒地1のうち、残りの1本については本体部6の中心軸の延長線上の翼部側端面と根部側端面を研削して、直径が40mmの円柱状の位置決め部用のTi合金を摩擦圧接にて本体部2と接合させて、本体部6の中心軸の延長線上に位置決め部を有する荒地1とした。摩擦圧接を適用したものは、前記の穴あけ加工後に溶接したものと比較し、穴あけ加工工程が省略でき、工数削減となった。なお、位置決め部のTi合金と本体部のTi合金は共に同一組成である。
次に、熱間鍛造用金型(上型(図示せず)と下型11)を用意した。1ブローの熱間鍛造にて、ニアネット形状のタービンブレード用素材とするため、熱間鍛造型翼部と根部を形成する型彫り面が形成されたものを用いた。このとき、図2(上面図、側面図)に示すように、下型11には荒地1を配置したときに前記位置決め部5が配置される下型位置決め部12を有するものを用いた。下型位置決め部は脱着可能な図7に示す構造のものとし、面取り部も設けた。下型位置決め部と位置決め部の関係は、荒地を熱間鍛造温度に加熱したときに下型位置決め部と位置決め部との間隔が0.5mm程度の間隔とできるよう、加熱前の隙間((A)+(A’))を1mmとした。また、位置決め部と下型位置決め部の底面とは約20mmの隙間があった。
なお、用意した熱間鍛造用金型(上型と下型11)は、図3及び図4に示すようなものであり、根部となる部分2が上型と下型11とにより押圧される際、最初に押圧される根部となる部分の断面において最初に上型と接触する点(A)と最初に下型と接触する点(B)とを結ぶ線を第一線としたとき、この第一線が鉛直線に対し傾きをもっているものである。また、翼部となる部分2を上型と下型11により、熱間鍛造(押圧)を開始する時に、最初に押圧されるカバー部となる部分の断面において、最初に上型10と接触する点(C)と最初に下型11と接触する点(D)とを結ぶ線を第二線としたとき、この第二線が鉛直線に対し傾きもっているものである。鍛造荷重を効率よく低減させるため、断面において、最初に上型と接触する点(A)(C)と最初に下型11と接触する点(B)(D)は点接触するものである。
また、用意した熱間鍛造用金型(上型と下型11)は、根部となる部分2と翼部となる部分に形成されたカバー部となる部分4の両方に対して、上型と下型に形成された型彫り面を傾斜させて接触させるようにして、鍛造荷重を低減するようにした。
図3及び図4に示すように、第一線と第二線とは異なる方向に傾斜させ、接触する点を4点とする構成により、鍛造荷重を低減しつつ、より確実に熱間鍛造時の形状不良を防止すると共に、荒地の移動を防止可能な構造とした。
また、根部となる部分2に最初に接触する上型の押圧面13及びカバー部となる部分4に最初に接触する上型の押圧面13を平坦状とし、上記の最初に接触する上型の押圧面13に対向する下型の押圧面14の場所も平坦状とし、上型と下型の押圧面同士を平行として、熱間鍛造を開始する時の荒地1の移動を防止可能な構造とした。
次に、上記の熱間鍛造用金型を用いて熱間鍛造を行った。
前記の荒地に潤滑剤を被覆し、鍛造温度940℃に加熱して、荒地1の位置決め部5を下型位置決め部12に配置するように荒地1を下型11に配置した。配置後の状態は図2に示すような状態であった。なお、加熱時に位置決め部の変形は生じなかった。
続いて、上型(図示しない)の押圧により1ブローで熱間鍛造を行った。熱間鍛造は本体部と位置決め部とを嵌め込みおよび溶接接合した荒地から開始し、次に本体部と位置決め部とを摩擦圧接した荒地を用いて行った。用いた熱間鍛造機は最大荷重が5万トンの大型熱間鍛造機である。熱間鍛造中に位置決め部の観察を行ったが、特に熱間鍛造中に荒地が位置ずれを起こした形跡は見られず、所望の形状のタービンブレード用素材を得ることができた。
熱間鍛造後に見られたばりは、2本共に50mm程度バランス良く張り出しており、その厚さは6mm程度であり、歩留まりも良好であった。また、熱間鍛造時の荷重も4万トン程度であり、問題なく熱間鍛造が行えた。
この作業を複数回実施したが、何れのタービンブレード用素材も欠陥なく熱間鍛造が行えた。
以上の結果から、鍛造荷重を低減し、且つ、鍛造後のタービンブレード用素材の鍛造品形状の不具合を防止することができるとは明らかである。
1 荒地
2 根部となる部分
3 翼部となる部分
4 カバー部となる部分
5 位置決め部
6 本体部
11 下型
12 下型位置決め部
13 上型の押圧面
14 下型の押圧面
15 突出部
16 面取り部
20 タービンブレード用素材
21 根部
22 翼部
23 カバー部

Claims (3)

  1. 1ブローの熱間鍛造で根部と翼部を有するタービンブレード用素材の製造方法であって、
    棒状の荒地を下型上に載置する載置工程と、
    前記下型上に載置された前記荒地を上型で押圧して、タービンブレード用素材を得る押圧工程とを含み、
    前記荒地は、長手方向に沿って、根部となる部分と翼部となる部分とを有するとともに、長手方向両端部に位置決め部を有し、
    前記根部となる部分と前記翼部となる部分は、それぞれ荒地の長手方向に垂直な断面形状が円形状であるとともに、前記翼部となる部分には長手方向に垂直な方向に張り出したカバー部となる部分を備え、
    前記荒地は、前記位置決め部を用いて位置決めされつつ前記下型上に載置され、
    前記根部となる部分が前記上型と前記下型とにより押圧される際、最初に押圧される前記根部となる部分の断面において最初に前記上型と接触する点と最初に前記下型と接触する点とを結ぶ線を第一線としたとき、前記第一線が鉛直線に対し傾きをもっており、
    前記カバー部となる部分が前記上型と前記下型とにより押圧される際、最初に押圧される前記カバー部となる部分の断面において最初に前記上型と接触する点と最初に前記下型と接触する点とを結ぶ線を第二線としたとき、前記第二線が鉛直線に対し傾きもっており、
    前記第一線と前記第二線とは、前記荒地の長手方向から見て、それぞれ鉛直線に対して反対方向に傾いており、
    前記根部となる部分に最初に接触する前記上型の押圧面及び前記カバー部となる部分に最初に接触する前記上型の押圧面が平坦状に形成されており、
    前記位置決め部を収納する下型位置決め部の部分が前記下型に脱着可能な別部品であり、
    前記荒地の位置決め部と下型位置決め部の底面とは非接触である
    ことを特徴とするタービンブレード用素材の製造方法。
  2. 前記根部となる部分に最初に接触する前記下型の押圧面及び前記カバー部となる部分に最初に接触する前記下型の押圧面が平坦状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のタービンブレード用素材の製造方法。
  3. 前記荒地の位置決め部と下型位置決め部の底面とに形成された隙間の間隔が5mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のタービンブレード用素材の製造方法。
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