図1ないし図11に本発明を適用したカメラ(撮像装置)1のカメラ本体10を示す。カメラ1はレンズ交換式の一眼レフカメラであり、カメラ本体10に対して不図示の交換レンズ(レンズ鏡筒)を着脱することができる。図11に示す「O」は、交換レンズの光学系を通してカメラ本体10に入る光束の光軸である。以下の説明における前後、上下、左右の各方向は図中に矢線で示す方向に対応しており、前方が被写体側となる。通常の撮影姿勢ではカメラ1の後方に撮影者が位置し、上下方向や左右方向は、カメラ本体10を略水平に構えた状態で撮影者から見た方向に対応したものとなる。
図11に示すように、カメラ本体10の前面には、交換レンズを着脱するマウント部11が設けられている。マウント部11の後方のカメラ本体10の内部には、ミラーヒンジ12xを中心として回動可能なクイックリターンミラー12が設けられている。クイックリターンミラー12は、図示を省略するミラー駆動機構によって、カメラ本体10内の撮影光路上に斜設されたミラーダウン位置(図11に示す位置)と、撮影光路から上方に退避したミラーアップ位置の間で回動する。
クイックリターンミラー12がミラーダウン位置にあるときは、マウント部11に取り付けた交換レンズの光学系を通った被写体光がクイックリターンミラー12によって上方に反射されてファインダ光学系に導かれる。図11に示すように、ファインダ光学系は、クイックリターンミラー12の上方に位置するペンタプリズム13と、ペンタプリズム13の後方に位置する接眼レンズ系14と、接眼レンズ系14の後方に位置する接眼窓15を有しており、クイックリターンミラー12がミラーダウン位置にある状態では接眼窓15を通して被写体像を光学的に観察することができる。カメラ本体10の内部にはさらに、クイックリターンミラー12の後方に撮像素子16が設けられている。クイックリターンミラー12がミラーアップ位置に回動すると、光軸Oに沿って入射する被写体光を撮像素子16によって受光することが可能になる。クイックリターンミラー12と撮像素子16の間には図示を省略するシャッタ(フォーカルプレーンシャッタ)が配されており、シャッタを開くことで被写体光が撮像素子16の受光面に達する。撮像素子16で受光した被写体光は光電変換され、画像生成回路によって電子的な画像データに変換される。画像生成回路などを搭載したボディ側回路基板(本体側の制御回路)17がカメラ本体10内に設けられている。
カメラ本体10の後面側には、接眼窓15の右側に操作ダイヤル50が設けられ、操作ダイヤル50の下方に複数の操作ボタン51が設けられ、接眼窓15の左側にも複数の操作ボタン52が設けられている。操作ダイヤル50は上下方向に向く軸を中心に回転操作可能であり、各操作ボタン51と各操作ボタン52は押し込み操作可能である。操作ダイヤル50と各操作ボタン51と各操作ボタン52を用いてカメラ1に関する各種設定や機能選択を実行することができる。その具体的な設定や機能は周知のものであるから説明を省略するが、一例として、操作ダイヤル50の回転によって絞り値やシャッタ速度を設定することが可能である。カメラ本体10は他にも上面側などに各種の操作ダイヤルや操作ボタンを備えているが、それらについての説明は省略する。
カメラ本体10の後面側にはさらに可動モニタ(表示部)20が設けられている。可動モニタ20は、接眼窓15と複数の操作ボタン52の下方、複数の操作ボタン51の左方に位置しており、可動モニタ20の右斜め上に操作ダイヤル50が位置する。可動モニタ20は液晶ディスプレイ(LCD)などの表示デバイス(表示画面)21を備えている。可動モニタ20は光軸Oの延長上に位置しており、より詳しくは、可動モニタ20の外形中心が概ね光軸Oを延長した仮想線O’(図11、図20、図21)上に位置している。ボディ側回路基板17と可動モニタ20内のモニタ側回路基板(表示部側の制御回路)55は柔軟性を有するフレキシブル基板(接続手段)18(図20、図21)によって接続されており、フレキシブル基板18を介してカメラ本体10と可動モニタ20の間で信号の通信が行われ、撮像素子16を介して得られた画像データに基づく被写体画像や、画像以外の各種情報などを表示デバイス21に表示することができる。図2、図4、図7、図9、図12ではフレキシブル基板18の図示を省略しており、図11にはフレキシブル基板18の一部のみを図示している。可動モニタ20はカメラ本体10に対して可動に支持されており、表示デバイス21の向きや位置を変化させることが可能である。以下、可動モニタ20の支持機構とその動作を説明する。なお、以下の説明における可動モニタ20に関する方向は、特段の言及がない限り、可動モニタ20が図1に示す初期位置(カメラ本体10に対する傾動や引き出し動作を行っていない状態)にあるときの方向を述べているものとする。
表示デバイス21は支持枠(第2の支持段部)22に対して固定的に支持されている。表示デバイス21はカメラ1の後面側に向く略矩形の表示面を有しており、支持枠22は矩形の表示デバイス21の周囲の4辺を囲む上辺部22a、下辺部22b、左辺部22c、右辺部22dを有している。表示デバイス21は左右方向に長い横長形状をなしており、表示デバイス21の形状に対応して支持枠22では、上辺部22aと下辺部22bが一対の長辺を構成し、左辺部22cと右辺部22dが一対の短辺を構成している。
支持枠22は金属製のベースプレート(第1の支持段部)23により支持されている。図14や図15に示すように、ベースプレート23は、表示デバイス21や支持枠22の矩形の外形形状に対応する矩形の基本形状から四隅(4つの角部分)を切り欠いて切り欠き部23a,23b,23c及び23dが形成されている。切り欠き部23aと切り欠き部23cの間のベースプレート23の上辺部分には一対の軸支片(傾動機構)23eが設けられており、支持枠22には一対の軸支片23eの側面に接する一対の軸支部(傾動機構)22eが設けられている(図2、図4、図9、図11)。各軸支片23eと軸支部22eが左右方向に軸線を向けたチルト軸(傾動機構)22x(図2、図4、図9、図11、図20、図21)によって相対回転可能に接続されており、支持枠22はベースプレート23に対してチルト軸22xを中心として回動可能である。支持枠22はチルト軸22xを中心とする回動によって上下方向に向きを変化させることができる(図5、図6、図21参照)。各軸支片23eのうち軸支部22eに接する側と反対の側面には、クリックワッシャ(傾動機構)38が取り付けられている(図2、図4、図9)。クリックワッシャ38は外縁部に2箇所の凹部を有する円板状部材であり、これらの凹部が支持枠22側に設けた凸部(図示略)に係合することで、ベースプレート23に対して支持枠22を軽く係止(クリックストップ)させる。クリックワッシャ38による2つの係止位置は、支持枠22とベースプレート23が一体的に重なる一体位置(図1ないし図5、図7ないし図13、図20)と、ベースプレート23に対して支持枠22が所定角度上方に開いた立ち上がり位置(図6、図21)である。
ベースプレート23には左右方向に位置を異ならせて2つの貫通孔23fが形成されている(図6、図14、図15)。またベースプレート23の周縁には、支持枠22の下辺部22b、左辺部22c及び右辺部22dに嵌る形状のフランジ23g,23h及び23iが形成されている。フランジ23gは切り欠き部23bと切り欠き部23dの間に位置し、フランジ23hは切り欠き部23aと切り欠き部23bの間に位置し、フランジ23iは切り欠き部23cと切り欠き部23dの間に位置している。
カメラ本体10の後面側には、 可動モニタ20を収容可能なモニタ収容部30が形成されている。モニタ収容部30は、可動モニタ20の略矩形の外形形状に対応する(略矩形の可動モニタ20が収まる)略矩形の凹部であり、それぞれがフランジ状に後方へ突出する上縁壁30a、下縁壁30b、左縁壁30c及び右縁壁30dによってモニタ収容部30が囲まれている。モニタ収容部30の底部には、略矩形のモニタ収容部30の対角線に沿う方向に放射状に延びる長溝である4つのガイド溝(本体側接続部)31が形成されている。より詳しくは、図12や図13に示すように、上縁壁30aと左縁壁30cの境界(角部)付近からモニタ収容部30の中心(仮想線O’)方向に延びる左上側のガイド溝31aと、下縁壁30bと左縁壁30cの境界(角部)付近からモニタ収容部30の中心(仮想線O’)方向に延びる左下側のガイド溝31bと、上縁壁30aと右縁壁30dの境界(角部)付近からモニタ収容部30の中心(仮想線O’)方向に延びる右上側のガイド溝31cと、下縁壁30bと右縁壁30dの境界(角部)付近からモニタ収容部30の中心(仮想線O’)方向に延びる右下側のガイド溝31dを備える。各ガイド溝31のうち、モニタ収容部30の中心に近い側の端部を内側端部と呼び、モニタ収容部30の中心から遠い側の端部を外側端部と呼ぶ。4つのガイド溝31a,31b,31c及び31dの内側端部は仮想線O’を囲むように配置されている。モニタ収容部30の底部にはさらに、左右方向に位置を異ならせて2つの位置決め突起32が形成されている。各位置決め突起32はベースプレート23に形成した貫通孔23fに挿入可能である。各位置決め突起32内には磁石が設けられている。
図18に示す断面構造から分かるように、各ガイド溝31は、モニタ収容部30に形成した溝用凹部33内に収容された内部ガイド34と、内部ガイド34を覆うカバー部材35を組み合わせて構成されている。溝用凹部33は、モニタ収容部30の底面に位置する底壁33aと、底壁33aから突出してガイド溝31の溝幅方向に離間する一対の立壁33bによって囲まれる空間として形成されており、一対の立壁33bの間に幅方向の余裕をもって内部ガイド34が位置し、一対の立壁33bの外側にカバー部材35が取り付けられる。図13に示すように、内部ガイド34とカバー部材35はそれぞれガイド溝31の延設方向に長い細長形状となっている。
内部ガイド34は、ガイド溝31の長手方向の全体で略一様な断面形状を有している。詳細には図18に示すように、内部ガイド34は、底部34aの両側から一対の側壁34bを突出させ、各側壁34bの先端から互いに離れる方向に一対の曲げ縁部34cを突出させており、一対の曲げ縁部34cの間の部分(底部34aに対向する部分)が開口する有底溝を形成している。内部ガイド34はそれぞれが薄板状の金属材からなる外側部材34dと内側部材34eを重ねて構成されている。外側部材34dは、底部34aと一対の側壁34bを形成するコ字状の断面形状を有しており、内側部材34eは、外側部材34dと同様のコ字状の断面形状に加えて一対の曲げ縁部34cも含む構成である。内部ガイド34は弾性変形して一対の側壁34bの間隔を変化させることが可能であり、内部ガイド34の自由状態では図18に示す完成状態よりも一対の側壁34bの間隔が小さくなっている。より詳しくは、図18に示す完成状態で、一対の側壁34bは底部34a側から曲げ縁部34c側に進むにつれて互いの間隔を徐々に狭くする方向に傾斜しているが、内部ガイド34の自由状態ではこの傾斜がさらに大きくなっている。内部ガイド34は、一対の立壁33bの間に一対の側壁34bを位置させて溝用凹部33内に挿入され、底部34aがクッション材36を挟んで底壁33a上に支持される。
図13や図18に示すように、カバー部材35はガイド溝31の長手方向に延びる平板状の蓋部35aを有し、蓋部35aの幅方向の両側に一対の側壁35bが設けられ、蓋部35aの長手方向の一端に外側端壁35cが設けられ、蓋部35aの長手方向の他端に内側端壁35dが設けられる。側壁35bと外側端壁35cと内側端壁35dはそれぞれ、蓋部35aに対して略垂直な壁部として突出している。蓋部35aの幅方向の中央には長手方向に延びるスロット35eが貫通形成されており、スロット35eは蓋部35aに加えて外側端壁35cと内側端壁35dも貫通している。スロット35eはカバー部材35の長手方向の全体に亘って略均一な開口幅H1(図18)を有している。カバー部材35はスロット35eによって幅方向に2分割されており、内側端壁35dに連続するフランジ35fによってスロット35eの両側部分が接続されている。一対の側壁35bはそれぞれ蓋部35aの長手方向の一部に形成されており、蓋部35aの両側には側壁35bと位置を異ならせて一対のフランジ35gが突設されている。フランジ35fとフランジ35gにはそれぞれ、締結用のねじ60(図12)が挿通される貫通孔が形成されている。
4つのガイド溝31を構成するカバー部材35はそれぞれ、内側端壁35dとフランジ35gが設けられている側の長手方向端部がガイド溝31の内側端部となり、外側端壁35cが設けられている側の長手方向端部がガイド溝31の外側端部となるように向きを定めて、モニタ収容部30に取り付けられる。モニタ収容部30には、カバー部材35のフランジ35fとフランジ35gを載置可能な複数の支持座37(図12)が溝用凹部33の周囲に形成されており、各支持座37にはねじ孔(不図示)が形成されている。支持座37上にフランジ35fとフランジ35gを支持させ、各フランジ35fとフランジ35gに形成した貫通孔を通して支持座37のねじ孔にねじ60を螺合させることで、図12のようにカバー部材35が固定される。
図18に示すように、モニタ収容部30内に固定されたカバー部材35は、蓋部35aが内部ガイド34の曲げ縁部34cや溝用凹部33の立壁33bの先端に対面して位置し、一対の側壁35bが一対の立壁33bの外側に位置する。そして、内部ガイド34の底部34a及び一対の側壁34bによって囲まれると共にスロット35eを開口としたガイド溝31が形成される。スロット35eの開口幅H1は一対の側壁34bの間隔よりも狭く設定されており、ガイド溝31は一対の側壁34bによって定められる内部の幅よりもスロット35eによって定められる開口部分の幅を小さくした抜け止め構造とされている。この抜け止め構造はガイド溝31の外側端部と内側端部でも成立しており、外側端壁35cが外側端部での抜け止め部を構成し、内側端壁35dが内側端部での抜け止め部を構成する。
モニタ収容部30を囲む上縁壁30a、下縁壁30b、左縁壁30c及び右縁壁30dはそれぞれ、モニタ収容部30の底部から後方へ向けての突出量が均一ではなく、途中部分に後方への突出量を小さくした凹部30e,30f,30g及び30hを有している。凹部30eは上縁壁30aの左右方向の中央部分に形成されており、凹部30eを形成することで上縁壁30aを接眼窓15と干渉させないようになっている。凹部30fは下縁壁30aの左右方向の中央部分に形成されており、凹部30fに対してベースプレート23のフランジ23gが進入可能である。凹部30gは左縁壁30cの上下方向の中央部分に形成されており、凹部30gに対してベースプレート23のフランジ23hが進入可能である。凹部30hは右縁壁30dの上下方向の中央部分から上縁壁30aに接続する上端付近にかけて形成されており、凹部30hに対してベースプレート23のフランジ23iが進入可能である。右縁壁30dのうち上縁壁30aと凹部30hの間に位置する上端部分は、後方への突出量が小さい低壁30iとなっており、低壁30iから上縁壁30aにかけて徐々に突出量が大きくなっている。
図14ないし図17に示すように、可動モニタ20には、ベースプレート23のうちモニタ収容部30に対向する側(表示デバイス21の表示面の裏側)に4つのソケット(支持段部側接続部)27が設けられる。より詳しくは、ガイド溝31aの内側端部付近に対向して位置する左上側のソケット27aと、ガイド溝31bの内側端部付近に対向して位置する左下側のソケット27bと、ガイド溝31cの内側端部付近に対向して位置する右上側のソケット27cと、ガイド溝31dの内側端部付近に対向して位置する右下側のソケット27dを備える。
図16と図17に示すように、各ソケット27はリテーナ28に設けられている。リテーナ28には、底部28aの両側から突出する一対の立壁28bから延長した対をなす支持腕部28cが設けられている。リテーナ28は対向する一対の支持腕部28cの間隔を弾性変形によって変化させることが可能であり、各支持腕部28cの対向面上にソケット27が設けられる。ソケット27とリテーナ28は、別部材として形成してから組み合わせる態様と、一体的に形成する態様のいずれにすることも可能である。ソケット27は各支持腕部28cから互いに接近する方向に突出する一組の円柱状体からなり、この円柱状体の対向部分に対をなす保持凹面27e(図17、図19)が形成されている。リテーナ28にはさらに一対の立壁28bから側方へ突出する一対のフランジ28dが設けられていて、各フランジ28dには締結用のねじ61(図14、図15)が挿通される貫通孔が形成されている。
図15に示すように、ベースプレート23には4つのリテーナ28を挿入可能な4つの支持凹部40が形成されている。4つの支持凹部40は、4つの切り欠き部23a,23b,23c及び23dとベースプレート23の外形中心の間の領域に配されている。4つのリテーナ28はそれぞれ対応する支持凹部40に対して、底部28aを切り欠き部23a,23b,23c及び23dの側(ベースプレート23の四隅方向)に向け、支持腕部28cを切り欠き部23a,23b,23c及び23dと反対側(ベースプレート23の外形中心方向)に向けて取り付けられる。各支持凹部40は、底部28aを支持する底面と、一対の支持腕部28cを挟む一対の側壁を有しており、各支持凹部40の一対の側壁の間隔は、リテーナ28の自由状態(単体状態)における一対の支持腕部28cの間隔よりも僅かに小さく設定されている。そのため、支持凹部40内にリテーナ28を組み付けると、一対の支持腕部28cが互いの間隔を小さくする方向に弾性変形し、各ソケット27を構成する一対の保持凹面27eの間隔がリテーナ28の自由状態よりも狭くなる。支持凹部40の周囲にはフランジ28dを載置可能な複数の支持座41が形成されており、各支持座41にはねじ孔が形成されている。支持座41上にフランジ28dを支持させ、各フランジ28dに形成した貫通孔を通して支持座41のねじ孔にねじ61を螺合させることで、リテーナ28がベースプレート23に取り付けられる(図15参照)。4つのリテーナ28をベースプレート23に取り付けた状態では、ソケット27aとソケット27dが可動モニタ20の一方の対角線上に並び、ソケット27bとソケット27cが可動モニタ20の他方の対角線上に並ぶ。
図14に示すように、ベースプレート23にはさらに押え板29が取り付けられる。ベースプレート23の前面側には中央にねじ孔を有する複数の支持座42(図15)が設けられ、押え板29は支持座42上に支持された状態でねじ62(図14)によってベースプレート23に締結固定される。押え板29には複数の抜け止め部29aが形成されており、各抜け止め部29aがそれぞれ各リテーナ28の支持腕部28cと各ソケット27を覆う形状を有している。
可動モニタ20は4つの支持ロッド(接続部材)19を介してカメラ本体10に接続される。図14ないし図17に示すように、各支持ロッド19は棒状部24の一端と他端に球状端部25と球状端部26を備えた構成である。球状端部25はモニタ収容部30内のガイド溝31に対して嵌り、球状端部26はベースプレート23に設けたソケット27に嵌る。球状端部25と球状端部26はそれぞれ対応するガイド溝31とソケット27に対して球心回動(方向の制約のない自在回動)可能に接続する球状体であり、支持ロッド19に対するカメラ本体10と可動モニタ20のそれぞれの方向の自由度が高いボールジョイント構造になっている。さらに球状端部25はガイド溝31の長手方向に移動(摺動)自在に支持される。支持ロッド19は4つのガイド溝31と4つのソケット27に対応する位置関係で4つ設けられており、左上側の支持ロッド19aは左上側のガイド溝31aと左上側のソケット27aを接続し、左下側の支持ロッド19bは左下側のガイド溝31bと左下側のソケット27bを接続し、右上側の支持ロッド19cは右上側のガイド溝31cと右上側のソケット27cを接続し、右下側の支持ロッド19dは右下側のガイド溝31dと右下側のソケット27dを接続している。
各支持ロッド19の棒状部24は、ガイド溝31を構成するカバー部材35のスロット35eを通過可能な径に設定されている。各支持ロッド19を対応するガイド溝31に接続させる際には、球状端部25を蓋部35aの裏側(側壁35bと外側端壁35cと内側端壁35dが突出する方向)に向けた状態で、棒状部24をスロット35eに挿通させて支持ロッド19とカバー部材35を組み合わせる。そして、溝用凹部33内に内部ガイド34を支持した状態のモニタ収容部30の支持座37に対してカバー部材35を載せてねじ60で固定すると、図18のように支持ロッド19の球状端部25が内部ガイド34内に嵌ると共にカバー部材35によって抜け止めされた状態になる。その際に球状端部25は、内部ガイド34における一対の側壁34bとそれに続く曲げ縁部34との境界の湾曲部分に接しながら挿入されるので、球状端部25と内部ガイド34の間で引っ掛かりを生じずにスムーズな組み付けを実現できる。
図18は、各ガイド溝31への支持ロッド19の球状端部25の組み付けが完了した状態を示している。球状端部25は、内部ガイド34のうち底部34aと一対の側壁34bに対してそれぞれ点接触で支持されており、さらにカバー部材35の蓋部35aのうちスロット35e付近に対して摺接可能に接している。球状端部25の径はスロット35eの開口幅H1や自由状態での一対の側壁34bの間隔の間隔よりも大きく、球状端部25は、弾性変形可能な一対の側壁34bの間隔を自由状態よりも押し広げた状態で内部ガイド34内に保持される。内部ガイド34が弾性変形から復元しようとする力によって、球状端部25に対して所定の大きさのフリクションが作用する。このフリクションは、可動モニタ20の自重や可動モニタ20に加わる小さい外力ではガイド溝31内で球状端部25を動作させず、可動モニタ20を動作させる意図をもって所定以上の力を加えた際にはガイド溝31内での球状端部25の移動(ガイド溝31の長手方向への球状端部25の摺動や、球状端部25の球心回動)を許す大きさに設定されている。各内部ガイド34を外側部材34dと内側部材34eの2枚重ねの金属板で構成したことにより、効率的なフリクションの付与を実現している。
ガイド溝31の深さ方向には、球状端部25はカバー部材35の蓋部35aと内部ガイド34の底部34aの間に保持される。底部34aがクッション材36を介して支持されていることにより、球状端部25を挟んで底部34aと蓋部35aの間隔が適切に保たれ、ガイド溝31の深さ方向への球状端部25のガタつきを防ぐことができる。具体的には、カバー部材35をモニタ収容部30の支持座37に対してねじ60で固定したときに、クッション材36が僅かに潰れるように蓋部35aと溝用凹部33の底壁33aの間隔を設定する。その際に、ガイド溝31内での球状端部25に対する摺動抵抗が過大にならないように、クッション材36の硬さや変形量(底部34aと蓋部35aによる挟持力)を設定する。
図12や図13に示すように、球状端部25に続く支持ロッド19の棒状部24はスロット35eを通してガイド溝31の外方に延出される。図18に示すように、球状端部25の径はスロット35eの開口幅H1よりも大きく、ガイド溝31から離脱する方向(底壁33a及び底部34aから離れる方向)への球状端部25の移動はカバー部材35の蓋部35aによって規制される。さらに図12や図13に示すように、球状端部25がカバー部材35の内側端壁35dに当接することによって、ガイド溝31の内側端部方向への移動が規制される(内側端部方向への球状端部25の移動端が決まる)。逆に、球状端部25がカバー部材35の外側端壁35cに当接することによって、ガイド溝31の外側端部方向への移動が規制される(外側端部方向への球状端部25の移動端が決まる)。
図17は、各ソケット27に対して対応する支持ロッド19の球状端部26を組み付ける前の状態を示しており、図16は組み付けた状態を示している。図19に示すように、組み付け状態での球状端部26は、ソケット27の対をなす保持凹面27eの間に保持される。保持凹面27eは球状端部26の球状の外面が嵌る凹状球面であり、保持凹面27eによる保持状態でソケット27に対して球状端部26が球心回動可能となる。なお、保持凹面27eと球状端部26の関係として、互いの面の曲率を略一致させて保持凹面27eを球状端部26に対して面接触させる形状設定と、球状端部26の外面と保持凹面27eの曲率を異ならせて保持凹面27eが球状端部26に対して部分的に接触(線接触や点接触)する形状設定のいずれにすることも可能である。球状端部26の外面と保持凹面27eの曲率を異ならせる場合、球状端部26の外面の曲率よりも保持凹面27eの曲率を大きくすると、保持凹面27eの外周部分と球状端部26が線接触する形態になり、球心回動時のガタつきを軽減することができるので好ましい。本実施形態はこのタイプを採用している。
図15のように、ソケット27により球状端部26を保持した状態でリテーナ28をベースプレート23の支持凹部40に取り付けると、支持凹部40の一対の側壁によって一対の支持腕部28cが互いの間隔を小さくする方向に押し込まれて弾性変形し、球状端部26に対するソケット27の保持力が強まり、ソケット27からの球状端部26の脱落が規制された挟持状態となる。この状態では弾性変形から復元しようとする支持腕部28cの力によって球状端部26に対して所定の大きさのフリクションが与えられる。このフリクションは、可動モニタ20の自重や可動モニタ20に加わる小さい外力ではソケット27に対して球状端部26を球心回動させず、可動モニタ20を動作させる意図をもって所定以上の力を加えた際にはソケット27に対する球状端部26の球心回動を許す大きさに設定されている。
さらに図14のようにベースプレート23に押え板29を取り付けると、押え板29における複数の抜け止め部29aが各リテーナ28の支持腕部28cと各ソケット27を覆う。仮に支持ロッド19に対して極めて強い引張力などが作用して、ソケット27による球状端部26の保持性能に影響が及ぶような場合(例えばソケット27の保持凹面27eの周縁部が球状端部26によって削られてしまうような場合)でも、押え板29の抜け止め部29aによって支持凹部40からの球状端部26の脱落を防ぐことができる。
以上のようにして、カメラ本体10のモニタ収容部30と可動モニタ20が4つの支持ロッド19(19a,19b,19c及び19d)を介して機械的に接続される。続いて、カメラ本体10と可動モニタ20を電気的に接続するフレキシブル基板18の配設構造について説明する。図2、図4、図7、図9、図11、図12、図20、図21に示すように、カメラ本体10のモニタ収容部30の中央付近には基板挿通孔(挿通孔)43が貫通形成されている。図14、図15、図20、図21に示すように、可動モニタ20のベースプレート23には、モニタ収容部30に対向する前面側に基板収納凹部(収納凹部)44と基板ガイド凹部(中間支持部)45が形成されている。基板収納凹部44と基板ガイド凹部45はいずれも、ベースプレート23の左右方向の略中央に位置し、上下方向に向けて延びる溝状の部位として形成されている。
基板収納凹部44は、上方端部がベースプレート23の外形中心付近に位置し、この上方端部から左下側のソケット27bと右下側のソケット27dの間のスペースを通って下方に向けて延設されている。基板収納凹部44の下方端部には、下方に進むにつれて徐々に深さを小さくする傾斜面44aが形成されている。基板ガイド凹部45は、下方端部が左上側のソケット27aと右上側のソケット27bの間のスペースに位置し、上方端部がベースプレート23の上辺部に開口する上端開口(中間支持部の傾動機構側の端部)45aとなっている。図14、図20、図21に示すように、押え板29は基板ガイド凹部45に嵌る蓋部29bを有している。押え板29をベースプレート23に取り付けた状態で、基板ガイド凹部45の底面と蓋部29bの間にはフレキシブル基板18を挿通可能な隙間が確保されている。
図20と図21に示すように、基板収納凹部44の上方端部と基板ガイド凹部45の下方端部の間を連通する連通路(中間支持部)46がベースプレート23内に形成されている。ベースプレート23の前面からの基板収納凹部44の深さは基板ガイド凹部45の深さよりも大きくなっており、連通路46は、基板収納凹部44の上方端部に連続して上下方向に延びる狭窄部(中間支持部の外形中心側の端部、孔部)46aと、ベースプレート23を前後方向に貫通して狭窄部46aと基板ガイド凹部45の下方端部を連通させる前後貫通部46bを有している。狭窄部46aは基板収納凹部44の前後方向の深さに比して前後方向の幅(孔幅)を狭くした貫通孔である。前後貫通部46bの前面側は押え板29により覆われる。
図20と図21に示すように、可動モニタ20の支持枠22には、左右一対の軸支部22eの間に基板挿通孔47が形成されている。基板挿通孔47の背後には、支持枠22と表示デバイス21の間に基板収容空間48が形成されている。基板収容空間48内にモニタ側回路基板55が設けられている。モニタ側回路基板55は、可動モニタ20における電気部品の制御や、フレキシブル基板18を通じてカメラ本体10のボディ側回路基板17との信号通信を行うものである。例えば、モニタ側回路基板55によって表示デバイス21での画像や情報の表示や照明用のバックライトの点灯を制御する。また、表示デバイス21を画面に触れて操作するタッチパネル式のディスプレイとした場合、タッチパネルの入力感知と入力信号のボディ側回路基板17への送信をモニタ側回路基板55で行う。また、タッチパネル以外の操作入力手段(押しボタンなど)を可動モニタ20に設け、該操作入力手段からの入力信号の処理と送信をモニタ側回路基板55で行ってもよい。さらにカメラ本体10に対する可動モニタ20の位置変化を検出するセンサを可動モニタ20内に設け、該センサからの入力信号の処理と送信をモニタ側回路基板55で行うことも可能である。
図20と図21に示すように、フレキシブル基板18は、一方の端部18aがカメラ本体10内のボディ側回路基板17に接続し、他方の端部18bが可動モニタ20内のモニタ側回路基板55に接続する。端部18aを始点としてフレキシブル基板18の配設構造を説明する。ボディ側回路基板17の下端付近に端部18aを接続させたフレキシブル基板18は、カメラ本体10内でモニタ収容部30の裏面に沿って上方に導かれ、基板挿通孔43を通してモニタ収容部30の後方に延出され、ベースプレート23において基板収納凹部44を経て連通路46の狭窄部46a内に挿入される。基板挿通孔43から狭窄部46aまでの間は、フレキシブル基板18の外側を基板カバー(カバー)57が覆っている。基板カバー57は非通水性の材質(シリコンゴムなど)からなり、フレキシブル基板18と共に変形可能な柔軟性を有している。基板カバー57の一端と他端は基板挿通孔43と狭窄部46aに対してそれぞれ防滴(止水)状態で接続される。より詳しくは、基板カバー57の一端に設けたフランジ部57aが、モニタ収容部30のうち基板挿通孔43の周囲部分と保持板58(図20、図21)との間に挟持されることで、基板挿通孔43と基板カバー57の間が液密に塞がれる。また、基板カバー57の厚みは狭窄部46aの前後方向の内部幅よりも大きく設定されており、基板カバー57におけるフランジ部57aと反対側の端部である挿入端部57bが狭窄部46a内に圧入されることで、狭窄部46aと基板カバー57の間が液密に塞がれる。さらに防滴性を高めるためにフランジ部57a周りや挿入端部57b周りに封止材を注入してもよい。また、フランジ部57a周りや挿入端部57b周りを接着固定する接着剤によって防滴性を高めてもよい。ベースプレート23では、挿入端部57b周りへの封止材や接着剤の注入を前後貫通部46bを通して行いやすくなっている。本実施形態のカメラ1では、前後貫通部46bに接着剤を塗布して挿入端部57bを固定すると共に、フランジ部57aの内側に、保持板58よりも前側に突出しない範囲でフレキシブル基板18との間を液密に塞ぐように接着剤を塗布している。フランジ部57aの内側を接着剤で封止することにより、仮にフランジ部57aよりも先で基板カバー57に破れなどが生じても、カメラ本体10内の液密性を維持できる。
フレキシブル基板18のうち基板カバー57に覆われる部分は、後述する可動モニタ20の動作によって、外観に表れたり形状が変化したりするため、基板カバー57によって保護することが好ましい。またフレキシブル基板18は単体での防滴性を有しているが、基板カバー57で覆うことによってより高度な防滴性能を得ることができる。前述のように基板カバー57はフランジ部57a周りによって基板挿通孔43を液密に塞ぐため、フレキシブル基板18の保護と基板挿通孔43におけるカメラ本体10の防滴性確保を、基板カバー57を用いることによって容易かつ確実に実現できる。
連通路46の前後貫通部46b内で基板カバー57の挿入端部57bから突出したフレキシブル基板18は、基板ガイド凹部45に沿ってベースプレート23の上辺方向へ導かれる。この箇所では、基板ガイド凹部45の底面と押え板29の蓋部29bに挟まれることで、フレキシブル基板18を保護すると共に安定した支持を実現している。基板ガイド凹部45の上端開口45aまでがベースプレート23によるフレキシブル基板18の支持範囲であり、上端開口45aから延出されたフレキシブル基板18は、基板挿通孔47を通して支持枠22と表示デバイス21の間の基板収容空間48内に導かれる。基板挿通孔47には接着剤が注入されて、フレキシブル基板18を固定すると共に基板挿通孔47が液密に塞がれる。基板収容空間48内でフレキシブル基板18は適宜折り畳まれて、端部18bがモニタ側回路基板55に接続される。なお、後述するように、上端開口45aから基板挿通孔47までの範囲のフレキシブル基板18は、可動モニタ20の動作時の変形量が小さく、かつ外観への露出量が小さいため、本実施形態では基板カバー57のように外側を覆う保護部材を取り付けていない。
まとめると、フレキシブル基板18は支持形態によって、カメラ本体10内のボディ側回路基板17へ接続する端部18aからカメラ本体10後面側の基板挿通孔43に至るまでの第1の領域18cと、基板挿通孔43からベースプレート23の連通路46の狭窄部46aの直前までの第2の領域(第1の変形領域)18dと、狭窄部46aに挟持される部分から基板ガイド凹部45の上端開口45aに至るまでの第3の領域(中間支持領域)18eと、上端開口45aから支持枠22の基板挿通孔47に至るまでの第4の領域(第2の変形領域)18fと、基板挿通孔47からモニタ側回路基板55への接続部分に至るまでの第5の領域18gに分けられる。第1の領域18cはカメラ本体10内に固定的に支持される領域であり、第3の領域18eはベースプレート23に対して相対移動が規制されて支持される領域であり、第5の領域18gは支持枠22内の基板収容空間48に収容されて支持を受ける領域である。第2と第4の領域18fは、固定的な支持を受けずに可動モニタ20の動作に応じた変形を行う変形可能領域である。そして第2の領域18dに基板カバー57が配されている。
以上の支持構造を有する可動モニタ20は、カメラ本体10に対して次のように動作する。図1と図20は、カメラ本体10のモニタ収容部30内に可動モニタ20の全体が収まっている初期位置を示している。初期位置では2つの位置決め突起32が貫通孔23fに対して挿入されて可動モニタ20の位置が定まっている。各位置決め突起32内に設けた磁石の磁力によってベースプレート23を吸着して可動モニタ20を初期位置に保持させる。また、モニタ収容部30を囲む上縁壁30a、下縁壁30b、左縁壁30c、右縁壁30dに沿って可動モニタ20側の上辺部22a、下辺部22b(フランジ23g)、左辺部22c(フランジ23h)、右辺部22d(フランジ23i)が位置している。初期位置における可動モニタ20の向きは、表示デバイス21の表示面が光軸O(より厳密には、光軸Oを後方に延長した仮想線O’)に対して略直交するように設定されている。この可動モニタ20の向きを基準角度とする。
可動モニタ20の初期位置では、各支持ロッド19a,19b,19c及び19dの球状端部25がガイド溝31の外側端部(カバー部材35の外側端壁35c)付近に位置しており、モニタ収容部30に対する各支持ロッド19a,19b,19c及び19dの立ち上がり角度(突出量)が最小になっている。図14と図15はこの状態の各支持ロッド19a,19b,19c及び19dを示しており、同図から分かるように、矩形をなす可動モニタ20の一方の対角線方向に支持ロッド19aと支持ロッド19dが延び、他方の対角線方向に支持ロッド19bと支持ロッド19cが延びている。このとき各支持ロッド19a,19b,19c及び19dの棒状部24の軸線がガイド溝31の長手方向に向く状態となり、棒状部24の大部分が対応するガイド溝31a,31b,31c及び31d内に収まる。
4つのガイド溝31a,31b,31c及び31dを構成するカバー部材35がモニタ収容部30の底面から後方に向けて突出しているが(図12参照)、可動モニタ20の初期位置では、各ガイド溝31a,31b,31c及び31dにおける該突出部分と、各ガイド溝31a,31b,31c及び31d内に位置する支持ロッド19a,19b,19c及び19dの棒状部24及び球状端部25が、ベースプレート23の4つの切り欠き部23a,23b,23c及び23dに進入することで、可動モニタ20に対する支持機構(ガイド溝31や支持ロッド19)の干渉を防いでいる。つまり、モニタ収容部30側の突出形状に対応させてベースプレート23に切り欠き部23a,23b,23c及び23dを形成したことで、スペース効率良くモニタ収容部30内に可動モニタ20とその支持機構を収めて、前後方向の厚みを抑えることが可能になっている。
図20に示すように、可動モニタ20の初期位置では、フレキシブル基板18のうち基板カバー57に覆われる部分(第2の領域18d)が、モニタ収容部30の底部とベースプレート23の基板収納凹部44の間の空間に折り畳まれて収納される。詳しくは、フレキシブル基板18と基板カバー57は、基板挿通孔43から下方に向けて延設され、基板収納凹部44の下端の傾斜面44aの手前で上方に向けて折り返されて基板収納凹部44に沿って上方に延設される。基板収納凹部44はベースプレート23における切り欠き部23a,23b,23c及び23dと重ならない部分に形成されているため(図14、図15参照)、基板収納凹部44に沿って収納されるフレキシブル基板18と基板カバー57は、可動モニタ20の支持機構を構成する各ガイド溝31、各支持ロッド19、各ソケット27などと干渉することなく、可動モニタ20とモニタ収容部30の間にスペース効率良く収めることができる。
図2ないし図5に示すように、初期位置における基準角度から上下左右の4方向に可動モニタ20を傾動させることができる。図2は、上下方向に向く軸線を中心として可動モニタ20を左側に向けて傾けた状態を示している。左側への可動モニタ20の傾動は、右辺部22d(フランジ23i)側を後方に向けて引くことにより、左辺部22c(フランジ23h)と左縁壁30cの当接箇所を支点として行われる。このとき右上側の支持ロッド19cと右下側の支持ロッド19dがそれぞれ、球状端部25をガイド溝31c,31dの外側端部(外側端壁35c)付近から内側端部(内側端壁35d)側に向けて移動させながらモニタ収容部30に対する立ち上がり角度(突出量)を大きくし、その結果として右上側のソケット27cと右下側のソケット27dが後方へ向けて押し出されることで可動モニタ20が左側に向けて傾く。図2は右上側の支持ロッド19cと右下側の支持ロッド19dの押し出しによる左向きの最大傾き角まで可動モニタ20を動作させた状態を示しており、この状態で右上側と右下側の2つの球状端部25が対応するガイド溝31c,31dの内側端部付近に位置し、各球状端部25のそれ以上の移動が内側端壁35dによって規制される。左上側の支持ロッド19aと左下側の支持ロッド19bは、右上側の支持ロッド19cと右下側の支持ロッド19dよりも立ち上がり角が小さく、それぞれの球状端部25が対応するガイド溝31a,31b内で長手方向の中央付近に位置する。
図3は、上下方向に向く軸線を中心として可動モニタ20を右側に向けて傾けた状態を示している。右側への可動モニタ20の傾動は、左辺部22c(フランジ23h)側を後方に向けて引くことにより、右辺部22d(フランジ23i)と右縁壁30dの当接箇所を支点として行われる。このとき左上側の支持ロッド19aと左下側の支持ロッド19bがそれぞれ、球状端部25をガイド溝31a,31bの外側端部(外側端壁35c)付近から内側端部(内側端壁35d)側に向けて移動させながらモニタ収容部30に対する立ち上がり角度(突出量)を大きくし、その結果として左上側のソケット27aと左下側のソケット27bが後方へ向けて押し出されることで可動モニタ20が右側に向けて傾く。図3は左上側の支持ロッド19aと左下側の支持ロッド19bの押し出しによる右向きの最大傾き角まで可動モニタ20を動作させた状態を示しており、この状態で左上側と左下側の2つの球状端部25が対応するガイド溝31a,31bの内側端部付近に位置し、各球状端部25のそれ以上の移動が内側端壁35dによって規制される。右上側の支持ロッド19cと右下側の支持ロッド19dは、左上側の支持ロッド19aと左下側の支持ロッド19bよりも立ち上がり角が小さく、それぞれの球状端部25が対応するガイド溝31c,31d内で長手方向の中央付近に位置する。
図4は、左右方向に向く軸線を中心として可動モニタ20を下側に向けて傾けた状態を示している。下側への可動モニタ20の傾動は、上辺部22a側を後方に向けて引くことにより、下辺部22b(フランジ23g)と下縁壁30bの当接箇所を支点として行われる。このとき左上側の支持ロッド19aと右上側の支持ロッド19cがそれぞれ、球状端部25をガイド溝31a,31cの外側端部(外側端壁35c)付近から内側端部(内側端壁35d)側に向けて移動させながらモニタ収容部30に対する立ち上がり角度(突出量)を大きくし、その結果として左上側のソケット27aと右上側のソケット27cが後方へ向けて押し出されることで可動モニタ20が下側に向けて傾く。図4は左上側の支持ロッド19aと右上側の支持ロッド19cの押し出しによる下向きの最大傾き角まで可動モニタ20を動作させた状態を示しており、この状態で左上側と右上側の2つの球状端部25が対応するガイド溝31a,31cの内側端部付近に位置し、各球状端部25のそれ以上の移動が内側端壁35dによって規制される。左下側の支持ロッド19bと右下側の支持ロッド19dは、左上側の支持ロッド19aと右上側の支持ロッド19cよりも立ち上がり角が小さく、それぞれの球状端部25が対応するガイド溝31b,31d内で長手方向の中央付近に位置する。
図5は、左右方向に向く軸線を中心として可動モニタ20を上側に向けて傾けた状態を示している。上側への可動モニタ20の傾動は、下辺部22b(フランジ23g)側を後方に向けて引くことにより、上辺部22aと上縁壁30aの当接箇所を支点として行われる。このとき左下側の支持ロッド19bと右下側の支持ロッド19dがそれぞれ、球状端部25をガイド溝31b,31dの外側端部(外側端壁35c)付近から内側端部(内側端壁35d)側に向けて移動させながらモニタ収容部30に対する立ち上がり角度(突出量)を大きくし、その結果として左下側のソケット27bと右下側のソケット27dが後方へ向けて押し出されることで可動モニタ20が上側に向けて傾く。図5は左下側の支持ロッド19bと右下側の支持ロッド19dの押し出しによる上向きの最大傾き角まで可動モニタ20を動作させた状態を示しており、この状態で左下側と右下側の2つの球状端部25が対応するガイド溝31b,31dの内側端部付近に位置し、各球状端部25のそれ以上の移動が内側端壁35dによって規制される。左上側の支持ロッド19aと右上側の支持ロッド19cは、左下側の支持ロッド19bと右下側の支持ロッド19dよりも立ち上がり角が小さく、それぞれの球状端部25が対応するガイド溝31a,31c内で長手方向の中央付近に位置する。
図1の可動モニタ20の初期位置(モニタ収容部30への収納状態)では、モニタ収容部30の周囲の上縁壁30a、下縁壁30b、左縁壁30c、右縁壁30dによって可動モニタ20を囲むことにより、外部からの引っ掛かりなどを防いで可動モニタ20が不用意に動作しないように保護できる。右縁壁30dの上端部分(上縁壁30aとの境界部分)に形成した低壁30iは、可動モニタ20の右上に位置する操作ダイヤル50や、操作ダイヤル50の下方に位置する複数の操作ボタン51の操作性を向上させる機能を有する。具体的には、カメラ本体10のグリップ部を右手で把持した場合、操作ダイヤル50とその周囲に位置する押しボタン(複数の操作ボタン51の一部)は、右手親指で操作することが想定される。その際に、親指の移動軌跡上に低壁30iが位置するため、モニタ収容部30を囲む高い壁部(30a,30b,30c及び30d)に引っ掛かることなくスムーズに親指を操作ダイヤル50などに届かせやすくなる。
上記の通り、可動モニタ20の初期位置では、可動モニタ20の上下左右の四隅を囲む位置に設けた各壁30a,30b,30c及び30d(低壁30iを含む)によって可動モニタ20を保護できる。その一方で、モニタ収容部30の周囲に凹部30e,30f,30g及び30hを形成することにより可動モニタ20の縁部を部分的に露出させ、図2から図5のような初期位置からの可動モニタ20の傾動時の操作性(指掛かり)の良さも実現している。凹部30e,30f,30g及び30hはいずれも、可動モニタ20の上辺部22a、下辺部22b、左辺部22c、右辺部22dの中央部分に対応して形成されているため、初期位置から上下左右方向へ可動モニタ20を傾動させるための力を付与しやすい。
図2ないし図5では、4つの支持ロッド19a,19b,19c及び19dのうち2つを最大の立ち上がり角度とする押し出し動作によって上下左右の最大傾き角まで可動モニタ20を傾動させた状態を示しているが、ガイド溝31の内側端部と外側端部の間の途中に球状端部25を位置させることによって、これよりも小さい任意の傾き角に可動モニタ20を保持することも可能である。各支持ロッド19a,19b,19c及び19dの球状端部25は対応する各ガイド溝31a,31b,31c及び31d内に内部ガイド34の挟持によるフリクションを与えられた状態で嵌っており、可動モニタ20に対する傾動操作を途中で止めることにより、当該角度で可動モニタ20を保持させることができる。なお、支持ロッド19a,19b,19c及び19dの長さやガイド溝31の長さなどの設定変更によって、可動モニタ20の最大傾き角を図2ないし図5に示す大きさよりも大きくしたり小さくしたりすることが可能である。
図6と図21に示すように、可動モニタ20はさらに、チルト軸22xを中心として支持枠22をベースプレート23に対して回動させて、上向きの角度を大きくさせることができる。例えば、図5の状態では、前述した4つの支持ロッド19a,19b,19c及び19dを介した傾動(1段階目の傾動)によって、カメラ本体10に対して可動モニタ20全体が約40度上向きになっている。そして図6と図21の状態では、ベースプレート23に対する支持枠22の傾動(2段階目の傾動)を追加することで、図1の初期位置に対して支持枠22と表示デバイス21が約90度上向きに変化している。これにより、例えば可動モニタ20をウエストレベルファインダーのように使用することが可能になる。図5の状態から図6及び図21の状態への支持枠22の回動は、支持枠22のうちベースプレート23のフランジ23g,23h及び23iに覆われていない部分に指を掛けて行うことができる。前述のように、支持枠22とベースプレート23は、クリックワッシャ38によって一体位置(図1ないし図5、図7ないし図13、図20)と立ち上がり位置(図6、図21)に軽く係止され、所定の力を付与することによってクリックワッシャ38による保持が外れて支持枠22をチルト軸22x回りに傾動させることができる。
可動モニタ20は、カメラ本体10に接近してモニタ収容部30に収納された状態(初期位置)では、以上のように上下方向や左右方向といった特定方向の軸を中心とした傾動を行うことができる。この可動モニタ20の傾動を第1の態様の傾動とする。可動モニタ20は第1の態様の傾動に加えて、図7、図11、図12及び図13に示すように、モニタ収容部30から光軸方向後方(光軸Oを延長した仮想線O’に沿う方向)に引き出してカメラ本体10に対して離間させることが可能である。この可動モニタ20の引き出し動作は、モニタ収容部30に対する4つの支持ロッド19a,19b,19c及び19dの立ち上がり角度(突出量)を大きくさせることで行われる。例えば、モニタ収容部30に対する4つの支持ロッド19a,19b,19c及び19dの突出量が略均等になるようにすることで、図1や図20の初期位置から可動モニタ20を傾けずに(基準角度を維持しながら)光軸Oと略平行に移動させて図7、図11、図12及び図13の状態にさせることができる。
図7、図11、図12及び図13は、モニタ収容部30に対する4つの支持ロッド19a,19b,19c及び19dの後方への突出量(立ち上がり角度)を最大にした可動モニタ20の最大突出状態を示したものである。この状態では、各支持ロッド19a,19b,19c及び19dの球状端部25がそれぞれ対応するガイド溝31a,31b,31c及び31d内で、内側端壁35dによってそれ以上の内側端部方向への移動が規制される。そのため、各支持ロッド19a,19b,19c及び19dが互いに突っ張り合う状態になって立ち上がり角度をそれ以上大きくすることが規制されるため、可動モニタ20の後方への突出限界となる。カメラ本体10側の4つのガイド溝31a,31b,31c及び31dにおける内側端壁35dの互いの間隔は、可動モニタ20側の4つのソケット27a,27b,27c及び27dの互いの間隔よりも大きく設定されているため、可動モニタ20の最大突出状態では、4つの支持ロッド19a,19b,19c及び19dは球状端部26側の間隔よりも球状端部25側の間隔を広くした末広がり状(台形状)の形態で可動モニタ20を支持する。これにより安定した支持が実現される。また、この最大突出状態から可動モニタ20を前方に向けて押し込むと、各支持ロッド19a,19b,19c及び19dの球状端部25を各ガイド溝31a,31b,31c及び31d内で内側端壁35dから離間させる方向の力が加わるので、可動モニタ20をスムーズにモニタ収容部30内に収容動作させることができる。
可動モニタ20をモニタ収容部30の後方に引き出してカメラ本体10から離間させた状態では、可動モニタ20はモニタ収容部30の上縁壁30a、下縁壁30b、左縁壁30c及び右縁壁30dによる制限を受けずに動作することが可能になる。そのため、図2ないし図6のように上下方向や左右方向といった特定方向の軸中心には限定されない自在な方向の傾動が可能になる。例えば、図8に示す右斜め上、図9に示す左斜め下、図8とは左右を逆にした左斜め上、図9とは左右を逆にした右斜め下といった方向に可動モニタ20を傾動させることができ、その角度も、各支持ロッド19a,19b,19c及び19dが追従可能な範囲で任意に設定できる。この可動モニタ20の方向自在な傾動を第2の態様の傾動とする。また、可動モニタ20を後方に最大量よりも少なく引き出した状態において、各支持ロッド19a,19b,19c及び19dが追従可能な所定の範囲で、基準角度を維持しながら光軸Oと直交する方向への可動モニタ20の移動を行わせることもできる。
可動モニタ20をモニタ収容部30の後方に引き出した状態ではさらに、図10に示すように、各支持ロッド19a,19b,19c及び19dが追従可能な範囲で、光軸Oを延長した仮想線O’(カメラ本体10に対する可動モニタ20の接離方向を向く軸)を中心とする可動モニタ20の回転動作も可能である。図10は撮影者側から見て反時計方向に可動モニタ20を回転させた状態を示しており、これと逆の時計方向に可動モニタ20を回転させることも可能である。なお、本実施形態では可動モニタ20の外形中心が概ね光軸Oを延長した仮想線O’上に位置しているため、図10の状態では可動モニタ20が自身の外形中心を中心とする回転を行っているが、光軸Oを延長した仮想線O’が可動モニタ20の外形中心とは異なる位置を通る構成にすることも可能である。この場合は、可動モニタ20の外形中心と回転中心の位置が一致しない。
フレキシブル基板18は、可動モニタ20の以上の全ての動作に追従可能な長さを有している。前述のようにフレキシブル基板18は、カメラ本体10の基板挿通孔43とベースプレート23の狭窄部46aの間の第2の領域18dと、ベースプレート23の上端開口45aと支持枠22の基板挿通孔47の間の第4の領域18fが、可動モニタ20の動作に伴って変形する変形可能領域である。このうち特に第2の領域18dの両端に位置する基板挿通孔43と狭窄部46aの間の位置変化が大きい。例えば、図21はベースプレート23の下辺部(フランジ23g)を後方に引き出した状態であり、狭窄部46aが基板挿通孔43から後方に大きく離間している。この状態でフレキシブル基板18の第2の領域18dと基板カバー57は、基板挿通孔43と狭窄部46aを直線的に結ぶのではなく、斜め下方に向けて突出してから斜め上方に向かうV字状の軌跡の余裕のある長さを有している。そのため、図21のような可動モニタ20の下辺側の引き起こしだけでなく、可動モニタ20の全体を後方に引き出した最大突出状態(図7、図11、図12、図13)や、可動モニタ20を後方に引き出してから傾動させたり回転させた状態(図8ないし図10)であっても、フレキシブル基板18の第2の領域18dと基板カバー57は余裕を持った長さでカメラ本体10側と可動モニタ20(ベースプレート23)側を接続することができる。
また、カメラ本体10側の基板挿通孔43は4つのガイド溝31a,31b,31c及び31dから概ね等距離に位置し(図12参照)、可動モニタ20側の狭窄部46aは4つのソケット27a,27b,27c及び27dから概ね等距離に位置しており、基板挿通孔43と狭窄部46aがそれぞれ可動モニタ20の外形中心付近(光軸Oを延長した仮想線O’付近)に配置されている(図20参照)。図8ないし図10のように可動モニタ20を引き出した状態で傾動させたり回転させたりした場合、可動モニタ20の外形中心付近が最もモニタ収容部30に対する変位量が小さい。また、可動モニタ20の外形中心付近は、図2ないし図5のように可動モニタ20を上下左右方向に傾動させたときにモニタ収容部30に対する変位量が平均しており、変位量が極度に大きくなってしまう傾動方向が存在しない。そのため、この変位量が小さい箇所に基板挿通孔43と狭窄部46aを位置させることで、基板挿通孔43と狭窄部46aの間に延設されるフレキシブル基板18の第2の領域18dと基板カバー57の撓みやねじれを少なくする効果が得られる。
図20と図21に示すようにチルト軸22xを中心として支持枠22がベースプレート23に対して回動するときは、ベースプレート23の上端開口45aに対する支持枠22の基板挿通孔47の位置が変化する。詳しくは、図20に示す可動モニタ20の初期位置では、上方に向けて開口する上端開口45aに対して前方に向けて開口する基板挿通孔47が、チルト軸22xを中心とする回転方向に略90度ずれた位置関係にある。一方、図21のように支持枠22をベースプレート23に対して上方に回動させた状態では、斜め上方に向けて開口する上端開口45aに対して基板挿通孔47は下方に向けて開口しており、チルト軸22xを中心とする回転方向における上端開口45aと基板挿通孔47の相対角度が大きくなっている。しかし、上端開口45aと基板挿通孔47はいずれもチルト軸22xの軸線に対して半径方向に近い位置に配されているため、支持枠22とベースプレート23の相対回動による互いの距離変化は小さい。加えて、支持枠22とベースプレート23の間ではチルト軸22xを中心とする相対回動以外の複雑な動作は行われない。従って、図21の状態で上端開口45aと基板挿通孔47を直線的に結ぶようにフレキシブル基板18の第4の領域18fを設定すれば、過不足のない十分な長さとなる。このフレキシブル基板18の第4の領域18fは、第2の領域18dに比べて短く(外観への露出量が少なく)、かつ変形量も小さいので、第1の領域18cと異なり基板カバー57のような保護部材で覆っていない。但し、フレキシブル基板18の第4の領域18fを基板カバー57のような保護部材で覆うことも可能である。あるいは、フレキシブル基板18のうち、カメラ本体10側の基板挿通孔43から可動モニタ20の基板挿通孔47に至るまでの領域(第2の領域18dと第3の領域18eと第4の領域18f)の全体を基板カバー57でまとめて覆うように構成することも可能である。
以上のように本実施形態のカメラ1では、カメラ本体10に対する可動モニタ20の位置設定の自由度が高くなっている。可動モニタ20の動作の第1の態様として、可動モニタ20がモニタ収容部30内の初期位置にある状態で上下左右の4方向への傾動を行うことができる。可動モニタ20の動作の第2の態様として、可動モニタ20を初期位置から光軸方向後方(カメラ本体10からの離間方向)に移動させた状態では、方向の制約のない自在な傾動が可能になる。可動モニタ20の第2の態様の傾動は、第1の態様の傾動と異なり、可動モニタ20の表示デバイス21の表示面が光軸Oと略直交する基準角度を経由せずに、任意の傾き方向から次の傾き方向へ直接に移行させることができるので操作性に優れる。そして、いずれの態様においても、可動モニタ20を傾動させたときには、図10のように光軸Oと平行な方向に見て、可動モニタ20がカメラ本体10の外形から突出しない範囲内に収まり、カメラ1の大型化(特に光軸Oと垂直な上下左右方向のサイズアップ)を防ぐことができる。
可動モニタ20はさらに、ベースプレート23に対して支持枠22を回動させることで所定の方向(上方)への角度変化を大きくさせることができ、より多様な撮影姿勢に対応可能となる。
また、可動モニタ20を初期位置から光軸方向後方(カメラ本体10からの離間方向)に移動させると、図10のような光軸Oを中心とした回転も可能であり、可動モニタ20の位置設定の自由度がさらに高くなっている。
そして、以上の可動モニタ20の傾動や回転はいずれも、可動モニタ20の外形中心と光軸O(光軸Oを延長した仮想線O’)の相対的な位置関係を大きく変化させずに行われ、光軸Oに沿って見たときに可動モニタ20がカメラ本体10の外形から大きく逸脱した状態にならないため、構図合わせなどを行い易い。また、可動モニタ20の初期位置ではカメラ本体10のモニタ収容部30内に可動モニタ20が収められ、必要に応じてモニタ収容部30から可動モニタ20を引き出す構成であるため、初期状態でのカメラ1の光軸方向の大きさを抑えることができる。
本実施形態のカメラ1は、カメラ本体10に対して可動モニタ20を複数(4つ)の支持ロッド19を介した支持機構で可動に支持する。各支持ロッド19は両端に球状端部25,26を備え、可動モニタ20側のソケット27に対して球状端部26が球心回動(方向自在な回動)可能に支持されると共に、カメラ本体10側のガイド溝31に対して球状端部25が球心回動可能かつ直進移動可能に支持されることによって、先に述べた自由度の高い可動モニタ20の動作を実現することができる。可動モニタ20の初期位置ではモニタ収容部30からの各支持ロッド19の立ち上がり角度(突出量)が最小となり、全ての支持ロッド19が光軸Oを延長した仮想線O’と略直交する同一の平面上に位置する関係となる。この平面上にはさらに、各ソケット27と各ガイド溝31も位置するため、光軸Oに沿う前後方向で非常に省スペースに可動モニタ20の支持機構を収めることができる。
支持ロッド19の数や配置は、要求される仕様に応じて変更が可能である。図示実施形態のカメラ1は、初期位置で4辺が上下左右方向に向く矩形の可動モニタ20を、初期位置から上下左右の4方向に傾動させる(図2ないし図5)というスペック上の要求を満たすべく、矩形の可動モニタ20の対角線方向に延設した4つのガイド溝31a,31b,31c及び31dによって4つの支持ロッド19a,19b,19c及び19dを支持する構成としている。この構成により、隣り合う2つの支持ロッド19の間の方向である上下左右方向への可動モニタ20の傾動を行わせやすくなる。また、矩形の可動モニタ20の対角線方向に各ガイド溝31a,31b,31c及び31dが延びる構成とすることで、可動モニタ20の外形の範囲内という限られたスペースの中で、各ガイド溝31a,31b,31c及び31dや各支持ロッド19a,19b,19c及び19dを最大限に長くすることができる。これらの構成要素を長くすると可動モニタ20の可動量が大きくなり、その結果、可動モニタ20の位置の設定自由度が向上する。
基本的に、支持ロッド19の本数を増やすと、可動モニタ20の安定性が増す一方で動作の自由度は制限されやすくなり、支持ロッド19の本数を減らすと、可動モニタ20の動作の自由度が高くなる一方で安定性を得にくくなる。例えば、図示実施形態の4つの支持ロッド19a,19b,19c及び19dの間にさらに1つまたは複数の支持ロッド19を追加配置した場合、モニタ収容部30に対する可動モニタ20の動作時の安定性を高める効果が得られる。その一方、図1の初期位置から図2ないし図5のように上下左右方向への可動モニタ20の傾動を行わせる際に、ソケット27の配置などの条件によっては追加配置した支持ロッド19によって傾動量や傾動可能な方向が制限を受ける可能性がある。また、図示実施形態の4つの支持ロッド19a,19b,19c及び19dのいずれかを取り除いて支持ロッド19の本数を減らした場合、取り除かれた支持ロッドが位置していた側への可動モニタ20の傾動量を大きくさせることができる。その一方、取り除かれた支持ロッドに作用していたガイド溝31やソケット27のフリクションが差し引かれるため、図示実施形態と同等の可動モニタ20の安定性を得るには、残された支持ロッドに作用するフリクションを強めるなどの対策が必要になる。いずれの場合も既存の支持構造に比して動作の自由度の高さと支持機構のコンパクト化の両立という効果は得られるので、可動モニタ20の支持及び動作に関して要求されるスペックを満たすものであれば、こうした変形例として本発明を実施することも可能である。
また、可動モニタ20を動作させるときの操作性は、各ガイド溝31a,31b,31c及び31dに対する各支持ロッド19a,19b,19c及び19dの立ち上がり角による影響を受ける。ユーザーが支持枠22やベースプレート23を把持して可動モニタ20の姿勢を変化させるとき、可動モニタ20側の各ソケット27a,27b,27c及び27dから球状端部26を介して各支持ロッド19a,19b,19c及び19dに力が入力され、球状端部25が対応するガイド溝31a,31b,31c及び31d内をフリクションに抗して摺動しながら可動モニタ20の姿勢を変化させる。ここで、各支持ロッド19a,19b,19c及び19dの立ち上がり角が小さい位置(図1や図20に示す初期位置など)に可動モニタ20があるときは、各支持ロッド19a,19b,19c及び19dの軸線方向の向きが対応するガイド溝31a,31b,31c及び31dの長手方向に近い(傾きが小さい)ため、球状端部26から棒状部24を経て球状端部25へ作用する押し引き力の大部分が各ガイド溝31a,31b,31c及び31dに沿って球状端部25を移動させる分力として働く。よって可動モニタ20を効率よく動作させることができる。一方、各支持ロッド19a,19b,19c及び19dの立ち上がり角が大きくなると、球状端部26から棒状部24を経て球状端部25へ作用する押し引き力の方向と、各ガイド溝31a,31b,31c及び31dに沿う球状端部25の移動方向の角度差が大きくなるため、球状端部26への入力に対して球状端部25を摺動させるための分力が小さくなる。そのため、可動モニタ20の操作性を重視する場合、各ガイド溝31a,31b,31c及び31dの長さや各ソケット27a,27b,27c及び27dの配置などの条件設定によって、各支持ロッド19a,19b,19c及び19dの最大の立ち上がり角をある程度抑えた構成にすることもできる。一方、支持ロッド19a,19b,19c及び19dの最大の立ち上がり角を抑えると、モニタ収容部30からの可動モニタ20の突出量や傾動角が制限されるので、可動モニタ20の可動域を重視する場合は、各支持ロッド19a,19b,19c及び19dの最大の立ち上がり角を大きくさせるように設定することも可能である。本実施形態では、図12や図13のように各支持ロッド19a,19b,19c及び19dが最大の立ち上がり角にあるときの棒状部24の軸線の向きが、各ガイド溝31a,31b,31c及び31dの長手方向に対して完全に直交せずに、光軸Oを延長した仮想線O’(図11、図20、図21)に対して若干の傾斜を有するように設定されており、可動モニタ20の操作性の良さと可動域の大きさのバランスをとっている。
カメラ本体10内のボディ側回路基板17と可動モニタ20内のモニタ側回路基板55を電気的に接続するフレキシブル基板18は、基板挿通孔43を通してカメラ本体10の外に延出され、ベースプレート23によって中間部分(第3の領域18e)が支持され、次いで支持枠22内の基板収容空間48に挿入される。このようにフレキシブル基板18を配設したことで、カメラ本体10に対する表示デバイス21の位置の自由度を高くさせつつ、フレキシブル基板18への負荷を抑えた省スペースな構成を実現できる。
例えば、ベースプレート23による支持を省略して基板挿通孔43から基板挿通孔47まで直接にフレキシブル基板18を導いた構成にすると、カメラ本体10に対する表示デバイス21と支持枠22の自由度の高い姿勢変化によって基板挿通孔43や基板挿通孔47への挿入部分でフレキシブル基板18の曲げ角やねじれ量が急変して大きな負荷がかかってしまうおそれがある。これを避けるために基板挿通孔43と基板挿通孔47の間でフレキシブル基板18の長さを増大させると、フレキシブル基板18の弛みの状態を管理しにくくなり、可動モニタ20をモニタ収容部30に収容させる際に支持ロッド19などの支持機構にフレキシブル基板18が干渉したり、意図しない部分にフレキシブル基板18が挟まってしまうなどの不具合が生じるおそれがある。
これに対して本実施形態のカメラ1では、フレキシブル基板18の第3の領域18eがベースプレート23に沿って支持され、カメラ本体10とベースプレート23の間の第2の領域18dと、ベースプレート23と支持枠22(表示デバイス21)の間の第4の領域18fのそれぞれで個別に長さや弛みの状態が設定されるので、ベースプレート23と支持枠22のそれぞれの動きに対応する過不足のない適切な長さと形状でフレキシブル基板18を配置することができる。前述のように、モニタ収容部30と可動モニタ20の外形中心付近に位置する基板挿通孔43と狭窄部46aを接続する形態でフレキシブル基板18の第2の領域18dを配することにより、カメラ本体10に対する位置設定の自由度が高い第1の支持段部であるベースプレート23が動作するときに、その動作方向の違いがフレキシブル基板18の変形に差を及ぼしにくくなり、フレキシブル基板18への負荷の偏りを軽減できる。また、ベースプレート23と支持枠22の間では、略矩形の可動モニタ20の4辺のうちチルト軸22xで接続されている側の辺に設けた上端開口45aと基板挿通孔47の間にフレキシブル基板18の第4の領域18fが配設されているので、チルト軸22xを中心とする傾動に対応する最低限の長さにフレキシブル基板18を収めることができ、余分な弛みが生じない。さらに、フレキシブル基板18の第2の領域18dは、ベースプレート23により支持を受ける第3の領域18eを下方に向けて延長してから上方に折り返された形状であるため、図20のように可動モニタ20をモニタ収容部30に収容させた状態で、フレキシブル基板18の第2の領域18dと第3の領域18eと第4の領域18fがベースプレート23の上下方向に沿って並ぶ関係となり、可動モニタ20とカメラ本体10の間にフレキシブル基板18をスペース効率良く収めることができる。
カメラ本体10に対して可動モニタ20を可動に支持する支持機構は、略矩形のモニタ収容部30の対角線方向に延びる4つのガイド溝31a,31b,31c及び31dと、各ガイド溝31a,31b,31c及び31dの内側端部付近に対向するように可動モニタ20側に設けた4つのソケット27a,27b,27c及び27dと、これらを接続する4つの支持ロッド19a,19b,19c及び19dである。すなわち、可動モニタ20とモニタ収容部30の対角線に沿う領域に支持機構が配されている。フレキシブル基板18の第2の領域18dの一端の位置を決める基板挿通孔43は4つのガイド溝31a,31b,31c及び31dの内側端部(内側端壁35d)に囲まれる位置(モニタ収容部30の外形中心付近)にあり、第2の領域18dの他端の位置を決める狭窄部46aは4つのソケット27a,27b,27c及び27dに囲まれる位置(可動モニタ20の外形中心付近)にある。また、フレキシブル基板18の第2の領域18dを収容する基板収納凹部44は、ソケット27bとソケット27dの間を通って上下方向に延びている(図14、図15)。そのため、フレキシブル基板18の第2の領域18dは、可動モニタ20の支持機構のうち、左下側のソケット27b、ガイド溝31b及び支持ロッド19bと、右下側のソケット27d、ガイド溝31d及び支持ロッド19dの間のスペースに位置する。フレキシブル基板18の第3の領域18eの領域を支持する基板ガイド凹部45と連通路46は、ソケット27aとソケット27cの間を通って上下方向に延びている(図14、図15)。そのため、フレキシブル基板18の第3の領域18eは、可動モニタ20の支持機構のうち、左上側のソケット27a、ガイド溝31a及び支持ロッド19aと、右上側のソケット27c、ガイド溝31c及び支持ロッド19cの間のスペースに位置する。以上のようにフレキシブル基板18は、可動モニタ20の支持機構が配されている対角線上の領域を避けて、その間のスペースを通ってカメラ本体10と可動モニタ20を接続しており、可動モニタ20の支持機構とフレキシブル基板18が干渉せずに収まるスペース効率に優れた構成となっている。
また、フレキシブル基板18のうち第2の領域18dを基板カバー57で覆うことにより、仮に周辺部材などとの接触が生じたとしてもフレキシブル基板18を保護して、損傷や断線などのリスクを軽減できる。基板カバー57は、カメラ本体10の基板挿通孔43周りの防滴(止水)構造の構成要素も兼ねており、部品点数の少ない簡略な構成でフレキシブル基板18の保護と防滴性能の確保を実現している。
以上、図示実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は図示実施形態に限定されるものではない。例えば、図示実施形態のカメラ1では、支持ロッド19の球状端部26が球心回動のみ可能に接続するソケット27を可動モニタ20側に設け、支持ロッド19の球状端部25が球心回動と直進移動の両方を可能に接続するガイド溝31をカメラ本体10側に設けているが、この関係を逆にして、ソケット27をカメラ本体10側に設け、ガイド溝31を可動モニタ20側に設けることも可能である。
図示実施形態のガイド溝31を構成する内部ガイド34は、長手方向に略一様な断面形状を有しており、支持ロッド19の球状端部25に対してガイド溝31の全体で略均一なフリクションを付与するようになっている。これと異なり、ガイド溝31内での支持ロッド19へのフリクションの大きさを部分的に変化させることも可能である。例えば、先に述べたように、可動モニタ20を動作させるときに支持ロッド19の立ち上がり角の変化によってガイド溝31に沿って球状端部25を摺動させる力の伝達効率(分力)が変化するので、その変化に応じてガイド溝31から球状端部25へ作用するフリクションが変化するように設定してもよい。また、ガイド溝31の長手方向の特定位置で球状端部25に対するフリクションを特に大きくして、可動モニタ20の位置決めを行いしやすくすることも可能である。例えば、ガイド溝31の内側端部付近と外側端部付近でフリクションが大きくなるように設定すると、可動モニタ20の初期位置(図1、図20)や、上下左右の最大傾動位置(図2ないし図5)や、後方への最大引き出し位置(図7、図11、図12、図13)などの特定位置での可動モニタ20の保持安定性が高まる。さらなる変更として、ガイド溝31の長手方向の特定位置で球状端部25を軽く係止するクリックストップ用の凹部や凸部をガイド溝31内に形成することなども可能である。これらのガイド溝31における負荷調整は、内部ガイド34を構成する外側部材34dや内側部材34eの板厚や断面形状、カバー部材35の断面形状などの変更によって行うことができる。
図示実施形態のソケット27は、凹状球面からなる保持凹面27eで支持ロッド19の球状端部26を保持(挟持)している。この構成は、ソケット27と球状端部26の間のガタつきが発生しにくく、かつソケット27からの球状端部26の脱落が生じにくく、保持の精度と強度の両面で優れている。但し、保持凹面27eと異なる構成で球状端部26を保持することも可能である。例えば、保持凹面27eのような凹状球面に代えて、平面を組み合わせてなる多面体の内面で球状端部26を保持することもできる。また、図示実施形態のソケット27に相当する部分を省略した上で、リテーナ28の一対の支持腕部28cが互いの対向方向(図19中の左右方向)への移動を規制するように球状端部26を挟持し、さらに一対の支持腕部28cの対向方向と直交する方向(図19中の上下方向や紙面の奥行き方向)への球状端部26の移動を規制する別の保持部材を設け、これらの複合的な部材によって球状端部26を球心回動可能に保持することもできる。
図示実施形態の可動モニタ20は、4つの支持ロッド19を用いた角度変化に加えて、ベースプレート23に対する支持枠22の回動によって上向きの角度変化を大きくさせているが、この2段階の角度変化を上向き以外の方向に適用することも可能である。例えば、図示実施形態では、可動モニタ20の4辺のうち支持枠22の上辺部22aに沿ってチルト軸22xを設けているが、下辺部22bや左辺部22cや右辺部22dなどに沿ってチルト軸22xを設けることも可能である。これらの場合、ベースプレート23に対して支持枠22が2段目の傾動を行う方向はそれぞれ下方、左方、右方となり、チルト軸22xの位置の変更に応じてフレキシブル基板18の配設構造も変更する。具体的には、下辺部22bに沿ってチルト軸22xを配した場合は、図示実施形態と上下を反転させた形でフレキシブル基板18の支持構造を構成するとよい。左辺部22cや右辺部22dに沿ってチルト軸22xを配した場合は、図示実施形態に対して正逆に90度傾けた(すなわちベースプレート23上で基板収納凹部44や基板収納凹部45が左右方向に向けて延設される)形でフレキシブル基板18の支持構造を構成するとよい、これらの変形例でも、略矩形の可動モニタ20やモニタ収容部30の対角線上に配した各ガイド溝31や各ソケット27や各支持ロッド19と干渉しない位置にフレキシブル基板18を配設することができる。
図示実施形態の可動モニタ20は横長画面の表示デバイス21を備えているが、正方形など横長以外の形状の表示画面を有するタイプの撮像装置にも本発明を適用可能である。さらに、表示画面の外形形状は矩形に限らず、三角形、矩形以外の四角形、5つ以上の頂点を持つ多角形、頂点を有さない曲線形状、などであってもよい。
また、図示実施形態の可動モニタ20のように支持枠22上に表示デバイス21が固定的に取り付けられているタイプではなく、支持枠22に対して別体の表示デバイス(例えばスマートフォンなど)を着脱可能なタイプの表示部を採用することもできる。表示部を構成する表示デバイスとしては、表示機能のみを有するディスプレイと、画面に触れて操作するタッチパネル式のディスプレイのいずれも採用可能である。
図示実施形態のカメラ1はレンズ交換式の一眼レフカメラであるが、本発明を適用する撮像装置はこれに限定されるものではなく、レンズ交換式の一眼レフカメラ以外のスチルカメラや、動画撮影を主に行うビデオカメラなどに適用することもできる。特に動画撮影は撮影中のカメラアングルの変化が多いため、本発明を適用した位置設定の自由度の高い表示部に対応した電気的接続手段の配設構造が有効である。
本発明は、撮像装置以外にも、ラップトップ型のパーソナルコンピュータやタブレット型コンピュータやスマートフォンなどの携帯電子機器、カーナビゲーション、オシロスコープなどの検査機器などの、本体に対して表示部を可動に支持するタイプの電子機器に適用が可能である。
図示実施形態では、カメラ本体10と可動モニタ20を電気的に接続する手段としてフレキシブル基板18を用いているが、フレキシブル基板以外にリード線などの異なる形態の電気的接続手段を用いることも可能である。