JP6559255B2 - 空気調和装置の室内機 - Google Patents

Description

本発明は、吹出口からの空気を上下方向に調整する上下風向板を備えた空気調和装置の室内機に関する。

空気調和装置の室内機は、内部に熱交換器や送風ファンなどの構成部品を備えると共に、熱交換された空気の送風方向を調整する上下風向板を備えている。
空気調和装置の冷房運転時には、上下風向板は、熱交換された冷たい空気と、室内の湿気を含んだまだ温かい空気と、に触れることになる。このことにより、上下風向板には、温度差による結露が起こり易い。

そのため、上下風向板に断熱材を貼り付けた技術が知られている。また、上下風向板の表裏面の両側に冷風を流して結露を防ぐ方法も知られている。

さらに、上下風向板を表裏で２分割し、２つの部品を重ね合わせ、その間に中空層を設けて断熱して結露を防ぐ技術が知られている（たとえば、特許文献１参照）。

特開２００９−６３２７５号公報

特許文献１の技術では、上下風向板を表裏で２分割し、２つの部品を重ね合わせ、その間に中空層を設けて断熱している。このため、上下風向板の片面に熱交換された冷風が当たっても、室内空気と触れている上下風向板のもう一方の片面が冷えない。

しかし、上下風向板を通過する空気流の下流側の端部には、室内空気が触れて結露し易いという課題があった。

本発明は、上記課題を解決するためのものであり、上下風向板の空気流の下流側の端部から結露水が滴下することを抑制する信頼性の高い空気調和装置の室内機を提供することを目的とする。

本発明に係る空気調和装置の室内機は、吸込口、吹出口並びに内部に配置された熱交換器および送風ファンを有する筐体と、前記吹出口に配置され、前記吹出口からの空気を上下方向に調整する上下風向板と、を備え、前記上下風向板は、第１面材と第２面材とを組み合わせて構成され、前記上下風向板を通過する空気流の下流側の端部に吸水部材を有し、前記第２面材の前記下流側の端部は、前記第１面材の前記下流側の端部よりも前記下流側に長く、前記吸水部材は、前記第１面材と前記第２面材とに挟持され、前記第１面材と前記第２面材に挟持された部分よりも前記空気流の下流側の吸水面が前記第２面材の前記下流側の端部にて露出し、前記上下風向板は、冷房運転時に、前記第１面材側が室内の温かい空気に触れ、前記第２面材側が前記筐体内を通過して熱交換された冷たい空気に触れ、前記吸水部材は、前記吸水面が前記室内の温かい空気側に露出したものである。

本発明に係る空気調和装置の室内機によれば、上下風向板を通過する空気流の下流側の端部に第１面材と第２面材とに挟持されて一部が露出する吸水部材を有している。これにより、上下風向板の下流側の端部に結露しても、結露水が吸水部材に保水され、室内に滴下することを抑制できる。
また、吸水部材は、第１面材と第２面材とに挟持されており、吸水部材を上下風向板から脱落させることが無く、使用耐久性が高く信頼性が高い。
したがって、上下風向板の空気流の下流側の端部から結露水が滴下することを抑制する信頼性の高い空気調和装置の室内機を提供することができる。

本発明の実施の形態１に係る空気調和装置の室内機を上方向から示す斜視図である。 本発明の実施の形態１に係る空気調和装置の室内機を下方向から示す斜視図である。 本発明の実施の形態１に係る空気調和装置の室内機の運転停止時の断面を示す説明図である。 本発明の実施の形態１に係る空気調和装置の室内機の冷房運転時の断面を示す説明図である。 本発明の実施の形態１に係る第２上下風向板の断面を示す説明図である。 本発明の実施の形態１に係る第３上下風向板の断面を示す説明図である。 本発明の実施の形態１に係る第２上下風向板および第３上下風向板の概略構成を示す説明図である。

以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
さらに、明細書全文に示されている構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。

実施の形態１．
図１は、本発明の実施の形態１に係る空気調和装置の室内機１００を上方向から示す斜視図である。図２は、本発明の実施の形態１に係る空気調和装置の室内機１００を下方向から示す斜視図である。図３は、本発明の実施の形態１に係る空気調和装置の室内機１００の運転停止時の断面を示す説明図である。図４は、本発明の実施の形態１に係る空気調和装置の室内機１００の冷房運転時の断面を示す説明図である。

空気調和装置の室内機１００は、回転速度を制御可能なインバータ駆動の圧縮機、四方弁、凝縮側熱交換器、減圧装置、蒸発側熱交換器を接続して構成され、四方弁の切換により冷房運転および暖房運転が可能な壁掛け型の室内機である。

図１〜図４に示すように、空気調和装置の室内機１００は、室内機１００の筐体１を構成する背面ケース２と、室内機１００の筐体１を構成する前面パネル３と、室内機１００の筐体１を構成し意匠面となる吸込グリル４と、室内機１００の筐体１を構成する横カバー５と、を備えている。

背面ケース２には、湾曲状の熱交換器６、熱交換器６の空気流の下流に位置する送風ファン７および図示しない電気品箱が装着される。熱交換器６の前面側下方には、熱交換器６からの結露水を受けるドレンパン８を有している。送風ファン７の下方は、熱交換された空気を吹出す吹出口９になっている。

前面パネル３は、室内機１００の筐体１の上面部分および正面部分を構成する。前面パネル３の上面には、上部吸込口１０が形成されている。前面パネル３は、内部に熱交換器６の上方および正面側を覆うフィルタ１１を備えている。フィルタ１１は、熱交換器６を囲うように配置される。前面パネル３は、背面ケース２に固定されている。

吸込グリル４は、室内機１００の筐体１の正面部分を構成する。吸込グリル４は、筐体１の正面上部に設けられている上カバー１２と、筐体１の正面下部に設けられている下カバー１３と、を有している。上カバー１２と下カバー１３との間の水平方向に延びる隙間は、前面吸込口１４になっている。

空気調和機の室内機１００は、吹出口９に配置され、吹出口９から吹出す風の向きを居住空間の左右方向で調整する左右風向板１５を備えている。左右風向板１５は、左右に２つに分かれていて、２箇所の空気調和を実施するものでもよい。左右風向板１５は、図示しない駆動用モータによって回動可能である。

空気調和機の室内機１００は、吹出口９に配置され、吹出口９から吹出す風の向きを居住空間の高さ方向である上下方向に調整する第１上下風向板１６、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８を備えている。
第１上下風向板１６は、湾曲した板状部材で構成されている。第１上下風向板１６は、運転時に第２上下風向板１７と第３上下風向板１８との間に位置する。第２上下風向板１７は、吹出口９の背面側に配置される。第３上下風向板１８は、吹出口９の前面側に配置される。第３上下風向板１８は、第２上下風向板１７よりも小型である。第２上下風向板１７および第３上下風向板１８の構成の詳細については、後述する。第１上下風向板１６、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８は、図示しない駆動用モータによって回動可能である。

空気調和装置の室内機１００は、送風ファン７によって上部吸込口１０および前面吸込口１４から室内空気を吸い込む。室内機１００に吸い込まれた空気は、熱交換器６によって熱交換されて冷気あるいは暖気となる。その冷気または暖気は、左右風向板１５並びに第１上下風向板１６、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８が配置されている吹出口９から室内へ送風される。
この時、左右風向板１５は、回動することで、送風ファン７によって吹出す熱交換された空気の左右方向の風向を調整している。また、第１上下風向板１６、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８は、回動することで、送風ファン７によって吹出す熱交換された空気の上下方向の風向を調整している。

また、空気調和装置の室内機１００は、吹出口９の左右方向の隣に、室内の床温度、壁面の温度、人体の位置および人体の活動状態について測定する赤外線センサ１９を備えている。

なお、ここでは熱交換器６の下流側に送風ファン７として横流ファンを備えた構成について説明するが、他のファン、たとえばプロペラファンを備えていてもよい。また、熱交換器の上流側に他のファン、たとえばプロペラファンを備えている構成でもよい。

次に、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８の概略構成について述べる。
図５は、本発明の実施の形態１に係る第２上下風向板１７の断面を示す説明図である。図６は、本発明の実施の形態１に係る第３上下風向板１８の断面を示す説明図である。図７は、本発明の実施の形態１に係る第２上下風向板１７および第３上下風向板１８の概略構成を示す説明図である。

図７に示すように、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８は、第１面材２１ａ、２１ｂと第２面材２２ａ、２２ｂとを表裏に組み合わせて構成されている。第１面材２１ａ、２１ｂは、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８の運転時の前面側である。第２面材２２ａ、２２ｂは、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８の運転時の背面側である。第２上下風向板１７および第３上下風向板１８は、内部に中空部２３ａ、２３ｂを設けている。第２上下風向板１７および第３上下風向板１８は、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８を通過する空気流の下流側の端部に吸水部材２４ａ、２４ｂを有している。吸水部材２４ａ、２４ｂは、第１面材２１ａ、２１ｂと第２面材２２ａ、２２ｂに挟持されている。具体的には、吸水部材２４ａ、２４ｂは、第１面材２１ａ、２１ｂの下流側の端部の端面と第２面材２２ａ、２２ｂの板状表面との間に挟持される。吸水部材２４ａ、２４ｂは、一部が露出した露出部２５ａ、２５ｂを有する状態である。
第１面材２１ａ、２１ｂと第２面材２２ａ、２２ｂとは、ＰＳ樹脂やＡＢＳ樹脂などの樹脂で成型されている。第１面材２１ａ、２１ｂと第２面材２２ａ、２２ｂとは、図示しないツメ、超音波溶着または熱溶着などで組み合わされる。第１面材２１ａ、２１ｂと第２面材２２ａ、２２ｂとは、内部に中空部２３ａ、２３ｂを設けると共に吸水部材２４ａ、２４ｂを挟持するため、密接させて中空部２３ａ、２３ｂにて強固な断熱状態を形成する必要はない。

吸水部材２４ａ、２４ｂは、たとえばフェルト、植毛などで構成されている。吸水部材２４ａ、２４ｂは、第１面材２１ａ、２１ｂの下流側の端部よりも長い第２面材２２ａ、２２ｂの下流側の端部の露出部２５ａ、２５ｂに吸水面２６ａ、２６ｂを露出させている。吸水部材２４ａ、２４ｂの吸水面２６ａ、２６ｂの裏側には、図示しない接着材または両面テープを備えており、これにより吸水部材２４ａ、２４ｂが第２面材２２ａ、２２ｂの接着面２７ａ、２７ｂに接着される。
なお、吸水部材２４ａ、２４ｂは、第２面材２２ａ、２２ｂに接着されるのではなく、第１面材２１ａ、２１ｂに接着されてもよい。

次に、第２上下風向板１７について詳述する。
図５に示すように、第２上下風向板１７は、冷房運転時に、第２面材２２ａ側が室内の温かい空気に触れ、第１面材２１ａ側が筐体１内を通過して熱交換された冷たい空気に触れる。
吸水部材２４ａは、第１面材２１ａと第２面材２２ａに挟持された部分よりも空気流の下流側の吸水面２６ａが第１面材２１ａ側の冷たい空気側に露出している。

また、第２面材２２ａの下流側の端部の先端が第１面材２１ａ側に屈曲している。この屈曲部に沿って吸水部材２４ａを貼り付けることができ、第２面材２２ａに吸水部材２４ａを貼り付け易くしている。
なお、第２面材２２ａの下流側の端部の先端が第１面材２１ａ側に屈曲していなくてもよい。

図３に示すように、第２上下風向板１７は、運転停止時に吹出口９を塞いで空気調和装置の室内機１００の下面の意匠面を構成する。このため、吸水部材２４ａの吸水面２６ａを第１面材２１ａ側に向けて貼り付けている。これにより、運転停止時に吸水部材２４ａが露出せず、室内機１００の下面をすっきりした印象にする。
なお、第２上下風向板１７は、運転停止時に空気調和装置の室内機１００の下面の意匠面を構成する面を第１面材２１ａとするように表裏反転させて構成されるものでもよい。この場合には、運転停止時の空気調和装置の室内機１００の下面の意匠面に吸水部材２４ａが露出する。

次に、第３上下風向板１８について詳述する。
図６に示すように、第３上下風向板１８は、冷房運転時に、第１面材２１ｂ側が室内の温かい空気に触れ、第２面材２２ｂ側が筐体１内を通過して熱交換された冷たい空気に触れる。
吸水部材２４ｂは、第１面材２１ｂと第２面材２２ｂに挟持された部分よりも空気流の下流側の吸水面２６ｂが第１面材２１ｂ側の室内の温かい空気側に露出している。これにより、温かい空気によって発生する結露水を直ちに吸水部材２４ｂに吸水することができる。

また、吸水部材２４ｂの接着面は、第２面材２２ｂの下流側の端部と第２面材２２ｂから第１面材２１ａ側に突出した支持部２２ｂ１との２箇所である。吸水部材２４ｂは、この２箇所に接着され、第１面材２１ｂが被さっている。
なお、第２面材２２ｂは、第２面材２２ｂの下流側の端部から支持部２２ｂ１までを樹脂で埋めた構成であってもよい。また、吸水部材２４ｂの接着面２７ｂは、第１面材２１ｂ側に設けてもよい。

図３に示すように、第３上下風向板１８は、運転停止時に空気調和装置の室内機１００の内部に収納される。

以上の構成の第２上下風向板１７および第３上下風向板１８によれば、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８を通過する空気流の下流側の端部に結露した場合に、結露水が吸水部材２４ａ、２４ｂで保水され、室内に滴下することを抑制できる。
また、吸水部材２４ａ、２４ｂの接着が剥がれたとしても、吸水部材２４ａ、２４ｂが第１面材２１ａ、２１ｂと第２面材２２ａ、２２ｂとに挟持されているので、吸水部材２４ａ、２４ｂが第２上下風向板１７および第３上下風向板１８から脱落することが無い。

以上の実施の形態１によると、空気調和装置の室内機１００は、上部吸込口１０、前面吸込口１４、吹出口９並びに内部に配置された熱交換器６および送風ファン７を有する筐体１を備えている。また、吹出口９に配置され、吹出口９からの空気を上下方向に調整する第２上下風向板１７および第３上下風向板１８を備えている。そして、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８は、第１面材２１ａ、２１ｂと第２面材２２ａ、２２ｂとを組み合わせて構成され、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８を通過する空気流の下流側の端部に吸水部材２４ａ、２４ｂを有している。吸水部材２４ａ、２４ｂは、第１面材２１ａ、２１ｂと第２面材２２ａ、２２ｂとに挟持されて一部が露出している。
この構成によれば、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８を通過する空気流の下流側の端部に第１面材２１ａ、２１ｂと第２面材２２ａ、２２ｂとに挟持されて一部が露出する吸水部材２４ａ、２４ｂを有している。これにより、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８の下流側の端部に結露しても、結露水が吸水部材２４ａ、２４ｂに保水され、室内に滴下することを抑制できる。
また、吸水部材２４ａ、２４ｂは、第１面材２１ａ、２１ｂと第２面材２２ａ、２２ｂとに挟持されており、吸水部材２４ａ、２４ｂを第２、第３上下風向板１７、１８から脱落させることが無く、使用耐久性が高く信頼性が高い。
したがって、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８の空気流の下流側の端部から結露水が滴下することを抑制する信頼性の高い空気調和装置の室内機１００を提供することができる。

第２上下風向板１７および第３上下風向板１８は、第１面材２１ａ、２１ｂと第２面材２２ａ、２２ｂとを組み合わせて内部に中空部２３ａ、２３ｂを設けている。
この構成によれば、中空部２３ａ、２３ｂにて第２上下風向板１７および第３上下風向板１８の断熱性が向上され、第２上下風向板１７および第３上下風向板１８を通過する空気流の下流側の端部に結露し難くすることができる。

第１面材２１ａ、２１ｂまたは第２面材２２ａ、２２ｂのどちらか一方に、吸水部材２４ａ、２４ｂの吸水面２６ａ、２６ｂと反対側の面の少なくとも一部が接着されている。
この構成によれば、吸水部材２４ａ、２４ｂが貼り付け固定できる。

第３上下風向板１８は、冷房運転時に、第１面材２１ｂ側が室内の温かい空気に触れ、第２面材２２ｂ側が筐体１内を通過して熱交換された冷たい空気に触れる。第２面材２２ｂの下流側の端部は、第１面材２１ｂの下流側の端部よりも下流側に長い。吸水部材２４ｂは、第１面材２１ｂと第２面材２２ｂに挟持された部分よりも空気流の下流側の吸水面２６ｂが室内の温かい空気側に露出している。
この構成によれば、室内の温かい空気側から発生する結露水を直ちに吸水部材２４ｂの吸水面２６ｂに保水することができる。

１ 筐体、２ 背面ケース、３ 前面パネル、４ 吸込グリル、５ 横カバー、６ 熱交換器、７ 送風ファン、８ ドレンパン、９ 吹出口、１０ 上部吸込口、１１ フィルタ、１２ 上カバー、１３ 下カバー、１４ 前面吸込口、１５ 左右風向板、１６ 第１上下風向板、１７ 第２上下風向板、１８ 第３上下風向板、１９ 赤外線センサ、２１ａ 第１面材、２１ｂ 第１面材、２２ａ 第２面材、２２ｂ 第２面材、２２ｂ１
支持部、２３ａ 中空部、２３ｂ 中空部、２４ａ 吸水部材、２４ｂ 吸水部材、２５ａ 露出部、２５ｂ 露出部、２６ａ 吸水面、２６ｂ 吸水面、２７ａ 接着面、２７ｂ 接着面、１００ 室内機。

Claims (3)

1. 吸込口、吹出口並びに内部に配置された熱交換器および送風ファンを有する筐体と、
   前記吹出口に配置され、前記吹出口からの空気を上下方向に調整する上下風向板と、
   を備え、
   前記上下風向板は、第１面材と第２面材とを組み合わせて構成され、前記上下風向板を通過する空気流の下流側の端部に吸水部材を有し、
   前記第２面材の前記下流側の端部は、前記第１面材の前記下流側の端部よりも前記下流側に長く、
   前記吸水部材は、前記第１面材と前記第２面材とに挟持され、前記第１面材と前記第２面材に挟持された部分よりも前記空気流の下流側の吸水面が前記第２面材の前記下流側の端部にて露出し、
   前記上下風向板は、冷房運転時に、前記第１面材側が室内の温かい空気に触れ、前記第２面材側が前記筐体内を通過して熱交換された冷たい空気に触れ、
   前記吸水部材は、前記吸水面が前記室内の温かい空気側に露出した空気調和装置の室内機。
2. 前記上下風向板は、前記第１面材と前記第２面材とを組み合わせて内部に中空部を設けた請求項１に記載の空気調和装置の室内機。
3. 前記第１面材または前記第２面材のどちらか一方に、前記吸水部材の前記吸水面と反対側の面の少なくとも一部が接着された請求項１または２に記載の空気調和装置の室内機。

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