JP6558294B2 - 車両用電子制御装置 - Google Patents
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本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造が容易で、その製造工程の簡素化が可能な車両用電子制御装置を提供することにある。
(車両用乗員保護システムの全体構成)
図1に基づき、エアバッグECU3を含んだ車両用乗員保護システム1の全体構成について説明する。車両用乗員保護システム1は、サテライトセンサである複数の加速度センサ2a、2b、2c、2d、2e、2fを備えている。以下、加速度センサ2a、2b、2c、2d、2e、2fを総称して、加速度センサ2a〜2fと言う。加速度センサ2a〜2fは、車両7の前後方向または左右方向に加えられた衝撃の大きさを検出しており、衝撃検知センサおよび車両装備に該当する。車両7に発生した衝突を検出するために、加速度センサ2a〜2fに代えて、または、加速度センサ2a〜2fに加えて、圧力センサを使用してもよい。
一方、エアバッグ装置5は車両用乗員保護システム1に含まれており、エアバッグECU3に接続されている。エアバッグ装置5は、車両7において衝突が発生した場合に、エアバッグECU3により制御されて作動展開し、車両7の乗員を保護する。エアバッグ装置5は車載装置および乗員保護装置に該当する。
以下、図2に基づき、エアバッグECU3の構成について詳細に説明する。エアバッグECU3の通信部31は、加速度センサ2a〜2fとの間で通信を行い、それぞれの衝撃検知センサIDを取得している。また、通信部31は、コンビネーションメーター4との間で通信を行い、メーターIDを取得している。
プログラム記憶部32は、エアバッグ装置5を作動させるための複数のプログラムパターン(図3A示)を記憶している。複数のプログラムパターンは、車両7の仕様に応じて互いに異なるように形成されている。各々のプログラムパターンは、車両7の仕様ごとに使用されるものが予め割り振られている。プログラムパターンは、作動プログラムに該当する。
プログラム選択部35は、前述したプログラム記憶部32、仕様データ形成部33および対応情報記憶部34に接続されている。プログラム選択部35は、仕様データ形成部33によって形成された車両7の仕様データと、対応情報記憶部34に記憶されたバリエーションテーブルVTとに基づいて、プログラム記憶部32に記憶された複数のプログラムパターンのうちから、エアバッグECU3において使用されるプログラムパターンを選択する。
以下、図3A乃至図4に基づき、バリエーションテーブルVTの構成およびバリエーションテーブルVTを用いたプログラムパターンの選択方法の一例について説明する。尚、図3Aに示したバリエーションテーブルVTは、車両7の仕様とプログラムパターンとの関係のみではなく、仕様の異なる他の車両についての当該関係も含んでいるが、プログラムパターンの選択方法については、車両7の場合を例にして説明する。これ以降の説明において、車両7に設けられた加速度センサ2a〜2fおよび仕様の異なる他の車両に搭載される圧力センサを、包括的に衝撃検知センサと言う。また、バリエーションテーブルVTにおいて、車両7等における前端部の左右部位を、それぞれ左前、右前と記載し、左センターピラーおよび右センターピラーを、それぞれ左中、右中と記載し、左リヤピラーおよび右リヤピラーを、それぞれ左後、右後と記載している。また、バリエーションテーブルVTにおいて、衝撃検知センサが取り付けられていない車両部位については、―によって表している。
バリエーションテーブルVTにおいては、形成された仕様データに応じて、複数のプログラムパターン0001、0002、0003、0004、0005、0006のうちのいずれかが割り振られている。
以下、図5に基づき、異常検出部37による加速度センサ2a〜2fまたはコンビネーションメーター4の異常検出方法の一例について説明する。仕様データ形成部33が、一側の加速度センサ2bと加速度センサ2dの衝撃検知センサIDとして、それぞれ11を取得し、一側の加速度センサ2fの衝撃検知センサIDの入力がなかった(加速度センサ2fは設けられていない)とする。この時、仕様データ形成部33は他側の加速度センサ2aと加速度センサ2cの衝撃検知センサIDを11とし、他側の加速度センサ2eの衝撃検知センサIDの入力はないと推定する。さらに、仕様データ形成部33が取得したメーターIDが、00であった(図5において、図4と同様のハッチングにて示す)とする。この場合、検出された衝撃検知センサIDとメーターIDとの組み合わせである仕様データは、11、11、11、11、―、―、00となる。
以下、図6に基づいて、エアバッグECU3によるプログラム選択制御および異常検出制御に関する制御フローについて説明する。最初に、ステップS101において、図示しないイグニッションスイッチがオンされてエアバッグECU3が起動される。イグニッションスイッチがオンされると、仕様データ形成部33が、衝撃検知センサIDおよびメーターIDを取得する(ステップS102)。次に、仕様データ形成部33は、衝撃検知センサIDとメーターIDとの組み合わせに基づき、車両7の仕様データを形成する(ステップS103)。
本実施形態によれば、プログラム選択部35が、形成された車両7の仕様データとバリエーションテーブルVTとに基づいて、プログラム記憶部32に記憶された複数のプログラムパターンのうちから、エアバッグECU3において使用するプログラムパターンを選択している。このため、エアバッグECU3を起動するだけで、車両7の仕様に応じて使用するプログラムパターンを選択することができる。したがって、車両製造工場においてエアバッグECU3に対し、使用するプログラムパターンを選択する選択情報を書き込む必要がなく、その製造工程を簡素化することができる。
また、車両7の仕向け地によって、衝突判定のために検出される衝撃の閾値が異なる場合がある。この場合においても、ハンドル6の位置によって仕向け地を検出することができるため、衝撃の閾値が考慮された最適なプログラムパターンを選択することができる。
仕様データ形成部33は、車両7に設けられたコンビネーションメーター4から、メーターIDを取得している。これにより、既存の車両装備からメーターIDを取得することができ、ハンドル6の位置を検出するために、車両7において新たな装備を設ける必要をなくすことができる。
エアバッグECU3は、衝撃検知センサIDとメーターIDとに基づいて形成された仕様データと、バリエーションテーブルVTとにより、複数のプログラムパターンの中から使用するプログラムパターンを選択している。これにより、車両7に衝突が発生したことを検出した場合に、エアバッグ装置5を作動させるための最適なプログラムパターンを選択することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明による車両用電子制御装置は、エアバッグECU3に限定されるべきものではなく、車載装置を作動させるあらゆる電子制御装置に適用することが可能である。
仕様データ形成部33は、車両7の型式番号、エアバッグ装置5といった、加速度センサ2a〜2fおよびコンビネーションメーター4以外の車両装備のIDに基づいて、仕様データを形成してもよい。
プログラム記憶部32に記憶された複数のプログラムパターン0001〜0006は、各々がそれのみでエアバッグECU3を作動させることができるものであってもよい。あるいは、形成された仕様データに拘わらずに、エアバッグECU3を作動させるために使用される共通プログラムがあって、それとプログラムパターン0001〜0006のうちのいずれかとの組み合わせにより、エアバッグECU3を作動させるようにしてもよい。
イグニッションスイッチがオンされた時のみではなく、製造工場での車両7の完成時において、プログラム選択部35によってプログラムパターンが選択されるようにしてもよい。
Claims (5)
- 車載装置(5)を作動させるために、車両(7)の仕様に応じて互いに異なるように形成された複数の作動プログラムを記憶するプログラム記憶部(32)と、
車両装備(2a、2b、2c、2d、2e、2f)との間で通信を行い、前記車両の仕様を検出する仕様検出部(31、33)と、
前記車両の仕様と複数の前記作動プログラムとの関係であるプログラム対応情報(VT)を記憶した対応情報記憶部(34)と、
前記仕様検出部によって検出された前記車両の仕様と、前記対応情報記憶部に記憶された前記プログラム対応情報とに基づいて、前記プログラム記憶部に記憶された複数の前記作動プログラムのうちから、使用する前記作動プログラムを選択するプログラム選択部(35)と、
を備え、
前記車両装備は、前記車両の前後方向軸(CL)を中心として対称に配置されており、
前記仕様検出部は、車幅方向の一側の前記車両装備である一側装備(2b、2d、2f)との間で通信を行い、前記一側装備に関する前記車両の仕様を検出するとともに、前記一側装備に関する前記車両の仕様に基づいて、前記車幅方向の他側の前記車両装備(2a、2c、2e)に関する前記車両の仕様を推定する車両用電子制御装置。 - 前記仕様検出部は、前記車両の仕様として、ハンドル(6)位置を検出している請求項1に記載の車両用電子制御装置。
- 前記仕様検出部は、前記車両に設けられたメーター(4)との間で通信を行い、前記ハンドル位置を検出している請求項2記載の車両用電子制御装置。
- 前記仕様検出部によって検出された前記車両の仕様と、前記対応情報記憶部に記憶された前記プログラム対応情報とを比較し、検出された前記車両の仕様が前記プログラム対応情報中にない場合に、前記車両装備の異常を検出する異常検出部(37)を備えた請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の車両用電子制御装置。
- 前記車両装備は、前記車両に発生した衝撃を検出する衝撃検知センサ(2a、2b、2c、2d、2e、2f)を含み、
前記衝撃検知センサからの検出値に基づいて前記車両に衝突が発生したことを検出した場合に、前記車両に設けられた乗員保護装置(5)を作動させる保護装置作動部(36)を備えた請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の車両用電子制御装置。
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