JP6555658B2 - 車外用エアバッグ - Google Patents
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車外用エアバッグとしては、例えば、自動車において硬く形成されたフロントピラーに沿うように展開するものが実用化されている。保護対象者は、フロントピラーに対して様々な方向および速度で衝突するため、これらの衝突に対応した車外用エアバッグが求められている。
また、支持部は、一端が起立エアバッグに固定されると共に他端が自動車において起立エアバッグ1の前方に固定されたテザーからなることが好ましい。
また、支持部は、自動車のフロントフードとフロントフェンダとの間の隙間に沿って収容することができる。
実施の形態1
図1(A)および(B)に、この発明の実施の形態1に係る車外用エアバッグの構成を示す。この車外用エアバッグは、自動車MのフロントガラスWの幅方向両側に位置する一対のフロントピラーPの前方に一対のフロントピラーPの根元部R近傍から上方に立ち上がるように展開する起立エアバッグ1と、この起立エアバッグ1を前方からの圧力に対して姿勢が維持されるように支持する支持部2とを有する。
支持部2は、テザーからなり、一端が起立エアバッグ1の側部上端に固定されると共に他端が自動車Mにおいて起立エアバッグ1の前方に固定されている。
起立エアバッグ1は、自動車Mの前部を覆うフロントフードHの下側、具体的にはフロントピラーPの根元部Rに隣接するフロントフードHの側部後方の下側に配置された収容部3に折り畳まれた状態で収容されている。収容部3にはインフレータ4が設けられており、このインフレータ4が起立エアバッグ1の下端部に接続されている。インフレータ4から起立エアバッグ1内に展開ガスが注入されることにより、フロントフードHの後縁部とフロントガラスWの下縁部との間の隙間を介して起立エアバッグ1が車外に展開される。なお、起立エアバッグ1の展開方向は、例えば、インフレータ4から注入される展開ガスの方向、起立エアバッグ1の形状および起立エアバッグ1の折り畳み方などで制御することができる。
また、支持部2は、自動車MのフロントフードHとフロントフェンダFとの間の隙間Gに沿って内部に収容され、起立エアバッグ1の展開に伴って隙間Gから車外に露出する。
まず、歩行者および自転車の運転者などの保護対象者が自動車Mの前部に接近すると、自動車Mに搭載された図示しない検出センサが保護対象者を検出する。検出センサとしては、例えば、レーザを保護対象者に照射して検出するセンサ、およびカメラから得られる画像に基づいて検出するセンサなどを利用することができる。
この検出センサから得られる検出情報に基づいて保護対象者が自動車Mに衝突すると判断されると、図2に示すように、収容部3に収容された起立エアバッグ1内にインフレータ4から展開ガスが注入される。これにより、図1(A)および(B)に示すように、起立エアバッグ1が一対のフロントピラーPの根元部R近傍から上方に向かって柱状に延びるように展開される。また、起立エアバッグ1の展開に伴って、支持部2が、隙間Gを介して車外に露出し、起立エアバッグ1の上部と自動車Mの前部との間を直線状に接続して起立エアバッグ1を自動車Mに対して支持する。
また、起立エアバッグ1は、フロントピラーPの根元部R近傍から上方に展開されるため、フロントピラーPの近くに配置されている。このため、起立エアバッグ1をフロントピラーPの根元部R近傍より前側、例えばフェンダーFの中間部から上方に展開させた場合と比較して、保護対象者CがフロントピラーPに直接衝突することを大きく抑制することができる。
すなわち、起立エアバッグ1をフロントピラーPの根元部R近傍から上方に立ち上がるように展開させることにより、フロントピラーPに直接衝突することを抑制しつつ保護対象者Cの保護範囲を大きく広げることができる。
このようにして、保護対象者Cの衝突エネルギーが起立エアバッグ1で吸収され、保護対象者Cを衝突の衝撃から保護することができる。なお、保護対象者Cが自動車Mに衝突した際に、検出センサから得られる検出情報に基づいて保護対象者Cが飛ばされる方向を判別し、一対のフロントピラーPに対応する2つの起立エアバッグ1のうち保護対象者Cが飛ばされる方向に位置する起立エアバッグ1のみを展開することもできる。
実施の形態1の車外用エアバッグにおいて、一対のフロントピラーPに対応する2箇所に展開する起立エアバッグ1の間の位置に、フロントガラスWの下端部近傍から上方に向かって柱状に延びるように展開する少なくとも1つの中間部エアバッグを設けることができる。
さらに、中間部エアバッグ21は、フロントガラスWの前方に立ち上がるように展開されるため、保護対象者Cをより前方で受け止めることができ、飛ばされる範囲が広がる前に保護対象者Cを確実に保護することができる。
実施の形態1および2では、起立エアバッグ1が一対のフロントピラーPに対応して上方に向かって柱状に延びるように展開されたが、一対のフロントピラーPの前方にその根元部R近傍から上方に立ち上がるように展開すればよく、これに限られるものではない。
支持部2は、一端が起立エアバッグ31の側部上端に固定され、他端が自動車Mにおいて起立エアバッグ31の前方に固定されている。
実施の形態1〜3の車外用エアバッグにおいて、一対のフロントピラーPに沿うように展開するピラー用エアバッグをさらに設けることができる。
例えば、図8に示すように、実施の形態1の車外用エアバッグにおいて、支持部2を除くと共に一対のフロントピラーPに沿うように展開するピラー用エアバッグ41を設けることができる。
このピラー用エアバッグ41は、起立エアバッグ1と一体に設けられ、フロントピラーPの根元部R近傍からフロントピラーPに沿って延びるように展開する。このようにして展開されたピラー用エアバッグ41により、フロントピラーPの根元部Rから中間部までが覆われる。
また、ピラー用エアバッグ41が、フロントピラーPを直接覆うように配置されており、保護対象者Cが起立エアバッグ1をすり抜けた場合でも、フロントピラーPに直接衝突することを防ぐことができる。
また、ピラー用エアバッグ41は、起立エアバッグ1と一体に設けずに、起立エアバッグ1と別々に設けることもできる。
例えば、図9に示すように、実施の形態1の車外用エアバッグにおいて、一対のフロントピラーPと起立エアバッグ1とをテザーで接続したガイド部51を設けることができる。このガイド部51が、起立エアバッグ1の上端部をフロントピラーPに支持することにより、起立エアバッグ1の立ち上がる方向をガイドして、起立エアバッグ1をフロントピラーPの前方にスムーズに展開させることができる。
Claims (7)
- 自動車においてフロントガラスの幅方向両側に位置する一対のフロントピラーの前方に、前記一対のフロントピラーの根元部近傍から上方に立ち上がるように展開する起立エアバッグと、
前記一対のフロントピラーに沿うように展開するピラー用エアバッグと
を備え、
前記起立エアバッグは、前方からの圧力により前記ピラー用エアバッグに折り重なるように倒れる車外用エアバッグ。 - 前記起立エアバッグは、前記一対のフロントピラーに対応する2箇所から上方に向かって柱状に延びるように展開する請求項1に記載の車外用エアバッグ。
- 前記一対のフロントピラーに対応して展開する前記起立エアバッグの間の位置に、前記フロントガラスの下縁部近傍から上方に向かって柱状に延びるように展開する少なくとも1つの中間部エアバッグを有する請求項2に記載の車外用エアバッグ。
- 前記起立エアバッグは、前記一対のフロントピラーの一方のフロントピラーから他方のフロントピラーにわたる全面を覆うように展開する請求項1に記載の車外用エアバッグ。
- 前記起立エアバッグを前方からの圧力に対して姿勢が維持されるように支持する支持部をさらに備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の車外用エアバッグ。
- 前記支持部は、一端が前記起立エアバッグに固定されると共に他端が自動車において前記起立エアバッグ1の前方に固定されたテザーからなる請求項5に記載の車外用エアバッグ。
- 前記支持部は、自動車のフロントフードとフロントフェンダとの間の隙間に沿って収容される請求項5または6に記載の車外用エアバッグ。
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