JP6063976B2 - 車外用エアバッグ - Google Patents
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Description
車外用エアバッグとしては、例えば、自動車において硬く形成されたフロントピラーに沿うように展開するものが実用化されている。保護対象者は、フロントピラーに対して様々な方向および速度で衝突するため、これらの衝突に対応した車外用エアバッグが求められている。
また、フロントガラスから前方に張り出した厚みが、フロントガラスの下縁部側から上縁部側に向かって徐々に大きくなるように形成することができる。
また、下縁バッグ、一対の側縁バッグおよび上縁バッグの内側を横切るように延びる線状部材をさらに有することが好ましい。
実施の形態1
図1(A)および(B)に、この発明の実施の形態1に係る車外用エアバッグの構成を示す。この車外用エアバッグは、自動車MのフロントガラスWを縁部に沿って囲むように展開するもので、フロントガラスWの前側を下縁部に沿って延びるように展開する下縁バッグ1と、フロントガラスWの前側を両側縁部に沿って延びるように展開する一対の側縁バッグ2と、フロントガラスWの前側を上縁部に沿って延びるように展開する上縁バッグ3とを有する。
上縁バッグ3は、ルーフパネルの前縁部Bを前側から覆うようにルーフパネルの前縁部Bに沿って展開し、その両端部が一対の側縁バッグ2の上端部に接続されている。
一対の側縁バッグ2は、一対のフロントピラーPを前側から覆うように一対のフロントピラーPに沿って展開する。
下縁バッグ1、一対の側縁バッグ2および上縁バッグ3は、一定の厚みTでフロントガラスWから前方に張り出すように形成されている。また、下縁バッグ1、一対の側縁バッグ2および上縁バッグ3は、連続する環状の横断面を有し、中空に形成された内部が互いに連通するように接続されている。さらに、下縁バッグ1、一対の側縁バッグ2および上縁バッグ3の内側には、フロントガラスWを露出する開口部4が形成されている。
車外用エアバッグは、自動車Mの前部を覆うフロントフードHの後縁部の下側に配置された収容部5に折り畳まれた状態で収容されている。収容部5にはインフレータ6が設けられており、このインフレータ6が下縁バッグ1に接続されている。インフレータ6から下縁バッグ1を介して車外用エアバッグ内に展開ガスが注入されることにより、フロントフードHの後縁部とフロントガラスWの下縁部との間の隙間を介して車外用エアバッグが車外に展開される。
なお、車外用エアバッグの展開方向は、例えば、インフレータ6から注入される展開ガスの方向、車外用エアバッグの形状および車外用エアバッグの折り畳み方などで制御することができる。また、車外用エアバッグを展開させる順番は、折り畳み方などで制御することができ、例えば下縁バッグ1と側縁バッグ2の内側に上縁バッグ3が位置するように折り畳むことで下縁バッグ1と側縁バッグ2が展開した後に上縁バッグ3を展開させることができる。
まず、歩行者および自転車の運転者などの保護対象者が自動車Mの前部に接近すると、自動車Mに搭載された図示しない検出センサが保護対象者を検出する。検出センサとしては、例えば、レーザを保護対象者に照射して検出するセンサ、およびカメラから得られる画像に基づいて検出するセンサなどを利用することができる。
この検出センサから得られる検出情報に基づいて保護対象者が自動車Mに衝突すると判断されると、図2に示すように、収容部5に収容された車外用エアバッグ内にインフレータ6から展開ガスが注入される。
また、下縁バッグ1、一対の側縁バッグ2および上縁バッグ3は、端部で接続されているため互いに支持されており、展開時の姿勢が安定化して速やかに展開させることができ、展開後もその姿勢を一定に保つことができる。
ここで、自動車Mに衝突した保護対象者は、幅広い範囲に飛ばされるおそれがある。特に、図4に示すように、自転車を運転する保護対象者Cに自動車Mが衝突した場合には、保護対象者Cの重心位置が高いため、より後方の広い範囲に飛ばされるおそれがあり、例えば自動車Mの上方に向かって飛ばされた保護対象者Cはルーフパネルの前縁部Bに衝突した後にさらにルーフパネルの後方へ大きく飛ばされるおそれがある。また、自動車Mの側方に飛ばされた保護対象者Cは、フロントピラーPの側部に衝突してさらに側方に飛ばされ、対向車などに2次衝突するおそれもある。
例えば、図5に示すように、ルーフパネルの前縁部Bに向かって飛ばされた保護対象者Cは、開口部4内に侵入してそのまま上縁バッグ3の内壁部で受け止められる。この時、後方へ向かう保護対象者Cからの圧力が上縁バッグ3で吸収されると共に保護対象者Cからの圧力に応じて車外用エアバッグ全体が保護対象者Cを包み込むように変形することにより、保護対象者Cを確実に受け止めることができる。
同様に、保護対象者Cが一対のフロントピラーPに向かって飛ばされた場合にも、保護対象者Cは、側縁バッグ2で受け止められ、側縁バッグ2の内側から側方へ向かう圧力を側縁バッグ2で吸収することができる。
このように、幅広い範囲に飛ばされる保護対象者Cを上縁バッグ3および側縁バッグ2で確実に受け止めることにより、保護対象者Cが対向車などに2次衝突することを抑制することができる。
実施の形態1では、下縁バッグ1、一対の側縁バッグ2および上縁バッグ3は連続する環状の横断面を有するように形成されたが、保護対象者Cを受け止めることができればよく、この形状に限られるものではない。
実施の形態1および2では、下縁バッグ、一対の側縁バッグおよび上縁バッグは一定の厚みTで形成されたが、配置箇所に応じてその厚みTを変えることもできる。
例えば、図8に示すように、開口部4を網目状に横切る線状部材41を設けることができる。この線状部材41は、下縁バッグ1、一対の側縁バッグ2および上縁バッグ3の内壁部において厚みT方向の中央部近傍を互いに接続するように設けられている。これにより、幅広い範囲に飛ばされる保護対象者Cを下縁バッグ1、一対の側縁バッグ2および上縁バッグ3の内壁部の上半部側で受け止めると共に、保護対象者CがフロントガラスWに直接衝突することを線状部材41により防ぐことができる。また、線状部材41が網目状に配置されることにより、運転者の視界も確保することができる。なお、線状部材41は、例えば、テザー、車外用エアバッグの基布および細いエアバッグなどから構成することができる。
Claims (4)
- 自動車のフロントガラスの前側を下縁部に沿って延びるように展開して前記フロントガラスの下縁部に沿って設けられたカウルパネルを覆う下縁バッグと、
前記フロントガラスの前側を両側縁部に沿って延びるように展開して前記フロントガラスの両側縁部に沿って設けられた一対のフロントピラーを覆う一対の側縁バッグと、
前記フロントガラスの前側を上縁部に沿って延びるように展開して前記フロントガラスの上縁部に沿って設けられたルーフパネルの前縁部を覆う上縁バッグとを備え、
前記下縁バッグの両端部は前記一対の側縁バッグの下端部に接続されると共に、前記上縁バッグは前記一対の側縁バッグの上端部に接続され、
前記一対の側縁バッグが最初に展開した後に前記下縁バッグが展開して、前記一対の側縁バッグが前記一対のフロントピラーを覆うと共に前記下縁バッグが前記カウルパネルを覆った後に前記上縁バッグが展開するように折り畳まれて前記フロントガラスの下縁部近傍に収容された車外用エアバッグ。 - 前記一対の側縁バッグおよび前記上縁バッグは、前記フロントガラスから前方に張り出した先端部が内側に向かって屈曲するように形成される請求項1に記載の車外用エアバッグ。
- 前記フロントガラスから前方に張り出した厚みが、前記フロントガラスの下縁部側から上縁部側に向かって徐々に大きくなるように形成される請求項1または2に記載の車外用エアバッグ。
- 前記下縁バッグ、前記一対の側縁バッグおよび前記上縁バッグの内側を横切るように延びる線状部材をさらに有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の車外用エアバッグ。
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