JP6554843B2 - 現像剤の収容体および画像形成装置 - Google Patents
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Description
トナーとキャリアとを含む現像剤が収容される収容部と、
前記収容部内に配置され、軸部を中心として回転する回転部材と、
前記軸部を回転可能に支持する軸受部材と、
前記軸受部材に対して前記収容部の内側に配置され、前記軸部に接触して、前記軸受部材側に現像剤が進入することを抑制する抑制部材と、
を備え、
前記軸部の少なくとも前記抑制部材に接触する領域が、前記キャリアの最大硬さよりも硬く、且つ、前記軸部の表面の凹凸の最大高さと、前記抑制部材の表面の凹凸の最大高さとの合計が、前記キャリアの体積平均粒径以上に設定され、
前記軸部の表面の凹凸の最大高さと前記抑制部材の凹凸の最大高さとの合計が30μm以下、且つ、
前記キャリアの体積平均粒径が15μm以上30μm以下である
ことを特徴とする。
前記抑制部材が前記軸部に接触する最大面圧が、2.0[N/mm2]以上に設定されたことを特徴とする。
前記軸部の回転時に径方向に振れる公差が、前記キャリアの体積平均粒径以上に設定されたことを特徴とする。
像を表面に保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に保持された潜像を可視像に現像する現像装置であって、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像剤の収容体により構成された前記現像装置と、
可視像を媒体に転写する転写装置と、
媒体に転写された可視像を媒体に定着させる定着装置と、
を備えたことを特徴とする。
また、請求項1,4に記載の発明によれば、軸部の表面の凹凸の最大高さと抑制部材の表面の凹凸の最大高さとの合計が、キャリアの体積平均粒径未満の場合に比べて、費用を削減することができる。
さらに、請求項1,4に記載の発明によれば、キャリアの体積平均粒径が15μm未満または30μmより大きい場合に比べて、画質の低下を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、最大面圧が、2.0[N/mm2]未満の場合に比べて、軸受け部分に現像剤が進入することを低減できる。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図2は実施例1の画像形成装置の要部説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としての複写機Uは、記録部の一例であって、画像記録装置の一例としてのプリンタ部U1を有する。プリンタ部U1の上部には、読取部の一例であって、画像読取装置の一例としてのスキャナ部U2が支持されている。スキャナ部U2の上部には、原稿の搬送装置の一例としてのオートフィーダU3が支持されている。実施例1のスキャナ部U2には、入力部の一例としてのユーザインタフェースUIが支持されている。前記ユーザインタフェースUIは、操作者が入力をして、複写機Uの操作が可能である。
読取り用の光学系Aの右方には、撮像部材の一例としての撮像素子CCDが配置されている。撮像素子CCDには、画像処理部GSが電気的に接続されている。
画像処理部GSは、プリンタ部U1の書込回路DLに電気的に接続されている。書込回路DLは、潜像の形成装置の一例としてのLEDヘッドLHy,LHm,LHc,LHkに電気的に接続されている。
各感光体ドラムPRy〜PRkには、帯電器の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkが対向して配置されている。前記帯電ロールCRy〜CRkには、電源回路Eから帯電電圧が印加される。なお、電源回路Eは、制御部の一例としてのコントローラCにより制御される。前記コントローラCは、画像処理部GSや書込回路DL等との間でも信号の送受信を行って、各種制御を行う。
感光体ドラムPRy〜PRkの回転方向に対して、帯電ロールCRy〜CRkの下流側に設定された書込領域Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、感光体ドラムPRy〜PRkの表面に対して、LEDヘッドLHy〜LHkから書込光が照射される。
感光体ドラムPRy〜PRkの回転方向に対して、書込領域Q1y〜Q1kの下流側に設定された現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kには、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkが感光体ドラムPRy〜PRkの表面に対向して配置されている。感光体ドラムPRy〜PRkと現像装置Gy〜Gkとにより、可視像形成装置の一例としてのプロセスカートリッジPRy+Gy,PRm+Gm,PRc+Gc,PRk+Gkが構成されている。
感光体ドラムPRy〜PRkの回転方向に対して、1次転写領域Q3y〜Q3kの下流側には、像保持体の清掃器の一例としてのドラムクリーナCLy,CLm,CLc,CLkが配置されている。
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、感光体ドラムPRy〜PRkに形成された画像を媒体に転写する実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
前記ベルトモジュールBMの上方には、現像剤の収容容器の一例としてのカートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各カートリッジKy〜Kkには、現像装置Gy〜Gkに補給される現像剤が収容されている。前記カートリッジKy〜Kkと現像装置Gy〜Gkとの間は、図示しない現像剤の補給装置により接続されている。
給紙トレイTR1〜TR3の左上方には、媒体の取出部材の一例としてのピックアップロールRpが配置されている。ピックアップロールRpの左方には、捌き部材の一例としての捌きロールRsが配置されている。
各給紙トレイTR1〜TR3の左方には、上方に延びる媒体の搬送路SHが形成されている。搬送路SHには、媒体の搬送部材の一例としての搬送ロールRaが複数配置されている。搬送路SHには、シートSの搬送方向の下流部であり且つ2次転写領域Q4の上流側に、送出部材の一例としてのレジロールRrが配置されている。
定着装置Fの斜め上方には、媒体の搬送部材の一例としての排出ローラRhが配置されている。排出ローラRhの右方には、媒体の排出部の一例としての排出トレイTRhが形成されている。
前記原稿トレイTG1に収容された複数の原稿Giは、プラテンガラスPG上の原稿の読み取り位置を順次通過して、原稿の排紙トレイTG2に排出される。
前記オートフィーダU3を使用して自動的に原稿を搬送して複写を行う場合は、読取り用の光学系Aは初期位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の読み取り位置を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う場合、読取り用の光学系Aが左右方向に移動して、プラテンガラスPG上の原稿が、露光されながら走査される。
画像処理部GSは、撮像素子CCDから入力されるRGBの電気信号を黒:K、イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:Cの画像情報に変換して一時的に記憶する。画像処理部GSは、一時的に記憶した画像情報を予め設定された時期に、潜像形成用の画像情報として書込回路DLに出力する。
なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒:Kのみの画像情報が書込回路DLに入力される。
各感光体ドラムPRy〜PRkの表面は、帯電ロールCRy〜CRkによりに帯電される。LEDヘッドLHy〜LHkは、書込領域Q1y〜Q1kにおいて、感光体ドラムPRy〜PRkの表面に静電潜像を形成する。現像装置Gy〜Gkは、現像領域Q2y〜Q2kにおいて、感光体ドラムPRy〜PRkの表面の静電潜像を、可視像の一例としてのトナー像に現像する。現像装置Gy〜Gkで現像剤が消費されると、消費量に応じて、各カートリッジKy〜Kkから各現像装置Gy〜Gkに現像剤が補給される。
前記レジロールRrは、中間転写ベルトBの表面のトナー像が2次転写領域Q4に移動する時期に合わせて、シートSを送り出す。
2次転写領域Q4を通過後の中間転写ベルトBの表面は、ベルトクリーナCLbにより残留トナーが除去されて清掃される。
2次転写領域Q4を通過したシートSは、定着領域Q5を通過する際に、定着装置Fによりトナー像が加熱および加圧されて定着される。
トナー像が定着された記録シートSは、排出ローラRhで排出トレイTRhに排出される。
図3は実施例1の現像装置の説明図である。
図4は図3のIV−IV線断面図である。
次に、前記本発明の実施例1の現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの説明をするが、各色の現像装置Gy,Gm,Gc,Gkは同様に構成されているため、Y色の現像装置Gyについてのみ詳細な説明をし、その他の色の現像装置Gm,Gc,Gkについては、詳細な説明を省略する。
供給室6と撹拌室7との間は、仕切部材の一例としての仕切壁8で仕切られている。図4において、仕切壁8の前方には、第1の接続部の一例として、供給室6と撹拌室7とを接続する第1流入部8aが形成されている。なお、実施例1では、第1流入部8aは、現像ロール室4の前端よりも前方に配置されている。また、仕切壁8の後方には、第2の接続部の一例として、供給室6と撹拌室7とを接続する第2流入部8bが形成されている。
現像ロール室4の下方には、層厚の規制部材の一例としてのトリマー13が配置されている。実施例1のトリマー13は、前後方向に延びる円柱状に形成されている。トリマー13は、現像スリーブ12に対して、予め設定された隙間をあけて回転不能な状態で支持されている。
撹拌室7には、回転部材の一例であって、第2の搬送部材の一例としての撹拌オーガ17が配置されている。撹拌オーガ17は、供給オーガ16と同様に、軸部の一例としての回転軸17aと、搬送部の一例としての搬送羽根17bと、ギアG2とを有する。
また、図4において、撹拌室7の後部には、カートリッジKyからの現像剤が補給される補給口7aが形成されている。
前記構成を備えた現像装置Gy〜Gkでは、画像形成が開始されると、モータが駆動して、現像ロールR0y〜R0kが回転すると共に、各オーガ16,17が回転する。実施例1では、供給オーガ16が回転すると、供給オーガ16は、供給室6の現像剤を、矢印Yaで示すように、第1流入部8aから第2流入部8bに向けて撹拌しながら搬送する。第2流入部8bまで搬送された現像剤は、第2流入部8bを通じて撹拌室7に流入する。撹拌オーガ17が回転すると、撹拌オーガ17は、撹拌室7の現像剤を、矢印Ybで示すように、第2流入部8bから第1流入部8aに向けて撹拌しながら搬送する。第1流入部8aまで搬送された現像剤は、第1流入部8aを通じて供給室6に流入する。よって、供給室6と撹拌室7とによって、循環室6+7が構成されている。
図5は実施例1の現像装置の端部の説明図である。
図5において、実施例1のオーガ16,17の端部は、軸受部材の一例としてのベアリング21により回転可能に支持されている。ベアリング21の内側には、抑制部材の一例としてのシール部材22が支持されている。シール部材22は、円筒状の基部22aを有する。基部22aは、現像容器Vの内面に固定支持されている。基部22aの内周には、本体部の一例として、内側に延びる略円錐状のシール本体22bが形成されている。シール本体22bは、オーガ16,17の回転軸16a,17aが貫通した状態で支持される。そして、シール本体22bは、貫通する回転軸16a,17aに押されて略円錐状に弾性変形して、回転軸16a,17aの表面に、弾性力で接触した状態で保持される。
また、実施例1では、キャリアとして、体積平均粒径が、30[μm]のものを使用している。なお、キャリアとして、平均粒径が15[μm]〜30[μm]のものが好適に利用可能である。また、体積平均粒径は、コールター法を用いた相当径の測定で行っており、JIS8819に準拠する。
なお、ta−C処理に替えて、DLC:ダイヤモンドライクカーボン処理を行うことも可能である。DLCやta−Cの処理を行うことで、ビッカース硬さHvを1000〜5000程度にすることができる。よって、回転軸16a,17aの表面の硬さHvが、キャリアの最大硬さHvよりも大きくなっている。
他にも、回転軸16a,17aの材質が、金属であれば、焼入れ処理を行うことで硬質化することも可能である。その中でも、軟窒化処理と呼ばれる方法は、短時間で処理が可能であり、ステンレスに軟窒化処理を施した場合には、ビッカース硬さHvは1000〜1500になる。
また、実施例1では、シール部材22が回転軸16a,17aに接触する最大面圧は、3.0[N/mm2]に設定されている。なお、最大面圧は、2.0[N/mm2]に設定することが望ましい。
図6において、実施例1では、回転軸16a,17aの表面の凹凸の最大高さ(最大粗さ)をRmax1とし、シール部材22の表面の凹凸の最大高さ(最大粗さ)をRmax2とし、キャリア31の体積平均粒径をD1とした場合に、以下の式(1)を満たすように、回転軸16a,17aおよびシール部材22の表面性が設定されている。
Rmax1+Rmax2≧D1 …式(1)
なお、最大高さRmaxは、JIS B0601:1994に準拠している。
図7において、実施例1では、回転軸16a,17aが回転時に、回転軸16a,17aやベアリング21等の部品の公差や組み立てに伴う公差で、図7の破線に示すように、径方向に振れる幅、いわゆる振れ公差L1が、キャリアの体積平均粒径をD1以上に設定されている。なお、実施例1では、振れ公差L1は、シール本体22bの先端の位置での値を使用している。なお、振れ公差L1は、レーザー変位計で回転方向の振れ測定を行っている。
前記構成を備えた実施例1の現像装置Gy〜Gkでは、回転軸16a,17aの端部に、シール部材22が配置されている。したがって、ベアリング21に現像剤が進入して、ベアリング21が齧って、オーガ16,17の回転時のトルクが上昇することが低減されている。ここで、回転する回転軸16a,17aに対して、固定されているシール部材22のように弾性変形した状態の部材が押し当てられると、回転軸16a,17aの振れや表面性などの外乱で、回転軸16a,17aとシール部材22との間にトナーやキャリアが進入することがある。特に、近年の画像形成装置の高速化に伴って、オーガ16,17の回転速度も高速化しており、振動等の外乱も発生しやすくなっている。
しかし、キャリアが進入して、回転軸16a,17aが削られると、シール部材22と回転軸16a,17aの間に隙間ができてしまい、密閉性が低下して、経時的にベアリング21に現像剤が進入しやすくなる問題がある。したがって、現像装置Gy〜Gkの寿命が短くなる問題がある。
また、実施例1では、回転軸16a,17aにシール本体22bが接触する最大面圧が、2.0[N/mm2]に設定されている。最大面圧が2.0[N/mm2]未満の場合、シール本体22bと回転軸16a,17aとの間の接触圧力が不足して、現像剤がベアリング21側に漏れる場合がある。しかし、実施例1では、最大面圧が、2.0[N/mm2]に設定されており、現像剤の漏れが低減されている。
また、実施例1では、振れ公差L1がキャリアの平均粒径をD1以上に設定されている。振れ公差L1をキャリアの平均粒径D1未満にしようとすると、回転軸16a,17aやベアリング21の部品精度や組み立て精度を向上させる必要がある。よって、振れ公差L1がキャリアの平均粒径D1以上の実施例1では、部品精度等を向上させる必要がなくなり、製造費用や組立費用が削減される。
次に、実施例1の効果を確かめる実験を行った。
実験では、富士ゼロックス株式会社製のApeosPort-V C7780及びColor 1000 Pressを実験用に改造して使用した。
(実験例1)
実験例1では、シール部材22と回転軸16a,17aとの接触圧力を最大面圧3.0[N/mm2]に設定した。また、キャリアは、実施例1で示した最大硬さHvが500、粒径が30μmのものを使用した。また、実施例1では、最大表面粗さの和は、0.03mm=30μmとし、振れ公差L1は、40μmであった。
そして、回転軸16a,17aとして複数の硬さの軸を用意して、シール部材22と回転軸16a,17aとの間に進入したキャリアによる回転軸16a,17aの削れ量(シャフトが削れた最大深さ)を測定した。実験結果を図8に示す。
図8は軸部の硬さと軸部の削れの実験結果の説明図であり、横軸に軸部の硬さを取り、縦軸に、軸部の削れ量を取ったグラフである。
図8において、回転軸16a,17aの硬さがキャリアの硬さを超えると、回転軸16a,17aの削れが発生せず、キャリアよりも軟らかいと削れやすいことが確認された。
実験例2では、シール部材22と回転軸16a,17aとの最大面圧と、回転軸16a,17aの削れ量および現像剤の漏れ量との関係の実験を行った。実験例2では、回転軸16a,17aとして、硬質化処理をしていないビッカース硬さHv=130の軸を使用した。
(実験例2−1)
実験例2−1では、実験例2の条件において、最大面圧を変化させて、回転軸16a,17aの削れ量を測定した。実験結果を図9Aに示す。
実験例2−1では、実験例2の条件において、最大面圧を変化させて、ベアリング21側へ漏れた現像剤の量を測定した。実験結果を図9Bに示す。
図9Aにおいて、回転軸16a,17aの方が、キャリアよりも軟らかい場合には、最大面圧が大きくなるに連れて、削れ量が大きくなることが確認された。よって、実験例2−1と実験例1とを総合すると、最大面圧が3[N/mm2]でも、回転軸16a,17aの方がキャリアよりも硬ければ、削れが防止されることが理解される。
また、図9Bにおいて、最大面圧が、2.0[N/mm2]未満では、密閉性(シール性)が低下して現像剤が漏れやすいことが確認された。よって、最大面圧を2.0[N/mm2]以上に設定した場合、現像剤の漏れが低減される。
実験例3では、表面粗さと、回転軸16a,17aとシール部材22との間に進入したキャリアの量との関係の実験を行った。実験例3では、最大面圧を3.0[N/mm2]に設定した。そして、回転軸16a,17aとシール部材22の表面粗さの最大高さRmaxの和、すなわち、Rmax1+Rmax2、を変化させながら、回転軸16a,17aとシール部材22との間に進入したキャリアの量を測定した。実験結果を図10に示す。
図10において、表面粗さの合計Rmax1+Rmax2が、キャリアの粒径である30μm未満では、進入するキャリア量が少ないが、30μmを超えると、表面粗さが大きくなるほど、キャリアが進入しやすくなることが確認された。なお、実験例1と実験例3を総合すると、キャリアが進入しても、回転軸16a,17aの方がキャリアよりも硬ければ、削れが防止されることが理解される。
実験例4では、振れ公差と、回転軸16a,17aとシール部材22との間に進入したキャリアの量との関係の実験を行った。実験例4では、最大面圧を3.0[N/mm2]に設定した。そして、回転軸16a,17aの振れ公差L1を変化させながら、回転軸16a,17aとシール部材22との間に進入したキャリアの量を測定した。実験結果を図11に示す。
図11において、振れ公差が、キャリアの粒径である30μm未満では、進入するキャリア量が少ないが、振れ公差が30μmを超えると、多くなることが確認された。すなわち、振れ公差が大きくなると、回転軸16a,17aが振れた瞬間に、シール本体22bが追従できにくくなり、キャリアが進入しやすくなる。なお、実験例3の表面性や、実験例4の振れに対して、シール本体22bが一様に追従する訳ではないので、シール本体22bを軸方向に完全に通過せず、途中で留まる場合が殆どである。
なお、実験例1と実験例4を総合すると、振れ公差が大きくてキャリアが進入しても、回転軸16a,17aの方がキャリアよりも硬ければ、削れが防止されることが理解される。
実験例5では、キャリアの粒径と、画像斑との関係の実験を行った。実験例5では、キャリアの粒径を変化させながら、A4用紙全体がL*20となるように印刷を行った場合の画質の斑を確認した。なお、L*は、色空間のL*a*b*における、明度を表すL*のことであり、L*が100であれば白、0であれば黒になる。L*の測定は、X-Rite社製の測定機を使用した。画質の斑は、スキャナを用いて測定した。
実験結果を図12に示す。
図12において、キャリアの粒径が大きくなるほど画質斑が目立ち、30μmを超えると、画質斑が「2」を超える。よって、30μm以下とすることが好ましいことが確認された。
実験例6では、キャリアの粒径と、BCOの関係の実験を行った。実験例6では、キャリアの粒径を変化させながら、A4用紙1枚相当の領域における感光体ドラムPRy〜PRkに移動したキャリアの量を測定した。
実験結果を図13に示す。
図13において、キャリアの粒径が15μm以上であれば、感光体ドラムPRy〜PRkにキャリアはほとんど移動せず、キャリアの粒径が15μm未満になると、急激に移動するキャリアの量が増えることが確認された。よって、実験例5,6の結果を総合すると、キャリアの粒径は、15μm〜30μmが好ましいことが確認された。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H06)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機を例示したが、これに限定されず、例えば、プリンタ、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
(H02)前記実施例において、複写機Uは、4色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、5色以上または3色以下の多色の画像形成装置にも適用可能である。
(H03)前記実施例において、回転軸16a,17a自身に硬質化処理を行う構成を例示したが、これに限定されない。例えば、図14に示すように、回転軸16a,17aの端部のシール本体22bが接触する部分に、軸方向外側に突出する挿入部16c,17cを設け、挿入部16c,17cに、硬質化処理がされた筒状体の一例としてのカラー41を挿入することで、シール本体22bが接触する部分の硬度が高い回転軸16a,17aを実現可能である。
(H06)前記実施例において、シール部材22をベアリング21の前に1つ配置した構成を例示したが、これに限定されない。例えば、回転軸16a,17aの軸方向に対して、2つ以上並べて配置することも可能である。また、他にも、シール本体22bのみが軸方向に複数形成された構成とすることも可能である。
16a,17a…軸部、
21…軸受け部材、
22…抑制部材、
F…定着装置、
Gy,Gm,Gc,Gk…現像剤の収容体、現像装置、
L1…振れる公差、
PRy,PRm,PRc,PRk…像保持体、
Rmax1…軸部の表面の凹凸の最大高さ、
Rmax2…抑制部材の表面の凹凸の最大高さ、
S…媒体、
T1+T2+B…転写装置、
U…画像形成装置、
V…収容部。
Claims (4)
- トナーとキャリアとを含む現像剤が収容される収容部と、
前記収容部内に配置され、軸部を中心として回転する回転部材と、
前記軸部を回転可能に支持する軸受部材と、
前記軸受部材に対して前記収容部の内側に配置され、前記軸部に接触して、前記軸受部材側に現像剤が進入することを抑制する抑制部材と、
を備え、
前記軸部の少なくとも前記抑制部材に接触する領域が、前記キャリアの最大硬さよりも硬く、且つ、前記軸部の表面の凹凸の最大高さと、前記抑制部材の表面の凹凸の最大高さとの合計が、前記キャリアの体積平均粒径以上に設定され、
前記軸部の表面の凹凸の最大高さと前記抑制部材の凹凸の最大高さとの合計が30μm以下、且つ、
前記キャリアの体積平均粒径が15μm以上30μm以下である
ことを特徴とする現像剤の収容体。 - 前記抑制部材が前記軸部に接触する最大面圧が、2.0[N/mm2]以上に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の現像剤の収容体。
- 前記軸部の回転時に径方向に振れる公差が、前記キャリアの体積平均粒径以上に設定されたことを特徴とする請求項1または2に記載の現像剤の収容体。
- 像を表面に保持する像保持体と、
前記像保持体の表面に保持された潜像を可視像に現像する現像装置であって、請求項1ないし3のいずれかに記載の現像剤の収容体により構成された前記現像装置と、
可視像を媒体に転写する転写装置と、
媒体に転写された可視像を媒体に定着させる定着装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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