JP6554375B2 - レンジフード - Google Patents
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Description
室内循環式のレンジフードにおいては、捕集した油煙等をフィルタユニットを通すことで、油煙等から油脂分、臭気、すすなどを除去し、清浄の空気として室内に排出している。
フィルタユニットが可燃性である場合には、調理による火災が発生した場合には、レンジフード内部に入り込んだ火災による炎によりフィルタユニットが燃焼することがある。また、火災による炎がレンジフード内部に入り込んでしまった場合には、空気を室内に排出する排出口から炎が吹出し、他に燃え移る危険性があった。
つまり、フード内に送風機と電動式シャッタとフィルタユニットを設け、フード内に捕集する油煙等の温度を検知する温度センサをフードに取り付けたレンジフードである。
前述のようにして油煙等を室内に排出しているとき(つまり、レンジフード運転時)に、調理による火災が発生した場合には、温度センサの検知温度が設定温度となることで調理による火災発生を検知し、送風機を停止したり、電動式シャッタを閉とし、火災による炎がレンジフード内部に入り込むことがないようにしてフィルタユニットが火災の炎で燃焼しないようにする。
なぜなら、設定温度を火災が発生している時の温度よりも低い温度とすると、調理による火災が発生せずにフィルタユニットが燃焼することがないときにも送風機が停止、電動式シャッタが閉となり、レンジフードの稼動効率が低下する等の問題が生じるので、設定温度を火災が発生している時の温度としている。
また、温度センサが設定温度を検知してから送風機が停止、電動式シャッタが閉となるまでにタイムラグがある。
これらのことから、温度センサが設定温度を検知し、送風機が停止、電動式シャッタが閉となる以前に設定温度以上の空気(火災の炎)がレンジフード内部に入り込むことがある。
このことは、温度上昇が急な火災の場合により一層発生し易い。
前記捕集する油煙等の温度を検知する温度センサと、前記温度センサの検知した温度に応じてレンジフードを運転制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記温度センサの検知温度が設定温度となった時点からの温度上昇率を算出し、その温度上昇率が設定値以上の場合にレンジフードの運転を停止する運転停止モードを有し、
前記設定温度は、レンジフードの運転に支障が生じる危険温度よりも低い温度であることを特徴とするレンジフードである。
設定温度の低い運転停止モードの温度上昇率の設定値は、設定温度の高い運転停止モードの温度上昇率の設定値より大きく、設定温度の低い1つの運転停止モードで温度上昇率を算出している途中で設定温度が次に高い他の運転停止モードの設定温度を温度センサが検知した場合は、併行して前記他の運転停止モードで温度上昇率を算出開始する構成とすることができる。
設定温度の低い運転停止モードの温度上昇率の設定値は、設定温度の高い運転停止モードの温度上昇率の設定値より大きく、設定温度の低い1つの運転停止モードで温度上昇率の算出が終了した後に、終了時に温度センサが検出した温度に見合う設定温度の運転停止モードで温度上昇率を算出開始する構成とすることができる。
前記運転復帰モードは、前記運転停止モードによりレンジフードの運転停止後に前記温度センサが運転復帰設定温度を検知し、かつ運転復帰設定温度を検知してから規定時間経過後に運転復帰設定温度以下を検知した場合に、レンジフードの運転を再開する構成で、
前記運転復帰設定温度は、前記運転停止モードの設定温度より低くした構成とすることができる。
前記危険温度は、火災が発生した可能性がある温度とし、
前記レンジフードの運転停止は、送風機の停止、電動式シャッタの閉、レンジフードへの通電のOFFのいずれか1つ又は複数の組み合わせである構成とすることができる。
レンジフードは、フード2と本体3と送風機4とフィルタユニット5を備えている。
フード2は、フード本体20と吸込部21と排出部22を有している。
フード本体20は吸込口20aを有し、その吸込口20aに吸い込みされる空気(つまり、調理時に発生した油煙等)の温度を検知する温度センサ6がフード本体20に設けてある。
吸込部21は、吸込口20aと連通した吸込通路21aを有している。
排気部22は、室内に開口した排気通路22aを有している。
フード2のフード本体20は調理用加熱器具11の上方に位置し、調理時に発生した油煙等はフード20の吸込口20aに向けて上昇する。
送風機収容室31に送風機4が収容してある。送風機4はモータ40で駆動されるファン41を有している。送風機4の吸込側に流入路30が開口連通し、吐出側はフィルタユニット取付室32に開口連通している。
フィルタユニット取付室32にフィルタユニット5が取り付けてある。フィルタユニット5は油吸着フィルタ50、脱煙フィルタ51、脱臭フィルタ52、エアフィルタ53を有している。
モータ40に通電してファン41を回転(送風機4を駆動)することで、調理時に発生した油煙等は、吸込口20a、吸込通路21a、流入路30を通り送風機4で吸い込まれる。
吸い込まれた油煙等は、油吸着フィルタ50で油脂分が除去され、脱煙フィルタ51で煙分が除去され、脱臭フィルタ52で臭気が除去され、エアフィルタ53で細かい塵や埃が取り除かれて清浄な空気となる。
清浄な空気は流出路33、排気通路22aを通り室内に排出される。
これにより、実施形態のレンジフードは室内循環式のレンジフードである。
制御装置7は、マイコンなどのコントローラ70を備えている。
コントローラ70は、操作部材71から入力される運転信号に応じて送風機4のモータ40に通電して速度制御する。
例えば、操作部材71から強運転信号が入力されるとモータ40を高速回転する。中運転信号が入力されるとモータ40を中速回転する。弱運転信号が入力されるとモータ40を低速回転する。
操作部材71から停止信号が入力されるとモータ40への通電を止めて送風機4を停止する。
コントローラ70は、レンジフードの運転を停止する運転停止モード72と、異常時運転停止モード73と、運転停止しているレンジフード1を再運転する運転復帰モード74を備えている。
運転停止モード72は、温度センサ6の検知温度が設定温度となった時点からの温度上昇率を検知する機能と、検知した温度上昇率が設定値以上である場合にレンジフードの運転を停止する信号を出力する運転停止機能を有している。
つまり、温度上昇率が設定値以上であると、調理による火災が発生した可能性がある危険温度まで上昇すると判断し、運転停止信号を出力してレンジフードの運転を停止する。
危険温度は、レンジフードの運転に支障が生じる温度である。例えば、フィルタユニット5が燃焼開始する温度である。
なお、フィルタユニット5を備えていないレンジフードであっても、そのレンジフード内部が高温の熱により変形等して運転に支障を生じることがあるので、フィルタユニット5を備えていないレンジフードの場合には、火災が発生した可能性がある温度であって、火災が発生して炎を引き込んだ場合にレンジフード内部が変形等開始する温度を危険温度とする。
温度上昇率の設定値は、一定時間に上昇する温度の最大値である。
レンジフードの運転停止とは、レンジフードが調理時に発生した油煙等がレンジフード内部に入り込まない状態とすることである。例えば、送風機4のモータ40への通電を止め、送風機4を停止し、油煙等がレンジフード1内部に入り込まないようにすることである。
なお、送風機4の吸込側などに電動式シャッタを設け、電動式シャッタを閉とすることで、レンジフードの運転停止としても良い。また、送風機停止と電動式シャッタ閉を同時に行うことでレンジフードの運転停止としても良い。さらに、レンジフード1への通電をOFFして運転停止としても良い。
危険温度を70℃とし、設定温度を58℃とする。
温度上昇率の設定値を、1秒間に上昇する温度を5℃とする。
そして、温度センサ6が58℃を検知してから1秒後に温度センサ6が63℃以上を検知した場合に、コントローラ70は調理による火災が発生した可能性がある危険温度まで上昇すると判断し、モータ40への通電をOFFとする。
したがって、調理による火災が発生した場合に、フィルタユニット5が火災による炎で燃焼することがない。また、火災による炎がレンジフード内部に入り込んでレンジフード内部を通り、排出口から炎を吹出すことがない。
各運転停止モード72は、設定温度、温度上昇率の設定値がそれぞれ異なる。
温度上昇率の設定値は設定温度が低いほど大きく、設定温度の低い運転停止モードが温度上昇率を算出している途中に、次に高い設定温度まで上昇した場合は、その次に高い設定温度の運転停止モードが温度上昇率を算出開始する。
つまり、温度センサ6が低い設定温度を検知し、低い設定温度の運転停止モードが温度上昇率を算出している途中で、温度センサ6は次に高い設定温度を検知した場合は、その次に高い設定温度の運転停止モードが温度上昇率を算出する。この動作を順次行う。
第1〜第5運転停止モード72−1〜72−5は、第1〜第5設定温度、第1〜第5温度上昇率の設定値をそれぞれ有している。
第1設定温度は最も低く、第2設定温度は第1設定温度より高く、第3設定温度は第2設定温度より高く、第4設定温度は第3設定温度より高く、第5設定温度が第4設定温度より高く最も高い。
第1温度上昇率の設定値は最も大きく、第2温度上昇率の設定値は第1温度上昇率の設定値より小さい。
第3温度上昇率の設定値は第2温度上昇率の設定値より小さく、第4温度上昇率の設定値は第3温度上昇率の設定値より小さい。
第5温度上昇率の設定値は第4温度上昇率の設定値よりも小さく、最も小さい。
第1温度上昇率の一定時間は1秒で、設定値は5℃である。
第2温度上昇率の一定時間は1秒で、設定値は4℃である。
第3温度上昇率の一定時間は1秒で、設定値は3℃である。
第4温度上昇率の一定時間は1秒で、設定値は2℃である。
第5温度上昇率の一定時間は1秒で、設定値は1℃である。
第2運転停止モード72−2は、温度センサ6が60℃を検知してから1秒後に64℃以上を検知した場合に火災発生した可能性がある危険温度まで上昇すると判断して運転停止信号を出力する。
第3運転停止モード72−3は、温度センサ6が62℃を検知してから1秒後に65℃以上を検知した場合に火災発生した可能性がある危険温度まで上昇すると判断して運転停止信号を出力する。
第4運転停止モード72−4は、温度センサ6が64℃を検知してから1秒後に66℃以上を検知した場合に火災発生した可能性がある危険温度まで上昇すると判断して運転停止信号を出力する。
第5運転停止モード72−5は、温度センサ6が66℃を検知してから1秒後に67℃以上を検知した場合に火災発生した可能性がある危険温度まで上昇すると判断して運転停止信号を出力する。
温度センサ6が58℃を検知してから0.5秒後に60℃を検知するので、第1運転停止モード72−1が温度上昇率を算出している途中で第2運転停止モード72−2が温度上昇率を算出開始する。
温度センサ6が60℃を検知してから1秒後に65℃を検知し、第2温度上昇率の設定値4℃を越えるので、第2運転停止モード72−2は調理による火災が発生した可能性がある危険温度まで上昇すると判断して運転停止信号を出力し、モータ40への通電をOFFし、レンジフードの運転を停止する。
温度センサ6が58℃を検知してから0.5秒後に60℃を検知するので、第1運転停止モード72−1が温度上昇率を算出している途中で第2運転停止モード72−2が温度上昇率を算出開始する。
温度センサ6が60℃を検知してから1秒後に63℃を検知し、第2温度上昇率の設定値4℃を越えないので、第2運転停止モード72−2は火災発生した可能性がある危険温度までは上昇しないと判断し、運転停止信号を出力しない。
温度センサ6が62℃を検知してから1秒後に67℃を検知し、第3温度上昇率の設定値3℃を越えるので、第3運転停止モード72−3は調理による火災が発生した可能性がある危険温度まで上昇すると判断して運転停止信号を出力し、モータ40への通電を停止し、レンジフードの運転を停止する。
また、複数の運転停止モードを有し、設定温度の低い1つの運転停止モードが温度上昇率を算出して途中で、設定温度が次に高い運転停止モードが温度上昇率を検出開始するから、調理による火災が発生した可能性がある危険温度まで上昇することをより早く検知することができる。
そこで、本発明では、ある一定の計測時間後の温度との比較により上述の瞬時的な変化を検知しないようにしている。
しかしながらそのように計測時間を長くすることは、すばやく温度変化から異常温度をとらえるという目的に対して不利な条件となってしまう。
このため、さらに本発明では、複数のモードを用意して各所定時間内にオーバーラップさせて他のモードを同時に実行することでこのデメリットを解決し、かつ、ノイズによる誤動作を防ぐという効果を奏するようにしている。
この一定時間は0.5秒以上が好ましい、1秒以上であるとより好ましいものである。
また、温度センサ6が危険温度を検知し、所定時間経過後は危険温度未満の温度を検知している場合は運転停止信号を出力しない。
しかしながら、温度センサ6が危険温度を所定時間(例えば0.5秒)よりも短い時間だけ検知した場合に異常時運転停止モード73が運転停止信号を出力すると、レンジフードが不必要に停止してしまうので、温度センサ6が危険温度を所定温度よりも短い時間だけ検知した場合には運転停止信号を出力しないようにしている。
これにより、第1〜第5運転停止モード72−1〜72−5は機能しない。
温度センサ6の検知温度が5秒連続して70℃以上であると異常時運転停止モード73は、調理による火災が発生した可能性がある危険温度に達したと判断し、運転停止信号を出力することで、レンジフードの運転を停止する。
この場合には、温度センサ6が70℃以上を0.5秒においても検知することで、異常時運転停止モード73が調理による火災が発生した可能性がある危険温度に達したと判断し、運転停止信号を出力することで、レンジフードの運転を停止する。
運転再開信号が出力されることでレンジフードが運転開始する。例えば、モータ40に通電して送風機4を駆動してレンジフードを運転開始する。電動式シャッタを閉とした場合には開とする。レンジフードへの通電をOFFした場合は通電をONとする。
規定時間は20秒である。
温度センサ6の検知温度が図7のEに示すように下降する場合、温度センサ6の検知温度が50℃となった後に、運転復帰設定温度を検知してから20秒後に50℃以下を検知したときに運転復帰モード74は運転再開と判断し、運転再開信号を出力する。
また、運転復帰設定温度を検知してから規定時間経過後に50℃以下を検知してから運転再開するので、誤動作がなく調理による火災が発生した可能性がある危険温度を脱した後にレンジフードを確実に運転再開することができる。
つまり、前述した運転停止モード72は、設定温度の低い運転停止モードが温度上昇率を算出している途中で、次に高い設定温度まで上昇した場合は、その次に高い設定温度の運転停止モードが温度上昇率を算出開始するようにしたが、運転停止モードが温度上昇率を算出終了しないと次に高い設定温度の運転停止モードが温度上昇率を算出開始しないようにする。
このために、第2運転停止モード72−2の温度上昇率は算出せずに第3運転停止モード72−3の温度上昇率を算出する。
また、実施形態のレンジフードは調理台に設置するタイプであるが、天井に設置するタイプのレンジフードでも良い。
Claims (7)
- 送風機の駆動により調理で発生した油煙等を捕集して排出するレンジフードであって、
前記捕集する油煙等の温度を検知する温度センサと、前記温度センサの検知した温度に応じてレンジフードを運転制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記温度センサの検知温度が設定温度となった時点からの温度上昇率を算出し、その温度上昇率が設定値以上の場合にレンジフードの運転を停止する運転停止モードを有し、
前記設定温度は、レンジフードの運転に支障が生じる危険温度よりも低い温度であることを特徴とするレンジフード。 - 前記制御装置は、設定温度と温度上昇率の設定値がそれぞれ異なる複数の運転停止モードを有している請求項1記載のレンジフード。
- 前記制御装置は、設定温度と温度上昇率の設定値がそれぞれ異なる複数の運転停止モードを有し、
設定温度の低い運転停止モードの温度上昇率の設定値は、設定温度の高い運転停止モードの温度上昇率の設定値より大きく、設定温度の低い1つの運転停止モードで温度上昇率を算出している途中で設定温度が次に高い他の運転停止モードの設定温度を温度センサが検知した場合は、併行して前記他の運転停止モードで温度上昇率を算出開始する構成とした請求項1記載のレンジフード。 - 前記制御装置は、設定温度と温度上昇率の設定値がそれぞれ異なる複数の運転停止モードを有し、
設定温度の低い運転停止モードの温度上昇率の設定値は、設定温度の高い運転停止モードの温度上昇率の設定値より大きく、設定温度の低い1つの運転停止モードで温度上昇率の算出が終了した後に、終了時に温度センサが検出した温度に見合う設定温度の運転停止モードで温度上昇率を算出開始する構成とした請求項1記載のレンジフード。 - 前記制御装置は、異常時運転停止モードを有し、
前記異常時運転停止モードは、前記温度センサが前記危険温度を検知し、かつ危険温度を検知してから所定時間経過後に危険温度以上を検知した場合にレンジフードの運転を停止し、かつ前記温度センサが危険温度を検知してから所定時間経過後に危険温度未満を検知した場合にはレンジフードの運転を停止しない構成である請求項1〜4いずれか1項記載のレンジフード。 - 前記制御装置は、運転復帰モードを有し、
前記運転復帰モードは、前記運転停止モードによりレンジフードの運転停止後に前記温度センサが運転復帰設定温度を検知し、かつ運転復帰設定温度を検知してから規定時間経過後に運転復帰設定温度以下を検知した場合に、レンジフードの運転を再開する構成で、
前記運転復帰設定温度は、前記運転停止モードの設定温度より低くした請求項1〜5いずれか1項記載のレンジフード。 - レンジフードはフィルタユニットを有した室内循環式で、
前記危険温度は、火災が発生した可能性がある温度とし、
前記レンジフードの運転停止は、送風機の停止、電動式シャッタの閉、レンジフードへの通電のOFFのいずれか1つ又は複数の組み合わせである請求項1〜6いずれか1項記載のレンジフード。
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