JP6551327B2 - 重力式防潮堤 - Google Patents

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Description

本発明は、重力式防潮堤に関し、詳細には、プレキャスト化された壁体を備えて生コン使用量の低減に寄与することができる重力式防潮堤に関する。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による大津波は、三陸沿岸域に大きな被害をもたらした。この大被害を受け、三陸沿岸域では防潮堤の復旧および整備が現在鋭意進められている。
三陸沿岸域における防潮堤の復旧および整備においては、大津波への抵抗力の観点から、杭式の防潮堤が検討される場合がある。
しかしながら、三陸沿岸域は地層構造が複雑であり、岩などの固い地盤が地表近くに現れることも多い。そのような場所では、杭の打設が非常に困難になり、杭式の防潮堤を設置することには困難が伴う。
そのような場合には、杭式以外の構造形式の防潮堤を検討せざるを得なく、杭を備えない重力式防潮堤が有力な選択肢として浮上する。杭を備えない重力式防潮堤は、例えば、特許文献1、2等に記載されている。
一方、三陸沿岸域では依然として生コン不足が続いており、現場での生コン使用量を少なくすることが望まれているが、重力式防潮堤は現場での生コン使用量は多くなる傾向がある。
特開2012−62750号公報 特開2015−229896号公報
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、生コン使用量の低減に寄与することができる重力式防潮堤を提供することを課題とする。
本発明は、以下の重力式防潮堤により、前記課題を解決したものである。
即ち、本発明に係る重力式防潮堤の第1の態様は、現場打ちコンクリートを用いて形成された基礎構造と、該基礎構造の上方に配置され、面内方向に貫通する壁体貫通孔を有し、該壁体貫通孔の内面に壁体さや管を有するプレキャスト壁体と、前記基礎構造および前記プレキャスト壁体を連結する芯材と、を備えた重力式防潮堤であって、前記基礎構造は少なくとも上方に開口した上方開口孔を有し、該上方開口孔の内面には前記基礎構造の上面よりも上方の位置まで延伸している突出さや管が備えられ、前記プレキャスト壁体の前記壁体さや管には前記突出さや管が差し込まれ、前記突出さや管には前記芯材が差し込まれ、前記突出さや管に差し込まれた前記芯材は、前記突出さや管の上端よりも上方に延伸していて前記壁体さや管の内部を挿通して前記プレキャスト壁体の天端付近に達しており、前記突出さや管は該突出さや管が差し込まれた前記壁体さや管と一体化しており、前記芯材は該芯材が差し込まれた前記突出さや管および該芯材が挿通する前記壁体さや管と一体化しており、前記基礎構造は、その内部に、前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交する略水平方向に水平方向骨格部材を備えていて、前記水平方向骨格部材は前記突出さや管と連結されており、前記基礎構造は、その内部にさらに、前記プレキャスト壁体の略法線方向に延びる第1の鉄筋を前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交する略水平方向に所定のピッチAで複数備え、前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交する略水平方向に延びる第2の鉄筋を前記プレキャスト壁体の略法線方向に所定のピッチBで複数備えていて、前記第1の鉄筋は、前記水平方向骨格部材の上端よりも上方の位置および前記水平方向骨格部材の下端よりも下方の位置の両方にそれぞれ前記所定のピッチAで複数配置されており、前記第2の鉄筋は、前記水平方向骨格部材の上端よりも上方の位置および前記水平方向骨格部材の下端よりも下方の位置の両方にそれぞれ前記所定のピッチBで複数配置されていることを特徴とする重力式防潮堤である。
ここで、前記プレキャスト壁体の法線方向とは、該プレキャスト壁体の壁面の延長方向のことであり、前記重力式防潮堤の延びる方向(海岸線にほぼ沿う方向となることが多い。)のことである。なお、以下では、プレキャスト壁体の法線方向を単に法線方向と記すことがあり、また、プレキャスト壁体の法線方向と直交する水平方向を法直方向と記すことがある。
また、「前記水平方向骨格部材は前記突出さや管と連結されており」とは、前記水平方向骨格部材が前記突出さや管と接触して直接的に連結されている場合だけでなく、他の部材を介して前記水平方向骨格部材が前記突出さや管と間接的に連結されている場合も含む概念である。
本発明に係る重力式防潮堤の第2の態様は、現場打ちコンクリートを用いて形成された基礎構造と、該基礎構造の上方に配置され、面内方向に貫通する壁体貫通孔を有し、該壁体貫通孔の内面に壁体さや管を有する複数のプレキャスト壁体と、前記基礎構造および前記複数のプレキャスト壁体を連結する芯材と、を備えた重力式防潮堤であって、前記基礎構造は少なくとも上方に開口した上方開口孔を有し、該上方開口孔の内面には前記基礎構造の上面よりも上方の位置まで延伸している突出さや管が備えられ、前記プレキャスト壁体は、前記壁体貫通孔同士が連結するように鉛直方向に複数積み重ねられ、鉛直方向に複数積み重ねられた前記プレキャスト壁体のうち少なくとも最下段の前記プレキャスト壁体の前記壁体さや管には前記突出さや管が差し込まれ、該突出さや管には前記芯材が差し込まれ、前記突出さや管に差し込まれた前記芯材は、前記突出さや管の上端よりも上方に延伸していて前記壁体さや管の内部を挿通して、鉛直方向に複数積み重ねられた前記プレキャスト壁体の最上段の前記プレキャスト壁体の天端付近に達しており、前記突出さや管は該突出さや管が差し込まれた前記壁体さや管と一体化しており、前記芯材は該芯材が差し込まれた前記突出さや管および該芯材が挿通する前記壁体さや管と一体化しており、前記基礎構造は、その内部に、前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交する略水平方向に水平方向骨格部材を備えていて、前記水平方向骨格部材は前記突出さや管と連結されており、前記基礎構造は、その内部にさらに、前記プレキャスト壁体の略法線方向に延びる第1の鉄筋を前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交する略水平方向に所定のピッチAで複数備え、前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交する略水平方向に延びる第2の鉄筋を前記プレキャスト壁体の略法線方向に所定のピッチBで複数備えていて、前記第1の鉄筋は、前記水平方向骨格部材の上端よりも上方の位置および前記水平方向骨格部材の下端よりも下方の位置の両方にそれぞれ前記所定のピッチAで複数配置されており、前記第2の鉄筋は、前記水平方向骨格部材の上端よりも上方の位置および前記水平方向骨格部材の下端よりも下方の位置の両方にそれぞれ前記所定のピッチBで複数配置されていることを特徴とする重力式防潮堤である。
前記水平方向骨格部材の上端よりも上方に位置する複数の前記第1の鉄筋は前記水平方向骨格部材の下端よりも下方に位置する複数の前記第1の鉄筋と略鉛直方向にそれぞれ対向するように略平行に配置されており、前記水平方向骨格部材の上端よりも上方に位置する複数の前記第2の鉄筋は前記水平方向骨格部材の下端よりも下方に位置する複数の前記第2の鉄筋と略鉛直方向にそれぞれ対向するように略平行に配置されていて、前記水平方向骨格部材の上端よりも上方に位置する前記第1の鉄筋と前記水平方向骨格部材の上端よりも上方に位置する前記第2の鉄筋との交点Xの略鉛直方向の下方には、前記水平方向骨格部材の下端よりも下方に位置する前記第1の鉄筋と前記水平方向骨格部材の下端よりも下方に位置する前記第2の鉄筋との交点Yが位置しており、前記基礎構造は、両端部にフックを有する第3の鉄筋をその長手方向が略鉛直方向となるように内部に複数備えていて、前記第3の鉄筋は、その両端部の前記フックが、前記交点Xおよび前記交点Yにおいて、前記第1の鉄筋および前記第2の鉄筋に引っ掛けられて配置されていることが好ましい。
前記基礎構造は、略長方形状に閉じた第1の帯鉄筋を複数有しており、前記第1の帯鉄筋を含む平面は、前記プレキャスト壁体の法線方向と略平行な略鉛直面であり、前記第1の帯鉄筋を含む前記平面で前記基礎構造を切断した切断面の形状は略長方形であり、略長方形の前記切断面の4辺に沿うように、前記第1の帯鉄筋が配置されており、前記第1の帯鉄筋の上辺および下辺の鉄筋がどちらも前記第1の鉄筋となるように構成されていてもよい。
ここで、前記第1の帯鉄筋を含む平面で前記基礎構造を切断した切断面の形状が「略長方形」であるとは、切断面の輪郭線の大半の部分が長方形と判断できる図形の輪郭線に含まれていれば「略長方形」であるとする概念であり、例えば切断面の輪郭線の一部に、長方形と判断できる図形から突出した部位等があっても、切断面の輪郭線の大半の部分が長方形と判断できる図形の輪郭線に含まれていれば、その突出した部位等は無視して形状を判断する概念である。
また、「前記第1の帯鉄筋を含む平面」とは、前記第1の帯鉄筋が形成する略長方形状の図形の4辺を全て含む平面のことである。
前記基礎構造は、略長方形状に閉じた第2の帯鉄筋を複数有しており、前記第2の帯鉄筋を含む平面は、前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交しており、前記第2の帯鉄筋を含む前記平面で前記基礎構造を切断した切断面の形状は略長方形であり、略長方形の前記切断面の4辺に沿うように、前記第2の帯鉄筋が配置されており、前記第2の帯鉄筋の上辺および下辺の鉄筋がどちらも前記第2の鉄筋となるように構成されていてもよい。
ここで、前記第2の帯鉄筋を含む平面で前記基礎構造を切断した切断面の形状が「略長方形」であるとは、切断面の輪郭線の大半の部分が長方形と判断できる図形の輪郭線に含まれていれば「略長方形」であるとする概念であり、例えば切断面の輪郭線の一部に、長方形と判断できる図形から突出した部位等があっても、切断面の輪郭線の大半の部分が長方形と判断できる図形の輪郭線に含まれていれば、その突出した部位等は無視して形状を判断する概念である。
また、「前記第2の帯鉄筋を含む平面」とは、前記第2の帯鉄筋が形成する略長方形状の図形の4辺を全て含む平面のことである。
前記突出さや管の部位のうち前記基礎構造に埋め込まれた部位の外表面に、略水平方向に突出するようにダイヤフラムを設け、該ダイヤフラムに前記水平方向骨格部材が取り付けられているように構成してもよい。
前記突出さや管を鋼管とし、前記ダイヤフラムを鋼板とし、前記水平方向骨格部材をI形の鋼材としてもよい。
前記芯材を鋼管としてもよい。
前記芯材を、鋼板からビルドアップして製作された鋼材としてもよいし、または形鋼としてもよい。
前記突出さや管と該突出さや管が差し込まれた前記壁体さや管との間隙にはグラウト材が充填され、前記芯材と該芯材が差し込まれた前記突出さや管との間隙にはグラウト材が充填され、前記芯材と該芯材が内部を挿通する前記壁体さや管との間隙にはグラウト材が充填されているようにしてもよい。
前記プレキャスト壁体は、その法線方向の両端部の壁厚がそれ以外の部位の壁厚よりも厚くなっており、前記プレキャスト壁体の前記両端部に前記壁体さや管が備えられているようにしてもよい。
前記基礎構造は、その下面に、前記プレキャスト壁体の略法線方向に延びる、下方に突出した突出部を有しているようにしてもよい。
本発明に係る重力式防潮堤は、生コン使用量の低減に寄与することができる。
本発明の実施形態に係る重力式防潮堤を該重力式防潮堤の延びる方向から見た側面図 図1のII−II線断面図 本発明の実施形態に係る重力式防潮堤10において、突出さや管26と水平方向骨格部材28との連結状態を示す斜視図 上方から見た基礎構造20の平面図(基礎構造20内に配置されている鉄筋の状態を示す図) 法直方向から見た基礎構造20の側面図(基礎構造20内に配置されている鉄筋の状態を示す図) 法線方向から見た基礎構造20の側面図(基礎構造20内に配置されている鉄筋の状態を示す図) 法線方向から見た基礎構造20の一部を拡大して示す拡大鉛直断面図(基礎構造20内に配置されている鉄筋の状態を示す図) 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図 重力式防潮堤10を設置する際の工程のうちの一工程を模式的に示す図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る重力式防潮堤を該重力式防潮堤の延びる方向から見た側面図であり、図2は、図1のII−II線断面図である。本発明の実施形態に係る重力式防潮堤の延びる方向は、プレキャスト壁体40の延びる方向である法線方向であり、海岸線にほぼ沿う方向となることが多い。なお、突出さや管26は外部から目視することができないが、図1および図2においては、図示の都合上、突出さや管26を実線で描いている。
本実施形態に係る重力式防潮堤10は、基礎構造20と、4段に積まれたプレキャスト壁体40と、基礎構造20および4段に積まれたプレキャスト壁体40を連結する芯材50と、を備えてなる。
基礎構造20は、現場打ちコンクリート22を用いて形成されており、上方に開口した上方開口孔24を有し、該上方開口孔24の内面には基礎構造20の上面よりも上方の位置まで延伸している突出さや管26が備えられている。
さらに、基礎構造20は、その内部に、プレキャスト壁体40の法線方向と略直交する略水平方向に水平方向骨格部材28を複数備えていて、2つの水平方向骨格部材28が突出さや管26を略法直方向に挟み込むように配置されている。
図3は、突出さや管26と水平方向骨格部材28との連結状態を示す斜視図である。図3に示すように、突出さや管26の部位のうち基礎構造20に埋め込まれた部位の外表面には、略水平方向に突出するようにダイヤフラム27が設けられており、該ダイヤフラム27に2つの水平方向骨格部材28が突出さや管26を略法直方向に挟み込むように取り付けられている。
水平方向骨格部材28は、I形の鋼材であり、その長手方向が略法直方向となるように配置されているため、本実施形態に係る重力式防潮堤10が大津波等から受けた外力を地盤に伝達する上で大きな役割を果たし、本実施形態に係る重力式防潮堤10が防潮堤としての機能を発揮する上で重要な部材である。
プレキャスト壁体40は、基礎構造20の上方に配置され、面内方向に貫通する壁体貫通孔42を有し、壁体貫通孔42の内面に壁体さや管44を有している。プレキャスト壁体40は、図2に示すように、その法線方向の両端部の壁厚がそれ以外の部位の壁厚よりも厚くなっており、プレキャスト壁体40の両端部に壁体さや管44が備えられている。プレキャスト壁体40は、壁体さや管44を設ける両端部のみ壁厚を厚くしており、それ以外の部位は壁厚が厚くなっていないので、プレキャスト壁体40全体の重量が増加することが抑制されている。
プレキャスト壁体40は、壁体貫通孔42同士が連結するように鉛直方向に4段積み重ねられ、鉛直方向に4段積み重ねられたプレキャスト壁体40のうち少なくとも最下段のプレキャスト壁体40の壁体さや管44には突出さや管26が差し込まれ、該突出さや管26には芯材50が差し込まれている。
また、プレキャスト壁体40は、想定される外力を直接に受ける外面を、想定される外力の進行方向(例えば、大津波が進行してくると予想される方向)に向けるように配置されており、本実施形態に係る重力式防潮堤10においては、図2の左側が海側となっている。図2に示すように、複数の重力式防潮堤10を水平方向に連続するように配置することで、例えば海岸線に沿って延びる防潮堤を構築することができる。
突出さや管26に差し込まれた芯材50は、突出さや管26の上端よりも上方に延伸していて壁体さや管44の内部を挿通して、鉛直方向に4段積み重ねられたプレキャスト壁体40の最上段のプレキャスト壁体40の天端付近に達している。
突出さや管26と該突出さや管26が差し込まれた壁体さや管44との間隙にはグラウト材が充填されて一体化され、芯材50と該芯材50が差し込まれた突出さや管26との間隙にはグラウト材が充填されて一体化され、芯材50と該芯材50が内部を挿通する壁体さや管44との間隙にはグラウト材が充填されて一体化されており、これにより、基礎構造20および4段に積まれたプレキャスト壁体40は一体化されて、本実施形態に係る重力式防潮堤10が構成されている。
本実施形態に係る重力式防潮堤10においては、基礎構造20と最下段のプレキャスト壁体40との連結部の水平断面には、突出さや管26、壁体さや管44、および芯材50が存在しており、鋼材量が多くなっているため、基礎構造20と最下段のプレキャスト壁体40との連結部において、プレキャスト壁体40の厚さを厚くしなくても、基礎構造20とプレキャスト壁体40との間の応力伝達は十分に行われる。
芯材50は、基礎構造20および4段に積まれたプレキャスト壁体40を連結する役割を有する。芯材50は、基礎構造20および4段に積まれたプレキャスト壁体40を連結するのに十分な断面力伝達能力を有していれば、その材質や形状は特には限定されないが、具体的には例えば鋼管を用いることができる。また、具体的には例えば、鋼板からビルドアップして製作された鋼材または形鋼を用いることもできる。鋼板からビルドアップして製作された鋼材や形鋼を芯材50に用いる場合、その断面形状も特には限定されないが、例えば断面がH形のものを用いることもできる。また、芯材50は、1つの部材のみで形成されていなくてもよく、想定される断面力の伝達を十分になすことができるのであれば、複数の部材を溶接や機械的な接合により連結させたものであってもよい。
なお、図1に示すように、基礎構造20は、その下面に、プレキャスト壁体40の略法線方向に延びる、下方に突出した突出部30を有しており、該突出部30はプレキャスト壁体40の下方に位置している。この突出部30は、本実施形態に係る重力式防潮堤10が大津波等の外力を受けた際、滑動を防止する機能を発揮する。
また、以上説明した本実施形態に係る重力式防潮堤10においては、プレキャスト壁体40を鉛直方向に4段積むように構成したが、プレキャスト壁体40を積む段数は4段に限定されているわけではなく、設置する場所や要求される性能等に応じて、1〜3段にしてもよく、あるいは5段以上にしてもよい。
以上、本実施形態に係る重力式防潮堤10についての説明を一通り行ったが、本実施形態に係る重力式防潮堤10においては、その基礎構造20が内部に種々の鉄筋を備えていて、現場打ちコンクリート22が強固に一体化されていて、現場打ちコンクリート22が構造部材として機能するようになっている点に大きな特徴があるので、本実施形態に係る重力式防潮堤10の基礎構造20についてさらに詳細に説明する。
図4〜図7は、基礎構造20内に配置されている鉄筋の状態を示す図面であり、図4は上方から見た基礎構造20の平面図であり、図5は法直方向から見た基礎構造20の側面図であり、図6は法線方向から見た基礎構造20の側面図であり、図7は法線方向から見た基礎構造20の一部を拡大して示す拡大鉛直断面図である。
図4〜図7に示すように、基礎構造20は、その内部にさらに、略長方形状に閉じた第1、第2の帯鉄筋32、34をそれぞれ複数有しており、第1の帯鉄筋32は、第1の帯鉄筋32を含む平面が、プレキャスト壁体40の法線方向と略平行な略鉛直面となるように配置されており、第2の帯鉄筋34は、第2の帯鉄筋34を含む平面が、プレキャスト壁体40の法線方向と略直交するように配置されている。
また、図5に示すように、略長方形状に閉じた第1の帯鉄筋32の長辺の延びる方向は略水平方向であり、短辺の延びる方向は略鉛直方向であり、第1の帯鉄筋32は、第1の帯鉄筋32を含む平面で基礎構造20を切断して得られる略長方形の切断面の4辺に沿うように基礎構造20の内部に配置されている。また、第1の帯鉄筋32は、略法直方向に所定のピッチA(例えば、300mm)で複数配置されている。なお、第1の帯鉄筋32は、端部にフックのある複数の鉄筋および重ね継手等の鉄筋継手を組み合わせて構成することができる。もちろん1本の鉄筋で第1の帯鉄筋32を構成するようにしてもよい。
また、図6に示すように、略長方形状に閉じた第2の帯鉄筋34の長辺の延びる方向は略水平方向であり、短辺の延びる方向は略鉛直方向であり、第2の帯鉄筋34は、第2の帯鉄筋34を含む平面で基礎構造20を切断して得られる略長方形の切断面の4辺に沿うように基礎構造20の内部に配置されている。また、第2の帯鉄筋34は、略法線方向に所定のピッチB(例えば、200mm)で複数配置されている。なお、第2の帯鉄筋34は、端部にフックのある複数の鉄筋および重ね継手等の鉄筋継手を組み合わせて構成することができる。もちろん1本の鉄筋で第2の帯鉄筋34を構成するようにしてもよい。
また、第1の帯鉄筋32は、法直方向から見てその内部に水平方向骨格部材28を含むように配置されており、第2の帯鉄筋34は法線方向から見てその内部に水平方向骨格部材28を含むように配置されている。
第1の帯鉄筋32の上辺の鉄筋を第1の鉄筋32Aとし、第1の帯鉄筋32の下辺の鉄筋を第1の鉄筋32Bとすると、基礎構造20は、水平方向骨格部材28の上端よりも上方に位置して略法線方向に延びる第1の鉄筋32Aを略法直方向に所定のピッチA(例えば、300mm)で複数備え、水平方向骨格部材28の下端よりも下方に位置して略法線方向に延びる第1の鉄筋32Bを略法直方向に所定のピッチA(例えば、300mm)で複数備えていることになる。
また、第2の帯鉄筋34の上辺の鉄筋を第2の鉄筋34Aとし、第2の帯鉄筋34の下辺の鉄筋を第2の鉄筋34Bとすると、基礎構造20は、水平方向骨格部材28の上端よりも上方に位置して略法直方向に延びる第2の鉄筋34Aを略法線方向に所定のピッチB(例えば、200mm)で複数備え、水平方向骨格部材28の下端よりも下方に位置して略法直方向に延びる第2の鉄筋34Bを略法線方向に所定のピッチB(例えば、200mm)で複数備えていることになる。
また、水平方向骨格部材28の上端よりも上方に位置する複数の第1の鉄筋32Aは水平方向骨格部材28の下端よりも下方に位置する複数の第1の鉄筋32Bと略鉛直方向にそれぞれ対向するように略平行に配置されており、水平方向骨格部材28の上端よりも上方に位置する複数の第2の鉄筋34Aは水平方向骨格部材28の下端よりも下方に位置する複数の第2の鉄筋34Bと略鉛直方向にそれぞれ対向するように略平行に配置されている。
そのため、水平方向骨格部材28の上端よりも上方に位置する第1の鉄筋32Aと水平方向骨格部材28の上端よりも上方に位置する第2の鉄筋34Aとの交点Xの略鉛直方向の下方には、水平方向骨格部材28の下端よりも下方に位置する第1の鉄筋32Bと水平方向骨格部材28の下端よりも下方に位置する第2の鉄筋34Bとの交点Yが位置している。
また、基礎構造20は、両端部にフック36A、36Bを有する第3の鉄筋36をその長手方向が略鉛直方向となるように内部に複数備えていて、第3の鉄筋36は、その上端部のフック36Aが、交点Xにおいて、第1の鉄筋32Aおよび第2の鉄筋34Aに引っ掛けられ、かつ、その下端部のフック36Bが、交点Yにおいて、第1の鉄筋32Bおよび第2の鉄筋34Bに引っ掛けられて配置されている。第3の鉄筋36はせん断補強鉄筋として機能する。
また、基礎構造20には、法直方向と略平行な側面の近傍に、長手方向が略法直方向となるように用心鉄筋38が配置されており、法線方向と略平行な側面の近傍に、長手方向が略法線方向となるように用心鉄筋39が配置されている。用心鉄筋38、39は、基礎構造20の側面にひび割れが発生することを抑制する。
基礎構造20は、現場打ちコンクリート22を用いて形成されているが、以上説明したように、基礎構造20の内部には、水平方向骨格部材28、第1の帯鉄筋32(第1の帯鉄筋32には第1の鉄筋32A、32Bが含まれる)、第2の帯鉄筋34(第2の帯鉄筋34には第2の鉄筋34A、34Bが含まれる)、第3の鉄筋36(せん断補強鉄筋として機能する)、および用心鉄筋38、39が配置されていて、基礎構造20の現場打ちコンクリート22は強固に一体化されており、現場打ちコンクリート22が構造部材として機能するようになっていて、現場打ちコンクリート22の重量を本実施形態に係る重力式防潮堤10の躯体重量として算入することができるようになっている。この点が本実施形態に係る重力式防潮堤10の大きな特徴となっている。
ここで、重力式ではない堤体として、プレキャストフーチングおよびプレキャスト壁体を用いた杭式の堤体が公知の技術(例えば、特許第5339001号)として存在しており、この公知技術である杭式の堤体において、プレキャストフーチング同士の間を現場打ちコンクリートで埋める場合があるが、この現場打ちコンクリートは洗掘の防止を主目的としてプレキャストフーチング同士の間に配置されており、杭式の堤体の構造部材としては機能しておらず、杭式の堤体の躯体重量として算入することはできない。
一方、本実施形態に係る重力式防潮堤10においては、前述したように、プレキャスト壁体40の下方に位置する基礎構造20を形成する現場打ちコンクリート22が構造部材として機能するようになっており、現場打ちコンクリート22の全重量を重力式防潮堤10の躯体重量として算入することができるようになっている。このため、本実施形態に係る重力式防潮堤10の上部構造を構成するプレキャスト壁体40の重量を大きくしなくても(前述したように、本実施形態に係る重力式防潮堤10において、プレキャスト壁体40と基礎構造20との連結は工夫された連結構造を採用しており、最下段のプレキャスト壁体40についても上段のプレキャスト壁体40と比べて壁厚を厚くすることは不要となっており、また、プレキャスト壁体40は、壁体さや管44を設ける両端部のみ壁厚が厚くなっているので、上部構造を構成するプレキャスト壁体40の合計重量は大きくはなっていない。)、本実施形態に係る重力式防潮堤10は、重力式防潮堤としての機能を十分に発揮することができるようになっている。
即ち、本実施形態に係る重力式防潮堤10においては、現場打ちコンクリート22が構造部材として機能するように工夫することにより、現場打ちコンクリート22の全重量を重力式防潮堤10の躯体重量として算入することができるようになっており、このため、重力式防潮堤10の上部構造を構成するプレキャスト壁体40の重量を大きくしなくても、重力式防潮堤としての機能を発揮できるようになっている。したがって、本実施形態に係る重力式防潮堤10においては、プレキャスト壁体40の重量を小さく抑えることができるため、重力式防潮堤であっても、上部構造にプレキャスト壁体を採用しやすくなっている(プレキャスト壁体40の重量を小さく抑えることができず、プレキャスト壁体40の重量が大きくなると、プレキャスト壁体40を吊り上げて設置する際の施工性が悪くなるため、上部構造にプレキャスト壁体を採用しにくくなる。)。
換言すれば、本実施形態に係る重力式防潮堤10は、重力式防潮堤であっても、上部構造の重量を大きくする必要がないため、上部構造へのプレキャスト壁体の採用を促進することができ、これにより生コン使用量の低減に寄与することができる。
次に、重力式防潮堤10の設置手順の一例について説明する。ここまでの重力式防潮堤10についての説明では、プレキャスト壁体40を4段に積んだものとして説明を行ってきたが、以降の重力式防潮堤10の設置手順の一例についての説明では、プレキャスト壁体40を3段に積むものとして説明を行う。重力式防潮堤10を設置する際には、例えば、次のような手順で施工を行うことができる。
(1)重力式防潮堤10の設置予定地点において、重力式防潮堤10の設置に支障となる既設物の撤去を行う。
(2)重力式防潮堤10の設置予定地点に捨てコンクリート80を敷設する(図8参照)。
(3)ダイヤフラム27を介して連結された突出さや管26と水平方向骨格部材28(図3参照)を捨てコンクリート80の上に設置する(図9参照)。
(4)基礎構造20内に配置する鉄筋の配筋を行い、型枠82を組む(図10参照)。
(5)生コンを打設して、基礎構造20を構築する(図11参照)。
(6)埋め戻しを行う(図12参照)。
(7)芯材50をクレーン84で吊り上げて、芯材50の設置を行う(図13参照)。
(8)芯材50と該芯材50が差し込まれた突出さや管26との間隙にグラウト材を充填する(図14参照)。
(9)1段目のプレキャスト壁体40を搬入して、クレーン84で吊り上げて、1段目のプレキャスト壁体40の設置を行う(図15参照)。
(10)突出さや管26と該突出さや管26が差し込まれた壁体さや管44との間隙にグラウト材を充填するとともに、1段目のプレキャスト壁体40の壁体さや管44と芯材50との間隙にグラウト材を充填する(図16参照)。
(11)2段目のプレキャスト壁体40を搬入して、クレーン84で吊り上げて、2段目のプレキャスト壁体40の設置を行う(図17参照)。
(12)2段目のプレキャスト壁体40の壁体さや管44と芯材50との間隙にグラウト材を充填する(図18参照)。
(13)3段目のプレキャスト壁体40を搬入して、クレーン84で吊り上げて、3段目のプレキャスト壁体40の設置を行う(図19参照)。
(14)3段目のプレキャスト壁体40の壁体さや管44と芯材50との間隙にグラウト材を充填する(図20参照)。
(15)必要に応じて嵩上げを行う(図21参照)。
なお、充填するグラウト材の材質は、想定される断面力を伝達するのに十分な連結状態が得られて、基礎構造20および3段に積まれたプレキャスト壁体40が十分に一体化されるのであれば特に限定されず、例えば、セメント(モルタル)系グラウト材、ガラス系グラウト材、合成樹脂系グラウト材等を用いることができる。
また、前記の説明では、各段のプレキャスト壁体40を設置するごとにグラウト材の充填を行ったが、プレキャスト壁体40を複数段設置する場合のグラウト材の充填時期は特には限定されず、プレキャスト壁体40を複数段積んだ後に複数段の分のグラウト材を一度に充填してもよい。
以上のように施工することにより、本実施形態に係る重力式防潮堤10を得ることができる。
このような施工を繰り返し行うことにより、複数の重力式防潮堤10を水平方向に連続するように配置(例えば図2参照)して、例えば海岸線に沿って延びる重力式防潮堤を構築することができる。
10…重力式防潮堤
20…基礎構造
22…現場打ちコンクリート
24…上方開口孔
26…突出さや管
27…ダイヤフラム
28…水平方向骨格部材
30…突出部
32…第1の帯鉄筋
32A、32B…第1の鉄筋
34…第2の帯鉄筋
34A、34B…第2の鉄筋
36…第3の鉄筋
36A、36B…フック
38、39…用心鉄筋
40…プレキャスト壁体
42…壁体貫通孔
44…壁体さや管
50…芯材
80…捨てコンクリート
82…型枠
84…クレーン
X、Y…交点

Claims (12)

  1. 現場打ちコンクリートを用いて形成された基礎構造と、
    該基礎構造の上方に配置され、面内方向に貫通する壁体貫通孔を有し、該壁体貫通孔の内面に壁体さや管を有するプレキャスト壁体と、
    前記基礎構造および前記プレキャスト壁体を連結する芯材と、
    を備えた重力式防潮堤であって、
    前記基礎構造は少なくとも上方に開口した上方開口孔を有し、該上方開口孔の内面には前記基礎構造の上面よりも上方の位置まで延伸している突出さや管が備えられ、
    前記プレキャスト壁体の前記壁体さや管には前記突出さや管が差し込まれ、前記突出さや管には前記芯材が差し込まれ、
    前記突出さや管に差し込まれた前記芯材は、前記突出さや管の上端よりも上方に延伸していて前記壁体さや管の内部を挿通して前記プレキャスト壁体の天端付近に達しており、
    前記突出さや管は該突出さや管が差し込まれた前記壁体さや管と一体化しており、前記芯材は該芯材が差し込まれた前記突出さや管および該芯材が挿通する前記壁体さや管と一体化しており、
    前記基礎構造は、その内部に、前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交する略水平方向に水平方向骨格部材を備えていて、
    前記水平方向骨格部材は前記突出さや管と連結されており、
    前記基礎構造は、その内部にさらに、前記プレキャスト壁体の略法線方向に延びる第1の鉄筋を前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交する略水平方向に所定のピッチAで複数備え、前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交する略水平方向に延びる第2の鉄筋を前記プレキャスト壁体の略法線方向に所定のピッチBで複数備えていて、
    前記第1の鉄筋は、前記水平方向骨格部材の上端よりも上方の位置および前記水平方向骨格部材の下端よりも下方の位置の両方にそれぞれ前記所定のピッチAで複数配置されており、前記第2の鉄筋は、前記水平方向骨格部材の上端よりも上方の位置および前記水平方向骨格部材の下端よりも下方の位置の両方にそれぞれ前記所定のピッチBで複数配置されていることを特徴とする重力式防潮堤。
  2. 現場打ちコンクリートを用いて形成された基礎構造と、
    該基礎構造の上方に配置され、面内方向に貫通する壁体貫通孔を有し、該壁体貫通孔の内面に壁体さや管を有する複数のプレキャスト壁体と、
    前記基礎構造および前記複数のプレキャスト壁体を連結する芯材と、
    を備えた重力式防潮堤であって、
    前記基礎構造は少なくとも上方に開口した上方開口孔を有し、該上方開口孔の内面には前記基礎構造の上面よりも上方の位置まで延伸している突出さや管が備えられ、
    前記プレキャスト壁体は、前記壁体貫通孔同士が連結するように鉛直方向に複数積み重ねられ、鉛直方向に複数積み重ねられた前記プレキャスト壁体のうち少なくとも最下段の前記プレキャスト壁体の前記壁体さや管には前記突出さや管が差し込まれ、該突出さや管には前記芯材が差し込まれ、
    前記突出さや管に差し込まれた前記芯材は、前記突出さや管の上端よりも上方に延伸していて前記壁体さや管の内部を挿通して、鉛直方向に複数積み重ねられた前記プレキャスト壁体の最上段の前記プレキャスト壁体の天端付近に達しており、
    前記突出さや管は該突出さや管が差し込まれた前記壁体さや管と一体化しており、前記芯材は該芯材が差し込まれた前記突出さや管および該芯材が挿通する前記壁体さや管と一体化しており、
    前記基礎構造は、その内部に、前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交する略水平方向に水平方向骨格部材を備えていて、
    前記水平方向骨格部材は前記突出さや管と連結されており、
    前記基礎構造は、その内部にさらに、前記プレキャスト壁体の略法線方向に延びる第1の鉄筋を前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交する略水平方向に所定のピッチAで複数備え、前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交する略水平方向に延びる第2の鉄筋を前記プレキャスト壁体の略法線方向に所定のピッチBで複数備えていて、
    前記第1の鉄筋は、前記水平方向骨格部材の上端よりも上方の位置および前記水平方向骨格部材の下端よりも下方の位置の両方にそれぞれ前記所定のピッチAで複数配置されており、前記第2の鉄筋は、前記水平方向骨格部材の上端よりも上方の位置および前記水平方向骨格部材の下端よりも下方の位置の両方にそれぞれ前記所定のピッチBで複数配置されていることを特徴とする重力式防潮堤。
  3. 前記水平方向骨格部材の上端よりも上方に位置する複数の前記第1の鉄筋は前記水平方向骨格部材の下端よりも下方に位置する複数の前記第1の鉄筋と略鉛直方向にそれぞれ対向するように略平行に配置されており、前記水平方向骨格部材の上端よりも上方に位置する複数の前記第2の鉄筋は前記水平方向骨格部材の下端よりも下方に位置する複数の前記第2の鉄筋と略鉛直方向にそれぞれ対向するように略平行に配置されていて、前記水平方向骨格部材の上端よりも上方に位置する前記第1の鉄筋と前記水平方向骨格部材の上端よりも上方に位置する前記第2の鉄筋との交点Xの略鉛直方向の下方には、前記水平方向骨格部材の下端よりも下方に位置する前記第1の鉄筋と前記水平方向骨格部材の下端よりも下方に位置する前記第2の鉄筋との交点Yが位置しており、
    前記基礎構造は、両端部にフックを有する第3の鉄筋をその長手方向が略鉛直方向となるように内部に複数備えていて、前記第3の鉄筋は、その両端部の前記フックが、前記交点Xおよび前記交点Yにおいて、前記第1の鉄筋および前記第2の鉄筋に引っ掛けられて配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の重力式防潮堤。
  4. 前記基礎構造は、略長方形状に閉じた第1の帯鉄筋を複数有しており、前記第1の帯鉄筋を含む平面は、前記プレキャスト壁体の法線方向と略平行な略鉛直面であり、前記第1の帯鉄筋を含む前記平面で前記基礎構造を切断した切断面の形状は略長方形であり、略長方形の前記切断面の4辺に沿うように、前記第1の帯鉄筋が配置されており、
    前記第1の帯鉄筋の上辺および下辺の鉄筋はどちらも前記第1の鉄筋であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の重力式防潮堤。
  5. 前記基礎構造は、略長方形状に閉じた第2の帯鉄筋を複数有しており、前記第2の帯鉄筋を含む平面は、前記プレキャスト壁体の法線方向と略直交しており、前記第2の帯鉄筋を含む前記平面で前記基礎構造を切断した切断面の形状は略長方形であり、略長方形の前記切断面の4辺に沿うように、前記第2の帯鉄筋が配置されており、
    前記第2の帯鉄筋の上辺および下辺の鉄筋はどちらも前記第2の鉄筋であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の重力式防潮堤。
  6. 前記突出さや管の部位のうち前記基礎構造に埋め込まれた部位の外表面には、略水平方向に突出するようにダイヤフラムが設けられており、該ダイヤフラムに前記水平方向骨格部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の重力式防潮堤。
  7. 前記突出さや管は鋼管であり、前記ダイヤフラムは鋼板であり、前記水平方向骨格部材はI形の鋼材であることを特徴とする請求項6に記載の重力式防潮堤。
  8. 前記芯材は鋼管であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の重力式防潮堤。
  9. 前記芯材は、鋼板からビルドアップして製作された鋼材であるか、または形鋼であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の重力式防潮堤。
  10. 前記突出さや管と該突出さや管が差し込まれた前記壁体さや管との間隙にはグラウト材が充填され、前記芯材と該芯材が差し込まれた前記突出さや管との間隙にはグラウト材が充填され、前記芯材と該芯材が内部を挿通する前記壁体さや管との間隙にはグラウト材が充填されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の重力式防潮堤。
  11. 前記プレキャスト壁体は、その法線方向の両端部の壁厚がそれ以外の部位の壁厚よりも厚くなっており、前記プレキャスト壁体の前記両端部に前記壁体さや管が備えられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の重力式防潮堤。
  12. 前記基礎構造は、その下面に、前記プレキャスト壁体の略法線方向に延びる、下方に突出した突出部を有していることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の重力式防潮堤。
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