JP2942807B2 - 既存rc構造物の耐震補強工法 - Google Patents

既存rc構造物の耐震補強工法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速道路高架橋の
橋脚等の既存RC(鉄筋コンクリート)構造物の耐震補
強工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】橋脚等の既存RC構造物の耐震補強とし
ては、従来、図12に示すような方法が行われている。図
中1は高速道路高架橋の橋脚の中で、部材厚さに比べて
幅が十分大きい壁式橋脚と呼ばれるタイプの橋脚で、下
端にフーチング2が形成されるが、この橋脚1を構成す
る既存コンクリート3の表面を既存鉄筋4である旧帯鉄
筋が露出するまで斫り出す。この斫り出しはコンクリー
ト壁面の全面または後述の貫通孔5の付近のみ行う。
【0003】そして、この既存鉄筋4に直交する方向に
貫通孔5を穿設し、この貫通孔5内に挿通するように補
強用鉄筋6を配置し、型枠を組立て、その外側には増し
厚コンクリート7を打設する。この補強用鉄筋6は中間
帯鉄筋であり、端部を折り曲げ、またはフックとして既
存鉄筋4と係合させる。片側のみ直角またはU字のフッ
クとし、貫通孔5に直棒端の方から挿入し、挿入した
後、貫通孔5から突出する前記直棒端をフック加工する
とよい。
【0004】この中間帯鉄筋としての補強用鉄筋6は内
部コンクリートを横方向に拘束し、また、柱筋(図示せ
ず、橋脚1の縦方向に配置される柱主筋)の座屈を既存
の帯筋を介して抑制する効果がある。
【0005】このように橋脚1に補強用鉄筋6を中間帯
鉄筋として配置することにより、橋脚1に作用する地震
時の繰り返し交番力に対して脆弱的な破壊を抑制し、粘
りのある部材に改良することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記貫通孔5
の形成は削岩機等により行うもので、鉄筋を1本ずつ挿
入するための穴を確保することになり、非常に手間を要
する。また、このような削岩機等による振動の他、既存
コンクリート3の表面の斫りによる粉塵の発生など、周
囲の環境への問題も大きい。
【0007】さらに、穿孔時に既存の鉄筋を傷付けてし
まうおそれもあり、また、貫通孔5は補強用鉄筋6を挿
通後グラウトすることとしているが、狭い水平孔に鉄筋
がある状態でのグラウト注入は困難であり、確実な施工
および確認ができなかった。
【0008】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
するもので、施工の大幅な省力化が図れ、騒音、振動、
粉塵等の環境についても大幅に改善することができ、し
かも、確実な施工が実現できる既存RC構造物の耐震補
強工法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、既存RC構造物に対し、ウォータージェット
により既存鉄筋を切断しないで、鉛直方向にスリットを
設け、このスリットを利用して後施工の補強用鉄筋を既
存鉄筋と組み合わせるように配筋し、かつ、増し厚コン
クリートを打設すること、および、既存RC構造物の既
設コンクリートの表面の洗浄、目粗しもウォータージェ
ットにより行うことを要旨とするものである。
【0010】請求項1記載の本発明によれば、後施工の
補強用鉄筋を配置するためのスリットは鉛直方向に直線
状に形成されるものであり、それぞれを穿孔するのでは
なくそれらをつないだかたちで溝としてスペースを確保
でき、このように上下方向に連続したスリット部分にモ
ルタルやコンクリートなどを充填するため、簡単かつ確
実に充填でき、施工が容易になる。
【0011】また、前記スリットはウォータージェット
により鉄筋を切断することなくコンクリートを除去して
形成でき、既存鉄筋を破損するおそれもない。さらに、
増し厚コンクリートの場合でもそのコンクリート打設と
同時に前記スリット部分を充填できる。
【0012】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、ノズルの回転速度や移動方法を変えること
で、既存RC構造物の既設コンクリートの表面の洗浄、
目粗しもウォータージェットにより同時に行うことがで
き、より施工を容易にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
について詳細に説明する。図1は本発明の既存RC構造
物の耐震補強工法の1実施形態を示す斜視図、図2は要
部の横断平面図で、前記従来例を示す図12と同一構成要
素には同一参照符号を付したものである。
【0014】本実施形態も、既存RC構造物として高速
道路高架橋の橋脚の中で、壁式橋脚と呼ばれるタイプの
橋脚1に耐震補強を施す場合で、橋脚1の下端にはフー
チング2が形成される。
【0015】このような橋脚1では、既存コンクリート
3中にすでに配置されている既存鉄筋4としての帯鉄筋
は、長辺の曲げ剛性が小さく、主鉄筋8の座屈に対する
拘束効果が期待されない。そこで、耐震補強の方法とし
てはこれを中間帯鉄筋により結ぶことで部材の変形性能
を向上させる。
【0016】本発明は橋脚1に対し、図3に示すように
ノズル9から高圧高速水を噴射するウォータージェット
により鉛直方向にスリット10を形成するが、図4に示す
ようにこのウォータージェットは主鉄筋8を含む既存鉄
筋4を破損せずにコンクリートを任意の断面で除去でき
る。
【0017】また、前記スリット10は後述の補強用鉄筋
6としての中間帯鉄筋の配置用スペースとコンクリート
の充填性を考慮して大きさ、幅等を決定して設けるもの
とする。
【0018】さらに同時に、図5に示すようにノズル9
の回転速度や移動方法を変えて既存コンクリート3の表
面の洗浄、目粗しを行う。
【0019】前記スリット10を設けた後で、後施工の補
強用鉄筋6を既存鉄筋4と組み合わせるように配筋する
が、かかる補強用鉄筋6の態様の一例を図6〜図11に示
す。
【0020】図6に示すように、補強用鉄筋6は一端を
フックとし、他端を直角フックとして既存鉄筋4として
の帯鉄筋に係合させるもの、図7に示すように補強用鉄
筋6は図6に示すように配筋した後で現位置曲げ加工機
で直角フック部をフックに曲げ加工して既存鉄筋4に係
合させるもの、図8に示すように補強用鉄筋6は縦向き
のコの字形としてかんざしのように開放端相互を重ね合
わせて縦向きの輪状にして既存鉄筋4に組み合わせるも
の、図9に示すように補強用鉄筋6は水平なコの字形と
して相互から開放端相互を重ね合わせて水平な輪状にし
て既存鉄筋4と組み合わせるもの、図10に示すように補
強用鉄筋6は溶接またはカップラー継手、圧着継手等の
継手構造で接続して水平輪体として既存鉄筋4の閉鎖端
に重ねるもの、図11に示すように補強用鉄筋6は同様に
またはカップラー継手、圧着継手等の継手構造でコ字形
状部材と直線状部材を結合して大きな水平輪体を形成し
て既存鉄筋4に組み合わせるものなどであり、この他に
も色々の形態が考えられる。
【0021】補強用鉄筋6の配筋後はスリット10をモル
タル等の充填コンクリート11でグラウトするが、このグ
ラウト作業はスリット10が上下方向に連続する溝なの
で、開口が大きく、確実かつ容易に行うことができる。
【0022】そして型枠を組み、外側には増し厚コンク
リート7を打設する。なお、前記グラウトをこの増し厚
コンクリート7の打設でのコンクリート充填で、同時施
工であるとしてもよい。
【0023】
【発明の効果】以上述べたように本発明の既存RC構造
物の耐震補強工法は、後施工の補強用鉄筋を配置するた
めのスリットは鉛直方向に直線状に形成されるものであ
り、それぞれを穿孔するのではなくそれらをつないだか
たちで溝としてスペースを確保でき、このように上下に
連続した開口の大きな溝にモルタルなどを充填するた
め、施工の大幅な省力化が図れ、また、騒音、振動、粉
塵等の環境についても大幅に改善することができるもの
である。
【0024】また、ウォータージェットにより鉄筋を切
断することなくコンクリートを除去して形成でき、既存
鉄筋を破損するおそれもなく、確実な施工が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の既存RC構造物の耐震補強工法の1実
施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の既存RC構造物の耐震補強工法の1実
施形態を示す要部の横断平面図である。
【図3】ウォータージェットの説明図である。
【図4】本発明の既存RC構造物の耐震補強工法のウォ
ータージェットでのスリット形成の施工過程を示す斜視
図である。
【図5】本発明の既存RC構造物の耐震補強工法のウォ
ータージェットでの既設コンクリートの表面の洗浄、目
粗し形成過程を示す斜視図である。
【図6】後施工の補強用鉄筋を配置の第1例を示す斜視
図である。
【図7】後施工の補強用鉄筋を配置の第2例を示す斜視
図である。
【図8】後施工の補強用鉄筋を配置の第3例を示す斜視
図である。
【図9】後施工の補強用鉄筋を配置の第4例を示す斜視
図である。
【図10】後施工の補強用鉄筋を配置の第5例を示す斜
視図である。
【図11】後施工の補強用鉄筋を配置の第6例を示す斜
視図である。
【図12】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…橋脚 2…フーチング 3…既存コンクリート 4…既存鉄筋 5…貫通孔 6…補強用鉄筋 7…増し厚コンクリート 8…主鉄筋 9…ノズル 10…スリット 11…充填コンクリート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 玲子 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 合津 信貞 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 吉永 勝 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 鈴木 章夫 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04G 23/02 B26F 3/00 B28D 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存RC構造物に対し、ウォータージェ
    ットにより既存鉄筋を切断しないで、鉛直方向にスリッ
    トを設け、このスリットを利用して後施工の補強用鉄筋
    を既存鉄筋と組み合わせるように配筋し、かつ、増し厚
    コンクリートを打設することを特徴とする既存RC構造
    物の耐震補強工法。
  2. 【請求項2】 既存RC構造物の既設コンクリートの表
    面の洗浄、目粗しもウォータージェットにより行う請求
    項1記載の既存RC構造物の耐震補強工法。
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