JP6017302B2 - 構築物及びその構築方法 - Google Patents
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Description
このとき、前記構築物、特に地中構造物からなる構築物を構築する際には、計画路面の設定後に、この計画路面部分に地盤を形成(掘削により「現出」と換言することもできる。)し、この地盤上に上部を閉塞して中空状の連絡空間を現出させ、この閉塞される連絡空間の上部に覆土及び路面形成を行って盛土部を形成し、前記構築物を構築している。
そして、前記盛土部の上面を上述した計画路面とし、この計画路面を道路や電車などの一の路線として使用する一方、前記連絡空間の底面を他の路線として使用し、立体交差する地中構造物からなる構築物を実現している。
なお、「地盤」とは、一般的な「地面」と解釈されるものであるが、この地中構造物からなる構築物の場合には、地表面である計画路面からある程度掘削して現出させた部分を想定している。
しかし、地盤の厚みが大なる場合には、長尺かつ堅固な基礎杭を使用して施工する必要があり、施工費用が嵩んで経済的に不利であるという不都合がある。
また、地盤が沈下するという不具合が発生した際には、基礎杭によって剛性を向上させた構築物の基礎部分には影響はないが、この構築物の基礎部分を除く周囲の補強土擁壁部分のみが沈下してしまうため、構築物の上面、つまり盛土部の上面に段差が形成されてしまい、路線として使用することができないという不都合がある。
しかし、ボックスタイプの前記連絡空間現出部204の沈下を防止するためには、前記深層混合処理土壌部203のさらなる地盤改良や、前記連絡空間現出部204の底部に大規模な杭基礎が必要となってしまい、地盤改良や杭基礎打設に長期間の工期を要するとともに、多大な工費も必要となるという不都合がある。
また、地盤上に上部を閉塞して中空状の連絡空間を現出させるとともに、この閉塞される連絡空間の上部に覆土と路面とを形成した盛土部を備える地中構造物からなる構築物を構築する構築物の構築方法において、前記地盤表面に浅層改良を施して浅層改良土壌部を設ける作業工程と、この浅層改良土壌部上に土嚢または鋼性枠による壁面を有した一対の対向する補強土擁壁を夫々設ける作業工程と、これらの補強土擁壁間の上部に頂版と左右の縦壁とを備える「π(パイ)型」一体構造の連絡空間現出部を架設して前記浅層改良土壌部上に上部を閉塞した中空状の連絡空間を現出させる作業工程と、前記連絡空間現出部の上部に前記覆土と前記路面とを夫々形成する作業工程とを備えることを特徴とする。
(1)構築物(「躯体」ともいう。)施工量が少なく、材料費や人件費などの削減が図れるため、経済性に優れている。
(2)連絡空間現出部の頂版や縦壁の寸法を変更できる「π(パイ)型」の一体化構造とすることによって連絡空間の大型化を図ることが可能なため、設計の自由度が高い。
(3)連絡空間現出部を頂版と縦壁とからなる「π(パイ)型」の一体化構造としたため、地盤及び背面盛土の変形に追従することが可能である。
(4)構築物の構成材料がコンクリート及び型枠、鉄筋、支保工と工種を少なくしたため、構築物の施工が容易である。
(5)補強土擁壁の先行施工により、構築物の背面土の沈下促進後に「π型」の連絡空間現出部の頂版を施工するため、施工後の盛土部の沈下が少なく、構築物の維持管理性に優れている。
(6)連絡空間現出部の頂版において、縦壁から突出する部位の寸法、いわゆるそで長さを変更すれば、前記補強土擁壁に作用する鉛直荷重の増減が可能なため、前記頂版のそで長さの下方に位置する補強土擁壁の強度や補強材である土嚢または鋼性枠による壁面の配置状態を任意に設定することが可能である。
図1において、1は地中構造物からなる構築物である。
この構築物1は、図1に示す如く、地盤2上に上部を閉塞して中空状の連絡空間3を現出させるとともに、この閉塞される連絡空間3の上部に盛土部4を設けている。
このとき、この盛土部4は、前記連絡空間3の上部に形成する覆土5と、この覆土5の上面に形成する路面(「As舗装」ともいう。)6とからなる。
また、前記第1、第2壁面部8、9の積層高さにおいても、現出予定の前記連絡空間3の高さ寸法に合致させて積層する土嚢または鋼性枠の個数を変更することが可能である。
なお、土嚢の中詰材や鋼性枠の裏込め材には、せん断強度が大きく、圧縮性の小さい礫等の地盤材料を用いる。
更に、前記第1、第2補強土擁壁10、11においては、上述した前記第1、第2壁面部8、9の積層高さに合致させるように、形成すればよいものである。
詳述すれば、前記構築物1は、道路や電車などの路線として機能させるための一の路線である計画路面16を設定した際に、この計画路面16に対して他の路線として機能させるための交差する中空状の前記連絡空間3を前記計画路面16の下方に現出させて立体交差とする場合に構築されるものである。
前記地盤2は、前記計画路面16の設定後に、この計画路面16部分を図示しない掘削装置にて掘削して現出される部分を前提としている。
また、前記連絡空間現出部12は、平板状の頂版13とこの頂版13の端部から所定寸法だけ離間した位置に形成した左右の第1、第2縦壁14、15とを備える、いわゆる「π(パイ)型」の一体化構造とする。
このとき、この発明の第1実施例においては、図1に示す如く、前記連絡空間現出部12の前記第1、第2縦壁14、15の鉛直方向の寸法を前記第1、第2壁面部8、9よりも小とし、前記第1、第2縦壁14、15を下方から夫々支持する一方、前記第1、第2壁面部8、9を内側から保護する第1、第2保護壁17、18を設けている。
このとき、構造的に強度を向上させるために、第1、第2縦壁を前記第1、第2補強土擁壁10、11の壁面と一体となるように、コンクリートの現場打ちを行う。
また、前記連絡空間現出部12の第1、第2縦壁14、15の鉛直方向の寸法が前記第1、第2壁面部8、9よりも小なる場合には、前記第1、第2縦壁14、15を下方から夫々支持する一方、前記第1、第2壁面部8、9を内側から保護する第1、第2保護壁17、18を設ける作業工程を追加する。
(A)前記構築物1下方の地盤2上に浅層改良によって前記浅層改良土壌部7を形成する作業工程(「A作業工程」または「ステップ1」ともいう。)
(B)前記浅層改良土壌部7上に第1、第2壁面部8、9と第1、第2補強土擁壁10、11とを夫々設ける作業工程(「B作業工程」または「ステップ2」ともいう。)
(C)前記第1、第2補強土擁壁10、11間の上部に前記連絡空間現出部12を架設する作業工程(「C作業工程」または「ステップ3」ともいう。)
(D)前記連絡空間現出部12の上部に前記盛土部4の覆土5を形成する作業工程(「D作業工程」または「ステップ4」ともいう。)
(E)前記連絡空間現出部12において、前記第1、第2縦壁14、15の下方に前記第1、第2保護壁17、18を形成する作業工程(「E作業工程」または「ステップ5」ともいう。)
(F)前記覆土5の上面に前記盛土部4の路面6を形成する作業工程(「F作業工程」または「ステップ6」ともいう。)
そして、これらの第1、第2壁面部8、9の外側、つまり前記連絡空間3側に第1、第2補強土擁壁10、11を夫々設ける。
これらの第1、第2補強土擁壁10、11を設ける作業は、<GRSの造成>と換言できる。
このとき、前記連絡空間現出部12の左右の第1、第2縦壁14、15を前記第1、第2壁面部8、9の内側に位置させるように前記連絡空間現出部12を架設する。
そして、前記第1、第2補強土擁壁10、11間の上部を前記連絡空間現出部12によって閉塞し、中空状の前記連絡空間3を現出させている。
このとき、前記覆土5は、前記連絡空間現出部12の頂版13の上面から約1.0m程度以上としている。
そして、前記覆土5を形成する際には、前記連絡空間現出部12の頂版13の上面の外周部位から外側部分に第1作業順によって第1覆土5−1を形成する一方、前記連絡空間現出部12の頂版13の上面、かつ、前記第1覆土5−1の内側部分第2作業順によって第2覆土5−2を形成している。
つまり、前記連絡空間現出部12の上面に、前記覆土5を形成した後に路面6を形成して盛土部4を形成し、前記構築物1の構築を完成させる。
この基本条件の確認の処理(102)の後に、設計条件の設定の処理(103)に移行する。
設計条件の設定の処理(103)の後には、前記連絡空間現出部12の頂版13の設計の処理(104)に移行する。
この前記連絡空間現出部12の頂版13の設計の処理(104)においては、頂版13に使用する材料の設定や長さ、幅、厚みなどを設定する。
そして、前記連絡空間現出部12の頂版13の設計の処理(104)の後に、頂版13のそで部の反力計算の処理(105)に移行する。
この頂版13のそで部の反力計算の処理(105)においては、平板状の頂版13とこの頂版13の端部から所定寸法だけ離間した位置に形成した左右の第1、第2縦壁14、15とを備える前記連絡空間現出部12の寸法から、頂版13の端部から第1、第2縦壁14、15までの「そで部」の反力計算を行う。
なお、前記連絡空間現出部12においては、本体の寸法変更のみでなく、頂版13下面から前記盛土部4の路面6上面までの距離である土被りの寸法や、第1、第2縦壁14、15間の距離である「内空幅」の寸法などによって、応力度やたわみが変化するものである。
また、頂版13のそで部の反力計算の処理(105)の後には、概略GRS、つまり前記第1、第2補強土擁壁10、11配置検討の処理(106)に移行し、その後に、一般的なGRS、つまり前記第1、第2補強土擁壁10、11の配置であるか否かの判断(107)に移行する。
この一般的な第1、第2補強土擁壁10、11の配置であるか否かの判断(107)においては、施工時の安定性は確保できているか否かの判断を行っている。
そして、この一般的な第1、第2補強土擁壁10、11の配置であるか否かの判断(107)において、判断(107)がYESの場合には、設計荷重の設定(常時・地震時)の処理(108)に移行する。
一般的な第1、第2補強土擁壁10、11の配置であるか否かの判断(107)がNOの場合には、前記第1、第2補強土擁壁10、11の配置見直しの処理(109)に移行し、その後に上述した前記連絡空間現出部12の頂版13の設計の処理(104)に戻る。
更に、設計荷重の設定(常時・地震時)の処理(108)の後に、設計荷重による沈下量・プレロード盛土厚の検討の処理(110)に移行する。
この設計荷重による沈下量・プレロード盛土厚の検討の処理(110)の後には、支持力の検討の処理(111)に移行し、その後に基礎地盤の改良が必要か否かの判断(112)に移行する。
なお、上述の設計荷重による沈下量・プレロード盛土厚の検討の処理(110)からは、常時・地震時に検討が行われる。
この基礎地盤の改良が必要か否かの判断(112)において、判断(112)がYESの場合には、基礎地盤の軟弱地盤対策の処理(113)を行った後に、内的安定の検討(材料・敷設間隔・敷設長)の処理(114)に移行する。
判断(112)がNOの場合には、直接内的安定の検討(材料・敷設間隔・敷設長)の処理(114)に移行する。
そして、この内的安定の検討(材料・敷設間隔・敷設長)の処理(114)後に、外的安定の検討(滑動・転倒・支持力)の処理(115)を行い、所定の安定性を確保できるか否かの判断(116)に移行する。
この所定の安定性を確保できるか否かの判断(116)において、判断(116)がYESの場合には、全体安定の検討(基礎地盤を含む円弧すべりの安定検討)の処理(117)に移行する。
判断(116)がNOの場合には、前記第1、第2補強土擁壁10、11の配置見直しの処理(118)に移行し、その後に上述した外的安定の検討(滑動・転倒・支持力)の処理(115)に戻る。
また、全体安定の検討(基礎地盤を含む円弧すべりの安定検討)の処理(117)の後には、所定の安定性を確保できるか否かの判断(119)に移行する。
この所定の安定性を確保できるか否かの判断(119)において、判断(119)がYESの場合には、GRSとRC構造物との一体構造物としての耐震設計か否かの判断(120)に移行する。
判断(119)がNOの場合には、前記第1、第2補強土擁壁10、11の配置見直しの処理(121)に移行し、その後に上述した全体安定の検討(基礎地盤を含む円弧すべりの安定検討)の処理(117)に戻る。
なお、上述した所定の安定性を確保できるか否かの判断(119)までで常時・地震時の検討が終了する。
そして、GRSとRC構造物との一体構造物としての耐震設計か否かの判断(120)において、この判断(120)がNOの場合には、前記第1、第2補強土擁壁10、11の配置見直しの処理(121)に移行し、その後に上述した全体安定の検討(基礎地盤を含む円弧すべりの安定検討)の処理(117)に戻る。
また、GRSとRC構造物との一体構造物としての耐震設計か否かの判断(120)がYESの場合には、構造細目の検討の処理(122)に移行し、その後に前記構築物1の設計用フローチャートのエンド(「終わり」ともいう。)(123)に移行する。
この後、前記B作業工程によって、図4に示す如く、形成した浅層改良土壌部7上に土嚢または鋼性枠による第1、第2壁面部8、9を有した一対の対向する第1、第2補強土擁壁10、11を夫々設ける。
そして、これらの第1、第2壁面部8、9の外側、つまり前記連絡空間3側に第1、第2補強土擁壁10、11を夫々設ける。
また、前記C作業工程によって、図5に示す如く、前記第1、第2補強土擁壁10、11間の上部に前記連絡空間現出部12を架設する。
このとき、前記連絡空間現出部12の左右の第1、第2縦壁14、15を前記第1、第2壁面部8、9の内側に位置させるように前記連絡空間現出部12を架設する。
そして、前記第1、第2補強土擁壁10、11間の上部を前記連絡空間現出部12によって閉塞し、中空状の前記連絡空間3を現出させる。
更に、前記D作業工程によって、図6に示す如く、前記連絡空間現出部12の上部に前記盛土部4の覆土5を形成する。
そして、前記覆土5を形成する際には、前記連絡空間現出部12の頂版13の上面の外周部位から外側部分に第1作業順によって第1覆土5−1を形成する一方、前記連絡空間現出部12の頂版13の上面、かつ、前記第1覆土5−1の内側部分第2作業順によって第2覆土5−2を形成している。
更にまた、前記E作業工程によって、図7に示す如く、前記連絡空間現出部12において、前記第1、第2縦壁14、15を下方から夫々支持するとともに、前記第1、第2壁面部8、9を内側から保護する前記第1、第2保護壁17、18を形成する。
また、前記F作業工程によって、図8に示す如く、前記覆土5の上面に前記盛土部4の路面6を形成する。
つまり、前記連絡空間現出部12の上面に、前記覆土5を形成した後に路面6を形成して盛土部4を形成し、前記構築物1の構築を完成させる。
これにより、以下の効果を奏することができる。
(1)前記構築物1の施工量が少なく、材料費や人件費などの削減が図れるため、経済性に優れている。
(2)前記連絡空間現出部12の頂版13や第1、第2縦壁14、15の寸法を変更できる「π(パイ)型」の一体化構造とすることによって連絡空間の大型化を図ることが可能なため、設計の自由度が高い。
(3)前記連絡空間現出部12を頂版13と第1、第2縦壁14、15とからなる「π(パイ)型」の一体化構造としたため、地盤及び背面盛土の変形に追従することが可能である。
(4)前記構築物1の構成材料がコンクリート及び型枠、鉄筋、支保工と工手を少なくしたため、構築物の施工が容易である。
(5)GRSである前記第1、第2補強土擁壁10、11の先行施工により、前記構築物1の背面土の沈下促進後に「π型」の連絡空間現出部12の頂版13を施工するため、施工後の盛土部の沈下が少なく、構築物1の維持管理性に優れている。
(6)前記連絡空間現出部12の頂版13において、第1、第2縦壁14、15から突出する部位の寸法、いわゆるそで長さを変更すれば、前記第1、第2補強土擁壁10、11に作用する鉛直荷重の増減が可能なため、前記頂版13のそで長さの下方に位置する第1、第2補強土擁壁10、11の強度や補強材である前記第1、第2壁面部8、9の配置状態を任意に設定することが可能である。
(7)RC構造物と背後盛土と一体になっていることから安定性、特に地震時の安定性に優れている。
しかも、構造物の安定性を減ずることなく、構造要素の壁厚と鉄筋量を減らすことができる。
これにより、前記第1、第2保護壁17、18によって、前記第1、第2縦壁14、15を下方から堅固に夫々支持することができるとともに、前記第1、第2壁面部8、9を内側からも確実に保護することができる。
この第2実施例において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
(1)前記構築物21の施工量が少なく、材料費や人件費などの削減が図れるため、経済性に優れている。
(2)前記連絡空間現出部22の頂版23や第1、第2縦壁24、25の寸法を変更することによって連絡空間の大型化を図ることが可能なため、設計の自由度が高い。
(3)前記連絡空間現出部22を頂版23と第1、第2縦壁24、25とからなる「π(パイ)型」の一体化構成としたため、地盤及び背面盛土の変形に追従することが可能である。
(4)前記構築物21の構成材料がコンクリート及び型枠、鉄筋、支保工と工手を少なくしたため、構築物の施工が容易である。
(5)GRSである前記第1、第2補強土擁壁10、11の先行施工により、前記構築物21の背面土の沈下促進後に「π型」の連絡空間現出部22の頂版23を施工するため、施工後の盛土部の沈下が少なく、構築物2の維持管理性に優れている。
(6)前記連絡空間現出部22の頂版23において、第1、第2縦壁24、25から突出する部位の寸法、いわゆるそで長さを変更すれば、前記第1、第2補強土擁壁10、11に作用する鉛直荷重の増減が可能なため、前記頂版23のそで長さの下方に位置する第1、第2補強土擁壁10、11の強度や補強材である前記第1、第2壁面部8、9の配置状態を任意に設定することが可能である。
(7)RC構造物と背後盛土と一体になっていることから安定性、特に地震時の安定性に優れている。
しかも、構造物の安定性を減ずることなく、構造要素の壁厚と鉄筋量を減らすことができる。
これにより、延長させて形成した第1、第2縦壁24、25によって、前記第1、第2縦壁14、15を下方から堅固に夫々支持することができるとともに、前記第1、第2壁面部8、9を内側からも確実に保護することができる。
すなわち、複数層構造の浅層改良土壌部を形成する際に、2層の場合には、下層よりも上層の改良度合を高くする、あるいは、3層の場合には、改良度合の低い層を挟むサンドイッチ状とするなどの方策とすることが可能である。
さすれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)浅層改良土壌部に地震などの外的要因が加わって沈下する際に、2層の場合には、下層の変形量に比べて上層の変形量を少なくすることができ、この上層の上面に位置する構築物の全体沈下に寄与し得る。
つまり、沈下の際には、変形量の少ない上層が変形量の多い下層にめり込む状態が起き、上層が比較的形状を維持しつつ沈下することとなるためである。
(2)また、浅層改良土壌部を3層のサンドイッチ状とすれば、中間に位置する改良度合の低い層をクッションとして機能させることが可能である。
このとき、浅層改良土壌部上に構築物が構築されているため、構築物全体の沈下許容構造を維持する構成となっており、構築物全体が沈下することとなり、構築物の上面に段差が形成されるおそれがないものである。
2 地盤
3 連絡空間
4 盛土部
5 覆土
6 路面(「As舗装」ともいう。)
7 浅層改良土壌部
8 第1壁面部
9 第2壁面部
10 第1補強土擁壁
11 第2補強土擁壁
12 連絡空間現出部
13 頂版
14 第1縦壁
15 第2縦壁
16 計画路面
17 第1保護壁
18 第2保護壁
Claims (4)
- 地盤上に上部を閉塞して中空状の連絡空間を現出させるとともに、この閉塞される連絡空間の上部に覆土と路面とを形成した盛土部を備える地中構造物からなる構築物において、前記地盤表面に浅層改良を施して浅層改良土壌部を設け、この浅層改良土壌部上に土嚢または鋼性枠による壁面を有した一対の対向する補強土擁壁を夫々設け、これらの補強土擁壁間の上部に「π(パイ)型」一体構造の連絡空間現出部を架設する際に、平板状の頂版とこの頂版の端部から所定寸法だけ離間した位置に形成した左右の縦壁とを備える前記連絡空間現出部の左右の縦壁を前記土嚢または鋼性枠による壁面の内側に位置させて、前記浅層改良土壌部上に上部を閉塞した中空状の連絡空間を現出させるように形成する一方、前記連絡空間現出部の上部に前記覆土と前記路面とを夫々形成する構成としたことを特徴とする構築物。
- 前記連絡空間現出部の前記縦壁の鉛直方向の寸法が前記土嚢または鋼性枠による壁面よりも小なる場合には、前記縦壁を下方から支持する一方、前記土嚢または鋼性枠による壁面を内側から保護する保護壁を設けることを特徴とする請求項1に記載の構築物。
- 地盤上に上部を閉塞して中空状の連絡空間を現出させるとともに、この閉塞される連絡空間の上部に覆土と路面とを形成した盛土部を備える地中構造物からなる構築物を構築する構築物の構築方法において、前記地盤表面に浅層改良を施して浅層改良土壌部を設ける作業工程と、この浅層改良土壌部上に土嚢または鋼性枠による壁面を有した一対の対向する補強土擁壁を夫々設ける作業工程と、これらの補強土擁壁間の上部に頂版と左右の縦壁とを備える「π(パイ)型」一体構造の連絡空間現出部を架設して前記浅層改良土壌部上に上部を閉塞した中空状の連絡空間を現出させる作業工程と、前記連絡空間現出部の上部に前記覆土と前記路面とを夫々形成する作業工程とを備えることを特徴とする構築物の構築方法。
- 前記連絡空間現出部の縦壁の鉛直方向の寸法が前記土嚢または鋼性枠による壁面よりも小なる場合には、前記縦壁を下方から支持する一方、前記土嚢または鋼性枠による壁面を内側から保護する保護壁を設ける作業工程を追加することを特徴とする請求項3に記載の構築物の構築方法。
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JP2014125761A (ja) | 2014-07-07 |
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