以下では、図1を用いて、本発明に係る電力供給システムの第一実施形態である電力供給システム100の構成について説明する。
電力供給システム100は、建築物(本実施形態においては住宅)に設けられ、商用電源90が停電時において、蓄電装置12の自立運転が行われるものである。電力供給システム100は、主として一般分電盤10と、蓄電装置12と、連系ブレーカ13と、第一リレー14と、重要負荷15と、分岐ブレーカ16と、第二リレー17と、オーディオルーム18と、第三リレー19と、自立出力ブレーカ20と、第四リレー21と、第五リレー22と、電力経路と、を具備する。なお、前記電力経路には、第一電力経路31と、第二電力経路32と、第三電力経路33と、第四電力経路34と、第五電力経路35と、が含まれる。
一般分電盤10は、商用電源90から供給された電力を一般負荷10aへと分配するものである。
一般負荷10aとは、住宅において電力が消費される電化製品等に接続される回路であって、商用電源90が停電時において電力を供給する必要性が低いものである。例えば、一般負荷10aには、住宅のリビング以外の部屋の照明等が接続される。なお、本実施形態において、住宅の負荷(家庭内負荷)には、一般負荷10aの他に、後述する重要負荷15や、オーディオルーム18が含まれる。
第一電力経路31は、電力を流通させるための経路である。第一電力経路31は、導線等で構成される。第一電力経路31の一側は、商用電源90に接続される。第一電力経路31の他側は、一般分電盤10に接続される。第一電力経路31の中途部には、商用電源90から供給された電力を検出する電力センサ45が設置される。
蓄電装置12は、商用電源90から供給された電力を充電したり、当該蓄電装置12に充電された電力を放電したりする装置である。蓄電装置12には、第一電力経路31、一般分電盤10及び第二電力経路32を介して商用電源90からの電力が供給される。蓄電装置12は、主として蓄電池25と、パワコン26と、を具備する。
蓄電池25は、電力を充放電可能に構成されるものである。蓄電池25は、主としてリチウムイオン電池等により構成される。
パワコン26は、蓄電池25の充放電を制御するもの(パワーコンディショナ)である。パワコン26は、蓄電装置12の内部で、所定の電力経路を介して蓄電池25に接続される。
このように構成された蓄電装置12は、商用電源90と連系する連系運転と、商用電源90と連系しない自立運転と、の2つの運転が行われる。蓄電装置12は、自立運転が行われると、蓄電池25に充電された電力を、パワコン26から出力(供給)することができる。
また、蓄電装置12は、第一電力経路31に設置された電力センサ45に接続され、当該電力センサ45の検出結果に基づいて停電を検知可能に構成される。こうして、蓄電装置12は、停電を検知した場合に、所定の制御によって自立運転が自動的に行われる。なお、蓄電装置12は、停電が発生した場合に、住宅の居住者による手動の操作によって自立運転を行うこともできる。
第二電力経路32は、電力を流通させるための経路である。第二電力経路32は、導線等で構成される。第二電力経路32の一側は、一般分電盤10に接続される。第二電力経路32の他側は、蓄電装置12(より詳細には、パワコン26)に接続される。第二電力経路32の中途部には、連系ブレーカ13や、第一リレー14が設置される。
連系ブレーカ13は、第二電力経路32の電力の流通を遮断するためのものである。連系ブレーカ13によって第二電力経路32の電力の流通が遮断されると、商用電源90からの電力が蓄電装置12に供給不能な状態となる。
第一リレー14は、電力の流通の可否を切り替えるものである。第一リレー14は、第二電力経路32において、連系ブレーカ13と蓄電装置12との間に設置される。第一リレー14がONに切り替えられると、電力が第一リレー14を流通可能となる。また、第一リレー14がOFFに切り替えられると、電力が第一リレー14を流通不能となる。
重要負荷15は、住宅において電力が消費される電化製品等に接続される回路であって、停電時において電力を供給する必要性が一般負荷10aより高いものである。例えば、重要負荷15には、住宅のリビングの照明や、医療機器、冷蔵庫等、常時運転状態とすべき機器が接続される。
第三電力経路33は、電力を流通させるための経路である。第三電力経路33は、導線等で構成される。第三電力経路33の一側は、一般分電盤10に接続される。第三電力経路33の他側は、重要負荷15に接続される。第三電力経路33の中途部には、分岐ブレーカ16や、第二リレー17が設置される。
分岐ブレーカ16は、第三電力経路33の電力の流通を遮断するためのものである。分岐ブレーカ16によって第三電力経路33の電力の流通が遮断されると、商用電源90からの電力が重要負荷15及びオーディオルーム18に供給不能な状態となる。
第二リレー17は、電力の流通の可否を切り替えるものである。第二リレー17は、第三電力経路33において、分岐ブレーカ16と重要負荷15との間に設置される。第二リレー17がONに切り替えられると、電力が第二リレー17を流通可能となる。また、第二リレー17がOFFに切り替えられると、電力が第二リレー17を流通不能となる。
オーディオルーム18は、アンプやスピーカ等の音響機器を有する部屋(音響空間)である。オーディオルーム18においては、住宅の居住者は、前記音響機器を動作させて音響を楽しむことができる。なお、オーディオルーム18(より詳細には、オーディオルーム18に設けられ、前記音響機器が接続される回路)は、宅内の負荷(家庭内負荷)に含まれる。
第四電力経路34は、電力を流通させるための経路である。第四電力経路34は、導線等で構成される。第四電力経路34の一側は、第三電力経路33の中途部(以下では「第一接点41」と称する)に接続される。第一接点41は、第三電力経路33において分岐ブレーカ16と第二リレー17との間に設けられる。第四電力経路34の中途部には、第三リレー19が設置される。第四電力経路34の他側は、オーディオルーム18に接続される。
第三リレー19は、電力の流通の可否を切り替えるものである。第三リレー19は、第四電力経路34の中途部に設置される。第三リレー19がONに切り替えられると、電力が第三リレー19を流通可能となる。また、第三リレー19がOFFに切り替えられると、電力が第三リレー19を流通不能となる。
第五電力経路35は、電力を流通させるための経路である。第五電力経路35は、導線等で構成される。第五電力経路35の一側は、蓄電装置12(より詳細には、パワコン26)に接続される。
第五電力経路35の他側は中途部44で分岐され、当該分岐した一方(以下では「第五電力分岐経路35a」と称する)が、第三電力経路33の中途部(以下では「第二接点42」と称する)に接続される。第二接点42は、第三電力経路33において第二リレー17と重要負荷15との間に設けられる。
また、前記分岐した他方(以下では「第五電力分岐経路35b」と称する)は、第四電力経路34の中途部(以下では「第三接点43」と称する)に接続される。第三接点43は、第四電力経路34において、第三リレー19とオーディオルーム18との間に設けられる。
また、第五電力経路35の中途部には、自立出力ブレーカ20が設置される。また、第五電力分岐経路35aの中途部には、第四リレー21が設置される。また、第五電力分岐経路35bの中途部には、第五リレー22が設置される。
自立出力ブレーカ20は、第五電力経路35(第五電力分岐経路35a及び第五電力分岐経路35b)の電力の流通を遮断するためのものである。自立出力ブレーカ20によって第五電力経路35(第五電力分岐経路35a及び第五電力分岐経路35b)の電力の流通が遮断されると、蓄電装置12からの電力が重要負荷15及びオーディオルーム18に供給不能な状態となる。
第四リレー21は、電力の流通の可否を切り替えるものである。第四リレー21は、第五電力分岐経路35aの中途部に設置される。第四リレー21がONに切り替えられると、電力が第四リレー21を流通可能となる。また、第四リレー21がOFFに切り替えられると、電力が第四リレー21を流通不能となる。
第五リレー22は、電力の流通の可否を切り替えるものである。第五リレー22は、第五電力分岐経路35bの中途部に設置される。第五リレー22がONに切り替えられると、電力が第五リレー22を流通可能となる。また、第五リレー22がOFFに切り替えられると、電力が第五リレー22を流通不能となる。
制御装置23は、電力供給システム100内の情報を管理し、当該電力供給システム100を構成する各機器を制御するものである。制御装置23は、住宅内に構築されたネットワークを通じて各機器(第一リレー14等の各リレーや、蓄電装置12等)に接続される(不図示)。また、制御装置23は、電力供給システム100内の情報が表示される表示部27を有する。
また、制御装置23は、前記各機器の動作に関する情報を取得すると共に、当該動作を制御することができる。具体的には、制御装置23は、停電の発生を検知することができる。また、制御装置23は、蓄電装置12の運転状態(具体的には、連系運転及び自立運転の何れが行われているか)を検知することができる。また、制御装置23は、連系ブレーカ13等の各ブレーカの状態を検知することができる。また、制御装置23は、第一リレー14等の各リレーの状態を検知することができる。また、制御装置23は、第一リレー14等の各リレーの動作を制御する(ONとOFFとを切り替える)ことができる。
なお、第一リレー14等の各リレーの動作の制御は、当該各リレーを予め設定された3つのブロックに分けて行われる。以下では、前記3つのブロックを、第一ブロックB10と、第二ブロックB20と、第三ブロックB30と、それぞれ称する。
第一ブロックB10には、第一リレー14が含まれる。
第二ブロックB20には、第四リレー21及び第五リレー22が含まれる。第四リレー21及び第五リレー22の動作は、一方がONであると他方がOFFとなる排他的制御が行われる。
第三ブロックB30は、第三ブロックB31と、第三ブロックB32と、に分けられる。
第三ブロックB31は、第四リレー21及び第二リレー17が含まれる。第四リレー21及び第二リレー17の動作は、一方がONであると他方がOFFとなる排他的制御が行われる。
第三ブロックB32は、第五リレー22及び第三リレー19が含まれる。第五リレー22及び第三リレー19の動作は、一方がONであると他方がOFFとなる排他的制御が行われる。
このように、第四リレー21は、第二ブロックB20及び第三ブロックB30(より詳細には、第三ブロックB31)の両方に含まれる。また、第五リレー22は、第二ブロックB20及び第三ブロックB30(より詳細には、第三ブロックB32)の両方に含まれる。
こうして、第二ブロックB20において第四リレー21及び第五リレー22の動作の制御が行われた場合には、当該制御に応じて、第三ブロックB30における各スイッチの動作が制御される。具体的には、第二ブロックB20において第四リレー21及び第五リレー22の動作が制御されると、第三ブロックB30のうち、第三ブロックB31において第二リレー17の動作が制御されると共に、第三ブロックB32において第三リレー19の動作が制御される。
上述の如く構成された電力供給システム100は、電力の供給態様に関して実行可能な種々のモードを有する。前記種々のモードは、住宅の居住者のライフスタイル等に応じて選択される。電力供給システム100は、前記種々のモードのうち一つとして、擬似停電モードを有する。
擬似停電モードとは、停電時でない場合(すなわち、通常時)であっても、擬似的に停電時の状態となって、蓄電装置12の自立運転が行われるモードである。ここで、本実施形態において擬似的な停電時の状態とは、通常時において、蓄電装置12が商用電源90から解列され、当該商用電源90と連系しない状態を指すものである。こうして、擬似停電モードが実行されると、通常時であっても蓄電装置12の自立運転が行われ、当該蓄電装置12において蓄電池25に充電された電力をパワコン26から出力することができる。
以下では、図2から図4を用いて、電力供給システム100における電力の供給態様について説明する。
まず、図2を用いて、通常時にオーディオルーム18が使用されていない場合の、電力供給システム100における電力の供給態様について説明する。
この場合、商用電源90からの電力は、第一電力経路31を介して一般分電盤10に供給される。一般分電盤10においては、商用電源90からの電力が、一般負荷10aに分配(供給)される。
また、第三ブロックB31において、第二リレー17がONに切り替えられ、第二リレー17に電力が流通可能な状態となる。こうして、重要負荷15には、第一電力経路31、一般分電盤10及び第三電力経路33を介して商用電源90からの電力が供給される。
また、第一ブロックB10において、第一リレー14がONに切り替えられ、第一リレー14に電力が流通可能な状態となる。こうして、蓄電装置12には、第一電力経路31、一般分電盤10及び第二電力経路32を介して商用電源90からの電力が供給される。
このように、通常時にオーディオルーム18が使用されていない場合には、一般負荷10a及び重要負荷15に商用電源90からの電力が供給される。また、蓄電装置12は、商用電源90からの電力が充電可能となる。
次に、図3を用いて、通常時にオーディオルーム18が使用されている場合の、電力供給システム100における電力の供給態様について説明する。
この場合、商用電源90からの電力は、第一電力経路31を介して一般分電盤10に供給される。一般分電盤10においては、当該商用電源90からの電力が一般負荷10aに分配(供給)される。
また、第三ブロックB31において、第二リレー17がONに切り替えられ、第二リレー17に電力が流通可能な状態となる。こうして、重要負荷15には、第一電力経路31、一般分電盤10及び第三電力経路33を介して商用電源90からの電力が供給される。
また、第一ブロックB10において、第一リレー14がOFFに切り替えられ、第一リレー14に電力が流通不能な状態となる。すなわち、第一リレー14がOFFに切り替えられると、蓄電装置12は、商用電源90から解列され、当該商用電源90からの電力が供給不能な状態(擬似的な停電時の状態)となる。なお、第一リレー14のONからOFFへの切り替えは、例えばオーディオルーム18を使用する居住者による手動の操作によって行われる。
こうして、通常時において第一リレー14がONからOFFへと切り替えられると、擬似停電モードが実行される。すなわち、蓄電装置12の自立運転が行われ、当該蓄電装置12において蓄電池25に充電された電力をパワコン26から出力することができる。
また、第三ブロックB31において第二リレー17がONに切り替えられた場合、当該第三ブロックB31に含まれる第四リレー21がOFFに切り替えられ、第四リレー21に電力が流通不能な状態となる。また、第四リレー21は第二ブロックB20にも含まれるため、当該第二ブロックB20に含まれる第五リレー22がONに切り替えられ、第五リレー22に電力が流通可能な状態となる。
こうして、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は、第五電力経路35(第五電力分岐経路35b)及び第四電力経路34を介してオーディオルーム18に供給される。こうして、オーディオルーム18を使用する居住者は、自立運転による蓄電装置12から出力された電力を用いて音響機器を動作させ、音響を楽しむことができる。
なお、前述したように、第四リレー21に電力が流通不能な状態であるため、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は重要負荷15へと供給されない。
また、第二ブロックB20において第五リレー22がONに切り替えられた場合、当該第五リレー22は第三ブロックB32にも含まれるため、当該第三ブロックB32に含まれる第三リレー19がOFFに切り替えられ、第三リレー19に電力が流通不能な状態となる。このため、一般分電盤10に供給された商用電源90からの電力は、オーディオルーム18へと供給されない。
このように、通常時にオーディオルーム18が使用されている場合には、一般負荷10a及び重要負荷15に商用電源90からの電力が供給される。また、擬似停電モードが実行され、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力がオーディオルーム18へと供給される。なお、商用電源90からの電力は、オーディオルーム18に供給されない。
ここで、一般負荷10a及び重要負荷15に供給される商用電源90からの電力は、当該一般負荷10a及び重要負荷15に接続される電化製品(例えば、掃除機や、ドライヤー等)の使用に応じて電圧の波形が歪んだり、電圧が変動したり(以下では単に「電圧変動」と称する)する場合がある。そのため、例えば一般負荷10a及び重要負荷15に前記音響機器が接続される場合には、供給される電力が電圧変動するため、当該音響機器の動作が不安定となり、ひいては良好な音響を得難いことになる。
これに対して、本実施形態において擬似停電モードが実行され、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は、オーディオルーム18の音響機器だけに供給され、一般負荷10a及び重要負荷15に接続される電化製品に供給されない。すなわち、オーディオルーム18の音響機器に供給される電力は、電圧変動が少ない電力となる。
こうして、通常時にオーディオルーム18が使用されている場合には、擬似停電モードが実行されることによって、オーディオルーム18の音響機器に電圧変動が少ない電力が供給され、当該音響機器の動作が安定し、ひいては住宅の居住者が良好な音響を楽しむことができる。
次に、図4を用いて、停電時にオーディオルーム18が使用されていない場合の、電力供給システム100における電力の供給態様について説明する。
この場合、商用電源90からの電力は、第一電力経路31を介して一般分電盤10に供給されない。すなわち、一般負荷10aには、商用電源90からの電力が供給されない。
また、第三ブロックB31において、第二リレー17がOFFに切り替えられ、第二リレー17に電力が流通不能な状態となる。また、第三ブロックB31において第二リレー17がOFFに切り替えられた場合、当該第三ブロックB31に含まれる第四リレー21がONに切り替えられ、第四リレー21に電力が流通可能な状態となる。また、第四リレー21は第二ブロックB20にも含まれるため、当該第二ブロックB20に含まれる第五リレー22がOFFに切り替えられ、第五リレー22に電力が流通不能な状態となる。
また、停電が発生すると、連系ブレーカ13によって第二電力経路32の電力の流通が遮断され、蓄電装置12が商用電源90から解列される。こうして、蓄電装置12は自立運転を行って、当該蓄電装置12において蓄電池25に充電された電力をパワコン26から出力することができる。こうして、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は、第五電力経路35(第五電力分岐経路35a)及び第三電力経路33を介して重要負荷15に供給される。
これによって、停電時に住宅の居住者は、重要負荷15に接続された電化製品、すなわち停電時において電力を供給する必要性が高い住宅のリビングの照明や、医療機器、冷蔵庫等を、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力を利用して使用することができる。
なお、前述したように、第五リレー22に電力が流通不能な状態であるため、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は、オーディオルーム18へと供給されない。
以上のように、本発明に係る電力供給システムの一実施形態である電力供給システム100は、
商用電源90から供給された電力を一般負荷10aに分配する一般分電盤10と、
前記一般分電盤10を介して前記商用電源90からの電力が供給される蓄電装置12とを具備し、
前記商用電源90が停電時において前記蓄電装置12の自立運転が行われ、前記蓄電装置12からの電力を供給可能な電力供給システムであって、
ONとOFFとに切り替え可能であり、前記一般分電盤10から前記蓄電装置12への電力の流通の可否を切り替える第一リレー14を具備し、
前記停電時以外の通常時において前記第一リレー14がOFFに切り替えられると、擬似的に前記停電時の状態となって前記蓄電装置12の自立運転が行われる擬似停電モードが実行されるものである。
このような構成により、電圧変動が少ない電力を有効活用することができる。
また、電力供給システム100においては、
前記一般負荷10aとは異なるオーディオルーム18(専用負荷)を具備し、
前記擬似停電モードが実行されると、前記蓄電装置12からの電力を前記オーディオルーム18(専用負荷)に供給し、且つ前記商用電源90からの電力を前記オーディオルーム18(専用負荷)に供給しないものである。
このような構成により、電圧変動が少ない電力を、オーディオルーム18(専用負荷)で有効活用することができる。
また、電力供給システム100においては、
前記停電時においても電力の供給を必要とし、前記一般負荷10a及び前記オーディオルーム18(専用負荷)とは異なる重要負荷15と、
前記蓄電装置12からの電力の供給先を、前記オーディオルーム18(専用負荷)と前記重要負荷15とに切り替え可能な第二ブロックB20(第一の切替ブロック)と、を具備し、
前記停電時において前記蓄電装置12からの電力の供給先が、前記第二ブロックB20(第一の切替ブロック)によって前記オーディオルーム18(専用負荷)から前記重要負荷15に切り替えられるものである。
このような構成により、停電時において、簡易な構成によって蓄電装置12からの電力を重要負荷15に供給することができる。
また、電力供給システム100においては、前記専用負荷は、音響機器を有するオーディオルーム18(音響空間)に設けられるものである。
このような構成により、音響機器の動作を安定させることができる。
以下では、図5を用いて、本発明に係る電力供給システムの第二実施形態である電力供給システム200の構成について説明する。
なお、第二実施形態に係る電力供給システム200において、第一実施形態に係る電力供給システム100と異なる点は、第一リレー14等の各リレーの動作の制御に関する3つのブロックの分け方である。以下では、前記3つのブロックを、第一ブロックB11と、第二ブロックB21と、第三ブロックB30と、それぞれ称する。
第一ブロックB11には、第一リレー14及び第五リレー22が含まれる。第一リレー14及び第五リレー22の動作は、一方がONであると他方がOFFとなる排他的制御が行われる。
第二ブロックB21には、第四リレー21が含まれる。
なお、第三ブロックB30は、第一実施形態に係る電力供給システム100における第三ブロックB30と同様である。
すなわち、第三ブロックB30は、第三ブロックB31と、第三ブロックB32と、に分けられる。
第三ブロックB31は、第四リレー21及び第二リレー17が含まれる。第四リレー21及び第二リレー17の動作は、一方がONであると他方がOFFとなる排他的制御が行われる。
第三ブロックB32は、第五リレー22及び第三リレー19が含まれる。第五リレー22及び第三リレー19の動作は、一方がONであると他方がOFFとなる排他的制御が行われる。
このように、第五リレー22は、第二ブロックB21及び第三ブロックB30(より詳細には、第三ブロックB32)の両方に含まれる。また、第四リレー21は、第二ブロックB21及び第三ブロックB30(より詳細には、第三ブロックB31)の両方に含まれる。
こうして、第一ブロックB11において第一リレー14及び第五リレー22の動作の制御が行われた場合には、当該制御に応じて、第三ブロックB30における各スイッチの動作が制御される。具体的には、第一ブロックB11において第一リレー14及び第五リレー22の動作の制御が行われると、第三ブロックB30のうち、第三ブロックB32において第三リレー19の動作が制御される。
以下では、図6から図9を用いて、電力供給システム200における電力の供給態様について説明する。
なお、以下では、第一実施形態に係る電力供給システム100と異なる点を中心に説明する。
まず、図6を用いて、通常時にオーディオルーム18が使用されていない場合の、電力供給システム200における電力の供給態様について説明する。
この場合、第一実施形態に係る電力供給システム100と同様であり、一般負荷10a及び重要負荷15に商用電源90からの電力が供給される。また、蓄電装置12は、商用電源90からの電力が充電可能となる。
次に、図7を用いて、通常時にオーディオルーム18が使用されている場合の、電力供給システム200における電力の供給態様について説明する。
この場合、第一ブロックB11において、第一リレー14がOFFに切り替えられ、第一リレー14に電力が流通不能な状態となる。すなわち、第一リレー14がOFFに切り替えられると、蓄電装置12は、商用電源90から解列され、当該商用電源90からの電力が供給不能な状態(擬似的な停電時の状態)となる。なお、第一リレー14のONからOFFへの切り替えは、例えばオーディオルーム18を使用する居住者による手動の操作によって行われる。
こうして、通常時において第一リレー14がONからOFFへと切り替えられると、擬似停電モードが実行される。すなわち、蓄電装置12の自立運転が行われ、当該蓄電装置12において蓄電池25に充電された電力をパワコン26から出力することができる。
また、第一ブロックB11において第一リレー14がOFFに切り替えられた場合、当該第一ブロックB11に含まれる第五リレー22がONに切り替えられ、第五リレー22に電力が流通可能な状態となる。
また、通常時には第三ブロックB31に含まれる第四リレー21がOFFに切り替えられ、第四リレー21に電力が流通不能な状態となる。
こうして、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は、第五電力経路35(第五電力分岐経路35b)及び第四電力経路34を介してオーディオルーム18に供給される。こうして、オーディオルーム18を使用する居住者は、自立運転による蓄電装置12から出力された電力を用いて(すなわち、電圧変動が少ない電力を有効活用して)音響機器を動作させて音響を楽しむことができる。
なお、前述したように、第四リレー21に電力が流通不能な状態であるため、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は重要負荷15へと供給されない。
次に、図8を用いて、停電時にオーディオルーム18が使用されていない場合の、電力供給システム200における電力の供給態様について説明する。
この場合、制御装置23が停電の発生を検知すると、第二ブロックB21において第四リレー21がONに切り替えられ、第四リレー21に電力が流通可能な状態となる。また、第四リレー21は第三ブロックB31にも含まれるため、当該第三ブロックB31に含まれる第二リレー17がOFFに切り替えられ、第二リレー17に電力が流通不能な状態となる。
また、通常時に擬似停電モードが実行されていない場合、すなわち第一ブロックB11において第一リレー14がONに切り替えられている場合には、当該第一ブロックB11に含まれる第五リレー22がOFFに切り替えられており、第五リレー22に電力が流通不能な状態となっている。
また、停電が発生すると、連系ブレーカ13によって第二電力経路32の電力の流通が遮断され、蓄電装置12が商用電源90から解列される。こうして、蓄電装置12は自立運転を行って、当該蓄電装置12において蓄電池25に充電された電力をパワコン26から出力することができる。こうして、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は、第五電力経路35(第五電力分岐経路35a)及び第三電力経路33を介して重要負荷15に供給される。
これによって、停電時に住宅の居住者は、重要負荷15に接続された電化製品、すなわち停電時において電力を供給する必要性が高い住宅のリビングの照明や、医療機器、冷蔵庫等を、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力を利用して使用することができる。
なお、前述したように、第五リレー22に電力が流通不能な状態であるため、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は、オーディオルーム18へと供給されない。
また、停電時であっても、簡単な操作によって、オーディオルーム18を使用することができる。具体的には、図9に示すように、図8に示す状態から第一ブロックB11において第一リレー14をOFFに切り替えると、当該第一ブロックB11に含まれる第五リレー22がONに切り替えられ、第五リレー22に電力が流通可能な状態となる。
こうして、停電時の自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は、第五電力経路35(第五電力分岐経路35b)及び第四電力経路34を介してオーディオルーム18に供給される。こうして、オーディオルーム18を使用する居住者は、停電時であっても自立運転による蓄電装置12から出力された電力を用いて音響機器を動作させ、音響を楽しむことができる。
なお、(通常時に)オーディオルーム18を使用している際に停電が発生した場合には、住宅の居住者による手動の操作ではなく、制御装置23の制御によって自動的に第一ブロックB11において第一リレー14をOFFに切り替える構成とすることもできる。
このような構成により、オーディオルーム18を使用する居住者は、停電が発生した場合に、自ら操作を行わなくても、自立運転による蓄電装置12から出力された電力を用いて音響機器の動作を継続させ、通常時から引き続き音響を楽しむことができる。
なお、このような構成とする場合には、制御装置23の表示部27等を用いて、自立運転による蓄電装置12から出力された電力を用いて音響機器の動作を継続させるか否かの選択情報や、蓄電装置12に充電されている電力量(すなわち、音響機器の動作を継続させる場合における継続可能な期間)の情報等を居住者に報知することが望ましい。
以上のように、本発明に係る電力供給システムの一実施形態である電力供給システム200は、
ONとOFFとに切り替え可能であり、前記蓄電装置12から前記オーディオルーム(専用負荷)への電力の流通の可否を切り替える第五リレー22(第二リレー)を具備し、
前記第五リレー22(第二リレー)は、前記第一リレー14と互いに排他的に切り替えられるものである。
このような構成により、停電時であっても、簡単な操作によって蓄電装置12からの電力をオーディオルーム18へと供給することができる。
以下では、図10を用いて、本発明に係る電力供給システムの第三実施形態である電力供給システム300の構成について説明する。
なお、第三実施形態に係る電力供給システム300において、第一実施形態に係る電力供給システム100と異なる点は、第一リレー14等の各リレーの動作の制御に関する3つのブロックの分け方である。以下では、前記3つのブロックを、第一ブロックB12と、第二ブロックB22と、第三ブロックB32と、それぞれ称する。
第一ブロックB12には、第一リレー14が含まれる。
第二ブロックB22には、第二リレー17及び第四リレー21が含まれる。第二リレー17及び第四リレー21の動作は、一方がONであると他方がOFFとなる排他的制御が行われる。
また、第二ブロックB22において、第二リレー17及び第四リレー21は、制御装置23が停電の発生を検知した場合に、当該制御装置23によりONとOFFとが切り替えられる。具体的には、制御装置23が停電の発生を検知していない場合に、第二リレー17がONに切り替えられると共に、第四リレー21がOFFに切り替えられる(図11参照)。また、制御装置23が停電の発生を検知した場合に、第二リレー17がOFFに切り替えられると共に、第四リレー21がONに切り替えられる(図12参照)。
第三ブロックB32には、第三リレー19及び第五リレー22が含まれる。第三リレー19及び第五リレー22の動作は、一方がONであると他方がOFFとなる排他的制御が行われる。
また、第三ブロックB32において、第三リレー19及び第五リレー22は、制御装置23が蓄電装置12の自立運転を検知した場合に、当該制御装置23によりONとOFFとが切り替えられる。具体的には、制御装置23が蓄電装置12の自立運転を検知した場合に、第三リレー19がOFFに切り替えられると共に、第五リレー22がONに切り替えられる(図11及び図12参照)。また、制御装置23が蓄電装置12の自立運転を検知していない場合に、第三リレー19がONに切り替えられると共に、第五リレー22がOFFに切り替えられる(図10参照)。
以下では、図11及び図12を用いて、電力供給システム300における電力の供給態様について説明する。
なお、以下では、第一実施形態に係る電力供給システム100と異なる点を中心に説明する。
次に、図11を用いて、通常時にオーディオルーム18が使用されている場合の、電力供給システム300における電力の供給態様について説明する。
図11に示すように、通常時にオーディオルーム18が使用されている場合には、第一ブロックB12において第一リレー14がOFFに切り替えられ、第一リレー14に電力が流通不能な状態となる。すなわち、第一リレー14がOFFに切り替えられると、蓄電装置12は、商用電源90から解列され、当該商用電源90からの電力が供給不能な状態(擬似的な停電時の状態)となる。
こうして、通常時において第一リレー14がONからOFFへと切り替えられると、擬似停電モードが実行される。すなわち、蓄電装置12の自立運転が行われ、当該蓄電装置12において蓄電池25に充電された電力をパワコン26から出力することができる。
また、擬似停電モードが実行されると、第三ブロックB32において第三リレー19がOFFに切り替えられると共に、第五リレー22がONに切り替えられる。また、通常時においては、制御装置23が停電の発生を検知していないため、第二ブロックB22において第二リレー17がONに切り替えられると共に、第四リレー21がOFFに切り替えられる。
こうして、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は、第五電力経路35(第五電力分岐経路35b)及び第四電力経路34を介してオーディオルーム18に供給される。こうして、オーディオルーム18を使用する居住者は、自立運転による蓄電装置12から出力された電力を用いて(すなわち、電圧変動が少ない電力を有効活用して)音響機器を動作させて音響を楽しむことができる。
なお、前述したように、第二ブロックB22において第四リレー21に電力が流通不能な状態であるため、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は重要負荷15へと供給されない。重要負荷15には、商用電源90からの電力が継続して供給される。
次に、図12を用いて、停電時にオーディオルーム18が使用されている場合の、電力供給システム300における電力の供給態様について説明する。
図12に示すように、停電が発生すると、連系ブレーカ13によって第二電力経路32の電力の流通が遮断され、蓄電装置12が商用電源90から解列される。こうして、蓄電装置12は自立運転を行って、当該蓄電装置12において蓄電池25に充電された電力をパワコン26から出力することができる。
また、自立運転が行われると、第三ブロックB32において第三リレー19がOFFに切り替えられると共に、第五リレー22がONに切り替えられる。また、停電時においては、制御装置23が停電の発生を検知するため、第二ブロックB22において第二リレー17がOFFに切り替えられると共に、第四リレー21がONに切り替えられる。
自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は、第五電力経路35(第五電力分岐経路35b)及び第四電力経路34を介してオーディオルーム18に供給される。こうして、オーディオルーム18を使用する居住者は、自立運転による蓄電装置12から出力された電力を用いて(すなわち、電圧変動が少ない電力を有効活用して)音響機器を動作させて音響を楽しむことができる。
また、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力は、第五電力経路35(第五電力分岐経路35a)及び第三電力経路33を介して重要負荷15に供給される。こうして、停電時に住宅の居住者は、重要負荷15に接続された電化製品、すなわち停電時において電力を供給する必要性が高い住宅のリビングの照明や、医療機器、冷蔵庫等を、自立運転によって蓄電装置12から出力された電力を利用して使用することができる。
このように、電力供給システム300においては、停電時であっても、簡易な構成によって蓄電装置12からの電力を重要負荷15及びオーディオルーム18へと供給することができる。
以上のように、本発明に係る電力供給システムの一実施形態である電力供給システム300は、
前記停電時においても電力の供給を必要とし、前記一般負荷10a及び前記オーディオルーム18(専用負荷)とは異なる重要負荷15と、
前記商用電源90から前記重要負荷15への電力の流通の可否と、前記蓄電装置12から前記重要負荷15への電力の流通の可否とを、前記停電時であるか否かに応じて排他的に切り替える第二ブロックB22(第二の切替ブロック)と、を具備し、
前記第二ブロックB22(第二の切替ブロック)は、前記停電時において、前記商用電源90から前記重要負荷15への電力の流通を不能に切り替えると共に、前記蓄電装置12から前記重要負荷15への電力の流通を可能に切り替えるものである。
このような構成により、停電時において、簡易な構成によって蓄電装置12からの電力を重要負荷15に供給することができる。
また、電力供給システム300においては、前記商用電源90から前記オーディオルーム18(専用負荷)への電力の流通の可否と、前記蓄電装置12から前記オーディオルーム18(専用負荷)への電力の流通の可否とを、前記蓄電装置12の自立運転が行われているか否かに応じて排他的に切り替える第三ブロックB32(第三の切替ブロック)を具備し、
前記第三ブロックB32(第三の切替ブロック)は、前記蓄電装置12の自立運転が行われている場合に、前記商用電源90から前記オーディオルーム18(専用負荷)への電力の流通を不能に切り替えると共に、前記蓄電装置12から前記オーディオルーム18(専用負荷)への電力の流通を可能に切り替えるものである。
このような構成により、停電時において、簡易な構成によって蓄電装置12からの電力をオーディオルーム18(専用負荷)及び重要負荷15に供給することができる。
なお、本実施形態に係る一般分電盤10は、本発明に係る分電盤の一実施形態である。
また、本実施形態に係る第一リレー14は、本発明に係る第一リレーの一実施形態である。
また、本実施形態に係る第五リレー22は、本発明に係る第二リレーの一実施形態である。
また、本実施形態に係るオーディオルーム18は、本発明に係る専用負荷の一実施形態である。
また、本実施形態に係る第二ブロックB20は、本発明に係る切替ブロックの一実施形態である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
なお、本実施形態において電力供給システム100・200・300は住宅に設けられているが、本発明に係る電力供給システムは、住宅だけでなく、店舗やオフィスビル、マンション等、種々の建築物に採用することができる。
また、本実施形態において第一リレー14等の各リレーの動作(具体的には、ONとOFFとの切り替え)は、制御装置23の制御により行われる構成としたが、これに限定するものではない。例えば、第一リレー14等の各リレーの動作は、住宅の居住者による手作業(手動)により行われる構成としてもよい。また例えば、第一リレー14等の各リレーの動作は、連系ブレーカ13等のブレーカの検知に応じて自動的に行われる構成としてもよい。
また、本実施形態に係る制御装置23は、例えば図示せぬホームサーバ等や、蓄電装置12の制御部、住宅に設けられたHEMS等により構成されるものでもよい。
また、本実施形態においてオーディオルーム18は、本発明に係る専用負荷の一実施形態であるが、本発明に係る専用負荷は、オーディオルーム18に限定するものではない。例えば、本発明に係る専用負荷は、医療機器のような電化製品等、電圧変動が少ない電力を有効活用することが所望されるものであればよい。
また、本実施形態において蓄電装置12は、自立運転を行うものであるが、図示せぬ変圧回路や周波数変更回路等を具備し、当該蓄電装置12から自立出力される電力の電圧や周波数を任意に変更可能な構成とすることができる。こうして、蓄電装置12は、オーディオルーム18に設けられて音響機器が接続される回路へと、当該音響機器に応じた最適な電圧や周波数の電力を供給することができる。このような構成により、最適な電圧や周波数の電力を用いて音響装置を動作させ、住宅の居住者が、より良好な音響を楽しむことができる。
このように、本実施形態において電力供給システム100・200・300は、自立運転によって出力される蓄電装置12からの電力の電圧及び/又は周波数を変更する前記変圧回路や周波数変更回路を具備するものである。
このような構成により、自立運転によって出力される蓄電装置12からの電力を使用する場合に、当該電力を最適な電圧や周波数に変更して使用することができる。
また、本発明に係る電力供給システムは、自然エネルギーとして、太陽光、水力、風力、潮力等を利用して発電する発電部や、燃料電池が設けられる構成であってもよい。
なお、上述の如き電力供給システム100・200・300においては、擬似停電モードが実行された場合に、蓄電装置12からの電力の出力が継続し過ぎると、当該蓄電装置12に充電された電力量(残容量)がなくなるおそれがある。このように、蓄電装置12の残容量がなくなると、当該蓄電装置12がエラーとなって動作を停止することになる。そこで、電力供給システム100・200・300においては、擬似停電モードが実行された場合に、蓄電装置12からの電力の出力(すなわち、擬似停電モードの実行)が継続し過ぎるのを抑制するための構成を有することができる。
なお、本実施形態において、蓄電装置12からの電力の出力が継続し過ぎる場合とは、蓄電装置12からの電力の出力を停止させるのが望ましい状態であるにもかかわらず、当該出力が継続している場合を指すものとする。なお、蓄電装置12からの電力の出力を停止させるのが望ましい状態とは、例えば居住者がオーディオルーム18を使用した後に擬似停電モードを終了させるのを失念している場合や、蓄電装置12の残容量が放電に適した量よりも少ない場合等が想定される。
以下では、図13から図16を用いて、蓄電装置12からの電力の出力が継続し過ぎるのを抑制するための構成について説明する。
なお、以下では説明の便宜上、電力供給システム300が前記構成(蓄電装置12からの電力の出力が継続し過ぎるのを抑制するための構成)を有するものとして説明するが、電力供給システム100・200が前記構成を有してもよい。なお、前記構成を有した電力供給システム300を、以下では当該電力供給システム300の別例として「電力供給システム400」と称する。
図13から図15は、電力供給システム300の第一別例としての電力供給システム400の構成を示している。図13に示すように、第一別例に係る電力供給システム400において、電力供給システム300と異なる点は、照明10bと、第六電力経路36と、第六リレー24と、を具備する点、及び第一ブロックB12(以下では「第一ブロックB14」と称する)に第一リレー14と共に第六リレー24が含まれる点である。
照明10bは、オーディオルーム18内で点灯するものである。照明10bは、宅内の負荷(家庭内負荷)に含まれる。照明10bは、後述する第六電力経路36を介して、一般分電盤10から電力が分配(供給)される。
第六電力経路36は、電力を流通させるための経路である。第六電力経路36は、導線等で構成される。第六電力経路36の一側は、照明10bに接続される。第六電力経路36の他側は、一般分電盤10に接続される。第六電力経路36の中途部には、第六リレー24が設置される。
第六リレー24は、電力の流通の可否を切り替えるものである。第六リレー24は、第六電力経路36において、照明10bと一般分電盤10との間に設置される。第六リレー24がONに切り替えられると、電力が第六リレー24を流通可能となる。また、第六リレー24がOFFに切り替えられると、電力が第六リレー24を流通不能となる。
また、第六リレー24は、オーディオルーム18の照明10bの点灯をON・OFFする図示せぬ照明スイッチと連動される。具体的には、前記照明スイッチがONされると、自動的に第六リレー24がONに切り替えられ、照明10bが点灯される。また、前記照明スイッチがOFFされると、自動的に第六リレー24がOFFに切り替えられ、照明10bが消灯される。
第一ブロックB14には、第一リレー14及び第六リレー24が含まれる。第一リレー14及び第六リレー24の動作は、一方がONであると他方がOFFとなる排他的制御が行われる。ここで、第六リレー24の動作は、上述の如く前記照明スイッチと連動される。すなわち、第一リレー14の動作も、第六リレー24の動作と同様に前記照明スイッチと連動されることになる。
以下では、前記第一別例に係る電力供給システム400における電力の供給態様について説明する。
なお、以下では、電力供給システム300と異なる点を中心に説明する。
まず、図14を用いて、通常時にオーディオルーム18が使用される場合の、前記第一別例に係る電力供給システム400における電力の供給態様について説明する。
通常時にオーディオルーム18が使用される場合、オーディオルーム18の照明10bを点灯させるために、居住者によりオーディオルーム18の前記照明スイッチがONされる。こうして、図14に示すように、前記照明スイッチがONされると、第一ブロックB14において第六リレー24がONに切り替えられると共に、第一リレー14がOFFに切り替えられる。
第一リレー14がOFFに切り替えられると、擬似停電モードが実行される。すなわち、蓄電装置12の自立運転が行われ、当該蓄電装置12において蓄電池25に充電された電力をパワコン26から出力することができる。また、第六リレー24がONに切り替えられると、照明10bに(一般分電盤10により分配された)商用電源90からの電力が供給される。
こうして、通常時にオーディオルーム18が使用される場合、居住者は、商用電源90からの電力を用いて照明10bを点灯させると共に、自立運転による蓄電装置12から出力された電力を用いて音響機器を動作させて音響を楽しむことができる。
次に、図15を用いて、図14に示す状態からオーディオルーム18の使用が終了した場合の、前記第一別例に係る電力供給システム400における電力の供給態様について説明する。
オーディオルーム18の使用が終了した場合には、オーディオルーム18の照明10bを消灯させるために、居住者により前記照明スイッチがOFFされる。こうして、図15に示すように、前記照明スイッチがOFFされると、第一ブロックB14において第六リレー24が自動的にOFFに切り替えられると共に、第一リレー14がONに切り替えられる。
第六リレー24がOFFに切り替えられると、照明10bに電力が供給されなくなり、当該照明10bが消灯する。また、第一リレー14がONに切り替えられると、擬似停電モードが終了する。すなわち、蓄電装置12の自立運転が停止され、蓄電装置12は商用電源90と連系することにより当該商用電源90からの電力を充電可能となる。
ここで、オーディオルーム18の使用が終了した場合には、オーディオルーム18の照明10bを消灯させるために、居住者により前記照明スイッチがOFFされるものである。すなわち、このような構成により、居住者がオーディオルーム18を使用した後に擬似停電モードを終了させるのを失念している場合であっても、当該オーディオルーム18の前記照明スイッチのOFFと共に擬似停電モードを終了させることができる。
このように、前記第一別例に係る電力供給システム400においては、オーディオルーム18の照明10bが消灯している場合に、蓄電装置12が商用電源90と連系することにより当該商用電源90からの電力を充電可能としている。こうして、蓄電装置12からの電力の出力が継続し過ぎるのを抑制し、当該蓄電装置12がエラーとなって動作を停止するのを防止することができる。
なお、前記第一別例に係る電力供給システム400においては、第一ブロックB14の第六リレー24が、照明10bへと電力が流通する経路(第六電力経路36)の中途部に配置されると共に前記照明スイッチと連動するものとしたが、この構成に限定するものではない。例えば、第一ブロックB14の第六リレー24が、オーディオルーム18の音響機器へと電力が流通する経路の中途部に配置されると共にオーディオルーム18の音響機器の図示せぬ電源スイッチと連動するものとしてもよい。
ここで、オーディオルーム18の使用が終了した場合には、居住者によりオーディオルーム18の音響機器の前記電源スイッチがOFFされるものである。すなわち、このような構成により、居住者がオーディオルーム18を使用した後に擬似停電モードを終了させるのを失念している場合であっても、当該オーディオルーム18の音響機器の前記電源スイッチのOFFと共に擬似停電モードを終了させることができる。こうして、蓄電装置12からの電力の出力が継続し過ぎるのを抑制し、当該蓄電装置12がエラーとなって動作を停止するのを防止することができる。
また、前記第一別例に係る電力供給システム400においては、第一ブロックB14が第一リレー14と共に第六リレー24を含み、第一リレー14及び第六リレー24は排他的制御が行われるものとしたが、この構成に限定するものではない。例えば、図16に示すように、第一ブロックB14が、第一リレー14のみを含み、当該第一リレー14は特定の機器(以下では「特定機器50」と称する)と連動した制御が行われるものとしてもよい。なお、図16は、電力供給システム300の第二別例としての電力供給システム400の構成を示している。
特定機器50は、宅内に設けられる機器である。本実施形態においては、特定機器50として、例えばオーディオルーム18に設けられた図示せぬ人感センサや、タイマースイッチ、HEMS(Home Energy Management System)等を用いることが想定される。以下にて、より詳細に説明する。
まず、特定機器50として前記人感センサを用いた場合の構成について説明する。
前記人感センサは、オーディオルーム18内に人がいると、当該人の存在を検知し、その検知結果(オーディオルーム18内に人がいるとの検知結果)を出力するものである。前記人感センサの検知結果は、制御装置23に取得される。制御装置23は、前記人感センサの検知結果に応じて第一リレー14の動作を制御する。
具体的には、第一ブロックB14において、第一リレー14は、前記人感センサからオーディオルーム18内に人がいるとの検知結果が出力された場合には、OFFに切り替えられる。また、第一ブロックB14において、第一リレー14は、前記人感センサからオーディオルーム18内に人がいるとの検知結果が出力されない場合には、ONに切り替えられる。このように、第一リレー14の動作は、前記人感センサの検知結果と連動するように構成される。
こうして、居住者がオーディオルーム18内に入ると、前記人感センサからオーディオルーム18内に人がいるとの検知結果が出力されることにより、第一リレー14がOFFに切り替えられ、擬似停電モードが実行される。すなわち、通常時にオーディオルーム18が使用される場合においては、(当該オーディオルーム18内にいる)居住者は、自立運転による蓄電装置12から出力された電力を用いて音響機器を動作させて音響を楽しむことができる。
また、オーディオルーム18の使用が終了した場合には、居住者が当該オーディオルーム18内から退出する。このような場合、前記人感センサからオーディオルーム18内に人がいるとの検知結果が出力されず、第一リレー14がONに切り替えられ、擬似停電モードが終了する。すなわち、蓄電装置12の自立運転が停止され、蓄電装置12は商用電源90と連系することにより当該商用電源90からの電力を充電可能となる。
このような構成により、居住者がオーディオルーム18を使用した後に擬似停電モードを終了させるのを失念している場合であっても、当該オーディオルーム18内からの退出と共に擬似停電モードを終了させることができる。
このように、前記第二別例に係る電力供給システム400においては、オーディオルーム18内に居住者がいない場合に、蓄電装置12が商用電源90と連系することにより当該商用電源90からの電力を充電可能としている。こうして、蓄電装置12からの電力の出力が継続し過ぎるのを抑制し、当該蓄電装置12がエラーとなって動作を停止するのを防止することができる。
なお、前記人感センサの検知結果が制御装置23に取得されるものとしたが、当該制御装置23を経由せず、前記人感センサの検知結果(出力された信号)が第一リレー14に直接入力され、これに応じて第一リレー14の動作が制御されるものとしてもよい。
次に、特定機器50として前記タイマースイッチを用いた場合の構成について説明する。
前記タイマースイッチは、時刻を計時すると共に、予め設定された所定時刻(例えば、毎日午前7時)になると、当該所定時刻になった旨の信号を出力するものである。前記タイマースイッチから出力された信号は、制御装置23に取得される。制御装置23は、前記タイマースイッチから出力された信号に応じて第一リレー14の動作を制御する。
具体的には、第一ブロックB14において、第一リレー14は、OFFに切り替えられた状態で、前記タイマースイッチから信号が出力された場合には、自動的に(強制的に)ONに切り替えられる。また、第一ブロックB14において、第一リレー14は、ONに切り替えられた状態で、前記タイマースイッチから信号が出力された場合には、当該ONに切り替えられた状態が維持される。このように、第一リレー14の動作は、タイマースイッチから出力された信号と連動するように構成される。
こうして、居住者がオーディオルーム18を使用した後に擬似停電モードを終了させるのを失念している場合であっても、毎日午前7時になると、自動的に第一リレー14がONに切り替えられ、擬似停電モードが終了する。すなわち、蓄電装置12の自立運転が停止され、蓄電装置12は商用電源90と連系することにより当該商用電源90からの電力を充電可能となる。
なお、前記タイマースイッチに予め設定される所定時刻は、居住者のライフスタイルや蓄電装置12の容量等に応じて、当該居住者が任意に設定することができる。また、前記タイマースイッチに予め設定される所定時刻は、一旦オーディオルーム18が使用された時点(擬似停電モードが実行された時点)から所定期間後の時刻として設定することができる。また、予め設定された所定時刻か否かを計時する機器は、タイマースイッチに限定するものではない。予め設定された所定時刻か否かを計時する機器は、一般的に使用される種々のものを採用することができる。
また、前記タイマースイッチから出力された信号が制御装置23に取得されるものとしたが、当該制御装置23を経由せず、前記タイマースイッチから出力された信号が第一リレー14に直接入力され、これに応じて第一リレー14の動作が制御されるものとしてもよい。
次に、特定機器50として前記HEMSを用いた場合の構成について説明する。
前記HEMSは、本実施形態において、制御装置23に含まれるものである。前記HEMSは、第二別例に係る電力供給システム400内の情報を管理し、当該電力供給システム400を構成する各機器を制御する。前記HEMSは、電力供給システム400を構成する各機器のエネルギー使用状況を把握することにより、住宅全体のエネルギーの需要と供給とを総合的に把握し、各機器を効率的に動作するように制御することができる。
前記HEMSは、蓄電装置12の残容量に関する情報を取得する。前記HEMSは、蓄電装置12の残容量に関する情報に応じて第一ブロックB14における第一リレー14の動作を制御する。
こうして、通常時にオーディオルーム18が使用されている場合、すなわち第一ブロックB14において第一リレー14がOFFに切り替えられ、擬似停電モードが実行されている場合であっても、蓄電装置12の残容量に応じて自動的に当該第一リレー14がONに切り替えられる。具体的には、蓄電装置12の残容量が、所定の値(例えば、満充電の値に対して10%の値)以下となると、自動的に第一リレー14がONに切り替えられ、擬似停電モードが終了する。すなわち、蓄電装置12の自立運転が停止され、蓄電装置12は商用電源90と連系することにより当該商用電源90からの電力を充電可能となる。
このような構成により、通常時にオーディオルーム18が使用されている場合であっても、蓄電装置12の残容量がなくなるおそれがある場合には、当該蓄電装置12からの電力の出力が継続し過ぎるのを抑制し、当該蓄電装置12がエラーとなって動作を停止するのを防止することができる。
なお、蓄電装置12の残容量が所定値となって自動的に擬似停電モードが終了する場合には、事前に表示部27等を用いて当該蓄電装置12の残容量が所定の値以下となった旨を居住者に報知してもよい。このような構成にすると、オーディオルーム18を使用している居住者に、擬似停電モードが終了する旨(すなわち、音響装置の動作が停止される旨)を予め認識させることができる。
また、前記HEMSは、オーディオルーム18の音響機器の消費電力に関する情報を取得するものである。したがって、前記HEMSは、オーディオルーム18の音響機器の消費電力に関する情報に応じて第一ブロックB14における第一リレー14の動作を制御する構成としてもよい。
具体的には、オーディオルーム18の音響機器の消費電力が、所定の値(例えば、待機電力の値)以下となった場合には、当該音響機器の動作が終了したと考えられる。したがって、オーディオルーム18の音響機器の消費電力が、待機電力の値以下となった場合には、自立運転を行う必要がないため、自動的に第一リレー14をONに切り替え、擬似停電モードを終了させる構成としてもよい。なお、前記所定の値は、居住者が任意に設定することができる。
以上のように、電力供給システム400においては、
前記擬似停電モードが実行された場合に、
所定の条件を満たすと自動的に前記第一リレー14がONに切り替えられ、当該擬似停電モードの実行を停止するものである。
また、時刻を計時する前記タイマースイッチ(計時部)を具備し、前記タイマースイッチ(計時部)により計時された時刻が例えば午前7時(特定時刻)になった場合に、前記所定の条件を満たすものである。
このような構成により、蓄電装置12がエラーとなって動作を停止するのを防止することができる。
なお、前記第一別例に係る電力供給システム400において、オーディオルーム18の前記照明スイッチがOFFされることや、前記第二別例に係る電力供給システム400において、前記人感センサからオーディオルーム18内に人がいるとの検知結果が出力されないことや、蓄電装置12の残容量が所定の値となったこと等は、擬似停電モードの実行を停止するための所定の条件の一例である。