JP6546757B2 - ゲル化剤含有組成物の製造方法 - Google Patents
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(1)熱可逆性ゲル化剤と、熱不可逆性ゲル化剤と、が溶解した溶液に対して、塩化ナトリウムが溶解した溶液を混合する第1混合工程と、前記第1混合工程で得られた溶液に対して、pH3.5以下の酸性溶液を混合する第2混合工程と、前記第2混合工程で得られた溶液を容器に充填する充填工程と、を含み、前記充填工程が開始するまでに、前記第2混合工程で得られた溶液の温度が、65℃以下となる冷却工程をさらに含み、前記第2混合工程で得られた溶液における前記熱可逆性ゲル化剤の含有量をA(w/w%)とし、前記熱不可逆性ゲル化剤の含有量をB(w/w%)とし、前記塩化ナトリウムの含有量をC(w/w%)とした場合に、0.30≦B/A≦2.30、0.50≦A+B≦1.40、及び2.0≦C≦4.0を満たし、前記熱可逆性ゲル化剤がペクチンであり、前記熱不可逆性ゲル化剤が脱アシルジェランガムであることを特徴とするゲル化剤含有組成物の製造方法。
(2)塩化ナトリウムが溶解したpH3.5以下の酸性溶液に対して、熱可逆性ゲル化剤と、熱不可逆性ゲル化剤と、が溶解した溶液を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた溶液を容器に充填する充填工程と、を含み、前記充填工程が終了するまで、前記混合工程で得られた溶液の温度は、65℃以上に保たれ、前記混合工程で得られた溶液における前記熱可逆性ゲル化剤の含有量をA(w/w%)とし、前記熱不可逆性ゲル化剤の含有量をB(w/w%)とし、前記塩化ナトリウムの含有量をC(w/w%)とした場合に、0.30≦B/A≦2.30、0.50≦A+B≦1.40、及び2.0≦C≦4.0を満たし、前記熱可逆性ゲル化剤がペクチンであり、前記熱不可逆性ゲル化剤が脱アシルジェランガムであることを特徴とするゲル化剤含有組成物の製造方法。
本実施形態に係るゲル化剤含有組成物(以下、適宜「組成物」という)は、熱可逆性ゲル化剤と、熱不可逆性ゲル化剤と、塩化ナトリウムと、を含有し、熱可逆性ゲル化剤の含有量をA(w/w%)とし、熱不可逆性ゲル化剤の含有量をB(w/w%)とし、塩化ナトリウムの含有量をC(w/w%)とした場合に、B/A、A+B、Cが所定の範囲であることを特徴とする。
そして、本実施形態に係る組成物は、滑らかなゲル状(後記するレモン果皮などの固形物を含む場合は当該固形物以外の部分が滑らかなゲル状)を呈する。詳細には、滑らかなゲル状とは、ゼリーのように固まった箇所がなく(又は、非常に少なく)、粘性の高い状態である。
本実施形態に係る組成物は、熱可逆性ゲル化剤を含有する。
熱可逆性ゲル化剤とは、液体をゲル化させるゲル化剤の中でも、ゲル化後に加熱することによって溶解するゲル化剤である。
そして、熱可逆性ゲル化剤としては、例えば、ペクチン、ゼラチン、寒天、カラギーナン、ファーセルラン、アルギン酸ナトリウム、ネイティブジェランガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グアガム、サイリウムシードガム、グルコマンナン、タラガム、タマリンドシードガムなどから選ばれる一種又は二種以上を用いることができ、この中でも比較的溶解度が高く、前記の所望する食感を得られ、また、使用時に容器を振とうしてもゲル状態が崩れにくい、という点からペクチンを用いるのが好ましい。なお、ペクチンは製剤として添加する場合に限らず、ペクチンを含有する食品素材(例えば、果実の果皮や果汁など)由来であってもよい。
本実施形態に係る組成物は、熱不可逆性ゲル化剤を含有する。
熱不可逆性ゲル化剤とは、液体をゲル化させるゲル化剤の中でも、ゲル化後に加熱しても溶解しないゲル化剤である。
そして、熱不可逆性ゲル化剤としては、例えば、脱アシルジェランガム(脱アシル化ジェランガム、脱アシル型ジェランガムとも呼ばれる)、卵白、カゼイン乳蛋白、動物性蛋白、植物性蛋白、カードラン、アルギン酸及びその塩などから選ばれる一種又は二種以上を用いることができ、この中でも脱アシルジェランガムを用いるのが好ましい。
本実施形態に係る組成物は、塩化ナトリウムを含有する。そして、塩化ナトリウムは、いわゆる精製塩や食塩である。
本実施形態に係る組成物の熱可逆性ゲル化剤の含有量をA(w/w%)とし、熱不可逆性ゲル化剤の含有量をB(w/w%)とし、塩化ナトリウムの含有量をC(w/w%)とした場合における、「B/A」、「A+B」、「C」について説明する。
本実施形態に係る組成物は、0.30≦B/A≦2.30を満たす。
B/Aが0.30以上であることにより、組成物中の固形物の均一分散性(詳細には、各容器に充填された組成物間での組成のバラツキの少なさ)が良好になる。そして、これらの効果をより確実なものとするために、B/Aは0.60以上が好ましい。
一方、B/Aが2.30を超えると、組成物が硬くなり過ぎるとともに、固形物の均一分散性が低下してしまう。そして、このような事態をより適切に防止するために、B/Aは1.30以下が好ましい。
本実施形態に係る組成物は、0.50≦A+B≦1.40を満たす。
A+Bが0.50以上であることにより、組成物を所望の食感(滑らかなゲル状)に近づけることができる。そして、より好ましい食感とするために、A+Bは0.90以上が好ましい。
一方、A+Bが1.40を超えると、組成物が硬くなり過ぎ、所望の食感(滑らかなゲル状)ではなくなってしまう。そして、このような事態をより適切に防止するために、A+Bは1.20以下が好ましい。
本実施形態に係る組成物は、2.0≦C≦4.0を満たす。
Cが2.0未満であると、組成物の食感がボソボソとしたものとなり、所望の食感(滑らかなゲル状)から遠ざかってしまう。そして、このような事態をより適切に防止するために、Cは3.0以上が好ましい。
一方、Cが4.0を超えると、離水の量が非常に多くなってしまい、調味料として適さなくなってしまう。そして、このような事態をより適切に防止するために、Cは3.5以下が好ましい。
例えば、ペクチンの含有量は、ガラクツロン酸量をm−ヒドロキシジフェニル法(比色法)で測定し、補正係数を0.91として測定値に掛けることでペクチン量を算出することができる。また、ジェランガムの含有量は、AOAC公定法であるAOAC991.43で測定することができる。また、食塩含量の測定は、試料を1%HClにて25倍に希釈した後30分間振とうし、ナトリウムイオンを抽出した後、抽出試料を任意の量の1%HClにて希釈し、原子吸光光度計によりナトリウム含量を測定し、得られたナトリウム含量に2.54を乗じ算出することができる。
本実施形態に係る組成物は、固形物を含有していてもよい。
固形物としては、溶解されない成分であればよく、例えば、果実、野菜、その他の植物に由来する成分が挙げられるが、具体的には果実の果皮、パルプやさのう等である。固形物の大きさとしては直径0.5〜8mmのものが好ましい。0.5mmより小さいと十分に食感が感じられず、8mmよりも大きいと充填適性が悪くなり、口当たりも悪くなってしまう。固形物の含有量は組成物に対して1〜8w/w%とするのが好ましい。1w/w%より少ないとさらに、十分に食感が感じられず、8w/w%とりも多いと口当たりが悪くなってしまう。
また、パルプやさのうを用いる場合は、果汁から分離しないで配合してもよいし、果実の搾汁工程の副原料として果汁から分離して得られるパルプを配合してもよい。
本実施形態に係る組成物は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で調味料に通常配合される果汁、野菜汁、着色料、酸味料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、マリーゴールド色素、カロテン色素、アントシアニン色素、果汁色素、野菜色素、合成色素などを用いることができる。酸味料としては、例えば、砂糖、クエン酸(クエン酸三ナトリウム)、乳酸、リンゴ酸、リン酸、コハク酸などを用いることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンEなどを用いることができる。
さらに、本実施形態に係る組成物は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲でアルコール(蒸留酒としては、例えば、焼酎、ブランデー、ウォッカなどの各種スピリッツ、原料用アルコールなどを1種又は2種以上を組み合わせたもの)を添加して、アルコール入り組成物としてもよい。
そして、前記した熱可逆性ゲル化剤、熱不可逆性ゲル化剤、塩化ナトリウム、果汁、果皮、添加剤、アルコールは、一般に市販されているものを使用することができる。
本実施形態に係る組成物は、滑らかなゲル状を呈することから、例えば、外側から押圧することにより内容物の押し出しが可能な容器に封入して提供する場合、料理や食材に対して所望の量だけかけることができるため、調味料として好適に用いることができる。ただし、本実施形態に係る組成物は、調味料という用途に限定されることなく、溶媒で希釈して飲料とすることも可能である。
次に、本実施形態に係る組成物の製造方法について説明する。
なお、本実施形態に係る組成物は、2つの方法により製造することができるため、以下では、第1実施形態に係る組成物の製造方法と第2実施形態に係る組成物の製造方法とに分けて説明する。
第1実施形態に係る組成物の製造方法は、第1混合工程S11と、第2混合工程S12と、冷却工程S13と、充填工程S14と、を含む。
第1混合工程S11では、熱可逆性ゲル化剤と、熱不可逆性ゲル化剤と、が溶解した溶液に対して、塩化ナトリウムが溶解した溶液を混合する。
ここで、各物質を好適に溶媒に溶解させるために、溶媒の温度は高く設定(例えば、80℃以上や75℃以上)すればよい。よって、第1混合工程S11における混合前の各溶液、及び混合後の溶液は、高い温度(例えば、80℃以上や75℃以上)を呈することとなる。
第2混合工程S12では、第1混合工程S11で得られた溶液に対して、pH3.5以下の酸性溶液を混合する。
pH3.5以下の酸性溶液は、クエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸、コハク酸などの酸味料、または果汁(例えば、レモン果汁)などを溶媒に溶解することで得られる。
この第2混合工程S12において、各溶液を混合する前に、酸味料や果汁を溶媒に溶解させて酸性溶液を製造する工程を実施しておけばよい。
第1実施形態に係る組成物の製造方法では、充填工程S14が開始するまでに、第2混合工程S12で得られた溶液の温度を、65℃以下とする(冷却工程S13)。
この冷却工程S13において、溶液の温度が65℃以下となることにより、溶液中の熱可逆性ゲル化剤と熱不可逆性ゲル化剤が好適にゲル化し、溶液全体が滑らかなゲル状を呈するようになる。そして、これらの効果をより確実なものとするために、溶液の温度は60℃以下とするのが好ましい。
一方、この段階において、溶液の温度が一度も65℃以下とならなければ、充填工程S13において全くゲル化していない状態の溶液を容器に充填することとなる。その結果、組成物における固形物の均一分散性を確保し難くなる。
なお、冷却工程S13において、溶液を一旦65℃以下とすれば、その後、溶液の温度を上昇させても構わない。
充填工程S14では、第2混合工程S12で得られた溶液を容器に充填する。
充填工程S14において容器に充填する溶液の温度が高いと、容器内を殺菌することができる。よって、冷却工程S13において所定温度以下となった溶液を、充填工程S14の前に加熱し、溶液の温度を上昇させるのが好ましい。
なお、第1混合工程S11、第2混合工程S12において、各溶液を混合する前に、各溶液に対してろ過を実施してもよい。また、第2混合工程S12で得られた溶液に対してろ過を実施してもよい。
第2実施形態に係る組成物の製造方法は、混合工程S21と、充填工程S22と、を含む。
混合工程S21では、塩化ナトリウムが溶解したpH3.5以下の酸性溶液に対して、熱可逆性ゲル化剤と、熱不可逆性ゲル化剤と、が溶解した溶液を混合する。
充填工程S22では、混合工程S21で得られた溶液を容器に充填する。
充填工程S22において容器に充填する溶液の温度が高いと、容器内を殺菌することができる。
第2実施形態に係る組成物の製造方法は、充填工程S22が終了するまで、混合工程S21で得られた溶液の温度を65℃以上に保つ。
混合工程S21で得られた溶液を、充填工程S22が終了するまで65℃以上に保つことにより、溶液全体が滑らかなゲル状を呈した状態で充填作業を実施することができる。そして、これらの効果をより確実なものとするために、溶液の温度を70℃以上に保つのが好ましい。
一方、この段階において、溶液の温度を65℃以上に保つことができないと、溶液のゲル化が進行し過ぎて、充填工程S22での作業が困難となってしまう。
なお、混合工程S21において、各溶液を混合する前に、各溶液に対してろ過を実施してもよい。また、第2混合工程S12で得られた溶液に対してろ過を実施してもよい。
また、固形物(レモン果皮など)、添加剤、アルコールなどを含有させる場合は、前記した溶液の温度の条件を満たせば、どのタイミングで添加しても構わないが、例えば、充填工程S14、S21の直前の溶液に添加すればよい。ただし、クエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸、コハク酸などの酸味料、または果汁を用いる場合は、極力pH3.5以下の酸性溶液を作製する過程で添加するのが好ましい。
まず、実施例1では、塩化ナトリウムの含有量が低い場合(3.0w/w%)において、好適な熱可逆性ゲル化剤と熱不可逆性ゲル化剤の合計の含有量、及び含有比率を明確にする。
ペクチン(ユニテックフーズ社製;ユニペクチンLM SN 325)と脱アシルジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ社製;ゲルアップJ−3200)が溶解した溶液(80℃)に対して、精製塩が溶解した溶液(75℃)を混合し、その後、レモン果汁、クエン酸を用いて作製したpH2.5の酸性溶液(15℃)を混合した。なお、この時点で、溶液全体の温度は約55℃となっていた。そして、溶液に固形物として約3mm角にカットしたレモン果皮を混合し、サンプルの温度を75℃まで上昇させた後、透明の軟質プラスチック容器(150g)に封入した。
各サンプルのペクチン、脱アシルジェランガム、精製塩、レモン果汁、クエン酸、レモン果皮の含有量は、表1に示すとおりである。
前記の方法により準備した各サンプルについて、訓練された専門のパネル4名が下記評価基準に則って3段階、又は4段階で各々評価を行い、最終的な評価を各パネルがディスカッションして決定した。
離水評価は、容器に封入したサンプルを24時間静置し、その後、容器内部のサンプルの状態を目視にて確認した(なお、振とうした後、容器から押し出したサンプルの状態についても目視にて確認したが、同じ評価結果であった)。
3:離水が全く確認できない。
2:上部に若干の離水が確認されるものの、許容できる範囲内である。
1:上部にかなりの量の離水が確認され、調味料として適さない。
食感評価は、容器に封入したサンプルを押し出し、食して評価した。
4:滑らかなゲル状であるとともに、食感が非常に均一であり、調味料として非常に好適である。
3:適度に滑らかなゲル状であるとともに、食感がある程度均一であり、調味料として好適である。
2:食感は許容範囲(ゲル状のとろみをある程度感じる)であるとともに、食感の均一性も許容範囲であり、一応、調味料として用いることができる。
1:全く所望の食感ではなく(とろみを全く感じない、又は、ゼリー状の部分が多く非常にボソボソする)、調味料として適さない。
固形物の均一分散性評価は、各サンプルを5本の容器に連続して充填し、1本目(最初)の容器から押し出したサンプルと、5本目(最後)の容器から押し出したサンプルと、のレモン果皮の含有量の差を目視にて確認した。
3:レモン果皮の含有量に差が確認できない。
2:レモン果皮の含有量に若干の差が確認できる。
1:レモン果皮の含有量の大きな差が確認できる。
前記した離水評価、食感評価、固形物の均一分散性評価の点数を合計し、合計点が5点以下を「×」、6〜7点を「△」、8〜9点を「〇」、10点を「◎」とした。
サンプル1−1〜1−7は、「C」だけでなく、「B/A」、「A+B」が本発明の規定する範囲内であったことから、総合評価が「△」以上となった。
特に、サンプル1−2〜1−4、1−6、1−7については、「B/A」、「A+B」、「C」が本発明の規定する好ましい範囲内であったことから、各評価が2点以上であるとともに、総合評価が「〇」又は「◎」となった。
サンプルの準備の方法は、実施例1と同じ方法で行った。
離水評価、食感評価、固形物の均一分散性評価、総合評価の試験内容、及び評価基準については、実施例1と同じ方法で行った。
サンプル2−2〜2−4は、「B/A」、「A+B」だけでなく、「C」が本発明の規定する範囲内であったことから、各評価が2点以上であるとともに、総合評価が「△」以上となった。
特に、サンプル2−3、2−4については、「B/A」、「A+B」、「C」が本発明の規定する好ましい範囲内であったことから、各評価が3点以上であるとともに、総合評価が「〇」又は「◎」となった。
以下では、各サンプルの製造方法を説明するが、各サンプルのペクチン(ユニテックフーズ社製;ユニペクチンLM SN 325)、脱アシルジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ社製;ゲルアップJ−3200)、精製塩、レモン果汁、レモン果皮の含有量は、表3に示すように統一させた。
ペクチンと脱アシルジェランガムが溶解した溶液(80℃)に対して、精製塩が溶解した溶液(75℃)を混合し、その後、pH2.5の酸性溶液(15℃)を混合した。そして、溶液に固形物として約3mm角にカットしたレモン果皮を混合した。なお、この時点で、溶液全体の温度は約55℃となっていた。
ペクチンと脱アシルジェランガムが溶解した溶液(80℃)に対して、精製塩が溶解した溶液(75℃)を混合し、その後、pH2.5の酸性溶液(75℃)を混合した。そして、溶液に固形物として約3mm角にカットしたレモン果皮を混合した。その後、溶液を約55℃まで冷却した。
ペクチンと脱アシルジェランガムが溶解した溶液(80℃)に対して、精製塩が溶解した溶液(75℃)を混合し、その後、pH2.5の酸性溶液(75℃)を混合した。そして、溶液に固形物として約3mm角にカットしたレモン果皮を混合した。なお、混合が終了した後の溶液を冷却することなく、溶液全体の温度を、約75〜80℃とした。
塩化ナトリウムが溶解したpH2.5の酸性溶液(75℃)に対して、ペクチンと脱アシルジェランガムが溶解した溶液(80℃)を混合した。そして、溶液に固形物として約3mm角にカットしたレモン果皮を混合した。なお、混合が終了した後の溶液を冷却することなく、溶液全体の温度を、約75〜80℃とした。
塩化ナトリウムが溶解したpH2.5の酸性溶液(15℃)に対して、ペクチンと脱アシルジェランガムが溶解した溶液(80℃)を混合した。そして、溶液に固形物として約3mm角にカットしたレモン果皮を混合した。なお、混合が終了した時点で、溶液全体の温度は約55℃となっていた。
ペクチンと脱アシルジェランガムが溶解した溶液(80℃)に対して、pH2.5の酸性溶液(75℃)を混合し、その後、精製塩が溶解した溶液(75℃)を混合した。そして、溶液に固形物として約3mm角にカットしたレモン果皮を混合しようと試みた。
実施例3については、前記の方法により準備した各サンプルの「状態」と「固形物の均一分散性」について、訓練された専門のパネル4名がディスカッションを行い、調味料として許容範囲である場合を「〇」、調味料として許容範囲を逸脱する場合を「×」として評価を行った。
サンプル3−1は、滑らかなゲル状であるとともに、レモン果皮も均一に分散していたことから、「〇」という評価となった。
なお、サンプル3−1の製造方法は、本発明の第1実施形態に則した方法であった。
サンプル3−2は、滑らかなゲル状であるとともに、レモン果皮も均一に分散していたことから、「〇」という評価となった。
なお、サンプル3−2の製造方法は、本発明の第1実施形態に則した方法であった。
サンプル3−3は、ゲル化が適切に行われず、液状に近い状態となり、レモン果皮も均一に分散しなかったことから、「×」という評価となった。
なお、サンプル3−3の製造方法は、本発明の第1実施形態の「充填工程が開始するまでに、第2混合工程で得られた溶液の温度が、65℃以下となる」という条件を満たさない方法であった。
サンプル3−4は、滑らかなゲル状であるとともに、レモン果皮も均一に分散していたことから、「〇」という評価となった。
なお、サンプル3−4の製造方法は、本発明の第2実施形態に則した方法であった。
サンプル3−5は、不均一なゼリー状となり、レモン果皮も均一に分散しなかったことから、「×」という評価となった。
なお、サンプル3−5の製造方法は、本発明の第2実施形態の「充填工程が終了するまで、混合工程で得られた溶液の温度は、65℃以上に保たれ」という条件を満たさない方法であった。
サンプル3−6は、精製塩が溶解した溶液を混合した時点で非常に硬いゲルが発生してしまい、レモン果皮を添加することができなかったことから、「×」という評価となった。
なお、サンプル3−6の製造方法は、各材料を混合する順序が、本発明の第1、2実施形態のいずれの製造方法にも合致しない方法であった。
S12 第2混合工程(第1実施形態)
S13 冷却工程(第1実施形態)
S14 充填工程(第1実施形態)
S21 混合工程(第2実施形態)
S22 充填工程(第2実施形態)
Claims (2)
- 熱可逆性ゲル化剤と、熱不可逆性ゲル化剤と、が溶解した溶液に対して、塩化ナトリウムが溶解した溶液を混合する第1混合工程と、
前記第1混合工程で得られた溶液に対して、pH3.5以下の酸性溶液を混合する第2混合工程と、
前記第2混合工程で得られた溶液を容器に充填する充填工程と、を含み、
前記充填工程が開始するまでに、前記第2混合工程で得られた溶液の温度が、65℃以下となる冷却工程をさらに含み、
前記第2混合工程で得られた溶液における前記熱可逆性ゲル化剤の含有量をA(w/w%)とし、前記熱不可逆性ゲル化剤の含有量をB(w/w%)とし、前記塩化ナトリウムの含有量をC(w/w%)とした場合に、0.30≦B/A≦2.30、0.50≦A+B≦1.40、及び2.0≦C≦4.0を満たし、
前記熱可逆性ゲル化剤がペクチンであり、前記熱不可逆性ゲル化剤が脱アシルジェランガムであることを特徴とするゲル化剤含有組成物の製造方法。 - 塩化ナトリウムが溶解したpH3.5以下の酸性溶液に対して、熱可逆性ゲル化剤と、熱不可逆性ゲル化剤と、が溶解した溶液を混合する混合工程と、
前記混合工程で得られた溶液を容器に充填する充填工程と、を含み、
前記充填工程が終了するまで、前記混合工程で得られた溶液の温度は、65℃以上に保たれ、
前記混合工程で得られた溶液における前記熱可逆性ゲル化剤の含有量をA(w/w%)とし、前記熱不可逆性ゲル化剤の含有量をB(w/w%)とし、前記塩化ナトリウムの含有量をC(w/w%)とした場合に、0.30≦B/A≦2.30、0.50≦A+B≦1.40、及び2.0≦C≦4.0を満たし、
前記熱可逆性ゲル化剤がペクチンであり、前記熱不可逆性ゲル化剤が脱アシルジェランガムであることを特徴とするゲル化剤含有組成物の製造方法。
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