JP6546459B2 - タイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物およびこれを用いたタイヤ加硫ブラダー - Google Patents

タイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物およびこれを用いたタイヤ加硫ブラダー Download PDF

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Description

本発明は、タイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物およびこれを用いたタイヤ加硫ブラダー(以下、それぞれ、単に「ゴム組成物」、「ブラダー」とも称する)に関し、詳しくは、従来よりもブラダーライフに優れ、スチームレス加硫に好適に用いることができるタイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物およびこれを用いたタイヤ加硫ブラダーに関する。
一般に、タイヤの加硫工程では、生タイヤを加硫機の金型内に収容し、生タイヤの内側に膨張可能な弾性中空体からなるタイヤ加硫ブラダーを配置し、その内部に高温高圧の加硫媒体を供給して、生タイヤを内側から金型内面に向けて押圧して加硫成型する手法が採用されている。
タイヤ加硫ブラダーは、従来、耐熱性および伸びを確保するためにブチルゴム組成物が用いられているが、ブラダーと加硫前の生タイヤとの密着を防止するために、ブラダー外表面および生タイヤ内面(インナーライナー)の双方に離型剤を塗布する必要があった。しかしながら、離型剤の使用を必須とすることから、工程増となるとともに加硫時にタイヤ品質に悪影響を及ぼす場合があり、離型剤なしで使用可能なブラダーの実現が求められていた。このような課題に対して、特許文献1では、所定のシリコーンゴム組成物からなるブラダーが提案されている。
また、従来、タイヤ加硫工程においては、タイヤ加硫ブラダーに供給する高温高圧の加硫媒体としては、蒸気が用いられてきた。しかしながら、蒸気によるタイヤの加硫は(スチーム加硫)エネルギーロスが大きく、また、二酸化炭素の発生が多いという問題を有している。そこで、加硫媒体として蒸気を用いず、誘電加熱により金型に熱を与え、加硫用ブラダー内部には高温イナートガス(窒素ガス)を供給してタイヤの加硫を行う、スチームレス加硫について検討されている。
特開2009−73980号公報
従来のブチルゴム組成物からなるブラダーは、タイヤの加硫工程において高温高圧の蒸気が供給されると、ブラダー内部の水の存在によってブチルゴムの老化が抑制されているという特長を有しており、スチーム加硫に良好に用いることができた。しかしながら、スチームレス加硫では、イナートガス中には水分が存在しないため、ブチルゴム組成物からなるブラダーの老化は著しく促進され、ブラダーライフ(1本のブラダーが破損するまでに加硫できるタイヤ本数)が低下してしまうという問題を有していた。そこで、スチームレス加硫を行う場合、シリコーンゴム組成物からなるブラダーを用いることが考えられるが、特許文献1に記載のブラダーのような、シリコーンゴム組成物からなるブラダーは、スチームレス加硫に適切であるか否かについては十分に検討されていないのが現状である。
そこで、本発明の目的は、従来よりもブラダーライフに優れ、スチームレス加硫に好適に用いることができるタイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物およびこれを用いたタイヤ加硫ブラダーを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、アルケニル基含有量が異なる所定のジオルガノポリシロキサン2種以上と、所定の比表面積を有するシリカと、を所定の比率で併用し、架橋剤として有機過酸化物を用いることで、上記課題を解消することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のタイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物は、(A)重合度が1,000〜100,000であり、ケイ素原子に結合した有機基に対するアルケニル基含有量が0.001〜0.2モル%であって、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン100質量部に対して、(B)重合度が1,000〜100,000であり、ケイ素原子に結合した有機基に対するアルケニル基含有量が3〜30モル%であって、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン0.1〜12質量部と、(C)比表面積が50m/g以上のシリカ10〜100質量部と、(D)有機過酸化物0.1〜10質量部と、が配合されてなることを特徴とするものである。ここで、オルガノポリシロキサンの重合度は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析におけるポリスチレン換算での数平均重合度である。また、シリカの比表面積は、BET吸着法により算出した値であり、例えば、ASTM−D−4820−93に準拠した方法にて測定することができる。
本発明のゴム組成物においては、硬化物の160℃雰囲気下における引裂強さが8kN/m以上であり、切断時伸びが250%以上であることが好ましい。また、本発明のゴム組成物においては、硬化物の180℃、3日間の耐熱劣化後の引張強さが9MPa以上であり、切断時伸びが400%以上であることが好ましい。さらに、本発明のゴム組成物においては、硫黄を含んだブチルゴムとの剥離強度が0.5N/mm以下であることが好ましい。
ここで、引裂強さ、引張強さ、切断時伸びは、JIS K 6249に準拠して作製した試験片を用いて、JIS K 6249に準じた方法で測定した値である。また、硫黄を含んだブチルゴムとの剥離強度は、ゴム組成物を加硫して1mm厚のシリコーンゴムシートとし、この上に、ブチルゴム100質量部に対して硫黄1.5質量部を含有する未加硫の1mm厚のブチルゴムを乗せ、この積層体を2mm厚の枠にセットし、190℃、70kgf/cmの条件で30分間プレスキュアしてブチルゴムを硬化した後、25mm×10mmのサンプルとして、50mm/minの条件で180度ピール試験をおこなって求めた値である。
また、本発明のタイヤ加硫ブラダーは、本発明のタイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物が用いられてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、従来よりもブラダーライフに優れ、スチームレス加硫に好適に用いることができるタイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物およびこれを用いたタイヤ加硫ブラダーを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。本発明のタイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物は、(A)重合度が1,000〜100,000であり、ケイ素原子に結合した有機基に対するアルケニル基含有量が0.001〜0.2モル%であるジオルガノポリシロキサン100質量部に対して、(B)重合度が1,000〜100,000であり、ケイ素原子に結合した有機基に対するアルケニル基含有量が3〜30モル%であるジオルガノポリシロキサン0.1〜12質量部と、(C)比表面積が50m/g以上のシリカ10〜100質量部と、(D)有機過酸化物0.1〜10質量部と、が配合されてなる。
(A)成分と(B)成分との割合を上記範囲とすることで、硬化物の耐熱性を向上させ、ブラダーライフを向上させることができる。さらに、本発明のゴム組成物には、(C)成分としてシリカを上記範囲で添加している。スチーム加硫では、ゴム組成物中のシリカ補強界面が加水分解により崩壊してしまうため、十分なブラダーライフを得ることはできないが、スチームレス加硫の場合はイナートガス中には水分は存在しないため、シリカ補強界面が加水分解することはなく、ブラダーライフの低下を防止することができる。むしろ、ブチルゴム組成物からなるブラダーでスチーム加硫を行うよりも、本発明のシリコーンゴム組成物からなるブラダーを用いてスチームレス加硫を行う方が、ブラダーライフとしては向上する。以下、(A)〜(D)成分について、詳細に説明する。
(A)成分および(B)成分
本発明のシリコーンゴム組成物においては、(A)成分および(B)成分ともに、重合度が1,000〜100,000、好ましくは1,000〜10,000のジオルガノポリシロキサンであるが、(A)成分は、ケイ素原子に結合した有機基に対するアルケニル基含有量が0.001〜0.2モル%、好適には0.1〜0.2モル%であり、(B)成分は、ケイ素原子に結合した有機基に対するアルケニル基含有量が3〜30モル%、好適には3〜20モル%である。このように、ケイ素原子に結合した有機基に対するアルケニル基の含有量が異なるジオルガノポリシロキサンを用いることで、ブラダーライフを従来よりも向上させることができる。本発明のゴム組成物においては、(A)成分と(B)成分の割合は、(A)成分100質量部に対して、(B)成分0.1〜12質量部、好適には1〜5質量部である。
(A)成分および(B)成分は、一般に平均組成式RSiO(4−a)/2で表され、基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンである。ここで、Rは、有機基を表し、通常、炭素数1〜10、特には炭素数1〜6の置換または非置換の1価炭化水素基を表し、分子中のシロキサン構造を形成するケイ素原子に結合するものである。また、aは1.9〜2.4、特には1.95〜2.05の数である。
上記組成式において、有機基Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル等のアルキル基;ビニル、アリル、プロぺニル、イソプロペニル、ブテニル等のアルケニル基;フェニル、トリル、キシリル等のアリール基;ベンジル、フェニルエチル等のアラルキル基;およびクロロメチル、ブロモエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、シアノエチル等のハロゲン置換またはシアノ基置換炭化水素基から選ばれ、各置換または非置換の1価炭化水素基は、異なっていても同一であってもよい。本発明のゴム組成物においては、アルケニル基としては、ビニル基が好ましい。また、その他の炭化水素基としては、メチル基、フェニル基およびトリフルオロプロピル基が好ましく、特にアルケニル基以外の置換または非置換の1価炭化水素基のうち95〜100モル%がメチル基であることが好ましい。なお、アルケニル基は、分子鎖両端のケイ素原子または分子鎖途中のケイ素原子のいずれかに結合したものであっても、双方に結合したものであってもよいが、ゴム組成物の硬化物の物性等の点から、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するものが好ましい。
オルガノポリシロキサンは、主鎖がジオルガノシロキサン単位(RSiO2/2単位)の繰り返しからなる直鎖状のジオルガノシロキサンであり、主鎖の一部に若干のRSiO3/2単位および/またはSiO4/2単位を含む分岐状構造を許容するものであるが、通常は、主鎖がジオルガノシロキサン単位(RSiO2/2単位)のみの繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(RSiO1/2単位)で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましく、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体などが挙げられる。
(A)成分および(B)成分の好適例としては、
Figure 0006546459
等が挙げられる。ここでRは、上記の置換または非置換の1価炭化水素基と同じであり、またn、mは、個々の単一の分子については、それぞれ上記の重量平均分子量を与える正の整数であり、重合度に分布を持った混合物としての均一成分については、平均値として上記の重量平均分子量を与える範囲の正数である。
(A)成分および(B)成分のアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、それぞれ1種を単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
(C)成分
本発明のゴム組成物においては、(C)成分は、比表面積が50m/g以上のシリカである。ここで、比表面積は、BET吸着法にて算出した比表面積である。(C)成分は、シリコーンゴムの補強性充填剤であり、この目的のためにはBET吸着法による比表面積が50m/g以上であることが必要となる。好ましくは100〜400m/gである。このシリカとしては、ヒュームドシリカ(乾式シリカ)、沈殿シリカ(湿式シリカ)が挙げられる。本発明のゴム組成物においては、ヒュームドシリカで疎水性処理を施していない未処理の親水性シリカを好適に用いることができる。親水性シリカの市販品としては、アエロジル50、アエロジル200、アエロジル380(以上、日本アエロジル(株)製、商品名)、WACKER HDK S13、WACKER HDK V15、WACKER HDK N20(いずれも旭化成(株)製)が上げられる。
この(C)成分のシリカの添加量は、(A)成分100質量部に対し10〜100質量部である。(C)成分の添加量が少なすぎると、十分な強度と硬度が得られず、また、ブラダーライフも十分に向上させることができない。一方、(C)成分の添加量が多すぎると、ゴム組成物の粘度が高くなりすぎ、注型を行うのが困難となる。好適には、(A)成分100質量部に対し40〜70質量部である。なお、(C)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(D)成分
本発明のゴム組成物においては、(D)成分は、架橋剤である有機過酸化物である。有機過酸化物としては、架橋剤としての作用するものであれば特に限定されず、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、2,4−ビクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,1,3−ジ(2−tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ(パーオキシルベンゾエート)等が挙げられる。
(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜10質量部である。有機過酸化物の配合量を0.1質量部以上10質量部以下とすることで、高温伸びと強度とのバランスを調整することができる。好適には、(A)成分100質量部に対して、0.1〜5質量部である。上記の有機過酸化物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(E)その他の成分
本発明のゴム組成物においては、上記(A)〜(D)成分以外にも他の成分を加えてもよく、例えば、所望に応じゴム組成物の熱伝導率を挙げるため、金属粉体を配合することができる。金属粉体としては、ゴム組成物の熱伝導率を高めることのできる金属の粉体であれば特に制限されるものではなく、例えば、アルミニウム、金、銀、銅等の純粋金属粉体を好適に使用することができる。かかる金属粉体は、好ましくは10〜500μm、より好ましくは100〜200μmの粒径を有する球状物である。金属粉体が針状や板状の場合には、得られる硬化物の物性に異方性が現れ、好ましくない。
金属粉体の配合量は、(A)成分100質量部に対して、通常10質量部以下、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。この配合量が少なすぎると、ゴム組成物の熱伝導率を十分に高めることができず、架橋反応の進行が表面と内部とで異なることになる場合がある。一方、多すぎると、ゴム組成物の粘度が高くなりすぎて、成型時に細部への組成物の充填が困難となる場合がある。また、注型時間が延びて作業性が悪化する。
また、本発明のゴム組成物においては、所望に応じ無機粉体を配合することもできる。無機粉体は、(C)成分および上記金属粉体以外のものであり、本発明のゴム組成物の物性を調整する作用を有する。無機粉体の種類は特に制限されることはなく、例えば、マイカ、滑石、石こう、方解石、ホタル石、リン灰石、長石等の鉱物性粉体や、カオリン等の粘土、ゼオライト、ガラス粉体等を使用することができる。この無機粉体の添加量は、(A)成分100質量部に対し、通常5質量部以下、好ましくは1〜5質量部、より好ましくは1〜2質量部である。この添加量が少なすぎると、ゴム組成物に対する調整効果が不十分となる場合があり、一方、多すぎると、ゴム組成物の粘度が高くなりすぎて、成型時に細部への組成物の充填が困難となる場合がある。また、注型時間が延びて作業性が悪化する。
さらに、本発明のゴム組成物において、必要に応じて、従来よりシリコーンゴム組成物に使用されている各種の添加剤を適宜添加することができる。例えば、常温での可使時間を延長させるなど、硬化時間の調整を行うための制御剤や、シランカップリング剤、非反応性シリコーンオイル等の粘度調整剤等を必要に応じて添加することができる。
なお、本発明のゴム組成物の調製は、例えば、(A)〜(D)成分および必要に応じて加えられる1種または2種以上の任意成分を、例えばプラネタリーミキサー、コンディショニングミキサー、3本ロール、2本ロール、ニーダー、ディスパー、品川ミキサー、スーパマスコロイダー、トリミックス、ツインミックス等の公知の混合手段を用いて、任意の混合順序で混合することにより行うことができる。
本発明のゴム組成物の加硫反応は、120〜200℃、好ましくは140〜180℃、より好ましくは160〜170℃の温度、さらにより好ましくは160℃で好適に行うことができる。
本発明のゴム組成物は、硬化物の160℃雰囲気下での引裂強さが8kN/m以上であり、切断時伸びが250%以上であることが好ましい。また、本発明のゴム組成物においては、硬化物の180℃、3日間の耐熱劣化後の引張強さが9MPa以上であり、切断時伸びが400%以上であるが好ましい。このような条件を満足することで、本発明のゴム組成物をタイヤ加硫ブラダー用、特に、スチームレス加硫に用いるタイヤ加硫ブラダー用として好適に用いることができる。なお、上記物性を得るためには、上述した(A)〜(D)成分の配合量を、上記の好適範囲内で適宜設定すればよい。
また、本発明のゴム組成物においては、本発明のゴム組成物においては、硫黄を含んだブチルゴムとの剥離強度が0.5N/mm以下であることが好ましい。通常、タイヤの内側には、インナーライナーが設けられているが、従来、ブラダーと加硫前の生タイヤとの密着を防止するために、ブラダー外表面および生タイヤ内面(インナーライナー)の双方に離型剤を塗布することが行われていた。しかしながら、上記物性を満足することにより、このような離型剤の塗布を省くことができる。上記物性を得るためには、上述した(A)〜(D)成分の配合量を、上記の好適範囲で適宜設定すればよい。
本発明のタイヤ加硫用ブラダーは、本発明のゴム組成物からなるものである。本発明のブラダーは、本発明のゴム組成物からなるものであるため、従来よりも優れたブラダーライフを有し、また、スチームレス加硫に好適に用いることができる。本発明のブラダーの製造方法については特に制限はなく、本発明のゴム組成物を用いて、既知の手法にて製造することができる。
以下、本発明のゴム組成物を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
<実施例1>
ジメチルシロキサン単位99.850モル%、メチルビニルシロキサン単位0.125モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約8,000であるオルガノポリシロキサン98質量部((A)成分)、ジメチルシロキサン単位90.025モル%、メチルビニルシロキサン単位9.95モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約8,000であるオルガノポリシロキサン2質量部((B)成分)、BET法比表面積が380m/gのヒュームドシリカ(アエロジル380 日本アエロジル(株)製)50質量部((C)成分)、分散剤として両末端シラノール基を有し、平均重合度15、25℃における粘度が30mPa・sであるジメチルポリシロキサン15質量部を添加し、ニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理してベースコンパウンド(1)を調製した。
このベースコンパウンド(1)100質量部に対し、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4質量部((D)成分)を二本ロールミルにて添加、均一に混合した後、165℃、70kgf/cmの条件で10分間プレスキュアを行い、2mm厚のシートを作製した。得られた試験シートを、160℃下、および、室温で、諸特性について以下の測定方法に従って測定を行った。また、作製したシートを180℃で3日間乾燥機で熱処理した後の特性を測定した。得られた結果を表1に示す。
<実施例2>
ジメチルシロキサン単位99.975モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約8,000であるオルガノポリシロキサン((A)成分)を用いた以外は、実施例1と同様にベースコンパウンド(2)を調製し、このベースコンパウンドを実施例1と同様に加工して得られた試験シートを、160℃下、および、室温で、諸特性について以下の測定方法に従って測定を行った。また、作製したシートを180℃で3日間乾燥機で熱処理した後の特性を測定した。得られた結果を表1に示す。
<実施例3>
ジメチルシロキサン単位84.025モル%、メチルビニルシロキサン単位15.95モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約8,000であるオルガノポリシロキサン2質量部((B)成分)を用いた以外は、実施例1と同様にベースコンパウンド(3)を調製し、このベースコンパウンドを実施例1と同様に加工して得られた試験シートを、160℃下、および、室温で、諸特性について以下の測定方法に従って測定を行った。また、作製したシートを180℃で3日間乾燥機で熱処理した後の特性を測定した。得られた結果を表1に示す。
<比較例1>
ジメチルシロキサン単位99.975モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約8,000であるオルガノポリシロキサン80質量部((A)成分)、ジメチルシロキサン単位99.5モル%、メチルビニルシロキサン単位0.475モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約8,000であるオルガノポリシロキサン20質量部((B)成分)を用いた以外は、実施例1と同様にベースコンパウンド(4)を調製し、このベースコンパウンドを加工して得られた試験シートを、160℃下、および、室温で、諸特性について以下の測定方法に従って測定を行った。また、作製したシートを180℃で3日間乾燥機で熱処理した後の特性を測定した。得られた結果を表1に示す。
<比較例2>
ジメチルシロキサン単位99.850モル%、メチルビニルシロキサン単位0.125モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約8,000であるオルガノポリシロキサン100質量部((A)成分)を用いた以外は、実施例1と同様にベースコンパウンド(5)を調製し、このベースコンパウンドを加工して得られた試験シートを、160℃下、および、室温で、諸特性について以下の測定方法に従って測定を行った。また、作製したシートを180℃で3日間乾燥機で熱処理した後の特性を測定した。得られた結果を表1に示す。
[硬さ、引張強さ、引裂き強さ、切断時伸び]
硬さは、タイプAデュロメータを用いて測定し、引張強さ、引裂き強さ、切断時伸びは、JIS K 6249に準拠して作製した試験シートを用いて、JIS K 6249に準じた方法で測定した。結果を表1に示す。
[剥離強度]
加硫した1mm厚のシリコーンゴムシートの上に、1mm厚で分出しした未加硫の硫黄を含んだブチルゴムを乗せ、2mm厚の枠にセットした。190℃、70kgf/cmの条件で30分間プレスキュアし、ブチルゴムを硬化した。50mm/minの条件で25mm×10mmのテストサンプルの180度ピール試験を行った。
Figure 0006546459
上記表1より、本発明のゴム組成物は、耐熱性に優れていることがわかる。また、本発明のゴム組成物の硬化物は、ブチルゴムとは接着していないことが確かめられた。

Claims (5)

  1. (A)重合度が1,000〜100,000であり、ケイ素原子に結合した有機基に対するアルケニル基含有量が0.001〜0.2モル%であって、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン100質量部に対して、(B)重合度が1,000〜100,000であり、ケイ素原子に結合した有機基に対するアルケニル基含有量が3〜30モル%であって、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサン0.1〜12質量部と、(C)比表面積が50m/g以上のシリカ10〜100質量部と、(D)有機過酸化物0.1〜10質量部と、が配合されてなることを特徴とするタイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物。
  2. 硬化物の160℃雰囲気下における引裂強さが8kN/m以上であり、切断時伸びが250%以上である請求項1記載のタイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物。
  3. 硬化物の180℃、3日間の耐熱劣化後の引張強さが9MPa以上であり、切断時伸びが400%以上である請求項1または2記載のタイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物。
  4. 硫黄を含んだブチルゴムとの剥離強度が0.5N/mm以下である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のタイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載のタイヤ加硫ブラダー用シリコーンゴム組成物が用いられてなることを特徴とするタイヤ加硫ブラダー。
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