JP4801941B2 - タイヤ製造用シリコーンゴム組成物およびその製造方法 - Google Patents

タイヤ製造用シリコーンゴム組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、タイヤ製造用シリコーンゴム組成物(以下、単に「ゴム組成物」とも称する)に関し、詳しくは、タイヤ製造用の各種モールドの型取り、特にはタイヤ用アルミニウム合金モールド鋳造法における鋳造中子である石膏鋳型(モールド)の型取りや、タイヤ加硫、成型用ブラダー用等に好適に使用でき、形状安定性、強度、伸びおよび耐クリープ性を向上し、更に耐クラック進展性をも向上したタイヤ製造用シリコーンゴム組成物およびその製造方法に関する。
従来、タイヤ用モールドの作製は、一般に次のようにして行われていた。まず、製造しようとするタイヤのトレッドパターンを木型(ウッドレジン)にて製造する。次いで、得られたウッドレジンのトレッドパターン上に液状ゴムを流し込み、加熱して加硫、硬化させ、トレッドパターンの型取りを行う。しかる後、型取りした加硫ゴム上に石膏を流し込み、硬化させて上記トレッドパターンが転写された石膏型を得る。このようにして作製した石膏型を使用して、最終目的物であるタイヤ用モールドを作製する。
上述のタイヤ用モールドの製造工程において、従来より長年にわたり、上記液状ゴムとして多硫化ゴム、特には、チオコール(チオコール社製多硫化ゴムの商品名)が広く使用されてきた。
タイヤ用モールドの型取りに使用するゴム配合組成物に係る改良技術としては、例えば、特許文献1に、所定のオルガノポリシロキサンをベースポリマーとしたタイヤ用モールド型取りゴム配合組成物が開示されている。また、特許文献2には、所定のオルガノポリシロキサンに対し、熱伝導性充填剤を含有させた熱伝導性シリコーン成形物が記載されている。
特開2004−161882号公報(特許請求の範囲等) 特開2004−10691号公報(特許請求の範囲等)
しかしながら、従来より使用されてきた液状ゴムとしての多硫化ゴムは架橋反応中に水とSO2ガスを発生し、スポンジ構造となることは避けられなかった。この結果、圧縮膨張成分のガスが架橋物中に混在し、不加逆的な熱変形を伴うものであった。
また、従来行われていた架橋条件では十分に架橋反応が進行せず、架橋物が半架橋状態にあり、約3日後には形状変化が大きくなっているという問題もあった。さらに、加硫ゴムの強度が小さく、耐クリープ性に劣るため、ブレード等の挿入でブレード切れやヘタリが発生した。
さらにまた、従来より使用されてきた多硫化ゴムは石膏との濡れ性が悪く、石膏を流し込むときには予め前処理をしておく必要があった。同様に、トレッドにサイプ用の金属ブレードが差し込まれているときには、この金属ブレードと多硫化ゴムとの剥離性を高めておくために、予め金属ブレードに離型剤を塗布しておく必要があった。その他にも、得られる架橋物の強度が必ずしも十分に高くはないことから、型取りの際に細いリブ部が切れてしまうとか、作業中にメルカプタン臭を伴うとか、鉛害適用物質である等の問題があった。
これに対し、前述の特許文献1に記載の技術によれば、従来の多硫化ゴムの液状ゴムに比し、高寸法精度、高形状安定性、高補強性および高作業性を有し、さらには鏡面状の平滑表面が得られるタイヤ用モールド型取りゴム配合組成物を得ることが可能である。しかし、この組成物は、所定の配合成分を個々単独に混合してなるものであることから、組成物中の分散性、特に、硬化触媒の分散性が不十分で海島構造を形成してしまうために、所望のシリコーンゴム物性を十分満足するものではないという難点を有していた。
そこで本発明の目的は、従来の多硫化ゴムの液状ゴムに比し、形状安定性、強度、伸びおよび耐クリープ性に優れ、また、シリコーンゴム固有の切り欠き性(耐クラック進展性)にも優れるシリコーンゴム組成物であって、さらに、各配合成分の分散性を向上することで、より優れたシリコーンゴム物性を実現したタイヤ製造用シリコーンゴム組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、付加反応架橋系の液状シリコーンゴムを基材とし、これに特定の配合剤を複数配合することにより、従来の多硫化ゴムの液状ゴムに比し、上記各特性を向上することができることを見出した。
また、分散性を向上するためには混合する材料同士の粘度を近づけることが有効であることから、硬化触媒とベースポリマーとの間の粘度差を補うために、硬化触媒を予めベースポリマーより粘度の低いポリマーと混合しておくという物理的手段を用いることで、硬化触媒の相溶性を高めて、組成物の分散性の向上を図ることができると考えられる。また、かかる粘度の調整は、分子量を調節することにより達成可能である。
一方で、硬化触媒と混合するポリマーとしては、ベースポリマーとの化学的な相性という観点から、主鎖の構成がベースポリマーと同一であるポリマーを選択することで、より分散性を高めることができるものと考えられる。
以上のことから、本発明者は、これら物理的手法と化学的手法とを併用することで、硬化触媒の分散性(相溶性)を改良して、所望のシリコーンゴム物性を確実に得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のタイヤ製造用シリコーンゴム組成物は、
(A)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン;100重量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン;1〜20重量部、
(C)比表面積50m/g以上のシリカ微粉末;30〜60重量部、
(D)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有し、重量平均分子量が(A)成分より小さい直鎖状ジオルガノポリシロキサン;0.5〜20重量部、および、
(E)白金族金属系触媒;(A)、(B)および(D)成分の総量に対し白金族金属の重量換算で5〜300ppm、
を含有する組成物であって、(D)成分と(E)成分とを予め均一に混合した後、該混合物を残りの成分と混合することにより得られたものであり、
(A)成分の重量平均分子量が10000〜20000であり、(D)成分の重量平均分子量が5000〜16000であり、かつ、(A)成分に対する(D)成分の重量平均分子量の比が0.5〜0.9であることを特徴とするものである。
本発明においては、(A)成分及び/又は(D)成分が、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。また、(B)成分が分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖オルガノハイドロジェンポリシロキサンであることが好ましく、(C)成分が表面疎水化処理されたヒュームドシリカであることも好ましい。
なお、本発明において「タイヤ製造用」とは、タイヤ製造工程において直接使用される場合と、タイヤ製造工程に使用されるモールド等の設備(装置)を製造するために使用される場合との双方を含むものである。従って本発明のタイヤ製造用シリコーンゴム組成物は、タイヤ用モールドの型取り、特には、タイヤ用アルミニウム合金モールド鋳造法における鋳造中子としての石膏鋳型の型取りや、タイヤ加硫用ブラダー、タイヤ成型用ブラダーに、好適に用いることができる。
また、本発明のタイヤ製造用シリコーンゴム組成物は、
(A)成分として重量平均分子量が13000〜20000の分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンを100重量部、
(B)成分として分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンを5〜20重量部、
(C)成分として比表面積100〜400m2/gの疎水性ヒュームドシリカを30〜60重量部、
(D)成分として重量平均分子量が10000〜16000であって、(A)成分に対する重量平均分子量の比が0.75〜0.85である分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンを0.5〜20重量部、および、
(E)成分として白金族金属系触媒を(A)、(B)および(D)成分の総量に対し白金族金属の重量換算で10〜200ppm、
それぞれ含有するものとすることで、強度の高いゴム構造を実現することができ、特に、タイヤ用アルミニウム合金モールド鋳造法における鋳造中子としての石膏鋳型の型取りに好適に用いることができる。
また、本発明のタイヤ製造用シリコーンゴム組成物の製造方法は、
(A)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン;100重量部、
(B)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン;1〜20重量部、
(C)比表面積50m/g以上のシリカ微粉末;30〜60重量部、
(D)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有し、重量平均分子量が(A)成分より小さい直鎖状ジオルガノポリシロキサン;0.5〜20重量部、および、
(E)白金族金属系触媒;(A)、(B)および(D)成分の総量に対し白金族金属の重量換算で5〜300ppm、
のうち、(D)成分と(E)成分とを均一に混合する工程と、該混合物を残りの成分と混合する工程と、を含み、
(A)成分の重量平均分子量が10000〜20000であり、(D)成分の重量平均分子量が5000〜16000であり、かつ、(A)成分に対する(D)成分の重量平均分子量の比が0.5〜0.9であることを特徴とするものである。
前記(A)〜(D)成分を必須成分とする本発明のゴム組成物では、付加反応架橋系の(A)および(B)の液状シリコーンゴムを採用したことで架橋反応中にガスを発生せず、このため温度による型変形を著しく減少させることができる。また、硬化触媒としての(E)白金族金属系触媒の添加量により化学活性を調整して、架橋開始温度および終了時間の最適化を図ることができ、さらに、(B)付加反応架橋剤の分子構造と添加量の調整により、架橋速度と架橋物の硬度の最適化を図ることができる。この場合、(A)および(B)の液状シリコーンゴムに(E)の硬化触媒を配合する際に、この硬化触媒を予め、(D)成分としての、(A)成分の直鎖状ジオルガノポリシロキシサン(ベースポリマー)より粘度の低い(即ち、重量平均分子量の小さい)直鎖状ジオルガノポリシロキサンと均一に混合した混合物として配合するという配合形態を採用することで、硬化触媒のベースポリマーおよび架橋剤に対する相溶性、分散性を向上することが可能となった。さらに、ポリシロキサンは石膏との濡れ性が良好のため、平滑な表面の石膏型が得られる。さらにまた、シリコーンゴムは強度が小さいので、(C)シリカの添加により、所望の強度と硬度を得ることができる。特に、(C)成分として表面が疎水化処理されたシリカを添加することで、シリコーンゴム固有の切り欠き性(耐クラック進展性)が大幅に向上する。さらにまた、(D)成分の、ベースポリマーより低粘度で重量平均分子量の小さい直鎖状ジオルガノポリシロキサンの添加により、硬化反応が促進され、これまで以上に所望の硬化物性を確実に得ることができる。
前記(A)〜(E)成分だけのゴム配合組成物は熱伝導率が小さいため、条件によっては架橋反応が表面と内部とで大きく異なるという問題が発生する場合があるが、この場合には、さらに任意成分(F)金属粉体を添加して、熱伝導率を調整することにより解決することができる。かかる(F)金属粉体の添加は、同時に耐クリープ性の向上を図る効果も奏する。更に、任意成分(G)として前記(C)シリカおよび(F)金属粉体以外の無機粉体を添加することにより、ゴム配合組成物の熱収縮率を調整することができる。
以上説明してきたように、本発明によれば、従来の多硫化ゴムの液状ゴムに比し、形状安定性、強度、伸びおよび耐クリープ性に優れ、また、シリコーンゴム固有の切り欠き性(耐クラック進展性)や耐経時劣化性にも優れるゴム組成物であって、さらに、より優れたシリコーンゴム物性を実現したタイヤ製造用シリコーンゴム組成物を実現することができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明で(A)成分のベースポリマーとして使用する、1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、通常の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物に主原料(ベースポリマー)として使用されている公知のオルガノポリシロキサンである。
このようなオルガノポリシロキサンは、一般に平均組成式RaSiO(4-a)/2(但し、Rは、通常炭素数1〜10、特には炭素数1〜6の置換または非置換の1価炭化水素基を表し、これは分子中のシロキサン構造を形成するケイ素原子に結合するものである。また、aは1.9〜2.4、特には1.95〜2.05の数である。)で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上、好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜5個程度含有し、また、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析におけるポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ましくは10000〜20000、より好ましくは13000〜20000程度の、基本的に直鎖状のジオルガノポリシロキサンである。
前記組成式において、Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル等のアルキル基;ビニル、アリル、プロぺニル、イソプロペニル、ブテニル等のアルケニル基;フェニル、トリル、キシリル等のアリール基;ベンジル、フェニルエチル等のアラルキル基;およびクロロメチル、ブロモエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、シアノエチル等のハロゲン置換またはシアノ基置換炭化水素基から選ばれ、各置換または非置換の1価炭化水素基は、異なっていても同一であってもよい。ここでアルケニル基としては、ビニル基が好ましく、また、その他の炭化水素基としては、メチル基、フェニル基およびトリフルオロプロピル基が好ましく、特にアルケニル基以外の置換または非置換の1価炭化水素基のうち95〜100モル%がメチル基であることが好ましい。アルケニル基の含有量は、全有機基(即ち、上記の置換又は非置換1価炭化水素基)R中、通常0.0001〜20mol%、好ましくは0.001〜10mol%、特には0.01〜5mol%程度とする。なお、1分子中に2個以上含有されるアルケニル基は、分子鎖両端のケイ素原子または分子鎖途中のケイ素原子のいずれかに結合したものであっても、双方に結合したものであってもよいが、シリコーンゴム硬化物の物性等の点から、少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するものであることが好ましい。
このオルガノポリシロキサンは、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R2SiO2/2単位)の繰り返しからなる直鎖状のジオルガノシロキサンであり、主鎖の一部に若干のRSiO3/2単位および/またはSiO4/2単位を含む分岐状構造を許容するものであるが、通常は、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R2SiO2/2単位)のみの繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R3SiO1/2単位)で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましく、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン−メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体などが挙げられる。
(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、これらの分子構造を有する単一の重合体、またはこれらの重合体の混合物である。(A)成分のアルニケル基含有オルガノポリシロキサンは、1種を単独で使用しても、2種以上併用してもよい。なお、重量平均分子量の異なる2種以上のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン成分を併用する場合には、これらの2種以上の成分を併用、混合した混合物全体としての重量平均分子量の値が前記範囲内となることが好ましい。
(A)成分の好適例としては、
Figure 0004801941
等が挙げられる。ここでRは、上記の置換または非置換の1価炭化水素基と同じであり、またn、mは、個々の単一の分子については、それぞれ上記の重量平均分子量を与える正の整数であり、重合度に分布を持った混合物としての均一成分については、平均値として上記の重量平均分子量を与える範囲の正数である。
本発明で(B)成分として使用するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分とヒドロシリル化付加反応し、架橋剤として作用するものである。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、例えば、平均組成式R’cdSiO(4-c-d)/2(但し、R’は脂肪族不飽和基を除く、置換または非置換の1価炭化水素基であり、cは0.8〜2、dは0.01〜1、c+dは0.81〜3)で表され、25℃における粘度が0.5〜1000cP、特には1〜500cP程度のものが挙げられ、一分子中のケイ素原子の数(または重合度)は2〜300、特には3〜200程度のものを使用することができる。その分子構造に特に制限はなく、従来の液状付加硬化型シリコーンゴム組成物に通常使用されるものと同様、例えば、直鎖状、環状、分岐状および三次元網状(レジン状)構造等各種のものが使用可能であるが、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を1分子中に少なくとも2個(通常、2〜200個程度)、好ましくは3個以上(例えば、3〜100個程度)含む必要がある。また、この化合物の水素原子以外のケイ素原子に結合する1価の有機基(例えば、上記平均組成式におけるR’基)としては、(a)成分のオルガノポリシロキサンにおける置換または非置換の1価炭化水素基と同様のものが挙げられるが、特にアルケニル基等の脂肪族不飽和基を除く置換または非置換の1価炭化水素基、特にはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C651SiO1/2単位とからなる共重合体などが挙げられるが、特に、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンなどの両末端トリオルガノシロキシ基封鎖オルガノハイドロジェンポリシロキサンが好適である。
この(B)成分の添加量は、(A)成分100重量部に対し、1〜20重量部、特には5〜20重量部である。この添加量が少なすぎると、架橋密度が低くなりすぎ、その結果、硬化したシリコーンゴムの耐熱性に悪影響を与えることがあり、また強度が低く、石膏鋳型の型取りに用いる場合には、石膏流入に耐えられない場合がある。また多すぎると、表面が鏡面状にならなかったり、あるいは同様に耐熱性に悪影響を与えるおそれがある。またこの(B)成分の添加量は、上記と同様の理由で、(A)成分と後述する(D)成分との総量中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.5〜10モル、好ましくは1〜5モルとなるように配合することもできる。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは1種を単独で使用しても2種以上併用してもよい。
本発明で使用する(C)成分のシリカ微粉末は、シリコーンゴムの補強性充填剤として、従来から周知とされているものが使用可能であり、この目的のためにはBET吸着法による比表面積が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜400m2/gである。このシリカ微粉末としては、ヒュームドシリカ(乾式シリカ)、沈殿シリカ(湿式シリカ)が例示され、ヒュームドシリカ(乾式シリカ)が好ましい。また、これらのシリカ微粉末の表面に多数存在するシラノール基をオルガノポリシロキサン、オルガノポリシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等で疎水化処理してシリカ微粉末の表面をエーテル結合したアルキル基等の有機基で被覆した疎水性シリカがより好ましい。この疎水化処理は、未処理の(C)成分を組成物の他の成分の一種以上と配合する前に予め上記処理剤と加熱下に混合することで行ってもよく、また、組成物を調製する際に未処理の(C)成分を他の成分および上記処理剤とともに加熱下に混合することによって組成物の調製と同時に行ってもよい。これらのシリカは1種単独でも2種以上併用してもよい。疎水性シリカとしては、具体的には、Aerosil R−812、R−812S、R−972、R−974(Degussa社製)、Rheorosil MT−10(徳山曹達社製)、Nipsil SSシリーズ(日本シリカ(株)製)などを挙げることができる。
この(C)成分のシリカの添加量は、(A)成分100重量部に対し30〜60重量部である。この添加量が少なすぎると、十分な強度と硬度が得られず、また耐クリープ性の改善効果も不十分である。また多すぎると、ゴム組成物の粘度が高くなりすぎ、注型を行うのが困難となる。
本発明で使用する(D)成分のアルケニル基含有直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、後述する(E)成分の白金族金属系触媒の、ベースポリマーおよび架橋剤に対する相溶性、分散性を向上するために配合するものであり、この(E)成分の白金族金属系触媒と予め接触、混合して均一な混合物とした後、該混合物の形態で他の成分と配合することが必須とされるものであり、この点において前記(A)成分のアルケニル基含有直鎖状ジオルガノポリシロキサンと本質的に区別されるものである。(E)成分と予備混合した後に組成物に配合するという形態を取らない場合には、本願の目的とする分散性向上効果が達成されない。
また、この(D)成分のアルケニル基含有直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、(E)成分の白金族金属触媒の分散性を高めるために、(A)成分のベースポリマーとしてのアルケニル基含有直鎖状ジオルガノポリシロキサンより重量平均分子量が小さい(即ちベースポリマーより粘度が低い)ことが必要であり、好適には、(A)成分の重量平均分子量に対する(D)成分の重量平均分子量の比率が0.5〜0.9、より好ましくは、0.75〜0.85のものを用いる。より具体的には、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析におけるポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ましくは5000〜16000、より好ましくは10000〜13000程度のもので、かつ(A)成分の重量平均分子量に対する(D)成分の重量平均分子量の比率が上記した範囲のものを用いることが好ましい。
一方、(D)成分のアルケニル基含有直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、(A)成分のベースポリマーとの化学的な相性という観点から、(A)成分のベースポリマーと同様の分子構造のものとすることが好適である。従って、(D)成分は、組成物への配合形態および重量平均分子量を除けば、前記した(A)成分としての1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状ジオルガノポリシロキサンと同一の分子構造のものを採用することができ、具体的には、主鎖がジオルガノシロキサン単位のみの繰り返しからなり分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体などが挙げられる。(D)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、これらの分子構造を有する単一の重合体、またはこれらの重合体の混合物であり、(D)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは1種を単独で使用しても2種以上併用してもよい。なお、(D)成分として重量平均分子量の異なる2種以上のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン成分を併用する場合には、これら2種以上の成分を併用、混合した混合物全体としての重量平均分子量の値が前記範囲内となることが好ましく、また(A)成分の重量平均分子量に対する該混合物全体としての(D)成分の重量平均分子量の比率が前記範囲内となることが好ましい。
この(D)成分の直鎖状ジオルガノポリシロキサンの添加量は、(A)成分100重量部に対し0.5〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。この添加量が少なすぎても多すぎても、十分に所望の硬化物性を得ることが困難となる。
本発明で使用する(E)成分の白金族金属系触媒は、(A)成分および(D)成分中のアルケニル基と(B)成分中のSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するための触媒であり、上記で説明したように、(D)成分のアルケニル基含有直鎖状ジオルガノポリシロキサンと予め接触させ均一に混合した混合物の形態で他の成分と配合することが必須とされるものである。
この白金族金属系触媒としては、白金ブラック;塩化白金酸;塩化白金酸のアルコール変性物;塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサンまたはアセチレンアルコール類等との錯体等の白金化合物;およびロジウム、パラジウム等の白金族金属を含有する化合物等を挙げることができる。特に好ましくは、(A)成分、(B)成分および(D)成分との相溶性の点から、塩化白金酸のビニルシロキサン錯体等のシラン、シロキサン変性物である。なお、この場合、白金族金属と錯体を形成している配位子としてのビニルシロキサンは白金族金属系触媒の一構成要素であり、前記(A)成分、(D)成分のいずれにも該当しないものである。この白金族金属系触媒の配合量は白金族金属の重量換算で(A)、(D)および(B)成分の合計重量に対して5〜300ppm、好ましくは10〜200ppmである。この添加量が少なすぎると、架橋開始温度が高くなりすぎ、終了時間の遅延につながる。また多すぎると、注型が完全に終わる前に架橋が開始されるおそれがある。
本発明で必要に応じて任意に使用する(F)成分の金属粉体は、ゴム配合組成物中の熱伝導率を高めることのできる金属粉体であれば、特に制限されることはなく、アルミニウム、金、銀、銅等の純粋金属粉体を好適に使用することができる。かかる金属粉体は、好ましくは10〜500μm、より好ましくは100〜200μmの粒径を有する球状物とする。金属粉体が針状や板状の場合には、得られる架橋物の物性に異方性が現れ、好ましくない。この(F)成分の金属粉体の添加量は、(A)成分100重量部に対して、通常、10重量部以下(即ち、0〜10重量部)、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。この添加量が少なすぎると、ゴム配合組成物中の熱伝導率を十分に高めることができず、架橋反応の進行が表面と内部とで異なることになる場合がある。また多すぎると、ゴム配合組成物の粘度が高くなりすぎ、細部へのゴム配合組成物の充填が困難となる場合がある。また注型時間が延びて作業性が悪くなり、さらにはウッドレジンへの濡れ性が低下する場合がある。
本発明で必要に応じて任意に使用する(G)成分としての無機粉体は、前記(C)シリカおよび(F)金属粉体以外のものであり、前記ゴム配合組成物の熱収縮率を調整する作用を有する。無機粉体の種類は特に制限されることはなく、例えば、マイカ、滑石、石こう、方解石、ホタル石、リン灰石、長石等の鉱物性粉体や、カオリン等の粘土、ゼオライト、ガラス粉体等を使用することができる。この(G)成分の無機粉体の添加量は、(A)成分100重量部に対し、通常、5重量部以下(即ち、0〜5重量部)、好ましくは1〜5重量部、より好ましくは1〜2重量部である。この添加量が少なすぎると、ゴム配合組成物に対する調整効果が不十分となる場合があり、また多すぎると、ゴム配合組成物の粘度が高くなりすぎ、所期の効果を奏し得なくなる場合がある。
その他、本発明のゴム組成物には、必要に応じて従来のシリコーンゴム組成物に使用される各種添加剤を適宜添加することができる。例えば、常温での可使時間を延長させるなど、硬化時間の調整を行うための制御剤や、シランカップリング剤等を必要に応じて添加することができる。
本発明のゴム配合組成物の架橋反応は、20〜70℃、好ましくは20〜60℃、より好ましくは30〜50℃の温度で、4〜24時間、好ましくは6〜18時間にて好適に行うことができる。
本発明のゴム組成物は、以上説明してきたような優れたゴム性能を有することからタイヤ用モールドの型取りに好適に用いることができる。また、屈曲性能に優れることから、タイヤ成形用または加硫用ブラダーに適用することも好適であり、この場合、すべり効果が高いことから加硫後のタイヤ内面との剥離が良好で、かつ、経時劣化にも強いというメリットを有する。
また、本発明のゴム組成物の製造は、(A)〜(E)成分および必要に応じて加えられる1種または2種以上の任意成分をプラネタリーミキサー、品川ミキサー等の公知の混合手段を用いて混合する際に、(D)成分と(E)成分とを予め均一に混合した混合物とし、該混合物と、残りの(A)、(B)および(C)成分並びに所望に応じ添加される任意成分、またはこれらの混合物とを、任意の混合順序で混合することにより行う。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、以下の記載により何ら限定されるものではない。また、以下の実施例および比較例において、「部」は重量部を表し、粘度は25℃における値を示す。
<調製例1>コンパウンドの調製
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され主鎖がジメチルシロキサン単位の繰り返しからなる重量平均分子量16000の直鎖状ジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量=0.2重量%)100部と、ヒュームドシリカ(BET法による比表面積:200m2/g、タップ密度:0.2g/ml)40部と、ヘキサメチルジシラザン5部と、水2.5部とを、ニーダー内において、室温で1時間混合した。次いで、ニーダー内部の温度を60分かけて160℃まで昇温して、その温度を保ったまま4時間混合を継続し、コンパウンド(1)を得た。
<調製例2>硬化剤の調製
調製例1と同じ重量平均分子量16000の分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量=0.2重量%)7部、粘度30cPの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H結合水素原子含有量=1.5重量%)3部を混合し、硬化剤(1)を得た。
<調製例3>硬化触媒の調製
塩化白金酸のビニルシロキサン錯体を軟化点80〜90℃の熱可塑性シリコーン樹脂中に分散して微粒子化した触媒3部(以下の各実施例、比較例の配合組成において、(A)、(B)および(D)成分の総量に対する触媒中の白金金属が重量換算で30ppmとなる量に相当する)と重量平均分子量13000の分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量=0.21重量%)7部を均一に混合して、硬化触媒(1)を調製した。
<実施例1>
上記コンパウンド(1)と上記硬化剤(1)とを100:10(重量比)の割合で混合し、ここに上記硬化触媒(1)を1部で混合して、ゴム組成物を調製した。次いで、これを、タイヤのトレッドパターンを有する金属ブレード付きウッドレジンに供給し、40℃×16時間の条件にて硬化させた。
<従来例>
従来例として、従来より使用されているチオコール(チオコール社製多硫化ゴムの商品名)を実施例と同様の架橋条件にて硬化させた。
<比較例1>
硬化触媒(1)1部に代えて、<調製例3>で使用した塩化白金酸のビニルシロキサン錯体を軟化点80〜90℃の熱可塑性シリコーン樹脂中に分散して微粒子化した触媒0.3部を使用した以外は実施例1と同様にして、ゴム組成物を調製した。次いで、これを、タイヤのトレッドパターンを有する金属ブレード付きウッドレジンに供給し、40℃×16時間の条件にて硬化させた。
<比較例2>
硬化触媒(1)1部に代えて、<調製例3>で使用した塩化白金酸のビニルシロキサン錯体を軟化点80〜90℃の熱可塑性シリコーン樹脂中に分散して微粒子化した触媒0.3部と、<調製例3>で使用した重量平均分子量13000の分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量=0.21重量%)0.7部とを、予め混合することなく、それぞれ個別に、コンパウンド(1)と上記硬化剤(1)との100:10(重量比)の混合物に添加混合した以外は実施例1と同様にして、ゴム組成物を調製した。次いで、これを、タイヤのトレッドパターンを有する金属ブレード付きウッドレジンに供給し、40℃×16時間の条件にて硬化させた。
<実施例2>
重量平均分子量13000の分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量=0.21重量%)7部に代えて、重量平均分子量5000の分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量=0.56重量%)7部を使用した以外は<調製例3>と同様にして硬化触媒を調製し(これを硬化触媒(2)とする)、この硬化触媒(2)を硬化触媒(1)の代わりに使用した以外は実施例1と同様にして、ゴム組成物を調製した。次いで、これを、タイヤのトレッドパターンを有する金属ブレード付きウッドレジンに供給し、40℃×16時間の条件にて硬化させた。
実施例および比較例で得られた硬化物について、形状安定性、強度、作業性、安全性およびブラダー性能について評価を行った。評価結果を下記の表1に示す。尚、表中、各加硫物性値は、それぞれJIS K6301に準拠して測定した。また、切り欠きクラック進展性については、初期歪100%、負荷歪30%(負荷歪70〜130%)、負荷周波数10Hz、雰囲気温度25℃±2℃の条件下で、クラック進展が1.0mm進行するまでに与えた繰り返し歪回数Nを求めた。さらに、ブラダーライフについては、タイヤ加硫時間15分(13kg/cm2スチーム圧で圧入時間5分、その後10分を内圧21kg/cm2)でブラダーがパンクするまでの加硫回数(本数)を求めた。
Figure 0004801941
表1の結果より、実施例においては従来例および比較例に比し形状安定性が高く、日限40日以上を確保できることがわかる。また、強度および耐クリープ性が高いことから、ブレード等の挿入で切れやヘタリが発生しにくいことがわかる。特に、シリコーンゴム固有の切れ易さが良好に克服されている。

Claims (10)

  1. (A)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン;100重量部、
    (B)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン;1〜20重量部、
    (C)比表面積50m/g以上のシリカ微粉末;30〜60重量部、
    (D)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有し、重量平均分子量が(A)成分より小さい直鎖状ジオルガノポリシロキサン;0.5〜20重量部、および、
    (E)白金族金属系触媒;(A)、(B)および(D)成分の総量に対し白金族金属の重量換算で5〜300ppm、
    を含有する組成物であって、(D)成分と(E)成分とを予め均一に混合した後、該混合物を残りの成分と混合することにより得られたものであり、
    (A)成分の重量平均分子量が10000〜20000であり、(D)成分の重量平均分子量が5000〜16000であり、かつ、(A)成分に対する(D)成分の重量平均分子量の比が0.5〜0.9であることを特徴とするタイヤ製造用シリコーンゴム組成物。
  2. (A)成分及び/又は(D)成分が、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンである請求項1記載のタイヤ製造用シリコーンゴム組成物。
  3. (B)成分が分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖オルガノハイドロジェンポリシロキサンである請求項1または2記載のタイヤ製造用シリコーンゴム組成物。
  4. (C)成分が表面疎水化処理されたヒュームドシリカである請求項1〜のうちいずれか一項記載のタイヤ製造用シリコーンゴム組成物。
  5. タイヤ用モールドの型取りに用いられる請求項1〜のうちいずれか一項記載のタイヤ製造用シリコーンゴム組成物。
  6. タイヤ用アルミニウム合金モールド鋳造法における鋳造中子としての石膏鋳型の型取りに用いられる請求項記載のタイヤ製造用シリコーンゴム組成物。
  7. タイヤ加硫用ブラダーに用いられる請求項1〜のうちいずれか一項記載のタイヤ製造用シリコーンゴム組成物。
  8. タイヤ成型用ブラダーに用いられる請求項1〜のうちいずれか記載のタイヤ製造用シリコーンゴム組成物。
  9. (A)成分として重量平均分子量が13000〜20000の分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンを100重量部、
    (B)成分として分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンを5〜20重量部、
    (C)成分として比表面積100〜400m/gの疎水性ヒュームドシリカを30〜60重量部、
    (D)成分として重量平均分子量が10000〜16000であって、(A)成分に対する重量平均分子量の比が0.75〜0.85である分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンを0.5〜20重量部、および、
    (E)成分として白金族金属系触媒を(A)、(B)および(D)成分の総量に対し白金族金属の重量換算で10〜200ppm、
    それぞれ含有し、タイヤ用アルミニウム合金モールド鋳造法における鋳造中子としての石膏鋳型の型取りに用いられる請求項1記載のタイヤ製造用シリコーンゴム組成物。
  10. (A)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状ジオルガノポリシロキサン;100重量部、
    (B)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン;1〜20重量部、
    (C)比表面積50m/g以上のシリカ微粉末;30〜60重量部、
    (D)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有し、重量平均分子量が(A)成分より小さい直鎖状ジオルガノポリシロキサン;0.5〜20重量部、および、
    (E)白金族金属系触媒;(A)、(B)および(D)成分の総量に対し白金族金属の重量換算で5〜300ppm、
    のうち、(D)成分と(E)成分とを均一に混合する工程と、該混合物を残りの成分と混合する工程と、を含み、
    (A)成分の重量平均分子量が10000〜20000であり、(D)成分の重量平均分子量が5000〜16000であり、かつ、(A)成分に対する(D)成分の重量平均分子量の比が0.5〜0.9であることを特徴とするタイヤ製造用シリコーンゴム組成物の製造方法。
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