JP6540300B2 - 介在部材 - Google Patents

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本発明は、介在部材に関する。
特許文献1には、防振ゴムと、防振ゴムに挿通されるボルトと、防振ゴムを収容する筒体と、筒体の軸方向の両端部に互いに対向して配置され、筒体を間に挟んでボルトにより締結される取付部材と、を備えるミッションマウントが開示されている。特許文献1に記載のミッションマウントでは、取付部材と筒体との接触による損傷及び騒音を抑制するために、取付部材と筒体との間にゴム製の介在部材(サイドストッパ)が配置されている。
特開平11−125289号公報
上記のような介在部材は、使用と共に摩耗することがあるため、交換が必要となる。従来のように、介在部材がミッションマウントに組み込まれている構成では、介在部材の着脱に際してミッションマウントを分解する必要があり、作業性が良くなかった。そこで、介在部材では、板状の本体部と、本体部に形成された円形状を呈する穴部と、を備える構成において、本体部の外縁と穴部により形成される内縁とにわたって連続する切込み部を設けた構成が採用されている。この構成では、切込み部により、ミッションマウントを分解することなく介在部材の着脱を行うことができる。しかしながら、切込み部を有する構成では、作業性は向上するものの、ミッションマウントが取り付けられるトランスミッション等の振動により介在部材が回転し、切込み部が上側に位置したときにミッションマウントから脱落するおそれがある。
本発明は、取り付け作業性を維持しつつ、脱落を防止できる介在部材を提供することを目的とする。
本発明に係る介在部材は、板状の本体部と、本体部を厚み方向に貫通して設けられた円形状を呈する穴部と、本体部に設けられ、本体部の外縁と穴部とにわたって連続して形成された切込み部と、を備え、本体部の重心位置は、穴部の中心位置とは異なっており、切込み部は、本体部において重心側に設けられている。
この介在部材では、本体部の重心位置は、穴部の中心位置とは異なっている。この構成において、切込み部は、本体部において重心側に設けられている。これにより、介在部材では、例えばミッションマウントに取り付けられたときに、自重によって切込み部が常に下方に位置する。そのため、介在部材では、例えば振動を受けた場合であっても、切込み部が上側に位置することを抑制できる。したがって、介在部材では、脱落することが防止される。また、介在部材では、切込み部を有しているため、取り付け作業性を維持できる。
一実施形態においては、本体部は、長手方向を有する形状を呈しており、穴部の中心に沿った方向から見て、中心を通り且つ長手方向に直交する第1直線を境界に本体部を第1部分と第2部分とに区画した場合、本体部において第2部分の面積の占める割合が第1部分の面積が占める割合よりも大きく、切込み部は、第2部分に設けられていてもよい。この構成により、本体部は、切込み部が設けられている側の重量が大きくなる。そのため、切込み部は、本体部の自重によって常に下方に位置する。その結果、介在部材では、例えば振動を受けた場合であっても、切込み部が上側に位置することを抑制できる。
一実施形態においては、切込み部は、中心と重心とを通る第2直線上に当該第2直線に沿って形成されていてもよい。この構成により、切込み部は、例えばミッションマウントに取り付けられたときに、鉛直方向に沿って延在する。これにより、そのため、介在部材が脱落することをより一層防止できる。
本発明によれば、取り付け作業性を維持しつつ、脱落を防止できる。
図1は、一実施形態に介在部材が設けられたミッションマウントが取り付けられた車両の一部を模式的に示す図である。 図2は、ミッションマウントを示す斜視図である。 図3は、ミッションマウントの断面構成を示す斜視図である。 図4は、介在部材を示す図である。 図5は、介在部材をミッションマウントに取り付ける状態を示す斜視図である。 図6は、ミッションマウントに介在部材を取り付けた状態を示す斜視図である。 図7(a)は、他の実施形態に係る介在部材の正面図であり、図7(b)は、図7(a)に示す介在部材の側面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、一実施形態に介在部材が設けられたミッションマウントが取り付けられた車両の一部を模式的に示す図である。図1に示されるように、介在部材1(図3参照)が設けられるミッションマウント100は、車両に搭載されるトランスミッション120とアクスル140との間に設けられている。
最初に、介在部材1が取り付けられるミッションマウント100について説明する。図2は、ミッションマウント100を示す斜視図である。図3は、ミッションマウント100の断面構成を示す図である。
図2及び図3に示されるように、ミッションマウント100は、防振ゴム102と、防振ゴム102に内挿される円筒状のインナー部材104と、インナー部材104に内挿される連結ボルト106と、防振ゴム102を内挿する円筒状のアウター部材108と、インナー部材104の両端部に外装される一対のカラー110a,110bと、トランスミッション120に取り付けられる第1ブラケット112と、アクスル140に取り付けられる第2ブラケット114a,114bと、を有している。
防振ゴム102は、中空部102aを有している。インナー部材104は、例えば、金属製である。インナー部材104は、防振ゴム102の中空部102aに内挿されている。インナー部材104の軸方向における長さ寸法は、防振ゴム102の中空部102aの軸方向における長さ寸法よりも大きい。
連結ボルト106は、ボルト部106aと、ナット106bと、を有している。ボルト部106aは、インナー部材104に内挿されると共に、第2ブラケット114a,114bの後述する挟持部115の穴部115hに挿通されている。連結ボルト106は、第2ブラケット114a,114bの一対の挟持部115を挟んで、ボルト部106aがナット106bにより締結されている。
アウター部材108は、例えば、金属製である。アウター部材108は、防振ゴム102を収容している。アウター部材108の内径は、防振ゴム102の外径と同等である。アウター部材108の軸方向における長さ寸法は、防振ゴム102の中空部102aの軸方向における長さ寸法と同等である。
カラー110a,110bは、インナー部材104の軸方向の両端部側に配置されている。カラー110a,110bのそれぞれは、厚み方向に貫通する穴部110hを有している。カラー110a,110bのそれぞれは、穴部110hにインナー部材104が挿通されている。カラー110a,110bの外形は、円形状を呈している。
第1ブラケット112は、例えば、金属製である。第1ブラケット112は、アウター部材108に固定される固定部112aと、トランスミッション120に取り付けられる取付部112bと、を有している。固定部112aは、アウター部材108を挟む位置に対向して位置する一対の対向部分112cを有し、当該対向部分112cがアウター部材108の外側面に例えば溶接により固定されている。固定部112aは、取付部112bに例えばボルトにより固定されている。取付部112bは、板状の部材である。取付部112bは、例えばボルトにより、トランスミッション120に取り付けられる。
第2ブラケット114a,114bは、例えば、金属製である。第2ブラケット114a,114bのそれぞれは、挟持部115と、取付部116と、を有している。挟持部115及び取付部116は、板状の部材である。挟持部115は、取付部116に対して略垂直に屈曲している。
挟持部115は、防振ゴム102、インナー部材104、アウター部材108、及び、カラー110a,110bを間に挟んで対向して配置され、連結ボルト106により締結されている。挟持部115は、インナー部材104の軸方向の端部及びカラー110a,110bと当接している。挟持部115と防振ゴム102及びアウター部材108の軸方向の端部との間には、間隙Sが設けられている。間隙Sは、防振ゴム102の中空部102aの軸方向における変形を許容する。取付部116は、例えばボルトにより、アクスル140に取り付けられる。
続いて、介在部材1について詳細に説明する。介在部材1は、上記構成を有するミッションマウント100の間隙Sに配置される。図4は、介在部材1を示す図である。図1に示されるように、介在部材1は、本体部3と、穴部5と、切込み部7と、を備えている。
本体部3は、例えば、ゴム等の弾性部材で形成されている。本体部3は、板状を成している。本体部3は、一定の厚みを有している。本体部3の厚みは、設計に応じて適宜設定されればよい。本体部3は、長手方向を有する形状を呈している。本実施形態では、本体部3は、楕円形状を呈している。
穴部5は、本体部3に設けられている。穴部5は、本体部3を厚み方向に貫通して形成されている。穴部5は、真円形状を呈している。図4に示されるように、穴部5は、本体部3において、本体部3の長手方向の一方側に偏った位置(図4においては上側)に形成されている。穴部5の径は、カラー110a,110bの外径以上に設定されている。
切込み部7は、本体部3に設けられている。切込み部7は、本体部3の外縁3aと穴部5とにわたって連続して形成されている。切込み部7は、直線状に形成されている。具体的には、切込み部7は、穴部5の中心Cと本体部3の重心G(後述)とを結ぶ直線(第2直線)L上において、直線Lに沿って形成されている。本実施形態では、切込み部7は、本体部3の長手方向に沿っている。切込み部7の幅は、適宜設定されればよいが、脱落を防止する観点からは、適度に狭いことが好ましい。
本実施形態では、上述のように、穴部5は、本体部3において、本体部3の長手方向の一方側に偏った位置に配置されている。この構成により、本体部3は、穴部5の中心Cに沿った方向(図3における奥行方向)から見て、中心Cを通り且つ本体部3の長手方向(直線L)に直交する直線(第1直線)L1を境界として本体部3を第1部分4aと第2部分4bとに区画した場合、本体部3において第2部分4bの面積の占める割合が第1部分4aの面積に占める割合よりも大きい。これにより、本体部3は、長手方向の他方側の重量、すなわち第2部分4bの重量が第1部分4aの重量よりも大きくなる。そのため、図4に示されるように、本体部3の重心G位置は、穴部5の中心C位置とは異なっている。本体部3の重心Gは、穴部5の中心Cと同一直線(直線L)上に位置している。
上記構成を有する介在部材1は、ミッションマウント100に着脱可能に設けられている。介在部材1をミッションマウント100に取り付ける場合には、図5に示されるように、間隙Sに介在部材1を挿し込む。具体的には、介在部材1の切込み部7を介してカラー110a,110bに介在部材1を取り付ける。これにより、図6に示されるように、カラー110a(カラー110b)を包囲するように穴部5が位置し、ミッションマウント100に介在部材1が取り付けられる。
以上説明したように、本実施形態に係る介在部材1では、本体部3の重心G位置は、穴部5の中心C位置とは異なっている。この構成において、切込み部7は、本体部3において重心G側に設けられている。これにより、介在部材1では、ミッションマウント100に取り付けられたときに、自重によって切込み部7が常に下方に位置する。そのため、介在部材1では、例えば振動を受けた場合であっても、切込み部7が上側に位置することを抑制できる。したがって、介在部材1では、脱落することが防止される。また、介在部材1では、切込み部7を有しているため、取り付け作業性を維持できる。
本実施形態では、本体部3は、長手方向を有する形状を呈している。介在部材1では、穴部5の中心Cに沿った方向から見て、中心Cを通り且つ本体部3の長手方向に直交する直線L1を境界に本体部3を第1部分4aと第2部分4bとに区画した場合、本体部3において第2部分4bの面積の占める割合が第1部分4aの面積が占める割合よりも大きい。切込み部7は、第2部分4bに設けられている。この構成により、本体部3は、切込み部7が設けられている側の重量が大きくなる。そのため、切込み部7は、本体部3の自重によって常に下方に位置する。その結果、介在部材1では、例えば振動を受けた場合であっても、切込み部7が上側に位置することを抑制できる。
本実施形態では、切込み部7は、中心Cと重心Gとを通る直線L上に当該直線Lに沿って形成されている。この構成により、切込み部7は、ミッションマウント100に取り付けられたときに、鉛直方向に沿って延在する。そのため、介在部材1がカラー110a,110bから脱落することをより一層防止することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、本体部3の外形を楕円形状とし、本体部3における穴部5の中心Cの位置を本体部3の中心とずらすことにより、本体部3の重心Gの位置を穴部5の中心Cの位置と異ならせる形態を一例に説明した。しかし、介在部材は、以下のような形態であってもよい。
図7(a)は、他の実施形態に係る介在部材の正面図であり、図7(b)は、図7(a)に示す介在部材の側面図である。図7(a)及び図7(b)に示されるように、介在部材1Aは、本体部3Aと、穴部5Aと、切込み部7Aと、を備えている。
本体部3Aの外形は、円形状を呈している。穴部5Aは、本体部3Aに設けられている。穴部5Aは、本体部3Aを厚み方向に貫通して形成されている。穴部5Aは、真円形状を呈している。図7(a)に示されるように、穴部5は、その中心Cが本体部3Aの中心と一致する位置に形成されている。これにより、介在部材1Aは、円環状を呈している。
切込み部7Aは、本体部3Aに設けられている。切込み部7Aは、本体部3Aの外縁3Aaと穴部5Aとにわたって連続して形成されている。切込み部7Aは、直線状に形成されている。
図7(b)に示されるように、本体部3Aは、穴部5Aの中心Cに沿った方向(図7(a)における奥行方向)から見て、中心Cを通る直線L2を境界として本体部3を第1部分4Aaと第2部分4Abとに区画した場合、第2部分4Abの厚みが第1部分4Aaの厚みよりも大きい。これにより、本体部3Aは、第2部分4Abの重量が第1部分4Aaの重量よりも大きくなる。そのため、図7(a)に示されるように、本体部3Aの重心G位置は、穴部5Aの中心C位置とは異なっている。切込み部7Aは、第2部分4Abに設けられており、穴部5Aの中心Cと本体部3Aの重心Gとを結ぶ直線L3上において、直線L3に沿って形成されている。
このような構成により、介在部材1Aでは、ミッションマウント100に取り付けられたときに、自重によって切込み部7Aが常に下方に位置する。そのため、介在部材1Aでは、例えば振動を受けた場合であっても、切込み部7Aが上側に位置することを抑制できる。したがって、介在部材1Aでは、脱落することが防止される。また、介在部材1Aでは、切込み部7Aを有しているため、取り付け作業性を維持できる。
また、介在部材では、本体部において、所定の直線を境界に区画された2つの部分のそれぞれを、低密度材料と高密度材料とにより形成してもよい。この構成では、本体部は、高密度材料で形成された部分の重量が低密度材料で形成された部分よりも大きくなる。切込み部は、高密度材料で形成された部分に設けられる。これにより、介在部材では、ミッションマウント100に取り付けられたときに、自重によって切込み部7が常に下方に位置する。そのため、介在部材では、例えば振動を受けた場合であっても、切込み部が上側に位置することを抑制できる。
上記実施形態では、本体部3がゴム製である形態を一例に説明したが、本体部3の材料はこれに限定されない。本体部3は、樹脂製であってもよい。アウター部材108と第2ブラケット114a,114bとの接触音を低減する観点からは、本体部3が弾性部材で形成されることが好ましい。
上記実施形態では、切込み部7,7Aが直線状を呈する形態を一例に説明したが、切込み部の形状はこれに限定されない。切込み部は、本体部の外縁と穴部とにわたって連続して形成されていればよい。
上記実施形態では、穴部5,5Aが真円形状を呈する形態を一例に説明したが、穴部は円形状を呈していればよい。
上記実施形態では、本体部3の外形が楕円形状を呈し、本体部3Aの外形が円形状を呈する形態を一例に説明したが、本体部の外形の形状はこれに限定されない。
上記実施形態では、介在部材1,1Aがミッションマウント100に取り付けられる形態を一例に説明したが、介在部材1,1Aは他の構造に適用されてもよい。
1,1A…介在部材、3,3A…本体部、5,5A…穴部、7,7A…切込み部、C…中心、G…重心,L…直線(第2直線)、L1…直線(第1直線)。

Claims (2)

  1. 板状の本体部と、
    前記本体部を厚み方向に貫通して設けられた円形状を呈する穴部と、
    前記本体部に設けられ、前記本体部の外縁と前記穴部とにわたって連続して形成された切込み部と、を備え、被取付部を包囲して前記穴部が位置するように、前記切込み部を介して前記被取付部に取り付けられる介在部材であって、
    前記本体部は、前記穴部の中心に沿った方向から見て、前記中心を通る直線を境界として当該本体部を第1部分と第2部分とに区画した場合、前記第2部分の厚みが前記第1部分の厚みよりも大きく、前記第2部分の重量が前記第1部分の重量よりも大きくなっており、
    前記本体部の重心位置は、前記穴部の前記中心位置とは異なっており、
    前記切込み部は、前記本体部の前記第2部分に設けられている、介在部材。
  2. 前記切込み部は、前記中心と前記重心とを通る第2直線上に当該第2直線に沿って形成されている、請求項1に記載の介在部材。
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