JP6537144B2 - 多列型リードフレーム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多列型リードフレーム及びその製造方法に関する。
半導体素子を搭載した半導体装置は、一般照明やテレビ・携帯電話・OA機器等のディスプレイ等、様々な機器で使用されるようになってきた。
これらの半導体装置において、薄型化や量産化等の要請に応えるべく開発されてきたものとして、従来、電気的に絶縁されたパッド部とリード部を有するリードフレームに半導体素子が搭載され、半導体素子が搭載された側のパッド部とリード部を封止する封止樹脂部が形成され、下面側からのハーフエッチングにより各導体端子が独立し、下面側に外部接続端子部を形成するようにして製造された半導体装置がある。
この種の半導体装置では、外部接続端子部となる箇所は、上面側からも下面側からもエッチングされずリードフレーム基材をなす金属板の厚さがそのまま残り、封止樹脂部よりも下面側に突出している。
また、この種の半導体装置の製造に使用されるリードフレームは、多数の半導体装置を一度に得るために、パッド部とリード部との組合せからなる個々のリードフレーム領域がマトリックス状に配列された多列型リードフレームとして形成されている。パッド部、リード部は、それぞれが、リードフレームの基材をなす金属板から形成された連結部に接続されており、連結部を介して、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部や、多列型リードフレーム製造用の上記金属板における外枠部と連結されている。
そして、この種の半導体装置の製造では、多列型リードフレームにおける各リードフレーム領域に、半導体素子を搭載・固定、ワイヤボンディング等を行い、半導体素子が搭載された上面側を封止する封止樹脂部を、連結部を覆うようにして一括形成後、下面側からのハーフエッチングにより各導体端子を独立させ、下面側に外部接続端子部を形成し、その後、一括形成した封止樹脂部の一部と連結部の一部を、各リードフレーム領域の間の切断部に沿って同時に切断する。
この切断加工により、半導体装置の下面側にパッド部とリード部の下面が露出し、外部基板との電気的接続が可能な個々の半導体装置が得られる。個々の半導体装置の側面には、リードフレームの連結部が封止樹脂部とともに切断面の一部として露出している。
このような構成を備えた従来の半導体装置は、例えば次の特許文献1に記載されている。
特開2007−150372号公報
上述のように、半導体装置の製造においては、一度に多数の半導体装置を得るために、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部を、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部と連結させるための連結部を介して繋げた多列型リードフレームが用いられる。
ところで、上述の多列型リードフレームを用いて製造される半導体装置は、一般的にリードフレームの下面側に外部接続用端子面が露出する表面実装型のパッケージである。表面実装型の半導体装置においては、下面側に露出する外部接続用端子面の平坦性が要求され、パッド部やリード部の段差、変形や反り等も不具合につながるため厳しい制約がある。
しかるに、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部と、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部とを、夫々連結部を介して繋げた構成にすると、連結部の強度や、連結部に接続されるパッド部及びリード部の形状、接続位置によっては、連結部に変形が生じてパッド部やリード部に段差、変形、反り等が生じ易くなり、下面側に露出する外部接続用端子面の平坦性が損なわれて、外部機器との接続に悪影響を与える虞がある。
リードフレーム全体の反り及び変形を抑制するためには、連結部にはある程度の強度を持たせることが要求され、そのためには、連結部の幅や厚さを大きくする必要がある。しかも、連結部に変形が生じ難いように、パッド部及びリード部の形状、連結部との接続位置を工夫する必要があり、パッド部やリード部の設計の自由度も制限される。
しかし、連結部はリードフレームの基材をなす金属で構成されており、連結部の幅や厚さを大きくすると、個々の半導体装置に切断加工するために封止樹脂部とともに連結部を切断する際のブレードに目詰りが生じ、ドレス作業によるブレードの再生作業が必要となり、ブレードの連続生産性を低下させる。しかも、連結部は各リードフレーム領域における複数個所に接続するように多数設けられており、多列型リードフレームを用いて製造した、半導体装置領域が複数配列されている多列型半導体装置を個々の半導体装置にするためには、ブレードで非常に多くの連結部を切断する必要があるため、ブレードの製品寿命に著しい悪影響を与える。
また、上述のように、連結部を構成する金属は、反りや変形対策となる厚さや幅を必要とするため、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部と、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部とを連結する連結部の長さを、縮めることができない。
その結果、連結部が多列型リードフレームに占める専有面積は無視できない大きさになる。しかも、上述のように、連結部に変形が生じ難いように、パッド部及びリード部の形状、連結部との接続位置を工夫する必要がある。
このため、多列型リードフレーム形成エリア内において形成しうる個々のリードフレームの数が制限されて、多列型半導体装置製造時における半導体装置領域の集積化を阻害する。
他方、連結部の幅や厚さを小さくして、連結部がブレードに与える悪影響を弱めることで、ブレードの幅を薄くし、ブレードによる切断幅を薄くすることにより、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部と、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部とを連結する連結部の長さを短くして、組立部位として構成されるパット部、リード部及び個々のリードフレーム領域の連結部エリアを縮小して、多列型半導体装置製造時における半導体装置領域の集積化を図ろうとすると、上述のように、個々のリードフレームを連結する連結部の強度が弱くなり、連結部を介して連結されるパッド部やリード部の変形や反りなどが多く発生し、半導体装置の組立歩留りを低下させる問題が生じる。このため、特許文献1に記載の半導体装置のような連結部を有する多列型リードフレームを用いた従来の半導体装置では、ブレードによる切断幅を、0.3〜0.5mm程度は設けざるを得ず、パッケージ領域の集積化が制限されていた。
また、一般的に、連結部を有する多列型リードフレームにおいては、半導体装置の組立工程における、連結部の変形や反りなどを原因とする半導体装置の組立歩留りの低下を抑制するために、多列型リードフレームの裏側に露出する面全体に連結部を介して連結されるパッド部やリード部の変形や反りを防止する手段として、樹脂製テープが貼り付けられる。この樹脂製テープは、外部接続用端子表面へのモールド樹脂(封止樹脂)の回り込みを防止する役目も果たす。
しかし、この樹脂製テープは、搭載した半導体素子をパッド部に固定するダイボンディング、半導体素子とリード部とを電気的に接続するワイヤボンディング、封止樹脂部を形成するためのモールド樹脂充填など、種々の加熱条件下での使用に耐えることができるように、高価な耐熱性ポリイミドフィルムと耐熱性シリコン接着剤で構成されている。このため、半導体装置の製造に際し、多列型リードフレームの下面に樹脂製のテープを貼り付けると、コスト高となってしまう。
更には、この樹脂製テープには、最終のモールド樹脂充填後に引き剥がして廃棄する際、樹脂製テープの接着剤層が外部接続用端子面やモールド樹脂側に残存するという問題がある。また、樹脂製テープに耐熱性の材料を用いても、種々の加熱条件下では、耐熱性の限界を超えて、樹脂製テープに熱収縮が生じ、樹脂製テープの熱収縮に伴いパッド部やリード部の位置が変動して個々の半導体装置の寸法精度にバラツキが生じてしまうという問題もあった。
また、個々のリードフレーム領域が夫々連結部を介して繋げられた多列型リードフレームを用いて製造される個々の半導体装置では、上述のように、リードフレームの連結部が封止樹脂部とともに切断面の一部として露出し、半導体装置から露出したリードフレームの連結部の切断面からメッキを被覆されていないリードフレームの基材をなす金属が露出することになる。このため、切断面に金属バリが生じた場合には接触不良につながる虞があり、また、完成後の半導体装置を外部機器に接続して使用中に、連結部の切断面から水分が浸入し、リードフレームの基材をなす金属が腐食して半導体装置製品の品質を劣化させる等の不具合を生じる虞があった。
しかるに、本件発明者は、試行錯誤を重ねた末に、本発明を導出する以前に、製品化された個々の半導体装置の切断面での金属バリの発生による接触不良の虞や切断面からの水分の浸入の虞がなく、製造に際しては、個々に配置される半導体装置の集積化を促進し、パッド部やリード部の段差、変形や反り等を阻止して、下面側に露出する外部接続用端子面の平坦性を良好に保って生産性を向上させることができ、また、高価な樹脂テープの貼り付けが不要でコストを低減でき、さらには、個々の半導体装置を得るために切断するブレードの連続生産性と寿命を延ばすことの可能な半導体装置及び多列型リードフレーム、並びにその製造方法の発明を着想した。
そして、本件発明者が、更に検討・考察を重ねたところ、着想した前段階の発明の半導体装置及び多列型リードフレーム、並びにその製造方法には、半導体素子搭載部を封止する封止樹脂部のエッチング用薬液との接触による影響、半導体素子搭載部へのエッチング用薬液の浸入、封止樹脂部を形成後のリードフレーム基板における封止樹脂部形成側への反り、リードフレーム基材の下面側をエッチングすることに伴い生じる下面側のめっきバリ、リードフレーム基板に形成した樹脂部の密着性、端子間隔が狭く設計された半導体装置の外部接続用端子側における、外部機器と半田接合する際のリード部とパッド部間の半田ブリード等の改良すべき課題があることが判明した。
さらに、本件発明者が、上記改良すべき課題を解決しうる多列型リードフレーム及びそれらの製造方法、並びに半導体装置の製造方法を導出する過程において、リードフレームの製造工程におけるレジスト膜の使用量の増加に伴うコスト高といった更なる改良すべき課題も出てきた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、製品化された個々の半導体装置の切断面での金属バリの発生による接触不良の虞や切断面からの水分の浸入の虞がなく、製造に際しては、個々に配置される半導体装置の集積化を促進し、パッド部やリード部の段差、変形や反り等を阻止して、下面側に露出する外部接続用端子面の平坦性を良好に保って生産性を向上させることができ、また、高価な樹脂テープの貼り付けが不要でコストを低減でき、さらには、個々の半導体装置を得るために切断するブレードの連続生産性と寿命を延ばすことができ、しかも、半導体素子搭載部を封止する封止樹脂部がエッチング用薬液の影響を受けず、半導体素子搭載部へエッチング用薬液の浸入の虞がなく、封止樹脂部を形成後のリードフレーム基板における封止樹脂部形成側への反りを軽減でき、リードフレーム基材の下面側をエッチングしたときの下面側のめっきバリの発生を防止でき、リードフレーム基板に形成した樹脂部の密着性を強めることができ、端子間隔が狭く設計された半導体装置の外部接続用端子側における、外部機器と半田接合する際のリード部とパッド部間の半田ブリードを防止可能で、さらにはレジスト膜の使用量を抑えてコストを低減可能な多列型リードフレーム及びその製造方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明による多列型リードフレームは、リードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームであって、個々のリードフレーム領域は、金属板から、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状に形成されたパッド部及びリード部と、少なくとも前記リード部の上面に形成されためっき層と、前記パッド部と前記リード部との間並びに該パッド部及び該リード部の外周に前記金属板の下面側から該金属板の板厚の70〜90%の深さで介在し、該パッド部及び該リード部を固定する固定用樹脂部と、を有し、前記パッド部及び前記リード部は、側面の全周囲にわたって突起部を有し、前記固定用樹脂部は、前記パッド部及び前記リード部の前記突起部に周囲を囲まれて露出した端部を有することを特徴としている。
また、本発明の多列型リードフレームにおいては、前記固定用樹脂部が、前記金属板の下面側から約0.01〜0.06mmの突出長で突出しているのが好ましい。
また、本発明の多列型リードフレームにおいては、前記パッド部の側面と前記リード部の側面は、粗化処理が施されているのが好ましい。
また、本発明による多列型リードフレームの製造方法は、パッド部とリード部を有するリードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームの製造方法であって、少なくとも金属板の上面における前記リード部に対応する所定位置にめっき層を形成する工程と、前記金属板の上面側に、全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状の前記パッド部と前記リード部とに区画しうる第1のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、前記金属板の下面側から該金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、該金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいて前記パッド部と前記リード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、前記金属板における前記ハーフエッチングにより形成された前記第1の凹部に液状の樹脂を充填し、前記パッド部と前記リード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、前記金属板に形成した前記第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、前記金属板の上面側に、形成した前記めっき層を覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状の前記パッド部と前記リード部とに区画しうる、第2のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に、全面を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、前記金属板の上面側から前記固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、該金属板における前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部とを分離し、前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部が前記固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、前記金属板に形成した前記第2のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有することを特徴としている。
また、本発明の多列型リードフレームの製造方法においては、前記第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と前記第2のエッチング用のレジストマスクを形成する工程との間に、前記固定用樹脂部を形成する工程を経て前記金属板の下面側から所定長突出している前記固定用樹脂部を、該金属板の下面側からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する工程を有するのが好ましい。
また、本発明の多列型リードフレームの製造方法においては、前記金属板の下面側からの前記ハーフエッチングにより、形成される前記第1の凹部の面を粗化処理するのが好ましい。
また、本発明の多列型リードフレームの製造方法においては、前記金属板の上面側からの前記エッチングにより、形成される前記第2の凹部の側面を粗化処理するのが好ましい。
また、本発明による第2の多列型リードフレームの製造方法は、パッド部とリード部を有するリードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームの製造方法であって、少なくとも金属板の上面における前記リード部に対応する所定位置にめっき層を形成する工程と、前記金属板の両面に、夫々、全面を覆うレジスト膜を設ける工程と、前記金属板の上面側に設けたレジスト膜に対し、形成した前記めっき層に対応する第1の部位と前記第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、前記第2の部位が前記第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に設けたレジスト膜に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状の前記パッド部と前記リード部とに区画しうるエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、前記金属板の下面側から該金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、該金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいて前記パッド部と前記リード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、前記金属板における前記ハーフエッチングにより形成された前記第1の凹部に液状の樹脂を充填し、前記パッド部と前記リード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、前記金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクに対し、第2の現像を行って前記第2の部位に残存するレジスト膜を除去し、該金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクを、形成した前記めっき層を覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状の前記パッド部と前記リード部とに区画しうるように加工する工程と、前記金属板の上面側から前記固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、該金属板における前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部とを分離し、前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部が前記固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、前記金属板に形成した前記エッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有することを特徴としている。
また、本発明の第2の多列型リードフレームの製造方法においては、前記エッチング用のレジストマスクを除去する工程の後に、前記固定用樹脂部を形成する工程を経て前記金属板の下面側から所定長突出している前記固定用樹脂部を、該金属板の下面側からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する工程を有するのが好ましい。
また、本発明の第2の多列型リードフレームの製造方法においては、前記金属板の下面側からの前記ハーフエッチングにより、形成される前記第1の凹部の面を粗化処理するのが好ましい。
また、本発明の第2の多列型リードフレームの製造方法においては、前記金属板の上面側からの前記エッチングにより、形成される前記第2の凹部の側面を粗化処理するのが好ましい。
また、本発明による第3の多列型リードフレームの製造方法は、パッド部とリード部を有するリードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームの製造方法であって、少なくとも金属板の上面における全面にめっき層を形成する工程と、前記金属板の両面に、夫々、全面を覆うレジスト膜を設ける工程と、前記金属板の上面側に設けたレジスト膜に対し、該金属板の上面に形成されている前記めっき層における少なくとも前記リード部に対応する第1の部位と前記第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、前記第2の部位が前記第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に設けたレジスト膜に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、該金属板の下面における前記パッド部及び前記リード部に対応する第3の部位を覆い、前記第3の部位以外の第4の部位を露出させた、エッチング用のレジストマスクを形成する工程と、前記金属板の下面側から該金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、該金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいて前記パッド部と前記リード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、前記金属板における前記ハーフエッチングにより形成された前記第1の凹部に液状の樹脂を充填し、前記パッド部と前記リード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、前記金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクに対し、第2の現像を行って前記第2の部位に残存するレジスト膜を除去し、該金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクを、該金属板の上面における前記第1の部位に形成した前記めっき層を覆い、前記第2の部位に形成した前記めっき層を露出させるように加工する工程と、前記金属板の上面側から前記めっき層を該金属板とともに溶解しうるエッチング液を用いて前記固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、該金属板における前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部とを分離し、前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部が前記固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、前記金属板に形成した前記エッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有することを特徴としている。
また、本発明の第3の多列型リードフレームの製造方法においては、前記エッチング用のレジストマスクを除去する工程の後に、前記固定用樹脂部を形成する工程を経て前記金属板の下面側から所定長突出している前記固定用樹脂部を、該金属板の下面側からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する工程を有するのが好ましい。
また、本発明の第3の多列型リードフレームの製造方法においては、前記金属板の下面側からの前記ハーフエッチングにより、形成される前記第1の凹部の面を粗化処理するのが好ましい。
また、本発明の第3の多列型リードフレームの製造方法においては、前記金属板の上面側からの前記エッチングにより、形成される前記第2の凹部の側面を粗化処理するのが好ましい。
また、本発明による第4の多列型リードフレームの製造方法は、パッド部とリード部を有するリードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームの製造方法であって、金属板の上面側に、全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に、該金属板の下面における前記パッド部及び前記リード部に対応する第1の部位を覆い、前記第1の部位以外の第2の部位を露出させた第1のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、前記金属板の下面側から該金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、該金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいて前記パッド部と前記リード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、前記金属板における前記ハーフエッチングにより形成された前記第1の凹部に液状の樹脂を充填し、前記パッド部と前記リード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、前記金属板に形成した前記第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、少なくとも前記金属板の上面側に、該金属板の上面における前記リード部に対応する第3の部位を露出させ、前記第3の部位以外の第4の部位を覆う、上面側めっき用のレジストマスクを形成する工程と、前記上面側めっき用のレジストマスクを用いて前記金属板の上面における前記第3の部位にめっき層を形成する工程と、前記金属板に形成した前記上面側めっき用のレジストマスクを除去する工程と、前記金属板の上面側に、形成した前記めっき層を覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状の前記パッド部と前記リード部とに区画しうる第2のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に、全面を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、前記金属板の上面側から前記固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、該金属板における前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部とを分離し、前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部が前記固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、前記金属板に形成した前記第2のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有することを特徴としている。
また、本発明の第4の多列型リードフレームの製造方法においては、前記第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と前記上面側めっき用のレジストマスクを形成する工程との間に、前記固定用樹脂部を形成する工程を経て前記金属板の下面から所定長突出している前記固定用樹脂部を、前記金属板の下面側からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する工程を有するのが好ましい。
また、本発明の第4の多列型リードフレームの製造方法においては、前記金属板の下面側からの前記ハーフエッチングにより、形成される前記第1の凹部の面を粗化処理するのが好ましい。
また、本発明の第4の多列型リードフレームの製造方法においては、前記金属板の上面側からの前記エッチングにより、形成される前記第2の凹部の側面を粗化処理するのが好ましい。
本発明によれば、製品化された個々の半導体装置の切断面での金属バリの発生による接触不良の虞や切断面からの水分の浸入の虞がなく、製造に際しては、個々に配置される半導体装置の集積化を促進し、パッド部やリード部の段差、変形や反り等を阻止して、下面側に露出する外部接続用端子面の平坦性を良好に保って生産性を向上させることができ、また、高価な樹脂テープの貼り付けが不要でコストを低減でき、さらには、個々の半導体装置を得るために切断するブレードの連続生産性と寿命を延ばすことができ、しかも、半導体素子搭載部を封止する封止樹脂部がエッチング用薬液の影響を受けず、半導体素子搭載部へエッチング用薬液の浸入の虞がなく、封止樹脂部を形成後のリードフレーム基板における封止樹脂部形成側への反りを軽減でき、リードフレーム基材の下面側をエッチングしたときの下面側のめっきバリの発生を防止でき、リードフレーム基板に形成した樹脂部の密着性を強めることができ、端子間隔が狭く設計された半導体装置の外部接続用端子側における、外部機器と半田接合する際のリード部とパッド部間の半田ブリードを防止可能で、さらにはレジスト膜の使用量を抑えてコストを低減可能な多列型リードフレーム及びその製造方法が得られる。
本発明の第1実施形態にかかる多列型リードフレームを用いて製造された半導体装置の概略構成を示す図で、(a)は切断されて一個の製品となった状態の半導体装置の断面図、(b)は切断される前の一括製造された多列型半導体装置における切断部を示す部分断面図である。 図1に示す半導体装置の製造に用いる多列型リードフレームの概略構成を示す図で、(a)は個々のリードフレーム領域におけるパッド部とリード部の配置を上面側からみた部分平面図、(b)は図1(a)に示す半導体装置に用いる多列型リードフレームの個々のリードフレーム領域における構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる多列型リードフレームの製造工程を示す説明図である。 図3に示す工程を経て製造された多列型リードフレームを用いた半導体装置の製造工程の一例を示す説明図である。 本発明の第2実施形態にかかる多列型リードフレームの製造工程を示す説明図である。 図5の製造工程における要部の処理を概念的に示す説明図である。 本発明の第3実施形態にかかる多列型リードフレームの製造工程を示す説明図である。 本発明の第4実施形態にかかる多列型リードフレームの製造工程を示す説明図である。 本発明を導出する以前に着想した発明にかかる多列型リードフレームを用いた半導体装置の製造工程の一例を示す説明図である。
実施形態の説明に先立ち、本発明を導出するに至った経緯及び本発明の作用効果について説明する。
上述のように、本件発明者は、試行錯誤を重ねた末に、本発明を導出する以前に、製品化された個々の半導体装置の切断面での金属バリの発生による接触不良の虞や切断面からの水分の浸入の虞がなく、製造に際しては、個々に配置される半導体装置の集積化を促進し、パッド部やリード部の段差、変形や反り等を阻止して、下面側に露出する外部接続用端子面の平坦性を良好に保って生産性を向上させることができ、また、高価な樹脂テープの貼り付けが不要でコストを低減でき、さらには、個々の半導体装置を得るために切断するブレードの連続生産性と寿命を延ばすことの可能な半導体装置及び多列型リードフレーム、並びにその製造方法の発明として、図9に示す半導体装置及び多列型リードフレーム、並びにその製造方法を着想した。
本発明を導出する以前に着想した発明
本発明を導出する以前に着想した発明にかかる半導体装置は、図9(f)に示すように、半導体装置領域がマトリックス状に複数配列された多列型半導体装置を切断することによって形成された個々の半導体装置であって、金属板10から、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状に形成されたパッド部11及びリード部12と、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲んで、パッド部11及びリード部12を固定し、且つ、半導体素子20が搭載された金属板10の上面側を封止する封止樹脂部15を有している。また、多列型半導体装置を切断することによって形成された切断面が、樹脂部(封止樹脂部15、補強用樹脂部15’)のみで構成され、且つ、パッド部11及びリード部12の一部が、封止樹脂部15における半導体素子20を搭載する側とは反対側において封止樹脂部15の外周面に形成された切断面よりも内側の領域に露出している。なお、図9中、14はボンディングワイヤである。
図9(f)に示す半導体装置によれば、特許文献1に記載の半導体装置のような従来の半導体装置とは異なり、メッキを被覆されていないリードフレームの基材をなす金属が連結部の切断面として露出することがない。
このため、切断面での金属バリの発生の虞や切断面からの水分の浸入の虞がなく、金属が腐食して半導体装置製品の品質を劣化させる等の不具合を生じない。
また、図9(f)に示す半導体装置によれば、個々の半導体装置を得る前段階の、半導体装置領域がマトリックス状に複数配列された多列型半導体装置を製造した段階(図9(d)、図9(e)参照)において、個々のリードフレーム領域におけるパッド部11やリード部12と、他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12と、多列型リードフレーム製造用の金属板10における図示しない外枠部とが、封止樹脂部15や補強用樹脂15’等の樹脂部のみで固定され、リードフレームの基材をなす金属による連結部が存在しない構成となる。
このため、半導体装置領域がマトリックス状に複数配列された多列型半導体装置から個々の半導体装置を得る際におけるブレードの切断対象部位は、外枠部の一部を除き、殆ど全てが封止樹脂部15や補強用樹脂15’等の樹脂部のみとなる。
その結果、リードフレームの基材をなす金属を切断する量を、特許文献1に記載の半導体装置のような連結部を有する従来の半導体装置に比べて、大幅に減らすことができ、切断加工する際のブレードに与える悪影響を格段に低減し、ブレードの連続生産性と寿命を延ばすことができる。
また、図9(f)に示す半導体装置によれば、個々の半導体装置を得る前段階の、半導体装置領域がマトリックス状に複数配列された多列型半導体装置を製造した段階(図9(d)、図9(e)参照)において、個々のリードフレーム領域におけるパッド部11やリード部12と、他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12と、多列型リードフレーム製造用の金属板10における図示しない外枠部とが、封止樹脂部15や補強用樹脂15’等の樹脂部のみで固定され、リードフレームの基材をなす金属による連結部が存在しない構成となることによって、ブレードの幅を薄くしてもブレードに大きな悪影響を与えることなく、封止樹脂部15や補強用樹脂15’等の樹脂部のみを切断して個々の半導体装置にすることができる。そして、特許文献1に記載の半導体装置のような連結部を有する多列型リードフレームを用いた従来の半導体装置においては、0.3〜0.5mm程度は設けざるを得なかったブレードの切断幅を、本発明の半導体装置のように構成することで、0.1〜0.3mm程度に狭く設定できるようになる。
その結果、個々のリードフレーム領域におけるパッド部11やリード部12と、他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12と、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部(不図示)とを固定する封止樹脂部15や補強用樹脂部15’等の樹脂部の幅を狭くすることができ、多列型リードフレーム形成エリア内において形成しうる個々のリードフレームの数を増やすことができ、製造時において格段の集積化が可能となる。しかも、特許文献1に記載の半導体装置とは異なり、連結部に変形が生じ難いように、パッド部及びリード部の形状、連結部との接続位置を工夫する必要がないため、パッド部やリード部の設計の自由度が大きくなる。
また、本発明を導出する以前に着想した発明にかかる多列型リードフレームは、図9(a)に示すように、リードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームであって、個々のリードフレーム領域は、少なくとも金属板10の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置に形成された半導体素子接続用めっき層13aと、金属板10の下面におけるパッド部11及びリード部12に対応する所定位置に形成された外部接続用めっき層13bと、金属板10における、パッド部11に対応する半導体素子接続用めっき層13aとリード部12に対応する半導体素子接続用めっき層13aとの間及び当該リードフレーム領域における半導体素子接続用めっき層13aと隣り合う他のリードフレーム領域における半導体素子接続用めっき層13aとの間に、ハーフエッチングにより形成された凹部19a,19bと、を有する。そして、凹部19a,19bにより、金属板10の上面側がハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とに区画されるとともに、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域とに区画されている。
図9(a)に示す多列型リードフレームによれば、図9(b)に示すように、金属板10の上面側において区画されたパッド部11の面に半導体素子20を搭載するとともに、金属板10の上面側において区画されたリード部11と半導体素子20とをワイヤボンディングし、次いで、図9(c)に示すように、金属板の上面側において半導体素子20を封止する封止樹脂部15を設け、次いで、図9(d)に示すように、金属板10の下面に形成された外部接続用めっき層13bをエッチングマスクとして、下面側から封止樹脂部15が露出するようにエッチングを行うことで、金属板10におけるパッド部11とリード部12及び隣り合う他の半導体装置領域におけるパッド部11又はリード部12とを分離し、パッド部11とリード部12及び隣り合う他の半導体装置におけるパッド部11又はリード部12が封止樹脂部15のみで固定されるようにすることができ、上述した図9(f)に示す半導体装置を得る前段階の、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を製造可能となる。
そして、図9(a)に示す多列型リードフレームを用いて、図9(d)に示す半導体装置を得る前段階の、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を製造する過程において、金属板10の下面に形成された外部接続用めっき層13bをエッチングマスクとして、下面側から封止樹脂部15が露出するようにエッチングを行うまでは、リードフレームの下面側は金属が、例えばリードフレームの基材をなす金属板の厚さの約25〜50%程度等、相当程度の厚みをもって一体に繋がっているため、個々のリードフレーム領域の変形が生じることがなく、パッド部11やリード部12の段差、変形、反り等が生じず、下面側に露出する外部接続用端子面の平坦性が保たれる。このため、多列型リードフレームの裏側に露出する面全体に連結部を介して連結されるパッド部やリード部の変形や反りを防止するための耐熱性ポリイミドフィルムや耐熱性シリコン接着剤で構成される高価な樹脂製のテープが不要となり、コストを低減できる。
また、図9(a)に示す多列型リードフレームを用いた半導体装置の製造において、図9(c)に示すように、凹部19a,19bには、区画されたパッド部11とリード部12の間との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲んで、パッド部11及びリード部12を固定し、且つ、半導体素子20が搭載された金属板の上面側を、パッド部11の半導体素子搭載面に搭載する半導体素子20よりも上方に突出するように囲む封止樹脂部15が形成されるようにすれば、リードフレームの下面側の金属が、例えばリードフレームの基材をなす金属板の厚さの約25〜50%程度等、相当程度の厚みをもって一体に繋がっていることに加えて、封止樹脂部15がパッド部11及びリード部12を固定するため、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を製造する過程における、個々のリードフレーム領域の変形がより一層生じ難くなり、パッド部11やリード部12の段差、変形、反り等がより一層生じず、下面側に露出する外部接続用端子面の平坦性がより一層保たれる。
なお、上述した図9(f)に示す半導体装置は、金属板10の上面側より、パッド部11とリード部12がハーフエッチングによる凹部19a,19bが形成されて区画され、少なくともリード部12の上面には半導体素子接続用めっき層13aが形成された多列型リードフレームを準備する工程(図9(a)参照)と、金属板10の上面側において区画されたパッド部11の面に半導体素子20を搭載するとともに、金属板10の上面側において区画されたリード部12と半導体素子20とをワイヤボンディングする工程(図9(b)参照)と、金属板10の上面側において区画されたパッド部11及びリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲んで、パッド部11及びリード部12を固定し、且つ、半導体素子20が搭載された金属板10の上面側を封止する封止樹脂部15を設ける工程(図9(c)参照)と、下面側から封止樹脂部15が露出するようにエッチングを行い、金属板10におけるパッド部11とリード部12及び隣り合う他の半導体装置領域におけるパッド部11又はリード部12とを分離し、パッド部11とリード部12及び隣り合う他の半導体装置領域におけるパッド部11又はリード部12が封止樹脂部15のみで固定されるようにする工程(図9(d)参照)と、金属板の下面側からエッチングされて凹んだ部分に補強用樹脂を充填して補強用樹脂部を形成する工程(図9(e)参照)、樹脂部(封止樹脂部15、補強用樹脂15’)における、パッド部11及びリード部12の外周を囲む部位を切断する工程(図9(f)参照)と、を有することによって製造できる。
本発明を導出する以前に着想した発明における課題
本件発明者が、更に検討・考察を重ねたところ、図9に示す半導体装置及び多列型リードフレーム、並びにその製造方法には、後述するように、半導体素子搭載部を封止する封止樹脂部のエッチング用薬液との接触による影響、半導体素子搭載部へのエッチング用薬液の浸入、封止樹脂部を形成後のリードフレーム基板における封止樹脂部形成側への反り、リードフレーム基材の下面側をエッチングすることに伴い生じる下面側のめっきバリ、リードフレーム基板に形成した樹脂部の密着性、端子間隔が狭く設計された半導体装置の外部接続用端子側における、外部機器と半田接合する際のリード部とパッド部間の半田ブリード等の改良すべき課題があることが判明した。
さらに、本件発明者が、上記改良すべき課題を解決しうる多列型リードフレーム及びそれらの製造方法、並びに半導体装置の製造方法を導出する過程において、リードフレームの製造工程におけるレジスト膜の使用量の増加に伴うコスト高といった更なる改良すべき課題も出てきた。
(1)半導体素子搭載部を封止する封止樹脂部に対するエッチング用薬液の影響
図9に示す半導体装置の製造方法においては、半導体素子20を搭載するとともにワイヤボンディングし、次いで、半導体素子20が搭載された上面側を封止する封止樹脂部15を設け(図9(c)参照)、その後に金属板の下側部分で繋がっているパッド部11とリード部12とを分離するために、下面側から封止樹脂部15が露出するようにエッチングを行っている(図9(d)参照)。
しかるに、封止樹脂部15を設けた後にエッチングを行うと、封止樹脂部15がエッチング液と接触することにより、その表面が変質して、製造後の半導体装置の品質劣化が懸念される。
(2)半導体素子搭載部へのエッチング用薬液の浸入
また、封止樹脂部15を設けた後にエッチングを行うと、エッチング液が封止樹脂部15と端子部との界面から半導体素子搭載領域に浸入して、半導体装置の回路に悪影響を及ぼすことが懸念される。
(3)封止樹脂部を形成後のリードフレーム基板における封止樹脂部形成側への反り
また、封止樹脂は、固化する際の収縮度合いが大きい。しかるに、半導体装置の製造に図9(a)に示す多列型リードフレームを用いた場合、半導体装置の製造工程において、図9(c)に示すように、封止樹脂部15が金属板の上面側に偏って形成される。このため、封止樹脂部を形成する際における封止樹脂の収縮による金属板の封止樹脂部形成側(半導体素子搭載側)への反りが大きくなり易い。
(4)リードフレーム基材の下面側をエッチングすることに伴い生じる下面側のめっきバリ
また、図9に示す半導体装置の製造工程においては、図9(d)に示すように、金属板10の下面に形成された外部接続用めっき層13bをエッチングマスクとして、下面側から封止樹脂部15が露出するようにエッチングを行っている。
しかるに、外部接続用めっき層13bをエッチングマスクとしてエッチングを行うと、外部接続用めっき層13b直下の金属が溶解除去されて、外部接続用めっき層13bが庇形状のめっきバリとなって割れや欠けを生じ易い。
外部機器と接続する側の外部接続用めっき層に形成されためっきバリが割れると、半導体装置の製造工程中に割れためっきバリがリード部とパッド部とに接触してリード部とパッド部がショートする虞が生じる。
(5)リードフレーム基板に形成した樹脂部の密着性
上述のように、図9(a)に示す多列型リードフレームには、金属板の上面側からのハーフエッチングにより、金属板の厚さの50〜75%の深さの凹部19a,19bが形成されている。そして、図9に示す半導体装置の製造方法においては、凹部19a,19bに封止樹脂を充填して封止樹脂部15を形成し(図9(b)参照)、封止樹脂部15を形成後に、金属板の下面側から金属板の厚さの25〜50%の深さでエッチングを施して封止樹脂部15を露出させ(図9(d)参照)、金属板の下面側からエッチングされて凹んだ部分に補強用樹脂を充填して補強用樹脂部15’を形成している(図9(e)参照)。
図9に示す半導体装置の製造方法のように、金属板の上面側から所定深さのハーフエッチングにより形成された凹部19a,19bに対し、下面側から所定深さのエッチンングを施して、凹部19a,19bに連通する凹部を形成すると、連通する位置で(封止樹脂部15を露出させる部位の近傍)が側方に突出した突起部が形成され易い。この側方に突出した突起部は、半導体装置に形成される樹脂部(封止樹脂部15と補強用樹脂部15’)の上方への抜けを阻止するアンカーとして、金属板に対する樹脂部の密着度を高める作用を奏する。
しかし、封止樹脂は、金属板に対する密着度が高くない。図9に示す半導体装置の製造方法のように、金属板の上面側から50〜75%のエッチングを施して形成された凹部に封止樹脂を充填した場合、密着性の弱い樹脂が金属板と密着する面積の割合が大きくなる。
そして、図9に示す半導体装置の製造方法のように、金属板の上面側から50〜75%、金属板の裏側から25〜50%のエッチングを施して夫々の側の凹部を連通させた場合、側方に突出した突起部が形成される位置が金属板の下面側に偏り、上方への抜けを阻止する対象となる樹脂部(補強用樹脂部15’)の体積が小さくなるため、樹脂部に対する側方に突出した突起部のアンカー効果が小さくなる。
その結果、金属板に対する樹脂部の密着度が弱くなり易い。
(6)端子間隔が狭く設計された半導体装置の外部接続用端子側における、外部機器と半田接合する際のリード部とパッド部間の半田ブリード
また、図9に示す半導体装置の製造方法においては、外部接続用めっき層の間の凹んだ部分に樹脂を充填することによって形成された補強用樹脂部15’が、外部接続用めっき層と略面一となっている(図9(e)参照)。しかし、パッド部に形成された外部接続用めっき層とリード部に形成された外部接続用めっき層との間隔が狭く設計された半導体装置においては、補強用樹脂部15’が外部接続用めっき層と略面一に形成されていると、外部接続用端子部を外部機器と半田接合させる際に半田ブリードを生じてリード部とパッド部がショートする虞が生じる。更には、パッド部11を持たずリード部12を複数個にまたがって半導体素子が搭載されるフリップチップ実装方式の場合(図示せず)には、リード部12が狭い間隔で配列されているので、外部接続用端子部を外部機器と半田接合させる際に半田ブリードを生じてリード部同士がショートする虞がより高まる。
(7)レジスト膜の使用量の増加に伴うコスト高
さらに、図9に示す半導体装置の製造過程においては、半導体素子接続用めっき層13a,外部接続用めっき層13bの形成や、凹部19a,19bの形成に際し、レジスト膜を用いてレジストマスクを形成している。しかし、レジストマスクをそれぞれ異なる加工処理ごとに別個に形成・除去するのでは、レジストマスクの形成回数が増えて工程が煩雑化し、しかもレジスト膜の使用量が増えてコスト高となる。
本発明の作用効果
そこで、本件発明者は、図9に示した発明における上記(1)〜(6)の課題を鑑み、更なる検討・考察、試行錯誤を重ねた結果、図9に示した発明による上述の効果を維持し、且つ、上記(1)〜(6)の課題を解決する本発明を着想した。また、本発明の導出過程において上記(7)の課題を鑑み、さらに、上記(7)の課題も解決する本発明を着想した。
また、本発明の多列型リードフレームは、リードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームであって、個々のリードフレーム領域は、金属板から、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状に形成されたパッド部及びリード部と、少なくともリード部の上面に形成されためっき層と、パッド部とリード部との間並びにパッド部及びリード部の外周に金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さで介在し、パッド部及びリード部を固定する固定用樹脂部と、を有し、パッド部及びリード部は、側面の全周囲にわたって突起部を有し、固定用樹脂部は、パッド部及びリード部の突起部に周囲を囲まれて露出した端部を有している。
本発明の多列型リードフレームのように構成すれば、金属板の上面側においてパッド部の面に半導体素子を搭載するとともに、リード部と半導体素子とをワイヤボンディングし、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周を囲んで、パッド部及びリード部を固定し、且つ、半導体素子が搭載された金属板の上面側を封止する封止樹脂部を設けることで、半導体装置を得る前段階の、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を製造可能となる。そして、多列型半導体装置に形成された封止樹脂部及び固定用樹脂部におけるパッド部及びリード部の外周を囲む部位を切断することにより、個々の半導体装置を製造できる。
このとき、製造される個々の半導体装置は、金属板から連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状に形成され、側面の全周囲にわたって突起部を有する、パッド部とリード部との間に介在するとともに、パッド部及びリード部の外周を囲み、パッド部及びリード部を固定する封止樹脂部及び固定用樹脂部を有し、パッド部及びリード部の突起部に周囲を囲まれて露出した固定用樹脂部の端部が封止樹脂部と接合し、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を切断することによって形成された切断面が、封止樹脂部及び固定用樹脂部のみで構成されている。このため、特許文献1に記載のような従来の半導体装置とは異なり、メッキを被覆されていないリードフレームの基材をなす金属が連結部の切断面として露出することがない。
その結果、図9に示した発明の半導体装置と同様、切断面での金属バリの発生の虞や切断面からの水分の浸入の虞がなく、金属が腐食して半導体装置製品の品質を劣化させる等の不具合を生じない。
また、本発明の多列型リードフレームを用いて製造される半導体装置は、上述のように、切断面が、封止樹脂部及び固定用樹脂部のみで構成されているので、個々の半導体装置を得る前段階の、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を製造した段階においては、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部と、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部とが、樹脂部(封止樹脂部及び固定用樹脂部)のみで固定され、リードフレームの基材をなす金属による連結部は存在しない構成となる。
このため、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置から個々の半導体装置を得る際におけるブレードの切断対象部位は、外枠部の一部を除き、殆ど全てが樹脂部(封止樹脂部及び固定用樹脂部)となる。
その結果、図9に示した発明の半導体装置と同様、リードフレームの基材をなす金属を切断する量を、特許文献1に記載の半導体装置のような連結部を有する従来の半導体装置に比べて、大幅に減らすことができ、切断加工する際のブレードに与える悪影響を格段に低減し、ブレードの連続生産性と寿命を延ばすことができる。
また、本発明の多列型リードフレームのように構成すれば、本発明の多列型リードフレームを用いて、個々の半導体装置を得る前段階の、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を製造した段階において、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部と、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部と、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部とが、樹脂部(封止樹脂部及び固定用樹脂部)のみで固定され、リードフレームの基材をなす金属による連結部が存在しない構成となることによって、ブレードの幅を薄くしてもブレードに大きな悪影響を与えることなく、樹脂部(封止樹脂部及び固定用樹脂部)を切断して個々の半導体装置にすることができる。そして、特許文献1に記載のような連結部を有する多列型リードフレームを用いた従来の半導体装置においては、0.3〜0.5mm程度は設けざるを得なかったブレードの切断幅を、本発明の多列型リードフレームを用いて半導体装置を製造することで、0.1〜0.3mm程度に狭く設定できるようになる。
その結果、図9に示した発明の半導体装置と同様、個々のリードフレーム領域におけるパッド部やリード部と、他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部と、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部とを固定する樹脂部(封止樹脂部及び固定用樹脂部)の幅を狭くすることができ、多列型リードフレーム形成エリア内において形成しうる個々のリードフレームの数を増やすことができ、製造時において格段の集積化が可能となる。しかも、特許文献1に記載の半導体装置とは異なり、連結部に変形が生じ難いように、パッド部及びリード部の形状、連結部との接続位置を工夫する必要がないため、パッド部やリード部の設計の自由度が大きくなる。
そして、本発明の多列型リードフレームを用いて、個々の半導体装置を得る前段階の、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を製造する過程において、リードフレームのパッド部とリード部との間並びにパッド部及びリード部の周囲に、金属板の上面側から介在する封止樹脂部と、金属板の下面側から介在する固定用樹脂部とが一体化した状態で、リードフレームの基材をなす金属板の厚さと同程度以上の厚みをもってパッド部及びリード部を固定するため、図9に示した発明の多列型リードフレームと同様、個々のリードフレーム領域の変形が生じることがなく、パッド部やリード部の段差、変形、反り等が生じず、下面側に露出する外部接続用端子面の平坦性が保たれる。このため、多列型リードフレームの裏側に露出する面全体に連結部を介して連結されるパッド部やリード部の変形や反りを防止するための耐熱性ポリイミドフィルムや耐熱性シリコン接着剤で構成される高価な樹脂製のテープが不要となり、コストを低減できる。
さらに、本発明の多列型リードフレームのように、個々のリードフレーム領域が、金属板から、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状に形成されたパッド部及びリード部と、パッド部とリード部との間に金属板の下面側から介在するとともに、パッド部及びリード部の外周を囲み、パッド部及びリード部を固定する固定用樹脂部と、を有し、パッド部及びリード部が、側面の全周囲にわたって突起部を有し、固定用樹脂部が、パッド部及びリード部の突起部に周囲を囲まれて露出した端部を有した構成にすれば、図9に示した多列型リードフレームとは異なり、半導体装置の製造工程において、半導体素子を封止する封止樹脂部を設けた後に下面側から封止樹脂部が露出するようにエッチングする必要がなくなる。
その結果、封止樹脂部がエッチング液と接触することがなく、その表面が変質して、製造後の半導体装置の品質劣化の懸念もなくなる。
また、半導体装置の製造工程において、封止樹脂部を設けた後にエッチングを行う必要がなくなる結果、エッチング液が封止樹脂部とリードフレーム基材との界面から封止樹脂部を封止している半導体搭載領域に浸入して半導体装置の回路に悪影響を及ぼす虞がなくなる。
また、本発明の多列型リードフレームのように、固定用樹脂部を、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さで介在させて形成する構成にすれば、図9(a)に示した多列型リードフレームに比べて、封止樹脂部を形成したときにおける、樹脂部の金属板の上面側への偏りを少なくすることができる。
また、固定用樹脂部の形成に用いる液状の樹脂は、一般に、封止樹脂に比べて固化時の収縮率が低く、固化したときに硬くなる。
しかるに、本発明の多列型リードフレームのように、固定用樹脂部を、金属板の板厚の70〜90%の深さで介在させて形成する構成にすれば、固定用樹脂部が金属板に介在する体積が大きくなる。
このため、封止樹脂部を形成する際に生じる封止樹脂の収縮に伴う金属板の変形を、固定用樹脂部で抑え易くなり、金属板の封止樹脂部形成側(半導体素子搭載側)への反りを軽減できる。
また、本発明の多列型リードフレームにおいて、固定用樹脂部が、金属板の下面側(に形成される外部接続用端子部の表面)から約0.01〜0.06mmの突出長で突出している構成にすることで、金属板の下面側において形成される夫々の外部接続用端子部が、固定用樹脂部で仕切られる。このため、隣り合う外部接続用端子部同士の間隔が狭く設計された半導体装置において、外部接続用端子部を外部機器と半田接合させる際に、融けた半田の流れを固定用樹脂部で遮断でき、半田ブリードに起因するリード部とパッド部のショートを未然に防ぐことができる。更には、パッド部を持たずリード部を複数個にまたがって半導体素子が搭載されるフリップチップ実装方式の場合(図示せず)には、リード部が狭い間隔で配列されているので、固定用樹脂部は、外部接続用めっき層の表面から約0.01〜0.06mmの突出長で突出しているのがより好ましい。このようにすれば、上記と同様、半田ブリードに起因するリード部同士のショートを未然に防ぐことができる。
また、本発明の多列型リードフレームにおいては、好ましくは、パッド部の側面とリード部の側面は、粗化処理が施されている。
このようにすれば、固定用樹脂部及び封止樹脂部の密着性が向上する。
また、上述した本発明の多列型リードフレームは、第1の製造方法として、少なくとも金属板の上面におけるリード部に対応する所定位置にめっき層を形成する工程と、金属板の上面側に、全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、金属板の下面側に、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部とリード部とに区画しうる第1のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部とリード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、金属板におけるハーフエッチングにより形成された第1の凹部に液状の樹脂を充填し、パッド部とリード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、金属板に形成した第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、金属板の上面側に、形成しためっき層を覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部とリード部とに区画しうる、第2のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、金属板の下面側に、全面を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、金属板の上面側から固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、金属板におけるパッド部とリード部及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部とを分離し、パッド部とリード部及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部が固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、金属板に形成した第2のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有することによって製造できる。
本発明の第1の多列型リードフレームの製造方法のように、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部とリード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、金属板におけるハーフエッチングにより形成された第1の凹部に液状の樹脂を充填し、パッド部とリード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、金属板の上面側から固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、金属板におけるパッド部とリード部及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部とを分離し、パッド部とリード部及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部が固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、を有した構成にすれば、封止樹脂に比べて金属板との密着性の強い液状の樹脂を用いた固定用樹脂部の金属板との密着面積を大きくすることができ、しかも、第1の凹部と第2の凹部とが連通して側方に突出した突起部が形成される位置が、金属板の上方に偏り、樹脂部の抜けを阻止する対象となる樹脂部(固定用樹脂部)の体積が大きくなる。その結果、半導体装置の製造工程において封止樹脂部を固定用樹脂部と一体に形成したときの側方に突出した突起部のアンカー効果が強くなり、金属板に対する樹脂部の密着度が強くなる。
また、本発明の第1の多列型リードフレームの製造方法のように、金属板の下面側に、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部とリード部とに区画しうる第1のエッチング用のレジストマスクを形成する工程を有した構成にすれば、金属板の下面側に外部接続用めっき層を形成した多列型リードフレームを製造する場合には、第1のエッチング用のレジストマスクが外部接続用めっき層を覆うように形成することで、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施したときの、外部接続用めっき層直下の金属の溶解除去を阻止し易くなり、外部接続用めっき層におけるめっきバリの発生を防止できる。その結果、外部接続用めっき層のめっきバリの割れに起因するリード部とパッド部のショートを防止できる。
なお、第1の多列型リードフレームの製造方法として、好ましくは、第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と第2のエッチング用のレジストマスクを形成する工程との間に、固定用樹脂部を形成する工程を経て金属板の下面側(に形成される外部接続用端子部の表面)から所定長突出している固定用樹脂部を、金属板の下面側(に形成される外部接続用端子部の表面)からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する工程を有する。
このようにすれば、固定用樹脂部を、端子間隔が狭く設計された半導体装置の外部接続用端子側における、外部機器と半田接合する際のリード部とパッド部間の半田ブリードを防止するのに好適な仕切りとして機能させることができる。更には、パッド部11を持たずリード部12を複数個にまたがって半導体素子が搭載されるフリップチップ実装方式の場合(図示せず)には、リード部12が狭い間隔で配列されているので、前記固定用樹脂部15”は、外部接続用めっき層13bの表面から約0.01〜0.06mmの突出長で突出しているのがより好ましい。
また、第1の多列型リードフレームの製造方法として、好ましくは、金属板の下面側からのハーフエッチングにより、形成される第1の凹部の面を粗化処理する。
このようにすれば、第1の凹部に固定用樹脂部を形成したときの固定用樹脂部の密着性が向上する。
また、第1の多列型リードフレームの製造方法として、好ましくは、金属板の上面側からのエッチングにより、形成される第2の凹部の側面を粗化処理する。
このようにすれば、第2の凹部に封止樹脂部を形成したときの封止樹脂部の密着性が向上する。
また、上述した本発明の多列型リードフレームは、第2の製造方法として、少なくとも金属板の上面におけるリード部に対応する所定位置にめっき層を形成する工程と、金属板の両面に、夫々、全面を覆うレジスト膜を設ける工程と、金属板の上面側に設けたレジスト膜に対し、形成しためっき層に対応する第1の部位と第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、第2の部位が第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、金属板の下面側に設けたレジスト膜に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部とリード部とに区画しうるエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部とリード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、金属板におけるハーフエッチングにより形成された第1の凹部に液状の樹脂を充填し、パッド部とリード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクに対し、第2の現像を行って第2の部位に残存するレジスト膜を除去し、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクを、形成しためっき層を覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部とリード部とに区画しうるように加工する工程と、金属板の上面側から固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、金属板におけるパッド部とリード部及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部とを分離し、パッド部とリード部及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部が固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、金属板に形成したエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有することによっても製造できる。
本発明の第2の多列型リードフレームの製造方法のように、金属板の両面に、夫々、全面を覆うレジスト膜を設ける工程と、金属板の上面側に設けたレジスト膜に対し、形成しためっき層に対応する第1の部位と第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、第2の部位が第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、金属板の下面側に設けたレジスト膜に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部とリード部とに区画しうるエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクに対し、第2の現像を行って第2の部位に残存するレジスト膜を除去し、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクを、形成しためっき層を覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部とリード部とに区画しうるように加工する工程と、を有した構成にすれば、金属板の下面側からのハーフエッチングにより第1の凹部を形成するためのエッチング用のレジストマスクを、金属板の上面側から固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い第2の凹部を形成するためのエッチング用のレジストマスクに転用することができる。その結果、エッチングに用いるレジスト膜の使用量を抑えて、コストを低減できる。
その他の効果は、上述した第1の多列型リードフレームの製造方法と略同じである。
なお、第2の多列型リードフレームの製造方法において、好ましくは、エッチング用のレジストマスクを除去する工程の後に、固定用樹脂部を形成する工程を経て金属板の下面側(に形成される外部接続用端子部の表面)から所定長突出している固定用樹脂部を、金属板の下面側(に形成される外部接続用端子部の表面)からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する工程を有する。
このようにすれば、固定用樹脂部を、端子間隔が狭く設計された半導体装置の外部接続用端子側における、外部機器と半田接合する際のリード部とパッド部間の半田ブリードを防止するのに好適な仕切りとして機能させることができる。更には、パッド部を持たずリード部を複数個にまたがって半導体素子が搭載されるフリップチップ実装方式の場合(図示せず)には、リード部が狭い間隔で配列されているので、固定用樹脂部は、外部接続用めっき層の表面から約0.01〜0.06mmの突出長で突出しているのがより好ましい。このようにすれば、上記と同様、半田ブリードに起因するリード部同士のショートを未然に防ぐことができる。
また、第2の多列型リードフレームの製造方法において、好ましくは、金属板の下面側からのハーフエッチングにより、形成される第1の凹部の面を粗化処理する。
このようにすれば、第1の凹部に固定用樹脂部を形成したときの固定用樹脂部の密着性が向上する。
また、第2の多列型リードフレームの製造方法において、好ましくは、金属板の上面側からのエッチングにより、形成される第2の凹部の側面を粗化処理する。
このようにすれば、第2の凹部に封止樹脂部を形成したときの封止樹脂部の密着性が向上する。
また、上述した本発明の多列型リードフレームは、第3の製造方法として、少なくとも金属板の上面における全面にめっき層を形成する工程と、金属板の両面に、夫々、全面を覆うレジスト膜を設ける工程と、金属板の上面側に設けたレジスト膜に対し、金属板の上面に形成されているめっき層における少なくともリード部に対応する第1の部位と第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、第2の部位が第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、金属板の下面側に設けたレジスト膜に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、金属板の下面におけるパッド部及びリード部に対応する第3の部位を覆い、第3の部位以外の第4の部位を露出させた、エッチング用のレジストマスクを形成する工程と、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部とリード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、金属板におけるハーフエッチングにより形成された第1の凹部に液状の樹脂を充填し、パッド部とリード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクに対し、第2の現像を行って第2の部位に残存するレジスト膜を除去し、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクを、金属板の上面における第1の部位に形成しためっき層を覆い、第2の部位に形成しためっき層を露出させるように加工する工程と、金属板の上面側からめっき層を金属板とともに溶解しうるエッチング液を用いて固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、金属板におけるパッド部とリード部及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部とを分離し、パッド部とリード部及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部が固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、金属板に形成したエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有する。
本発明の第3の多列型リードフレームの製造方法のように、金属板の上面側に設けたレジスト膜に対し、金属板の上面に形成されているめっき層における少なくともリード部に対応する第1の部位と第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、第2の部位が第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、金属板の下面側に設けたレジスト膜に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、金属板の下面におけるパッド部及びリード部に対応する第3の部位を覆い、第3の部位以外の第4の部位を露出させた、エッチング用のレジストマスクを形成する工程と、金属板の下面側からハーフエッチングを施す工程と、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクに対し、第2の現像を行って第2の部位に残存するレジスト膜を除去し、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクを、金属板の上面における第1の部位に形成しためっき層を覆い、第2の部位に形成しためっき層を露出させるように加工する工程と、を有した構成にすれば、少なくとも金属板の上面側におけるリード部に対応する位置にめっき層を形成する際に、めっき用のレジストマスクを形成する必要がなく、しかも、金属板の下面側からのハーフエッチングにより第1の凹部を形成するためのエッチング用レジストマスクを、金属板の上面側から固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い第2の凹部を形成するためのエッチング用レジストマスクに用いることができる。その結果、パッド部及びリード部に対応する位置へのめっき層の形成及びエッチングに用いるレジスト膜の使用量を大幅に削減して、コストを格段に低減できる。
また、第3の多列型リードフレームの製造方法のように、金属板の下面におけるパッド部及びリード部に対応する第3の部位を覆い、第3の部位以外の第4の部位を露出させた、エッチング用のレジストマスクを形成する工程と、金属板の下面側からハーフエッチングを施す工程と、を有する構成にすれば、金属板の下面側に外部接続用めっき層を形成した多列型リードフレームを製造する場合には、エッチング用のレジストマスクが外部接続用めっき層を覆うように形成することで、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施したときの、外部接続用めっき層直下の金属の溶解除去を阻止し易くなり、外部接続用めっき層におけるめっきバリの発生を防止できる。その結果、外部接続用めっき層のめっきバリの割れに起因するリード部とパッド部のショートを防止できる。
その他の効果は、上述した第1の多列型リードフレームの製造方法と略同じである。
なお、第3の多列型リードフレームの製造方法において、好ましくは、エッチング用のレジストマスクを除去する工程の後に、固定用樹脂部を形成する工程を経て外部接続用めっき層の表面から所定長突出している固定用樹脂部を、外部接続用めっき層の表面からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する工程を有する。
このようにすれば、固定用樹脂部を、端子間隔が狭く設計された半導体装置の外部接続用端子側における、外部機器と半田接合する際のリード部とパッド部間の半田ブリードを防止するのに好適な仕切りとして機能させることができる。更には、パッド部を持たずリード部を複数個にまたがって半導体素子が搭載されるフリップチップ実装方式の場合(図示せず)には、リード部が狭い間隔で配列されているので、固定用樹脂部は、外部接続用めっき層の表面から約0.01〜0.06mmの突出長で突出しているのがより好ましい。このようにすれば、上記と同様、半田ブリードに起因するリード部同士のショートを未然に防ぐことができる。
また、第3の多列型リードフレームの製造方法において、好ましくは、金属板の下面側からのハーフエッチングにより、形成される第1の凹部の面を粗化処理する。
このようにすれば、第1の凹部に固定用樹脂部を形成したときの固定用樹脂部の密着性が向上する。
また、第3の多列型リードフレームの製造方法において、好ましくは、金属板の上面側からのエッチングにより、形成される第2の凹部の側面を粗化処理する。
このようにすれば、第2の凹部に封止樹脂部を形成したときの封止樹脂部の密着性が向上する。
また、上述した本発明の多列型リードフレームは、第4の製造方法として、パッド部とリード部を有するリードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームの製造方法であって、金属板の上面側に、全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、金属板の下面側に、金属板の下面におけるパッド部及びリード部に対応する第1の部位を覆い、第1の部位以外の第2の部位を露出させた第1のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部とリード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、金属板におけるハーフエッチングにより形成された第1の凹部に液状の樹脂を充填し、パッド部とリード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、金属板に形成した第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、少なくとも金属板の上面側に、金属板の上面におけるリード部に対応する第3の部位を露出させ、第3の部位以外の第4の部位を覆う、上面側めっき用のレジストマスクを形成する工程と、上面側めっき用のレジストマスクを用いて金属板の上面における第3の部位にめっき層を形成する工程と、金属板に形成した上面側めっき用のレジストマスクを除去する工程と、金属板の上面側に、形成しためっき層を覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部とリード部とに区画しうる第2のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、金属板の下面側に、全面を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、金属板の上面側から固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、金属板におけるパッド部とリード部及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部とを分離し、パッド部とリード部及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部又はリード部が固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、金属板に形成した第2のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有する。
本発明の第4の多列型リードフレームの製造方法のように、金属板の下面側に、金属板の下面におけるパッド部及びリード部に対応する第1の部位を覆い、第1の部位以外の第2の部位を露出させた第1のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、金属板の下面側からハーフエッチングを施し、第1の凹部を形成する工程と、形成された第1の凹部に液状の樹脂を充填し、固定用樹脂部を形成する工程と、を有した構成にすれば、金属板の下面側に外部接続用めっき層を形成した多列型リードフレームを製造する場合には、金属板の下面に外部接続用めっき層を形成する際に、レジスト膜を用いてめっき用のレジストマスクを形成する必要がない。その結果、金属板の下面の外部接続用めっき層の形成に用いるレジスト膜の使用量を抑えて、コストを低減できる。
また、第4の多列型リードフレームの製造方法のように、金属板の下面側からハーフエッチングを施し、第1の凹部を形成する工程と、第1の凹部に液状の樹脂を充填し、固定用樹脂部を形成する工程と、を有して構成すれば、金属板の下面側に外部接続用めっき層を形成した多列型リードフレームを製造する場合には、金属板の下面側からのハーフエッチングの後に外部接続用めっき層が形成される。このため、外部接続用めっき層直下の金属が金属板の下面側からのハーフエッチングにより溶解除去されて、外部接続用めっき層が庇形状になるようなことがなく、めっきバリの発生を防止できる。その結果、外部接続用めっき層のめっきバリの割れに起因するリード部とパッド部のショートを防止できる。
その他の効果は、上述した第1の多列型リードフレームの製造方法と略同じである。
なお、第4の多列型リードフレームの製造方法において、好ましくは、第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と上面側めっき用のレジストマスクを形成する工程との間に、固定用樹脂部を形成する工程を経て金属板の下面から所定長突出している固定用樹脂部を、金属板の下面側(に形成される外部接続用端子部の表面)からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する工程を有する。
このようにすれば、固定用樹脂部を、端子間隔が狭く設計された半導体装置の外部接続用端子側における、外部機器と半田接合する際のリード部とパッド部間の半田ブリードを防止するのに好適な仕切りとして機能させることができる。更には、パッド部を持たずリード部を複数個にまたがって半導体素子が搭載されるフリップチップ実装方式の場合(図示せず)には、リード部が狭い間隔で配列されているので、固定用樹脂部は、外部接続用めっき層の表面から約0.01〜0.06mmの突出長で突出しているのがより好ましい。このようにすれば、上記と同様、半田ブリードに起因するリード部同士のショートを未然に防ぐことができる。
また、第4の多列型リードフレームの製造方法において、好ましくは、金属板の下面側からのハーフエッチングにより、形成される第1の凹部の面を粗化処理する。
このようにすれば、第1の凹部に固定用樹脂部を形成したときの固定用樹脂部の密着性が向上する。
また、第4の多列型リードフレームの製造方法において、好ましくは、金属板の上面側からのエッチングにより、形成される第2の凹部の側面を粗化処理する。
このようにすれば、第2の凹部に封止樹脂部を形成したときの封止樹脂部の密着性が向上する。
従って、本発明によれば、製品化された個々の半導体装置の切断面での金属バリの発生による接触不良の虞や切断面からの水分の浸入の虞がなく、製造に際しては、個々に配置される半導体装置の集積化を促進し、パッド部やリード部の段差、変形や反り等を阻止して、下面側に露出する外部接続用端子面の平坦性を良好に保って生産性を向上させることができ、また、高価な樹脂テープの貼り付けが不要でコストを低減でき、さらには、個々の半導体装置を得るために切断するブレードの連続生産性と寿命を延ばすことができ、しかも、半導体素子搭載部を封止する封止樹脂部がエッチング用薬液の影響を受けず、半導体素子搭載部へエッチング用薬液の浸入の虞がなく、封止樹脂部を形成後のリードフレーム基板における封止樹脂部形成側への反りを軽減でき、リードフレーム基材の下面側をエッチングしたときの下面側のめっきバリの発生を防止でき、リードフレーム基板に形成した樹脂部の密着性を強めることができ、端子間隔が狭く設計された半導体装置の外部接続用端子側における、外部機器と半田接合する際のリード部とパッド部間の半田ブリードを防止可能な多列型リードフレーム及びその製造方法が得られる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は本発明の第1実施形態にかかる多列型リードフレームを用いて製造された半導体装置の概略構成を示す図で、(a)は切断されて一個の製品となった状態の半導体装置の断面図、(b)は切断される前の一括製造された多列型半導体装置における切断部を示す部分断面図である。図2は図1に示す半導体装置の製造に用いる多列型リードフレームの概略構成を示す図で、(a)は個々のリードフレーム領域におけるパッド部とリード部の配置を上面側からみた部分平面図、(b)は図1(a)に示す半導体装置に用いる多列型リードフレームの個々のリードフレーム領域における構成を示す断面図である。図3は本発明の第1実施形態にかかる多列型リードフレームの製造工程の一例を示す説明図である。なお、便宜上、パッド部の形状、数等は簡略化して示してある。また、便宜上、図3では一つのリードフレーム領域のみを示してある。
第1実施形態の半導体装置は、図1(a)に示すように、パッド部11と、リード部12と、半導体素子接続用めっき層13aと、外部接続用めっき層13bと、LED素子20と、ボンディングワイヤ14と、封止樹脂部15と、固定用樹脂部15”を有して構成されている。
パッド部11及びリード部12は、リードフレームの基材をなす金属板から、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状に形成されている。
半導体素子接続用めっき層13aは、パッド部11及びリード部12の上面側に形成されている。
外部接続用めっき層13bは、パッド部11及びリード部12の下面側に形成されている。
固定用樹脂部15”は、図2(a)においてハッチングで示した領域に金属板の下面側から形成された後、パッケージの外形ラインが残るように切断されている。また、固定用樹脂部15”は、図1(a)に示すように、金属板の下面側から、金属板の厚さの70〜90%、上面側に入り込んで金属板の側面と密着している。そして、固定用樹脂部15”は、パッド部11とリード部12との間並びにパッド部11及びリード部12の外周に介在し、パッド部11及びード部12を固定している。
封止樹脂部15は、図2(a)においてハッチングで示した領域に固定用樹脂部15”とは反対側から形成された後、固定用樹脂部15”と同様、パッケージの外形ラインが残るように切断されている。また、封止樹脂部15は、図1(a)に示すように、金属板の上面側から、金属板の厚さの約10〜30%、下面側に入り込んで金属板の側面と密着している。そして、封止樹脂部15は、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲んで、パッド部及びリード部を固定し、且つ、半導体素子20が搭載された金属板の上面側を、パッド部11の半導体素子搭載面に搭載する半導体素子20よりも上方に突出するように囲み、金属板の下面側から介在する固定用樹脂部15”と一体化して、パッド部11及びード部12を固定している。
半導体素子20は、半導体素子接続用めっき層13aが形成されたパッド部11の面に搭載されている。
ボンディングワイヤ14は、半導体素子20と半導体素子接続用めっき層13aが形成されたリード部12の面とを接合している。
そして、第1実施形態の半導体装置では、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を切断することによって形成された切断面は、封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”のみで構成されている。
なお、外部接続端子側のパッド部11とリード部12との間隔がある程度離れている場合、固定用樹脂部15”は、外部接続用めっき層13bの表面と面一あるいは外部接続用めっき層13bの表面よりも凹んだ状態に形成されているのが好ましい。一方、外部接続端子側のパッド部11とリード部12との間隔が狭い半導体装置に適用する場合、固定用樹脂部15”は、外部接続用めっき層13bの表面から約0.01〜0.06mmの突出長で突出しているのが好ましい。更には、パッド部11を持たずリード部12を複数個にまたがって半導体素子が搭載されるフリップチップ実装方式の場合(図示せず)には、リード部12が狭い間隔で配列されているので、固定用樹脂部15”は、外部接続用めっき層13bの表面から約0.01〜0.06mmの突出長で突出しているのがより好ましい。
また、パッド部11の側面とリード部12の側面は、粗化処理が施されている。
また、第1実施形態の半導体装置の製造に使用されるリードフレームは、図2(a)に示すように、多数の半導体装置を一度に得るために、パッド部11とリード部12の組合せからなる個々のリードフレーム領域(図2(a)においては夫々一点鎖線の矩形で示すパッケージ外形ラインが相当する。)がマトリックス状に配列された多列型リードフレームとして形成されている。
個々のリードフレーム領域は、図2(b)に示すように、パッド部11と、リード部12と、半導体素子接続用めっき層13aと、外部接続用めっき層13bと、固定用樹脂部15”を有して構成されている。
パッド部11、リード部12、半導体素子接続用めっき層13a、外部接続用めっき層13b、固定用樹脂部15”の構成は、上述した半導体装置におけるものと、同様である。
なお、図2(a)中、18は多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部である。
このように構成される第1実施形態の多列型リードフレームは、例えば、次のようにして製造する。なお、製造の各工程において実施される、薬液洗浄や水洗浄等を含む前処理・後処理等は、便宜上説明を省略する。
まず、基材となる金属板(例えば、Cu材)(図3(a)参照)の両面に第1のレジスト膜R1を設け(図3(b)参照)、両面の夫々にパッド部及びリード部に対応する所定のパターンを形成したガラスマスクを用いて露光・現像を行い、めっき用のレジストマスク30を形成し(図3(c)参照)、露出している金属板の面に必要なめっき層(上側の面には半導体素子接続用めっき層13a、下側の面には外部接続用めっき層13b)を形成する(図3(d)参照)。
なお、第1実施形態及び後述の実施例の半導体装置、多列型リードフレームの製造工程において用いるレジストマスクの形成は、金属板の両面に例えばドライフィルムレジストをラミネートし、両面のドライフィルムレジストに対し、所定パターンが形成されたガラスマスクを用いて、両面を露光・現像することによって行う。なお、露光・現像は従来公知の方法により行う。例えば、ガラスマスクで覆った状態で紫外線を照射し、ガラスマスクを通過した紫外線が照射されたドライフィルムレジストの部位の現像液に対する溶解性を低下させて、それ以外の部分を除去することで、レジストマスクを形成する。なお、ここでは、レジストとしてネガ型のドライフィルムレジストを用いたが、レジストマスクの形成には、ネガ型の液状レジストを用いてもよい。さらには、ポジ型のドライフィルムレジスト又は液状レジストを用いて、ガラスマスクを通過した紫外線が照射されたレジストの部分の現像液に対する溶解性を増大させて、その部分を除去することでレジストマスクを形成するようにしてもよい。
露出している金属板の上側及び下側の面に夫々必要なめっき層(半導体素子接続用めっき層13a、外部接続用めっき層13b)を形成後、めっき用のレジストマスク30を剥離し(図3(e)参照)、次いで、金属板の両面に第2のレジスト膜R2を設け(図3(f)参照)、上面側は全面、下面側はパッド部及びリード部、にそれぞれ対応する所定のパターンを形成したガラスマスクを用いて露光・現像を行い、上面側には全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスク31を形成するとともに、下面側には形成した外部接続用めっき層13bを覆い、連結部を備えることなくパッド部11とリード部12とに区画しうる、所定のパターン形状の第1のエッチング用のレジストマスク31を形成する(図3(g)参照)。なお、好ましくは、下面側の第1のエッチング用のレジストマスク31は、後述する工程において、露出した金属板をハーフエッチングしたときに、外部接続用めっき層13b直下の金属が溶解除去されない程度、外部接続用めっき層13bを覆うように形成する。
露出した金属板をハーフエッチングしたときに、外部接続用めっき層13b直下の金属が溶解除去されて、金属が溶解除去された部位の外部接続用めっき層13bが露出すると、外部接続用めっき層13bは薄いため,露出した部分がめっきバリとなって割れや欠けを生じ易くなる。そして、めっきバリが割れると、めっきバリ近傍の外部接続用めっき層13bも一緒に剥がれて、リード部とパッド部がショートする等の製品の品質劣化を招く虞がある。
そこで、好ましくは、外部接続用めっき層13b直下の金属が溶解除去されない程度、外部接続用めっき層13bを覆うように下面側の第1のエッチング用のレジストマスク31を形成することによって、ハーフエッチングしたときの、めっきバリの発生を防止する。
次に、金属板の下面側から、金属板の厚さの70〜90%の深さで、ハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とが区画されるように第1の凹部19a,19bを形成する(図3(h)参照)。このとき、下面側の第1のエッチング用のレジストマスク31が、外部接続用めっき層13b直下の金属(ここでは、Cu)が溶解除去されない程度、外部接続用めっき層13bを覆っているため、外部接続用めっき層13b直下の金属は、ハーフエッチングによって溶解除去されることなく残存する。
なお、金属板の下面側からのハーフエッチングは、好ましくは、形成される第1の凹部19a19bの面を粗化処理するように行う。
次に、金属板におけるハーフエッチングにより形成された第1の凹部19a,19bに液状の樹脂を充填し、パッド部11とリード部12との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部15”を形成する(図3(i)参照)。
なお、外部接続端子側のパッド部11とリード部12との間隔がある程度離れた半導体装置に適用する場合、固定用樹脂部15”は、外部接続用めっき層13bの表面と面一あるいは外部接続用めっき層13bの表面よりも凹んだ状態に形成する(図3(i-1)参照)。
一方、外部接続端子側の隣り合う外部接続用端子部同士の間隔が狭い半導体装置に適用する場合、固定用樹脂部15”は、外部接続用めっき層13bの表面から所定長、例えば0.06mmよりも長く突出した状態に形成する(図3(i-2)参照)。
次に、第1のエッチング用のレジストマスク31を除去する(図3(j)参照)。
なお、固定用樹脂部15”が、外部接続用めっき層13bの表面から所定長、例えば0.06mmよりも長く突出した状態に形成されている場合(図3(j-2a)参照)、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する(図3(j-2b)参照)。
次に、金属板の両面に第3のレジスト膜R3を設け(図3(k)参照)、上面側はパッド部及びリード部、下面側は全面、にそれぞれ対応する所定のパターンを形成したガラスマスクを用いて露光・現像を行い、金属板の上面側に、形成した半導体素子接続用めっき層13aを覆い、連結部を備えることなく、夫々分離したパッド部11とリード部12とに区画しうる、所定のパターン形状の第2のエッチング用のレジストマスク31’を形成するとともに、金属板の下面側に、全面を覆う第2のエッチング用のレジストマスク31’を形成する(図3(l)参照)。
次に、金属板の上面側から固定用樹脂部15”が露出するようにエッチングを行い、金属板におけるパッド部11とリード部12及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12とを分離し、パッド部11とリード部12及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12が固定用樹脂部15”のみで固定されるように第2の凹部19c,19dを形成する(図3(m)参照)。
このとき、第1の凹部19a,19bと第2の凹部19c,19dとが連通し、側方に突出した突起部19eが、金属板の上方の偏った位置に形成される(図3(m’)参照)。
なお、金属板の上面側からのハーフエッチングは、好ましくは、形成される第2の凹部19c,19dの面を粗化処理するように行う。
次に、第2のエッチング用のレジストマスク31’を除去する(図3(n)参照)。これにより、図2(b)に示した多列型リードフレームが完成する。
次に、第1実施形態の半導体装置の製造工程を説明する。
図4は図3に示す製造工程を経て得た多列型リードフレームを用いた半導体装置の製造工程の一例を示す説明図である。なお、便宜上、図4では一つの半導体装置領域のみを示してある。
まず、図2(b)に示した多列型リードフレームを準備し(図4(a)参照)、金属板の上面側においてパッド部11の面にLED素子20を搭載する(図4(b)参照)とともに、リード部12とLED素子20とをボンディングワイヤ14を介して接続する(図4(c)参照)。
次に、封止樹脂を用いて、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲んで、パッド部11及びリード部12を固定し、且つ、半導体素子20が搭載された金属板の上面側を封止する封止樹脂部15を設ける(図4(d)参照)。
次に、封止樹脂部15における、パッド部11及びリード部12の外周を囲む部位を切断する(図4(e)参照)。これにより、図1(a)に示した第1実施形態の半導体装置が完成する。
第1実施形態の多列型リードフレームによれば、金属板の上面側においてパッド部11の面に半導体素子20を搭載するとともに、リード部12と半導体素子20とをワイヤボンディングし、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲んで、パッド部11及びリード部12を固定し、且つ、半導体素子20が搭載された金属板の上面側を封止する封止樹脂部15を設けることで、半導体装置を得る前段階の、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を製造可能となる。そして、多列型半導体装置に形成された封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”におけるパッド部11及びリード部12の外周を囲む部位を切断することにより、個々の半導体装置を製造できる。
このとき、製造される個々の半導体装置は、金属板から連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状に形成され、側面の全周囲にわたって突起部を有する、パッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲み、パッド部11及びリード部12を固定する封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”を有し、パッド部11及びリード部12の突起部19eに周囲を囲まれて露出した固定用樹脂部15”の端部が封止樹脂部15と接合し、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を切断することによって形成された切断面が、封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”のみで構成されている。このため、特許文献1に記載のような従来の半導体装置とは異なり、メッキを被覆されていないリードフレームの基材をなす金属が、連結部の切断面として露出することがない。
その結果、図9に示した発明の半導体装置と同様、切断面での金属バリの発生の虞や切断面からの水分の浸入の虞がなく、金属が腐食して半導体装置製品の品質を劣化させる等の不具合を生じない。
また、第1実施形態の多列型リードフレームを用いて製造される半導体装置は、切断面が、封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”のみで構成されているので、個々の半導体装置を得る前段階の、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を製造した段階(図4(d)参照)においては、個々のリードフレーム領域におけるパッド部11やリード部12と、他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12と、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部18とが、樹脂部(封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”)のみで固定され、リードフレームの基材をなす金属による連結部は存在しない構成となる。
このため、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置から個々の半導体装置を得る際におけるブレードの切断対象部位が、外枠部18の一部を除き、殆ど全てが樹脂部(封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”)となる。
その結果、図9に示した発明の半導体装置と同様、リードフレームの基材をなす金属を切断する量を、特許文献1に記載の半導体装置のような連結部を有する従来の半導体装置に比べて、大幅に減らすことができ、切断加工する際のブレードに与える悪影響を格段に低減し、ブレードの連続生産性と寿命を延ばすことができる。
また、第1実施形態の多列型リードフレームによれば、第1実施形態の多列型リードフレームを用いて、個々の半導体装置を得る前段階の、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を製造した段階において、個々のリードフレーム領域におけるパッド部11やリード部12と、他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12と、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部18とが、樹脂部(封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”)のみで固定され、リードフレームの基材をなす金属による連結部が存在しない構成となることによって、ブレードの幅を薄くしてもブレードに大きな悪影響を与えることなく、樹脂部(封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”)を切断して個々の半導体装置にすることができる。そして、特許文献1に記載のような連結部を有する多列型リードフレームを用いた従来の半導体装置においては、0.3〜0.5mm程度は設けざるを得なかったブレードの切断幅を、第1実施形態の多列型リードフレームを用いて半導体装置を製造することで、0.1〜0.3mm程度に狭く設定できる。
その結果、図9に示した発明の半導体装置と同様、個々のリードフレーム領域におけるパッド部11やリード部12と、他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12や、多列型リードフレーム製造用の金属板における外枠部18とを固定する樹脂部(封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”)の幅を狭くすることができ、多列型リードフレーム形成エリア内において形成しうる個々のリードフレームの数を増やすことができ、製造時において格段の集積化が可能となる。しかも、特許文献1に記載の半導体装置とは異なり、連結部に変形が生じ難いように、パッド部11及びリード部12の形状、連結部との接続位置を工夫する必要がないため、パッド部11やリード部12の設計の自由度が大きくなる。
そして、第1実施形態の多列型リードフレームを用いて、個々の半導体装置を得る前段階の、半導体装置領域が複数配列された多列型半導体装置を製造する過程において、リードフレームのパッド部11とリード12との間並びにパッド部11及びリード部12の周囲に、金属板の上面側から介在する封止樹脂部15と、金属板の下面側から介在する固定用樹脂部15”とが一体化した状態で、リードフレームの基材をなす金属板の厚さと同程度以上の厚みをもってパッド部11及びリード部12を固定するため、図9に示した発明の多列型リードフレームと同様、個々のリードフレーム領域の変形が生じることがなく、パッド部やリード部の段差、変形、反り等が生じず、下面側に露出する外部接続用端子面の平坦性が保たれる。このため、多列型リードフレームの裏側に露出する面全体に連結部を介して連結されるパッド部やリード部の変形や反りを防止するための耐熱性ポリイミドフィルムや耐熱性シリコン接着剤で構成される高価な樹脂製のテープが不要となり、コストを低減できる。
さらに、第1実施形態の多列型リードフレームによれば、個々のリードフレーム領域が、金属板から、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状に形成されたパッド部11及びリード部12と、パッド部11とリード部12との間に金属板の下面側から介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲み、パッド部11及びリード部12を固定する固定用樹脂部15”と、を有し、パッド部11及びリード部12が、側面の全周囲にわたって突起部を有し、固定用樹脂部15”が、パッド部11及びリード部12の突起部19eに周囲を囲まれて露出した端部を有した構成にしたので、図9に示した多列型リードフレームとは異なり、半導体装置の製造工程において、半導体素子を封止する封止樹脂部を設けた後に下面側から封止樹脂部が露出するようにエッチングする必要がなくなる。
その結果、封止樹脂部がエッチング液と接触することがなく、その表面が変質して、製造後の半導体装置の品質劣化の懸念もなくなる。
また、半導体装置の製造工程において、封止樹脂部を設けた後にエッチングを行う必要がなくなる結果、エッチング液が封止樹脂部とリードフレーム基材との界面から封止樹脂部を封止している半導体搭載領域に浸入して半導体装置の回路に悪影響を及ぼす虞がなくなる。
また、本発明の多列型リードフレームによれば、固定用樹脂部15”を、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さで介在させて形成する構成にしたので、図9(a)に示した多列型リードフレームに比べて、封止樹脂部15を形成したときにおける、樹脂部の金属板の上面側への偏りを少なくすることができる。
しかも、封止樹脂に比べて固化時の収縮率が低く、固化したときに硬くなる固定用樹脂部15”が金属板に介在する体積が大きくなる。
このため、封止樹脂部15を形成する際に生じる封止樹脂の収縮に伴う金属板の変形を、固定用樹脂部15”で抑え易くなり、金属板の封止樹脂部形成側(半導体素子搭載側)への反りを軽減できる。
また、第1実施形態の多列型リードフレームによれば、固定用樹脂部15”が、金属板の下面側(に形成される外部接続用端子部をなす外部接続用13bの表面)から約0.01〜0.06mmの突出長で突出している構成にすることで、金属板の下面側において形成される夫々の外部接続用めっき層13bが、固定用樹脂部15”で仕切られる。このため、隣り合う外部接続用めっき層13b同士の間隔が狭く設計された半導体装置において、外部接続用端子部を外部機器と半田接合させる際に、融けた半田の流れを固定用樹脂部15”で遮断でき、半田ブリードに起因するリード部とパッド部のショートを未然に防ぐことができる。更には、パッド部11を持たずリード部12を複数個にまたがって半導体素子が搭載されるフリップチップ実装方式の場合(図示せず)には、リード部12が狭い間隔で配列されているので、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面から約0.01〜0.06mmの突出長で突出している構成にすることで、上記と同様、半田ブリードに起因するリード部同士のショートを未然に防ぐことができる。
なお、第1実施形態の多列型リードフレームによれば、パッド部11の側面とリード部12の側面は、粗化処理が施されているので、固定用樹脂部15”及び封止樹脂部15の密着性が向上する。
また、第1実施形態の多列型リードフレームの製造方法によれば、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とに区画する第1の凹部19a,19bを形成する工程と、金属板におけるハーフエッチングにより形成された第1の凹部19a,19bに液状の樹脂を充填し、パッド部11とリード部12との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部15”を形成する工程と、金属板の上面側から固定用樹脂部15”が露出するようにエッチングを行い、金属板におけるパッド部11とリード部12及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12とを分離し、パッド部11とリード部12及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12が固定用樹脂部15”のみで固定されるように第2の凹部19c,19dを形成する工程と、を有した構成にしたので、封止樹脂に比べて金属板との密着性の強い液状の樹脂を用いた固定用樹脂部15”の金属板との密着面積を大きくすることができ、しかも、第1の凹部19a,19bと第2の凹部19c,19dとが連通して側方に突出した突起部19eが形成される位置が、金属板の上方に偏り、樹脂部の抜けを阻止する対象となる樹脂部(固定用樹脂部15”)の体積が大きくなる。その結果、半導体装置の製造工程において封止樹脂部15を固定用樹脂部15”と一体に形成したときの側方に突出した突起部19eのアンカー効果が強くなり、金属板に対する樹脂部の密着度が強くなる。
また、第1実施形態の多列型リードフレームの製造方法によれば、金属板の下面側に、形成した外部接続用めっき層13bを覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部11とリード部12とに区画しうる第1のエッチング用のレジストマスク31を形成する工程を有した構成にしたので、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施したときの、外部接続用めっき層13b直下の金属の溶解除去を阻止し易くなり、外部接続用めっき層13bにおけるめっきバリの発生を防止できる。その結果、外部接続用めっき層13bのめっきバリの割れに起因するリード部とパッド部のショートを防止できる。
なお、第1実施形態の多列型リードフレームの製造方法において、第1のエッチング用のレジストマスク31を除去する工程と第2のエッチング用のレジストマスク31’を形成する工程との間に、固定用樹脂部15”を形成する工程を経て金属板の下面側(に形成される外部接続用端子部をなす外部接続用めっき層13bの表面)から所定長、例えば0.06mmよりも長く突出している固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する工程を有する構成にすることで、固定用樹脂部15”を、端子間隔が狭く設計された半導体装置の外部接続用端子側における、外部機器と半田接合する際のリード部とパッド部間の半田ブリードを防止するのに好適な仕切りとして機能させることができる。更には、パッド部11を持たずリード部12を複数個にまたがって半導体素子が搭載されるフリップチップ実装方式の場合(図示せず)には、リード部12が狭い間隔で配列されているので、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面から約0.01〜0.06mmの突出長で突出している構成にすることで、上記と同様、半田ブリードに起因するリード部同士のショートを未然に防ぐことができる。
また、第1実施形態の多列型リードフレームの製造方法によれば、金属板の下面側からのハーフエッチングにより、形成される第1の凹部19a,19bの面を粗化処理するようにしたので、第1の凹部19a,19bに固定用樹脂部15”を形成したときの固定用樹脂部15”の密着性が向上する。
また、第1実施形態の多列型リードフレームの製造方法によれば、金属板の上面側からのエッチングにより、形成される第2の凹部19c,19dの側面を粗化処理するようにしたので、第2の凹部19c,19dに封止樹脂部15を形成したときの封止樹脂部15の密着性が向上する。
また、第1実施形態の半導体装置の製造方法によれば、多列型リードフレームを準備する工程において、準備する多列型リードフレームは、パッド部11の側面とリード部の側面は、粗化処理が施されているので、封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”の密着性が向上する。
従って、第1実施形態の半導体装置及び多列型リードフレーム並びにそれらの製造方法によれば、製品化された個々の半導体装置の切断面での金属バリの発生による接触不良の虞や切断面からの水分の浸入の虞がなく、製造に際しては、個々に配置される半導体装置の集積化を促進し、パッド部やリード部の段差、変形や反り等を阻止して、下面側に露出する外部接続用端子面の平坦性を良好に保って生産性を向上させることができ、また、高価な樹脂テープの貼り付けが不要でコストを低減でき、さらには、個々の半導体装置を得るために切断するブレードの連続生産性と寿命を延ばすことができ、しかも、半導体素子搭載部を封止する封止樹脂部がエッチング用薬液の影響を受けず、半導体搭載部へエッチング用薬液の浸入の虞がなく、封止樹脂部を形成後のリードフレーム基板における封止樹脂部形成側への反りを軽減でき、リードフレーム基材の下面側をエッチングしたときの下面側のめっきバリの発生を防止でき、リードフレーム基板に形成した樹脂部の密着性を強めることができ、端子間隔が狭く設計された半導体装置の外部接続用端子側における、外部機器と半田接合する際のリード部とパッド部間の半田ブリードを防止可能な半導体装置及び多列型リードフレーム並びにそれらの製造方法が得られる。
第2実施形態
図5は本発明の第2実施形態にかかる多列型リードフレームの製造工程を示す説明図である。図6は図5の製造工程における要部の処理を概念的に示す説明図である。
第2実施形態の多列型リードフレームの製造工程では、レジスト膜の露光対象部位に対する露光量を異ならせ、露光量の異なる部位に応じて現像液に対する溶解量を異ならせて、1回設けたレジスト膜に対し、1回の露光と2回の現像で異なるエッチング用のレジストマスクを形成することで、エッチングに用いるレジスト膜の使用量を抑えている。
まず、その原理を、図6を用いて説明する。
なお、図6では便宜上、エッチング対象材料に対するエッチング処理を、露光により硬化するタイプのレジスト膜を用いて説明することとする。
まず、図6(a)に示すエッチング対象材料となる基材mの両面に、夫々、全面を覆うレジスト膜Rを設ける(図6(b)参照)。
次に、基材mの上面側に設けたレジスト膜Rに対し、基材mにおいて上面側からのエッチングを行なわない部位(ここでは第1の部位P1とする)と第1の部位以外の部位(ここでは第2の部位P2とする)とに対する露光量を異ならせて露光を行う。例えば、第1の部位P1と第2の部位P2とに応じて光の透過量が異なるパターンを形成したガラスマスク(図示省略)を用いて露光を行い、第1の部位P1に対する露光量を100%とした場合、第2の部位P2に対する露光量を、例えば、露光量10%等、第1の部位P1よりも少なくなるようにする。なお、基材mの下面側に設けたレジスト膜Rに対しては、通常の露光を行い、エッチングを行なわない部位(ここでは第3の部位P3とする)に対し100%の露光を行い、第3の部位P3以外の部位(ここでは第4の部位P4とする)に対し露光を行わないようにする(図6(c)参照)。
次に、基材mの両側に第1回目の現像を行う。このとき、基材mの上面側における、100%露光された第1の部位P1のレジスト膜は、十分に硬化されており溶解しない。一方、第1の部位P1に比べて露光量の少ない第2の部位P2のレジスト膜は、硬化が不十分であるため、表層部分は溶解され、基材mの表面近傍の深層部分が残留する。また、基材mの下面側における、100%露光された第3の部位P3のレジスト膜は、十分に硬化されており溶解しない。一方、未露光の第4の部位P4のレジスト膜は、硬化されていないため全て溶解される。
これにより、図6(d)に示すように、基材mの上面側には、第2の部位P2が第1の部位P1に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスク31が形成され、基材mの下面側には、第4の部位P4の基材mの面を露出させ、第3の部位P3を覆うエッチング用のレジストマスク31が形成される。
次に、基材の下面側からハーフエッチングを施し、第1の凹部19a,19bを形成する(図6(e)参照)。
次に、第1の凹部19a,19bに液状の樹脂を充填し、固化させることで固定用樹脂部15”を形成する(図6(f)参照)。
次に、基材mの両側に第2回目の現像を行う。このとき、基材mの上面側における、第1の部位P1のレジスト膜は、溶解しない。一方、基材mに残留していた第2の部位P2のレジスト膜は、全て溶解される。また、基材mの下面側における、第3の部位P3のレジスト膜は、溶解しない。
これにより、図6(g)に示すように、基材mの上面側のエッチング用のレジストマスク31が、第2の部位P2の基材mの面を露出させるように加工される。
次に、基材mの上面側から固定用樹脂部15”が露出するようにエッチングを施し、第2の凹部19c,19dを形成する(図6(h)参照)。
次に、基材の両面に形成されているエッチング用のレジストマスク31を除去する(図6(i)参照)。
このように、1回設けたレジスト膜Rに対し、1回の露光と2回の現像で異なるエッチング用のレジストマスクを形成することで、エッチングに用いるレジスト膜の使用量を抑えながら、基材mの下面側に第1の凹部19a,19bが形成され、第1の凹部19a,19bに固定用樹脂部15”が形成され、基材mの上面側に固定用樹脂部15”が露出する第2の凹部19c,19dが形成される構成が得られる。
次に、図6を用いて説明した1回の露光と2回の現象により異なるエッチング用レジストマスクを形成する原理を用いた、第2実施形態の多列型リードフレームの製造工程を説明する。
まず、第1のレジスト膜R1を用いためっき用レジストマスク30の形成(図5(a)〜図5(c)参照)、金属板の面への必要なめっき層13a,13bの形成(図5(d)参照)、めっき用レジストマスク30の除去(図5(e)参照)を、図3(a)〜図3(e)に示した第1実施形態の多列型リードフレームの製造工程と略同様に行う。
次に、金属板の両面に、夫々、全面を覆う第2のレジスト膜R2を設け(図5(f)参照)、金属板の上面側に設けた第2のレジスト膜R2に対し、形成した半導体素子接続用めっき層13aに対応する第1の部位と第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、第2の部位が第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスク31を形成するとともに、金属板の下面側に設けた第2のレジスト膜R2に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、形成した外部接続用めっき層13bを覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部11とリード部12とに区画しうるエッチング用のレジストマスク31を形成する(図5(g)参照)。
次に、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とに区画する第1の凹部19a,19bを形成する(図5(h)参照)。
次に、金属板におけるハーフエッチングにより形成された第1の凹部19a,19bに液状の樹脂を充填し、パッド部11とリード部12との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部15”を形成する(図5(i)参照)。
なお、外部接続端子側の隣り合う外部接続端子部同士の間隔がある程度離れた半導体装置に適用する場合、固定用樹脂部15”は、外部接続用めっき層13bの表面と面一あるいは外部接続用めっき層13bの表面よりも凹んだ状態に形成する(図5(i-1)参照)。
一方、外部接続端子側の隣り合う外部接続端子部同士の間隔が狭い半導体装置に適用する場合、固定用樹脂部15”は、外部接続用めっき層13bの表面から所定長、例えば0.06mmよりも長く突出した状態に形成する(図5(i-2)参照)。
次に、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスク31に対し、第2の現像を行って第2の部位に残存する第2のレジスト膜R2を除去し、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスク31を、形成した半導体素子接続用めっき層13aを覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部11とリード部12とに区画しうるように加工する(図5(j)参照)。
次に、金属板の上面側から固定用樹脂部15”が露出するようにエッチングを行い、金属板におけるパッド部11とリード部12及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12とを分離し、パッド部11とリード部12及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12が固定用樹脂部15”のみで固定されるように第2の凹部19c,19dを形成する(図5(k)参照)。
次に、金属板に形成したエッチング用のレジストマスク31を除去する(図5(l)参照)。
なお、固定用樹脂部15”が、外部接続用めっき層13bの表面から所定長、例えば0.06mmよりも長く突出した状態に形成されている場合(図5(l-2a)参照)、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する(図5(l-2b)参照)。
これにより、図2(b)に示した多列型リードフレームが完成する。
第2実施形態の多列型リードフレームの製造方法によれば、金属板の両面に、夫々、全面を覆うレジスト膜を設ける工程と、金属板の上面側に設けたレジスト膜(第2のレジスト膜R2)に対し、形成した半導体素子接続用めっき層13aに対応する第1の部位と第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、第2の部位が第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスク31を形成するとともに、金属板の下面側に設けたレジスト膜(第2のレジスト膜R2)に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、形成した外部接続用めっき層13bを覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部11とリード部12とに区画しうるエッチング用のレジストマスク31を形成する工程と、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスク31に対し、第2の現像を行って第2の部位に残存するレジスト膜(第2のレジスト膜R2)を除去し、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスク31を、形成した半導体素子接続用めっき層13aを覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部11とリード部12とに区画しうるように加工する工程と、を有して構成したので、金属板の下面側からのハーフエッチングにより第1の凹部19a,19bを形成するためのエッチング用のレジストマスクを、金属板の上面側から固定用樹脂部15”が露出するようにエッチングを行い第2の凹部19c,19dを形成するためのエッチング用のレジストマスクに転用することができる。その結果、エッチングに用いるレジスト膜の使用量を抑えて、コストを低減できる。
その他の効果は、上述した第1実施形態の多列型リードフレームの製造方法と略同じである。
第3実施形態
図7は本発明の第3実施形態にかかる多列型リードフレームの製造工程を示す説明図である。
第3実施形態の多列型リードフレームの製造工程では、先に金属板の両面の全面にめっき層を形成しておき、次いで、第2実施形態と同様、レジスト膜の露光対象部位に対する露光量を異ならせ、露光量の異なる部位に応じて現像液に対する溶解量を異ならせて、1回設けたレジスト膜に対し、1回の露光と2回の現像で異なるエッチング用のレジストマスクを形成し、さらに、エッチングに際し、めっき層を金属板とともに溶解しうるエッチング液を用いて金属板をエッチングすることで、パッド部及びリード部に対応する位置へのめっき層の形成とエッチングに用いるレジスト膜の使用量を大幅に削減している。
詳しくは、第3実施形態の多列型リードフレームの製造工程では、まず、基材となる金属板(例えば、Cu材)(図7(a)参照)の上面における全面に半導体素子接続用めっき層13aを形成するとともに、金属板の下面における全面に外部接続用めっき層13bを形成する(図7(b)参照)。
次に、金属板の両面に、夫々、全面を覆う第1のレジスト膜R1を設け(図7(c)参照)、金属板の上面側に設けた第1のレジスト膜R1に対し、金属板の上面に形成されている半導体素子接続用めっき層13aにおけるパッド部11及びリード部12に対応する第1の部位と第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、第2の部位が第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスク31を形成するとともに、金属板の下面側に設けた第1のレジスト膜R1に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、金属板の下面に形成されている外部接続用めっき層13bにおけるパッド部11及びリード部12に対応する第3の部位を覆い、第3の部位以外の第4の部位を露出させた、エッチング用のレジストマスク31を形成する(図7(d)参照)。
次に、金属板の下面側から外部接続用めっき層13bを金属板とともに溶解しうるエッチング液を用いて金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とに区画する第1の凹部19a,19bを形成する(図7(e)参照)。
次に、金属板におけるハーフエッチングにより形成された第1の凹部19a,19bに液状の樹脂を充填し、パッド部11とリード部12との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部15”を形成する(図7(f)参照)。
なお、外部接続端子側の隣り合う外部接続用端子部同士の間隔がある程度離れた半導体装置に適用する場合、固定用樹脂部15”は、外部接続用めっき層13bの表面と面一あるいは外部接続用めっき層13bの表面よりも凹んだ状態に形成する(図7(f-1)参照)。
一方、外部接続端子側の隣り合う外部接続用端子部同士の間隔が狭い半導体装置に適用する場合、固定用樹脂部15”は、外部接続用めっき層13bの表面から所定長、例えば0.06mmよりも長く突出した状態に形成する(図7(f-2)参照)。
次に、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスク31に対し、第2の現像を行って第2の部位に残存する第1のレジスト膜R1を除去し、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスク31を、金属板の上面における第1の部位に形成した半導体素子接続用めっき層13aを覆い、第2の部位に形成した半導体素子接続用めっき層13aを露出させるように加工する(図7(g)参照)。
次に、金属板の上面側から半導体素子接続用めっき層13aを金属板とともに溶解しうるエッチング液を用いて固定用樹脂部15”が露出するようにエッチングを行い、金属板におけるパッド部11とリード部12及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12とを分離し、パッド部11とリード部12及び隣り合う他のリードフレーム領域におけるパッド部11又はリード部12が固定用樹脂部15”のみで固定されるように第2の凹部19c,19dを形成する(図7(h)参照)。
次に、金属板に形成したエッチング用のレジストマスク31を除去する(図7(i)参照)。
なお、固定用樹脂部15”が、外部接続用めっき層13bの表面から所定長、例えば0.06mmよりも長く突出した状態に形成されている場合(図7(i-2a)参照)、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する(図7(i-2b)参照)。
これにより、図2(b)に示した多列型リードフレームが完成する。
第3実施形態の多列型リードフレームの製造方法によれば、金属板の上面側に設けたレジスト膜(第1のレジスト膜R1)に対し、金属板の上面に形成されている半導体素子接続用めっき層13aにおけるパッド部11及びリード部12に対応する第1の部位と第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、第2の部位が第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスク31を形成するとともに、金属板の下面側に設けたレジスト膜(第1のレジスト膜R1)に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、金属板の下面に形成されている外部接続用めっき層13bにおけるパッド部11及びリード部12に対応する第3の部位を覆い、第3の部位以外の第4の部位を露出させた、エッチング用のレジストマスク31を形成する工程と、金属板の下面側から外部接続用めっき層13bを金属板とともに溶解しうるエッチング液を用いてハーフエッチングを施す工程と、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスク31に対し、第2の現像を行って第2の部位に残存するレジスト膜(第1のレジスト膜R1)を除去し、金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスク31を、金属板の上面における第1の部位に形成した半導体素子接続用めっき層13aを覆い、第2の部位に形成した半導体素子接続用めっき層13aを露出させるように加工する工程と、を有して構成したので、金属板の上面側におけるパッド部11及びリード部12に対応する位置に半導体素子接続用めっき層13a、金属板の下面側におけるパッド部11及びリード部12に対応する位置に外部接続用めっき層13bを、それぞれ形成する際に、めっき用のレジストマスクを形成する必要がなく、しかも、金属板の下面側からのハーフエッチングにより第1の凹部19a,19bを形成するためのエッチング用のレジストマスク31を、金属板の上面側から固定用樹脂部15”が露出するようにエッチングを行い第2の凹部19c,19dを形成するためのエッチング用のレジストマスク31に用いることができる。その結果、パッド部11及びリード部12に対応する位置へのめっき層の形成及びエッチングに用いるレジスト膜の使用量を大幅に削減して、コストを格段に低減できる。
また、第3実施形態の多列型リードフレームの製造方法によれば、金属板の下面における全面に外部接続用めっき層13bを形成する工程と、金属板の下面に形成されている外部接続用めっき層13bにおけるパッド部11及びリード部12に対応する第3の部位を覆い、第3の部位以外の第4の部位を露出させた、エッチング用のレジストマスク31を形成する工程と、金属板の下面側から外部接続用めっき層13bを金属板とともに溶解しうるエッチング液を用いてハーフエッチングを施す工程と、を有する構成にしたので、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施したときの、外部接続用めっき層13b直下の金属の溶解除去を阻止し易くなり、外部接続用めっき層13bにおけるめっきバリの発生を防止できる。その結果、外部接続用めっき層13bのめっきバリの割れに起因するリード部11とパッド部12のショートを防止できる。
その他の効果は、上述した第1実施形態の多列型リードフレームの製造方法と略同じである。
第4実施形態
図8は本発明の第4実施形態にかかる多列型リードフレームの製造工程を示す説明図である。
第4実施形態の多列型リードフレームの製造工程では、金属板の下面側からハーフエッチングを行って凹部を形成し、凹部に液状の樹脂を充填して、固定用樹脂部を形成した後に、金属板の所定位置にめっき層を形成することにより、金属板の下面側のめっき用のレジスト膜の形成を不要化し、その分、レジスト膜の使用量を抑えている。
詳しくは、第4実施形態の多列型リードフレームの製造工程では、まず、基材となる金属板(例えば、Cu材)(図8(a)参照)の両面に、夫々、全面を覆う第1のレジスト膜R1を設ける(図8(b)参照)。
次に、金属板の上面側は全面、下面側はパッド部及びリード部、に夫々対応する所定のパターンを形成したガラスマスクを用いて露光・現像を行い、上面側には全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスク31を形成するとともに、下面側には金属板の下面におけるパッド部11及びリード部12に対応する第1の部位を覆い、第1の部位以外の第2の部位を露出させた第1のエッチング用のレジストマスク31を形成する(図8(c)参照)。
次に、金属板の下面側から金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とに区画する第1の凹部19a,19bを形成する(図8(d)参照)。
次に、金属板におけるハーフエッチングにより形成された第1の凹部19a,19bに液状の樹脂を充填し、パッド部11とリード部12との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部15”を形成する(図8(e)参照)。
なお、外部接続端子側の隣り合う外部接続用端子部同士の間隔がある程度離れたLEDパッケージに適用する場合、固定用樹脂部15”は、金属板の下面と面一あるいは金属板の下面よりも凹んだ状態に形成する(図8(e-1)参照)。
一方、外部接続端子側の隣り合う外部接続用端子部同士の間隔が狭い半導体装置に適用する場合、固定用樹脂部15”は、金属板の下面から所定長、例えば0.06mmよりも長く突出した状態に形成する(図8(e-2)参照)。
次に、金属板に形成した第1のエッチング用のレジストマスク31を除去する(図8(f)参照)。
なお、固定用樹脂部15”が、金属板の下面から所定長、例えば0.06mmよりも長く突出した状態に形成されている場合(図8(f-2a)参照)、固定用樹脂部15”を、後述の工程において形成される外部接続用めっき層13bの表面からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨する(図8(f-2b)参照)。
次に、金属板の上面側に第2のレジスト膜R2を設け(図8(g)参照)、パッド部11及びリード部12に対応する所定のパターンを形成したガラスマスクを用いて露光・現像を行い、金属板の上面におけるパッド部11及びリード部12に対応する第3の部位を露出させ、第3の部位以外の第4の部位を覆う、上面側めっき用のレジストマスク30を形成する(図8(h)参照)。
次に、上面側めっき用のレジストマスク30を用いて金属板の上面における第3の部位に半導体素子接続用めっき層13aを形成するとともに、金属板の下面における第1の部位に外部接続用めっき層13bを形成する(図8(i)参照)。
次に、金属板に形成した上面側めっき用のレジストマスク30を除去する(図8(j)参照)。
以後、図3(k)〜図3(n)に示した第1実施形態の多列型リードフレームの製造工程と略同様に、金属板の両面へ第3のレジスト膜R3を設け(図8(k)参照)、第2のエッチング用のレジストマスク31’を形成し(図8(l)参照)、エッチングを行い第2の凹部19c,19dを形成し(図8(m)参照)、第2のエッチング用のレジストマスク31’を除去する(図8(n)参照)。これにより、図2(b)に示した多列型リードフレームが完成する。
第4実施形態の多列型リードフレームの製造方法によれば、金属板の下面側に、金属板の下面におけるパッド部11及びリード部12に対応する第1の部位を覆い、第1の部位以外の第2の部位を露出させた第1のエッチング用のレジストマスク31を形成する工程と、金属板の下面側からハーフエッチングを施し、第1の凹部19a,19bを形成する工程と、形成された第1の凹部19a,19bに液状の樹脂を充填し、固定用樹脂部15”を形成する工程と、金属板の下面における第1の部位に外部接続用めっき層13bを形成する工程と、を有した構成にしたので、金属板の下面に外部接続用めっき層15’を形成する際に、レジスト膜を用いてめっき用のレジストマスクを形成する必要がない。その結果、金属板の下面の外部接続用めっき層13bの形成に用いるレジスト膜の使用量を抑えて、コストを低減できる。
また、第4の多列型リードフレームの製造方法によれば、金属板の下面側からハーフエッチングを施し、第1の凹部19a,19bを形成する工程と、第1の凹部19a,19bに液状の樹脂を充填し、固定用樹脂部15”を形成する工程と、金属板の下面における第1の部位に外部接続用めっき層13bを形成する工程と、を有して構成したので、金属板の下面側からのハーフエッチングの後に外部接続用めっき層13bが形成される。このため、外部接続用めっき層13b直下の金属が金属板の下面側からのハーフエッチングにより溶解除去されて、外部接続用めっき層13bが庇形状になるようなことがなく、めっきバリの発生を防止できる。その結果、外部接続用めっき層13bのめっきバリの割れに起因するリード部11とパッド部12のショートを防止できる。
その他の効果は、上述した第1実施形態の多列型リードフレームの製造方法と略同じである。
実施例
次に、本発明の実施例について、説明する。
以下の各実施例では、洗浄処理や乾燥処理など各工程の前処理、後処理は、一般的な処理であることから記載を省略する。
実施例1
最初に、帯状で厚さ0.2mmのCu材をリードフレームの基材として準備し(図3(a)参照)、外枠部における縁部にパイロットホールを形成した後、両面に第1のレジスト層R1を形成した(図3(b)参照)。
次に、リードフレームの基材の上面側には、半導体素子接続用めっき層13aを形成するためのレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、下面側には、外部接続用めっき層13bを形成するためのレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、先に形成したパイロットホールを基準にガラスマスクの位置を決定して露光・現像を行うことでリードフレームの基材の両面にめっき用のレジストマスク30を形成した(図3(c)参照)。
次に、Cuが露出しているリードフレームの基材の上側の面に半導体素子接続用めっき層13aを形成するとともに、下側の面に外部接続用めっき層13bを形成し(図3(d)参照)、めっき層を形成後、両面に形成されためっき用のレジストマスク30を剥離した(図3(e)参照)。
なお、半導体素子接続用のめっき層13aは、まず設定厚さ2.0μmのNiめっきを形成し、その上に設定厚さ0.03μmのPdめっきを形成し、次に設定厚さ0.01μmのAuめっきを形成、最後に設定厚さ2.0μmのAgめっきを形成することによって得た。
また、外部接続用めっき層13bは、まず設定厚さ2.0μmのNiめっきを形成し、その上に設定厚さ0.03μmのPdめっきを形成し、最後に設定厚さ0.01μmのAuめっきを形成することによって得た。
次に、リードフレームの基材の両面に第2のレジスト層R2を形成し(図3(f)参照)、露光・現像を行って、上面側には全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスク31を形成し、下面側には形成した外部接続用めっき層13b直下のCuが溶解除去されない程度、外部接続用めっき層13bを覆うことで、パッド部11とリード部12とその他必要な形状を得るための第1のエッチング用のレジストマスク31を形成した(図3(g)参照)。
次に、エッチング処理を行って0.14mm〜0.18mmの深さとなるハーフエッチング加工を行い(図3(h)参照)、リードフレームの基材におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とが区画されるように第1の凹部19a,19bを形成した。このとき、リードフレームの基材は、上面側が0.02mm〜0.06mmの厚さで複数のパッド部11とリード部12とが繋がった状態であるので、特許文献1に記載のような連結部を有する従来のLEDパッケージの製造に用いる多列型リードフレームの形成において、リードフレームの基材を貫通エッチング加工する場合に必要な連結部が存在しない。
次に、第1の凹部19a,19bに液状の樹脂を充填し、固定用樹脂部15”を形成した(図3(i)参照)。
なお、外部接続端子側の隣り合う外部接続用端子部同士の間隔がある程度離れた半導体装置に適用する第1のタイプのリードフレームとして、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面と面一あるいは外部接続用めっき層13bの表面よりも凹んだ状態に形成した(図3(i-1)参照)。
一方、外部接続端子側のパッド部11とリード部12との間隔が狭い半導体装置に適用する第2のタイプのリードフレームとして、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面から0.06mmよりも長く突出した状態に形成したものも得た(図3(i-2)参照)。
次に、両面に形成した第1のエッチング用のレジストマスク31を剥離した(図3(j)参照)。
なお、固定用樹脂部15”が、外部接続用めっき層13bの表面から0.06mmよりも長く突出した状態に形成された第2のタイプのリードフレーム(図3(j-2a)参照)においては、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨した(図3(j-2b)参照)。
次に、リードフレームの基材の両面に第3のレジスト層R3を形成し(図3(k)参照)、露光・現像を行って、上面側には形成した半導体素子接続用めっき層13a直下のCuが溶解除去されない程度、半導体素子接続用めっき層13aを覆うことで、パッド部11とリード部12とその他必要な形状を得るための第2のエッチング用のレジストマスク31’を形成し、下面側には全面を覆う第2のエッチング用のレジストマスク31’を形成した(図3(l)参照)。
次に、エッチング処理を行って固定用樹脂部15”が露出する0.02mm〜0.06mmの深さとなるエッチング加工を行い、リードフレームの基材におけるパッド部11とリード部12とが個々に独立した状態に形成されるように第2の凹部19c,19dを形成した(図3(m)参照)。このとき、固定用樹脂部15”がパッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲んでいるため、パッド部11とリード部12は、固定用樹脂部15”によって固定された状態であり、従来の連結部は存在しない。
次に、リードフレームの基材の両面に形成した第2のエッチング用のレジストマスク31’を剥離し(図3(n)参照)、多列型リードフレームを得た。
次に、リードフレームのパッド部11に半導体素子20を搭載・固定する(図4(b)参照)とともに、半導体素子20とリード部12とをワイヤボンディングした(図4(c)参照)。
次に、モールド金型を用いて多列型リードフレームに封止樹脂部15を形成した(図4(d)参照)。
封止樹脂をリードフレームの基材の上面側のエッチング加工部分に充填することで、封止樹脂部15は固定用樹脂部15”と一体化するとともに、区画されたパッド部11とリード部12との間に介在し、パッド部11とリード部12の外周を囲んで、パッド部11及びリード部12を固定し、且つ、半導体素子20が搭載されたリードフレーム基材の上面側を封止するように形成される。
次に、複数の半導体装置領域が封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”によって固定された状態で形成された多列型半導体装置から個々の半導体装置を得るために、封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”における、連結されたパッド部11及びリード部12の外周を囲む部位を切断加工した(図4(e)参照)。これにより、パッド部11とリード部12とが独立して封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”によって固定され、切断面が、封止樹脂部15及び固定用樹脂部15”のみで構成されている半導体装置を得た(図1(a)参照)。この半導体装置は、従来のリードフレームの連結部が無い構造であるので、半導体装置の側面側に連結部の切断面が現れることは無い。
実施例2
第1のレジスト膜R1を用いためっき用レジストマスク30の形成(図5(a)〜図5(c)参照)、金属板の面への必要なめっき層の形成(図5(d)参照)、めっき用レジストマスク30の除去(図5(e)参照)までは、実施例1の多列型リードフレームの製造工程と略同様に行った。
次に、リードフレームの基材の両面に第2のレジスト層R2を形成し(図5(f)参照)、上面側に設けた第2のレジスト層R2に対し、形成した半導体素子接続用めっき層13aに対応する第1の部位と第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、第2の部位が第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスク31を形成するとともに、下面側に設けた第2のレジスト膜R2に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、形成した外部接続用めっき層13b直下のCuが溶解除去されない程度、外部接続用めっき層13bを覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部11とリード部12とに区画しうるエッチング用のレジストマスク31を形成した(図5(g)参照)。
次に、エッチング処理を行って0.14mm〜0.18mmの深さとなるハーフエッチング加工を行い(図5(h)参照)、リードフレームの基材におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とが区画されるように第1の凹部19a,19bを形成した。
次に、第1の凹部19a,19bに液状の樹脂を充填し、固定用樹脂部15”を形成した(図5(i)参照)。
なお、外部接続端子側の隣接する外部接続用端子部同士の間隔がある程度離れた半導体装置に適用する第1のタイプのリードフレームとして、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面と面一あるいは外部接続用めっき層13bの表面よりも凹んだ状態に形成した(図5(i-1)参照)。
一方、外部接続端子側の隣り合う外部接続用端子部同士の間隔が狭い半導体装置に適用する第2のタイプのリードフレームとして、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面から0.06mmよりも長く突出した状態に形成したものも得た(図5(i-2)参照)。
次に、エッチング用のレジストマスク31に対し、第2の現像を行って第2の部位に残存するレジスト膜(第2のレジスト膜R2)を除去し、上面側に形成したエッチング用のレジストマスク31を、半導体素子接続用めっき層13aを覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状のパッド部11とリード部12とに区画しうるように加工した(図5(j)参照)。
次に、エッチング処理を行って固定用樹脂部15”が露出する0.02mm〜0.06mmの深さとなるエッチング加工を行い、リードフレームの基材におけるパッド部11とリード部12とが個々に独立した状態に形成されるように第2の凹部19c,19dを形成した(図5(k)参照)。
次に、両面に形成したエッチング用のレジストマスク31を剥離した(図5(l)参照)。
なお、固定用樹脂部15”が、外部接続用めっき層13bの表面から0.06mmよりも長く突出した状態に形成された第2のタイプのリードフレーム(図5(l-2a)参照)においては、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨した(図5(l-2b)参照)。
これにより、多列型リードフレームを得た。
実施例3
最初に、帯状で厚さ0.2mmのCu材をリードフレームの基材として準備し(図7(a)参照)、外枠部における縁部にパイロットホールを形成した後、上面における全面に半導体素子接続用めっき層13aを形成するとともに、下面における全面に外部接続用めっき層13bを形成した(図7(b)参照)。
なお、半導体素子接続用のめっき層13aは、まず設定厚さ2.0μmのNiめっきを形成し、その上に設定厚さ0.03μmのPdめっきを形成し、次に設定厚さ0.01μmのAuめっきを形成、最後に設定厚さ2.0μmのAgめっきを形成することによって得た。
また、外部接続用めっき層13bは、まず設定厚さ2.0μmのNiめっきを形成し、その上に設定厚さ0.03μmのPdめっきを形成し、最後に設定厚さ0.01μmのAuめっきを形成することによって得た。
次に、リードフレームの基材の両面に第1のレジスト層R1を形成した(図7(c)参照)。
次に、リードフレームの基材の上面側には、半導体素子接続用めっき層13aを形成するためのレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、下面側には、外部接続用めっき層13bを形成するためのレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、先に形成したパイロットホールを基準にガラスマスクの位置を決定して、上面に形成されている半導体素子接続用めっき層13aにおけるパッド部11及びリード部12に対応する第1の部位と第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、第2の部位が第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスク31を形成するとともに、金属板の下面側に設けた第1のレジスト膜R1に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、金属板の下面に形成されている外部接続用めっき層13bにおけるパッド部11及びリード部12に対応する第3の部位を覆い、第3の部位以外の第4の部位を露出させた、エッチング用のレジストマスク31を形成した(図7(d)参照)。
次に、リードフレームの基材の下面側から外部接続用めっき層13bを基材とともに溶解しうるエッチング液を用いてエッチング処理を行って0.14mm〜0.18mmの深さとなるハーフエッチング加工を行い(図7(e)参照)、リードフレームの基材におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とが区画されるように第1の凹部19a,19bを形成した。このとき、リードフレームの基材は、上面側が0.02mm〜0.06mmの厚さで複数のパッド部とリード部とが繋がった状態であるので、特許文献1、2に記載の半導体装置のような連結部を有する従来の半導体装置の製造に用いる多列型リードフレームの形成において、リードフレームの基材を貫通エッチング加工する場合に必要な連結部が存在しない。
次に、第1の凹部19a,19bに液状の樹脂を充填し、固定用樹脂部15”を形成した(図7(f)参照)。
なお、外部接続端子側のパッド部11とリード部12との間隔がある程度離れた半導体装置に適用する第1のタイプのリードフレームとして、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面と面一あるいは外部接続用めっき層13bの表面よりも凹んだ状態に形成した(図7(f-1)参照)。
一方、外部接続端子側の隣り合う外部接続用端子部同士の間隔が狭い半導体装置に適用する第2のタイプのリードフレームとして、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面から0.06mmよりも長く突出した状態に形成したものも得た(図7(f-2)参照)。
次に、リードフレームの基材の上面側に形成したエッチング用のレジストマスク31に対し、第2の現像を行って第2の部位に残存するレジスト膜(第1のレジスト膜R1)を除去し、上面側に形成したエッチング用のレジストマスク31を、形成した半導体素子接続用めっき層13a直下のCuが溶解除去されない程度、第1の部位に形成した半導体素子接続用めっき層13aを覆い、第2の部位に形成した半導体素子接続用めっき層13aを露出させることで、パッド部11とリード部12とその他必要な形状を得るように加工した(図7(g)参照)。
次に、リードフレームの基材の上面側から半導体素子接続用めっき層13aをリードフレームの基材とともに溶解しうるエッチング液を用いたエッチング処理を行って固定用樹脂部15”が露出する0.02mm〜0.06mmの深さとなるエッチング加工を行い、リードフレームの基材におけるパッド部11とリード部12とが個々に独立した状態に形成されるように第2の凹部19c,19dを形成した(図7(h)参照)。このとき、固定用樹脂部15”がパッド部11とリード部12との間に介在するとともに、パッド部11及びリード部12の外周を囲んでいるため、パッド部11とリード部12は、固定用樹脂部15”によって固定された状態であり、従来の連結部は存在しない。
次に、リードフレームの基材の両面に形成したエッチング用のレジストマスク31’を剥離した(図7(i)参照)。
なお、固定用樹脂部15”が、外部接続用めっき層13bの表面から0.06mmよりも長く突出した状態に形成された第2のタイプのリードフレーム(図7(i-2a)参照)においては、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨した(図7(l-2b)参照)。
これにより、多列型リードフレームを得た。
実施例4
最初に、帯状で厚さ0.2mmのCu材をリードフレームの基材として準備し(図8(a)参照)、外枠部における縁部にパイロットホールを形成した後、両面に第1のレジスト層R1を形成した(図8(b)参照)。
次に、リードフレームの基材の上面側には、全面を覆うレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、下面側には、パッド部11及びリード部12に対応する第1の部位を覆い、第1の部位以外の第2の部位を露出させたレジストマスクを得るために必要なパターンが描画されたガラスマスクを用意し、先に形成したパイロットホールを基準にガラスマスクの位置を決定して露光・現像を行うことでリードフレームの基材の両面に第1のエッチング用のレジストマスク31を形成した(図8(c)参照)。
次に、リードフレームの基材の下面側からエッチング処理を行って0.14mm〜0.18mmの深さとなるハーフエッチング加工を行い(図8(d)参照)、リードフレームの基材におけるハーフエッチングを施した深さにおいてパッド部11とリード部12とが区画されるように第1の凹部19a,19bを形成した。このとき、リードフレームの基材は、上面側が0.02mm〜0.06mmの厚さで複数のパッド部とリード部とが繋がった状態であるので、特許文献1に記載の半導体装置のような連結部を有する従来の半導体装置の製造に用いる多列型リードフレームの形成において、リードフレームの基材を貫通エッチング加工する場合に必要な連結部が存在しない。
次に、第1の凹部19a,19bに液状の樹脂を充填し、固定用樹脂部15”を形成した(図8(e)参照)。
なお、外部接続端子側のパッド部11とリード部12との間隔がある程度離れた半導体装置に適用する第1のタイプのリードフレームとして、固定用樹脂部15”を、リードフレームの基材の下面と面一あるいはリードフレームの基材の下面よりも凹んだ状態に形成した(図8(e-1)参照)。
一方、外部接続端子側のパッド部11とリード部12との間隔が狭い半導体装置に適用する第2のタイプのリードフレームとして、固定用樹脂部15”を、リードフレームの基材の下面から0.06mmよりも長く突出した状態に形成したものも得た(図8(e-2)参照)。
次に、両面に形成した第1のエッチング用のレジストマスク31を剥離した(図8(f)参照)。
なお、固定用樹脂部15”が、リードフレームの基材の下面から0.06mmよりも長く突出した状態に形成された第2のタイプのリードフレーム(図8(f-2a)参照)においては、固定用樹脂部15”を、外部接続用めっき層13bの表面からの突出長が約0.01〜0.06mmとなるように研磨した(図8(f-2b)参照)。
次に、リードフレームの基材の上面側に第2のレジスト層R2を形成し(図8(g)参照)、露光・現像を行って、リードフレームの基材の上面側にめっき用のレジストマスク30を形成した(図8(h)参照)。
次に、Cuが露出しているリードフレームの基材の上側の面に半導体素子接続用めっき層13aを形成するとともに、下側の面に外部接続用めっき層13bを形成し(図8(i)参照)、めっき層を形成後、上側面に形成されためっき用のレジストマスク30を剥離した(図8(j)参照)。
以後、第3のレジスト層R3を用いた第2のエッチング用のレジストマスク31’の形成(図8(k)、図8(l)参照)、エッチング加工(図8(l)参照)による第2の凹部19c,19dの形成(図8(m)参照)、第2のエッチング用のレジストマスク31’の剥離(図8(n)参照)を、実施例1の多列型リードフレームの製造工程と略同様に行い、多列型リードフレームを得た。
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明したが、本発明の多列型リードフレームは、上述した各実施形態及び各実施例に限定されるものではない。例えば、リードフレームの基材の上面側において、パッド部にめっき層を形成しない構成であってもよい。また、リードフレームの下面側において、パッド部及びリード部にめっき層を形成しない構成であってもよい。
本発明の多列型リードフレーム及びその製造方法は、表面実装型の封止樹脂型半導体装置を組み立てることが必要とされる分野に有用である。
10 リードフレーム
11 パッド部
12 リード部
13 めっき層
13a 半導体素子接続用めっき層
13b 外部接続用めっき層
14 ボンディングワイヤ
15 封止樹脂部
15’ 補強用樹脂部
15” 固定用樹脂部
17 連結部
18 外枠部
19a、19b 第1の凹部
19c、19d 第2の凹部
19e 突起部
20 半導体素子
30 めっき用のレジストマスク
31、31’ エッチング用のレジストマスク
m リードフレームの基材
P1 第1の部位
P2 第2の部位
P3 第3の部位
P4 第4の部位
R レジスト膜
R1 第1のレジスト膜
R2 第2のレジスト膜
R3 第3のレジスト膜

Claims (8)

  1. リードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームであって、
    個々のリードフレーム領域は、
    金属板から、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状に形成されたパッド部及びリード部と、
    少なくとも前記リード部の上面に形成されためっき層と、
    前記パッド部と前記リード部との間、並びに該パッド部及び該リード部の外周に前記金属板の下面側から該金属板の板厚の70〜90%の深さで介在し、該パッド部及び該リード部を固定する固定用樹脂部と、
    を有し、
    前記パッド部及び前記リード部は、側面の全周囲にわたって突起部を有し、
    前記固定用樹脂部は、前記パッド部及び前記リード部の前記突起部に周囲を囲まれて露出した端部を有する
    ことを特徴とする多列型リードフレーム。
  2. 前記パッド部の側面と前記リード部の側面は、粗化処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の多列型リードフレーム。
  3. パッド部とリード部を有するリードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームの製造方法であって、
    少なくとも金属板の上面における前記リード部に対応する所定位置にめっき層を形成する工程と、
    前記金属板の上面側に、全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状の前記パッド部と前記リード部とに区画しうる第1のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
    前記金属板の下面側から該金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、該金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいて前記パッド部と前記リード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、
    前記金属板における前記ハーフエッチングにより形成された前記第1の凹部に液状の樹脂を充填し、前記パッド部と前記リード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、
    前記金属板に形成した前記第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、
    前記金属板の上面側に、形成した前記めっき層を覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状の前記パッド部と前記リード部とに区画しうる、第2のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に、全面を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
    前記金属板の上面側から前記固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、該金属板における前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部とを分離し、前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部が前記固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、
    前記金属板に形成した前記第2のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、
    を有することを特徴とする多列型リードフレームの製造方法。
  4. 前記金属板の下面側からの前記ハーフエッチングにより、形成される前記第1の凹部の面を粗化処理することを特徴とする請求項3に記載の多列型リードフレームの製造方法。
  5. 前記金属板の上面側からの前記エッチングにより、形成される前記第2の凹部の側面を粗化処理することを特徴とする請求項3又は4に記載の多列型リードフレームの製造方法。
  6. パッド部とリード部を有するリードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームの製造方法であって、
    少なくとも金属板の上面における前記リード部に対応する所定位置にめっき層を形成する工程と、
    前記金属板の両面に、夫々、全面を覆うレジスト膜を設ける工程と、
    前記金属板の上面側に設けたレジスト膜に対し、形成した前記めっき層に対応する第1の部位と前記第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、前記第2の部位が前記第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に設けたレジスト膜に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状の前記パッド部と前記リード部とに区画しうるエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
    前記金属板の下面側から該金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、該金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいて前記パッド部と前記リード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、
    前記金属板における前記ハーフエッチングにより形成された前記第1の凹部に液状の樹脂を充填し、前記パッド部と前記リード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、
    前記金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクに対し、第2の現像を行って前記第2の部位に残存するレジスト膜を除去し、該金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクを、形成した前記めっき層を覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状の前記パッド部と前記リード部とに区画しうるように加工する工程と、
    前記金属板の上面側から前記固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、該金属板における前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部とを分離し、前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部が前記固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、
    前記金属板に形成した前記エッチング用のレジストマスクを除去する工程と、
    を有することを特徴とする多列型リードフレームの製造方法。
  7. パッド部とリード部を有するリードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームの製造方法であって、
    少なくとも金属板の上面における全面にめっき層を形成する工程と、
    前記金属板の両面に、夫々、全面を覆うレジスト膜を設ける工程と、
    前記金属板の上面側に設けたレジスト膜に対し、該金属板の上面に形成されている前記めっき層における少なくとも前記リード部に対応する第1の部位と前記第1の部位以外の第2の部位とに対する露光量を異ならせて露光を行うとともに第1の現像を行い、前記第2の部位が前記第1の部位に比べて薄肉化した、全面を覆うエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に設けたレジスト膜に対し、露光を行うとともに第1の現像を行い、該金属板の下面における前記パッド部及び前記リード部に対応する第3の部位を覆い、前記第3の部位以外の第4の部位を露出させた、エッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
    前記金属板の下面側から該金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、該金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいて前記パッド部と前記リード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、
    前記金属板における前記ハーフエッチングにより形成された前記第1の凹部に液状の樹脂を充填し、前記パッド部と前記リード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、
    前記金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクに対し、第2の現像を行って前記第2の部位に残存するレジスト膜を除去し、該金属板の上面側に形成したエッチング用のレジストマスクを、該金属板の上面における前記第1の部位に形成した前記めっき層を覆い、前記第2の部位に形成した前記めっき層を露出させるように加工する工程と、
    前記金属板の上面側から前記めっき層を該金属板とともに溶解しうるエッチング液を用いて前記固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、該金属板における前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部とを分離し、前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部が前記固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、
    前記金属板に形成した前記エッチング用のレジストマスクを除去する工程と、
    を有することを特徴とする多列型リードフレームの製造方法。
  8. パッド部とリード部を有するリードフレーム領域がマトリックス状に複数配列された多列型リードフレームの製造方法であって、
    金属板の上面側に、全面を覆う第1のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に、該金属板の下面における前記パッド部及び前記リード部に対応する第1の部位を覆い、前記第1の部位以外の第2の部位を露出させた第1のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
    前記金属板の下面側から該金属板の板厚の70〜90%の深さでハーフエッチングを施し、該金属板におけるハーフエッチングを施した深さにおいて前記パッド部と前記リード部とに区画する第1の凹部を形成する工程と、
    前記金属板における前記ハーフエッチングにより形成された前記第1の凹部に液状の樹脂を充填し、前記パッド部と前記リード部との間と、当該リードフレーム領域と隣り合う他のリードフレーム領域との間に介在する固定用樹脂部を形成する工程と、
    前記金属板に形成した前記第1のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、
    少なくとも前記金属板の上面側に、該金属板の上面における前記リード部に対応する第3の部位を露出させ、前記第3の部位以外の第4の部位を覆う、上面側めっき用のレジストマスクを形成する工程と、
    前記上面側めっき用のレジストマスクを用いて前記金属板の上面における前記第3の部位にめっき層を形成する工程と、
    前記金属板に形成した前記上面側めっき用のレジストマスクを除去する工程と、
    前記金属板の上面側に、形成した前記めっき層を覆い、連結部を備えることなく、夫々分離した所定形状の前記パッド部と前記リード部とに区画しうる第2のエッチング用のレジストマスクを形成するとともに、該金属板の下面側に、全面を覆う第2のエッチング用のレジストマスクを形成する工程と、
    前記金属板の上面側から前記固定用樹脂部が露出するようにエッチングを行い、該金属板における前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部とを分離し、前記パッド部と前記リード部及び隣り合う他のリードフレーム領域における前記パッド部又は前記リード部が前記固定用樹脂部のみで固定されるように第2の凹部を形成する工程と、
    前記金属板に形成した前記第2のエッチング用のレジストマスクを除去する工程と、を有することを特徴とする多列型リードフレームの製造方法。
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