JP6536409B2 - 反射防止膜付きガラスおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、反射防止膜付きガラスおよびその製造方法に関する。
反射防止膜付きガラスは、高い透過性を有し、例えば、建造物のファサード、店舗、および坪庭などの屋外建築物への適用が期待されている。
反射防止膜付きガラスは、ガラス基板の少なくとも一方の表面に積層膜を配置することにより構成される。この積層膜を構成する各層を適正に選定することにより、光の反射低減効果が得られ、これにより高い透過性を有する反射防止膜付きガラスを得ることができる。
例えば、特許文献1には、ガラス基板の上に、TiO層、AlドープSiO層、TiO層、およびAlドープSiO層をこの順に有する積層膜を配置することにより、ガラス基板の反射率が抑制されることが記載されている。
国際公開第WO2005/030663号
前述のように、反射防止膜付きガラスでは、積層膜の構成を適切に設計することにより、ガラス基板に高い透過性を発現させることができる。
しかしながら、従来の反射防止膜付きガラスは、積層膜の耐アルカリ特性が良好であるとは言い難い。
このため、例えば、従来の反射防止膜付きガラスを屋外建築物等に適用した場合、反射防止膜付きガラスがコンクリートなどに含まれるアルカリ成分を含む水分と接触した際に、積層膜が劣化するという問題がある。また、積層膜にそのような劣化が生じた場合、良好な反射低減効果が発現されず、反射防止膜付きガラスの反射率が上昇してしまうおそれがある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、従来に比べて、アルカリに対して有意な耐性を有する反射防止膜付きガラスを提供することを目的とする。また、本発明では、そのような反射防止膜付きガラスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明では、第1および第2の表面を有するガラス基板と、前記ガラス基板の第1の表面に配置された第1の積層膜とを有する反射防止膜付きガラスであって、
前記第1の積層膜は、前記ガラス基板の第1の表面に近い側から、第1の層、第2の層、および最外層を有し、
前記第2の層は、前記第1の層に隣接して配置され、
前記最外層は、ジルコニアがドープされたシリカで構成され、
前記最外層の直下には、シリカを含まない層が配置されることを特徴とする反射防止膜付きガラスが提供される。
さらに、本発明では、反射防止膜付きガラスの製造方法であって、
(1)ガラス基板の第1の表面の側に、第1の層を形成するステップと、
(2)前記第1の層の直上に、第2の層を形成するステップと、
(3)前記第2の層の直上に、第3の層を形成するステップであって、前記第3の層は、シリカを含まない層で構成されるステップと、
(4)前記第3の層の直上に、ジルコニアがドープされたシリカで構成された層を形成するステップであって、前記ジルコニアがドープされたシリカで構成された層は、シリンドリカルマグネトロンスパッタリング法により形成されるステップと、
を有する、反射防止膜付きガラスの製造方法が提供される。
本発明では、従来に比べて、アルカリに対して有意な耐性を有する反射防止膜付きガラスを提供することができる。また、本発明では、そのような反射防止膜付きガラスの製造方法を提供することを目的とする。
従来の反射防止膜付きガラスの構成を概略的に示した図である。 本発明による第1の反射防止膜付きガラスの一構成例を概略的に示した図である。 本発明による第2の反射防止膜付きガラスの一構成例を概略的に示した図である。 本発明による第3の反射防止膜付きガラスの一構成例を概略的に示した図である。 本発明による第4の反射防止膜付きガラスの一構成例を概略的に示した図である。 本発明による第5の反射防止膜付きガラスの一構成例を概略的に示した図である。 本発明による第6の反射防止膜付きガラスの一構成例を概略的に示した図である。 本発明の一実施例による反射防止膜付きガラスの製造方法の一例を概略的に示したフロー図である。 例1に係るサンプルにおいて得られた、浸漬処理前後の反射率の変化を示したグラフである。 例2に係るサンプルにおいて得られた、浸漬処理前後の反射率の変化を示したグラフである。 例3に係るサンプルにおいて得られた、浸漬処理前後の反射率の変化を示したグラフである。 例4に係るサンプルにおいて得られた、浸漬処理前後の反射率の変化を示したグラフである。 例5に係るサンプルにおいて得られた、浸漬処理前後の反射率の変化を示したグラフである。 例6に係るサンプルにおいて得られた、浸漬処理前後の反射率の変化を示したグラフである。 例7に係るサンプルにおいて得られた、浸漬処理前後の反射率の変化を示したグラフである。
以下、図面を参照して、本発明について詳しく説明する。
(従来の反射防止膜付きガラス)
まず、本発明の構成および特徴をより良く理解するため、図1を参照して、従来の反射防止膜付きガラスの構成例について、簡単に説明する。
図1には、従来の反射防止膜付きガラスの構成例を概略的に示す。
図1に示すように、従来の反射防止膜付きガラス10は、ガラス基板20と、積層膜30とで構成される。
ガラス基板20は、第1の表面22および第2の表面24を有する。積層膜30は、ガラス基板20の第1の表面22側に配置される。
積層膜30を構成する層の数、各層の材質および配置順等を適正に設計することにより、積層膜30に反射防止性を発現させることができる。また、これにより反射防止膜付きガラス10を得ることができる。
なお、通常、積層膜には、様々な構成のものが存在し、その全てをここで説明することは難しい。そこで、以下、一例として、前述の特許文献1に記載されているような、4層構成の積層膜について説明する。
この場合、図1に示すように、積層膜30は、ガラス基板20の第1の表面22に近い側から、第1の層40、第2の層45、第3の層50および第4の層55を順次積層することにより構成される。
第1の層40および第3の層50は、例えば、TiO層である。また、第2の層45および第4の層55は、例えば、SiO層である。このSiO層には、アルミニウムなどの他の元素がドープされても良い。
ここで、TiO層の屈折率は、約2.4程度である。また、SiO層の屈折率は、約1.47程度である。従って、積層膜30では、高屈折率層(第1の層40および第3の層50)と、低屈折率層(第2の層45および第4の層55)の繰り返し構造を有し、この繰り返し構造により、積層膜30に反射防止性を発現させることができる。
このように、ガラス基板20の第1の表面22に積層膜30を配置することにより、反射防止膜付きガラス10を得ることができる。
しかしながら、本願発明者らの知見によれば、このような従来の反射防止膜付きガラス10は、アルカリに対する耐性があまり良好ではないという問題がある。このため、例えば、反射防止膜付きガラス10を屋外建築物等に適用した場合、反射防止膜付きガラス10がコンクリートなどに含まれるアルカリ成分を含む水分と接触すると、積層膜30が劣化してしまう。また、積層膜30にそのような劣化が生じた場合、積層膜30による良好な反射低減効果が発現されず、反射防止膜付きガラス10の反射率が上昇してしまうという問題がある。
(本発明の反射防止膜付きガラス)
これに対して、本発明では、
第1および第2の表面を有するガラス基板と、前記ガラス基板の第1の表面に配置された第1の積層膜とを有する反射防止膜付きガラスであって、
前記第1の積層膜は、前記ガラス基板の第1の表面に近い側から、第1の層、第2の層、および最外層を有し、
前記第2の層は、前記第1の層に隣接して配置され、
前記最外層は、ジルコニアがドープされたシリカで構成され、
前記最外層の直下には、シリカを含まない層が配置されることを特徴とする反射防止膜付きガラスが提供される。
ジルコニアがドープされたシリカ層(以下、「ZrOドープSiO層」とも称する)は、アルカリに対して良好な耐性を示す。従って、本発明による反射防止膜付きガラスでは、積層膜の最外層として配置されたZrOドープSiO層が、アルカリに対する保護膜としての機能を示すようになる。このため、積層膜がアルカリ成分を含む水分と接触しても、積層膜が劣化することを有意に抑制することができる。
従って、本発明では、従来に比べてアルカリに対して有意に高い耐性を有する反射防止膜付きガラスを提供することができる。
ただし、本願発明者等によれば、ZrOドープSiO層の直下にシリカ層が配置された場合、そのような積層膜では、アルカリに対する耐性が低下することが見出されている。
以上の問題を回避するため、本発明では、ZrOドープSiO層の直下に、シリカ層が配置されないこと、すなわちZrOドープSiO層の直下には、シリカを含まない層が配置されることを第2の特徴とする。
この場合、反射防止膜付きガラスのアルカリに対する耐性が低下することを有意に抑制することができる。
なお、本願において、「最外層」と言う用語は、反射防止機能を発現させるために構成された積層膜において、最も外側に配置される層を意味する。従って、この「最外層」の上には、反射防止機能に影響しないように構成された、さらに別の1または2以上の層(例えば透明保護層など)が設置される場合もあり得ることに留意する必要がある。換言すれば、「最外層」と言う用語は、反射防止機能発現用の積層膜における相対的な位置関係を表すために使用されており、「最外層」は、反射防止膜付きガラスにおいて、必ずしも最も外側に配置される層であるとは限られない。
(本発明の一実施例による反射防止膜付きガラス)
次に、図2を参照して、本発明の一実施例による反射防止膜付きガラス(以下、「第1の反射防止膜付きガラス」と称する)の構成について説明する。
図2に示すように、第1の反射防止膜付きガラス100は、ガラス基板120と、積層膜130とを有する。
ガラス基板120は、第1の表面122および第2の表面124を有し、積層膜130は、ガラス基板120の第1の表面122側に配置される。
図2に示す例では、積層膜130は、3層で構成され、すなわち第1の層140、第2の層145、および最外層160を有する。
第1の層140は、第2の層145よりも大きな屈折率を有する。例えば、第1の層140は、2.0以上の屈折率を有し、第2の層145は、1.4〜1.8の範囲の屈折率を有する。第2の層は、シリカ以外の層で構成される。
このような屈折率の異なる2つの層140、145を積層膜130に使用することにより、第1の反射防止膜付きガラス100に低反射特性を発現させることができる。
ここで、最外層160は、ジルコニアがドープされたシリカで構成され、すなわちZrOドープSiO層である。
このような構成の第1の反射防止膜付きガラス100は、最外層160にZrOドープSiO層を有するため、従来の反射防止膜付きガラスに比べて、有意に改善された耐アルカリ特性を発揮することができる。
また、第1の反射防止膜付きガラス100では、最外層160、すなわちZrOドープSiO層の直下に、シリカ層は配置されない。このため、第1の反射防止膜付きガラス100では、アルカリに対する耐性が時間とともに低下することを有意に抑制することができる。
(本発明の一実施例による別の反射防止膜付きガラス)
次に、図3を参照して、本発明の一実施例による別の反射防止膜付きガラス(以下、「第2の反射防止膜付きガラス」と称する)の構成について説明する。
図3に示すように、第2の反射防止膜付きガラス200は、図2に示した第1の反射防止膜付きガラス100と同様の構成を有する。従って、第2の反射防止膜付きガラス200において、第1の反射防止膜付きガラス100と同様の部材には、図2に示した参照符号に100を加えた参照符号が使用されている。例えば、第2の反射防止膜付きガラス200は、ガラス基板220と、積層膜230とを有する。
ただし、この第2の反射防止膜付きガラス200では、積層膜230の構成が、前述の第1の反射防止膜付きガラス100の積層膜130の構成とは異なっている。
より具体的には、図3に示すように、積層膜230は、5層で構成され、すなわち第1の層240、第2の層245、第3の層250、第4の層255、および最外層260を有する。
ここで、第1の層240、第2の層245、および最外層260は、それぞれ、前述の第1の層140、第2の層145、および最外層160と同様の構成を有する。
ただし、第2の層245は、第1の反射防止膜付きガラス100の第2の層145とは異なり、シリカ層であっても良いことに留意する必要がある。最外層260の直下には、第4の層255が配置され、第2の層245は、直接最外層260と接触しないためである。
第3の層250は、隣接する第2の層245よりも大きな屈折率、例えば2.0以上の屈折率を有する。なお、第3の層250は、第1の層240と同じ組成であっても良い。
また、第4の層255は、隣接する第3の層250よりも小さな屈折率、例えば1.4〜1.8の範囲の屈折率を有する。なお、第4の層255は、シリカ層ではない限り、第2の層245と同じ組成であっても良い。
このような屈折率の異なる第1の層240および第2の層245の組、ならびに屈折率の異なる第3の層250および第4の層255の組を有する積層膜230を使用することにより、第2の反射防止膜付きガラス200に低反射特性を発現させることができる。
ここで、第2の反射防止膜付きガラス200においても、第1の反射防止膜付きガラス100と同様の効果、すなわち従来の反射防止膜付きガラスに比べて、有意に改善された耐アルカリ特性が得られることは当業者には明らかであろう。
なお、図3に示した例では、第2の反射防止膜付きガラス200の積層膜230は、第1の層240〜最外層260の5層で構成されている。しかしながら、これは単なる一例に過ぎず、第2の反射防止膜付きガラス200の積層膜230を構成する層の数は、4層以上である限り、特に限られない。
例えば、積層膜230は、4層で構成されても良い。この場合、例えば、図3に示した積層膜230において、第4の層255は、省略されても良い。
あるいは、積層膜230は、6層以上で構成されても良い。例えば、図3に示した積層膜230において、第4の層255と最外層260の間に、1または2以上の追加層が配置されても良い。この場合、これらの追加層は、高屈折率層と低屈折率層の組を1組以上含んでも良い。
(本発明による反射防止膜付きガラスを構成する各部材について)
次に、本発明による反射防止膜付きガラスを構成する各部材について詳しく説明する。
なお、ここでは、図3に示した第2の反射防止膜付きガラス200を例に、各構成部材について説明する。従って、各部材を表す際には、図3に示した参照符号を使用する。ただし、以下の説明が、図2に示した第1の反射防止膜付きガラス100、さらには以降に示す反射防止膜付きガラスにも同様に適用できることは当業者には明らかであろう。
(ガラス基板220)
ガラス基板220は、第1の表面222および第2の表面224を有し、第1の表面222には、積層膜230が配置される。
ガラス基板220の組成は、特に限られない。ガラス基板220は、例えば、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、およびアルミノシリケートガラス等であっても良い。また、ガラス基板220は、物理強化または化学強化されていても良い。化学強化されたガラスであれば、ガラスの板厚が1.5mm以下とすることができる。例えば、ソーダライムガラスの化学強化されたガラス基板の場合、酸化物基準の質量百分率表示でSiOを60〜75%、Alを2〜12%、MgOを2〜11%、CaOを0〜10%、SrOを0〜3%、BaOを0〜3%、NaOを10〜18%、KOを0〜8%、ZrOを0〜4%含有している(以上の成分の合計は100%以下であり、また通常95%以上である)。また、アルミノシリケートガラスの化学強化されたガラス基板の場合、酸化物基準のモル百分率表示でSiOを61〜70%、Alを1〜18%、MgOを0〜15%、CaOを0〜5%、SrOを0〜1%、BaOを0〜1%、NaOを8〜18%、KOを0〜6%、ZrOを0〜4%、Bを0〜8%含有している。
(積層膜230)
積層膜230は、ガラス基板220の側から順に、第1の層240、第2の層245、第3の層250、第4の層255...を有する。なお、積層膜230は、最上部に、最外層260、すなわちZrOドープSiO層を有する。
ここで、第1の層240は、第2の層245よりも大きな屈折率を有するため、第1の層240を「高屈折率層」240と称し、第2の層245を「低屈折率層」245と称し、両者を「異屈折率層組」と称する。
この場合、図2の例では、積層膜130中の異屈折率層組の数は、1であり(合計3層)、図3の例では、積層膜230中の異屈折率層組の数は、2となる(合計5層)。異屈折率層組の数は、3以上(合計7層以上)であっても良い。
また、最外層260の直下は、必ずしも低屈折率層(145、255)である必要はなく、最外層260の直下は、高屈折率層(例えば第3の層250)であっても良い。なお、例えば、最外層260の直下が第3の層250(高屈折率層)である場合、異屈折率層組の数は、1.5と表記することができる。
このような表記に従えば、積層膜230中の異屈折率層組の数は、2.5、3.5、4.5...等であっても良い。
(第1の層240)
第1の層240は、直上に配置される第2の層245よりも大きな屈折率を有する。
第1の層240は、例えば、2.0以上の屈折率を有しても良い。第1の層240の屈折率は、例えば2.1以上であっても良い。
そのような「高屈折率層」240を構成する材料としては、これに限られるものではないが、例えば、チタニア、酸化ニオブ、ジルコニア、セリア、および酸化タンタル等が挙げられる。
第1の層240の厚さは、例えば5nm〜20nmの範囲であり、7nm〜17nmの範囲であることが好ましい。
(第2の層245)
第2の層245は、直下に配置される第1の層240よりも小さな屈折率を有する。また、異屈折率層組の数が1.5以上の場合、第2の層245は、直上に配置される第3の層245よりも小さな屈折率を有する。
第2の層245は、例えば、1.4〜1.8の範囲の屈折率を有しても良い。第2の層245の屈折率は、例えば1.45〜1.7の範囲であっても良い。
そのような「低屈折率層」245を構成する材料としては、これに限られるものではないが、例えば、シリカ、アルミナ等が挙げられる。シリカには、アルミニウムなどの他の元素がドープされても良い。ただし、異屈折率層組の数が1.0の場合、第2の層245は、シリカ以外の層である必要がある。
第2の層245の厚さは、例えば15nm〜45nmの範囲であり、20nm〜40nmの範囲であることが好ましい。
(第3の層250)
積層膜230において、異屈折率層組の数が1.5以上の場合、第3の層250が存在する。
第3の層250は、直下に配置される第2の層245よりも大きな屈折率を有する。また、異屈折率層組の数が2.0以上の場合、第3の層250は、直上に配置される第4の層255よりも大きな屈折率を有する。
第3の層250は、例えば、2.0以上の屈折率を有しても良い。第3の層250の屈折率は、例えば2.1以上であっても良い。
第3の層250の厚さは、例えば45nm〜125nmの範囲であり、50nm〜115nmの範囲であることが好ましい。
第3の層250は、第1の層240と同じ材質で構成されても良く、同じ屈折率を有しても良い。
(第4の層255)
積層膜230において、異屈折率層組の数が2.0以上の場合、第4の層255が存在する。
第4の層255は、直下に配置される第3の層250よりも小さな屈折率を有する。また、異屈折率層組の数が2.5以上の場合、第4の層255は、直上に配置される第5の層よりも小さな屈折率を有する。
第4の層255は、例えば、1.4〜1.8の範囲の屈折率を有しても良い。第4の層255の屈折率は、例えば1.45〜1.7の範囲であっても良い。
そのような「低屈折率層」255を構成する材料としては、これに限られるものではないが、例えば、シリカ、アルミナ等が挙げられる。シリカには、アルミニウムなどの他の元素がドープされても良い。
第4の層255の厚さは、例えば0nm〜110nmの範囲であり、0nm〜100nmの範囲であることが好ましい。
第4の層255は、第2の層245と同じ材質で構成されても良く、同じ屈折率を有しても良い。ただし、異屈折率層組の数が2.0の場合、第4の層255は、シリカ以外の層である必要がある。
(第5の層以降)
もし存在する場合、第5の層、第6の層、…第nの層(nは、5以上の整数)は、隣接する層と、相互に異屈折率層組を構成しても良い。
例えば、第5の層は、第4の層および第6の層よりも大きな屈折率を有し、第6の層は、第5の層および第7の層よりも小さな屈折率を有し、以下同様である。
これらの層の仕様としては、前述の(第1の層240)および(第2の層245)の欄の記載を参照できる。
(最外層260)
前述のように、最外層260は、ZrOドープSiO層で構成される。
最外層260の厚さは、特に限られないが、例えば5nm〜110nmの範囲であり、例えば10nm〜100nmの範囲であっても良い。
ジルコニアのドープ量は、特に限られないが、例えば、5at%〜50at%の範囲であっても良い。ジルコニアのドープ量が5at%以上の場合、積層膜230における耐アルカリ特性が向上する。ジルコニアのドープ量の下限は、例えば6at%であり、7at%であることが好ましく、8at%であることがより好ましく、9at%であることがさらに好ましい。一方、ジルコニアのドープ量が50at%以下の場合、酸に対する耐性が向上する。ジルコニアのドープ量は、10at%〜33at%の範囲であることが好ましい。
ジルコニアのドープ量が5at%の場合、最外層260の屈折率は、約1.50程度であり、ジルコニアのドープ量が10at%の場合、最外層260の屈折率は、約1.54程度であり、ジルコニアのドープ量が33at%の場合、最外層260の屈折率は、約1.69程度であり、ジルコニアのドープ量が50at%の場合、最外層260の屈折率は、約1.79程度である。
積層膜230を構成する各層は、いかなる方法で設置されても良い。各層は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、およびCVD(化学気相成長)法等により成膜されても良い。
(本発明の一実施例によるさらに別の反射防止膜付きガラス)
次に、図4を参照して、本発明の一実施例によるさらに別の反射防止膜付きガラス(以下、「第3の反射防止膜付きガラス」と称する)の構成について説明する。
図4に示すように、第3の反射防止膜付きガラス300は、ガラス基板320と、第1の積層膜330と、第2の積層膜365とを有する。
第3の反射防止膜付きガラス300は、図3に示した第2の反射防止膜付きガラス200と同様の部材を有する。従って、第3の反射防止膜付きガラス300において、第2の反射防止膜付きガラス200と同様の部材には、図3に示した参照符号に100を加えた参照符号が使用されている。
ただし、この第3の反射防止膜付きガラス300では、ガラス基板320の両表面322、324側に、積層膜が配置されている点で、前述の第2の反射防止膜付きガラス200の構成とは異なっている。
より具体的には、図4に示すように、ガラス基板320の第1の表面322側には、第1の積層膜330が配置され、ガラス基板320の第2の表面324側には、第2の積層膜365が配置される。
図4に示した例では、第1の積層膜330は、合計4層で構成され、異屈折率層組の数は、1.5である。すなわち、第1の積層膜330は、「高屈折率層」としての第1の層340、「低屈折率層」としての第2の層345、「高屈折率層」としての第3の層350、および第1の最外層360を有する。
同様に、第2の積層膜365は、合計4層で構成され、異屈折率層組の数は、1.5である。すなわち、第2の積層膜365は、「高屈折率層」としての第1の層370、「低屈折率層」としての第2の層375、「高屈折率層」としての第3の層380、および第2の最外層390を有する。
第3の反射防止膜付きガラス300では、ガラス基板320の両側に配置された第1の積層膜330および第2の積層膜365のそれぞれが、異屈折率層組を有する。従って、第3の反射防止膜付きガラス300では、より良好な低反射特性を発現させることができる。
ここで、第3の反射防止膜付きガラス300においても、第1の最外層360および第2の最外層390の存在のため、第1および第2の反射防止膜付きガラス100、200と同様の効果、すなわち従来の反射防止膜付きガラスに比べて、有意に改善された耐アルカリ特性が得られることは当業者には明らかであろう。
なお、図4に示した例では、第3の反射防止膜付きガラス300において、第1の積層膜330は、第1の層340〜最外層360の4層で構成されている。しかしながら、これは単なる一例に過ぎず、第1の積層膜330を構成する層の数は、3層以上である限り、特に限られない。
例えば、第1の積層膜330は、図2に示した積層膜130のような3層構造を有しても良い(異屈折率層組の数=1)。また、第1の積層膜330は、図3に示した積層膜230のような5層構造を有しても良い(異屈折率層組の数=2)。あるいは、第1の積層膜330は、6層以上で構成されても良い(異屈折率層組の数≧2.5)。
また、図4に示した例では、第2の積層膜365は、第1の積層膜330と同様の層構成を有する。しかしながら、これは単なる一例に過ぎず、第2の積層膜365は、低反射特性を発現できる限り、いかなる構成を有しても良い。
例えば、第2の積層膜365は、前述の図1〜図3に示した積層膜30、130、230のような構成を有しても良い。
さらに、第2の積層膜365は、必ずしもZrOドープSiO層で構成された最外層390を有する必要はなく、第2の最外層として、いかなる層が配置されても良い。
例えば、第3の反射防止膜付きガラス300を建物の窓ガラスとして使用することを想定した場合、室内側では、雨によるコンクリートからのアルカリ成分の流出は生じ難い。従って、ZrOドープSiO層で構成された最外層を含まない積層膜の側が室内側となるようにして、反射防止膜付きガラスを設置した場合、そのような積層膜がアルカリ成分によって劣化する現象は生じ難く、反射防止膜付きガラスの低反射特性の低下を抑制することが可能になる。
ただし、ガラス基板の両側に、ZrOドープSiO層で構成された最外層が配置された場合、いずれの側を屋外側に使用しても、アルカリ成分による積層膜の劣化を有意に抑制することができる。このため、図4に示したような第3の反射防止膜付きガラス300の場合、ガラス基板320の向きに留意することなく、反射防止膜付きガラスを使用することができる。
(本発明の一実施例によるさらに別の反射防止膜付きガラス)
次に、図5を参照して、本発明の一実施例によるさらに別の反射防止膜付きガラス(以下、「第4の反射防止膜付きガラス」と称する)の構成について説明する。
図5に示すように、第4の反射防止膜付きガラス400は、図2に示した第1の反射防止膜付きガラス100と同様の構成を有する。すなわち、第4の反射防止膜付きガラス400は、ガラス基板420と、積層膜430とを有し、積層膜430は、第1の層440、第2の層445、および最外層460の3層で構成される。
ただし、この第4の反射防止膜付きガラス400では、積層膜430の構成が、前述の第1の反射防止膜付きガラス100の積層膜130の構成とは異なっている。
より具体的には、積層膜430の第1の層440は、直上の第2の層445よりも小さな屈折率を有し、第2の層445は、第1の層440の屈折率よりも大きな屈折率を有する。すなわち、積層膜430は、積層膜130とは逆に、ガラス基板420に近い側から、「低屈折率層」と「高屈折率層」の異屈折率層組を有する。
積層膜430がこのような構成の異屈折率層組を有する場合も、第4の反射防止膜付きガラス400に低反射特性を発現させることができる。
なお、積層膜430において、最外層460は、前述のようなZrOドープSiO層で構成される。また、最外層460の直下には、シリカ層は配置されない。
従って、第4の反射防止膜付きガラス400においても、第1の反射防止膜付きガラス100と同様の効果、すなわち従来の反射防止膜付きガラスに比べて、有意に改善された耐アルカリ特性が得られる。
ここで、積層膜430における第1の層440は、前述の積層膜230の第2の層245のような「低屈折率層」であっても良い。そのような「低屈折率層」の仕様は、前述の(第2の層245)の欄に記載されている。また、積層膜430における第2の層445は、前述の積層膜230の第1の層240のような「高屈折率層」であっても良い。そのような「高屈折率層」の仕様は、前述の(第1の層240)の欄に記載されている。
(本発明の一実施例によるさらに別の反射防止膜付きガラス)
次に、図6を参照して、本発明の一実施例によるさらに別の反射防止膜付きガラス(以下、「第5の反射防止膜付きガラス」と称する)の構成について説明する。
図6に示すように、第5の反射防止膜付きガラス500は、図3に示した第2の反射防止膜付きガラス200と同様の構成を有する。すなわち、第5の反射防止膜付きガラス500は、ガラス基板520と、積層膜530とを有し、積層膜530は、第1の層540、第2の層545、第3の層550、第4の層555、および最外層560の5層で構成される。
ただし、この第5の反射防止膜付きガラス500では、積層膜530の構成が、前述の第2の反射防止膜付きガラス200の積層膜230の構成とは異なっている。
より具体的には、積層膜530の第1の層540は、直上の第2の層545よりも小さな屈折率を有する。また、第2の層545は、第1の層540および第3の層550の屈折率よりも大きな屈折率を有する。さらに、第3の層550は、第2の層545および第4の層555の屈折率よりも小さな屈折率を有し、第4の層555は、第3の層550の屈折率よりも大きな屈折率を有する。
すなわち、第5の反射防止膜付きガラス500では、積層膜530の層構成が、図3に示した第2の反射防止膜付きガラス200の積層膜230とは反対になっており、ガラス基板520に近い側から、「低屈折率層」と「高屈折率層」の異屈折率層組を、2組有する。
積層膜530がこのような構成の異屈折率層組を有する場合も、第5の反射防止膜付きガラス500に低反射特性を発現させることができる。
なお、積層膜530において、最外層560は、前述のようなZrOドープSiO層で構成される。また、最外層560の直下には、シリカ層は配置されない。
従って、第5の反射防止膜付きガラス500においても、第1の反射防止膜付きガラス100〜第4の反射防止膜付きガラス400と同様の効果、すなわち従来の反射防止膜付きガラスに比べて、有意に改善された耐アルカリ特性が得られる。
ここで、積層膜530における第1の層540および第3の層550は、前述の積層膜230の第2の層245のような「低屈折率層」であっても良い。そのような「低屈折率層」の仕様は、前述の(第2の層245)の欄に記載されている。また、積層膜530における第2の層545および第4の層555は、前述の積層膜230の第1の層240のような「高屈折率層」であっても良い。そのような「高屈折率層」の仕様は、前述の(第1の層240)の欄に記載されている。
なお、図6に示した例では、第5の反射防止膜付きガラス500において、積層膜530は、第1の層540〜最外層560の5層で構成されている。しかしながら、これは単なる一例に過ぎず、積層膜530を構成する層の数は、4層以上である限り、特に限られないことに留意する必要がある。
(本発明の一実施例によるさらに別の反射防止膜付きガラス)
次に、図7Aを参照して、本発明の一実施例によるさらに別の反射防止膜付きガラス(以下、「第6の反射防止膜付きガラス」と称する)の構成について説明する。
図7Aに示すように、第6の反射防止膜付きガラス600は、ガラス基板620と、第1の積層膜630と、第2の積層膜665とを有する。
第6の反射防止膜付きガラス600は、図6に示した第5の反射防止膜付きガラス500と同様の部材を有する。従って、第6の反射防止膜付きガラス600において、第5の反射防止膜付きガラス500と同様の部材には、図6に示した参照符号に100を加えた参照符号が使用されている。
ただし、この第6の反射防止膜付きガラス600では、ガラス基板620の両側に、積層膜が配置されている点で、前述の第5の反射防止膜付きガラス500の構成とは異なっている。
より具体的には、図7Aに示すように、ガラス基板620の第1の表面622側には、第1の積層膜630が配置され、ガラス基板620の第2の表面624側には、第2の積層膜665が配置される。
図7Aに示した例では、第1の積層膜630は、合計4層で構成され、異屈折率層組の数は、1.5である。すなわち、第1の積層膜630は、「低屈折率層」としての第1の層640、「高屈折率層」としての第2の層645、「低屈折率層」としての第3の層650、および第1の最外層660を有する。
同様に、第2の積層膜665は、合計4層で構成され、異屈折率層組の数は、1.5である。すなわち、第2の積層膜665は、「低屈折率層」としての第1の層670、「高屈折率層」としての第2の層675、「低屈折率層」としての第3の層680、および第2の最外層690を有する。
第6の反射防止膜付きガラス600では、ガラス基板620の両側に配置された第1の積層膜630および第2の積層膜665のそれぞれが、異屈折率層組を有する。従って、第6の反射防止膜付きガラス600では、より良好な低反射特性を発現させることができる。
また、第1の最外層660および第2の最外層690は、ZrOドープSiO層で構成される。さらに、第1の最外層660の直下、および第2の最外層690の直下には、シリカ層は、配置されない。
従って、第6の反射防止膜付きガラス600においても、第4および第5の反射防止膜付きガラス400、500と同様の効果、すなわち従来の反射防止膜付きガラスに比べて、有意に改善された耐アルカリ特性が得られることは当業者には明らかであろう。
なお、図7Aに示した例では、第6の反射防止膜付きガラス600において、第1の積層膜630は、第1の層640〜最外層660の4層で構成されている。しかしながら、これは単なる一例に過ぎず、第1の積層膜630を構成する層の数は、3層以上である限り、特に限られない。
例えば、第1の積層膜630は、図5に示した積層膜430のような3層構造を有しても良い(異屈折率層組の数=1)。また、第1の積層膜630は、図6に示した積層膜530のような5層構造を有しても良い(異屈折率層組の数=2)。あるいは、第1の積層膜630は、6層以上で構成されても良い(異屈折率層組の数≧2.5)。
また、図7Aに示した例では、第2の積層膜665は、第1の積層膜630と同様の層構成を有する。しかしながら、これは単なる一例に過ぎず、第2の積層膜665は、低反射特性を発現できる限り、いかなる構成を有しても良い。
さらに、第2の積層膜665は、必ずしもZrOドープSiO層で構成された最外層690を有する必要はなく、第2の最外層として、いかなる層が配置されても良い。
(本発明の一実施例による反射防止膜付きガラスの製造方法)
次に、前述のような特徴を有する本発明の一実施例による反射防止膜付きガラスの製造方法の一例について、簡単に説明する。
なお、以下に示す反射防止膜付きガラスの製造方法は、単なる一例であって、本発明による反射防止膜付きガラスは、別の方法で製造されても良い。また、以下の記載では、一例として、図3に示した第2の反射防止膜付きガラス200において、積層膜230中の第4の層255が省略された構成(すなわち4層構成の積層膜を有する反射防止膜付きガラス)を例に、その製造方法について説明する。
図7Bには、そのような反射防止膜付きガラスの製造方法のフローの一例を概略的に示す。
図7Bに示すように、この製造方法(以下、「第1の製造方法」と称する)は、
ガラス基板の第1の表面の側に、第1の層を形成するステップ(ステップS110)と、
前記第1の層の直上に、第2の層を形成するステップ(ステップS120)と、
前記第2の層の直上に、第3の層を形成するステップであって、前記第3の層は、シリカを含まない層で構成されるステップ(ステップS130)と、
前記第3の層の直上に、ジルコニアがドープされたシリカで構成された層を形成するステップであって、前記ジルコニアがドープされたシリカで構成された層は、シリンドリカルマグネトロンスパッタリング法により形成されるステップ(ステップS140)と、
ステップS140後に、前記ガラス基板を熱処理するステップ(ステップS150)と、
を有する。
ただし、ステップS150は、省略しても良い。
以下、各ステップについて説明する。なお、以降の説明では、明確化のため、各部材を説明する際に、図3に示した参照符号を使用する。
(ステップS110)
まず、第1および第2の表面222、224を有するガラス基板220が準備される。ガラス基板220の組成は、特に限られない。ガラス基板220は、例えば、無アルカリガラス、ソーダライムガラス、およびアルミノシリケートガラス等であっても良い。
次に、ガラス基板220の第1の表面222の側に、第1の層240が形成される。
前述のように、第1の層240は、以降のステップS120で形成される第2の層245よりも屈折率の高い材料で構成される。第1の層240は、例えば、チタニア、酸化ニオブ、ジルコニア、セリア、または酸化タンタル等であっても良い。
第1の層240の形成方法は、特に限られない。第1の層240は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、およびCVD(化学気相成長)法等により、ガラス基板220の第1の表面222に成膜されても良い。
(ステップS120)
次に、第1の層240の直上に、第2の層245が形成される。
前述のように、第2の層245は、第1の層240よりも屈折率が低い材料であって、以降のステップS130で形成される第3の層255よりも屈折率の低い材料で構成される。第2の層245は、例えば、シリカまたはアルミナ等であっても良い。
第2の層245の形成方法は、特に限られない。第2の層245は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、およびCVD(化学気相成長)法等により成膜されても良い。
(ステップS130)
次に、第2の層245の直上に、第3の層250が形成される。
前述のように、第3の層250は、第2の層245よりも屈折率の高い材料で構成される。第3の層250は、例えば、チタニア、酸化ニオブ、ジルコニア、セリア、または酸化タンタル等であっても良い。なお、第3の層250は、シリカを含まない層で形成される。
第3の層250の形成方法は、特に限られない。第3の層250は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、およびCVD(化学気相成長)法等により成膜されても良い。
(ステップS140)
次に、第3の層250の直上に、ZrOドープSiO層(いわゆる最外層260)が形成される。
最外層260におけるジルコニアのドープ量は、特に限られないが、例えば、5at%〜50at%の範囲であっても良い。
最外層260は、例えば、スパッタリング法により成膜することができる。
特に、スパッタリング法の中では、シリンドリカルマグネトロンスパッタリング法が好ましい。この「シリンドリカルマグネトロンスパッタリング法」では、通常の平坦ターゲットの代わりに、中空円筒状ターゲットが使用される。この中空円筒状ターゲットを延伸軸方向に回転させながら、スパッタリング成膜が実施される(例えば特許第4639764号明細書)。
後に詳しく説明するように、最外層260を「シリンドリカルマグネトロンスパッタリング法」で成膜した場合、積層膜へのデブリ(異物)の付着が有意に抑制される。従って、欠陥の少ない反射防止膜付きガラスを得ることが可能となる。
(ステップS150)
次に、必要な場合、第1の表面222に積層膜230(第1の層240、第2の層245、第3の層250、および最外層260)が形成されたガラス基板220が熱処理される。熱処理は、ガラス基板220を強化したり、曲げたりするために実施される。ただし、このステップは、省略されても良い。
熱処理は、例えば、大気下、550℃〜700℃の温度範囲で実施される。熱処理は、例えば、650℃まで加熱されたガラス基板220を、空気ブローにより急冷することにより実施されても良い。
以上の工程により、ガラス基板220および積層膜230により構成された、反射防止膜付きガラスを製造することができる。
以上、本発明の一実施例による反射防止膜付きガラスの製造方法の一例について説明した。ここで、上記記載が単なる一例に過ぎず、本発明の一実施例による反射防止膜付きガラスがその他の方法で製造され得ることは当業者には明らかである。例えば、上記記載では、最外層260のみがシリンドリカルマグネトロンスパッタリング法で成膜される場合を例に説明したが、さらに、第1の層〜第3の層の少なくとも一つをシリンドリカルマグネトロンスパッタリング法で成膜しても良い。
また、上記記載では、図3に示した第2の反射防止膜付きガラス200において、積層膜230中の第4の層255が省略された構成を例に、その製造方法について説明した。しかしながら、上記第1の製造方法が、その他の構成の積層膜を有する反射防止膜付きガラスについても、同様に適用し得ることは、当業者には明らかである。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、以下の説明において、例1〜例4は、実施例であり、例5〜例7は、比較例である。
(例1)
以下の方法で、ガラス基板の一方の表面に積層膜を構成して、反射防止膜付きガラス用サンプル(以下、「例1に係るサンプル」と称する)を製作した。
例1に係るサンプルは、以下のように製作した。
まず、縦25mm×横50mm×厚さ2mmのガラス基板(ソーダライムガラス)を準備した。
次に、スパッタリング法により、このガラス基板の一方の表面に、第1の層〜第4の層からなる、合計4層からなる積層膜を形成した。積層膜は、ガラス基板に近い側から、以下の層構成を有する:
第1の層:TiO層、厚さ11nm
第2の層:SiO層、厚さ31nm
第3の層:TiO層、厚さ99nm
第4の層:90at%SiO−10at%ZrO層、厚さ83nm
第1の層は、ターゲットとしてTiOxターゲット(x<2)(製品名TXOターゲット:AGCセラミックス株式会社製)を使用し、Ar+O雰囲気(酸素8vol%)下でのスパッタリング法により成膜した。スパッタリング圧力は、0.37Paとした。
第2の層は、ターゲットとしてSiターゲットを使用し、Ar+O雰囲気(酸素60vol%)下でのスパッタリング法により成膜した。スパッタリング圧力は、0.17Paとした。
第3の層は、ターゲットとして、前述のTiOxターゲット(x<2)を使用し、Ar+O雰囲気(酸素8vol%)下でのスパッタリング法により成膜した。スパッタリング圧力は、0.37Paとした。
第4の層は、ターゲットとして10at%のZrがドープされたSiターゲットを使用し、Ar+O雰囲気(酸素60vol%)下でのスパッタリング法により成膜した。スパッタリング圧力は、0.12Paとした。
なお、ガラス基板の積層膜が配置されていない側の表面には、反射防止処理(粗表面化処理)を行った。
(例2)
例1と同様の方法で、反射防止膜付きガラス用サンプル(以下、「例2に係るサンプル」と称する)を製作した。ただし、この例2では、積層膜は、以下の層構成とした:
第1の層:TiO層、厚さ13nm
第2の層:SiO層、厚さ28nm
第3の層:TiO層、厚さ97nm
第4の層: 80at%SiO−20at%ZrO層、厚さ68nm
なお、第4の層は、ターゲットとして20at%のZrがドープされたSiターゲットを使用し、Ar+O雰囲気(酸素60vol%)下でのスパッタリング法により成膜した。スパッタリング圧力は、0.12Paとした。
(例3)
例1と同様の方法で、反射防止膜付きガラス用サンプル(以下、「例3に係るサンプル」と称する)を製作した。ただし、この例3では、積層膜は、以下の層構成とした:
第1の層:TiO層、厚さ16nm
第2の層:SiO層、厚さ25nm
第3の層:TiO層、厚さ65nm
第4の層: 67at%SiO−33at%ZrO層、厚さ76nm
なお、第4の層は、ターゲットとして33at%のZrがドープされたSiターゲットを使用し、Ar+O雰囲気(酸素60vol%)下でのスパッタリング法により成膜した。スパッタリング圧力は、0.12Paとした。
(例4)
例1と同様の方法で、反射防止膜付きガラス用サンプル(以下、「例4に係るサンプル」と称する)を製作した。ただし、この例4では、ガラス基板の両側に、同一の積層膜を形成した。(従って、ガラス基板に対して、反射防止処理(粗表面化処理)は実施していない。)
各積層膜は、以下の層構成とした:
第1の層:TiO層、厚さ12nm
第2の層:SiO層、厚さ30nm
第3の層:TiO層、厚さ99nm
第4の層:90at%SiO−10at%ZrO層、厚さ81nm
(例5)
例1と同様の方法で、反射防止膜付きガラス用サンプル(以下、「例5に係るサンプル」と称する)を製作した。ただし、この例5では、積層膜は、以下の層構成とした:
第1の層:TiO層、厚さ13nm
第2の層:SiO層、厚さ28nm
第3の層:TiO層、厚さ97nm
第4の層:SiO層、厚さ81nm
なお、第4の層は、ターゲットとしてSiターゲットを使用し、Ar+O雰囲気(酸素60vol%)下でのスパッタリング法により成膜した。スパッタリング圧力は、0.17Paとした。
(例6)
例1と同様の方法で、反射防止膜付きガラス用サンプル(以下、「例6に係るサンプル」と称する)を製作した。ただし、この例6では、ガラス基板の両側に、同一の積層膜を形成した。(従って、ガラス基板に対して、反射防止処理(粗表面化処理)は実施していない。)
各積層膜は、以下の層構成とした:
第1の層:TiO層、厚さ11nm
第2の層:AlドープSiO層、厚さ31nm
第3の層:TiO層、厚さ97nm
第4の層:AlドープSiO層、厚さ86nm
なお、第2の層は、ターゲットとして10wt%のAlがドープされたSiターゲットを使用し、Ar+O雰囲気(酸素60vol%)下でのスパッタリング法により成膜した。スパッタリング圧力は、0.17Paとした。
第4の層は、第2の層と同様の成膜条件で成膜した。
(例7)
例5と同様の方法で、反射防止膜付きガラス用サンプル(以下、「例7に係るサンプル」と称する)を製作した。ただし、この例7では、積層膜は、以下の層構成とした:
第1の層:TiO層、厚さ11nm
第2の層:SiO層、厚さ30nm
第3の層:TiO層、厚さ103nm
第4の層:SiO層、厚さ17nm
第5の層:90at%SiO−10at%ZrO層、厚さ60nm
なお、第5の層は、ターゲットとして10at%のZrがドープされたSiターゲットを使用し、Ar+O雰囲気(酸素60vol%)下でのスパッタリング法により成膜した。スパッタリング圧力は、0.12Paとした。
(評価)
前述の方法で作製した例1〜例7に係る各サンプルを用いて耐アルカリ特性の評価を行った。耐アルカリ特性の評価は、以下の耐アルカリ特性試験により実施した。
(耐アルカリ特性試験)
各サンプルに対して、積層膜が配置された側(例4および例6に係るサンプルではどちらか一方の側)から光を照射し、分光光度計により反射率(初期反射率)を測定する。
次に、各サンプルを、90℃に加熱した濃度0.1kmol/mのNaOH水溶液中に2時間浸漬させる。その後、サンプルを水溶液から取り出し、純水で洗浄した後、乾燥させる。
乾燥後のサンプルを用いて、浸漬処理前と同様の測定を行い、反射率(処理後反射率)を測定する。
各サンプルにおいて、初期反射率と処理後反射率を比較し、耐アルカリ特性を評価する。
(可視光反射率)
反射防止膜付きガラスの可視光反射率は、低いほど低反射特性が良いと言える。
ガラス基板の一方の表面のみに積層膜が形成され、もう一方の表面を粗表面化処理した状態において、JIS R 3106に基づいて測定される当該反射防止膜付きガラスの可視光反射率が1%を超える場合、低反射特性は不十分である。前記可視光反射率は、1%以下であることが好ましい。
ガラス基板の両表面に積層膜が形成された状態において、JIS R 3106に基づいて測定される当該反射防止膜付きガラスの可視光反射率が2%を超える場合、低反射特性は不十分である。前記可視光反射率は、2%以下であることが好ましい。特に、前記可視光反射率は、1%以下であることがより好ましい。
(反射色)
一般に、反射色が赤色系やオレンジ色系の反射防止膜付きガラスは敬遠される傾向にあり、反射色が青色系や緑色系の反射防止膜付きガラスが好まれることが多い。ただし、反射色が青色系や緑色系であっても、彩度が強過ぎる場合はやはり敬遠される傾向にある。
標準イルミナントD65、10度視野での反射色を、JIS Z 8729によるL表色系の色座標(a,b)で表したとき、反射防止膜付きガラスの反射色が、(0,0)、(20,−20)、(−15,−20)、(−15,10)、および(0,10)の5点を頂点とする五角形の内側にあることが好ましい。この場合、反射防止膜付きガラスの反射色は、赤色系やオレンジ色系ではなく、彩度が強過ぎることもない。
(結果)
図8には、例1に係るサンプルにおいて得られた耐アルカリ特性試験結果を示す。
図8に示すように、例1に係るサンプルでは、浸漬処理前後において、反射率特性は、ほぼ一致しており、両者に顕著な差異は認められなかった。すなわち、例1に係るサンプルでは、浸漬処理前および後の何れの場合も、波長約400nm〜約650nmの範囲にわたって、十分に低い反射率を示すことがわかった。表2に示すように、例1に係るサンプルの浸漬処理前後の可視光反射率は、それぞれ0.26%、0.26%であった。すなわち、浸漬処理前後の何れも、例1に係るサンプルの可視光反射率は1%以下であった。
このように、例1に係るサンプルは、良好な耐アルカリ特性を有することが確認された。
また、表2に示すように、例1に係るサンプルの浸漬処理前後の反射色(a,b)は、それぞれ(−0.47,−4.14)、(−0.45,−3.61)であった。すなわち、浸漬処理前後の何れも、例1に係るサンプルの反射色は、前述の五角形の内側にあった。
図9には、例2に係るサンプルにおいて得られた耐アルカリ特性試験結果を示す。
図9に示すように、例2に係るサンプルにおいても、浸漬処理前後において、反射率特性は、ほぼ一致しており、両者に顕著な差異は認められなかった。すなわち、例2に係るサンプルでは、浸漬処理前および後の何れの場合も、波長約400nm〜約650nmの範囲にわたって、十分に低い反射率を示すことがわかった。表2に示すように、例2に係るサンプルの浸漬処理前後の可視光反射率は、それぞれ0.87%、0.90%であった。すなわち、浸漬処理前後の何れも、例2に係るサンプルの可視光反射率は1%以下であった。
このように、例2に係るサンプルは、良好な耐アルカリ特性を有することが確認された。
また、表2に示すように、例2に係るサンプルの浸漬処理前後の反射色(a,b)は、それぞれ(−3.35,0.75)、(−2.84,−1.03)であった。すなわち、浸漬処理前後の何れも、例2に係るサンプルの反射色は、前述の五角形の内側にあった。
図10には、例3に係るサンプルにおいて得られた耐アルカリ特性試験結果を示す。
図10に示すように、例3に係るサンプルにおいても、浸漬処理前後において、反射率特性は、ほぼ一致しており、両者に顕著な差異は認められなかった。すなわち、例3に係るサンプルでは、浸漬処理前および後の何れの場合も、波長約450nm〜約650nmの範囲にわたって、十分に低い反射率を有することがわかった。表2に示すように、例3に係るサンプルの浸漬処理前後の可視光反射率は、それぞれ0.71%、0.70%であった。すなわち、浸漬処理前後の何れも、例3に係るサンプルの可視光反射率は1%以下であった。
このように、例3に係るサンプルは、良好な耐アルカリ特性を有することが確認された。
また、表2に示すように、例3に係るサンプルの浸漬処理前後の反射色(a,b)は、それぞれ(9.98,−15.44)、(11.02,−17.86)であった。すなわち、浸漬処理前後の何れも、例3に係るサンプルの反射色は、前述の五角形の内側にあった。
ここで、例1〜例3の可視光反射率を比較する。例1〜例3の最外層は、それぞれ90at%SiO−10at%ZrO層、80at%SiO−20at%ZrO層、67at%SiO−33at%ZrO層であるが、屈折率が最も低い90at%SiO−10at%ZrO層を最外層とした、例1の可視光反射率が最も低く、低反射特性が良いことがわかる。
図11には、例4に係るサンプルにおいて得られた耐アルカリ特性試験結果を示す。
図11に示すように、例4に係るサンプルにおいても、浸漬処理前後において、反射率特性は、ほぼ一致しており、両者に顕著な差異は認められなかった。すなわち、例4に係るサンプルでは、浸漬処理前および後の何れの場合も、波長約450nm〜約650nmの範囲にわたって、十分に低い反射率を有することがわかった。表2に示すように、例4に係るサンプルの浸漬処理前後の可視光反射率は、それぞれ0.77%、0.74%であった。この例4に係るサンプルは、例1と同じく、ZrOドープSiO層としては屈折率が低い90at%SiO−10at%ZrO層が最外層である。そのため、ガラス基板の両面に積層膜が形成されているにもかかわらず、可視光反射率は、2%はおろか1%以下であり、低反射特性が良いことがわかる。
このように、例4に係るサンプルは、良好な耐アルカリ特性を有することが確認された。
また、表2に示すように、例4に係るサンプルの浸漬処理前後の反射色(a,b)は、それぞれ(−1.76,−6.28)、(−1.18,2.34)であった。すなわち、浸漬処理前後の何れも、例4に係るサンプルの反射色は、前述の五角形の内側にあった。
図12には、例5に係るサンプルにおいて得られた耐アルカリ特性試験結果を示す。
図12に示すように、例5に係るサンプルでは、浸漬処理前後において、反射率特性に顕著な差異が認められた。すなわち、例5に係るサンプルは、浸漬処理前には良好な低反射特性を示すものの、浸漬処理後には、波長約400nm〜約750nmの範囲にわたって、反射率が上昇することがわかった。表2に示すように、例5に係るサンプルの浸漬処理前後の可視光反射率は、それぞれ0.27%、10.35%であった。
このように、例5に係るサンプルは、良好な耐アルカリ特性を示さないことが確認された。
図13には、例6に係るサンプルにおいて得られた耐アルカリ特性試験結果を示す。
図13に示すように、例6に係るサンプルでは、浸漬処理前後において、反射率特性に顕著な差異が認められた。すなわち、例6に係るサンプルは、浸漬処理前には良好な低反射特性を示すものの、浸漬処理後には、ほぼ全ての測定波長範囲にわたって、反射率が上昇することがわかった。表2に示すように、例6に係るサンプルの浸漬処理前後の可視光反射率は、それぞれ0.55%、22.47%であった。
このように、例6に係るサンプルは、良好な耐アルカリ特性を示さないことが確認された。
図14には、例7に係るサンプルにおいて得られた耐アルカリ特性試験結果を示す。
図14に示すように、例7に係るサンプルでは、浸漬処理前後において、反射率特性に顕著な差異が認められた。すなわち、例7に係るサンプルは、浸漬処理前には良好な低反射特性を示すものの、浸漬処理後には、ほぼ全ての測定波長範囲にわたって、反射率が上昇することがわかった。表2に示すように、例7に係るサンプルの浸漬処理前後の可視光反射率は、それぞれ0.43%、10.81%であった。
このように、例7に係るサンプルは、良好な耐アルカリ特性を示さないことが確認された。
以下の表1には、例1〜例7に係るサンプルの積層膜の仕様を示した。
Figure 0006536409
以下の表2には、例1〜例7に係るサンプルの浸漬処理前後における可視光反射率、色座標a、b、および耐アルカリ特性試験結果をまとめて示した。可視光反射率は、JIS R 3106に基づいて測定された値である。また、色座標a、bは、標準イルミナントD65、10度視野での反射色であり、JIS Z 8729によるL表色系に基づく。
Figure 0006536409
以上のように、本発明による反射防止膜付きガラスの構成を採用した例1〜例4に係るサンプルでは、耐アルカリ特性が有意に改善されることが確認された。
(生産性評価)
次に、本発明の一実施例による反射防止膜付きガラスを連続製造し、その生産性を評価した。
反射防止膜付きガラスは、100インチ×144インチの縦横寸法を有するガラス基板(ソーダライムガラス製)の第1の表面上に、前述の例1と同様の、4層構成の積層膜を有する構成とした。ここで、各層の構成条件は、以下の通りである:
第1の層:TiO層、厚さ12nm
第2の層:SiO層、厚さ35nm
第3の層:TiO層、厚さ105nm
第4の層(最外層):90at%SiO−10at%ZrO層、厚さ84nm
このうち、第1の層は、通常の平坦TiOxターゲット(x<2)を使用したスパッタリング法により成膜した。また、第2の層〜第4の層は、円筒状ターゲットを使用したシリンドリカルマグネトロンスパッタリング法により成膜した。
反射防止膜付きガラスは、前記寸法のガラス基板を、単一コーター内にローラー搬送させることにより、連続的に製造した。コーター内の雰囲気は、Ar+O雰囲気とした。
各層の厚さ調整等を含む約4日間の連続放電の後半約1.5日で、合計290枚の反射防止膜付きガラスが製造された。製造された各反射防止膜付きガラスの全数について、表面のデブリの付着および積層膜内の欠陥の有無を目視で観察した。その結果、製造不良となった製品は存在せず、不良品率は0(ゼロ)であった。
このように、上記方法で製造した反射防止膜付きガラスは欠陥が少なく、高い歩留まりが得られることが確認された。
(耐熱性評価)
次に、本発明による反射防止膜付きガラスの耐熱性の評価を行った。
評価用のサンプルには、前述の(生産性評価)の項で製造した、100インチ×144インチの縦横寸法を有する反射防止膜付きガラスを使用した。
この反射防止膜付きガラスを、大気中、650℃まで加熱した後、空気ブローにより、室温まで冷却した。加熱前後における反射防止膜付きガラスのヘーズを、ヘーズメータで測定した。
ヘーズ測定の結果、熱処理前の反射防止膜付きガラスのヘーズは、0.09%であった。一方、熱処理後の反射防止膜付きガラスのヘーズは、0.35%であり、熱処理を実施しても、ヘーズの上昇は有意に抑制されることがわかった。
このように、前述の製造方法で製造された反射防止膜付きガラスは、良好な耐熱性を有することが確認された。
本発明は、例えば、建築物用の反射防止膜付きガラス等に利用することができる。その利用形態は、ガラス基板の片面のみに反射防止膜が配置される形態、ガラス基板の両面に反射防止膜が配置される形態に限られない。例えば、片面のみに反射防止膜が配置されたガラス基板を2枚用意し、合わせガラスとしても良い。また、両面に反射防止膜が配置されたガラス基板を2枚用意し、複層ガラスとしても良い。あるいは、片面のみに反射防止膜が配置されたガラス基板のもう一方の面に、別の効果を有する膜を配置しても良い。
本願は、2013年12月16日に出願した日本国特許出願2013−259650号に基づく優先権を主張するものであり同日本国出願の全内容を本願に参照により援用する。
10 従来の反射防止膜付きガラス
20 ガラス基板
22 第1の表面
24 第2の表面
30 積層膜
40 第1の層
45 第2の層
50 第3の層
55 第4の層
100 本発明による第1の反射防止膜付きガラス
120 ガラス基板
122 第1の表面
124 第2の表面
130 積層膜
140 第1の層
145 第2の層
160 最外層
200 本発明による第2の反射防止膜付きガラス
220 ガラス基板
222 第1の表面
224 第2の表面
230 積層膜
240 第1の層
245 第2の層
250 第3の層
255 第4の層
260 最外層
300 本発明による第3の反射防止膜付きガラス
320 ガラス基板
322 第1の表面
324 第2の表面
330 第1の積層膜
340 第1の層(第1の積層膜)
345 第2の層(第1の積層膜)
350 第3の層(第1の積層膜)
360 第1の最外層
365 第2の積層膜
370 第1の層(第2の積層膜)
375 第2の層(第2の積層膜)
380 第3の層(第2の積層膜)
390 第2の最外層
400 本発明による第4の反射防止膜付きガラス
420 ガラス基板
422 第1の表面
424 第2の表面
430 積層膜
440 第1の層
445 第2の層
460 最外層
500 本発明による第5の反射防止膜付きガラス
520 ガラス基板
522 第1の表面
524 第2の表面
530 積層膜
540 第1の層
545 第2の層
550 第3の層
555 第4の層
560 最外層
600 本発明による第6の反射防止膜付きガラス
620 ガラス基板
622 第1の表面
624 第2の表面
630 第1の積層膜
640 第1の層(第1の積層膜)
645 第2の層(第1の積層膜)
650 第3の層(第1の積層膜)
660 第1の最外層
665 第2の積層膜
670 第1の層(第2の積層膜)
675 第2の層(第2の積層膜)
680 第3の層(第2の積層膜)
690 第2の最外層

Claims (16)

  1. 第1および第2の表面を有するガラス基板と、前記ガラス基板の第1の表面に配置された第1の積層膜とを有する反射防止膜付きガラスであって、
    前記第1の積層膜は、前記ガラス基板の第1の表面に近い側から、第1の層、第2の層、および最外層を有し、
    前記第2の層は、前記第1の層に隣接して配置され、前記第1の層よりも小さな屈折率を有し、
    前記最外層は、ジルコニアがドープされたシリカで構成され、
    前記最外層の直下には、シリカを含まない層が配置されることを特徴とする反射防止膜付きガラス。
  2. 前記最外層には、5at%〜50at%のジルコニアがドープされていることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜付きガラス。
  3. 前記第1の層は、2.0以上の屈折率を有し、
    前記第2の層は、1.4〜1.8の範囲の屈折率を有することを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止膜付きガラス。
  4. 前記第1の層は、チタニア、酸化ニオブ、ジルコニア、セリア、および酸化タンタルからなる群から選定された材料を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の反射防止膜付きガラス。
  5. 前記第2の層は、シリカまたはアルミナを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の反射防止膜付きガラス。
  6. 前記第1の積層膜は、3層構造であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の反射防止膜付きガラス。
  7. 前記第1の積層膜は、前記第2の層の前記第1の層とは反対の側に、前記第2の層と接するように配置された第3の層を有し、該第3の層は、前記最外層とは異なり、
    前記第3の層は、前記第2の層よりも大きな屈折率を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の反射防止膜付きガラス。
  8. 前記ガラス基板の前記第2の表面を粗表面化処理した状態において、JIS R 3106に基づいて測定される当該反射防止膜付きガラスの可視光反射率は、1%以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の反射防止膜付きガラス。
  9. 当該反射防止膜付きガラスは、前記ガラス基板の第2の表面に、第2の積層膜を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載の反射防止膜付きガラス。
  10. JIS R 3106に基づいて測定される当該反射防止膜付きガラスの可視光反射率は、2%以下であることを特徴とする請求項に記載の反射防止膜付きガラス。
  11. 前記第2の積層膜は、ジルコニアがドープされたシリカで構成された最外層を有することを特徴とする請求項または10に記載の反射防止膜付きガラス。
  12. 前記第2の積層膜は、前記第1の積層膜と同じ層構成を有することを特徴とする請求項乃至11のいずれか一つに記載の反射防止膜付きガラス。
  13. 標準イルミナントD65、10度視野での反射色を、JIS Z 8729によるL表色系の色座標(a,b)で表したとき、前記反射色は、(0,0)、(20,−20)、(−15,−20)、(−15,10)、および(0,10)の5点を頂点とする五角形の内側にあることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一つに記載の反射防止膜付きガラス。
  14. 反射防止膜付きガラスの製造方法であって、
    (1)ガラス基板の第1の表面の側に、第1の層を形成するステップと、
    (2)前記第1の層の直上に、第2の層を形成するステップと、
    (3)前記第2の層の直上に、第3の層を形成するステップであって、前記第3の層は、シリカを含まない層で構成されるステップと、
    (4)前記第3の層の直上に、ジルコニアがドープされたシリカで構成された層を形成するステップであって、前記ジルコニアがドープされたシリカで構成された層は、シリンドリカルマグネトロンスパッタリング法により形成されるステップと、
    を有する、反射防止膜付きガラスの製造方法。
  15. さらに、前記(4)のステップの後に、
    (5)前記ガラス基板を、700℃以下の温度で熱処理するステップ
    を有することを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記第2の層は、前記第1の層および前記第3の層よりも低い屈折率を有することを特徴とする請求項14または15に記載の製造方法。
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