JP6534427B2 - 床用目地装置 - Google Patents

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Description

本発明は目地部を介して設けられた躯体の間の目地部を塞ぐ床用目地装置に関する。
従来、雨水等を排水処理等することができる目地プレートを備える目地部を塞ぐ床用目地装置としては、「目地部を介して設けられた左右の床躯体の少なくとも一方の目地部側の床躯体に、反目地部側が傾斜面に形成された目地プレートスライド支持凹部と、この目地プレートスライド支持凹部を覆う目地プレート下地カバーと、前記目地プレートスライド支持凹部にスライド移動可能で、かつ前記目地部を覆う浅皿状の皿部材を備える複数の目地プレートと、この目地プレートの上面の水を前記目地プレート下地カバー上あるいは、前記目地部の近傍部位へ排水する、該目地プレートに埋設された排水パイプと、前記目地プレート下地カバー上あるいは前記目地部の近傍部位に排水された水を受けられるように、前記一方の目地部側の床躯体に取付けられた樋とからなることを特徴とする床用目地装置」が知られている(特許文献1)。
しかしながら、このような床用目地装置では、目地プレート上面に溜まった雨水等を排水することはできるものの、互いに隣り合う目地プレート同士の当接部分から下方へ流れ落ちる雨水等を所定の部位へ排出することはできなかった。
特許第5390459号公報
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、目地部を塞ぐことができると共に、目地プレート同士の当接部分から雨水等が下方へ落下することを確実に防止できる床用目地装置を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明の床用目地装置は、一方と他方の躯体間の目地部を塞ぐ床用目地装置において、前記一方の躯体に設けられた第1の目地プレート支持部と、前記他方の躯体に設けられた第2の目地プレート支持部と、前記第1の目地プレート支持部に一端部が支持されるとともに、前記第2の目地プレート支持部に他端部が支持され、かつ、前後方向の少なくとも一側面に雨水排出部を備える雨水排出目地プレートと、前記第1の目地プレート支持部に一端部が支持されるとともに、前記第2の目地プレート支持部に他端部が支持され、かつ、レール状の雨水受け部材が前記雨水排出部に対向するように設置される雨水受け目地プレートとで構成され、前記雨水排出部は、前記レール状の雨水受け部材が入り込むように形成された凹所と、該凹所の上部に形成され、かつ、雨水が前記雨水受け部材に落下するように下方に突出する雨水滴下部とからなることを特徴とする。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1に記載の各発明においては、雨水滴下部から落下する雨水を雨水受け部材で受けることができるので、目地部の下部等に雨水が落下することを確実に防止することができる。
(2)雨水を雨水受け部材で受けることができるので、任意の場所に雨水を排水することができる。
(3)請求項2に記載の発明においても、前記(1)〜(2)と同様な効果が得られるとともに、効率よく雨水滴下部から雨水を落下させることができる。
(4)請求項3に記載の発明においても、前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、雨水受け部材が傾斜状態で設けられているため、雨水受け部材からすばやく雨水を排水することができる。
図1乃至図7は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図8乃至図12は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
図13乃至図16は本発明の第3の実施形態を示す説明図である。
第1の実施形態を示す床用目地装置の平面図(通常時)。 図1の2−2線に沿う断面図。 図1の3−3線に沿う断面図。 雨水排出目地プレートの説明図。 雨水受け目地プレートの説明図。 地震で目地部が狭くなった場合の正面視側からの動作説明図。 地震で目地部が広くなった場合の正面視側からの動作説明図。 第2の実施形態を示す床用目地装置の平面図(通常時)。 図8の9−9線に沿う断面図。 図8の10−10線に沿う断面図。 雨水排出目地プレートの説明図。 雨水受け目地プレートの説明図。 第3の実施形態を示す床用目地装置の平面図(通常時)。 図13の14−14線に沿う断面図。 図13の15−15線に沿う断面図。 雨水排出目地プレートの説明図。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1乃至図8に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた一方の躯体3及び他方の躯体4間に設置された床用目地装置である。
なお、左右方向とは図1(平面視)における左右方向であり、前後方向とは図1における上下方向、上下方向とは図2における上下方向をいう。
また、本発明において躯体とは、建物、道路、スラブ、エレベーターシャフト等の目地プレートを設置可能な建造物をいい、出入口とはドアや扉の設けられた出入口だけではなく、人や車両等が通行できる通路も含むものである。
本実施形態の床用目地装置1は、図1乃至図3に示すように、一方の躯体3に設けられた第1の目地プレート支持部5と、他方の躯体4に設けられた第2の目地プレート支持部6と、前記第1の目地プレート支持部5に一端部8aが支持されるとともに、前記第2の目地プレート支持部6に他端部8bが支持され、前後方向の少なくとも一側面に雨水排出部7を備える雨水排出目地プレート8と、前記第1の目地プレート支持部5に一端部10aが支持されるとともに、前記第2の目地プレート支持部6に他端部10bが支持され、レール状の雨水受け部材9が前記雨水排出部7に対向するように設置される雨水受け目地プレート10とで構成されている。
なお、略当接するとは、目地プレート同士がぴったりと当接している状態及びわずかな隙間を介して隣り合っている状態を含むものである。
第1の目地プレート支持部5は、例えば図2に示すように、一方の躯体3の目地部側の端部に凹所状に形成されている。本実施形態では、一方の躯体3に一体的に第1の目地プレート支持部5を形成しているが、例えば、一方の躯体3の目地部側の壁面にアングル状、クランク状等の金具を固定して、この金具を第1の目地プレート支持部5としてもよい。
この第1の目地プレート支持部5には、雨水排出目地プレート8等を取付けるための取付ピン12が固定されている。
第2の目地プレート支持部6は、例えば図2に示すように、他方の躯体4の目地部2側の床面上に形成されており、目地部2と反対側の端部には傾斜面13が形成されている。
雨水排出目地プレート8は、図4に示すように、浅皿状で、少なくとも一側面、本実施形態では前後方向の両側面に雨水排出部7を備える雨水排出目地プレート本体14と、雨水排出目地プレート本体14の一端部側の両端部に設けられ、第1の目地プレート支持部5に固定された取付ピン12が挿入されるピンボックス15と、雨水排出目地プレート本体14の内部に充填されるモルタルやコンクリート等の充填部材16と、この充填部材16の上面に設けられた化粧板17と、雨水排出目地プレート本体14の他端部側にヒンジ部材18を介して設けられたカバープレート19とで構成されている。
この雨水排出部7は、前記レール状の雨水受け部材9が入り込むように形成された凹所20と、該凹所20の上部に形成され、雨水が前記雨水受け部材9に落下するように下方に突出する雨水滴下部21とで構成されている。このように雨水排出部7の凹所20に他の目地プレートの雨水受け部材9が入り込むことにより、隙間なく目地部2を塞ぐことができるとともに、目地プレート間の隙間から落下する雨水を確実に受けることができる。
雨水滴下部21は、本実施形態では、先端部が鋭角状に下方に突出する角部となっており、このような形状にすることにより、雨水が突出部の先端方向に流れやすくなり、スムーズに雨水を滴下することができる。
なお、この雨水滴下部21は、本実施形態では曲げ加工により形成されているため、その先端部は若干R形状となっているが、例えばこの雨水滴下部21を雨水排出目地プレート本体14とは別体に形成し、溶接等で固定して先端部が尖った形状にしてもよい。
雨水排出目地プレート8は、通常前後方向の両側面に雨水排出部7が形成されるが、目地部の端部に位置する雨水排出目地プレート8Aは、一側面のみに雨水排出部7が形成されている。
雨水受け目地プレート10は、図5に示すように、浅皿状で、中間目地プレート11と略当接する側面にレール状の雨水受け部材9を備える雨水受け目地プレート本体22と、雨水受け目地プレート本体22の一端部側の両端部に設けられ、第1の目地プレート支持部5に固定された取付ピン12が挿入されるピンボックス15と、雨水受け目地プレート本体22の内部に充填されるモルタルやコンクリート等の充填部材16と、この充填部材16の上面に設けられた化粧板17と、雨水受け目地プレート本体22の他端部側にヒンジ部材18を介して設けられたカバープレート19とで構成されている。
レール状の雨水受け部材9は、その底面が雨水受け目地プレート10の他端部10b側へ傾斜するように取り付けられている。このように取付けることにより雨水が雨水受け目地プレート10の他端部10b側へスムーズに流れ、スムーズに排水することができる。このレール状の雨水受け部材9は、底面が傾斜状ではなく略フラットとなるように設けてもよい。
なお、排水された雨水等は、好ましくは図示しない排水口や雨樋等から躯体外へ排出される。
雨水受け目地プレート10についても、通常前後方向の両側面に雨水受け部材9が設けられるが、目地部2の端部に位置する雨水受け目地プレート10Aは、一側面のみに雨水受け部材9が設けられている。
このように雨水排出目地プレート8及び雨水受け目地プレート10を配置することにより、隙間なく目地部2を塞ぐことができるとともに、各目地プレートの当接部分から下方へ落下する雨水を、確実に受けることができる。
本実施形態では、端部の雨水排出目地プレート8A、雨水受け目地プレート10、雨水排出目地プレート8、端部の雨水受け目地プレート10Aの順番で、雨水受け目地プレート10と雨水排出目地プレート8を交互に略隙間なく並列状態で並べて目地部2を塞いでいる。目地部2の前後方向の長さが長い場合には、雨水受け目地プレート10と雨水排出目地プレート8をそれぞれ複数個用いて目地部2を塞ぐ。
地震で躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が狭くなると、図6に示すように、雨水排出目地プレート8及び雨水受け目地プレート10は第2の目地プレート支持部6の傾斜面13に乗り上げ、地震による揺れ動きを吸収する。
地震で躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が広くなると、図7に示すように、雨水排出目地プレート8及び雨水受け目地プレート10は第2の目地プレート支持部6を左右方向にスライド移動し、地震による揺れ動きを吸収することができる。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図8乃至図16に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図8乃至図12に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、前記第1の実施形態で目地部の端部に用いた雨水排出目地プレート8A及び雨水受け目地プレート10Aのみで目地部2を塞ぐ床用目地装置1Aにした点で、このような床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様の作用効果を得ることができる。
図13乃至図16に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、雨水排出目地プレート8、8Aの凹所20の上部の雨水滴下部21を除く部位にレール状の雨水受け部材9の先端部9aが当接するシール部材23を設けた雨水排出部7Aにした点で、このような床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様の作用効果を得ることができる。
このシール部材23は本実施形態ではゴムで形成されており、前後方向に延在するように設けられている。このシール部材23の上部は凹所20の上部の曲面に対応する曲面に形成されており、下部には、雨水受け部材9の先端部9aが入り込む切り欠き24が形成されている。本実施形態では、この切り欠き24に雨水受け部材9の先端部9aが入り込むが、シール部材23に切り欠き24を形成せず、単にシール部材23と雨水受け部材9の先端部9aが当接する状態となる形状としてもよい。
前述した凹所20は、例えば図15で示すように、雨水排出目地プレート8、8Aの側部に形成されており、本実施形態では、断面視上方が曲面状に形成され、この曲面部分にシール部材23を配置している。
なお、本実施形態ではレール状の雨水受け部材を別体で形成して目地プレートに固定しているが、目地プレートに一体的に形成してもよい。
本発明は床用目地装置を製造する産業で利用される。
1、1A:床用目地装置、 2:目地部、
3:一方の躯体、 4:他方の躯体、
5:第1の目地プレート支持部、 6:第2の目地プレート支持部、
7、7A:雨水排出部、 8、8A:雨水排出目地プレート、
9:雨水受け部材、 10、10A:雨水受け目地プレート、12:取付ピン、 13:傾斜面、
14:雨水排出目地プレート本体、 15:ピンボックス、
16:充填部材、 17:化粧板、
18:ヒンジ部材、 19:カバープレート、
20:凹所、 21:雨水滴下部、
22:雨水受け目地プレート本体、 23:シール部材、
24:切り欠き。

Claims (4)

  1. 一方と他方の躯体間の目地部を塞ぐ床用目地装置において、前記一方の躯体に設けられた第1の目地プレート支持部と、前記他方の躯体に設けられた第2の目地プレート支持部と、前記第1の目地プレート支持部に一端部が支持されるとともに、前記第2の目地プレート支持部に他端部が支持され、かつ、前後方向の少なくとも一側面に雨水排出部を備える雨水排出目地プレートと、前記第1の目地プレート支持部に一端部が支持されるとともに、前記第2の目地プレート支持部に他端部が支持され、かつ、レール状の雨水受け部材が前記雨水排出部に対向するように設置される雨水受け目地プレートとで構成され、
    前記雨水排出部は、前記レール状の雨水受け部材が入り込むように形成された凹所と、該凹所の上部に形成され、かつ、雨水が前記雨水受け部材に落下するように下方に突出する雨水滴下部とからなる床用目地装置。
  2. 前記雨水滴下部は、鋭角状の角部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の床用目地装置。
  3. レール状の雨水受け部材は、傾斜状態となるように設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の床用目地装置。
  4. 前記凹所には、シール部材を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の床用目地装置。
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