JP6533719B2 - 受発光装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載の気体成分検出装置では、発光部から出射された赤外線を含む光が、測定対象のガスが導入されるセルを通過し、その後、受光部に入光し、受光部の出力信号に応じて測定対象のガスの有無や濃度を検出している。
そこでこの発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、より小型であり、且つ、部品点数の削減が可能な受発光装置を提供することを目的としている。
なお、以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の具体的な構成について記載されている。しかしながら、このような特定の具体的な構成に限定されることなく他の実施態様が実施できることは明らかであろう。また、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本実施形態に係る受発光装置は、基板と、基板の第1主面上に配置されたメサ部を有する発光部と、基板の第1主面上に配置されたメサ部を有する第1の受光部と、発光部及び第1の受光部の上部に配置された第1の光反射部と、を備え、発光部のメサ部の一の側面と第1の受光部のメサ部の一の側面とは向かい合っており、発光部のメサ部及び第1の受光部のメサ部を含む縦断面において、発光部のメサ部の一の側面と第1の受光部のメサ部の一の側面と第1の光反射部と基板とで囲まれた領域に被検出ガスが導入される空間を有し、発光部と第1の受光部と第1の光反射部とは、発光部から放射された光の一部が、空間を伝搬して第1の受光部に入射する位置関係にあるものである。
その結果、セル等を設ける場合に比較して小型化を図ることができ且つ部品点数を削減した受発光装置を提供することができる。
また、「発光部のメサ部の一の側面と第1の受光部のメサ部の一の側面と第1の光反射部と基板とで囲まれた領域に被検出ガスが導入される空間」とは、前述の縦断面において、発光部のメサ部の側面のうち第1の受光部と向かい合う一の側面と第1の受光部のメサ部の側面のうち発光部と向かい合う一の側面と第1の光反射部と基板との間に被検出ガスを導入することが可能な領域がその一部にでもあることを意味する。つまり、この領域の中に、例えば後述のような第2の光反射部等があってもよい。
また本実施形態に係る受発光装置は、基板の第1主面上の空間の外に配置されたメサ部を有する第2の受光部と、基板の第1主面上に配置された光遮断部と、をさらに備え、第2の受光部のメサ部及び発光部のメサ部を含む縦断面において、第2の受光部のメサ部と発光部のメサ部との間に光遮断部が配置されていてもよい。
また、メサ部の側面に設ける光遮断層は、金属以外にも、例えば樹脂製のコーティング層でも良い。また例えば、基板の第1主面上の、発光部と第2の受光部との間の領域に光を遮断可能な遮断機構(例えば金属壁)を設置してもよい。
基板の第1主面上には、メサ部を有する発光部と、メサ部を有する第1の受光部とが形成されている。基板の材料は特に制限されない。基板の材料としては、例えばシリコンSi、ガリウム砒素GaAs、サファイヤ、リン化インジウムInP、インジウム砒素InAs、ゲルマニウムGe等が挙げられるがこの限りではなく、使用する波長帯に応じて選択すればよい。半絶縁性基板が使用可能であり、大口径化が可能で、また、長波長の赤外線を後述の第2の受光部を設けた受発光装置で利用した場合、高い透過率を持つという観点から、GaAs基板は特に好ましい。
基板は、基板の第1主面上であって、且つ、発光部及び第1の受光部の間に後述の第2の光反射部をさらに備えてもよい。第2の光反射部をさらに備えることで、発光部から放射された光の一部は第2の光反射部で反射され第1の受光部に入射することとなり、第1の受光部の出力のSN比(SNR:信号に対するノイズ(雑音)の比、又は信号に対するノイズ(雑音)の量を対数で表したもの)をより高めることが可能となる。ここで第2の光反射部の具体的な形態としては、例えば、アルミニウムAlや金AuやクロムCrのような光の反射率の高い金属を利用することができるが、特にこれには限定されない。必要に応じて、基板と第2の光反射部との密着性を向上させるための密着層(例えば、Ti等)を設けても良い。また必要に応じて、第2の光反射部の表面に酸化防止用の保護層を設けても良い。
ここで第3の光反射部の具体的な形態としては、例えば、アルミニウムAlや金AuやクロムCrのような光の反射率の高い金属を利用することができるが特にこれには限定されない。
発光部は基板の第1主面上に形成され、メサ部を有する。
ここでメサ部は、単層又は複数層からなる半導体積層構造を持ち、その側面が所定の傾きとなるよう形成されたものであれば特に限定されない。
発光部は、被検出ガスによって吸収される波長を含む光を出力するものであれば特に制限されない。具体的な例としては、発光ダイオードLED(Light Emitting Diode)が挙げられる。その中で、被検出ガス以外の成分の光吸収によるノイズを低減する観点から、被検出ガスの吸収が大きい波長帯の光のみを出力するものであることが好ましい。具体的には、発光波長帯をアクティブ層(通称:活性層)のバンドギャップでコントロールできるということから、LED構造が望ましい場合がある。
ここで反射層の具体的な形態としては、発光部の側面の一部に形成可能で、発光部から放射される光のうち一部光を遮光又は反射することの可能なものであれば特に限定されない。反射層としては例えば、金Au、アルミニウムAlやチタンTiのような光の反射率の高い金属を利用することができる。一般的には発光部の活性層付近に直接金属でコーティングしてしまうと、電気的なリークパスが発生し、発光効率が低下するので、導電性の反射層を利用する場合、メサ部の側面と反射層の間に絶縁層(例えばSiNやSiO、等)を設けても良い。絶縁層を設けることで、活性層に電流のリークパスを発生することなく、高効率の発光が実現できる。
第1の受光部は、基板の第1主面上に形成され、メサ部を有する。
ここでメサ部は、単層又は複数層からなる半導体積層構造を持ち、その側面が所定の傾きとなるよう形成されたものであれば特に限定されない。
第1の受光部は、発光部の放射する光に対して感度を有するものであれば特に限定されない。信号処理の応答速度の観点から、第1の受光部の積層構造としては、PN接合又はPIN接合のダイオード構造であり、インジウム又はアンチモンの何れかの材料を含んでも良い。さらに、被検出ガスの吸収波長に応じてガリウムGa、アルミニウムAl、砒素Asからなる群より選択される少なくとも1つの材料をさらに含む混晶系の材料を含んでも良い。
また、量産性の観点から、第1の受光部の材料及び積層構造は、発光部の材料及び積層構造と同様のものであることが好ましい。
第1の受光部は直列接続された複数の受光素子からなってもよい。複数の受光素子を直列接続する形態とすることで、同一の面積に受光素子を形成する場合にも、第1の受光部全体の出力のSN比を高めることが可能となる。第1の受光部を回路(増幅器)に接続した場合のSN比の観点から、多数の受光素子を設けることによって、受光部全体の内部抵抗を大きくすることができるため、増幅器に接続した場合、高いSN比が実現できる。そのため、第1の受光部は、受光素子を複数直列接続した形態であることが好ましい。
第2の受光部は、メサ部を有し、基板の第1主面上であって、前述の空間と重複しない位置、すなわち空間の外側に配置される。
ここでメサ部は、単層又は複数層からなる半導体積層構造を持ち、その側面が所定の傾きとなるよう形成されたものであれば特に限定されない。
第2の受光部は、発光部の放射する光に対して感度を有するものであれば特に限定されない。信号処理の応答速度の観点から、第2の受光部の積層構造としては、PN接合又はPIN接合のダイオード構造であり、インジウム又はアンチモンの何れかの材料を含んでも良い。さらに被検出ガスの吸収波長に応じてガリウムGa、アルミニウムAl、砒素Asからなる群より選択される少なくとも1つの材料をさらに含む混晶系の材料を含んでも良い。
また、量産性の観点から、第2の受光部の材料及び積層構造は、発光部の材料及び積層構造と同様のものであることが好ましい。
第2の受光部は直列接続された複数の受光素子からなってもよい。複数の受光素子を直列接続する形態とすることで、同一の面積に受光素子を形成する場合にも、第2の受光部全体の出力のSN比を高めることが可能となる。第2の受光部を回路(増幅器)に接続した場合のSN比の観点から、多数の受光素子を設けることによって、受光部全体の内部抵抗を大きくすることができるため、増幅器に接続した場合、高いSN比が実現できる。そのため、第2の受光部は、受光素子を複数直列接続した形態であることが好ましい。
第1の光反射部は、発光部及び第1の受光部の上部に配置される。
ここで発光部及び第1の受光部の上部とは、ある受発光装置の縦断面において、第1の光反射部の少なくとも一部が発光部及び第1の受光部よりも高い位置にあることを意味する。第1の光反射部は前述のように発光部が有する保持部及び第1の受光部が有する保持部によって保持される等、種々の形態で保持されることができる。例えば、基板上に別途第1の光反射部を保持するための機構を形成してもよい。
反射型フィルタ(ノッチフィルタ等)又はグレーティング構造の場合、一部の波長の光のみを反射させることが可能となるので、特にガスセンサへの用途に於いては、被対象ガス以外の吸収によるノイズを抑制することができ、高SN比、高精度の観点から好ましい場合がある。
次に、図面を参照して本実施形態の具体例について説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る受発光装置の一例を示す構成図である。
第1実施形態では、まず基板1の第1主面1a上に発光部2及び第1の受光部3が形成される。発光部2及び第1の受光部3は、例えば、PN接合又はPIN接合の積層構造を有する。発光部2及び第1の受光部3は同一積層構造であっても良い。この場合、量産性の観点から好ましい場合がある。
これにより、図1に示すように縦断面において、基板1と発光部2と第1の光反射部4と第1の受光部3とで囲まれる空間が、基板1と第1の光反射部4との間に形成され、第1の光反射部4を設けることにより、発光部2の活性層の側面を含むメサ部側面2aから、第1の受光部3の活性層の側面を含むメサ部側面3aへ効率よく光を導くことができる。
例えば、図1に示す受発光装置全体をモールド樹脂等により覆うと共に、その際に被検出ガスの導入口及び排出口を設けることにより、被検出ガスの導入口及び排出口を備えた、ガスセンサとしての受発光装置を構成すればよい。
図2は本発明の第2実施形態に係る受発光装置の一例を示す構成図である。
第2実施形態は、発光部2のメサ部の一部に反射層5が設けられている点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
反射層5は、発光部2のメサ部の側面のうち、第1の受光部3と向かい合う面を除く側面に形成される。
発光部2のメサ部の側面に反射層5を形成することによって、反射層5が形成された側へ放射された光は反射層5により反射されるため、反射層5が形成されていない側からの光の放射量が増える。言い換えれば、反射層5を形成することにより発光の指向性を制御することが可能となる。反射層5を発光部2のメサ部の一部のみに設けることによって、一方向、すなわち第1の受光部3方向への発光効率を高めることが可能となり、受発光装置のSN比を高めることが可能となる。
なお、ここでは省略しているが、第1の受光部3側にも反射層5を設けても良い。つまり、第1の受光部3のメサ部の側面のうち、発光部2と向かい合う面を除く側面にも反射層5を設けてもよい。
図3は本発明の第3実施形態に係る受発光装置の一例を示す構成図である。
第3実施形態は、図3に示すように、縦断面において、基板1の第1主面1a上の、発光部2と第1の受光部3との間に第2の光反射部6が設けられている点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
発光部2から第1の受光部3への光路の途中に第2の光反射部6が配置されるため、発光部2から第1の受光部3への光伝搬効率を高めることができる。
図4は本発明の第4実施形態に係る受発光装置の一例を示す構成図である。
第4実施形態は、発光部2及び第1の受光部3のそれぞれが第1の光反射部4を保持する保持部7をさらに有する点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
保持部7を設けることで、基板1と第1の光反射部4との間の間隔を広げることができ、すなわちガス導入用の空間を広げることができると共に、その分、ガスを吸収するための光路を延ばすことができるため、特にガスセンサの用途に於いては、高感度化という観点から好ましい場合がある。
発光部2及び第1の受光部3のそれぞれに保持部7を設けることによって、第1の光反射部4を固定することができる。また、図4に示すように、発光部2及び第1の受光部3の外側、すなわち被検出ガスが導入される空間とは逆側の面を覆うように、保持部7を形成することによって、第1の光反射部4を固定すると共に、発光部2及び第1の受光部3の側面を保護することができる。
図5は本発明の第5実施形態に係る受発光装置の一例を示す構成図である。
第5実施形態は、基板1の第2主面1b上に第3の光反射部8が形成される点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
この第3の光反射部8は、基板1よりも屈折率の低い材料や金属材料のような材料を利用してもよいが、反射効率が良ければ材料は制限されない。基板1よりも屈折率の低い材料としては、例えば、基板1がGaAs基板の場合には、SiO、SiN、TiO2等を適用することができる。また、金属材料としては、例えば、Au、Al、Cr等を適用することができる。
第3の光反射部8を設けることで、発光部2から放射された光の一部は基板1の内部を伝搬し、第3の光反射部8で反射した後に第1の受光部3に入射することが可能となり、受発光装置のSN比をさらに高めることが可能となる。
また、第2の光反射部6及び、第3の光反射部8は、第1の光反射部4と同様に、一部の波長の光のみに対して高い反射率を有していても良い。
図6は本発明の第6実施形態に係る受発光装置の一例を示す構成図である。
第6実施形態は、基板1の第1主面1a上に、さらに第2の受光部9が設けられている点以外の構成は、第2実施形態と同様である。
発光部2のメサ部の側面には、第1の受光部3と向かい合う側面とは逆側の側面に、反射層5が形成されている。第1の受光部3は、発光部2の反射層5が形成されていない側に形成されており、第2の受光部9は発光部2の反射層5が形成された側に形成されている。
第2の受光部9には、発光部2のメサ部と第2の受光部9のメサ部との間の空間を伝搬する光は入射しないため、第2の受光部9の出力を利用して第1の受光部3の出力を補正することが可能となる。またここで、基板1の内部を伝搬する光のうち、第1の受光部3に入射する光と第2の受光部9に入射する光の強度が等しくなるように、第1の受光部3と第2の受光部9とを配置しても良い。また、第1の受光部3の出力信号と第2の受光部9の出力信号との差分演算を行っても良い。この差分演算をすることで、第1、第2の受光部3、9の温度特性による変動分を低減することができる。例えば第1の受光部3及び第2の受光部9が特にナローギャップ半導体からなる場合には、差分演算を行うことは効果的である。
図7は本発明の第7実施形態に係る受発光装置の一例を示す構成図である。
第7実施形態は、第1の受光部3及び第2の受光部9のそれぞれが、直列に接続された複数の受光素子11を含んで構成される点以外の構成は、第6実施形態と同様である。なお、図7では、第1の光反射部4を省略している。
このように、直列に接続された複数の受光素子11により第1の受光部3及び第2の受光部9を構成することにより、第1の受光部3及び第2の受光部9それぞれにおいて、全体の内部抵抗が大きくなり、増幅器、例えば電流−電圧変換アンプで信号増幅を行う場合、高いSN比を実現することができる。
なおこの場合、被検出ガスが複数の受光素子11の間を介して、発光部2と第1の受光部3及び第2の受光部9の間に素早く侵入することが可能となり、ガスの入り替え速度を高めるという観点から好ましい場合がある。
なお図示してはいないが、発光部2と第1の受光部3とは同様の積層構造を持っても良い。また、発光部2と駆動部12、及び第1の受光部3と信号処理部13との接続用に基板1上に配線層22に繋がるパッドを設けても良い。駆動部12と信号処理部13との間はワイヤーボンディング装置を利用して形成されたワイヤーを利用しても良い。
なお、図7では、図示しないが、発光部2も発光素子を多段化した構成としてもよい。ナローギャップ半導体からなる発光素子の場合、内部抵抗が小さくなるので、多段化することで、内部抵抗を高めることができ、効率の良い駆動が可能となる。
図7において、駆動部12は、発光部2に駆動電流を供給する。信号処理部13は、第1の受光部3、第2の受光部9からの出力信号を処理する。なお、第1から第6実施形態における受発光装置も、発光部2に駆動電流を供給する駆動部12、第1の受光部3からの出力信号を処理する信号処理部13を備えている。
また、同一基板上に第1の受光部3と第2の受光部9とを設ける場合、それぞれの受光部が複数の受光素子11を直列接続した構造を備えていても良い。また、このようにそれぞれの受光部が複数の受光素子11を備える場合、差分の演算処理は基板1上で行っても良いし、基板外部にある信号処理部13で行っても良い。差分の演算を基板1上で行う場合、第1の受光部3の一端の素子のN極側を第2の受光部9の一端の素子のP極側に接続し、第1の受光部3の他端の素子のP極側及び、第2の受光部9の他端の素子のN極側を信号処理部13に接続しても良い。この場合、基板1上で差分処理が行われ、システムの簡略化の観点から、好ましい場合がある。
図6に示す、第1の受光部3と発光部2と第2の受光部9とを備えた第6実施形態における受発光装置において、図9に示すように、第1の受光部3と発光部2との間、発光部2と第2の受光部9との間それぞれの間隔を異なる値としてもよい。またその際、発光部2から第1の受光部3への光路の途中に第2の光反射部6を設けてもよい。
すなわち、図9に示す第1の受光部3と第2の受光部9とを含む縦断面において、第1の受光部3のメサ部の中心と発光部2のメサ部の中心との距離d1及び第2の受光部9のメサ部の中心と発光部2のメサ部の中心d2とは異なっても良い。図9に示す構造はガスセンサ用途では有効である。例えば、d1>d2である場合には、ガス吸収用の光路を延ばすことができるため、小型化・高感度・高SNRの観点から、特にガスセンサの用途では好ましい場合がある。具体的には、d1=β×d2とした場合、βは1.5倍でよいし、2倍以上でも良い。ガスセンサの用途に於いて、βが5倍、又は10倍以上の場合、ガス濃度変化に対して、第1の受光部3の出力信号の変化(つまり、感度)が改善されるため、好感度化の観点から好ましい場合がある。
この場合、基板内部反射経由で第1の受光部3に入射する光は第2の受光部9に入射する光より小さくなるため、図10で示す信号処理方法が有効である。
具体的には、第1の受光部3の出力信号が(SWAFER+SAIR)、つまり基板内部経由の信号SWAFER及び空間経由のSAIRという信号から成り、第2の受光部9の出力信号が(SWAFER’)となる。つまり、図10で示す信号処理部の出力がα×(SWAFER+SAIR)−(SWAFER’)となる。そこで、α=SWAFER’/SWAFERと設定すれば、信号処理部の出力がα×SAIRとなる。つまり、基板内部の成分をキャンセルすることができるため、受発光装置のダイナミックレンジの改善という観点からみれば、好ましい場合がある。
次に、本発明の一実施形態における受発光装置の具体的な製造方法を、図11、図12を伴って説明する。ここでは、図6に示すように、第1及び第2の受光部3、9を備えた受発光装置を作製する場合について説明する。なお、他の実施形態における受発光装置も同様の手順で作製すればよい。
図11(a)は基板1上にPIN構造20を積層したウエハーの断面図を示す。
PIN構造20が積層されたウエハーに対し、図11(b)に示すように、2段のエッチングを行って、発光部2、第1の受光部3及び第2の受光部9のメサ部を形成する。
次に、リフトオフ等を利用して、コンタクト穴31を含む領域に金属配線からなる配線層22を選択的に形成する(図12(a))。
次に、各部において、メサ部の上面に形成された金属配線層22上に、保持部7さらに保持部7の上に接着用に接着層(例えばAu/Ti)32からなる積層構造を選択的に形成する(図12(b))。
なお、第1の光反射部4が一部の波長のみを反射するような構造を持つ場合、接着層のAu/Ti層は選択的に(つまり、接着領域の部分のみ)形成してもよい。
本発明は、以上に記載した実施形態に限定されるものではない。その技術的思想の範囲内において、当業者の知識に基づいて実施形態に設計の変更等を加えてもよく、また、第1から第7実施形態を任意に組み合わせてもよく、そのような変更が加えられた態様も本発明の範囲に含まれる。
また、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
1a 第1主面
1b 第2主面
2 発光部
3 第1の受光部
4 第1の光反射部
5 反射層
6 第2の光反射部
7 保持部
8 第3の光反射部
9 第2の受光部
10 受発光装置
11 受光素子
12 駆動部
13 信号処理部
20 PIN構造
21 絶縁層
22 配線層
23 N層
24 I層
25 バリア層
26 P層
31 コンタクト穴
32 接着層
33 Auコーティング層
51 増幅器
52 差分演算器
Claims (9)
- 基板と、
前記基板の第1主面上に配置されたメサ部を有する発光部と、
前記基板の第1主面上に配置されたメサ部を有する第1の受光部と、
前記発光部及び前記第1の受光部の上部に配置された第1の光反射部と、を備え、
前記発光部のメサ部の一の側面と前記第1の受光部のメサ部の一の側面とは向かい合っており、
前記発光部のメサ部及び前記第1の受光部のメサ部を含む縦断面において、前記発光部のメサ部の前記一の側面と前記第1の受光部のメサ部の前記一の側面と前記第1の光反射部と前記基板とで囲まれた領域に被検出ガスが導入される空間を有し、
前記発光部と前記第1の受光部と前記第1の光反射部とは、前記発光部から放射された光の一部が、前記空間を伝搬して前記第1の受光部に入射する位置関係にある受発光装置。 - 前記発光部は、当該発光部のメサ部の前記一の側面を除く側面の少なくとも一部に反射層をさらに有する請求項1に記載の受発光装置。
- 前記基板の第1主面上であり且つ前記発光部と前記第1の受光部との間に、第2の光反射部をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の受発光装置。
- 前記発光部及び前記第1の光反射部は、前記第1の光反射部を保持する保持部を備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の受発光装置。
- 前記第1の光反射部は、
当該第1の光反射部に入射した光のうち一部の波長の光のみを反射する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の受発光装置。 - 前記基板の、前記第1主面とは逆側の第2主面上に、前記発光部から放射された光を反射する第3の光反射部をさらに備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の受発光装置。
- 前記基板の第1主面上の前記空間の外に配置されたメサ部を有する第2の受光部と、
前記基板の第1主面上に配置された光遮断部と、をさらに備え、
前記第2の受光部のメサ部及び前記発光部のメサ部を含む縦断面において、前記第2の受光部のメサ部と前記発光部のメサ部との間に前記光遮断部が配置される請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の受発光装置。 - 前記第2の受光部は直列接続された複数の受光素子からなる請求項7に記載の受発光装置。
- 前記第1の受光部は直列接続された複数の受光素子からなる請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の受発光装置。
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