JP2017015568A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来と比べてより簡易に測定ガスの濃度の温度補正が可能なガスセンサを提供すること。
【解決手段】ガスセンサ100は、ガスセル10内に配置された発光ダイオード11と、第1のフォトダイオード12と、光学フィルタ13と、第2のフォトダイオード14とを備えている。発光ダイオード11と第1及び第2のフォトダイオード12,14の活性層がAlIn(1−x)Sb(0.004≦x≦0.04)であり、光学フィルタ13は、4.1〜4.4μmの間に最大透過率を持ち、かつ最大透過率をもつ波長が第1及び第2のフォトダイオード12,14の分光感度特性の最大値より短く、半値幅の長波長側の端を4.5μm以下の波長とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスセンサに関し、より詳細には、従来と比べてより簡易に測定ガスの濃度の温度補正が可能なガスセンサに関する。
従来から大気中の測定対象ガスの濃度測定を行うガスセンサとして、ガスの種類によって吸収される赤外線の波長が異なることを利用し、この吸収量を検出することによりそのガス濃度を測定する非分散赤外吸収型(Non−Dispersive Infrared、NDIR型)ガスセンサが知られている。この原理を用いたガス濃度測定装置としては、例えば、赤外線光源と、測定対象ガスが吸収特性を持つ波長に限定した赤外線を透過するフィルタ(透過部材)と赤外線センサを組み合わせ、赤外線の吸収量を測定することによってガスの濃度を測定するようにしたものが挙げられる(特許文献1)。
特開平9−33431号公報
しかしながら、NDIR型ガスセンサにおいて、赤外線を含む光を放射する光源の発光量や、赤外線センサの出力は、その周囲の環境温度によって変化する。特に、小型NDIRガスセンサの光源・センサとして注目される化合物半導体ダイオードは、温度による発光強度・受光感度の変化が大きいことが知られている。赤外線センサの出力を用いてガス濃度の測定を行う場合には、光源や赤外線センサの周囲の温度による出力変化を補正する必要があるが、一般にその変化を補正するためには3〜4点以上の校正環境を用いての出力補正が必要となり、テストの時間やコスト両面による負担が大きいことが課題となっていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来と比べてより簡易に測定ガスの濃度の温度補正が可能なガスセンサを提供することにある。
本発明の第1の態様は、ガスセルと、前記ガスセル内に配置された発光ダイオードと、前記ガスセル内に配置され、前記発光ダイオードからの赤外線を含む光の光量に応じた電気信号を出力する第1のフォトダイオードと、前記第1のフォトダイオードの出力の参照信号を出力し、かつ前記第1のフォトダイオードと同一の半導体積層構造からなる第2のフォトダイオードと、前記第1及び第2のフォトダイオードからの出力が入力される演算部と、を備えたガスセンサであって、前記発光ダイオードと第1及び第2のフォトダイオードの活性層がそれぞれAlIn(1−x)Sb(0.004≦x≦0.100)であるガスセンサである。
本発明によれば、従来と比べてより簡便に温度補正されたガスセンサを実現することができる。
本発明に係るガスセンサの実施形態を説明するための構成図である。 本実施例に係るガスセンサの製造方法を説明するための工程図(その1)である。 本実施例に係るガスセンサの製造方法を説明するための工程図(その2)である。 本実施例に係るガスセンサの製造方法を説明するための工程図(その3)である。 本実施例に係るガスセンサの製造方法を説明するための工程図(その4)である。 本実施例に係るガスセンサの製造方法を説明するための工程図(その5)である。 本実施形態に係るガスセンサの実施形態を説明するための構成図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という)について説明する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<ガスセンサ>
本実施形態のガスセンサは、ガスセルと、ガスセル内に配置された発光ダイオードと、ガスセル内に配置され、発光ダイオードからの赤外線を含む光の光量に応じた電気信号を出力する第1のフォトダイオードと、ガスセル内に配置され、第1のフォトダイオードに入射する光の波長を測定対象ガスの吸収帯域に絞り込む光学フィルタと、第1のフォトダイオードの出力の参照信号を出力し、かつ第1のフォトダイオードと同一の半導体構造からなる第2のフォトダイオードと、第1及び第2のフォトダイオードからの出力が入力される演算部と、を備えたガスセンサであって、発光ダイオードと第1及び第2のフォトダイオードの活性層がそれぞれAlIn(1−x)Sb(0.004≦x≦0.100)であり、光学フィルタは4.1〜4.4μmの間に最大透過率を持ち、かつ最大透過率をもつ波長が第1及び第2のフォトダイオードの分光感度特性の最大値より短く、半値幅の長波長側の端を4.5μm以下の波長とすることを特徴としており、リファレンスセンサである第2のダイオードの出力を用いて第1のダイオードの出力を補正した補正信号と温度との相関から温度補正をし、ガス濃度を出力するガスセンサである。
本実施形態に係るガスセンサによれば、従来よりも少ないテスト点数で高精度に温度補正可能なガスセンサが提供できる。また、本実施形態のガスセンサにおいて、測定対象ガスが二酸化炭素であってもよい。本発明の発光ダイオード及びフォトダイオードは、二酸化炭素ガスの光吸収のピークである4.3μm付近での発光強度及び受光感度に優れるため、高いS/Nで二酸化炭素による吸収の影響を検知することができ、高精度にガス濃度を測定することが可能となる。
<ガスセル>
本実施形態のガスセンサにおいて、ガスセルは、被検出ガスを導入することが可能なものであれば特に制限されない。すなわち、被検出ガスの導入口を有していれば良い。被検出ガスのリアルタイム検出の精度向上の観点から、導入口に加えて、導出口を備えていることが好ましい。導入口、導出口には粉塵等の侵入を防ぎ、ガスの出入を遮らないフィルタを備えていても良い。ガスセルを構成する材料は特に制限されない。例えば、金属、ガラス、セラミックス、ステンレス等の材料が挙げられるがこの限りではない。検出感度向上の観点から、発光ダイオードから出力された光の吸収係数が小さく、反射率が高い材料であることが好ましい。具体的にはアルミニウムからなる金属筐体や、アルミニウム、金、銀を含む合金、もしくはこれらの積層体のコーティングが施された樹脂筐体、が好ましい。信頼性・経時変化の観点から金または金を含む合金層でコーティングされた樹脂筐体が好ましい。
<発光ダイオード>
本実施形態に係るガスセンサにおいて、発光ダイオードは、測定対象ガスによって吸収される波長を含む光を出力するもので、活性層がAlIn1−xSbのPIN構造からなるダイオードであって、活性層のAl組成が、0.004≦x≦0.100を満たすものである。ここで、発光ダイオードの活性層のAl組成が0.004≦X≦0.100の範囲にあることで、二酸化炭素ガスの光吸収のピークである4.3μm付近に強い発光強度を有し、且つ同時に、簡易に測定ガスの濃度の温度補正が可能なガス濃度測定装置に好適な光源を得ることが可能となる。また発光ダイオードの活性層のAl組成の上限は、二酸化炭素ガスの光吸収のピークである4.3μm付近にさらに強い発光強度を有するという観点から、好ましくはX≦0.090、より好ましくはX≦0.080、さらに好ましくはX≦0.070、さらに好ましくはX≦0.060、さらに好ましくはX≦0.050、さらに好ましくはX≦0.040であってもよい。
また、n層及びp層としては、In、Al、Gaからなる群より選択される少なくとも一つのIII族原子と、Sb、Asからなる群より選択される少なくとも一つのV族原子からなる化合物半導体が好ましく、InSb或いはAlInSbであることがさらに好ましい。これにより、二酸化炭素ガスの光吸収のピークである4.3μm付近にさらに適した発光特性を持つ発光ダイオードを実現することができる。
また、発光ダイオードは基板上に形成されていても良く、本発明の発光ダイオード素子において、基板は、その上に所望の半導体積層部を形成することが可能なものであれば特に制限されない。一例としては、Si,GaAs,GaP,InP基板への結晶成長が挙げられるがこの限りではない。結晶面は、(100)、(111)、(110)方向等がある。赤外線領域においてはGaAs、Si等の基板は測定対象ガスの吸収波長に対して高い透過率を示すため、本発明に使用する基板として適している。半導体積層部の材料としてAlInSbを用いる場合、基板としてはGaAsが好ましい。また、発光ダイオードは発光強度を増強させるために配線により直列または並列接続されていることも好ましい。
発光ダイオードの駆動は、受光センサであるフォトダイオードの信号が適切に得られる条件であれば特に制限されない。具体的には、電流、電圧、電力などによって制御することが挙げられる。また、発光ダイオードは発光時に発熱し、発熱は劣化の加速要因となりうるため、パルス駆動などの間欠駆動などによりできるだけ発熱しない条件で駆動することが好ましい。パルス駆動をする際は、発光ダイオードの駆動周波数に同期したフォトダイオードの信号を得ることで、よりノイズの小さいフォトダイオード信号を得ることができる。
<フォトダイオード>
本実施形態に係るガスセンサにおいて、フォトダイオードは、活性層がAlIn1−xSbのPIN構造からなるダイオードであって、活性層のAl組成が、0.004≦x≦0.100の関係を満たし、受光した赤外線に応じた電気信号を出力するものである。ここで、フォトダイオードの活性層のAl組成が0.004≦X≦0.100の範囲にあることで、二酸化炭素ガスの光吸収のピークである4.3μm付近に強い受光感度を有し、且つ同時に、簡易に測定ガスの濃度の温度補正が可能なガス濃度測定装置に好適な光源を得ることが可能となる。またフォトダイオードの活性層のAl組成の上限は、二酸化炭素ガスの光吸収のピークである4.3μm付近にさらに強い受光感度を有するという観点から、好ましくはX≦0.090、より好ましくはX≦0.080、さらに好ましくはX≦0.070、さらに好ましくはX≦0.060、さらに好ましくはX≦0.050、さらに好ましくはX≦0.040であってもよい。なおここで、便宜上、発光ダイオードの活性層のAl組成とフォトダイオードの活性層のAl組成を同一の文字xで表記しているが、それぞれが0.004≦X≦0.100の範囲内のいずれかの値を別々に採用してもよく、また同じ組成としてもよい。またフォトダイオードは発光ダイオードと同様の積層構造及び材料であることが好ましい。これにより、二酸化炭素ガスの光吸収のピークである4.3μm付近の検出にさらに適したフォトダイオードを実現することができる。
また、フォトダイオードは基板上に形成されていても良く、本発明のフォトダイオード素子において、基板は、その上に所望の半導体積層部を形成することが可能なものであれば特に制限されない。一例としては、Si,GaAs,GaP,InP基板への結晶成長が挙げられるがこの限りではない。結晶面は、(100)、(111)、(110)方向等がある。赤外線領域においてはGaAs、Si等の基板は測定対象ガスの吸収波長に対して高い透過率を示すため、本発明に使用する基板として適している。半導体積層部の材料としてAlInSbを用いる場合、基板としてはGaAsが好ましい。また、参照信号を出力する第2のフォトダイオードは、発光ダイオードと同じ基板に作製されていても良い。また、フォトダイオードの形状は十分なS/N(信号/ノイズ)を得られるものであれば特に制限されない。ノイズ低減のために複数個直列接続されていることも好ましい。
<光学フィルタ>
本実施形態に係るガスセンサにおいて、光学フィルタは、測定対象ガスによる赤外線の吸収が生じる波長域の赤外線を透過するものである。光学フィルタは、異なる屈折率の材料の多層膜からなる干渉フィルタであってもよい。光学フィルタの具体的な例としては赤外線に対して透明な基板上に、屈折率の異なる材料(例えば、Ge、ZnSe、ZnS、SiO2、等)を交互に積層した干渉構造が利用できる。波長によって、入射光が干渉現象によって、強めあったり、弱めあったりし、特定の光のみ強く反射させることができる。これらの積層構造は光学フィルタの基板の両面に形成しても良いし、片面でも良い。この基板の具体的な例としてはGaAsやSiやサファイアが挙げられる。干渉フィルタの具体的な例としては、透過率の高いSi基板の両面に、Ge及びZnSの薄膜を交互に、数周期〜数十周期を積層した干渉フィルタが挙げられる。このような構造を利用することによって、一部の波長のみ強く(例えば80%以上)の反射率が実現でき、その他の波長を透過するような構造が実現できる。
また、検出対象ガスが二酸化炭素である場合、光学フィルタが最大透過率を持つ波長は4.1〜4.4μmであることが好ましい。
ここでフィルタが最大透過率を持つ波長の最適範囲を述べたが、ガスセルの設計によって、フィルタに透過する光の入射角度が垂直でない場合もあれば、垂直である場合もある。一方、光学フィルタの構造や材質や設計、温度によって、入射角によって、最大透過率を持つ波長が異なることもある。言うまでもないが、本発明で述べる「最大透過率を持つ波長」とはガスセルの光路設計で決められる入射角を考慮したものである。例えば、入射角が垂直に対して30度の場合、入射角30度において最大透過率を示す波長のことを言う。
<温度測定部>
本実施形態に係るガスセンサにおいて、測定対象ガスの温度を測定し、それを温度情報として出力する温度測定部(図示せず)をさらに備えていても良い。温度測定部は、測定対象ガスの温度を測定可能なものであれば特に限定されない。具体的には、サーミスタや白金抵抗体を利用することができる。
また、温度測定部が出力する温度情報は、ダイオード(光源、もしくはセンサ)の抵抗値から算出された温度情報であってもよい。ダイオードの抵抗は、温度によって変化する。特に活性層にInまたはSbを含むような半導体材料は、一般的に温度による抵抗の変化が大きいため、微小な温度変化であってもモニタできる。そのため、フォトダイオードの抵抗値から算出された温度情報を用いることで、高精度に温度を測定することができる。ダイオードの抵抗は、例えばフォトダイオードに電流を流すまたは電圧を印加することで測定することができる。
<演算部>
本実施形態に係るガスセンサにおいて、演算部(図示せず)は、ガス濃度算出における演算が可能なものであれば特に制限されず、例えば、アナログIC、ディジタルIC及びCPU(Central Processing Unit)等が好適である。センサからの出力信号を配線により外部に取出し、外部の演算部に接続しても構わない。また、演算部には、発光ダイオードを制御するための機能が含まれていても構わない。
<補正信号の導出>
本実施形態に係るガスセンサにおいて、補正信号Sは、第1のフォトダイオードの出力S1と、リファレンスセンサである第2のフォトダイオードの出力S2を用いて
S=S1/S2
で表される。本実施形態における0.004≦x≦0.04の範囲では、S1/S2の0〜50℃における温度特性は温度の上昇に従って下降するため、2温度(例えば、10、40℃)での出力を直線で補正することでガスセンサの精度を向上できる。また、0.01≦x≦0.035ではSの線形性がより向上するため、2温度でのテストでも温度特性の補正精度をさらに向上させることができる。また、上述した発光ダイオード、フォトダイオード、光学フィルタの構成であれば0〜50℃の温度範囲で出力信号の良好な線形性を得ることができるが、発光スペクトル、受光スペクトル、フィルタの透過スペクトルの波長軸における相対的な位置関係が同様の場合には、他の波長帯の場合にも同じ効果を得ることができる。
<駆動温度について>
上記で0〜50℃の温度範囲について説明したが、用途によってはこれより広い温度範囲(例えば、−40〜85℃)で動作させるガスセンサを設計しても良い。本発明のように、光学フィルタの透過特性の半値幅の長波長端の波長がガスセンサの使用温度範囲の最大値において、発光ダイオード11の発光強度と第2のフォトダイオード14の分光感度を掛け合わせたスペクトルのピーク波長よりも短くなることを特徴とする構成とすれば、構成部品の耐熱温度の範囲で使用できるガスセンサを作製できる。ただし、高温環境下では発光ダイオード、フォトダイオードの劣化が加速されるため、150℃以下での使用が好ましい。一般に、車載用途としては100℃、民生用途としては85℃程度の温度が求められるが、これらの環境温度下での使用も好ましい。
以下、図面を参照して本発明を実施形態について説明する。
<実施形態>
図1は、本発明に係るガスセンサの実施形態を説明するための構成図である。
本実施形態のガスセンサ100は、ガスセル10と、ガスセル10内に配置された発光ダイオード11と、第1のフォトダイオード12と、光学フィルタ13と、第2のフォトダイオード14とを備えている。なお、符号21はガス導入口、22はガス導出口を示している。
第1のフォトダイオード12は、ガスセル10内に配置され、発光ダイオード11からの赤外線を含む光の光量に応じた電気信号を出力する。また、光学フィルタ13は、ガスセル10内に配置され、第1のフォトダイオード12に入射する光の波長を測定対象ガスの吸収帯域に絞り込む。
また、第2のフォトダイオード14は、第1のフォトダイオード12の出力の参照信号を出力し、かつ第1のフォトダイオード12と同一の半導体構造からなる。また、図示しない演算部は、第1及び第2のフォトダイオード12,14からの出力が入力される。
このような構成を備え、本実施形態のガスセンサ100は、発光ダイオード11と第1及び第2のフォトダイオード12,14の活性層がAlIn(1−x)Sb(0.004≦x≦0.04)であり、光学フィルタ13は4.1〜4.4μmの間に最大透過率を持ち、かつ最大透過率をもつ波長が前記発光ダイオード11の発光強度と前記第2のフォトダイオード14の分光感度を掛け合わせたスペクトルのピーク波長よりも短く、かつ半値幅の長波長側の端を4.5μm以下の波長とするように構成されている。
また、発光ダイオード11と第1のフォトダイオード12が同一の半導体構造からなっていることが好ましい。
また、発光ダイオード11と第1のフォトダイオード12の活性層がそれぞれ、AlIn1−xSb(0.01≦x≦0.035)からなることが好ましい。
つまり、図1に示すように、本実施形態のガスセンサ100は、ガスセル10内に発光ダイオード11と第1のフォトダイオード12と光学フィルタ13及び第2のフォトダイオード14を備えている。発光ダイオードより出射された光は、光学フィルタ13を透過して第1のフォトダイオード12に届き、フィルタを通過せずに第2のフォトダイオード14に届く。
発光ダイオード11と第1及び第2のフォトダイオード12,14は活性層がAlIn1−xSbのPIN構造からなるダイオードであって、活性層のAl組成が、0.004≦x≦0.04の関係をそれぞれ満たしている。また、光学フィルタ13は、光学フィルタが最大透過率を持つ波長は4.1〜4.4μmである。第1及び第2のフォトダイオード12,14が発する電流信号は電極から配線により取り出され、そのまま、またはI/V変換オペアンプ等により電圧信号に換算・増幅され、S=S1/S2を算出することができる。
次に、本実施形態のガスセンサを各実施例に基づき説明する。
図2乃至図6は、本実施例に係る発光ダイオード、フォトダイオード素子の製造方法を説明するための工程図である。以下、発光ダイオードについて作製過程を記述するが、第1、第2のフォトダイオードについても同様である。これらダイオードの積層構造は、MBE法により作製される。
つまり、まず、GaAs基板40上に、バッファ層としてSnを濃度1×1019[cm−3]ドーピングしたn型半導体であるInSb層41aを0.5μm形成した。その上にSnを濃度1×1019[cm−3]ドーピングしたn型半導体であるAl0.03In0.95Sb層41bを0.5μm形成した。さらに、その上にZnを濃度1×1019[cm−3]ドーピングしたAl0.22In0.78Sbバリア層42を20nm形成した。
さらに、その上にi型半導体Al0.03In0.95Sb層を活性層43として2μm形成した。ここで、i型とは意図的にドーパントを添加していないことを示す。さらに、その上にZnを濃度1×1018[cm−3]ドーピングしたAl0.22In0.78Sbバリア層44を20nm形成した。さらに、その上にZnを濃度1×1018[cm−3]ドーピングしたp型半導体のAl0.05In0.95Sb層45を0.5μm形成した。n型半導体層41aからp型半導体層45までの構造がPIN接合によるフォトダイオード構造をなす。
次に、この化合物半導体積層部上にレジストパターンを形成した。そして、このレジストパターンをマスクに化合物半導体積層体をエッチングした。これにより、基板40上に、図3に示したような頂部51と底部52とを有するメサ構造のメサ型化合物半導体積層部50を形成した。次に、図5に示すように、メサ型化合物半導体積層部50の全面に第1の保護層61としてSiOを3000Å、第2の保護層62としてSiNを2000Å形成した。次に、メサ型化合物半導体積層部50の頂部51上の一部と、底部52上の一部とをそれぞれ開口し、それ以外の領域を覆うレジストパターンを形成した。そして、このレジストパターンをマスクにSiN膜、SiO膜をドライエッチングした。これにより、図4に示すように、SiN膜及びSiO膜の下から、メサ型化合物半導体積層部50の頂部51と底部52とをそれぞれ露出させた。
さらに、図5に示すように、第1の電極部71及び第2の電極部72を形成するために、基板40上方にレジストパターンを形成し、Tiを1000Å、Ptを200Å、Auを3000Å、この順で蒸着し、その後、リフトオフを行った。さらに、図6に示すように、GaAs基板40の素子加工していない裏面から厚さを230μmまで粗面研削し、TiO膜81を1500Å蒸着することにより赤外線発光ダイオード素子100を得た。つまり、基板40とTiO膜81との境界Aは粗面である。
図7は、本実施例に係るガスセンサの構造を示す図である。
上記のように作製した発光ダイオード11、および同様の方法で作製した第1のフォトダイオード12、第2のフォトダイオード14は、モールド樹脂90により封止され、光学フィルタ13と合わせて図7のように配置し、ガスセンサを作製した。光学フィルタとして最大透過率を4.21μmで示し、半値幅の上端を4.42μmとする光学フィルタを用いている。本実施例では、発光ダイオード11と参照信号を出力する第2のフォトダイオード14が同一のGaAs基板に作製されており、第2のフォトダイオードは発光ダイオードより発し、GaAs基板内で反射した光の信号をS2として出力することになる。一方で、第1のフォトダイオード12は、発光ダイオード11、第2のフォトダイオードが形成されている基板に隣接して設置されており、光学フィルタ13を通過したのちガスセル10で反射された光を受光して信号S1を出力することになる。なお図示しないが、本実施形態に係るガスセンサには、測定対象ガスが流入及び流出するための穴が形成されている。
0〜50℃での補正信号S=S1/S2を取得し、Sについて
Figure 2017015568
と定義するΨを評価したところ、0.999となり、温度特性が一次関数で良く表せている結果となった。ただし、Sは各温度でのS、f(x)は一次関数の回帰モデル、μはSの平均値である。
発光ダイオード及びフォトダイオードの活性層をそれぞれAl0.005In0.995Sbとする以外は実施例1と同様の方法でガスセンサを作製した。0〜50℃での補正信号S=S1/S2を取得し、Sについて[数1]で定義されるΨを評価したところ、0.975となった。
発光ダイオード及びフォトダイオードの活性層をそれぞれAl0.035In0.965Sbとする以外は実施例1と同様の方法でガスセンサを作製した。0〜50℃での補正信号S=S1/S2を取得し、Sについて[数1]で定義されるΨを評価したところ、0.992となった。
[比較例1]
発光ダイオード及びフォトダイオードの活性層をそれぞれAl0.003In0.997Sbとする以外は実施例1と同様の方法でガスセンサを作製した。0〜50℃での補正信号S=S1/S2を取得し、Sについて[数1]で定義されるΨを評価したところ、0.03となった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の技術的範囲には限定されない。上述した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることも可能であり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、二酸化炭素等に代表される赤外線吸収を生じるガスのガスセンサとして好適である。
10 ガスセル
11 発光ダイオード
12 第1のフォトダイオード
13 光学フィルタ
14 第2のフォトダイオード
21 ガス導入口
22 ガス導出口
40 GaAs基板
41a InSb層
41b n型AlInSb層
42 n型バリア層
43 活性層
44 p型バリア層
45 p型AlInSb層
50 メサ型化合物半導体積層部
51 頂部
52 底部
61 第1の保護層
62 第2の保護層
71 第1の電極部
72 第2の電極部
81 TiO
90 モールド樹脂
100 ガスセンサ

Claims (8)

  1. ガスセルと、
    前記ガスセル内に配置された発光ダイオードと、
    前記ガスセル内に配置され、前記発光ダイオードからの赤外線を含む光の光量に応じた電気信号を出力する第1のフォトダイオードと、
    前記第1のフォトダイオードの出力の参照信号を出力し、かつ前記第1のフォトダイオードと同一の半導体積層構造からなる第2のフォトダイオードと、
    前記第1及び第2のフォトダイオードからの出力が入力される演算部と、を備えたガスセンサであって、
    前記発光ダイオードと第1及び第2のフォトダイオードの活性層がそれぞれAlIn(1−x)Sb(0.004≦x≦0.100)であるガスセンサ。
  2. 前記ガスセル内に配置され、前記第1のフォトダイオードに入射する光の波長を測定対象ガスの吸収帯域に絞り込む光学フィルタをさらに備え、
    前記光学フィルタの透過特性の半値幅の長波長端の波長が前記ガスセンサの使用温度範囲の最大値において、前記発光ダイオードの発光強度と前記第2のフォトダイオードの分光感度を掛け合わせたスペクトルのピーク波長よりも短くなる請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記第1及び第2のフォトダイオードの活性層はAlIn(1−x)Sb(0.004≦x≦0.04)であり、且つ、前記光学フィルタは4.1〜4.4μmの間に最大透過率を有する請求項1または請求項2に記載のガスセンサ。
  4. 前記光学フィルタの半値幅の長波長側の端を4.5μm以下の波長である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  5. 前記発光ダイオードと前記第1のフォトダイオードが同一の半導体積層構造からなる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  6. 前記発光ダイオードと前記第1のフォトダイオードの活性層がそれぞれ、AlIn1−xSb(0.01≦x≦0.035)からなる請求項1または請求項2に記載のガスセンサ。
  7. 前記ガスセンサは二酸化炭素を検出する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  8. 前記最大動作温度範囲は150℃である請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のガスセンサ。
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