JP2013211458A - 赤外線センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】メサ形状を有し、PNまたはPIN接合を有するフォトダイオードを利用した赤外線センサについて、湿度耐性が向上する赤外線センサを提供すること。
【解決手段】PNまたはPIN接合によるフォトダイオード構造を含むInSb系化合物半導体層20と、InSb系化合物半導体層20の上に組成物SiO2およびSiNからなる保護層40とを備え、保護層40は、バッファードフッ酸によるエッチングレートが7400〜7655Å/minであるSiO2と、SiNのバッファードフッ酸によるエッチングレートが1350〜2300/minであるSiNとを用いて積層される。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線センサに関し、より詳細には、PNまたはPIN接合を有するフォトダイオード構造を含むInSb系化合物半導体層を備える赤外線センサに関する。
温度、圧力、光等の物理的な変化量を、電流や電圧などの電気的な変化量に変換するものにセンサが知られている。このセンサにより、様々な対象物を数値として測定することが可能となる。特に、近年の環境問題への関心の高まりから、省エネルギー化、高効率化に貢献できるセンサが注目を集めている。これらのセンサの中で、光の変化量を検出する光センサには、赤外線を受光して電気信号に変換する赤外線センサがある。
赤外線センサは、人間の目に影響を与えることなく、対象物の温度を直接接触せずに感知できるという特徴を有し、テレビのリモコン操作などに利用されている。そこで、赤外線センサは、人体などの熱源を感知する人感センサや非接触温度計として用いることができるため、例えば人感センサとして利用する場合には照明などに搭載することで不要な電力を有効に削減できる。また、赤外領域に吸収帯を有する気体(二酸化炭素、一酸化炭素など)に対しては、赤外線センサはガスセンサとしても応用可能であり、人感センサに止まらない様々な用途が期待できる。
赤外線センサはその動作原理から、熱型センサと量子型センサに分類される。熱型センサは人感センサなどで広く用いられているが、周波数応答性が低いという課題があり、ガスセンサとして使用する場合には、ガス検出の応答性が低く、迅速な異常検知の点で課題がある。一方、量子型センサは、周波数応答性が高いという特徴があり、熱型センサに比べて、ガスセンサとして非常に有望である。
例えば、特許文献1では、InSbなどのナローバンドギャップ半導体を用いたPINダイオード構造による赤外線センサが提案されている。InSbは赤外線(〜8μm)のエネルギー程度のバンドギャップを持ち、量子型赤外線センサとして用いるのに好適な素材であるが、そのままダイオード構造を形成しても非冷却時には熱励起キャリアの影響で整流作用が得られない。
そこで、p層と光吸収層との間に禁制帯幅の広い半導体層を挿入することにより、伝導帯にある電子がp型半導体層に拡散することを防ぐ構造としている。これにより、量子型の赤外線センサでも室温で動作することが可能となっている。加えて、InSbなどの化合物半導体ダイオードによる赤外線センサを用いて被検出光を最大に効率良く利用する方法も示されている。このような、高いS/N比を有した超小型かつ低消費電力の赤外線センサが、例えば特許文献1で提案されている。
特許文献1に示されるように、応答速度や静態検知といった特長を有する量子型赤外線センサにおいて、従来必須であった冷却機構が不要となり、小型化・低ノイズ化も達成されている。このような技術の進展により、困難であった携帯電話などのモバイル機器への搭載も可能となっており、InSb等の化合物半導体赤外線センサの用途は広がりを見せようとしている。
特開2008−66584号公報
しかしながら、これまでは赤外線センサ自身の信頼性、すなわち高温・高圧・高湿度環境下における信頼性試験(Pressure Cooker Test: PCT)等に対する湿度耐性については詳しい検討がなされてこなかった。
本発明は、上記した点に鑑みて行われたものであり、PNまたはPIN接合を有するフォトダイオード構造を含むInSb系化合物半導体層を備える赤外線センサにおいて、湿度耐性が向上する赤外線センサを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、PNまたはPIN接合によるフォトダイオード構造を含むInSb系化合物半導体層と、InSb系化合物半導体層上に組成物Six2および/またはSiy4からなる保護層とを備え、保護層は、バッファードフッ酸によるエッチングレートが7400〜7655Å/minであるSix2と、Siy4のバッファードフッ酸によるエッチングレートが1350〜2300Å/minであるSiy4とを用いて積層されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の赤外線センサであって、化合物半導体層と保護層との間に、厚みが10nm以下のInSb系の化合物半導体層の酸化膜を更に備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の赤外線センサであって、Six2は、x=0.85〜0.88であり、Siy4は、y=3.40〜3.44であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の赤外線センサであって、Six2は、膜密度が2.14〜2.15mg/mm3であり、Siy4は、膜密度が2.56〜2.59mg/mm3であることを特徴とする。
以上説明したように、本発明の赤外線センサによれば、PNまたはPIN接合を有するフォトダイオードを利用した赤外線センサについて、湿度耐性が向上するという効果を奏する。
本発明の実施形態の赤外線センサを表す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の赤外線センサは、PNまたはPIN接合によるフォトダイオード構造を含むInSb系化合物半導体層と、化合物半導体層上にSiO2および/またはSiNからなる保護層を備える。
[InSb系化合物半導体層]
本発明において、InSb系化合物半導体層とは、InSbをその組成に含む化合物半導体層を意味する。また、InSb系化合物半導体層中にPNまたはPIN接合によるフォトダイオード構造を含んでおり、フォトダイオード部分に赤外線が入光することにより、光起電力による電力が生じる。
InSb系化合物半導体層は、InSbをその組成に含み、赤外線の領域に波長感度を持つものであれば特に制限はない。赤外線の領域に波長感度を有するためには、比較的にエネルギーバンドギャップの小さい材料であればよい。InSb系化合物半導体とは、InSbはもちろんのことInAsxSb1-x(0≦x<1)、In1-yGaySb(0≦y<1)、In1-zAlzSb(0≦z<1)のような3元系、AlGaInSb、AlInAsSb、GaInAsSbのような4元系、AlGaInAsSbのような5元系としてもよい。
用いる化合物半導体層の組成は、赤外線センサの用途に応じて適宜選択するのがよい。例えば、赤外線センサを人体検知の用途に応用する場合は、長波長側に感度波長があるInAsxSb1-x(0≦x<1)を化合物半導体層として用いることが好ましい。さらに好ましくは、人体が放出する波長10μm付近に感度波長を持つInAs0.4Sb0.6を用いることがよい。また、CO2、CO、NO、CH等のガスセンサに応用する場合は、短波長化するためにGaやAlを混晶したIn1-yGaySb(0≦y<1)、In1-zAlzSb(0≦z<1)を化合物半導体層として用いることが好ましい。
より好ましくは、4μm付近に感度波長を持つIn0.8Ga0.2Sb、In0.97Al0.03Sbがよい。赤外線センサの化合物半導体層の具体的な構造は、p型半導体とn型半導体を接合したpn接合をベースにしたp−InSb/n−InSbの2層構造、p層とn層の間にi層を備えるp−InSb/i−InSb/n−InSbの3層構造やp−InSb/p−InAlSb/i−InSb/n−InSbの4層構造であってもよい。
[保護層]
本発明の赤外線センサが備える保護層について説明する。本発明で用いる保護層は、InSb系化合物半導体層上に積層される。保護層はSiO2、SiN、およびそれらの積層体からなる。SiO2を用いる場合、バッファードフッ酸によるエッチングレートが7400〜7655Å/minのSiO2を用いる。SiNの場合、バッファードフッ酸によるエッチングレートが1350〜2300Å/minであるSiNを用いる。バッファードフッ酸(BHF)によるエッチングレートが7655Å/min以下のSiO2、バッファードフッ酸によるエッチングレートが2300Å/min以下のSiNであることにより、信頼性試験に対して十分な耐性を有する赤外線センサを得ることが出来る。特に湿度耐性が大きな影響を及ぼす恒温恒湿試験、PCT(Pressure Cooker Test)による信頼性試験に対して十分な耐性を有する赤外線センサを得ることができる。
また、バッファードフッ酸(BHF)によるエッチングレートが7400Å/min以上のSiO2、バッファードフッ酸(BHF)によるエッチングレートが1350Å/min以上のSiNであることにより、低ノイズとなる赤外線センサを得ることが出来る。
本発明において、バッファードフッ酸(BHF)は、フッ化水素(HF):7.25wt%、フッ化アンモニウム(NH4F):33.9wt%、水:58.85wt%のpH=5.4の水溶液を意味する。
また、湿度関連試験に対する耐性向上の観点から、SiO2およびSiNは、SiO2の組成Six2においてx=0.85〜0.88、SiNの組成Siy4においてy=3.40〜3.44であることが好ましい。また、湿度関連試験に対する耐性向上の観点から、SiO2およびSiNは、膜密度が2.14〜2.15mg/mm3のSiO2、膜密度が2.56〜2.59mg/mm3のSiNであることが好ましい。
保護層は、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)を用いて直接InSb系化合物半導体層上に形成することが可能である。プラズマCVD装置には通常、成膜時の温度、圧力、原料ガス流量などの各パラメータを制御する機構が導入されている。BHFによるエッチングレートは、成膜時の温度を上昇させると減少し、圧力を上昇させると上昇、SiH4の流量を増加させると増加する傾向にある。これらのパラメータおよび他のパラメータを適宜調整することで所望のエッチングレートのSiO2およびSiN層を得ることができる。
また、InSb系化合物半導体材料は、空気中に放置することで表面に酸化膜が形成される傾向があるので、SiO2やSiNの成膜は、このような酸化膜の生成が促進されない環境で行われることが望ましい。例えば、エッチングにより化合物半導体層にメサ部を形成した場合、メサ側面が露出した状態で長期間放置すると自然酸化膜の生成が促されるため、メサ部を形成した後は速やかに保護層の成膜工程に移行するのが望ましい。
また、酸化膜をより確実に除去するためには、メサ部を形成した後、酸化膜除去処理を施し、その後速やかに保護層の成膜工程に移行するのがより望ましい。また、プラズマCVDによるSiO2やSiN成膜は通常室温より高い温度で行われるが、高温環境へ導入する際も空気中であると熱酸化膜の生成が促進されるため、できるだけ真空下で導入を行うほうがよい。また、半導体層と保護膜層の間に化合物半導体の酸化物層が形成されることにより、ダイオード側面のリークが起こることが想定されるため、信頼性試験に対する耐性向上の観点から酸化膜の厚みは、10nm以下であることが望ましい。
以下、図1に基づいて本発明の実施形態1の赤外線センサ100について説明する。
図1は、本発明の実施形態の赤外線センサ100を表す断面図である。赤外線センサ100は、半導体基板30と、InSb系化合物半導体層20と、保護層40と、配線50を備えている。半導体基板30は、GaAs基板である。InSb系化合物半導体層20は、p+−InSb層21、p−AlInSbバリア層22、i−InSb光吸収層23、n+−InSb層24からなっており、pin接合によるフォトダイオード構造を形成している。また、保護層40は第一のSiO2からなる保護層41とSiNからなる第二の保護層42からなっている。
赤外線センサ100は、半導体基板30上にn+−InSb層24、i−InSb光吸収層23、p−AlInSbバリア層22、p+−InSb層21を形成した後、化学的又は物理的エッチング法を用いて、メサ部を形成し、エッチングやリフトオフ法を用いて所望の位置に第一および第二の保護層を形成し、最後に所望の位置に配線50を形成することで得られる。
赤外線センサ100は、半導体基板30の半導体層が形成されていない裏面から光を入射するため、光を吸収する部分の基板側のサイズが大きいことで、光を吸収する部分への光の導入が効率よく行われる。更に、赤外線センサ100は、信号を電流Ipで出力しており、PN又はPINフォトダイオード部の抵抗R0が高い方が低ノイズを実現できる。
メサ部の形状が順メサ形状であれば、フォトダイオードの抵抗を決定する部位(PINフォトダイオードの場合はI層、PNフォトダイオードの場合はPN接合部)の面積が小さくなるためフォトダイオードの抵抗を高くすることができる。このようにして、高い光電流と高い抵抗を併せ持つことにより、高感度の赤外線検知が可能になる。
InSb系化合物半導体層20は、半導体基板30上に、例えばMBE(Molecular Beam Epitaxy)法を用いて形成することができる。InSb系化合物半導体層20の形成方法は、MBE法以外にも、真空蒸着法、MOCVD(Metalorganic Chemical Vapor Deposition)法等を用いることができるが、組成、膜厚の制御性が優れているMBE法がより好ましい。また、本実施形態では、半導体基板30は、GaAs基板を用いているが、絶縁性であればそれ以外の限定は特にないが、赤外線をよく透過する材料が好ましく、GaAs基板以外に例えばSi基板,InP基板,GaP基板等も半導体基板30として用いることができる。
本発明の実施例を以下に示す。
[実施例1](上限値)
MBE法を用いて、直径100mmの半絶縁性のGaAs単結晶基板上にSnを1×1019原子/cm3ドーピングしたInSb層をn+−InSb層24として1.0μm成長し、この上にZnを2.5×1016原子/cm3ドーピングしたInSbをπ−InSb層として2.0μm成長し、この上にZnを1×1018原子/cm3ドーピングしたAl0.18In0.82Sb層をバリア層22として0.02μm成長し、この上にZnを1.0×1018原子/cm3ドーピングしたInSb層をp+−InSb層21として0.5μm成長し、InSb系化合物半導体層20を備える半導体ウェハを作製した。
この半導体ウェハに、エッチング処理を施してメサ部を形成し、第一の保護膜41としてSiO2をPCVD法にて成膜する。続いてイオン注入法により素子分離を行い、その後PCVD法によりウェハ全面に第二の保護膜42としてSiNを成膜した。その後、配線50がInSb系化合物半導体層20と電気的に接続する位置にコンタクト用の開口部を形成し、次いでフォトダイオード構造からの光起電力を外部に出力するための電極形成を行い、基板上に赤外線センサ100の素子を4891個製造した。
保護層40は、いずれもPCVDで行った。このとき、SiO2成膜は温度210℃、圧力150Pa、流量比SiH4/N2O=0.060/1.0slmで行い、SiN成膜は温度210℃、圧力120Pa、流量比SiH4/NH3=0.055/0.025で行った。
赤外線センサ100が形成された基板に対して、最も過酷な湿度関連の信頼性試験であるPCT(121℃、99%RH、2atm)を実施し、450時間における赤外線センサ抵抗R0の変動を検査したところ、変動率は−5〜+4%以内に収まっていた。
用いたSiO2,SiNの分析を行ったところ、SiO2、SiNそれぞれのBHF(フッ化水素(HF):7.25wt%、フッ化アンモニウム(NH4F):33.9wt%、水:58.85wt%のpH=5.4の水溶液)で、エッチングレートは7655、2057Å/minであった。さらに、SiO2の組成Six2においてx=0.86、SiNの組成Siy4はy=3.43であり、膜密度はそれぞれ2.15,2.57mg/mm3であった。また、このとき赤外線センサ100の素子の抵抗は150kΩ程度であり、熱ノイズに対して十分なシグナルを与える値であることも確認できた。
[実施例2](下限値)
保護層40の成膜条件として、SiO2成膜を235℃、圧力150Pa、流量比SiH4/N2O=0.060/1.0slmで行い、SiN成膜を235℃、圧力120Pa、流量比SiH4/NH3=0.055/0.025で行った。保護層40以外の部分については実施例1と同様の方法で赤外線センサ100の素子を4902個製造した。
そして、実施例1と同様にPCTを実施したところ、450時間におけるR0の変動は、−4〜+6%以内であった。また、R0も150kΩ程度であるという結果が得られた。このときのSiO2、SiNのBHFエッチングレートは7397、1384Å/min、SiO2の組成Six2においてx=0.87、SiNの組成Siy4はy=3.42であり、膜密度はそれぞれ2.14,2.58であった。
以上のように、赤外線センサ100は、SiO2、SiNの成膜条件の変更により実現された耐湿性の高い膜を備えているため、湿度耐性を向上することができる。さらに、PCTに対する耐久時間が長いほど水分の浸透が遅くなるため、湿度の存在する環境下(即ち実使用環境下)での赤外線センサ100の素子寿命を延ばすことができる。
以下に本発明の実施例1乃至2との比較例1乃至2を示す。
[比較例1](上限値より大きい)
SiO2、SiNの成膜条件として、SiO2成膜を180℃、圧力150Pa、流量比SiH4/N2O=0.060/1.0slmで行い、SiN成膜を180℃、圧力120Pa、流量比SiH4/NH3=0.055/0.025で行った。保護層以外の部分については実施例1と同様の方法で赤外線センサの素子を4909個製造し、同様の評価を行った。その結果、PCT試験に対しては450時間が経過したときにおよそ1/4の素子が最大で−34%の変動を示した。このときのSiO2、SiNのBHFエッチングレートは7945、3818Å/min、SiO2の組成Six2においてx=0.86、SiNの組成Siy4はy=3.41であり、膜密度はそれぞれ2.14,2.54mg/mm3であった。
このようなBHFエッチングレートが上記の上限値より高い場合は、(1)膜の密度が低い場合(膜厚の割に元素が疎である)、または(2)膜内に不安定な化学状態の結合が多数存在する場合、の2通りが考えられる。(1)については、疎であるために水分を通しやすいといえる。(2)については、膜が水分を取り込み、結合を作りやすい状態にある可能性が高く、透湿性が高い膜であるといえる。このことから、BHFエッチングレートが上記の上限値より高い場合は、透湿性の高い状態にあるので、湿度耐性が低く好ましくない。
[比較例2](下限値未満)
SiO2、SiNの成膜条件として、SiO2成膜を250℃、圧力150Pa、流量比SiH4/N2=0.060/1.0slmで行い、SiN成膜を250℃、圧力120Pa、流量比SiH4/NH3=0.055/0.025で行った。保護層以外の部分については実施例1と同様の方法で赤外線センサの素子を4905個製造した。
比較例2で得られた赤外線センサの素子のPCT試験投入前のサンプルの抵抗値R0は、実施例1と比較して17%程度減少していた。このときのSiO2,SiNのBHFエッチングレートは7143、1146、SiO2の組成Six2においてx=0.88、SiNの組成Siy4はy=3.46であり、膜密度はそれぞれ2.15,2.57であった。
このようなBHFエッチングレートが上記の下限値より低い場合は、膜の透湿性自体は低くなり、耐湿性は向上するといえるが、今度は赤外線センサ100のダイオード側面への影響があるために赤外線センサ100の特性低下が起こる可能性が出てくる。すなわち、この場合は、化合物半導体層20と保護膜層40との間に化合物半導体の酸化物層が形成されやすい条件であるため、ダイオード側面のリーク成分が大きくなり、ダイオード特性の劣化(抵抗値R0の低下)につながる。したがって、赤外線センサ100の抵抗値R0が小さいことにより、赤外線センサの低ノイズ化が実現されないため好ましくない。
本発明の赤外線センサは、信頼性の高い赤外線センサとして好適であり、具体的には人感センサや非接触温度計等に利用することができる。
20:InSb系化合物半導体層
21:p+−InSb層
22:p−AlInSbバリア層
23:i−InSb光吸収層23
24:n+−InSb層
30:半導体基板
40:保護層
41:第一の保護層
42:第二の保護層
50:配線
100:赤外線センサ

Claims (4)

  1. PNまたはPIN接合によるフォトダイオード構造を含むInSb系化合物半導体層と、前記InSb系化合物半導体層上に組成物Six2および/またはSiy4からなる保護層とを備え、
    前記保護層は、バッファードフッ酸によるエッチングレートが7400〜7655Å/minである前記Six2と、
    前記Siy4のバッファードフッ酸によるエッチングレートが1350〜2300Å/minである前記Siy4
    を用いて積層されることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサ。
  2. 前記化合物半導体層と前記保護層との間に、厚みが10nm以下のInSb系の化合物半導体層の酸化膜を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサ。
  3. 前記Six2は、x=0.85〜0.88であり、
    前記Siy4は、y=3.40〜3.44であることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線センサ。
  4. 前記Six2は、膜密度が2.14〜2.15mg/mm3であり、
    前記Siy4は、膜密度が2.56〜2.59mg/mm3であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の赤外線センサ。
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