JP6487284B2 - 赤外線センサ素子及びその製造方法 - Google Patents

赤外線センサ素子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6487284B2
JP6487284B2 JP2015131347A JP2015131347A JP6487284B2 JP 6487284 B2 JP6487284 B2 JP 6487284B2 JP 2015131347 A JP2015131347 A JP 2015131347A JP 2015131347 A JP2015131347 A JP 2015131347A JP 6487284 B2 JP6487284 B2 JP 6487284B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
type
compound semiconductor
infrared sensor
sensor element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015131347A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017015507A (ja
Inventor
菜津子 本川
菜津子 本川
尭 勝間田
尭 勝間田
理 諸原
理 諸原
エジソン ゴメス カマルゴ
エジソン ゴメス カマルゴ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei EMD Corp
Original Assignee
Asahi Kasei EMD Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei EMD Corp filed Critical Asahi Kasei EMD Corp
Priority to JP2015131347A priority Critical patent/JP6487284B2/ja
Publication of JP2017015507A publication Critical patent/JP2017015507A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6487284B2 publication Critical patent/JP6487284B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Description

本発明は、赤外線センサ素子及びその製造方法に関し、より詳細には、高感度でありながら温度特性の影響が小さい赤外線センサ素子及びその製造方法に関する。
近年、ガスの濃度測定が注目されており、なかでも環境ガスであるCOの濃度測定が注目されている。ガス濃度を高精度で測定するセンサには、化学反応式のガスセンサと光学式のガスセンサとがある。測定精度の高さや、経時変化が少ないという観点から、光学式のガスセンサが特に注目されている。光学式のガスセンサの一種に、非分散型赤外線式(以下、NDIR(Non−dispersive Infrared)方式)ガスセンサがある。
図1(a),(b)は、従来のNDIR方式のガスセンサの概念構成図で、図1(a)は第1の従来例、図1(b)は第2の従来例を示している。
図1(a)に示すように、このNDIR方式のガスセンサは、ガスセル910と、ガスの固有の吸収波長帯に対応した波長の赤外線を放射する光源920と、その波長帯の光の強度を検知することができる赤外線センサ930とを備えている。光源920と赤外線センサ930は、ガスセル910内に設けられている。NDIR方式のガスセンサは、ガスセル910内に測定したい気体を流し、或いは滞留させ、ガスセル内の光源920と赤外線センサ930との間の空間で吸収された赤外線量から測定したい気体の濃度を求めるものである。
また、図1(b)に示すように、一般には、被検出ガスによる吸収のない波長帯の光を検出することが可能な参照用センサ931と、被検出ガスによる吸収が生じる波長帯を含む波長の光を検出することが可能な検出用センサ932の両方の出力比を取ることで光源920の出力変動を相殺させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、第2の従来例に係るようなNDIR方式のガスセンサを用いてCOガス濃度を測定する場合、赤外線を含む光を放射する光源と赤外線センサの間の空間にCOガスを注入する。COガスは4.3μm付近の波長の赤外線を吸収するため、検出用センサは4.3μm付近の波長帯に感度を持つ必要がある。また参照用センサには、使用される光源との関係から、COガスによる吸収がない3.9μm付近の波長帯に感度を持つ赤外線センサが用いられる。高精度のNDIR方式のガスセンサを実現するには、高感度の参照用センサが必要となる。
特表2001−503865号公報
しかしながら、この種の赤外線センサには、温度特性の問題が存在する。具体的には、長波長の光を検知する赤外線センサは、長波長の光子のエネルギーが小さいため、高感度化が実現困難だけではなく、半導体、特にナローギャップ半導体に顕著に現れる温度特性の影響によりセンサ温度によって感度が大きく変動してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高感度でありながら温度特性の影響が小さい赤外線センサ素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、以下に示す赤外線センサ素子を想到するに至った。
本発明の第1の態様は、CO ガスセンサ用の赤外線センサ素子であって、基板と、前記基板上のn型化合物半導体層と、前記n型化合物半導体層上のIn(1−x)AlSb(x>0)からなる活性層と、前記活性層上のp型In(1−y)AlSb層と、前記p型In(1−x)AlSb層上のp型化合物半導体層と、を備え、前記p型In(1−y)AlSb層の組成比yは、前記活性層の組成比xと比較して、0.17≦y−x≦0.235であり、前記活性層の組成比xは、0.005≦x≦0.05であり、温度0℃において波長3.9μmの赤外線を受光したときの光電流の値に対する温度50℃における同光電流の変化率は、前記組成比x及びyの関係(y−x)が0.13である素子における同変化率よりも小さい赤外線センサ素子である。
また、本発明の第2の態様は、CO ガスセンサ用の赤外線センサ素子の製造方法であって、基板上に、バッファ層としてn型半導体である第1のIn(1−n)AlSb層を形成する工程と、前記第1のIn(1−n)AlSb層上に、前記第1のIn(1−n)AlSb層と異なる組成のn型半導体である第2のIn(1−x)AlSb層を形成する工程と、前記第2のIn(1−x)AlSb層上にn型In(1−y)AlSb層を第1のバリア層として形成する工程と、前記第1のバリア層上にIn(1−x)AlSb(x>0)層を活性層として形成する工程と、前記活性層上にp型In(1−y)AlSb層を第2のバリア層として形成する工程と、前記第2のバリア層上にp型化合物半導体層を形成する工程と、前記p型化合物半導体層層上に第1の電極部を形成するとともに、前記AlInSb層上に第2の電極部を形成する工程と、を有し、前記p型In(1−y)AlSb層の組成比yは、前記活性層の組成比xと比較して、0.17≦y−x≦0.235であり、前記活性層の組成比xは、0.005≦x≦0.05であり、温度0℃において波長3.9μmの赤外線を受光したときの光電流の値に対する温度50℃における同光電流の変化率は、前記組成比x及びyの関係(y−x)が0.13である素子における同変化率よりも小さい赤外線センサ素子の製造方法である。
本発明によれば、高感度でありながら温度特性の影響が小さい赤外線センサ素子及びその製造方法を実現することができる。
(a),(b)は、従来のNDIR方式のガスセンサの概念構成図である。 本発明に係る赤外線センサ素子の実施形態を説明するための構成図である。 本実施例に係る赤外線センサ素子の製造方法を説明するための工程図(その1)である。 本実施例に係る赤外線センサ素子の製造方法を説明するための工程図(その2)である。 本実施例に係る赤外線センサ素子の製造方法を説明するための工程図(その3)である。 本実施例に係る赤外線センサ素子の製造方法を説明するための工程図(その4)である。 本実施例に係る赤外線センサ素子の製造方法を説明するための工程図(その5)である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という)について説明する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<実施形態>
(赤外線センサ素子)
本実施形態に係る赤外線センサ素子は、基板と、基板上のn型化合物半導体層と、n型化合物半導体層上のn型化合物半導体層上の、In(1−x)AlSb(x>0)からなる活性層と、活性層上のp型In(1−y)AlSb層と、p型In(1−x)AlSb層上のp型化合物半導体層と、を備え、p型In(1−y)AlSb層の組成比yは、活性層の組成比xと比較して、0.17≦y−x≦0.235である。
本実施形態に係る赤外線センサ素子は、高感度でありながら温度特性の影響が小さい赤外線センサ素子を提供することができる。赤外線センサ素子は、MBE(Molecular Beam Epitaxy)若しくはCVD(Chemical Vapor Deposition)のような成膜方法を用いて成膜されることが好ましい。
(基板)
本発明の赤外線センサ素子において、基板は、その上に所望の半導体積層部を形成することが可能なものであれば特に制限されない。一例としては、Si,GaAs,GaP,InP基板への結晶成長が挙げられるがこの限りではない。結晶面は、(100)、(111)、(110)方向等がある。半導体積層部の材料としてInSb、AlInSbを用いる場合、基板としてはGaAsが好ましい。
(n型化合物半導体層)
n型化合物半導体層は、赤外線センサに適したものであれば特に制限されない。一例としては、InSb,InAlSb,InAsSbなどが挙げられるがこの限りではない。ここで、n型とは、n型となるドーパントが添加されていることを意味する。n型化合物半導体層の材料としてInSbを用いる場合、n型ドーパントとしては、Si、Te、Sn、S、Se等を用いることができるがこれに制限されない。n電極との導電性の観点から、ドーピング濃度としては、6×1018原子/cm以上が好ましく、より好ましくは8×1018原子/cm以上である。また、結晶性の観点からドーピング濃度としては、2×1019以下とすることが好ましい。
また、n型化合物半導体層の厚みは特に制限されないが、n型化合物半導体層の結晶性の観点からは0.2μm以上が好ましく、また、成膜の所要時間の観点からは2μm以下が好ましい。
また、基板上に成長するn型化合物半導体層の結晶性を上げるために、基板とn型化合物半導体層との間に、格子不整合を緩和させるバッファ層を用いることも好ましい。バッファ層の具体的な材料としては、InSb,InAlSb,InGaSb等が挙げられる。これらのバッファ層はシート抵抗を低減する観点からn型にドーピングされていることが好ましく、またn型化合物半導体層とバッファ層の膜厚比は任意に決定して良い。また、バッファ層としては連続的にまたは段階的に格子定数が増減するグレーデットバッファ層であってもよい。
また、後述のように、n型化合物半導体層と活性層との間に、n型In(1−y)AlSb層をさらに備えてもよい。
また、n型化合物半導体は、活性層の結晶性の向上の観点から、活性層と同様の材料・組成のIn(1−x)AlSbからなってもよい。
また、n型化合物半導体層は、n層のコンタクト抵抗・シート抵抗を下げ、低抵抗素子として利用できるという観点から、InSbからなることが好ましい。
また、n型化合物半導体層は、活性層の結晶性の向上とn層のコンタクト抵抗・シート抵抗を下げるという観点から、InおよびSbを少なくとも含み、2層以上の異なる組成の層からなってもよい。
(n型In(1−y)AlSb層)
本実施形態に係る赤外線センサ素子は、n型化合物半導体層とi型In(1−x)AlSb層との間に、n型In(1−y)AlSb層をさらに備えてもよい。n型In(1−y)AlSb層は、活性層よりもAl組成が大きく、バンドギャップが広くなるため、正孔による暗電流や拡散電流に対する障壁になる。従って暗電流や拡散電流を抑制することができる。これは、活性層が、窒化ガリウム(GaN)やガリウム砒素(GaAs)の様な元来バンドギャップが大きく熱励起キャリアの影響が無視でき、拡散電流が元々小さいような化合物半導体である場合はあまり意味を成さないが、In(1−x)AlSbのようにバンドギャップが小さい半導体であるが故に得られる効果である。Al組成yは正孔による漏れ電流(暗電流や拡散電流など)を抑制するために大きいほうがよいが、特に温度による赤外線センサ素子の出力の変動を抑えるためにy−x≧0.17とすることが望ましい。
また、活性層のAl組成xとの差が大きいと格子緩和により発生した格子欠陥を通して電子の漏れが発生するために、y−x≦0.235であることが好ましい。n型ドーパントとしては、Si、Te、Sn、S、Se等を用いることができる。ドーピング濃度としては、6×1018原子/cm以上が好ましく、より好ましくは8×1018原子/cm以上である。また、漏れ電流抑制と格子緩和抑制の両面から、n型In(1−y)AlSb層の厚さは20nm程度であることが望ましい。
(活性層)
活性層は、In(1−x)AlSb(x>0)からなり、赤外線を受光する活性層として機能する。活性層にはn型ドーパントやp型ドーパントとなる不純物をドーピングしてもよく、またはノンドープでもよい。活性層のAl組成xは、赤外線センサ素子の用途に応じて適宜選択することができる。COガスセンサの参照用センサとして用いる場合には、3.9〜4.3μmに感度を持つようにすることが好ましい。
また、3.9μm付近の波長帯での感度を高め、温度による感度特性の変化を抑制するという観点から、活性層の組成比xが0.005≦x≦0.05であることが好ましい。
また、活性層は、厚いほど大きな光電流を発生させることが可能であるが、成膜・プロセスの観点と合わせると0.5〜5μm、さらには1〜3μm程度とすることが好ましいが、本発明の効果はこの範囲に限らない。
(p型In(1−y)AlSb層)
p型In(1−y)AlSb層のAl組成yは、赤外線センサに適したものであれば特に制限されない。ここでp型とは、p型となるドーパントが添加されていることを意味する。p型ドーパントとしては、Be、Zn、Cd、C、Mg、Ge、Cr等を用いることができる。ドーピング濃度としては、6×1017原子/cm以上が好ましく、より好ましくは8×1017原子/cm以上である。
p型In(1−y)AlSb層は、活性層よりもAl組成が大きく、バンドギャップが広くなるため、電子による暗電流や拡散電流に対する障壁になる。従って暗電流や拡散電流を抑制することができる。これは、活性層が窒化ガリウム(GaN)やガリウム砒素(GaAs)の様な元来バンドギャップが大きく熱励起キャリアの影響が無視でき、拡散電流が元々小さいような化合物半導体である場合は意味を成さないが、In(1−x)AlSbのようにバンドギャップが小さい半導体であるが故に得られる効果である。p型In(1−y)AlSb層のAl組成yは、温度による赤外線センサ素子の出力の変動を抑えるために、活性層のAl組成と比較してy−x≧0.17とすることが望ましい。またp型In(1−y)AlSb層のAl組成yは、電子による漏れ(暗電流や拡散電流など)を抑制するために、大きいほうがよいが、活性層のAl組成xとの差が大きいと格子緩和により発生する結晶欠陥から電子の漏れが発生するため、活性層のAl組成と比較してy−x≦0.235であることが好ましい。
(p型化合物半導体層)
p型化合物半導体層は、赤外線センサに適したものであれば特に制限されない。一例としては、InSb,InAlSb,InAsSbなどが挙げられるがこの限りではない。
ここでp型とは、p型となるドーパントが添加されていることを意味する。p型ドーパントとしては、Be、Zn、Cd、C、Mg、Ge、Cr等を用いることができる。ドーピング濃度としては、6×1017原子/cm以上が好ましく、より好ましくは8×1017原子/cm以上である。
また、p型化合物半導体層の材料をIn(1−z)AlSbとした場合に、不要な光吸収を抑えるため、そのAl組成zは、活性層のIn(1−x)AlSbのAl組成と比較してz≧xであることが好ましい。
(ダイオード形状)
上述した化合物半導体膜構造にプロセスを施して得られるダイオード構造のS/N(信号/ノイズ)は、主にダイオード面積に比例する光電流Ip、ダイオード抵抗R0(0バイアス付近の内部抵抗)により決定される。一般に光電流におけるS/Nは(Ip×√R0)に比例することが知られており、ダイオード形状は、円形、五角形等の多角形が考えられるが、十分なS/Nが得られる素子形状であれば特に形状は制限されない。また、ノイズ抑制の観点から、大きなR0を得るために素子同士を配線により直列接続しても良い。
以下、図面を参酌しながら本発明を実施するためのより具体的な形態を説明する。なお、各実施形態における構成要件については上述の説明が参酌される。
図2は、本発明に係る赤外線センサ素子の実施形態を説明するための構成図である。本実施形態の赤外線センサ素子100は、基板10と、この基板10上のn型化合物半導体層11と、このn型化合物半導体層11上のIn(1−x)AlSb(x>0)からなる活性層13と、この活性層13上のp型In(1−y)AlSb層14と、このp型In(1−x)AlSb層14上のp型化合物半導体層15と、を備え、p型In(1−y)AlSb層14の組成比yは、活性層13の組成比xと比較して、0.17≦y−x≦0.235である。さらに、活性層13の組成比xが、0.005≦x≦0.05であることが好ましい。
また、n型化合物半導体層11と活性層13との間にn型In(1−y)AlSb層12をさらに備えていてもよい。また、n型化合物半導体層11は、In(1−x)AlSbからなることが好ましい。
また、n型化合物半導体層11は、In及びSbを少なくとも含み、2層以上の異なる組成の例えば第1層及び第21層11a,11bを有することが好ましい。さらに、n型化合物半導体層11が、InSbからなることが好ましい。
また、基板10上に形成された各層からなり、頂部21と底部22とを有するメサ構造のメサ型化合物半導体積層部20を備えている。さらに、メサ型化合物半導体積層部20の全面に第1の保護層41と、第1の保護層41上に第2の保護層42を備えている。
また、メサ型化合物半導体積層部20の頂部21上の第1の保護層41及び第2の保護層42の一部と、底部22上の一部とをそれぞれ開口して各々露出部を備えている。さらに、各露出部に第1の電極部51及び第2の電極部52を設けている。
つまり、本実施形態に係る赤外線センサ素子100は、基板10と、n型化合物半導体層11と、In1−xAlSb層からなる活性層13と、p型In1−yAlSb層14と、p型化合物半導体層15とを備えている。また、p型化合物半導体上に第1の電極51が接続され、n型化合物半導体層11に第2の電極52が接続されている。
p型In1−yAlSb層14のAl組成yは、活性層13のAl組成xよりも大きいため、バンドギャップも大きくなる。このとき、p型InAlSb層14は電子ブロック層として働く。活性層13でのキャリア閉じ込め効果を十分に得るために、活性層13とp型In1−yAlSb層14のAl組成差は、y−x≧0.17であることが好ましい。また、Al組成差が大きくなると、膜成長時に活性層13との格子定数差に従って格子緩和が発生し、電子ブロック層としての効果が薄れるため、y−x≦0.235であることが好ましい。
また、本実施形態に係る赤外線センサ素子100は、さらに受光する波長を制限するための光学フィルタまたは光学フィルタが組み込まれた部材を備えていても良い。この場合、光学フィルタの透過する帯域は赤外線センサが受光感度を持つ波長範囲よりも狭い必要があるが、任意の波長を透過する光学フィルタを選択することでさらに温度特性の向上を図ることができる。
次に、本実施例に係る赤外線センサ素子の製造方法について以下に説明する。
図3乃至図7は、本実施例に係る赤外線センサ素子の製造方法を説明するための工程図である。この赤外線センサ素子の素子構造は、MBE法により作製される。
まず、図3乃至図4に示すように、基板10上に、バッファ層としてn型半導体である第1のIn(1−n)AlSb層11aを形成する。次に、第1のIn(1−n)AlSb層11a上に、第1のIn(1−n)AlSb層11aと異なる組成のn型半導体である第2のIn(1−x)AlSb層11bを形成する。
次に、第2のIn(1−x)AlSb層11b上にn型In(1−y)AlSb層を第1のバリア層12として形成する。次に、第1のバリア層12上にIn(1−x)AlSb(x>0)層を活性層13として形成する。
次に、活性層13上にp型In(1−y)AlSb層を第2のバリア層14として形成する。次に、第2のバリア層14上にp型化合物半導体層15を形成する。ここで、温度による赤外線センサ素子の出力の変動を抑える観点から、p型In(1−y)AlSb層14の組成比yは、活性層13の組成比xと比較して、0.17≦y−x≦0.235であることが好ましい。
次に、図6に示すように、p型化合物半導体層15上に第1の電極部を形成するとともに、In (1−x) Al Sb層11b上に第2の電極部を形成する。
また、第1及び第2の電極部を形成する前に以下の工程を必要とする。つまり、図4に示すように、基板10上に形成された各層からなり、頂部21と底部22とを有するメサ構造のメサ型化合物半導体積層部20を形成する。
次に、図5に示すように、メサ型化合物半導体積層部20の全面に第1の保護層41と、第1の保護層41上に第2の保護層42を形成する。
次に、メサ型化合物半導体積層部20の頂部21上の第1の保護層41及び第2の保護層42の一部と、底部22上の一部とをそれぞれ開口して露出部を形成する。このようにして、図6に示すように、露出部に第1の電極部51及び第2の電極部52を形成することになる。
つまり、まず、GaAs基板10上に、バッファ層としてSnを濃度1×1019[cm−3]ドーピングしたn型半導体であるInSb層11aを0.5μm形成した。その上にSnを濃度1×1019[cm−3]ドーピングしたn型半導体であるAl0.05In0.95Sb層11bを0.5μm形成した。さらに、その上にZnを濃度1×1019[cm−3]ドーピングしたAl0.22In0.78Sbバリア層12を20nm形成した。
さらに、その上にi型半導体Al0.05In0.95Sb層を活性層13として2μm形成した。さらに、その上にZnを濃度1×1018[cm−3]ドーピングしたAl0.22In0.78Sbバリア層14を20nm形成した。さらに、その上にZnを濃度1×1018[cm−3]ドーピングしたp型半導体のAl0.05In0.95Sb層15を0.5μm形成した。n型半導体層11aからp型半導体層15までの構造がPIN接合によるフォトダイオード構造をなし、y−x=0.17となる。
次に、この化合物半導体積層部上にレジストパターンを形成した。そして、このレジストパターンをマスクに化合物半導体積層体をエッチングした。これにより、基板10上に、図4に示したような頂部21と底部22とを有するメサ構造のメサ型化合物半導体積層部20を形成した。このとき、PIN接合を含む頂部の面積はマスクサイズで513μm、下部の面積は605μmであった。
次に、図5に示すように、メサ型化合物半導体積層部20の全面に第1の保護層41としてSiOを3000Å、第2の保護層42としてSiNを2000Å形成した。次に、メサ型化合物半導体積層部20の頂部21上の一部と、底部22上の一部とをそれぞれ開口し、それ以外の領域を覆うレジストパターンを形成した。そして、このレジストパターンをマスクにSiN膜、SiO膜をドライエッチングした。これにより、図5に示すように、SiN膜及びSiO膜の下から、メサ型化合物半導体積層部20の頂部21と底部22とをそれぞれ露出させた。
さらに、図6に示すように、第1の電極部51及び第2の電極部52を形成するために、基板10上方にレジストパターンを形成し、Tiを1000Å、Ptを200Å、Auを3000Å、この順で蒸着し、その後、リフトオフを行った。このとき、ダイオード間を電気的に接続する配線電極も同時に蒸着し、396個のダイオードを直列接続した。さらに、図7に示すように、GaAs基板10の素子加工していない裏面から厚さを230μmまで粗面研削し、TiO膜61を1500Å蒸着することにより赤外線センサ素子100を得た。つまり、基板10とTiO膜61との境界Aは粗面である。
このように上述した実施例で作成した赤外線センサ素子(赤外線発光素子)100の光電流測定を、0〜50℃の間で温度を変化させながら測定したところ、後述の比較例1で示す赤外線発光素子200の3.9μmにおける光電流Ip変化が0〜50℃で15.8%だったのに対し、本実施例では5.6%の変化にとどまっている。
Figure 0006487284
(比較例1)
GaAs基板上に、バッファ層としてSnを濃度1×1019[cm−3]ドーピングしたn型半導体であるInSb層を0.5μm形成した。その上にSnを濃度1×1019[cm−3]ドーピングしたn型半導体であるAl0.05In0.95Sb層を0.5μm形成した。さらに、その上にZnを濃度1×1019[cm−3]ドーピングしたAl0.18In0.82Sbバリア層を20nm形成した。その上にi型半導体Al0.05In0.95Sb層を2μm形成した。
さらに、その上にZnを濃度1×1018[cm−3]ドーピングしたAl0.18In0.82Sbバリア層を20nm形成した。さらに、その上にZnを濃度1×1018[cm−3]ドーピングしたp型半導体のAl0.05In0.95Sb層を0.5μm形成した。前記n型半導体層からp型半導体層までの構造がPIN接合によるフォトダイオード構造をなし、y−x=0.13となる。
この化合物半導体積層体に、実施例1と同様の工程を施して赤外線センサ素子を得た。赤外線発光素子の光電流測定を、0〜50℃の間で温度を変化させながら測定したところ、赤外線発光素子の3.9μmにおける光電流Ip変化が0〜50℃で15.8%となった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の技術的範囲には限定されない。上述した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることも可能であり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 基板
11 n型化合物半導体層
13 活性層
14 p型In(1−y)AlSb層
15 p型化合物半導体層
12 n型In(1−y)AlSb層
11a n型化合物半導体層11の第1層
11b n型化合物半導体層11の第2層
41 第1の保護層
42 第2の保護層
51 第1の電極部
52 第2の電極部
61 TiO
100 赤外線センサ素子
920 光源
930 赤外線センサ
931 参照用センサ
932 検出用センサ

Claims (11)

  1. CO ガスセンサ用の赤外線センサ素子であって、
    基板と、
    前記基板上のn型化合物半導体層と、
    前記n型化合物半導体層上のIn(1−x)AlSb(x>0)からなる活性層と、
    前記活性層上のp型In(1−y)AlSb層と、
    前記p型In(1−Al Sb層上のp型化合物半導体層と、を備え、
    前記p型In(1−y)AlSb層の組成比yは、前記活性層の組成比xと比較して、0.17≦y−x≦0.235であり、前記活性層の組成比xは、0.005≦x≦0.05であり、温度0℃において波長3.9μmの赤外線を受光したときの光電流の値に対する温度50℃における同光電流の変化率は、前記組成比x及びyの関係(y−x)が0.13である素子における同変化率よりも小さい赤外線センサ素子。
  2. 前記n型化合物半導体層と前記活性層との間にn型In(1−y)AlSb層をさらに備える請求項1に記載の赤外線センサ素子。
  3. 前記n型化合物半導体層は、In(1−x)AlSbからなる請求項1又は2に記載の赤外線センサ素子。
  4. 前記n型化合物半導体層は、In及びSbを少なくとも含み、2層以上の異なる組成の層を有する請求項1からのいずれか一項に記載の赤外線センサ素子。
  5. 前記n型化合物半導体層が、InSbからなる請求項1又は2に記載の赤外線センサ素子。
  6. 前記基板上に形成された前記各層からなり、頂部と底部とを有するメサ構造のメサ型化合物半導体積層部を備える請求項1からのいずれか一項に記載の赤外線センサ素子。
  7. 前記メサ型化合物半導体積層部の全面に第1の保護層と、前記第1の保護層上に第2の保護層を備える請求項に記載の赤外線センサ素子。
  8. 前記メサ型化合物半導体積層部の前記頂部上の前記第1の保護層及び前記第2の保護層の一部と、前記底部上の一部とをそれぞれ開口して各々露出部を備える請求項に記載の赤外線センサ素子。
  9. 前記各露出部に第1の電極部及び第2の電極部を設ける請求項に記載の赤外線センサ素子。
  10. CO ガスセンサ用の赤外線センサ素子の製造方法であって、
    基板上に、バッファ層としてn型半導体である第1のIn(1−n)AlSb層を形成する工程と、
    前記第1のIn(1−n)AlSb層上に、前記第1のIn(1−n)AlSb層と異なる組成のn型半導体である第2のIn(1−x)AlSb層を形成する工程と、
    前記第2のIn(1−x)AlSb層上にn型In(1−y)AlSb層を第1のバリア層として形成する工程と、
    前記第1のバリア層上にIn(1−x)AlSb(x>0)層を活性層として形成する工程と、
    前記活性層上にp型In(1−y)AlSb層を第2のバリア層として形成する工程と、
    前記第2のバリア層上にp型化合物半導体層を形成する工程と、
    前記p型化合物半導体層上に第1の電極部を形成するとともに、前記In (1−x) Al Sb層上に第2の電極部を形成する工程と、
    を有し、
    前記p型In(1−y)AlSb層の組成比yは、前記活性層の組成比xと比較して、0.17≦y−x≦0.235であり、前記活性層の組成比xは、0.005≦x≦0.05であり、温度0℃において波長3.9μmの赤外線を受光したときの光電流の値に対する温度50℃における同光電流の変化率は、前記組成比x及びyの関係(y−x)が0.13である素子における同変化率よりも小さい赤外線センサ素子の製造方法。
  11. 前記基板上に形成された各層からなり、頂部と底部とを有するメサ構造のメサ型化合物半導体積層部を形成する工程と、
    前記メサ型化合物半導体積層部の全面に第1の保護層と、前記第1の保護層上に第2の保護層を形成する工程と、
    前記メサ型化合物半導体積層部の前記頂部上の前記第1の保護層及び前記第2の保護層の一部と、前記底部上の一部とをそれぞれ開口して露出部を形成する工程と、を有し、
    前記露出部に前記第1の電極部及び前記第2の電極部を形成する請求項10に記載の赤外線センサ素子の製造方法。
JP2015131347A 2015-06-30 2015-06-30 赤外線センサ素子及びその製造方法 Active JP6487284B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131347A JP6487284B2 (ja) 2015-06-30 2015-06-30 赤外線センサ素子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015131347A JP6487284B2 (ja) 2015-06-30 2015-06-30 赤外線センサ素子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017015507A JP2017015507A (ja) 2017-01-19
JP6487284B2 true JP6487284B2 (ja) 2019-03-20

Family

ID=57830236

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015131347A Active JP6487284B2 (ja) 2015-06-30 2015-06-30 赤外線センサ素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6487284B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019114772A (ja) * 2017-12-21 2019-07-11 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線発光素子
JP6917352B2 (ja) 2018-01-18 2021-08-11 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線検出素子
US11935973B2 (en) 2018-02-28 2024-03-19 Asahi Kasei Microdevices Corporation Infrared detecting device
JP6917350B2 (ja) * 2018-02-28 2021-08-11 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線検出素子
US20200052012A1 (en) * 2018-08-07 2020-02-13 Sensors Unlimited, Inc. Mesa trench etch with stacked sidewall passivation
JP7060530B2 (ja) 2019-02-06 2022-04-26 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線発光素子
JP7283148B2 (ja) * 2019-03-14 2023-05-30 富士通株式会社 赤外線検出器、これを用いた撮像装置、及び赤外線検出器の製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4138853B2 (ja) * 2003-09-09 2008-08-27 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線センサic
JP5063929B2 (ja) * 2006-04-28 2012-10-31 旭化成エレクトロニクス株式会社 赤外線センサ
US8835979B1 (en) * 2010-06-04 2014-09-16 Hrl Laboratories, Llc Compound-barrier infrared photodetector
JP2013211458A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 赤外線センサ
US9196769B2 (en) * 2013-06-25 2015-11-24 L-3 Communications Cincinnati Electronics Corporation Superlattice structures and infrared detector devices incorporating the same
JP2015088602A (ja) * 2013-10-30 2015-05-07 旭化成エレクトロニクス株式会社 半導体光デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017015507A (ja) 2017-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6487284B2 (ja) 赤外線センサ素子及びその製造方法
EP2446483B1 (en) Low-level signal detection by semiconductor avalanche amplification
US8299497B1 (en) Near-infrared photodetector with reduced dark current
JP4977695B2 (ja) 紫外受光素子
Rakovska et al. Room temperature InAsSb photovoltaic midinfrared detector
JP5528882B2 (ja) 赤外線センサ
US9941431B2 (en) Photodiode having a superlattice structure
JP5857774B2 (ja) 半導体受光素子
US20130043459A1 (en) Long Wavelength Infrared Superlattice
US8350290B2 (en) Light-receiving device and manufacturing method for a light-receiving device
CN109285914B (zh) 一种AlGaN基紫外异质结光电晶体管探测器及其制备方法
CN105957908A (zh) 倍增区控制的雪崩光电二极管及其制造方法
JP6283324B2 (ja) 赤外線発光素子
US20130043458A1 (en) Long Wavelength Infrared Superlattice
CN113471326A (zh) 一种ⅲ族氮化物异质结光电探测器
US20110272672A1 (en) Long Wavelength Infrared Superlattice
JP6917350B2 (ja) 赤外線検出素子
JP2007123587A (ja) 受光素子
JPWO2015079763A1 (ja) 受光素子
Plis et al. Lateral diffusion of minority carriers in InAsSb-based nBn detectors
WO2014002082A2 (en) Photodetector device
US20180315873A1 (en) Infrared light-receiving device
US8530995B2 (en) High operating temperature split-off band infrared detector with double and/or graded barrier
US20150162471A1 (en) Phototransistor device
US20180308999A1 (en) Semiconductor light receiving device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180814

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180815

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181010

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6487284

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150