JP5063929B2 - 赤外線センサ - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線センサに関し、より詳細には、赤外線検知の分野、特に長波長帯の放射エネルギーを検知するようなセンサ、例えば人感センサ等の赤外線センサに関する。
一般に赤外線センサには、赤外線エネルギーを吸収することによって発生する温度変化を利用する熱型(焦電センサやサーモパイルなど)と、入射した光エネルギーで励起された電子によって生じる導電率の変化や起電力を利用する量子型とがある。熱型は室温動作が可能だが、波長依存性がなく、低感度で応答性が遅いという欠点がある。一方、量子型は低温に冷却する必要があるが、波長依存性があり、高感度で応答速度も速いという特徴を有している。
赤外線センサの応用は、人を検知することによって、照明やエアコン、TV等の家電機器の自動オンオフを行う人感センサや、防犯用の監視センサなどが代表的な例である。最近、省エネルギーや、ホームオートメーション、セキュリティシステム等への応用で非常に注目されてきた。
人感センサとして現在使用されている赤外線センサは、焦電効果を利用した焦電型赤外線センサである。焦電型赤外線センサは非特許文献1に示されているように、その焦電素子のインピーダンスが極めて高いために、電磁ノイズや熱揺らぎの影響を受けやすい。そのため、金属Canパッケージなどのシールドが必須になる。また、I-V変換回路に大きなRやCが必要であり、小型化が困難となっている。
一方量子型の赤外線センサとしては、HgCdTe(MCT)やInSb系がその代表的な材料として利用されてきた。MCTやInSb系を用いる場合、センサ部を液体窒素や液体ヘリウム、あるいはペルチェ効果を利用した電子冷却等で冷却する必要がある。一般に、冷却された量子型赤外線センサでは、焦電センサの100倍以上の高感度化を達成できる。また、素子抵抗は数10〜数100Ωと小さく、電磁ノイズや熱揺らぎの影響は受けにくい。ただし、パッケージについては低温に冷却する必要があるため、頑丈な金属パッケージが使われている。
さらに、量子型赤外線センサの中でも、MCTは最も高感度であるが、それに用いられるHgの蒸気圧は高い。そのため、結晶成長時の組成制御性や再現性が難しく、均一な膜が得られにくい。また素子化プロセスにおいても機械的強度が弱く、Hgの拡散や抜け出しという問題をかかえている。
InSb系については、検出すべき波長にあわせてInAsxSb1-xの混晶が検討されている。例えば、InSb基板を用いてその上にInSbの一部をAsに置換してエピタキシャル成長する方法(特許文献1参照)などが試みられている。
さらに、読み出しおよび信号処理回路が集積化された基体の上に、赤外線センサ部を成長させたモノリシック構造が提案されている(特許文献2参照)。しかし、信号処理回路上に赤外線センサ部である化合物半導体薄膜を成長させる技術はきわめて難しく、実用的なデバイスとして応用可能な膜質は容易には得られない。また、信号処理回路を動作させたときに発生する熱が、その上にモノリシック形成された赤外線センサ部に熱ゆらぎのノイズとなって誤信号を与えてしまうことが問題となる。従って、この熱ゆらぎの影響を抑制するため、センサ全体を液体窒素等で冷却させることが必須となる。この様な冷却は、一般の家電や照明用の人感センシングの用途には適さない。
上記のような問題を解決した赤外線センサとして、特許文献3に記載の量子型の赤外線センサがある。この赤外線センサは、センサ部分の化合物半導体の積層構造および素子構造、更に信号増幅用ICとセンサのパッケージを改良することにより、室温でも動作可能な量子型の赤外線センサであり、なおかつ従来にない超小型の赤外線センサを実現している。
更に、上記赤外線センサの化合物半導体の積層構造において、センサのリーク電流を減らし、信号強度を上げるためのバリア層(例えば、AlInSb層)は、センサの出力に大きく影響することも開示されている。
特開昭53−58791号公報 特開平2−502326号公報 国際公開第05/027228号パンフレット 松井邦彦著「センサ活用141の実践ノウハウ」CQ出版、2001年5月20日、p56
本発明は、引用文献3に記載の赤外線センサの化合物半導体の積層構造において、センサのリーク電流を減らし、信号強度を上げるためのバリア層の膜厚に関して、信号出力強度への影響と、より最適な範囲を明らかにし、従来よりも出力信号が大きい赤外線センサ構造を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、赤外線センサであって、基板と、該基板上に形成された複数の化合物半導体層が形成された化合物半導体の積層体とを備え、前記化合物半導体の積層体は、該基板上に形成された、インジウム及びアンチモンを含み、n型ドーピングされた材料である第1化合物半導体層と、該第1化合物半導体層上に形成された、インジウム及びアンチモンを含み、p型ドーピングされた材料である第2化合物半導体層と、該第2化合物半導体層上に形成された、前記第2化合物半導体層よりも高濃度にp型ドーピングされ、かつ前記第1化合物半導体層、及び前記第2化合物半導体層よりも大きなバンドギャップを有する材料である第3化合物半導体層とを備え、前記第3化合物半導体層の膜厚が、2nm以上50nm以下であり、前記第2化合物半導体層のp型ドーピング濃度が、4×1016(原子/cm)以上1×1017(原子/cm)以下であることを特徴とする。
発明の第2の態様は、第1の態様において、前記第3化合物半導体層の膜厚が、3nm以上32nm以下であることを特徴とする。
発明の第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記第1化合物半導体層はInSbであり、前記第2化合物半導体層は、InSb、InAsSb、InSbNのいずれかであり、前記第3化合物半導体層は、AlInSb、GaInSb、またはAlAs、InAs、GaAs、AlSb、GaSb及びそれらの混晶のいずれかであることを特徴とする。
発明の第4の態様は、第1又は第2の態様において、前記第3化合物半導体層はAlIn1−xSb(0<x<1)であり、前記AlIn1−xSbの組成が、X=0.16以上、X=0.22以下であることを特徴とする。
発明の第5の態様は、第4の態様において、前記AlIn1−xSbの組成が、X=0.163以上、X=0.204以下であることを特徴とする。
発明の第6の態様は、第1乃至第5のいずれかの態様において、前記第1化合物半導体のn型ドーパントはSnであり、前記第2化合物半導体及び前記第3化合物半導体のp型ドーパントはZnであることを特徴とする。
発明の第7の態様は、第1乃至第6のいずれかの態様において、前記第3化合物半導体層上に形成された、インジウム及びアンチモンを含み、該第3化合物半導体層と同等か、またはそれ以上の濃度にp型ドーピングされた材料である第4化合物半導体層をさらに備えることを特徴とする。
発明の第8の態様は、第7の態様において、前記第4化合物半導体層はInSbであることを特徴とする。
発明の第9の態様は、第7又は第8の態様において、前記第4化合物半導体及び前記第3化合物半導体のp型ドーパントはZnであることを特徴とする。
本発明によれば、バリア層としての第3化合物半導体層の膜厚を最適な厚さに設定可能であり、第2化合物半導体層のp型ドーピング濃度を最適な濃度に設定可能なので、従来よりも高い出力を得ること可能である。よって、従来よりも更に出力の高い量子型の赤外線センサを提供することが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
従来、人体から放射される赤外線を検出するいくつかの手法において、InSbの様な化合物半導体による量子型の赤外線センサは高速、高感度という優れた性質を持っていることが知られている。しかしながら、量子型の赤外線センサを用いて、人体から放射される赤外線を室温において検知する場合、検出素子の漏れ電流が非常に大きく、使用は極めて困難であることも知られている。例えばpn接合を持つ光ダイオード型の素子において、その漏れ電流の主な原因となっているのが拡散電流である。拡散電流は素子を構成している半導体の真性キャリア密度niの2乗に比例する。また、ni 2は式(1)で表される。
Figure 0005063929
ここで、kはボルツマン定数、Tは絶対温度である。また、Nc、Nvはそれぞれ伝導帯、および価電子帯の有効状態密度であり、Egはエネルギーバンドギャップである。Nc、Nv、Egは半導体物質固有の値である。
InSbではそのエネルギーバンドギャップが室温で約0.18 [eV]である為、室温ではその真性キャリア密度が約2×1016[cm3]と大きくなり、結果として拡散電流も大きくなり、漏れ電流が大きくなってしまう。従って、室温で光ダイオード型の赤外線センサを使用する場合には、赤外線検出素子部分を液体窒素や液体ヘリウム、あるいはペルチェ効果を利用した電子冷却等で冷却し、真性キャリア密度を抑制する必要があった。
この問題を解決する為に、特許文献3に記載の量子型の赤外線センサにおいては、図1に示すような化合物半導体の積層構造を用いた。ここで、特許文献3に記載の化合物半導体の積層構造については、その各層の材料に関して該特許文献中で実施例として示されている材料を用いて具体的に説明する。すなわち、半絶縁性のGaAs基板10上にn型ドーピングされたInSb層11(第1化合物半導体層)を積層し、前記n型ドーピングされたInSb層11上にp型ドーピングされたInSb層(またはInAsSb層)12 (第2化合物半導体層、以後この層をπ層とも呼ぶ)を積層し、前記π層上に、π層よりも高濃度にp型ドーピングされたAlxIn1-xSb層13(第3化合物半導体層)(0<x<1)を積層した図1に示す構造である。もしくは、前記高濃度にp型ドーピングされたAlxIn1-xSb層13上に、さらに前記π層よりも高濃度にp型ドーピングされたInSb層14(第4化合物半導体層)を積層した図2に示す構造である。
ここで、図2の積層構造を例として、その技術的特長を更に詳しく述べる。図2に示す積層構造のエネルギーバンド図の例を図3に示す。
図2の赤外線検出素子に赤外線が入射した場合、赤外線は光吸収層であるπ層(p型ドーピングされたInSb層)において吸収され、電子正孔対を生成する。生成した電子正孔対は、n+層であるn型ドーピングされたInSb層11と、p+層である高濃度にp型ドーピングされたInSb層14、および光吸収層であるp型ドーピングされたInSb層(またはInAsSb層)12のポテンシャル差、すなわちビルトインポテンシャルによって分離され、電子はn+層側へ、正孔はp+層側へと移動し光電流となる。この時、発生した電子がPINダイオードの順方向、すなわちp+層側に拡散すると光電流として取り出すことは出来ない。この順方向へのキャリアの拡散が拡散電流である。ここで、光吸収層であるπ層と、p+層である高濃度にp型ドーピングされたInSb層14との間に、第2化合物半導体層として用いることができるInSbやInAsSbよりもバンドギャップのより大きな層、例えばAlInSb層を設けると、図3に示すように光吸収層としてのp型ドーピングされたInSb層(またはInAsSb層)12と、p+層としてのInSb層14との間にエネルギーの壁を設けることが出来る。このエネルギーの壁(すなわちバリア層)により、光吸収層からp+層への電子の拡散、すなわち拡散電流を防ぐこと、ないしは上記拡散電流を低減することが可能となる。この結果素子の感度を飛躍的に上げることが出来る。
上述のようなエネルギーの壁として機能させるために、バリア層(第3化合物半導体層)は、光吸収層であるπ層(第2化合物半導体層)よりも高濃度にp型ドーピングされ、かつn+層(第1化合物半導体層)、およびπ層よりも大きなバンドギャップを有する材料とすることが望ましい。
上述のように、この構造においてバリア層であるAlInSb層は拡散電流を防ぐ、または軽減する為の非常に重要な層であり、その膜厚、および組成は素子の特性に大きく影響する。
特許文献3に記載の赤外線センサは、上述のバリア層を有することによって、拡散電流を防ぐ、ないしは軽減することができ、従来よりも高出力を得ることができる。そこで、本発明者等は、高出力に大きく寄与するバリア層としてのAlInSb層の膜厚に関して検討を行い、赤外線センサの高出力を得る為のAlInSb層のより最適な膜厚範囲を見出した。以下でこの検討内容について具体的に記述する。
図4は、本発明の一実施形態に係る、赤外線センサの一部を示す断面図である。
MBE法により、半絶縁性の、GaAs単結晶基板40上にSnを7×1018原子/cm3ドーピングしたInSb層41(n+層、第1化合物半導体層)を1.0μm成長し、この上にZnを6×1016原子/cm3ドーピングしたInSb層42(π層、第2化合物半導体層)を1.0μm成長し、この上にAlの組成がX=0.2(20%)であり、Znを2×1018原子/cm3ドーピングしたAl0.2In0.8Sb層43(バリア層、第3化合物半導体層)を成長し、この上にZnを2×1018原子/cm3ドーピングしたInSb層44(p+層、第4化合物半導体層)を0.5μm成長した。ここで、Al0.2In0.8Sb層43の膜厚は、15nm、20nm、25nm、40nmとした。また、Snはn型ドーパント、Znはp型ドーパントである。これらの材料はInSbにおいて活性化率が高く、好ましいドーピング材料である。
上記化合物半導体薄膜の積層体を用いて、赤外線センサを作成した。まず、n型ドーピングを行っているInSb層41とのコンタクトを取るための段差形成を行い、次に素子分離のためのメサエッチングを行った。その後、全面をSiN保護膜45で覆った。次にSiN保護膜45の所定の部分を取り除くことによって電極部分のみ窓開けを行い、Ti/AuをEB蒸着し、リフトオフ法により電極46を形成した。このとき、隣り合った素子同士を電気的に直列接続するように電極46を形成した。すなわち、ある素子のInSb層41と、その隣の素子のInSb層44とを電気的に接続するように電極46が形成される。作成した単一素子の受光面積は10μm×10μmであり、GaAs基板40上で702個直列接続している。
赤外線を照射したときの直列接続した素子の開放電圧をセンサの出力電圧として測定した。なお、測定中のセンサ温度は室温(27℃)である。入射する赤外線は500Kの黒体炉を使用して発生させ、センサから10cmの距離に黒体炉を設置した。この様な配置で、センサの基板40側から赤外線を入射した。入射した赤外線のエネルギーは1.2mW/cm2である。センサと黒体炉との間にはチョッピングをするためのチョッパーを設けた。光チョッピングの周波数は10Hzであり、フィルタとしてSiを使用した。
上記センサの出力電圧を直列接続した素子の数である702で割った結果、すなわち素子一個あたりの出力電圧と、AlInSb層(Al0.2In0.8Sb層43)の膜厚との関係を図5に示す。素子一個あたりの出力で比較するのは、各素子の平均化された出力結果となるので、素子作成時のばらつきも平均化され、より化合物半導体薄膜の実力が反映された結果となるからである。
また、上記実験と合わせて素子特性の理論計算も行った。pn接合を持ったダイオードの動作特性は式(2)〜(6)に示す5つの式、すなわち、電子、正孔の電流密度の式及び電子、正孔の連続の式、及びポアッソン方程式を連立して自己無撞着に解くことで得られる。
Figure 0005063929
Figure 0005063929
Figure 0005063929
Figure 0005063929
Figure 0005063929
ここで、Ψは静電ポテンシャル、Jeは電子電流密度、Jhは正孔電流密度、Ndはドナー濃度、Naはアクセプター濃度、De及びDhはそれぞれ電子及び正孔の拡散係数、n及びpはそれぞれ電子及び正孔の密度、μe及びμh はそれぞれ電子及び正孔の移動度、G及びRはキャリアの生成および再結合の割合、ε0、εrはそれぞれ真空および物質の誘電率、qは素電荷であり、xはダイオード中の位置である。
上記理論式より、Al0.2In0.8Sb層43の膜厚が10nm、5nm、3nm、1nmの時のダイオードの電流-電圧特性を計算し、ゼロバイアス時の抵抗値R0を式(7)の式によって求めた。
Figure 0005063929
更に得られた抵抗値に上記実験結果から得られた各素子の光電流値の平均値をかける事でそれぞれの予想出力電圧を得た。ここで、光電流値とは出力電圧をダイオードのゼロバイアスにおける抵抗値で割ったものである。図5には上記理論計算によって得られた出力電圧結果も上記実験の結果と合わせて示した。また、図5に示す点線は上記実験と理論計算によって得られた各結果を滑らかに結ぶように引いた線である。
図5からわかるように、AlInSb層の膜厚が5nm以下になると出力電圧は急激に低下する。これは膜厚が薄くなったため、トンネル効果等によってAlInSb層のキャリアの拡散を防ぐ効果が急激に低下する為である。また、AlInSb層の膜厚が厚い場合、理論計算上では出力の低下は起こらない。しかしながら、図5に示すように実際には膜厚20nmをピークとして、出力は膜厚が厚くなるにつれて徐々に低下していく。AlInSb層の膜厚が厚くなると、下層のInSb層との格子ミスマッチに起因する応力歪にAlInSb層が耐えられなくなり、歪を緩和する為の転位がAlInSb層に発生する。この転位の様な格子欠陥を発生せずに成長できる膜厚を臨界膜厚という。膜厚が、20nmを超えるとこの臨界膜厚を徐々に超える為、格子欠陥が発生し、この様な格子欠陥を介したリーク電流が大きくなる為、センサ出力が低下する。InSb層上のAlInSb層の臨界膜厚は、例えばMatthews and Blakeslee モデルによると、Al組成20%のとき10nm程度である。実際には理論モデルとの差の為実験結果では厚めになっている。
出力電圧は、センサに接続する増幅器において十分に増幅可能である程度の信号ノイズ比(S/N比)を得られる大きさが必要である。この為少なくとも素子一個あたり0.5μVの出力電圧が必要となる。
図5から分かるように、0.5μV以上の出力電圧が得られるAlInSb層の膜厚は2nm以上50nm以下であり、従ってこの範囲がAlInSb層の膜厚として最適であることがわかる。
更に0.65μV以上のより高い出力電圧が得られるAlInSb層の膜厚は3nm以上32nm以下であり、従ってこの範囲がAlInSb層の膜厚としてより最適であることがわかる。
上述のように、引用文献3に記載の赤外線センサによれば、AlInSb層等のバリア層によってリーク電流を軽減することができるので、高出力を得ることができる。このような高出力を安定して得るためには、リーク電流低減の効果を維持することが必要である。すなわち、バリア層によるリーク電流の低減効果が十分に発揮されるようにすることが重要である。当時としては十分に良好に高出力を得ることが可能な引用文献3に記載の赤外線センサに対して、さらに良好に高出力を得るために、本発明の一実施形態では、上記バリア層によるリーク電流低減効果を維持させることを目的の一つとしている。
すなわち、本発明の一実施形態では、バリア層の膜厚を、2nm以上50nm以下、好ましくは3nm以上32nm以下にすることによって、バリア層によるリーク電流の低減効果の低減を抑制することができる。更に、AlInSb層の膜厚が5nm以上24nm以下の範囲は、出力電圧0.7μV以上の出力を維持できる範囲であって、より好ましい範囲である。よって、上記範囲内にバリア層の膜厚を設定することによってバリア層のリーク電流低減効果を良好に維持することができるので、より安定して高出力を得ることができる、すなわち、より良好に高出力を得ることができる。
同様に、本発明者等は、バリア層としての上記AlInSb層の組成に関しても検討を行い、赤外線センサの高出力を得る為のAlxIn1-xSb層のより最適なAl組成範囲を見出した。以下ではこの検討内容について具体的に記述する。
上述の組成検討の例と同様の構造のセンサを用い、そのAlInSb層の膜厚を、上記の膜厚検討において最も出力の高い20nmとし、AlxIn1-xSb層のAl組成をX=0.15、0.17、0.20と変化させてAlInSb層の最適Al組成の検討を行った。
上記膜厚検討の場合と同様の手順で赤外線センサを作成し、同様の測定方法によってセンサの出力電圧を測定した。図6には上記各Al組成のセンサの出力電圧を、直列接続した素子の数である702で割った結果、すなわち素子一個あたりの出力を、AlInSb層のAl組成に対して示す。図6に示す点線は上記実験によって得られた各結果を滑らかに結ぶように引いた線である。
図6の結果から分かるように、Alの組成が0.17より大きくても、小さくてもセンサの出力は減少している。
ここで、InSbとAlSbの混晶であるAlInSbは図7に示すようにAlの組成をわずかに増やすだけで大きなバンドギャップを得ることが出来、Al組成0.05以上で0.25[eV]以上のバンドギャップを得ることが出来る。前述したように、電子の拡散を効果的に抑制する為にはバンドギャップはなるだけ大きいほうが好ましい。
しかしながら、図6に示されるように実際のセンサ出力はAl組成が0.17付近をピークに減少する。これはAl組成が増えると、下層のInSb層との格子ミスマッチが大きくなり、これに起因してAlInSb層中に結晶欠陥が増加するため、結晶欠陥を介したリーク電流が増加する為である。一方、Al組成がX=0.15となると、格子ミスマッチは小さくなるにもかかわらず、センサ出力が急激に減少する。これは、Alの組成が小さくなるとバンドギャップエネルギーが小さくなることに加えて、下層のInSb層との格子ミスマッチが小さくなったことにより、AlInSb層の格子歪が小さくなった結果、今度は下地のInSb層の貫通転位の影響を受けやすくなる為である。すなわち、AlInSb層の格子歪によって止められていたInSb層からの貫通転位をAlInS層が止めることが出来なくなり、結果としてAlInSb層にも多くの転位が入るようになった結果、この転位欠陥を通してリーク電流が発生するようになる為である。
従って、図6の結果から、膜厚検討の場合と同様に0.5μV以上の出力電圧を得る為のAl組成範囲を求めると0.16≦X≦0.22であり、この範囲が最適なAl組成範囲であることがわかる。更に0.65μV以上のより高い出力電圧が得られるAlの組成範囲は0.163≦X≦0.204であり、従ってこの範囲がAl組成範囲としてより最適であることがわかる。さらに0.164≦X≦0.2の範囲は0.7μV以上の高い出力電圧を得ることが出来る為、より好ましい範囲である。
すなわち、本発明の一実施形態において、Al組成範囲を、0.16≦X≦0.22、好ましくは0.163≦X≦0.204とすることによって、バリア層によるリーク電流の低減効果の低減を抑制することができる、すなわち、リーク電流の低減効果を維持することができ、より安定な高出力を得ることができる。
次に本発明者等は、バリア層としての上記AlInSb層の検討と同様の赤外線センサ構造を用いて、π層のp型ドーピング濃度がセンサの出力に与える影響に関して検討を行い、より最適なp型ドーピング濃度の範囲を見出した。以下で、この検討内容に関して説明する。
上述のAlInSb層検討の例と同様の構造のセンサを用い、そのAlxIn1-xSb層の膜厚及びAl組成を、それぞれ20nm、X=0.17、とし、π層のZnドーピング濃度を1.6×1016 〜1.6×1017原子/cm3の範囲で変化させて最適なπ層のp型ドーピング濃度の検討を行った。なお、InSb中のZnの活性化エネルギーは約0.01eVと非常に小さく、活性化率も高いため、Znドーピング濃度はp型ドーピング濃度と同じであると考えてよい。
上記AlInSb層検討の場合と同様の手順で赤外線センサを作成し、同様の測定方法によってセンサの出力電圧を測定した。図8にはπ層のZn(p型)ドーピング濃度を変えた各センサの出力電圧を、直列接続した素子の数である702で割った結果、すなわち素子一個あたりの出力を、Znのドーピング濃度に対して示す。図8に示す点線は上記実験によって得られた各結果を滑らかに結ぶように引いた線である。
π層のp型ドーピング濃度はπ層のフェルミエネルギーの位置を変化させる。例えば、ドーピング濃度が小さくなると、フェルミエネルギーは禁制帯の上側、すなわち伝導体側にシフトする。この結果、図3のバンドエネルギー図からも分かるようにπ層(第2化合物半導体層)とn層(第1化合物半導体層)とのポテンシャル差が小さくなる。この為、π層において発生した電子はn層から逆拡散しやすくなり、また正孔もn層側へ拡散しやすくなる。すなわち、先に述べた拡散電流が大きくなる為センサの出力電圧は小さくなる。これは図8にも現れており、6×1016原子/cm3より小さいZn濃度では出力が次第に低下している。一方で、ドーピング濃度を大きくしていくと拡散電流は小さくなるが、高濃度にドーピングすることで発生したキャリアの寿命が短くなり、また、n層とπ層との間でバンド間トンネル効果が起こりやすくなるために、結果として光発生電流の低下、及びリーク電流の増加が起こり、やはり出力電圧は低下する。図8でも6×1016原子/cm3より大きいZn濃度では出力が次第に低下している。
従って、π層のp型ドーピング濃度には最適値があり、AlInSb層の検討の場合と同様に0.5μV以上の出力電圧を得る為のp型ドーピング濃度の範囲を求めると図8から分かるように1.6×1016 原子/cm3以上3.0×1017 原子/cm3以下であり、この範囲が最適なp型ドーピング濃度の範囲であることがわかる。更に0.65μV以上のより高い出力電圧が得られるp型ドーピング濃度の範囲は2.0×1016 原子/cm3以上2.0×1017 原子/cm3以下であり、従ってこの範囲がp型ドーピング濃度の範囲としてより最適であることがわかる。更に、4.0×1016原子/cm3以上1.0×1017原子/cm3以下の範囲は1μV以上の非常に高い出力電圧を得ることが出来る為より好ましい範囲である。
以上説明したように、上記赤外線センサの化合物半導体の積層構造において、センサのリーク電流を減らし、信号強度を上げるためのバリア層であるAlInSb層の組成および膜厚に関して、信号出力強度への影響とより最適な範囲を明らかにし、同様にセンサ出力に大きく影響するπ層のより最適なドーピング濃度範囲を明らかにしたことで、従来よりも出力信号が大きい赤外線センサ構造を提供することが可能となる。
なお、上述では、n層である第1化合物半導体層としてn型ドーピングされたInSbを用いているがこれに限定されず、In(インジウム)およびSb(アンチモン)を含み、n型ドーピングされた材料であれば、いずれの材料であっても良い。また、π層である第2化合物半導体層としてp型ドーピングされたInSbを用いているがこれに限定されず、他にInAsSb、InSbNなどInおよびSbを含み、p型ドーピングされた材料であれば、いずれの材料であっても良い。なお、第2化合物半導体層は、ノンドープであっても良い。
また、バリア層である第3化合物半導体層としてπ層よりも高濃度にp型ドーピングされたAlxIn1-xSb層を用いているがこれに限定されず、AlInSb、GaInSb、またはAlAs、InAs、GaAs、AlSb、GaSb及びそれらの混晶のいずれか等、第2化合物半導体層よりも高濃度にp型ドーピングされ、かつ第1化合物半導体層および前記第2化合物半導体層よりも大きなバンドギャップを有する材料であれば、いずれの材料であっても良い。さらに、p+層である第4化合物半導体層として、第3化合物半導体層と同等の濃度にp型ドーピングされたInSbを用いているがこれに限定されず、InおよびSbを含み、第3化合物半導体層と同等、あるいはそれ以上の濃度にp型ドーピングされた材料であれば、いずれの材料であっても良い。
本発明の実施形態にかかる赤外線センサの化合物半導体の積層構造を示す断面図である。 本発明の他の実施形態にかかる赤外線センサの化合物半導体の積層構造を示す断面図である。 本発明の図2に示す化合物半導体の積層構造のエネルギーバンド図の例である。 本発明の実施形態にかかる702個の単一素子をシリーズ接続した赤外線センサの一部の構造を示す断面図である。 本発明の赤外線センサのAlInSb層の膜厚に対するセンサ出力を示す図である。 本発明の赤外線センサのAlInSb層のAl組成に対するセンサ出力を示す図である。 AlInSb層のAl組成に対するバンドギャップの大きさを示す図である。 本発明の赤外線センサのπ層のp型ドーピング濃度に対するセンサ出力を示す図である。
符号の説明
10 GaAs基板
11 n型ドーピングされたInSb層
12 p型ドーピングされたInSb層
13 π層よりも高濃度にp型ドーピングされたAlxIn1-xSb層
14 π層よりも高濃度にp型ドーピングされたInSb層

Claims (9)

  1. 基板と、該基板上に形成された複数の化合物半導体層が形成された化合物半導体の積層体とを備え、
    前記化合物半導体の積層体は、
    該基板上に形成された、インジウム及びアンチモンを含み、n型ドーピングされた材料である第1化合物半導体層と、
    該第1化合物半導体層上に形成された、インジウム及びアンチモンを含み、p型ドーピングされた材料である第2化合物半導体層と、
    該第2化合物半導体層上に形成された、前記第2化合物半導体層よりも高濃度にp型ドーピングされ、かつ前記第1化合物半導体層、及び前記第2化合物半導体層よりも大きなバンドギャップを有する材料である第3化合物半導体層とを備え、
    前記第3化合物半導体層の膜厚が、2nm以上50nm以下であり、
    前記第2化合物半導体層のp型ドーピング濃度が、4×1016(原子/cm)以上1×1017(原子/cm)以下であることを特徴とする赤外線センサ。
  2. 前記第3化合物半導体層の膜厚が、3nm以上32nm以下であることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ。
  3. 前記第1化合物半導体層はInSbであり、前記第2化合物半導体層は、InSb、InAsSb、InSbNのいずれかであり、前記第3化合物半導体層は、AlInSb、GaInSb、またはAlAs、InAs、GaAs、AlSb、GaSb及びそれらの混晶のいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の赤外線センサ。
  4. 前記第3化合物半導体層はAlIn1−xSb(0<x<1)であり、
    前記AlIn1−xSbの組成が、X=0.16以上、X=0.22以下であることを特徴とする請求項1または2記載の赤外線センサ。
  5. 前記AlIn1−xSbの組成が、X=0.163以上、X=0.204以下であることを特徴とする請求項4記載の赤外線センサ。
  6. 前記第1化合物半導体のn型ドーパントはSnであり、前記第2化合物半導体及び前記第3化合物半導体のp型ドーパントはZnであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の赤外線センサ。
  7. 前記第3化合物半導体層上に形成された、インジウム及びアンチモンを含み、該第3化合物半導体層と同等か、またはそれ以上の濃度にp型ドーピングされた材料である第4化合物半導体層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の赤外線センサ。
  8. 前記第4化合物半導体層はInSbであることを特徴とする請求項7記載の赤外線センサ。
  9. 前記第4化合物半導体及び前記第3化合物半導体のp型ドーパントはZnであることを特徴とする請求項7または8記載の赤外線センサ。
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