JP2018100959A - 検出器、ならびに、検出器の校正方法、補正方法、検出装置 - Google Patents

検出器、ならびに、検出器の校正方法、補正方法、検出装置 Download PDF

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晃央 小谷
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田鶴子 北澤
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Abstract

【課題】赤外線検出器における検出スペクトルなどを含む検出器の検出波長のバラつきを校正または補正可能な検出器、ならびに、赤外線検出器における検出スペクトルなどを含む検出器の検出波長のバラつきを校正または補正する方法を提供する。
【解決手段】量子井戸または量子ドットを含む活性層を備え、前記活性層に電圧を印加することで検出波長をシフト可能な検出器であって、前記検出波長がシフトする範囲内に、前記検出波長を校正または補正する基準として参照するための参照波長を有する検出器、ならびに、当該検出器を用いて、参照波長を基準として検出波長を校正または補正する方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線などを検出可能な検出器、ならびに、検出器の校正方法または補正方法、検出装置に関する。
赤外線を検出する赤外線検出器として、従来より、中間層と、中間層よりバンドギャップが狭い複数の量子ドットを有する量子ドット層とが交互に積層されてなる積層体を有し、積層体に赤外線を照射した際に量子ドット内の電子の励起によって生じる光電流を検出することにより赤外線を検出する、量子ドット型の赤外線検出器が知られている。
たとえば特開2009−65141号公報(特許文献1)には、中間層と、前記中間層よりバンドギャップが狭い複数の量子ドットを有する量子ドット層とが交互に積層されてなる積層体を有し、前記積層体に赤外線を照射した際に生じる光電流を検出することにより赤外線を検出する赤外線検出器において、前記量子ドット層の一方の側に設けられ、前記中間層よりもバンドギャップが広い第1の障壁層と、前記量子ドット層の他方の側に設けられ、前記中間層よりもバンドギャップが広い第2の障壁層とを更に有する赤外線検出器が開示されている。このような特許文献1に開示された赤外線検出器によれば、所望の長波長特性を実現しつつ、暗電流が少なく、かつ、十分な感度を有する赤外線検出器を実現することができるという利点がある。
特開2009−65141号公報
しかしながら、量子ドット赤外線検出器(QDIP:Quantum Dot Infrared Photodetector)、量子井戸赤外線検出器(QWIP:Quantum Well Infrared Photodetector)などのサブバンド間遷移を利用した赤外線検出器において、吸収エネルギーは、量子構造に閉じ込められる電子の基底準位と、遷移先である励起準位との差により決まる。この基底準位及び励起準位の位置は量子構造そのもの(形状、組成)に対して、非常に敏感であり、たとえば、量子ドットの高さが1分子層変化するだけで波長が0.05μm変化する場合もある。一般的に量子ドットを用いた光検出器に用いられている量子ドットの密度は1010〜1012cm−2である。現在の量子ドット作製技術において、均一な量子ドットを形成することは非常に困難であるため、量子ドット赤外線検出器の吸収スペクトル(検出スペクトル)はある種の幅(量子ドット構造のバラつきに起因)を持つことが知られている。たとえば、赤外線検出器の面積あたりの量子ドット構造(組成や形状)の平均および分散が1枚のウエハ全面にわたり同一であれば、前述のウエハにより作製される複数の赤外線検出器の検出スペクトル中心及び幅はすべて均一になる。しかしながら、現実的には量子ドット形成装置の温度バラつきや原料供給バラつきなどにより上述の量子ドット構造の平均や分散がウエハの場所により異なることが一般的に知られている。また、量子ドット形成装置内の汚れなどにより、同じ装置であってもロットにより上述の量子ドット構造が異なるため、検出スペクトルが赤外線検出器ごとに異なり、バラつきが大きいという課題があった。これは、たとえば量子ドットのサイズ、密度、量子井戸などの量子構造の製造誤差に起因するものと考えられる。熱源の検知のみを目的とする応用であれば、上記バラつきの影響は小さいが、たとえば非接触温度計やサーモグラフィなど、検出ピークの波長がその精度に大きな影響を有するデバイスへの応用を考えると、製造誤差による検出ピークのバラつきは大きな問題となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、赤外線検出器における検出スペクトルなどを含む検出器の検出波長のバラつきを校正または補正可能な検出器、ならびに、赤外線検出器における検出スペクトルなどを含む検出器の検出波長のバラつきを校正または補正する方法を提供することである。
本発明は、量子井戸または量子ドットを含む活性層を備え、前記活性層に電圧を印加することで検出波長をシフト可能な検出器であって、前記検出波長のシフト可能な波長領域内に、前記検出波長を校正または補正する基準として参照するための参照波長を有することを特徴とする。本構成によれば、参照波長を用いて、検出波長を校正または補正することができ、高精度な検出器となる。
本発明の検出器は、前記参照波長を基準として検出波長を校正または補正するように構成されているものであることが好ましい。本構成によれば、検出波長が正確であるため、測定精度が高くなる。一方で、生産時のバラつきを吸収できるため、生産工程でかかるコストを低減できる。
本発明の検出器において、前記参照波長は検出器の検出値が極大値、極小値、立上りエッジまたは立下りエッジとなるときの波長であることが好ましい。本構成によれば、参照波長が容易に測定できる。たとえば、発光ピーク、吸収ピークを参照波長とできる。この場合、前記検出値が極大値、極小値、立上りエッジまたは立下りエッジとなるときに活性層に印加されている電圧値を用いて検出波長を校正または補正するように構成されていることが好ましい。本構成によれば、印加する電圧と波長との関係が明確になる。
本発明の検出器は、活性層に印加する電圧値が、印加する電圧範囲の略中央である中央値で検出される波長を参照波長とし、検出器の検出値が極大値、極小値、立上りエッジまたは立下りエッジとなるときに活性層に印加されている電圧値と中央値との差をオフセット電圧とするように構成されていてもよい。本構成によれば、素子ごとのバラつきが発生したことにより、参照するピークが印加電圧の範囲外になってしまう可能性が低くなる。
本発明の検出器は、複数の参照波長を用いて検出波長を校正または補正するように構成されていてもよい。本構成によれば、より正確に波長を校正または補正することができる。この場合、活性層に印加する電圧値が0V以外である場合に検出される波長を参照波長の1つとするように構成されていてもよい。
本発明の検出器は、赤外線を検出可能な検出器であり、前記参照波長が気体に特有な吸収スペクトルであることが好ましい。この場合、前記気体が空気中に含まれる気体であることがより好ましく、前記気体が二酸化炭素または水蒸気であることが特に好ましい。本構成によれば、空気中の気体の吸収ピーク波長を用いれば、簡便に校正または補正を行うことができる。
また本発明の検出器において、前記参照波長は発光ピークであってもよい。本構成によれば、参照波長が容易に決定できる。
本発明は、上述した本発明の検出器を用いて、参照波長を基準として検出波長を校正する、検出器の校正方法についても提供する。
本発明はまた、上述した本発明の検出器を用いて、参照波長を基準として検出波長を補正する、検出器の補正方法についても提供する。
本発明はまた、上述の検出器を複数含み、それぞれの検出器の参照波長が同一である検出装置であってもよい。本構成によれば、検出装置の製造バラつきの校正または補正を簡便かつ効率的に行うことができ、ユーザーへ提供する測定結果に誤差が出ることを防ぐことができる。
本発明によれば、製造誤差に起因して検出スペクトルにバラつきがある赤外線検出器などの検出器において、当該バラつきを校正または補正によって簡便に補償することができる検出器、ならびに、当該検出器の校正方法または補正方法を提供することができる。
本発明の赤外線検出器の校正方法を模式的に示す図である。 図2(a)は本発明の好ましい一例の赤外線検出器11A,11Bを模式的に示す図であり、図2(b)は図2(a)を一部拡大して示す図である。 図2(a)に示した赤外線検出器11Aの電極16A,17Aを電源18Aに電気的に接続した状態を模式的に示す図である。 図3に示した赤外線検出器11Aに様々な電圧を印加した際の検出ピークを模式的に示す検出スペクトルである。 図5(a)は二酸化炭素(CO)の赤外透過スペクトルであり、図5(b)は図4に示した検出スペクトルに二酸化炭素(CO)の吸収線を重ねて示した図であり、図5(c)は、赤外線検出器11Aに印加する電圧値Vを変化させながら外光(太陽光)の信号(検出信号)を検出した結果を示すグラフである。 図2(a)に示した赤外線検出器11Aの電極16A,17Aを電源18Aに電気的に接続し、かつ、赤外線検出器11Bの電極16B,17Bを電源18Bに電気的に接続した状態を模式的に示す図である。 図7(a)は、図6に示した赤外線検出器11A,11Bにおいて電圧を印加しない状態(V〜0V、V〜0V)の各検出ピークを示す検出スペクトルに二酸化炭素(CO)の吸収ピーク波長を重ねて示す図であり、図7(b)は、赤外線検出器11A,11Bに印加する電圧値V,Vを変化させながら外光(太陽光)の信号(検出信号)を検出した結果を示すグラフである。 図8(a),(b)は、太陽光を検出した際の赤外線検出器11A,11Bの検出スペクトルである。 本発明の好ましい他の例の赤外線検出器31を模式的に示す図である。 本発明の赤外線検出器におけるブロック図の一例である。 本発明の赤外線検出器におけるブロック図の他の例である。 実施形態1の赤外線検出器の制御の例を示すフローチャートである。 実施形態4の赤外線検出器の制御の例を示すフローチャートである。 実施形態5の赤外線検出器の制御の例を示すフローチャートである。
<実施形態1>
本発明は、量子井戸または量子ドットを含む活性層を備え、前記活性層に電圧を印加することで検出波長をシフト可能な検出器であって、前記検出波長のシフト可能な波長領域内に、前記検出波長を校正または補正する基準として参照するための参照波長を有することを特徴とする。また本発明の検出器は、前記参照波長を基準として検出波長を校正または補正するように構成されていることが好ましい。まず、本発明の検出器の一例として赤外線検出器を挙げ、当該赤外線検出器を校正する場合(赤外線検出器の校正方法)について説明する。本実施形態においては、印加電圧の範囲を例として−1Vから+1Vとし、この略中央値である0Vが参照波長に対応しているが、参照波長が印加電圧の範囲の略中央値であれば、これに限らない。
ここで、図1(a)は、本発明の赤外線検出器の校正方法を適用する前の状態の赤外線検出器で検出された検出ピーク、図1(b)は、本発明の赤外線検出器の校正方法を適用した状態の赤外線検出器で検出された検出ピークをそれぞれ模式的に示している。図1(a),(b)において、縦軸は検出信号、横軸は波長(単位:μm)を示している。図1(a)に示す例において、たとえば、左側の検出ピーク1Aは、赤外線検出器A(量子ドットのサイズが小さい、または、量子井戸の幅が狭い)により検出された検出ピークであり、右側の検出ピーク1Bは、赤外線検出器B(量子ドットのサイズが大きい、または、量子井戸の幅が広い)により検出された検出ピークを示しているものとする。
本発明の赤外線検出器の校正方法は、活性層(光吸収層)に量子井戸または量子ドットを含む赤外線検出器に適用することを前提とする。活性層に量子井戸または量子ドットを含む赤外線検出器は、印加する電圧によって検出ピークの位置をシフトさせることができる。本発明においては、このような活性層に量子井戸または量子ドットを含む赤外線検出器を校正する方法であって、所定値(オフセット値)の電圧を赤外線検出器に印加するステップを含むことを特徴とする。
ここで、図1(a)において、実線2Aは、赤外線検出器Aにおいて電圧の印加によりシフト可能な波長領域を示しており、点線2Bは、赤外線検出器Bにおいて電圧の印加によりシフト可能な波長領域を示している。図1(a)では、赤外線検出器A,Bともに、電圧を印加していない状態(すなわち、赤外線検出器Aの印加電圧値(V=0V)、赤外線検出器Bの印加電圧値(V=0V))の検出スペクトル1A,1Bをそれぞれ示している。
本発明の赤外線検出器の校正方法は、基準となる吸収線(参照波長)から、前記オフセット値を決定するステップを含むことが好ましい。図1(b)に示す例では、参照波長3に検出ピークのピーク値が重なるように赤外線検出器に印加する電圧値(オフセット値:VOFF)を決定し、赤外線検出器A,Bにそれぞれ決定された電圧値の電圧を印加し(ここで、赤外線検出器Aの印加電圧値(V=VA0)、赤外線検出器Bの印加電圧値(V=VB0)であるものとする)、検出ピーク1Aの位置を図1の紙面に関し右側に、検出ピーク1Bの位置を図1の紙面に関し左側にシフトさせる。
本発明の赤外線検出器の校正方法において、前記参照波長は、特に制限されないが、気体に特有な吸収スペクトルの吸収ピーク波長であることが好ましい。ここで、図1(b)に示す参照波長3は、気体に特有な吸収スペクトルの吸収ピーク波長を示している。また、本発明の赤外線検出器の校正方法は、前記気体に特有な吸収スペクトルを含む特定の波長領域における検出ピークを検出するステップを含むことが好ましい。本発明において、「特定の波長領域」は、電圧の印加によって検出ピークの位置をシフト可能な波長範囲を指し、気体に特有な吸収スペクトルにおける吸収ピーク波長を中心とした、2μm〜7μmの範囲の波長領域であることが好ましく、3μm〜5μmの範囲の波長領域であることがより好ましい。
なお、本発明の赤外線検出器の校正方法は、活性層に量子井戸または量子ドットを含む赤外線検出器にオフセット値の電圧を印加して赤外線検出器の校正を行えばよく、参照波長から前記オフセット値の電圧を決定するステップを必ずしも含んでいなくともよい。すなわち、製造バラつきなどを有する赤外線検出器の個体ごとにずれ量を事前に計測(特定)しておき、オフセット値の電圧を赤外線検出器に印加して校正するようにしてもよい。
本発明の検出器としては、活性層に量子ドットを含む量子ドット赤外線検出器(QDIP)、活性層に量子井戸を含む量子井戸赤外線検出器(QWIP)などのサブバンド間遷移を利用した赤外線検出器が好適な例として挙げられる。これらの赤外線検出器は、比較的狭い検出スペクトル線幅を有し、また、電圧の印加により検出ピークの位置をシフト可能であるという特徴を有する。その一方で、これらの赤外線検出器は、上述のように量子ドットのサイズ、密度、量子井戸などの量子構造の製造誤差に起因して、図1(a)に示したように、検出スペクトルにバラつきが生じる。なお、上述した例では、気体に特有な吸収スペクトルのうちいずれかの吸収ピーク波長が、検出波長を校正または補正する基準として参照するための「参照波長」に該当することとなる。
ここで、図2は、本発明の好ましい一例の赤外線検出器11A,11Bを模式的に示す図である。たとえば図2(a)には、半絶縁性GaAsからなる基板12上に、n−GaAsからなる下部コンタクト層13Aと、n−GaAsからなる上部コンタクト層15Aと、AuGe/Ni/Auからなる電極16A,17Aと、InAs量子ドット/AlGaAs(AlGa1−xAs(ここで、0<x<1.0))/GaAs(n−GaAs)マトリックス14Aから構成された量子ドット赤外線検出器11A、ならびに、n−GaAsからなる下部コンタクト層13Bと、n−GaAsからなる上部コンタクト層15Bと、AuGe/Ni/Auからなる電極16B,17Bと、InAs量子ドット/AlGaAs(AlGa1−xAs(ここで、0<x<1.0))/GaAs(n−GaAs)マトリックス14Bから構成された量子ドット赤外線検出器11Bが形成された例を示している。
ここで、図2(b)は図2(a)におけるInAs量子ドット/AlGaAs/GaAsマトリックス14Aを一部拡大して示す図である。図2には、4μm近傍の検出ピークを有するような赤外線検出器を構成する場合を例示しており、たとえば、InAs量子ドット21の高さD1は5nm、ピラミッド形状の底辺長さD2は25nmである。図2(b)に示す例では、このようなInAs量子ドット21は、その周囲がAlGaAs層22で覆われており、さらに、このInAs量子ドット/AlGaAs層が、GaAs層23により隔てられ、たとえば30層順次積層されて、InAs量子ドット/AlGaAs/GaAsマトリックス14Aが形成されている。ここで、AlGaAs層22の厚みD3は10nmであり、AlGaAs層22中において、量子ドット21の上側頂上および下側底からそれぞれ厚み2.5nmで量子ドット21を覆っている(すなわち、2.5nm(量子ドット21の上側頂上を覆う部分の厚み)+5nm(量子ドット21の高さD1)+2.5nm(量子ドット21の下側底を覆う部分の厚み)=10nm(AlGaAs層22の厚みD3))。また、図2(b)に示す例において、GaAs層23の厚みD4は、30nmである。
図3は、図2(a)に示した赤外線検出器11Aの電極16A,17Aを電源18Aに電気的に接続した状態を模式的に示す図である。図3に示すように、電源18Aより、電極16A,17Aに電圧Vが印加されると、赤外線検出器11Aに電流Iが流れる。この際、赤外線検出器11Aの検出波長に対応する赤外光L1が外部から入射すると、当該赤外光L1が未照射の場合と比較して電流が増加し、検出信号となる。本明細書においては、この増加分を「光電流」と呼称する。
図4は、図3に示した赤外線検出器11Aに様々な電圧を印加した際の検出ピークを模式的に示す検出スペクトルである。図4において、縦軸は検出信号、横軸は波長(単位:μm)である。図4に示すように、特定の波長(印加する電圧範囲の略中央である中央値で検出される波長。例えば、V〜0V近傍(厳密には0Vではない)では4.2μm)に検出ピークを有する検出スペクトルが現れる。これは、赤外光が量子ドットのサブレベル間吸収を引き起こし、光電変換が生じるためである。ここで、赤外線検出器11Aに印加する電圧の電圧値Vを変化させると、電子のエネルギー準位が変化するため検出ピークの位置はシフトする。たとえば、図4に示すようにV〜0V近傍で検出ピークが4.2μmとなる赤外線検出器の場合、V=1Vの場合には検出ピークは4.5μm、V=−1Vの場合には3.9μmとなり、±0.3μmシフトさせることができる。
ここで、図5(a)は二酸化炭素の赤外透過スペクトルであり、図5(b)は図4に示した検出スペクトルに二酸化炭素(CO)の吸収ピーク波長を重ねて示した図であり、図5(c)は、赤外線検出器11Aに印加する電圧値Vを変化させながら外光(太陽光)の信号(検出信号)を検出した結果を示すグラフである。図5(c)において、縦軸は検出信号、横軸は電圧(単位:V)である。図5(a)に示されるように、二酸化炭素は、2350(1/cm)=4.25μmを強く吸収する。この二酸化炭素(CO)の吸収ピーク波長を図4に示した検出スペクトルに重ねると、図5(b)に示すように、二酸化炭素の吸収ピーク波長は、V〜0Vの場合の検出ピークとV=1Vの場合の検出ピークとの間に存在する。したがって、赤外線検出器に印加する電圧値Vを変化させながら外光(太陽光)の信号(検出信号)を検出すると、図5(c)のようになる。すなわち、赤外線検出器11Aからの検出信号(検出スペクトルの積分値)が二酸化炭素の吸収に一致するV=0.07Vにおいて減少する。これは、4.25μmの光は赤外線検出器に到達する前に二酸化炭素に吸収されるためである。この二酸化炭素の吸収ピーク波長に一致する電圧Vの値(図5(c)に示す例では0.07V)をVとする。
図6は、図2(a)に示した赤外線検出器11Aの電極16A,17Aを電源18Aに電気的に接続し、かつ、赤外線検出器11Bの電極16B,17Bを電源18Bに電気的に接続した状態を模式的に示す図である。また図7(a)は、図6に示した赤外線検出器11A,11Bにおいて電圧を印加しない状態(V〜0V、V〜0V)の各検出ピークを示す検出スペクトルに二酸化炭素(CO)の吸収ピーク波長を重ねて示す図であり、図7(b)は、赤外線検出器11A,11Bに印加する電圧値V,Vを変化させながら外光(太陽光)の信号(検出信号)を検出した結果を示すグラフである。図2(a)に示したような1つの基板12上に2つの赤外線検出器11A,11Bが集積された赤外線検出器アレイにおいて、たとえば、図7(a)に示すように、製造誤差の影響により赤外線検出器11Aは4.1μm、赤外線検出器11Bは4.3μmに検出ピークを有するものとする。このとき、赤外線検出器11Aおよび赤外線検出器11Bにそれぞれ印加する電圧値Vおよび電圧値Vを変化させながら外光(太陽光)を検出すると、それぞれ図7(b)に示すような検出信号が得られる。すなわち、赤外線検出器11Aでは0.07V(=VA)で二酸化炭素の吸収による検出信号の減少がみられ、赤外線検出器11Bでは−0.03V(=VB)で二酸化炭素の吸収による検出信号の減少がみられる。ここで、赤外線検出器11A,11Bに印加する電圧値Vの基準をそれぞれVA、VBとし、赤外線検出器11A,11Bに印加する電圧をVA、VBからの差分(ΔVA、ΔVB)とすれば、ΔVA=ΔVBのとき、赤外線検出器11A,11Bの検出ピーク波長は略一致することになる。これはすなわち、VA、VBが所定値(オフセット値)であり、この所定値(オフセット値)を印加しながら赤外線検出器11A,11Bにかける電圧を掃引することが、ΔVA、ΔVBを掃引することに対応する。
図8(a),(b)は、太陽光を検出した際の赤外線検出器11A,11Bの検出スペクトルである。図8(a)において、縦軸は赤外線検出器11Aの検出信号、横軸はV からの差分の電圧値(ΔV)であり、図8(b)において、縦軸は赤外線検出器11Bの検出信号、横軸はV からの差分の電圧値(ΔV)である。図8(a),(b)から分かるとおり、ΔVおよびΔVを基準にすることにより、赤外線検出器11Aおよび赤外線検出器11Bの製造誤差に起因する検出ピークの差を電圧の印加による検出ピークの位置のシフトにより簡便に補償することが可能になる。すなわち、本発明の赤外線検出器の校正方法では、気体に特有な吸収スペクトルの吸収ピーク波長を赤外線検出器に印加する電圧の基準電圧とすることで、個々の赤外線検出器における検出ピークのバラつきを補正することが好ましく、この際、基準電圧からの差分を電圧値として赤外線検出器に印加して検出ピークの位置をシフトさせることで、電圧印加の際の波長方向の検出ピークのバラつきを防ぐことができる。また、前記基準電圧の際の検出信号から、各赤外線検出器の感度バラつきを検出し、各赤外線検出器の感度バラつきを補償するように信号処理を行うようにすることが好ましい。このようにすることで、複数の検出器でそれぞれ別の波長を検出して比較する場合や、アレイ化してイメージングする場合などに、検出波長のバラつきによって、ユーザーへ提供する測定結果に誤差が出ることを防ぐことができる。
本発明の検出器として、集積化された2つの赤外線検出器11A,11Bを例に挙げたが、3つ以上の赤外線検出器が集積されていてもよいし、集積化されていない複数の赤外線検出器の検出波長を揃える目的で本発明の赤外線検出器の校正方法を適用してもよい。また、上述の本発明の検出器を複数含み、それぞれの検出器の参照波長が同一である検出装置であってもよい。このような本発明の検出装置によれば、検出装置の製造バラつきの校正または補正を簡便かつ効率的に行うことができ、ユーザーへ提供する測定結果に誤差が出ることを防ぐことができる。
また、上述した例では、GaAs、InAs、AlGaAs(AlGaInAs)を含むデバイス構造を備える赤外線検出器を例に挙げて説明したが、本発明の検出器は、その他の半導体、例えば、Si、Ge、AlGaInP、AlInGaN等、他の材料系でもよく、また量子ドット構造についても上記材料との組み合わせで適宜選択可能である。
また、赤外線検出器の波長帯についても4.25μm近傍の赤外線について述べたが、例えば、大気の窓である8〜12μmやテラヘルツ帯であってもよい。またサブバンド間吸収ではなく、バンド間吸収を用いることで、可視域、紫外域の波長帯の検出器となる。
さらに、校正に用いた波長として二酸化炭素の吸収ピークの1つである4.25μmを用いた場合を例に挙げて上述したが、本発明の検出器の校正または補正の基準として参照するための参照波長としては二酸化炭素の他の吸収ピークを用いてもよい。また、細かいピークの集合が波長1700(1/cm)=5.88μmおよび1550(1/cm)=6.55μm近傍に存在する水蒸気の吸収ピークを利用してもよい。その他、気体に特有な吸収スペクトルが既知の気体の吸収スペクトルであれば、窒素酸化物(NO)、硫黄酸化物(SO)、アンモニア(NH)などを利用してもよいが、簡易な構成で本発明の赤外線検出器の校正方法を適用する観点からは、空気中に含まれる気体に関連する吸収ピークを利用するのが好ましい。
さらに、本発明において、参照波長は、検出波長のシフト可能な波長領域内にあれば、上述した気体に特有な吸収スペクトルの吸収ピーク波長には限定されない。なお、本発明においては、大気の窓の端、すなわち大気の窓から、大気の窓以外の波長範囲となる境界(立上りエッジまたは立下りエッジ)の波長も検出波長を校正または補正する基準として扱ってもよい。本発明における参照波長は、検出器の検出値が極大値、極小値、立上りエッジまたは立下りエッジとなるときの波長であることが好ましく、検出器の検出値が極小値となるときの参照波長の1つとして、上述した気体に特有な吸収スペクトルの吸収ピーク波長が例示される。またその他の検出器の検出値が極小値となるときの参照波長の例として、光学素子の吸収波長などが挙げられる。また、検出器の検出値が極大値となるときの参照波長の例としては、発光波長、燐光波長、蛍光波長などが挙げられる。発光素子と一体化された検出器であれば、発光素子の発光波長を用いて検出波長を校正または補正することもできる。このように参照波長が検出器の検出値が極大値、極小値、立上りエッジまたは立下りエッジとなるときの波長である場合、本発明の検出器は、検出器の検出値が極大値、極小値、立上りエッジまたは立下りエッジとなるときに活性層に印加されている電圧値を用いて検出波長を校正または補正するように構成されていることが好ましい。
また図9は、本発明の好ましい他の例の赤外線検出器31を模式的に示す図である。図9に示す例の赤外線検出器31は、半絶縁性GaAs(i−GaAs)からなる基板32と、n−GaAsからなる下部コンタクト層33と、n−GaAsからなる上部コンタクト層35と、AuGe/Ni/Auからなる電極36,37と、GaAs量子井戸およびAlGa1−xAsバリアからなる活性層34を含む量子井戸赤外線検出器(QWIP)である。図9に示す例の赤外線検出器31における活性層34は、厚さ8nmのGaAs量子井戸および厚さ15nmのAlGa1−xAsバリアを30周期含むように構成されている。また、図9に示す例の赤外線検出器31では、基板32の端面が45度に研磨されており、45度に研磨された端面から赤外光L3が入射し得るように構成されている。上述のように、活性層に量子ドットを含む量子ドット赤外線検出器(QDIP)だけでなく、図9に示すような活性層に量子井戸を含む量子井戸赤外線検出器(QWIP)に対しても、本発明の赤外線検出器の校正方法を好適に適用することができる。
ここで、図10は、本発明の赤外線検出器におけるブロック図の一例である。図10には、外光(太陽光)にて校正を行う場合を示しており、赤外線検出器は、電流検出信号を流せるようにプリアンプ(トランスインピーダンスアンプ)に電気的に接続され、プリアンプは出力可能に構成されると共に、電圧検出信号を出力するようにドライバ回路に電気的に接続されている。また図10に示す例では、ドライバ回路は、制御信号を流せるようにバイアス回路に電気的に接続され、さらに、バイアス回路はバイアス電圧(印加電圧)を印加可能なように赤外線検出器に電気的に接続されている。
また図11は、本発明の赤外線検出器におけるブロック図の他の例である。図11には、外光(太陽光)の代わりに、装置に備え付けられた赤外線発生器(ランプ)にて校正を行うように構成されている場合が示されている。図11に示す例では、ドライバ回路に電気的に接続された赤外線発生器(ランプ)をさらに備え、赤外線発生器から赤外線検出器に光を送れるように構成されたこと以外は、図10に示したブロック図と同様である。
なお、図10、図11には、赤外線検出器は1個のみを示しているが、複数個の赤外線検出器が集積された赤外線検出器アレイの場合には、ドライバ回路、プリアンプを共通利用することも可能である。
また、図12は、実施形態1の赤外線検出器の制御の一例を示すフローチャートである。たとえば、以下の(1)〜(4)のステップを各素子ごとに行う。
(1)外光(太陽光)または赤外線発生器(ランプ)の光を受光した状態でバイアス電圧(印加電圧)を−1Vから+1Vに掃引して出力の変化を測定(ここで、掃引範囲を−1Vから+1Vとしているが、あくまで例であり、他の範囲でもよい)、
(2)出力の最小値をサーチ(一般的なピークサーチアルゴリズム)(ここで、最小値は、極小値でもよい)、または、検出信号の急激な変化をサーチ(一般的なエッジ検出アルゴリズム)、
(3)最小値、立上りエッジまたは立下りエッジの(絶対)印加電圧をVとする、
(4)目的の波長(Vからの差分電圧ΔVとして与えられる)に対応する印加電圧を加えて出力を測定。
なお、上記(1)〜(3)のステップは、校正の際に毎回行ってもよいし、初期に一度だけ行ってもよい。
なお、上述のように、本発明の赤外線検出器の校正方法は、活性層に量子井戸または量子ドットを含む赤外線検出器に、オフセット値の電圧を印加するステップを含んでいることが好ましい。たとえば、製品出荷前に校正に適正なオフセット値の電圧を測定しておき、当該オフセット値の電圧を記憶させ、使用時に、記憶させたオフセット値の電圧を印加するように構成されていてもよい。また、上述した例のような構成であるとしても、使用のたびに検出ピーク波長を計測するのではなく、製品出荷前に校正に適正なオフセット値の電圧を計測しておき、使用時にオフセット値の電圧を印加するように構成されていてもよい。さらに、校正用のアタッチメントを取り付け可能に赤外線検出器が構成されていてもよい。すなわち、校正用のアタッチメントを取り付けることで検出ピーク波長を測定して校正に適正なオフセット値の電圧値を更新できるが、校正用のアタッチメントを取り付けない状態で通常は使用する、というように構成されていてもよい。
<実施形態2>
実施形態1では、V〜0V近傍で検出ピークが4.2μmの場合を示していたため、COの吸収ピーク波長が出る電圧Vをオフセット値の電圧(VOFF)として扱うことができた(すなわち、VOFF=V)。一方で、検出感度はある程度の電圧を印加する方が高くなるため、V〜0V近傍では、気体に特有な吸収スペクトルによる検出値の極小値が判別しづらくなる場合がある。本実施形態では、大気の吸収ピーク波長がV〜0Vから離れた電圧値である場合について説明する。0Vから離れたとは、0Vに対し、装置の印加電圧分解能以上の差があればよい。
この場合、参照する気体の吸収ピーク波長を検出するための印加電圧V0の設計値を記憶しておけばよい。そして、所定値(オフセット値)の電圧をVOFF=V−V0とし、実施形態1と同様の方法で校正すればよい。
このように、本発明の検出器は、活性層に印加する電圧値がV〜V0である場合に検出器の検出値が極大値または極小値となる波長を参照波長とし、当該参照波長となるときに活性層に印加されている電圧値VとV0との差をオフセット電圧とするように構成されていてもよい。
<実施形態3>
本実施形態では、単一の検出波長だけでなく、複数の検出波長を参照することを説明する。以下、λ1、λ2の2つの波長を参照する場合を例に挙げて説明する。
λ1とλ2に対応する印加電圧の設計値が分かっていれば、λ1を参照することで判明したV1OFFと、λ2を参照することで判明したV2OFFが算出されるが、全波長に対してV1OFFとV2OFFの平均値をVOFFとして適用してもよいし、λ1とV1OFF、λ2とV2OFFから波長とオフセット電圧の関係を線形近似するようにしてもよい。
このように、本発明の検出器は、複数の参照波長を用いて検出波長を校正または補正するように構成されていてもよい。またこの場合、活性層に印加する電圧値がV〜0V以外である場合に検出される波長を参照波長の1つとするように構成されていてもよい。
また、本実施形態では、上述した実施形態2のように印加電圧の設計値を記憶しておかなくても、検出波長を校正することができる。すなわち、図12に示したフローチャートにおいてステップ(2)でサーチした極小値のうち、印加電圧値が小さいものを短い波長の参照波長、印加電圧値が大きいものを長い波長の参照波長とし、λ1とV1、λ2とV2から波長と印加電圧の関係を線形近似すればよい。
なお、λ1、λ2は、大気の窓の端で透過率が急激に変化する立上りエッジまたは立下りエッジとなる波長を用いてもよい。
<実施形態4>
本実施形態では、当該所定値(オフセット値)で赤外線検出器を校正するのではなく、赤外線検出器で検出した結果を当該オフセット値で補正する。上述の実施形態では、参照波長を基準として参照した電圧を印加しながら検出波長を測定する「校正」を行う場合を主な例に挙げて説明してきたが、測定結果の電圧値に、参照波長を基準として参照した電圧を差し引きする「補正」を行うようにしてもよい。本発明は、検出器の校正方法だけでなく、検出器の補正方法についても包含するものとする。
ここで、図13は、実施形態4の赤外線検出器の制御の例を示すフローチャートである。たとえば、以下の(1)〜(4)のステップを各素子ごとに行う。
(1)外光(太陽光)または赤外線発生器(ランプ)の光を受光した状態で印加電圧を−1Vから+1Vに掃引して出力の変化を測定、
(2)出力の最小値をサーチ(一般的なピークサーチアルゴリズム)(ここで、最小値は、極小値でもよい)、または、検出信号の急激な変化をサーチ(一般的なエッジ検出アルゴリズム)、
(3)最小値、立上りエッジまたは立下りエッジの(絶対)印加電圧をVとする、
(4)測定結果の印加電圧とVとの差分電圧ΔVを算出し、波長に換算する。
図13に示したフローチャートにおいて、図12に示したフローチャートと異なるのはステップ(4)であり、Vをオフセット値として与えた状態で印加電圧を加えて測定するのではなく、(1)の測定結果の印加電圧の値をVで補正している。
特に赤外線検出器がアレイ化されている場合、個々の素子にオフセット値を設定するよりも、測定後にデータを補正した方が簡便であるというメリットがある。
本実施形態で説明した補正方法は、実施形態1のVが印加電圧範囲の中央値である構成、実施形態2のVが0Vから離れた電圧値である構成、実施形態3の2つの参照波長を参照する構成にも利用することができる。
<実施形態5>
本実施形態では、印加電圧VやVOFFを決定せずに、測定結果を補正する。ここで、図14は、実施形態5の赤外線検出器の制御の例を示すフローチャートである。たとえば、以下の(1)〜(3)のステップを各素子ごとに行う。
(1)印加電圧を−1Vから+1Vに掃引して測定、
(2)出力の最小値をサーチ(一般的なピークサーチアルゴリズム)(ここで、最小値は、極小値でもよい)、または、検出信号の急激な変化をサーチ(一般的なエッジ検出アルゴリズム)、
(3)最小値、立上りエッジまたは立下りエッジが出ている波長を気体に特有な吸収スペクトルの吸収ピーク波長、または立上りエッジ、立下りエッジの波長と一致するよう、印加電圧を波長に変換する。これは、印加電圧を波長に変換する際、オフセット波長を加えることになる。
すなわち、図14に示したフローチャートでは、印加電圧VやVOFFを決定するステップを設けず、そのまま波長に換算している。このようにすることで、ステップ数が少なく、VやV0、VOFFを保持(記憶)する必要がなく簡便であるというメリットがある。
本実施形態で説明した補正方法は、実施形態1の参照波長が印加電圧範囲の中央値に対応する構成、実施形態2の参照波長が印加電圧が0Vから離れた電圧値に対応する構成、実施形態3の2つの参照波長を参照する構成にも利用することができる。
1A 赤外線検出器Aによる検出ピーク、1B 赤外線検出器Bによる検出ピーク、2A 赤外線検出器Aの電圧印加によりシフト可能な波長領域、2B 赤外線検出器Bの電圧の印加によりシフト可能な波長領域、3 気体に特有な吸収スペクトルの吸収ピーク波長、11A,11B 赤外線検出器、12 基板、13A,13B 下部コンタクト層、14A,14B InAs量子ドット/AlGaAs/GaAsマトリックス、15A,15B 上部コンタクト層、16A,16B,17A,17B 電極、21 量子ドット、22 AlGaAs層、23 GaAs層、18A,18B 電源、31 赤外線検出器、32 基板、33 下部コンタクト層、34 InAs量子ドット/AsGaAs/GaAsマトリクス、35 上部コンタクト層、36,37 電極。

Claims (14)

  1. 量子井戸または量子ドットを含む活性層を備え、前記活性層に電圧を印加することで検出波長をシフト可能な検出器であって、
    前記検出波長のシフト可能な波長領域内に、前記検出波長を校正または補正する基準として参照するための参照波長を有する、検出器。
  2. 前記参照波長を基準として検出波長を校正または補正するように構成されている、請求項1に記載の検出器。
  3. 前記参照波長は、検出器の検出値が極大値、極小値、立上りエッジまたは立下りエッジとなるときの波長である、請求項1または2に記載の検出器。
  4. 前記検出値が極大値、極小値、立上りエッジまたは立下りエッジとなるときに活性層に印加されている電圧値を用いて検出波長を校正または補正するように構成されている、請求項3に記載の検出器。
  5. 活性層に印加する電圧値が、印加する電圧範囲の略中央である中央値で検出される波長を参照波長とし、検出器の検出値が極大値、極小値、立上りエッジまたは立下りエッジとなるときに活性層に印加されている電圧値と中央値との差をオフセット電圧とするように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の検出器。
  6. 複数の参照波長を用いて検出波長を校正または補正するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の検出器。
  7. 活性層に印加する電圧値が0V以外である場合に検出される波長を参照波長の1つとするように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の検出器。
  8. 赤外線を検出可能な検出器であり、前記参照波長が気体に特有な吸収スペクトルである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の検出器。
  9. 前記気体が空気中に含まれる気体である、請求項8に記載の検出器。
  10. 前記気体が二酸化炭素または水蒸気である、請求項9に記載の検出器。
  11. 前記参照波長が発光ピークである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の検出器。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の検出器を用いて、参照波長を基準として検出波長を校正する、検出器の校正方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の検出器を用いて、参照波長を基準として検出波長を補正する、検出器の補正方法。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の検出器を複数含み、それぞれの検出器の参照波長が同一であることを特徴とする、検出装置。
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