JP4931475B2 - 紫外線検出素子及び検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基材上の有機物除去等のために用いられる高強度の紫外線ランプの放射照度測定に用いられる紫外線検出素子、特に、真空紫外域に発光の中心波長を有するエキシマランプ及び低圧水銀ランプの放射照度の測定に用いられるダイヤモンド薄膜を用いた紫外線検出器に関する。
近時、液晶テレビ等の薄型テレビの製造工程等において、ガラス基材表面の有機物除去を目的として、紫外線照射が行われている。これは、紫外線の持つ強いエネルギーにより、原子状酸素を生成し、有機物の化学結合を切断し、CO(二酸化炭素)等のガスに変えることで表面を正常にするものである。現在、真空紫外領域内では185nmと254nmに発光波長を持つ低圧水銀ランプと共に、基材の大型化に伴って172nmに中心波長を持つキセノンエキシマランプが急速に普及している。キセノンエキシマランプは、低圧水銀ランプより高いエネルギーを持ち、172nm以外に発光を持たない。従って、投入したエネルギーがすべて紫外線光になり、処理効率が高い。また、低圧水銀ランプ等のように、処理に関係のない波長の紫外線吸収による温度上昇がなく、低温処理が可能であるという特徴を持ち、基材大型化によるライン速度の高速化に対応可能であるだけでなく、熱応力による基板破損を避けることができる。
ところで、このような紫外線ランプを基材の洗浄等に用いる場合には、ランプ照射による有機物除去を確実に行うため、基材表面に一定量以上の紫外線を照射する必要がある。特に、薄型テレビの製造工程等において、ガラス基材を搬送しながら紫外線照射処理を行う場合には、基材はベルトコンベア等に載せられ移動するが、一般に、コンベアの搬送速度が一定のため、当該領域の光をあらかじめ精度よく観測すると共に、紫外線ランプの出力を定期的にモニタして、単位面積あたりの積算照射量が基準の値以上になるように、ランプの出力を調整する必要がある。このような測定には、再現性がよく、長期間にわたって安定したセンサが必要であり、センサには紫外線に対する高い耐久性が求められることとなる。加えて、このようなセンサを用いて安定な工程管理を行うためには、センサの個体差を考慮して、各々のセンサの感度補正(校正)が重要となる。従来は、外国の公的機関等で精密に測定された基準のセンサを用いて、基準センサの出力値と、校正したセンサの出力値とを比較することで感度補正を行っている。
このようなセンサを用いて紫外線の放射照度の測定を行う際には、あらかじめ基準となる紫外線検出器を用いて、まず受光部の位置における光源からの紫外線の照射量(放射パワー、単位:W)を測定して、それを単位面積あたりの放射パワーである放射照度(単位:W/cm)に変換しておく必要がある。具体的には、(1)紫外線を発生する光源を用意する。この光源は照射面積内で場所的な照度むらがないことが望ましい。(2)受光部の位置における放射量を測定するセンサに紫外線を照射し、受光面での放射量を決定する。このセンサはあらかじめ、精密測定等により放射量と出力との関係が既知のものである必要がある。また、その際、センサの受光面は、照射面積よりも大きい必要がある。これは、もしセンサの受光面が照射面積よりも小さいと、全ての放射が受光面に入射せず、正確な照射量を測れないからである。このようにして、基準となる光源からの照射量が一旦決定されると、センサの校正を以下の手順で行うことになる。即ち、(3)校正対象のセンサを、上記基準センサと受光面が同一の位置になるように取り替えて設置して、センサからの出力値を測定する。(4)得られた値を基準となるセンサと比較し、センサの感度を計算する。次に、このセンサを実際の照射装置に取り付け、出力を測定する。得られた値は照射量であるので、センサの面内分布が均一とし、照射量を受光面の面積で割って照度を算出する。この場合は、照射面積はセンサの受光面より大きくないといけない。
ところで、このようにして放射照度(単位面積あたりのパワー)に対する応答を決定したセンサを実際の工場のライン等で用いるのは適切ではない。なぜなら、工場のラインでセンサを用いる場合には、しばしば基準となるセンサによる校正を行うことができないため、一旦感度が決定された後は、その値が変化しないこと(安定性)が必要であるが、従来、このようなセンサとしては、シリコンからなるフォトダイオードを用いるのが一般的であった。
しかしながら、当該センサの紫外線に対する耐久性は不十分であり、長時間の測定には耐えることはできない。つまり、公的機関等で精密測定を行ったとしても、各工場における実使用とともにセンサが劣化して、その出力が減少してしまう。換言すれば、このようなシリコンを用いたセンサを基準として、長期に利用することは測定誤差を招く要因となる。
一方、劣化が問題とならない熱型の検出器もあるが、低温が必要になるなど取り扱いが難しく、ライン等の使用には適当ではない。対象となる基準のセンサをその都度公的機関等で校正することは可能であるが、やりとりが複雑になると共に時間がかかり、現実的ではない。このため、簡便に利用できる安定性の高いセンサを用いて、そのセンサを公的機関等で校正して、社内に保有することが正しい値を維持する現実的な方法となるが、これまで利用可能なセンサは存在しなかった。
近時、ダイヤモンド薄膜を使用した紫外線センサが提案されている(例えば、特許文献1及び2並びに非特許文献1参照)。ダイヤモンド薄膜は、耐熱性及び耐久性に優れ、バンドギャップが広い半導体としての性質を持つため、低コストで、信頼性が高いセンサを実現することができる。このダイヤモンド薄膜を利用した半導体センサは、従来のバンドギャップが狭いシリコン等と波長フィルタとを組み合わせたセンサ素子よりも耐久性に優れており、更に、従来の光電管等を使用したセンサに比べて、小型化及び軽量化ができると共に、複雑な回路構成が不要になるという利点がある。
図4は、特許文献1に記載の従来の紫外線センサを示す平面図である。図4に示すように、本従来例の紫外線センサ110においては、基板(図示せず)上に紫外線検出層となる絶縁性ダイヤモンド層102が形成され、この絶縁性ダイヤモンド層102の表面上には1対の櫛形電極103a及び103bが形成され、基板は金属製マウント105に搭載されている。また、櫛形電極103a及び103bと、金属製マウント105に設けられている端子104a及び104bとが、夫々ワイヤ106により電気的に接続されている。この紫外線センサ110は、櫛形電極103a及び103bの表面並びに絶縁性ダイヤモンド層102の表面における櫛形電極103a及び103bが形成されていない領域が疎水性になっていることを特徴とする。
このように、ダイヤモンド層の表面における検知領域のうち、少なくとも表面電極が形成されていない領域に疎水処理を施すことにより、水及び有機物等が付着しにくくなるため、ダイヤモンド層の電気的特性及び紫外線透過性を低下させることなく、センサの応答特性を長期間にわたって安定化させることができる。
また、特許文献2に開示された従来の紫外線センサにおいては、基板上に気相合成法により一軸性に配向成長した所定の膜厚のダイヤモンド膜が形成され、このダイヤモンド膜上に1対の電極を形成することによりダイヤモンド膜を紫外線検出層としている。
特開2005−229078号公報 特開平11−248531号公報 林和志、他2名、「高配向性ダイヤモンド薄膜を用いた紫外線センサの開発」、R&D神戸製鋼技報、Vol.52、No.2、p.23−26
しかしながら、上述の従来の技術には以下に示すような問題点がある。
ダイヤモンドを用いたセンサのコストは高く、例えば品質の最も良い単結晶ダイヤモンドを利用して従来のシリコンダイオード等のような大面積の受光面を持つセンサを、工業的に受け入れられる価格で提供することは困難である。また、非特許文献1に示すように、気相合成により形成されたダイヤモンド薄膜を用いたセンサも利用可能であるが、受光感度の面内分布等の影響により、受光面積の大きなセンサを作製することは実質的に困難である。
このような場合には、センサの受光部の面積をできるだけ小さくすることで、センサのほぼ全面に紫外線を照射し、むらの影響を無くすなどの工夫をすることで、感度の校正は可能である。しかしながら、文献に開示されるセンサでは、必要最小限の面積を持つ同じセンサを用いて光源からの放射をセンサ受光部内で全て受ける場合と、照射面積内にセンサを配して、センサ全面に照射された単位面積あたりの放射量(放射照度)を測定することを、同時且つ正確に満たすことは困難である。もちろん、2種類の大きさの違うセンサを用意して、照射面積より小さなセンサを改めて配することで放射照度の見積もりは可能であるが、アライメントが困難なことなど、取り替えの手間が増え、測定の手順が複雑となり誤差の要因を増す結果となる。
更に、放射照度に対する感度を決定するためにセンサの校正を行う際に重要なことは、対象センサの全面に光源からの放射があたっていることである。なぜなら、センサの一部に光が入射してないと、照射面積に誤差が生じ、値が正しくなくなるからである。しかしながら、紫外線は目に見えないため、センサが照射面積内に入っていることを確認することは困難である。例えば、対象センサの一部にしか放射があたっていない場合には、センサからの出力は小さなものとなって誤差となる可能性があるが、センサの取り替えの際には、機械的な位置関係により決定しているのが現状であり、センサのサイズに制限があるダイヤモンドセンサの場合、その影響は甚大である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、基材上の有機物除去等のために用いられる高強度の紫外線ランプ、特に、真空紫外域に発光の中心波長を持つエキシマランプ及び低圧水銀ランプの放射照度を精度良く測定する際に用いられ、安定性が高く、工場における基準となるセンサを提供することを目的とする。
本発明に係る紫外線検出素子は、基板と、この基板上に設けられたダイヤモンド膜からなる紫外線検出層と、この紫外線検出層に接触した複数の電極対と、を有し、前記電極対のうち、前記紫外線検出層の中心部には少なくとも1対の放射照度測定用の中心電極対が配置され、この放射照度測定用の中心電極対を中心とするその周囲に前記中心電極対を取り囲むように複数対の周辺電極対が配置されており、各電極対からの出力を独立に検出可能であり、前記各周辺電極対で検出された信号強度を相互に比較することにより、受光面における紫外線の照射位置を検出することを特徴とする。
中心電極対は、4つの周辺電極対により囲まれていてもよい。
前記電極対は相互に噛み合った櫛形電極であると好適である。前記ダイヤモンド膜は、気相合成法により形成された多結晶ダイヤモンドからなることが望ましい。また、前記ダイヤモンド膜は、表面が(100)結晶面で覆われ、結晶粒子が前記基板表面に対して一軸性に成長配向していると共に、結晶面が面内でも配向している高配向性ダイヤモンド膜であれば好適である。
本発明に係る紫外線検出方法は、基板上に設けられたダイヤモンド膜からなる紫外線検出層と、この紫外線検出層に接触した複数の電極対と、を有し、前記電極対間にバイアス電圧を印加することにより紫外線を検出する紫外線検出方法であって、前記電極対のうち、前記紫外線検出層の中心部に少なくとも1対の放射照度測定用の中心電極対を配置し、この放射照度測定用の中心電極対を中心とするその周囲に前記中心電極対を取り囲むように複数対の周辺電極対を配置し、各電極対からの出力を独立に検出し、各周辺電極対で検出された信号強度を相互に比較することにより、受光面における紫外線の照射位置を検出し、前記各周辺電極対から入射光による信号強度が検出されるように紫外線検出素子の受光面の配置を調節した後に、前記放射照度測定用の電極対及び周囲に配置された複数の電極対からの出力の合計から紫外線照射量を測定すると共に、得られた出力合計を照射面積で除することにより、前記放射照度測定用の電極対が受ける放射照度を算出することを特徴とする。
また、前記放射照度測定用の電極対は、4対の電極対により囲まれていてもよい。
本発明によれば、基材上の有機物除去等のために用いられる高強度の紫外線ランプ、特に、真空紫外域に発光の中心波長を持つエキシマランプ及び低圧水銀ランプの放射強度を精度良く測定することが可能となり、安定性の高い、工場における基準となるセンサを提供することが可能となる。これにより、ダイヤモンドを用いた紫外線センサの実用範囲が広がり、且つ新たな応用分野を開拓でき、紫外光、真空紫外光、及び深紫外光を利用する分野の発展に多大な貢献をなす。
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態に係る紫外線検出素子について説明する。図1(a)は、本実施形態に係る紫外線センサを示す概略平面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図である。図1(a)及び(b)に示すように、本実施形態の紫外線センサは、基板1上に紫外線検知層であるダイヤモンド薄膜2が形成されており、このダイヤモンド薄膜2の表面上には、電極群20が形成されている。基板1は、例えば、表面が(001)面であるシリコン基板である。また、ダイヤモンド薄膜2は、例えば、高配向性ダイヤモンド膜である。電極群20は、ダイヤモンド薄膜2上に形成された中心電極対3と、この中心電極対3の周辺を囲むようにダイヤモンド薄膜2上に形成された周辺電極対4とからなる。中心電極対3は少なくとも1対の電極対からなり、また周辺電極対4は1又は複数の電極対からなる。周辺電極対4は、例えば複数の電極対を中心電極3の周囲を囲むように配置して構成される。電極群20を構成する電極対は、例えば相互に噛み合った櫛形電極であり、本実施形態においては、例えば白金からなる。なお、図1は、本実施形態の紫外線センサの概略を示す概念図であり、電極対の構造等の詳細は示していない。
中心電極対3は、放射照度測定用の電極対であり、中心電極対3及び周辺電極対4からの出力は、夫々独立の信号として取り出され、アンプによって増幅後、電圧出力として測定される。なお、周辺電極対4が複数の電極対から構成される場合には、これらの各電極対からの出力は、夫々独立信号として取り出すことができる。本実施形態の紫外線センサは、例えば、ハーメティックシール等の金属マウントにマウントされ、電気的接続は、電極対からワイヤボンディング等によりハーメティックシールの2つの端子に接続されてなされる。
本実施形態で使用されるダイヤモンドの形成には公知の方法が利用可能であるが、プラズマを用いた気層化学蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)法によって合成された多結晶ダイヤモンド薄膜が、最も制御性が良く、低コストで安定にダイヤモンドが製造可能なため、工業的に望ましい。一般に、気相合成されたダイヤモンドは多結晶であるが、表面がダイヤモンドの(100)結晶面で概略覆われ、基板に対して一定方向に配向している所謂高配向性ダイヤモンド薄膜であれば、良好な検知特性が得られ好都合である。なお、高配向性ダイヤモンド薄膜は、広義には多結晶膜に分類されるが、結晶粒子の成長方向及び面内方向が共に基板面に対して一定方向に配向し、その表面は平坦な(001)ファセットが並ぶ特徴的な表面形態を示す。このため、この膜の表面近傍での結晶欠陥密度は、通常の多結晶膜に比べて小さく、キャリア移動度は1桁程度大きくなることが知られている。
電極については、金、白金又はアルミニウム等の一般的な金属が使用可能である。また、その形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、及びCVD法等の公知の方法が利用可能である。
電極の形状は任意であるが、相互に対向する長さが長いほど望ましく、フィッシュボーン型、又は櫛形が特に好ましい。これにより、紫外線検知領域が増加し、感度が向上する。紫外線を測定する場合には、例えば、幅が1乃至50ミクロン、電極間隔が1乃至50ミクロンの櫛形構造が望ましい。また、導電性ダイヤモンド等を利用しても同様の動作が可能である。
また、上記領域の境界には、ガードリング等を設け、その部分をアースに落とすと、信号のクロストークが無く精度が更に向上する。なお、センサを形成する基板も何ら制限を受けないが、高配向性ダイヤモンド薄膜を形成する場合には、表面が(001)面であるシリコン基板を使用すると好適である。
次に、本実施形態の動作について説明する。先ず、本実施形態の紫外線センサによる紫外の検出原理について説明する。本実施形態の紫外線センサにおいては、ダイヤモンド薄膜2が紫外線検知層となり、ダイヤモンド薄膜2上に形成された櫛形電極対の間にバイアス電流が印加される。そして、ダイヤモンド薄膜2に紫外線が入射すると、ダイヤモンド薄膜2で電子及び正孔が生成する。この電子及び正孔は、櫛形電極対間に印加されたバイアス電圧により生じた電界によって移動し、夫々櫛形電極対の正極及び負極で捕集され、電気信号として出力され、これにより紫外線放射量を計測することができる。
次に、本実施形態の紫外線センサを使用した放射照度の計測方法について述べる。図1に示すように、本実施形態においては、紫外線検知層であるダイヤモンド薄膜2の中心部に中心電極対3が形成されており、その周囲には周辺電極対4が形成されている。紫外線の照射領域5は、中心電極対3を全て覆い、更に周辺電極対4の一部を含むような領域とする。このように、紫外線センサの受光面は、照射面積よりも大きい。なお、照射面積が既知でない場合は、センサ前面にアパーチャ(開口部)を設けて面積を決定する。
先ず、中心電極対3及び周辺電極対4にバイアス電圧を印加し、光源からの紫外線を照射領域5に入射させ、紫外線照射量に相当する出力電流を計測する。次に、予め既知の出力電流と放射量との関係を用いて各電極から得られた値を積算し、トータルの紫外線の照射量(放射パワー、単位:W)を算出し、これを照射領域5の面積で除することにより射照度(単位:W/cm)を得る。この際、周辺電極対4を複数の電極対から構成し、紫外線放射の測定時に、周辺電極対4を構成する各電極からの出力電圧を個別に検出する。この個別に検出された出力電圧から、中心電極対3の全面に紫外線が照射されているか否かを確認する。例えば、周辺電極対4を構成する各電極対が中心電極対3の周囲に配置され、周辺電極対4の一部の電極対から出力が計測されなければ、中心電極対3の全面に紫外線が照射されていない可能性がある。この場合は、紫外線センサの受光面の配置を替え、各周辺電極対4からゼロではない出力電圧が検出されるようにすることで、中心電極対3の全面に紫外線が照射されるようにする。また、周辺電極対4を構成する各電極対から検出された出力電圧を相互に比較することにより、受光面における紫外線の照射位置を特定することができる。このように、周辺電極対4は、位置検出用の電極としての役割を担う。このようにして算出された放射照度をもとに、この紫外線センサの感度を求めることができる。即ち、放射照度測定時に、中心電極対からの出力電圧を計測し、この電圧値を上記放射照度で除することにより、この紫外線センサの感度を算出することができる。
本実施形態によれば、上述のように中心電極対の周囲に周辺電極対を配置することにより、同じセンサを用いて、光源からの紫外線放射をセンサ受光部内で全て受ける場合と、照射面積内にセンサを配置して、センサ全面に照射された単位面積あたりの放射量(放射照度)を測定することが可能となる。更に、このような2種類の測定を行う際に、電気的配線の切り替えだけで測定できるので、取り替えの手間がなく、容易に誤差のない測定が可能となる。加えて、2種類の測定に同じ方式のセンサを用いるので、波長によって検出効率が異なることがなく、検出精度が高まる。また、周辺電極対を複数の電極対から構成することにより、各電極対からの出力を独立に検出し、検出された信号強度を相互に比較することにより、放射照度測定用電極対である中心電極対の全面に紫外線が照射されていることを確認できる。これにより、誤差のない放射照度の測定が可能となる。
本実施形態を用いることにより、基材上の有機物除去等のために用いられる高強度の紫外線ランプ、特に、真空紫外域に発光の中心波長を持つエキシマランプ及び低圧水銀ランプの放射強度を精度良く測定することが可能となり、安定性の高い、工場における基準となるセンサを提供することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図2は、本発明の第2の実施形態に係る紫外線センサを示す概略平面図であり、図3は、本実施形態の詳細な平面図である。また、図2におけるA−A断面図は、図1(b)と同様である。
図2に示すように、本実施形態においては、放射照度測定用の電極である中心電極対3の周囲に4つの電極対が配置されており、中心電極対3は対称に配置された周辺電極対4a、4b、4c、及び4dにより囲まれている。また、これら4つの電極対の形状は等しい。そして、中心電極対3、周辺電極対4a、4b、4c、4dからの出力電圧は個別に検出可能となっている。また、図2においては、図1と同様に、紫外線の照射領域5が示されている。その他の構成は、第1の実施形態における図1と同様の構成となっている。
次に、図3を参照して、本実施形態の更に詳細な構成について説明する。図3に示すように、本実施形態における紫外線センサは、紫外線検出層であるダイヤモンド薄膜上の中心部に形成された1対の櫛状電極からなる中心電極対3と、この中心電極対3の周りに対称に配置されダイヤモンド薄膜上に形成された周辺電極対4a、4b、4c、4dとからなり、周辺電極対4a、4b、4c、4dは互いに同一形状の夫々1対の櫛状電極からなる。中心電極対3は増幅回路6に接続されており、紫外線受光時に発生した電流はこの増幅回路6により増幅された後に、出力(中心部電圧)7として検出される。同様に、周辺電極対4a、4b、4c、4dは、夫々増幅回路6a、6b、6c、6dに接続されており、紫外線受光時に発生した電流は各増幅回路により個別に増幅された後に、夫々独立な出力(周辺部電圧)8a、出力(周辺部電圧)8b、出力(周辺部電圧)8c、出力(周辺部電圧)8dとして検出される。なお、図3においては、図1と同様に、紫外線の照射領域5が示されている。
本実施形態の動作は、第1の実施形態の動作と同様である。本実施形態によれば、放射照度測定用の電極である中心電極対3を4つの電極対で囲むように配置することにより、最も簡略に受光部における紫外線の照射位置を特定できる。なお、本実施形態のその他の効果は、第1の実施形態の効果と同様である。
以下では、本実施形態の紫外線センサの製作手順の一例を述べる。先ず、基板としては、表面が(001)面である高抵抗シリコン基板を使用し、この基板をメタン・水素混合プラズマにさらし、表面を炭化した。引き続き、バイアス印加法により基板とエピタキシャルな関係にあるダイヤモンド核を形成した。その後、バイアス印加を止め、(100)面優先成長条件により、メタン・水素混合ガスを用いて15時間のダイヤモンド成膜を行った。これにより、低抵抗シリコン基板上に、ダイヤモンド膜として、表面が一定方向に配列した(100)面であり、結晶粒子が一定方向に配列した高配向性ダイヤモンド膜が形成された。また、このときの膜厚は、約10ミクロンであった。また、高配向性ダイヤモンド膜の(100)面における粒径は3乃至20ミクロンであった。
次に、表面に付着したダイヤモンド以外の炭素成分を除去するため、重クロム酸による洗浄行い、その後、硫酸でリンスした。更に、純水で洗浄後、フォトリソグラフィーによりダイヤモンド薄膜上に櫛形の電極をパターニングし、マグネトロンスパッタリングにより白金を蒸着後、リフトオフにより電極群20を形成した。電極としては、櫛形、フィッシュボーン型、又はドット(リング)型が望ましく、導電性ダイヤモンドを利用しても同様の動作が可能であるが、本実施形態では、対向した櫛形電極を採用した。後述のように、紫外線測定の際の照射面積が5mm角であったため、センサチップの大きさを10mm角、中心部の中心電極3の大きさを3mm角とした。その後、シリコン基板をチップ状に切断し、ハーメティックシール(TO−8)上に固定した。最後に、5mm角のアパーチャ(開口部)を有する管を溶接し、電極とハーメティックシールの10個(5組)の端子との間を金線でワイヤボンディングすることで紫外線センサを作製した。
その後、センサを外部の光が入射しない測定箱の中に入れ、バイアス電圧を印加した際の暗電流を、ピコアンメータを利用して測定した。暗電流は、中心、周辺部の電極対で特に変化はなく、共に100pA以下であって、実用上十分に低いリーク電流を得た。
次に、このようにして作製した本実施形態の紫外線センサを使用し、紫外線センサの放射照度に対する応答を評価した。先ず、出力公称10mW/cmのキセノンエキシマランプ(中心波長172nm)を用いて、紫外線センサの2つの電極間に15Vのバイアス電圧を加え、紫外光照射時に得られる電流をアンプで増幅し、電圧値としてデジタルマルチメータにより測定した。なお、センサの受光部の前には、開口部が5mm(25mm)のアパーチャー(開口部)を設定した。その際に得られた出力は0.48Vであり、予め測定された関係から照射された紫外線は2.4mWであることがわかった。即ち、この領域での放射照度は9.6mW/cmであることがわかった。更に、中心部だけの出力を求めると、0.17Vであったため、中心部だけの出力電圧を放射照度で割り、単位面積あたりの量に換算することにより、このセンサの感度として、17.7V/Wが得られた。
次に、図2に示すように、周辺部に4つの位置検出用の電極対を備えた紫外線センサを作成した。作成方法は上述の通りである。この紫外線センサに、図3のように測定回路を付加し、同様の測定を行った。その際、センサを動かし、4つの電極対の出力がほぼ同じになるように調整した。これにより、更に容易に感度校正が可能となった。
なお、本発明の実施形態においては、中心電極対の周囲に4つの周辺電極対が対称に配置されている場合について説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、独立して信号を検知可能な2又は3以上の周辺電極対が、中心電極対の周囲を取り囲むように配置されていれば良い。ビーム位置を検知できる配置であれば周辺電極対の数、形状、配置位置は適宜設定することができ、各周辺電極対は、中心電極対の周辺領域を周方向に略均等に分割するように配置することが好ましい。
(a)本発明の第1の実施形態に係る紫外線センサを示す概略平面図、(b)(a)におけるA−A断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る紫外線センサを示す概略平面図である。 第2の実施形態の詳細な平面図である。 特許文献1に記載の従来の紫外線センサを示す平面図である。
符号の説明
1;基板
2;ダイヤモンド薄膜
3;中心電極対
4、4a、4b、4c、4d;周辺電極対
5;照射領域
6、6a、6b、6c、6d;増幅回路
7;出力(中心部電圧)
8a、8b、8c、8d;出力(周辺部電圧)
20;電極群
102;絶縁性ダイヤモンド層
103a、103b;櫛形電極
104a、104b;端子
105;金属製マウント
106;ワイヤ
110;紫外線センサ


Claims (7)

  1. 基板と、この基板上に設けられたダイヤモンド膜からなる紫外線検出層と、この紫外線検出層に接触した複数の電極対と、を有し、前記電極対のうち、前記紫外線検出層の中心部には少なくとも1対の放射照度測定用の中心電極対が配置され、この放射照度測定用の中心電極対を中心とするその周囲に前記中心電極対を取り囲むように複数対の周辺電極対が配置されており、各電極対からの出力を独立に検出可能であり、前記各周辺電極対で検出された信号強度を相互に比較することにより、受光面における紫外線の照射位置を検出することを特徴とする紫外線検出素子。
  2. 前記中心電極対は、4つの周辺電極対により囲まれていることを特徴とする請求項に記載の紫外線検出素子。
  3. 前記電極対は相互に噛み合った櫛形電極であることを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外線検出素子。
  4. 前記ダイヤモンド膜は、気相合成法により形成された多結晶ダイヤモンドからなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の紫外線検出素子。
  5. 前記ダイヤモンド膜は、表面が(100)結晶面で覆われ、結晶粒子が前記基板表面に対して一軸性に成長配向していると共に、結晶面が面内でも配向している高配向性ダイヤモンド膜であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の紫外線検出素子。
  6. 基板上に設けられたダイヤモンド膜からなる紫外線検出層と、この紫外線検出層に接触した複数の電極対と、を有し、前記電極対間にバイアス電圧を印加することにより紫外線を検出する紫外線検出方法であって、前記電極対のうち、前記紫外線検出層の中心部に少なくとも1対の放射照度測定用の中心電極対を配置し、この放射照度測定用の中心電極対を中心とするその周囲に前記中心電極対を取り囲むように複数対の周辺電極対を配置し、各電極対からの出力を独立に検出し、各周辺電極対で検出された信号強度を相互に比較することにより、受光面における紫外線の照射位置を検出し、前記各周辺電極対から入射光による信号強度が検出されるように紫外線検出素子の受光面の配置を調節した後に、前記放射照度測定用の電極対及び周囲に配置された複数の電極対からの出力の合計から紫外線照射量を測定すると共に、得られた出力合計を照射面積で除することにより、前記放射照度測定用の電極対が受ける放射照度を算出することを特徴とする紫外線検出方法。
  7. 前記中心電極対は、4つの周辺電極対により囲まれていることを特徴とする請求項に記載の紫外線検出方法。
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