JP3830392B2 - 光強度測定装置及び光強度測定方法 - Google Patents

光強度測定装置及び光強度測定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3830392B2
JP3830392B2 JP2002010738A JP2002010738A JP3830392B2 JP 3830392 B2 JP3830392 B2 JP 3830392B2 JP 2002010738 A JP2002010738 A JP 2002010738A JP 2002010738 A JP2002010738 A JP 2002010738A JP 3830392 B2 JP3830392 B2 JP 3830392B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
measurement
measurement target
ultraviolet
intensity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002010738A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003214947A (ja
Inventor
和志 林
嘉宏 横田
武史 橘
弘行 高松
憲一 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2002010738A priority Critical patent/JP3830392B2/ja
Publication of JP2003214947A publication Critical patent/JP2003214947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3830392B2 publication Critical patent/JP3830392B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はワイドギャップ半導体を光センサとして使用する光強度測定装置及び光強度測定方法に関し、特に紫外線の強度を迅速に精度よく測定できる光強度測定装置及び光強度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、科学技術の発達に伴い、従来あまり工業的に使用されていなかった250nm以下の短い波長を持つ紫外線が使用されるようになりつつある。例えば、殺菌及びオゾン洗浄等の用途には、波長が250nm程度の光が使用されている。また、次世代の超LSI(Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路)を作製するための微細加工においては、アルゴンフッ素レーザーをはじめとする波長が200nm未満の紫外線がリソグラフィに使用され始めている。更に、CD(Compact Disc:コンパクトディスク)及びDVD(Digital Versatile Disc)等においても、記録密度の増大を図るために波長が可視光より短い光の使用が検討されている。
【0003】
このように、紫外線の工業的利用が進むにつれて、紫外線の強度を精度よく測定する装置及び方法の重要性が増大しつつある。一般に、紫外線のように波長が可視光よりも短い光を測定する光強度測定装置においては、この装置が太陽光を検出してしまうと誤作動の原因になるため、太陽光に対しては不感であることが望ましい。また、紫外線は高いエネルギを持つため、再現性よく、長時間にわたって安定的に測定を行うためには、光強度測定装置に高い耐久性が求められる。
【0004】
例えばダイヤモンドは、ワイドギャップ半導体として知られており、この目的に最適である。即ち、ダイヤモンドのバンドギャップは約5.5eVであり、約225nmの波長に相当する。半導体ダイヤモンドに波長が225nm以下の紫外線を照射すると、半導体ダイヤモンド内において電子−正孔対が発生する。この半導体ダイヤモンドに電圧を印加すると、紫外線の照射量に応じて電流が流れるため、紫外線の強度を検出するセンサとして使用することができる。なお、太陽光を構成する光の大部分は波長が225nm以上の光であるため、半導体ダイヤモンドには吸収されずに透過する。
【0005】
また、半導体ダイヤモンドは耐熱性及び耐久性が優れている。更に、ダイヤモンド薄膜は気相合成法により低いコストで形成することができる。このため、紫外線センサにダイヤモンド薄膜を使用することにより、太陽光の影響をほとんど受けず、信頼性が高く、しかも低コストな紫外線センサを実現することができる。このような紫外線センサは、従来使用されてきたバンドギャップが狭いシリコン等と波長フィルタとを組み合わせた紫外線センサと比較して耐久性が高い。また、光電管等により構成される紫外線センサと比較して小型且つ軽量であり、複雑な構成の回路も不要である。
【0006】
このような気相合成法により形成した多結晶ダイヤモンド膜を使用する紫外線センサは、例えば、「S.M.Chan,Phys.Stat.Solidi.(a),Vol.154,p.455(1996)」(従来文献1)、「R.D.McKeag等,Diamond and Related Materials,Vol.7,p.513(1988)」(従来文献2)及び「Appl.Phys.Lett.Vol.67,p.2117(1995)」(従来文献3)に記載されている。
【0007】
なお、半導体ダイヤモンド薄膜を使用した紫外線センサを工業的に作製する場合には、その製造コストを低く抑えるため、基板上に気相合成法により多結晶ダイヤモンド薄膜を形成する場合が多い。そして、この多結晶ダイヤモンド薄膜上に1対の櫛形電極を、相互に噛み合い且つ相互に接触しないように形成する。また、この紫外線センサを、前記電極間に電圧を印加すると共に前記電極間に流れる電流を検出する検出手段に接続することにより、光強度測定装置が形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の技術には以下に示すような問題点がある。このような光強度測定装置においては、光が入射した直後においては、数秒乃至数百秒間に亘って出力が連続的に上昇し続け、一定の値とならない。また、入射していた光が遮断された直後においても、数秒乃至数百秒間出力が連続的に減少し続け、ゼロレベルに戻らない。この現象は、特に、電極間距離が結晶粒の粒径と同じオーダーになると顕著になり、光強度の正確な測定を妨げることになる。この結果、光の強度が時間的に変化する場合においては、その光の強度を正確に測定することがほとんど不可能になり、光の強度が時間的に変化しない場合においても、光強度を測定するためには光強度測定装置の出力が一定の値になるまで待たなくてはならず、迅速な測定が不可能となる。
【0009】
例えば、前述の従来文献2に記載のFig.3、及び従来文献3に記載のFig.3において、このように連続的に変化する紫外線センサの出力挙動が示されている。なお、従来文献3には、メタンアニール処理を行う技術が開示されている。この技術により、前述の紫外線センサの出力挙動の不安定性をある程度改善することができる。しかしながら、メタンアニール処理を行うと、半導体ダイヤモンド薄膜の表面にダイヤモンド以外のカーボン、例えばアモルファスカーボン等が形成されることがあり、紫外線センサの耐久性及びその他の特性に悪影響を及ぼすことがある。また、メタンアニール処理により、半導体ダイヤモンド薄膜に対して長時間にわたる高温での表面処理を行うことになるため、紫外線センサの再現性を低下させると共に製造コストを増加させる要因になる。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、多結晶半導体ダイヤモンド薄膜等のワイドバンドギャップ半導体を使用し、紫外線等の波長が短い光の強度を測定する光強度測定装置及び光強度測定方法において、信頼性が高く、低コストであり、迅速且つ正確な測定が可能な光強度測定装置及びこの光強度測定装置を使用した光強度測定方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る光強度測定装置は、測定対象光を通過させるか遮断するかを選択する測定光断続手段と、前記測定対象光の経路における前記測定光断続手段の後方に配置され前記測定光断続手段が前記測定対象光を通過させるときにのみ前記測定対象光が入射するワイドバンドギャップ半導体からなる検出部材と、この検出部材に接続された1対の電極と、この1対の電極に接続され前記電極間に電圧を印加すると共に前記電極間に流れる電流を検出する検出手段と、前記測定対象光が前記検出部材に入射しているときの前記検出手段の出力をAとし、この出力Aを検出後、前記測定光断続手段により前記測定対象光を遮断し、伝導帯及び荷電子帯に存在するキャリア並びに浅い準位から放出されたキャリアが再結合又は電極への到達により消滅した後の前記検出手段の出力をBとするとき、(A−B)の値に基づいて前記測定対象光の強度を算出する演算手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明者等は、従来の光強度測定装置が前述のような出力挙動の不安定性を示す原因を突き止めるべく鋭意実験研究を行い、この出力挙動の不安定性が、多結晶半導体膜の結晶粒界に生じる捕獲準位に、キャリアである電子及び正孔が捕獲されることにより生じることを突き止めた。そして、この出力挙動の不安定性を補正又は改善する方法を発明した。
【0013】
以下、前述の光強度測定装置の出力挙動が生じる原因について説明する。図1(a)及び(b)、図2(a)及び(b)、図3(a)及び(b)、図4(a)及び(b)並びに図5(a)及び(b)は、横軸に半導体膜内の位置をとり、縦軸にエネルギレベルをとって、捕獲準位を有する半導体膜内における電子及び正孔の挙動を示すバンド図であり、各図の(a)は強い紫外線が照射される場合を示し、各図の(b)は微弱な紫外線が照射される場合を示す。また、図6は、横軸に時間をとり、縦軸に紫外線センサの出力をとって、紫外線センサの出力特性を示すグラフ図であり、線7は紫外線の照射が強い場合を示し、線8は紫外線の照射が微弱である場合を示す。即ち、図6の線7は図1乃至5の(a)に対応し、線8は図1乃至5の(b)に対応する。また、図1は紫外線が照射される前の状態を示し、図2、図3、図4及び図5は、夫々図6におけるT、T、T及びTの時点における状態を示す。
【0014】
図1(a)及び(b)に示すように、1対の電極9a及び9b間に配置された半導体膜10において、伝導帯1と荷電子帯2との間には、電子3(図2(a)参照)を捕獲する捕獲準位5と、正孔4(図2(a)参照)を捕獲する捕獲準位6とが存在する。捕獲準位5及び6は主として半導体膜10の結晶粒界に存在する深い準位である。なお、半導体膜10には、深い捕獲準位5及び6の他に、浅い準位が存在することもある。
【0015】
図2(a)及び(b)に示すように、T=Tの時点で、この半導体膜10にバンドギャップより大きなエネルギを有する光(例えば紫外線)が照射されると、電子−正孔対が生成し、電極間に印加された電界によって夫々電極に向かって移動する。このとき、図2(a)に示すように、照射される紫外線が強い場合は、生成するキャリア(電子又は正孔)の数が多い。また、図2(b)に示すように、照射される紫外線が微弱な場合は、生成するキャリアの数が、紫外線が強い場合と比較して少ない。そして、生成されたキャリアの一部は、電極に向かって移動する過程で、捕獲準位5又は6に捕獲される。このとき、既にキャリアが捕獲されている捕獲準位5又は6に新たなキャリアが捕獲されることはない。捕獲準位にキャリアが捕獲されることにより、生成したキャリアの数と比較して、電極に到達して出力電流として測定されるキャリアの数が少なくなる。このため、照射される紫外線の強さに対して、紫外線センサの出力電流は小さくなる。
【0016】
図3(a)に示すように、照射される紫外線が強く生成するキャリアの数が捕獲準位の数に対して多い場合は、紫外線照射直後のT=Tの時点で、生成したキャリアにより捕獲準位が埋まる。これに対して、図3(b)に示すように、照射される紫外線が微弱で生成するキャリアの数が捕獲準位の数に対して少ない場合は、T=Tの時点では捕獲準位が埋まらない。
【0017】
そして、図4(a)及び図5(a)に示すように、T=T以降において、照射される紫外線が強く生成するキャリアの数が多い場合は、捕獲準位が既に埋まっているため、生成するキャリアの数と電極に到達するキャリアの数とが等しくなり、出力電流が照射される紫外線の強度を反映するようになる。このとき、紫外線センサの出力の出力特性は図6の線7に示すようになる。
【0018】
一方、図4(b)及び図5(b)に示すように、照射される紫外線が微弱であり生成するキャリアの数が少ない場合は、T=Tの時点では捕獲準位が埋まらず、T=Tの時点で捕獲準位が埋まる。このため、捕獲準位が捕獲されたキャリアで完全に埋まるまでは、電極に到達するキャリアの数は生成するキャリアの数よりも少なく、図6の線8に示すように、紫外線センサの出力の立ち上がりにおいて、この出力値が徐々に増加する。
【0019】
このように、紫外線センサに紫外線を照射したときの出力が徐々に増加し、また、この出力の増加挙動は、温度、紫外線の強度等により変化するため、紫外線強度の正確な測定が困難になる。
【0020】
一方、それまで照射していた紫外線を遮断した場合には、伝導帯にある電子及び価電子帯にある正孔は、ライフタイム程度の時間で再結合して消滅するか、電界によって電極まで到達する。また、浅い準位に捕獲されていた電子及び正孔も速やかに放出され、再結合するか電極に到達して消滅する。これにより、紫外線を遮断した後、紫外線センサの出力は急速に小さくなる。しかしながら、これと同時に、捕獲準位に捕らわれたキャリアが熱励起されて徐々に捕獲準位から放出される。この熱励起による放出の速度は、エネルギ準位で決まる時定数に依存する。このため、センサ出力はすぐにはゼロにならない。この結果、図6のT=T以降に示すように、センサ出力は紫外線を遮断した直後にT=Tの時点までは急激に減少し、その後、指数関数的に減少する。結晶粒界が高密度に存在するワイドギャップ半導体膜を使用し、電極間距離が結晶粒の粒径と同じオーダーである紫外線センサにおいては、電極間に捕獲準位が高密度に存在するため、捕獲準位の影響が顕著になり、時間幅が秒単位を超える明確なテールが観測される。
【0021】
このように、紫外線センサにはバンドギャップが広い半導体膜を使用する必要があるが、このようなワイドバンドギャップ半導体膜を使用すると、深い捕獲準位が形成され、上述の現象が発生する。特に、紫外線センサに耐熱性及び耐久性が優れた多結晶ダイヤモンド薄膜を使用すると、この多結晶ダイヤモンド薄膜には多数の結晶粒界が存在し、結晶粒界には特に多くの捕獲準位が存在する。このため、紫外線照射により生成した電子−正孔対が、ダイヤモンド薄膜の結晶粒界に存在する捕獲電位に捕獲され、特に照射直後及び遮断直後に上述のような問題を引き起こす。
【0022】
次に、紫外線強度の補正方法について説明する。先ず、一定の強度で紫外線を照射し、センサ前に設置したシャッタでセンサへの光(紫外線)入力を一定間隔で断続する場合を考える。既に捕獲準位がキャリアで完全に埋まっている場合には、上述の如く、センサ出力として一定の出力が得られる。一方、光入力が遮断された場合にはセンサ出力はある時点(図6に示すT=Tの時点)までは急激に減少し、その後、指数関数的に緩慢に減少する。この指数関数的なセンサ出力の減少は、伝導帯又は荷電子帯と捕獲準位とのエネルギ差によって決まる熱放出の時定数と、その準位に捕獲されているキャリアの数に依存する。また、前記エネルギ差はこの捕獲準位の原因となる欠陥の種類によって決まる。半導体膜内の欠陥の状態、即ち、エネルギ準位、位置及び分布密度等は、紫外線の照射によって変化せず一定であることから、前述の緩慢な指数関数的なセンサ出力の減少は、捕獲されたキャリアの数によって決定される。つまり、光を遮断した直後のT=Tにおけるセンサ出力は、捕獲されているキャリアの数を示し、T=Tの時点から後は、センサ出力は時定数で決まる傾きを持って指数関数的に減少する。従って、欠陥準位が完全に埋まっている場合のセンサ出力の減少は、センサに使用するワイドギャップ半導体素子に固有の挙動となる。
【0023】
次に、一部の捕獲準位にのみキャリアが捕獲されている場合を考える。この場合、光照射時に得られるセンサ出力は、生成した電子−正孔対の一部が捕獲されるため、全ての捕獲準位がキャリアにより埋まっている場合と比較して、キャリアが捕獲されていない捕獲準位の数の分だけ低い値となる。一方、光を遮断した直後のセンサ出力は、捕獲されているキャリアの数に比例するため、全ての捕獲準位がキャリアにより埋まっている場合と比較して、キャリアが捕獲されていない捕獲準位の数の分だけ低い値となる。即ち、全ての捕獲準位にキャリアが捕獲されている場合には光照射時の出力が高く、光を遮断してライフタイム及び浅い準位による放出が特性に影響を与えなくなった一定時間後のセンサ出力も高い。これに対して、捕獲準位にキャリアが完全には捕獲されていない場合には、キャリアが捕獲されていない捕獲準位の数の分だけ光照射時の出力が低くなり、光を遮断してライフタイム及び浅い準位による放出が特性に影響を与えなくなった一定時間後のセンサ出力も、キャリアが捕獲されていない捕獲準位の数の分だけ低くなる。従って、光遮断前後の出力差は、捕獲準位の捕獲状態によらず一定となる。このため、この出力差を求めることにより、光(紫外線)強度を正確に測定することができる。
【0024】
上述の請求項1に記載の発明においては、光強度測定装置において、測定光断続手段により測定対象光を通過させて検出部材に入射させ、検出手段により出力Aを求め、測定光断続手段により前記測定対象光を遮断して、その後一定時間経過後に検出手段により出力Bを求め、演算手段により(A−B)の値を求めることにより、捕獲準位の影響をキャンセルして測定対象光の強度を求めることができる。このため、測定対象光の強度を迅速且つ正確に求めることができる。
【0025】
請求項2に記載の発明に係る光強度測定装置は、測定対象光を通過させるか遮断するかを選択する測定光断続手段と、前記測定対象光の経路における前記測定光断続手段の後方に配置され前記測定光断続手段が前記測定対象光を通過させるときにのみ前記測定対象光が入射するワイドバンドギャップ半導体からなる検出部材と、この検出部材に接続された1対の電極と、この1対の電極に接続され前記電極間に電圧を印加すると共に前記電極間に流れる電流を検出する検出手段と、前記測定対象光が前記検出部材に入射しているときの前記検出手段の出力をAとし、この出力Aを検出後、前記測定光断続手段により前記測定対象光を遮断し、伝導帯及び荷電子帯に存在するキャリア並びに浅い準位から放出されたキャリアが再結合又は電極への到達により消滅した後の前記検出手段の出力をBとし、前記検出部材に光を入射し前記電極間に流れる電流が時間的に一定となった後に前記光を遮断し前記一定時間経過後の前記検出手段の出力をCとするとき、(A×C/B)の値に基づいて前記測定対象光の強度を算出する演算手段と、を有することを特徴とする。
【0026】
前述の如く、光を遮断した後一定時間が経過し、伝導帯及び荷電子帯に存在するキャリア並びに浅い準位から放出されたキャリアが再結合又は電極への到達により消滅した後のセンサ出力は、捕獲準位に捕獲されているキャリアの数に比例する値をスタートポイントとして、この値から時定数で決まる傾きを持ち指数関数的に減少する。微弱紫外線測定時においては、前記出力A及びBは、捕獲準位が完全に埋まっていないときの測定対象光の遮断前後の出力値となる。一方、前記出力Cは捕獲準位が完全に埋まっているときの測定対象光の遮断後の出力値である。捕獲準位が完全に埋まっているときの測定対象光の遮断前の出力値をXとすると、これらの出力値は捕獲準位に捕獲されているキャリアの数に比例するため、X:A=C:Bとなる。従って、X=A×C/Bとなる。
【0027】
上述の請求項2に記載の発明においては、予め出力Cの値を測定しておくことにより、出力Xの値、即ち捕獲準位が完全に埋まっているときの測定対象光の遮断前の出力値を、出力A、B及びCの値から算出することができる。これにより、前記出力Xの値を直接測定できない場合においても、捕獲準位の影響をより正確にキャンセルし、測定対象光の強度を精度よく求めることができる。
【0030】
また、前記検出部材が基板上に形成された半導体膜であることが好ましく、この半導体膜は前記基板上に気相合成法によって形成された多結晶ダイヤモンド膜であることが好ましい。検出部材をダイヤモンド膜により形成することにより、耐熱性及び耐久性が優れた光強度測定装置を得ることができる。また、このダイヤモンド膜を気相合成法により形成することにより、このダイヤモンド膜を低コストで製造することができる。
【0031】
更に、前記多結晶ダイヤモンド膜は前記基板の表面に垂直な方向に配向しており、前記多結晶ダイヤモンド膜の表面がダイヤモンドの(100)結晶面を有していることが好ましい。これにより、前記多結晶ダイヤモンド膜の表面が平坦になる。更にまた、前記多結晶ダイヤモンド膜は、前記基板の表面に垂直な方向に配向していると共に、前記基板の表面に平行な方向にも配向した高配向膜であることがより好ましい。これにより、膜中の欠陥密度が小さくなり、測定対象光に対する感度を向上させることができる。更にまた、前記多結晶ダイヤモンド膜の膜厚は1乃至40μmであることが好ましい。その理由は、膜厚が1μm未満では測定対象光に対する感度が低く、膜厚が40μmを超えると、成膜に時間がかかり、成膜コストが増大するからである。更にまた、多結晶ダイヤモンド膜における配向した結晶粒の大きさは1乃至40μmであることが好ましい。この理由は、結晶粒径が膜厚と同程度の高配向膜は、再現性よく成膜できるからである。
【0032】
更にまた、前記バイアス光照射手段が発光ダイオードであることが好ましい。これにより、消費電力の低減及び光強度測定装置のコンパクト化を図ることができる。
【0033】
なお、前記基板の種類には特に制限はないが、半導体膜として高配向ダイヤモンド薄膜を使用する場合には、その表面に(100)面を持つシリコン基板であることが好ましい。また、本発明においては、半導体膜には他の材料から形成された基板又は基板上に成膜した後にこの基板を除去した所謂自立膜を使用してもよい。
【0034】
電極の形状についても特に制限はないが、形状が櫛形であり、櫛部の幅が1〜50μm、櫛部間の間隔が1乃至50μmである電極が好ましい。検出部材の材質についても特に制限はなく、その材料もダイヤモンドに限らず、SiC及びGaN等あらゆるワイドギャップ半導体が利用可能である。測定光断続手段には、チョッパ及び光シャッタ等公知の全ての手段が適応可能である。
【0035】
請求項11に記載の発明に係る光強度測定方法は、測定対象光を通過させるか遮断するかを選択する測定光断続手段と、前記測定対象光の経路における前記測定光断続手段の後方に配置され前記測定光断続手段が前記測定対象光を通過させるときにのみ前記測定対象光が入射するワイドバンドギャップ半導体からなる検出部材と、この検出部材に接続された1対の電極と、この1対の電極に接続され前記電極間に電圧を印加すると共に前記電極間に流れる電流を検出する検出手段と、この検出手段の出力に基づいて前記測定対象光の強度を算出する演算手段と、を有する光強度測定装置を使用し、前記測定光断続手段により前記測定対象光を通過させて前記検出部材に入射させ、前記検出手段により第1の検出結果を得る工程と、前記測定光断続手段により前記測定対象光を遮断する工程と、前記測定対象光を遮断した後、伝導帯及び荷電子帯に存在するキャリア並びに浅い準位から放出されたキャリアが再結合又は電極への到達により消滅した後に前記検出手段により第2の検出結果を得る工程と、前記第1の検出結果をAとし、前記第2の検出結果をBとするとき、前記演算手段により(A−B)の値を求め、この値に基づいて前記測定対象光の強度を算出する工程と、を有することを特徴とする。
【0036】
請求項12に記載の発明に係る光強度測定方法は、測定対象光を通過させるか遮断するかを選択する測定光断続手段と、前記測定対象光の経路における前記測定光断続手段の後方に配置され前記測定光断続手段が前記測定対象光を通過させるときにのみ前記測定対象光が入射するワイドバンドギャップ半導体からなる検出部材と、この検出部材に接続された1対の電極と、この1対の電極に接続され前記電極間に電圧を印加すると共に前記電極間に流れる電流を検出する検出手段と、この検出手段の出力に基づいて前記測定対象光の強度を算出する演算手段と、を有する光強度測定装置を使用し、前記測定光断続手段により前記検出部材に光を入射させて前記電極間に流れる電流が時間的に一定となった後に前記測定光断続手段により前記光を遮断した後、伝導帯及び荷電子帯に存在するキャリア並びに浅い準位から放出されたキャリアが再結合又は電極への到達により消滅した後に前記検出手段により第3の検出結果を得る工程と、前記測定光断続手段により前記測定対象光を通過させて前記検出部材に入射させ、前記検出手段により第1の検出結果を得る工程と、前記測定光断続手段により前記測定対象光を遮断する工程と、前記測定対象光を遮断した後前記検出手段により第2の検出結果を得る工程と、前記第1の検出結果をAとし、前記第2の検出結果をBとし、前記第3の検出結果をCとするとき、前記演算手段により(A×C/B)の値を求め、この値に基づいて前記測定対象光の強度を算出する工程と、を有することを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず本発明の第1の実施例について説明する。図7は本実施例に係る光強度測定装置に組み込まれる紫外線センサを示す断面図であり、図8は本実施例に係る光強度測定装置を示すブロック図である。図7に示すように、紫外線センサ11においては、高抵抗シリコンからなる基板12上にダイヤモンド膜13が形成されており、ダイヤモンド膜13上には1対の電極14a及び14bが形成されている。ダイヤモンド膜13は気相合成法によって形成された多結晶半導体ダイヤモンド膜であり、高配向ダイヤモンド膜である。ダイヤモンド膜13の膜厚は例えば1乃至40μmであり、例えば5μmである。また、ダイヤモンド膜13の表面にはダイヤモンド結晶の(100)面が表れている。ダイヤモンド膜13においては、結晶が基板12の表面に垂直な方向及び平行な方向に配向しており、ダイヤモンド膜13の表面はモザイク状になっている。この(100)面が表れた結晶の粒径は例えば1乃至40μmであり、例えば2乃至5μmである。電極14a及び14bは例えば白金からなり、形状は櫛形であり、互いに噛み合い且つ接触しないように対向して配置されている。櫛部の幅は例えば1乃至50μmであり、電極14aと電極14bとの間隔は例えば1乃至50μmである。
【0039】
次に、紫外線センサ11の作製方法について説明する。先ず、高抵抗シリコンからなる基板12の表面に、バイアス印加法によりダイヤモンド核を発生させる。その後、プラズマCVD法によりメタン・水素混合ガス雰囲気中において12時間の成膜を行い、ダイヤモンド膜13を成膜する。次に、重クロム酸による洗浄を行い、ダイヤモンド膜13の表面に付着したダイヤモンド以外の炭素成分を除去し、その後、硫酸でリンスする。次に、基板12及びダイヤモンド膜13を純水で洗浄する。その後、リフトオフにより1対の電極14a及び14bを形成する。即ち、フォトリソグラフィにより、フォトレジストを櫛形の電極形状の開口部を有する形状にパターニングし、次いでマグネトロンスパッタリング法により白金を蒸着後、フォトレジストを除去してフォトレジスト上に成膜された白金膜を除去し、電極14a及び14bを形成する。その後、基板12及びダイヤモンド膜13をチップ状に切断し、ハーメティックシール上に固定して、電極14a及び14bに金線をワイヤボンディングすることにより、紫外線センサ11を作製する。
【0040】
図8に示すように、本実施例の光強度測定装置15においては、紫外線センサ11が設けられ、この紫外線センサ11に入射する紫外線16の経路において、紫外線センサ11の前方にはチョッパ17が配置されている。紫外線センサ11は、紫外線が入射されると、その入射強度に応じて電流を出力するものである。チョッパ17は紫外線16を通過させて紫外線センサ11に入射するか、又は、紫外線16を遮断して紫外線センサ16に入射させないかを選択するものである。チョッパ17は回転することにより、紫外線16を断続的に通過させることができる。また、紫外線センサ11はセンサアンプ18に接続されている。このセンサアンプ18は、紫外線センサ11の電極14aと14b(図7参照)との間にバイアス電圧を印加すると共に、電極14aと14bとの間に流れる電流を増幅して出力するものである。更に、センサアンプ18は演算手段としてのデジタルマルチメータ19に接続されている。このデジタルマルチメータ19は、センサアンプ18から出力された電流が入力され、電圧値として測定し、後述する演算処理を行って紫外線16の強度を測定するものである。紫外線センサ11、チョッパ17、センサアンプ18及びデジタルマルチメータ19により、本実施例の光強度測定装置15が構成される。
【0041】
次に、光強度測定装置15を使用した光強度測定方法について説明する。図9(a)は横軸に時間をとり、縦軸に紫外線の入射強度及び紫外線センサの出力値をとって、紫外線センサ11の予想される出力特性を模式的に示すグラフ図であり、図9(b)は横軸に時間をとり、縦軸に紫外線16の遮断前後における紫外線センサ11の出力値の差をとって、光強度測定装置15の予想される測定結果を模式的に示すグラフ図である。図8に示すように、測定対象光となる紫外線16の光源として、重水素(L2D2)ランプ20を使用する。この重水素ランプ20はランプ電源(M−4518)21に接続されている。重水素ランプ20には、例えば浜松ホトニク製重水素(L2D2)ランプL7293を使用する。センサアンプ18が電極14a及び14bの間に印加するバイアス電圧は例えば15Vとする。
【0042】
先ず、図8並びに図9(a)及び(b)に示すように、紫外線16の強度を一定として、チョッパ17により紫外線センサ11に紫外線16を10秒間入射させ、その後、紫外線16を10秒間遮断する。このサイクルを例えば3回繰り返す。このとき、紫外線センサ11に入射する紫外線16の強度変化は、図9(a)に示す破線22のようになる。また、このとき、紫外線センサ11から出力される出力値は図9(a)に示す実線23のようになる。図9(a)より、紫外線センサ11に紫外線16が入射している期間においては、紫外線16の強度が一定であるにもかかわらず、紫外線センサ11の出力値は時間の経過に伴って徐々に上昇する。また、デジタルマルチメータ19により、各サイクルにおいて紫外線16の遮断1秒前の出力値Aと、遮断1秒後の出力値Bとの差(A−B)を求める。図9(b)に示すように、紫外線センサ11の出力値が時間と共に変化するにもかかわらず、出力差(A−B)の値は、ほぼ一定値となる。この出力差(A−B)の値が、紫外線16の強度を示す。
【0043】
また、予め紫外線センサ11に入射する紫外線の強度と、出力差(A−B)の値との関係をデジタルマルチメータ19に入力しておけば、この関係を参照して、紫外線16の強度の絶対値を求めることができる。
【0044】
このように、本実施例においては、ダイヤモンド膜13に存在する捕獲準位が、紫外線強度の測定結果に及ぼす影響をキャンセルでき、紫外線16の強度を正確且つ迅速に測定することができる。また、本実施例の光強度測定装置15は、紫外線センサ11にダイヤモンド膜13を使用しているため、耐熱性及び耐久性が優れている。更に、このダイヤモンド膜13を気相合成法により形成しているため、ダイヤモンド膜13を低コストで形成できる。
【0045】
なお、本実施例においては、測定対象光である紫外線16を、紫外線センサ11に対して20秒間の周期で断続的に照射する例を示したが、この断続周期は測定原理からは特に制限されるものではない。従って、本発明においては、これ以外の周期で紫外線16を照射してもよい。但し、使用する実用的な光断続装置の性能を考えて、断続周期は100ns秒乃至10秒程度が望ましい。また、紫外線16を遮断後、出力値Bを測定するまでの時間は必要である。出力値Bの測定は、紫外線16を遮断後、ダイヤモンド薄膜中のキャリアとしの電子及び正孔が消滅するまでの時間が経過した後、測定可能となる。一般的には、キャリア(電子及び正孔)の寿命を考慮して、出力値Bの測定は紫外線16を遮断後、10ns以上経過した後に行うことが望ましい。一方、出力値Aの測定は紫外線16が遮断され、出力が低下する直前に行うことが望ましいが、測定の時間応答によってはそれ以前に測定を行っても実質上なんら問題はない。更に、測定対象光を断続する間隔は必ずしも一定である必要はない。
【0046】
本実施例の効果を実験によって確かめた。図10(a)は横軸に時間をとり、縦軸に紫外線センサの出力値をとって、実験結果を示すグラフ図であり、図10(b)は横軸に時間をとり、縦軸に紫外線の遮断前後における紫外線センサの出力値の差をとって、実験結果を示すグラフ図である。測定には、図8に示す光強度測定装置15を使用した。一定強度の紫外線を紫外線センサに、10秒間照射−10秒間遮断−10秒間照射−10秒間遮断−20秒間照射−10秒間遮断−20秒間照射−10秒間遮断−10秒間照射−10秒間遮断−10秒間照射−遮断、の順に断続的に照射した。即ち、紫外線センサに入射する紫外線の強度変化は、図9(a)の線22のように、矩形波形となるようにした。このとき、照射される紫外線の強度は一定であるにもかかわらず、図10(a)に示すように、紫外線センサの出力値は紫外線の照射中は連続的に増加し、紫外線の遮断中は連続的に減少した。一方、図10(b)に示すように、紫外線の遮断前後における紫外線センサの出力値の差は、ほぼ一定であった。
【0047】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例に係る光強度測定装置は、前述の第1の実施例に係る光強度測定装置(図8参照)と比較して、デジタルマルチメータのみが異なっている。即ち、本第2実施例の光強度測定装置におけるデジタルマルチメータは、図8に示す紫外線16が紫外線センサ11に入射しているときの紫外線センサ11の出力値をAとし、この出力Aを検出直後、チョッパ17により紫外線16を遮断した後の紫外線センサ11の出力をBとし、紫外線センサ11に紫外線を入射し、紫外線センサ11の出力値が一定となった後に紫外線を遮断し、その直後の紫外線センサ11の出力値をCとするとき、(A×C/B)の値を算出するものである。本第2実施例に係る光強度測定装置における上記以外の構成は、前述の第1の実施例に係る光強度測定装置15におけるデジタルマルチメータ19以外の構成と同一である。
【0048】
次に、本実施例に係る光強度測定方法について説明する。図11は横軸に紫外線の照射を開始してからの時間をとり、縦軸に紫外線センサの出力値をとって、紫外線センサ11の予想される出力特性を模式的に示すグラフ図であり、図12は横軸に時間をとり、縦軸に紫外線センサの出力値及びその補正値をとって、光強度測定装置の予想される測定結果を模式的に示すグラフ図である。先ず、紫外線を紫外線センサ11(図8参照)に連続的に入射させる。図11に示すように、この紫外線の照射を開始すると、紫外線センサ11の出力は連続的に増加し、紫外線の照射開始後約1000秒でほぼ一定値となり安定する。そして、照射開始後3600秒後にチョッパ17により紫外線を遮断する。そして、紫外線の遮断1秒後の紫外線センサ11の出力値を測定し、その値をVrefとする。
【0049】
次に、紫外線16の強度の測定を行う。L2D2ランプ20により一定強度の紫外線16を照射する。そして、チョッパ17により、紫外線センサ11に紫外線16を30秒間入射し、その後、10秒間遮断する。このサイクルを3サイクル繰り返す。このとき、センサアンプ18により、紫外線センサ11の出力値を測定する。図12に示す実線24は、この紫外線センサ11の出力値を示す。図12に示すように、紫外線センサに紫外線16が入射されているときの紫外線センサ11の出力値(実線24)は、一定の値にはならず、時間の経過に伴って連続的に増加する。
【0050】
そして、紫外線16を遮断する0.1秒前の紫外線センサ11の出力値Aを測定する。また、紫外線16を遮断して1秒後の紫外線センサ11の出力値Bを測定する。そして、デジタルマルチメータにより、前述のVrefの値を参照して、(A×Vref/B)の値を算出する。図12に示す実線25は、この(A×Vref/B)の値を示す。このように、紫外線センサ11の出力値(実線24)は時間と共に変化するが、(A×Vref/B)の値(実線25)はほぼ一定値となる。この(A×Vref/B)の値が紫外線16の強度を示している。このように、本実施例においては、紫外線16の強度を精度よく測定することができる。
【0051】
また、予め紫外線センサ11に入射する紫外線の強度と、(A×Vref/B)の値との関係をデジタルマルチメータに入力しておけば、この関係を参照して、紫外線16の強度の絶対値を求めることができる。
【0052】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。本実施例は、紫外線センサのベースレベル(ゼロレベル)が何らかの原因で変動している場合における補正方法の具体例である。本実施例に係る光強度測定装置は、前述の第1の実施例に係る光強度測定装置(図8参照)と同一である。図13は横軸に時間の対数をとり、縦軸に紫外線センサの出力値をとって、本実施例の補正方法を模式的に示すグラフ図である。
【0053】
図13に示すように、本実施例においては、一定照射量の紫外線16(図8参照)を照射するとき、紫外線センサ11の出力値のベース値が湿度の影響で図13の破線26に示すように変化することがわかっている。なお、紫外線センサ11の出力を実線28により示す。もし、ベースレベルに変動がなければ、紫外線16が遮断された後の紫外線センサ11の出力は指数関数的に減少し、その出力変化は時間軸を対数表示にした場合には直線になる。この直線の傾きを図13においては破線27で示す。この傾き(破線27)は、簡単には、{(紫外線16が遮断されている間の2点間の出力差)/(2点の対数上での時間間隔)}の値として求めることができる。そして、紫外線16の遮断後、紫外線センサ11の出力値は、一定時間Tz後に0に漸近する。
【0054】
一方、ベースレベルが破線26に示すように変化し、前記傾きが変化した場合には、ベースラインに変動がない場合において出力値が0に漸近するための時間Tzでは、紫外線センサ11の出力値は0には漸近しない。しかしながら、紫外線16を遮断してから時間Tz後に、紫外線センサ11の出力値が漸近する値を事実上のベースライン上にある値とみなせるため、出力値とそのベースライン上の値との差29を新たな出力値とみなすことにより、ベースラインの変動の影響をキャンセルし、正確な測定値を求めることができる。
【0055】
なお、上述したように、紫外線センサの出力差(A−B)を求めて、予め求めた紫外線の強度と出力値との関係を参照して紫外線センサの出力値を補正することにより、紫外線の強度の測定値を得ることができるが、紫外線照射そのものがoffになった場合は、この断続前後の出力差(A−B)の値もほぼゼロとなる。即ち、継続的な断続前後の出力差は、紫外線照射そのものがoffになった場合にはほぼゼロとなる。従って、出力差がゼロとなる場合の出力値が紫外線センサのゼロレベルである。このようにしてゼロレベルの見積もりを行うことも可能である。
【0056】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。図14は本実施例に係る光強度測定装置を示すブロック図である。図14に示すように、本実施例に係る光強度測定装置31においては、紫外線センサ11が設けられ、この紫外線センサ11に入射する紫外線16の経路において、紫外線センサ11の前方にはシャッタ32が配置されている。紫外線センサ11は、紫外線が入射されると、その入射強度に応じて電流を出力するものであり、図7に示す第1の実施例における紫外線センサ11と同じものである。シャッタ32は紫外線16を通過させて紫外線センサ11に入射するか、又は、紫外線16を遮断して紫外線センサ16に入射させないかを選択するものである。また、紫外線センサ11の近傍には発光ダイオード(LED)33が設けられている。この発光ダイオード33はバイアス光34を紫外線センサ11に入射させるものである。バイアス光34の波長は、紫外線センサ11のダイヤモンド膜13(図7参照)のバンドギャップ(図1(a)参照)に相当する波長よりも長いものとする。
【0057】
更に、紫外線センサ11はセンサアンプ35に接続されている。このセンサアンプ35は、紫外線センサ11の電極14aと14b(図7参照)との間にバイアス電圧を印加すると共に、電極14aと14bとの間に流れる電流を増幅して出力するものである。更に、センサアンプ35は演算手段としてのデジタルマルチメータ36に接続されている。このデジタルマルチメータ36は、センサアンプ35から出力された電流が入力され、電圧値として測定し、紫外線16の強度を測定するものである。紫外線センサ11、シャッタ32、発光ダイオード33、センサアンプ35及びデジタルマルチメータ36により、本実施例の光強度測定装置31が構成される。
【0058】
次に、光強度測定装置31を使用した光強度測定方法について説明する。図15(a)及び(b)は、横軸に時間をとり、縦軸に紫外線の入射強度及び紫外線センサの出力値をとって、バイアス光が紫外線センサ11の出力特性に及ぼす影響を模式的に示すグラフ図であり、(a)は紫外線センサ11にバイアス光34が入射していない場合を示し、(b)は紫外線センサ11にバイアス光34が入射している場合を示す。測定対象光となる紫外線16の光源として、重水素(L2D2)ランプ20を使用する。この重水素ランプ20はランプ電源21に接続されている。重水素ランプ20には、例えば浜松ホトニク製重水素(L2D2)ランプL7293を使用する。また、センサアンプ35が電極14a及び14b間に印加するバイアス電圧は例えば10乃至120Vとする。
【0059】
本実施例の光強度測定方法においては、先ず、発光ダイオード33をoffとし、バイアス光34が紫外線センサ11に入射しないようにする。この状態で、一定強度の紫外線16を紫外線センサ11に対して長時間照射する。そして、センサアンプ18が紫外線センサ11に対してバイアス電圧を印加しつつ、紫外線センサ11の出力値を測定する。その後、紫外線16を遮断する。図15(a)に示す破線37は、紫外線センサ11に入射する紫外線16の強度を示し、実線38は、このときの紫外線センサ11の出力値を示す。図15(a)に示すように、紫外線16が遮断された後も、紫外線センサ11の出力値はすぐにはゼロにならず、徐々に減少する。この理由は前述のとおりである。
【0060】
次に、発光ダイオード33をonとし、バイアス光34を紫外線センサ11に入射させる。この状態で、一定強度の紫外線16を紫外線センサ11に対して長時間照射する。そして、センサアンプ18が紫外線センサ11に対してバイアス電圧を印加しつつ、紫外線センサ11の出力値を測定する。その後、紫外線16を遮断する。紫外線16の強度変化は、図15(a)の破線37に示すものと同じである。図15(b)の実線39は、このときの紫外線センサ11の出力値を示す。図15(b)に示すように、紫外線16が遮断された後、紫外線センサ11の出力値は直ちにゼロになる。即ち、紫外線センサ11の出力値が紫外線16の変化に追従できる。
【0061】
本実施例においては、紫外線センサ11の動作中に、発光ダイオード33によりバイアス光34を紫外線センサ11に入射することにより、紫外線センサ11のダイヤモンド膜13(図7参照)の捕獲準位に捕獲されたキャリアが、バイアス光34により励起されて速やかに放出される。これにより、キャリアが捕獲準位に捕獲され、その後熱励起されることによるセンサ出力の遅れが発生せず、入射する紫外線の強度を迅速且つ正確に測定することができる。この結果、光強度測定装置31により紫外線16の強度を測定するとき、測定値が紫外線16の変化に追従できる。また、本実施例の光強度測定装置31は、紫外線センサ11にダイヤモンド膜13を使用しているため、耐熱性及び耐久性が優れている。
【0062】
なお、バイアス光34には、ダイヤモンド膜13のバンドギャップに相当する光の波長(225nm)より長い波長を持つ光として、例えば、赤色、青色、白色の可視光を使用することができる。いずれの可視光を使用しても、得られる結果はほぼ同じである。
【0063】
本実施例の効果を実験によって確かめた。図16(a)及び(b)は、横軸に時間をとり、縦軸に紫外線センサの出力値をとって、バイアス光が紫外線センサの出力特性に及ぼす影響の実験結果を示すグラフ図であり、(a)は紫外線センサにバイアス光が入射していない場合を示し、(b)は紫外線センサにバイアス光が入射している場合を示す。測定に使用する装置は、図14に示す光強度測定装置31と同じ装置とし、発光ダイオード33には青色LEDを使用した。但し、発光ダイオード33を使用しない場合は、発光ダイオード33を光強度測定装置31から外し、重水素ランプ20を紫外線センサ11に近づけた。
【0064】
先ず、紫外線センサに紫外線を照射し、図16(a)及び(b)に示す「OFF」の時点でこの紫外線を遮断した。図16(a)に示すように、紫外線センサにバイアス光が入射していない場合は、紫外線を遮断しても紫外線センサの出力値はすぐにはゼロにならず連続的に減少し、紫外線遮断の1分後においても約1Vの出力が認められた。これに対して、図16(b)に示すように、紫外線センサにバイアス光が入射している場合は、紫外線を遮断した後、直ちに紫外線センサの出力電圧が低下し、速やかにベースラインである0Vになった。なお、紫外線センサにバイアス光を入射させずに測定したときは、重水素ランプ20を紫外線センサ11に近づけたため、紫外線を照射しているときの紫外線センサ11の出力値(図16(a)参照)は、紫外線センサ11にバイアス光を入射させて測定したときの紫外線センサ11の出力値(図16(b)参照)よりも大きくなった。
【0065】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、多結晶半導体ダイヤモンド薄膜又は高配向性ダイヤモンド薄膜等のワイドバンドギャップ半導体を使用し、紫外線等の波長が短い光の強度を測定する光強度測定装置において、信頼性が高く、低コストである光強度測定装置を得ることができる。また、この光強度測定装置を使用して、迅速且つ正確に光強度を測定することができる。これにより、コストが低い高配向ダイヤモンド膜又は多結晶ダイヤモンド膜を使用した紫外線センサの実用範囲が広がり、且つ新たな応用分野を開拓できると共に、紫外光、真空紫外光、深紫外光を利用する産業分野の発展に多大な貢献をなすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、横軸に半導体膜内の位置をとり、縦軸にエネルギレベルをとって、捕獲準位を有する半導体膜内における電子及び正孔の挙動を示すバンド図である。
【図2】(a)及び(b)は、横軸に半導体膜内の位置をとり、縦軸にエネルギレベルをとって、捕獲準位を有する半導体膜内におけるT=Tにおける電子及び正孔の挙動を示すバンド図であり、(a)は強い紫外線が照射される場合を示し、(b)は微弱な紫外線が照射される場合を示す。
【図3】(a)及び(b)は、横軸に半導体膜内の位置をとり、縦軸にエネルギレベルをとって、捕獲準位を有する半導体膜内におけるT=Tにおける電子及び正孔の挙動を示すバンド図であり、(a)は強い紫外線が照射される場合を示し、(b)は微弱な紫外線が照射される場合を示す。
【図4】(a)及び(b)は、横軸に半導体膜内の位置をとり、縦軸にエネルギレベルをとって、捕獲準位を有する半導体膜内におけるT=Tにおける電子及び正孔の挙動を示すバンド図であり、(a)は強い紫外線が照射される場合を示し、(b)は微弱な紫外線が照射される場合を示す。
【図5】(a)及び(b)は、横軸に半導体膜内の位置をとり、縦軸にエネルギレベルをとって、捕獲準位を有する半導体膜内におけるT=Tにおける電子及び正孔の挙動を示すバンド図であり、(a)は強い紫外線が照射される場合を示し、(b)は微弱な紫外線が照射される場合を示す。
【図6】横軸に時間をとり、縦軸に紫外線センサの出力をとって、紫外線センサの出力特性を示すグラフ図である。
【図7】本発明の第1の実施例における紫外線センサを示す断面図である。
【図8】本第1実施例に係る光強度測定装置を示すブロック図である。
【図9】(a)は横軸に時間をとり、縦軸に紫外線の入射強度及び紫外線センサの出力値をとって、紫外線センサ11の予想される出力特性を模式的に示すグラフ図であり、(b)は横軸に時間をとり、縦軸に紫外線16の遮断前後における紫外線センサ11の出力値の差をとって、光強度測定装置15の予想される測定結果を模式的に示すグラフ図である。
【図10】(a)は横軸に時間をとり、縦軸に紫外線センサの出力値をとって、実験結果を示すグラフ図であり、(b)は横軸に時間をとり、縦軸に紫外線の遮断前後における紫外線センサの出力値の差をとって、実験結果を示すグラフ図である。
【図11】横軸に紫外線の照射を開始してからの時間をとり、縦軸に紫外線センサの出力値をとって、本発明の第2の実施例における紫外線センサ11の予想される出力特性を模式的に示すグラフ図である。
【図12】横軸に時間をとり、縦軸に紫外線センサの出力値及びその補正値をとって、本第2実施例の光強度測定装置の予想される測定結果を模式的に示すグラフ図である。
【図13】横軸に時間の対数をとり、縦軸に紫外線センサの出力値をとって、本発明の第3の実施例の補正方法を模式的に示すグラフ図である。
【図14】本発明の第4の実施例に係る光強度測定装置を示すブロック図である。
【図15】(a)及び(b)は、横軸に時間をとり、縦軸に紫外線の入射強度及び紫外線センサの出力値をとって、バイアス光が紫外線センサ11の出力特性に及ぼす影響を模式的に示すグラフ図であり、(a)は紫外線センサ11にバイアス光が入射していない場合を示し、(b)は紫外線センサ11にバイアス光が入射している場合を示す。
【図16】(a)及び(b)は、横軸に時間をとり、縦軸に紫外線センサの出力値をとって、バイアス光が紫外線センサの出力特性に及ぼす影響の実験結果を示すグラフ図であり、(a)は紫外線センサにバイアス光が入射していない場合を示し、(b)は紫外線センサにバイアス光が入射している場合を示す。
【符号の説明】
1;伝導帯
2;荷電子帯
3;電子
4;正孔
5、6;捕獲準位
7;線(紫外線の照射が強い場合を示す)
8;線(紫外線の照射が微弱である場合を示す)
9a、9b;電極
10;半導体膜
11;紫外線センサ
12;基板
13;ダイヤモンド膜
14a、14b;電極
15;光強度測定装置
16;紫外線
17;チョッパ
18;センサアンプ
19;デジタルマルチメータ
20;重水素ランプ
21;ランプ電源
22;破線(紫外線16の強度変化)
23;実線(紫外線センサ11の出力値)
24;実線(紫外線センサ11の出力値)
25;実線((A×Vref/B)の値)
26;破線(紫外線センサ11のベース値)
27;破線(出力値の傾き)
28;実線(紫外線センサ11の出力)
31;光強度測定装置
32;シャッタ
33;発光ダイオード
34;バイアス光
35;センサアンプ
36;デジタルマルチメータ
37;破線(紫外線16の強度)
38;実線(紫外線センサ11の出力値)
39;実線(紫外線センサ11の出力値)

Claims (16)

  1. 測定対象光を通過させるか遮断するかを選択する測定光断続手段と、前記測定対象光の経路における前記測定光断続手段の後方に配置され前記測定光断続手段が前記測定対象光を通過させるときにのみ前記測定対象光が入射するワイドバンドギャップ半導体からなる検出部材と、この検出部材に接続された1対の電極と、この1対の電極に接続され前記電極間に電圧を印加すると共に前記電極間に流れる電流を検出する検出手段と、前記測定対象光が前記検出部材に入射しているときの前記検出手段の出力をAとし、この出力Aを検出後、前記測定光断続手段により前記測定対象光を遮断し、伝導帯及び荷電子帯に存在するキャリア並びに浅い準位から放出されたキャリアが再結合又は電極への到達により消滅した後の前記検出手段の出力をBとするとき、(A−B)の値に基づいて前記測定対象光の強度を算出する演算手段と、を有することを特徴とする光強度測定装置。
  2. 測定対象光を通過させるか遮断するかを選択する測定光断続手段と、前記測定対象光の経路における前記測定光断続手段の後方に配置され前記測定光断続手段が前記測定対象光を通過させるときにのみ前記測定対象光が入射するワイドバンドギャップ半導体からなる検出部材と、この検出部材に接続された1対の電極と、この1対の電極に接続され前記電極間に電圧を印加すると共に前記電極間に流れる電流を検出する検出手段と、前記測定対象光が前記検出部材に入射しているときの前記検出手段の出力をAとし、この出力Aを検出後、前記測定光断続手段により前記測定対象光を遮断し、伝導帯及び荷電子帯に存在するキャリア並びに浅い準位から放出されたキャリアが再結合又は電極への到達により消滅した後の前記検出手段の出力をBとし、前記検出部材に光を入射し前記電極間に流れる電流が時間的に一定となった後に前記光を遮断し前記一定時間経過後の前記検出手段の出力をCとするとき、(A×C/B)の値に基づいて前記測定対象光の強度を算出する演算手段と、を有することを特徴とする光強度測定装置。
  3. 前記演算手段が予め入力された前記測定対象光の強度と前記検出手段の出力との関係に基づいて、前記測定対象光の強度を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の光強度測定装置。
  4. 前記検出部材が基板上に形成された半導体膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光強度測定装置。
  5. 前記半導体膜が前記基板上に気相合成法によって形成された多結晶ダイヤモンド膜であることを特徴とする請求項に記載の光強度測定装置。
  6. 前記多結晶ダイヤモンド膜は前記基板の表面に垂直な方向に配向しており、前記多結晶ダイヤモンド膜の表面がダイヤモンドの(100)結晶面を有していることを特徴とする請求項に記載の光強度測定装置。
  7. 前記多結晶ダイヤモンド膜が、前記基板の表面に平行な方向に配向した高配向膜であることを特徴とする請求項に記載の光強度測定装置。
  8. 前記測定対象光が紫外線であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光強度測定装置。
  9. 測定対象光を通過させるか遮断するかを選択する測定光断続手段と、前記測定対象光の経路における前記測定光断続手段の後方に配置され前記測定光断続手段が前記測定対象光を通過させるときにのみ前記測定対象光が入射するワイドバンドギャップ半導体からなる検出部材と、この検出部材に接続された1対の電極と、この1対の電極に接続され前記電極間に電圧を印加すると共に前記電極間に流れる電流を検出する検出手段と、この検出手段の出力に基づいて前記測定対象光の強度を算出する演算手段と、を有する光強度測定装置を使用し、前記測定光断続手段により前記測定対象光を通過させて前記検出部材に入射させ、前記検出手段により第1の検出結果を得る工程と、前記測定光断続手段により前記測定対象光を遮断する工程と、前記測定対象光を遮断した後、伝導帯及び荷電子帯に存在するキャリア並びに浅い準位から放出されたキャリアが再結合又は電極への到達により消滅した後に前記検出手段により第2の検出結果を得る工程と、前記第1の検出結果をAとし、前記第2の検出結果をBとするとき、前記演算手段により(A−B)の値を求め、この値に基づいて前記測定対象光の強度を算出する工程と、を有することを特徴とする光強度測定方法。
  10. 測定対象光を通過させるか遮断するかを選択する測定光断続手段と、前記測定対象光の経路における前記測定光断続手段の後方に配置され前記測定光断続手段が前記測定対象光を通過させるときにのみ前記測定対象光が入射するワイドバンドギャップ半導体からなる検出部材と、この検出部材に接続された1対の電極と、この1対の電極に接続され前記電極間に電圧を印加すると共に前記電極間に流れる電流を検出する検出手段と、この検出手段の出力に基づいて前記測定対象光の強度を算出する演算手段と、を有する光強度測定装置を使用し、前記測定光断続手段により前記検出部材に光を入射させて前記電極間に流れる電流が時間的に一定となった後に前記測定光断続手段により前記光を遮断した後、伝導帯及び荷電子帯に存在するキャリア並びに浅い準位から放出されたキャリアが再結合又は電極への到達により消滅した後に前記検出手段により第3の検出結果を得る工程と、前記測定光断続手段により前記測定対象光を通過させて前記検出部材に入射させ、前記検出手段により第1の検出結果を得る工程と、前記測定光断続手段により前記測定対象光を遮断する工程と、前記測定対象光を遮断した後前記検出手段により第2の検出結果を得る工程と、前記第1の検出結果をAとし、前記第2の検出結果をBとし、前記第3の検出結果をCとするとき、前記演算手段により(A×C/B)の値を求め、この値に基づいて前記測定対象光の強度を算出する工程と、を有することを特徴とする光強度測定方法。
  11. 前記測定対象光の強度を算出する工程は、前記演算手段に予め入力された前記測定対象光の強度と前記検出手段の出力との関係に基づいて、前記測定対象光の強度を算出する工程を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の光強度測定方法。
  12. 前記検出部材が基板上に形成された半導体膜であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の光強度測定方法。
  13. 前記半導体膜が前記基板上に気相合成法によって形成された多結晶ダイヤモンド膜であることを特徴とする請求項12に記載の光強度測定方法。
  14. 前記多結晶ダイヤモンド膜は前記基板の表面に垂直な方向に配向しており、前記多結晶ダイヤモンド膜の表面がダイヤモンドの(100)結晶面を有していることを特徴とする請求項13に記載の光強度測定方法。
  15. 前記多結晶ダイヤモンド膜が、前記基板の表面に平行な方向に配向した高配向膜であることを特徴とする請求項14に記載の光強度測定方法。
  16. 前記測定対象光が紫外線であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の光強度測定方法。
JP2002010738A 2002-01-18 2002-01-18 光強度測定装置及び光強度測定方法 Expired - Fee Related JP3830392B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002010738A JP3830392B2 (ja) 2002-01-18 2002-01-18 光強度測定装置及び光強度測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002010738A JP3830392B2 (ja) 2002-01-18 2002-01-18 光強度測定装置及び光強度測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003214947A JP2003214947A (ja) 2003-07-30
JP3830392B2 true JP3830392B2 (ja) 2006-10-04

Family

ID=27648394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002010738A Expired - Fee Related JP3830392B2 (ja) 2002-01-18 2002-01-18 光強度測定装置及び光強度測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3830392B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4123845B2 (ja) * 2002-07-02 2008-07-23 岩崎電気株式会社 紫外線センサおよび紫外線照度計
JP2010526450A (ja) 2007-05-03 2010-07-29 エイジェンシー フォー サイエンス, テクノロジー アンド リサーチ 紫外検出器及び線量計
JP5377438B2 (ja) * 2010-08-03 2013-12-25 株式会社神戸製鋼所 センサのモニタリング装置
CN104215329B (zh) * 2014-08-20 2016-08-17 广东美的集团芜湖制冷设备有限公司 测光补偿系统及测光补偿方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003214947A (ja) 2003-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Aldalbahi et al. A new approach for fabrications of SiC based photodetectors
US6911157B2 (en) Plasma processing method and apparatus using dynamic sensing of a plasma environment
Ahrenkiel et al. Comparison of techniques for measuring carrier lifetime in thin-film and multicrystalline photovoltaic materials
JP2019532272A (ja) 環境感度が高い薄膜デバイスの高エネルギーパルスのクリア処理
JP3830392B2 (ja) 光強度測定装置及び光強度測定方法
CN110277296A (zh) 等离子处理方法以及等离子处理装置
JP4836626B2 (ja) 半導体基板の検査方法、半導体基板の検査装置、半導体基板の評価方法、および半導体基板の評価装置
US8625085B2 (en) Defect evaluation method for semiconductor
WO2021148060A1 (zh) 一种利用光标定硅纳米线传感器的方法
JP5925634B2 (ja) 半導体の欠陥評価方法
KR100728082B1 (ko) 다이아몬드 자외선 센서
JP5477697B2 (ja) シリコンウェーハの表面または表層評価方法
JP2006128502A (ja) 表面キャリア再結合速度の測定方法及び測定装置
JP2019113545A (ja) 光学式濃度測定装置および光学式濃度測定装置の制御方法
JP5879783B2 (ja) 検出装置
JP2004077433A (ja) ダイヤモンド膜紫外線センサ
FR2985813A1 (fr) Capteur d'especes chimiques et procede de detection d'une espece chimique
JP4232383B2 (ja) 半導体ウエーハの表面処理方法
JP6382747B2 (ja) 過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定方法および過剰少数キャリアの実効ライフタイム測定装置
JP4138673B2 (ja) ダイヤモンドセンサ
Marcoux et al. Optical methods for end-point detection in plasma etching
Giraud et al. Mesoscale thermal infrared sources
JP4287692B2 (ja) 非晶質シリコンの化合物薄膜の応力評価方法
JP2009210277A (ja) 光熱分光法及び光熱分光装置
JP4360831B2 (ja) 表面層検出装置、プラズマ処理装置および表面層検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041022

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060613

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110721

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110721

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120721

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130721

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees