JP4232383B2 - 半導体ウエーハの表面処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエーハの表面に安定した空乏層または弱反転層または強反転層を形成するための表面処理方法に関する。
【0002】
【関連技術】
半導体ウエーハの物性値を測定するために半導体ウエーハの表面に空乏層を形成する必要がある場合がある。
【0003】
例えば、抵抗率を非接触で測定する方法としては、表面光電圧(Surface Photo voltage 以下SPVという)を利用する方法がエミル・カミエニエキらによって、例えば、J.Appl. Phys.Vol 54(11)、Nov. 1983 p.6481で提案されている。SPVは半導体に光を照射した時に生じる表面電位の変化を意味する。入射光を適当な周波数で断続した光子線で励起されるSPVのことを交流SPV(以下AC−SPV)という。本文中では以下、特に断りがない限り、SPVとはAC−SPVを意味する。
【0004】
まず、SPVの測定装置の一例を図3を用いて説明する。SPV測定装置11の光源としては断続が容易であるため通常は発光ダイオード(以下LEDという)12が用いられる。適当な周波数で断続されたLED12の光は開口14とレンズ16を通して収束されて、半導体ウエーハW(ここではSiウエーハ)表面に照射される。AC−SPVはSiウエーハW表面上にマイラー膜22を挿入して設置した透明電極24に接続したLED12の駆動周波数に同調したロックイン増幅器20で計測する。マイラー膜22はなくてもよく、SiウエーハW表面と数十μm〜200μm程度の空隙を介して設置された透明電極24でも計測できる。透明電極24としては、例えば、ガラス基板にインジウム酸化物を蒸着させてつくることができる。なお、図3において、12aは光、18はLEDドライバー、26はガラスプレート、28は金属電極である。
【0005】
図4にp型Siウエーハを例にとり、抵抗率を測定する原理図を示す。AC−SPV測定用の透明電極30はSiウエーハWと100μmの空隙32を介して設置されており、これによりSiウエーハW表面と非接触で測定可能となるメリットがある。入射光34aとしてはSiのエネルギーギャップに対応する波長よりも短波長の光が用いられ、このように短波長の光を用いる理由は以下のとおりである。
【0006】
例えば、波長450nmの光の場合のSi中での吸収係数が大きいため、Siウエーハ中への侵入深さは約0.5μm程度である。仮にSiウエーハW表面近傍に形成された空乏層36巾が1μmであれば、入射された光は空乏層36内で全て吸収される。その結果、入射光34aによってSiウエーハW中に励起される過剰キャリアは空乏層のみで発生することになる。図4において、34は光源、38はグランド電極である。
【0007】
空乏層36内に励起された過剰キャリアは内部電界によってのみ電荷分離されるため、得られるSPVはSiウエーハのキャリア拡散長Lや裏面での表面再結合速度などの基板特性の影響を受けなくなり、光電流Jphは次式で表される。
【0008】
【数1】
Jph=qΦ(1−R)・・・・・(1)
【0009】
ここで、qは電荷素量、Φは入射光子密度、Rは光反射率である。
【0010】
このような状態で試料表面に一様に照射されると、AC−SPVは次のような関係式で表すことができる(例えばエミル・カミエニエキ等J.Appl. Phys.Vol 54(11)、Nov. 1983 p.6481)。
【0011】
【数2】
δVs=−jδφ/ω(1−R)qCdp -1・・・・・・(2)
【0012】
ここで、Vsは表面の電位障壁高さ、ωは入射光の角周波数(ω=2πf、fは変調周波数)、qは電荷素量、Cdpは試料表面に形成された空乏層のキャパシタンス、Rは光反射率、φは入射光子束である。δVsはVsの変化量であり、図3中の試料より100μm程度の空隙32を介して設置された透明電極30にてAC−SPV信号として観測される。AC−SPV信号はCdpのみに依存することになり、結果として空乏層キャパシタンスが算出できる。空乏層キャパシタンスCdpと空乏層幅Wdの間には一般的に次式が成り立つ。
【0013】
【数3】
Cdp=εs/Wd・・・・(3)
【0014】
ここでεsはSiの比誘電率である。仮に非測定物の表面が強反転状態であれば、空乏層巾Wdは最大値Wmaxになり次式で表すことができる。
【0015】
【数4】
【0016】
ここで、Wmaxは強反転状態での最大空乏層幅、εsはSiの比誘電率、kはボルツマン定数、Nscはドーパント濃度、niはSiの真性キャリア密度、qは電荷素量である。
【0017】
このSPV法の測定原理からも明確なように、半導体ウエーハ(例えば、Siウエーハ)W表面に入射した光によって半導体ウエーハWの内部に発生した電子eと正孔hは半導体ウエーハWの表面に形成された空乏層36の内部電界によって、電子eは半導体ウエーハWの表面に移動し、反対に正孔hは半導体ウエーハWの内部へと押しやられる。この結果、内部電界すなわち空乏層36の存在によって電場誘起光電圧すなわちSPV信号が発生する。したがって安定した空乏層を形成することは安定したSPV測定を行うために必要であるといえる。
【0018】
半導体ウエーハWの表面に空乏層36を形成するためには、p型半導体の場合には表面に正電荷を付着または形成すればよい。n型半導体の場合は負電荷を付着または形成すればよい。
【0019】
この具体的な方法としては、例えば、p型半導体の場合には、次のような方法がある。(1)HF水溶液に浸漬する(C.Munakata、Semicond.Sci.Technol. 5(1990)、pp.842−846)。及び(2)熱酸化する(B.E.Deal、IEEE Trans.Electron Device、ED−27、(1980)、pp.606−608他)。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法は、HF洗浄装置や酸化炉といった設備が必要であり、処理コストの上昇や処理に時間を要するなどの問題がある。これらの問題を解決する簡便な方法として、例えば、コロナ放電により生じるコロナチャージを半導体ウエーハ表面に付着させる方法(例えば特公平6−101507)が提案されている。
【0021】
しかし、この提案された方法は、以下の点で問題があった。通常、半導体ウエーハ表面に様様な化学物質が付着していることが判明している(例えばT.Takagi他、J.Appl. Phys. Vol.64、p.3561、1988)。これらの化学物質は半導体を製造するクリーンルームの壁面に塗布された塗料や半導体ウエーハを搬送・保管するために使用されるカセットやボックスの材料である、例えば、ポリカーボネートやフッ素樹脂材から発生する有機物である。
【0022】
半導体ウエーハをこれらのカセットやボックスに収納した場合に、これらの容器から発生する有機物は半導体ウエーハ表面に均一に付着するのではなく、容器と半導体ウエーハが接触している位置からの距離が近いほど、より多くの有機物が付着する。この結果、半導体ウエーハ表面に付着する有機物の量は面内で不均一に分布することになる。
【0023】
このように有機物や各種化学物質に不均一に汚染された半導体ウエーハを用いて、そのままコロナ放電により例えば+イオンを均一にp型半導体の表面に付着させたとしてももともと半導体ウエーハの表面に不均一に付着している有機物等の極性の影響を受けて相殺または重畳されてしまう。その結果は半導体ウエーハの表面に形成される正味の電荷量は不均一になってしまう。更には汚染がない清浄な半導体ウエーハの表面と化学物質が付着した表面では電気抵抗が異なるため、コロナ放電によって付着させた電荷の消滅速度が異なるといった結果を招く。
【0024】
これらの結果、コロナ放電によって半導体ウエーハの表面に形成した電荷は、半導体ウエーハ表面に予め付着していた各種化学物質の影響を受けて、相殺、あるいは重畳された上に、消滅速度も影響を受けるため、コロナ放電処理後に各種の測定を行うまでには半導体ウエーハの表面に形成されている正味の電荷量は不均一になってしまう。この結果、半導体ウエーハの表面に形成される空乏層が均一に形成されないため、正しい測定結果を得られないといった問題点がある。
【0025】
本発明は、これらの問題点に鑑みなされたものであり、半導体ウエーハの表面に均一で安定した正味の電荷を形成するための半導体ウエーハの表面処理方法を提供することを目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の半導体ウェーハの表面処理方法の基本的技術思想は、半導体ウエーハの表面に安定した空乏層を形成する方法であって、少なくとも半導体ウエーハの表面に付着した有機物を除去する工程と、有機物除去後の前記半導体ウエーハの表面に電荷を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0027】
換言すれば、本発明の半導体ウェーハの表面処理方法の基本的技術思想は、電荷形成処理を行う前処理として、半導体ウェーハの表面に不均一に付着されている有機物を主とする各種化学物質を除去する処理を行うことにより表面汚染のない清浄な半導体ウェーハ表面を形成させてその後、連続してあるいは一定時間以内に電荷形成処理を行うものである。
【0028】
本発明において、半導体ウエーハ表面に付着している有機物を主とする各種化学物質を除去する処理方法としては、例えば以下の処理方法がある。
【0029】
(1)半導体ウエーハを100〜600℃に加熱して1秒以上300秒以下の範囲で保持することにより付着した有機物を熱的に分解して表面より昇温脱離させる。この方法の場合には、加熱処理を酸素を1%以上含むガスで行うことにより、昇温中に有機物は昇温脱離すると同時に薄い酸化膜を表面に形成できるためp型Siウエーハの場合は表面に正電荷も合せて形成できるといったメリットがある。
【0030】
(2)半導体ウエーハに紫外線を1秒以上300秒以下の範囲で照射することにより、有機物を分解除去する。この場合は、ウエーハを加熱しながら行うとさらに効果的である。
【0031】
(3)オゾン(O3)を含有する水溶液に半導体ウエーハ表面を接触させることにより、オゾン(O3)の強い酸化力を用いて有機物を分解除去する。この方法の場合は、有機物を酸化させて除去できると同時に薄い酸化膜を表面に形成できるため、p型半導体ウエーハの場合は表面に正電荷も合せて形成できるといったメリットがある。この場合は、半導体ウエーハを加熱しながら行うとさらに効果的である。
【0032】
一方、半導体ウエーハ表面に電荷を形成する方法としては、例えば、コロナ放電を用いてp型半導体の場合は+イオンを付着させる方法とn型半導体の場合は−イオンを付着させる方法がある。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0034】
図1は本発明の半導体ウエーハの表面処理方法の工程順の1例を示すフローチャートである。まず、必要な前処理、例えば後述する実施例に記載したようにエピタキシャル層の形成等、を施して表面処理の対象となる半導体ウエーハを用意する(ステップ100)。次に、半導体ウエーハの表面に付着した有機物を除去する(ステップ102)。この有機物除去工程は、前述したように、加熱処理、紫外線照射又はオゾン水洗浄によって行えばよい。
【0035】
この表面の有機物の除去を行った半導体ウエーハに対しては続いてその表面に電荷を形成する(ステップ104)。この電荷形成工程は、前述したようにコロナ放電等によって行われる。上記した有機物除去工程(ステップ102)及び電荷形成工程(ステップ104)は後述するように一つの装置によって実施することもできるし、別々の装置を用いて行ってもよい。
【0036】
本発明方法のさらなる具体例をp型Si半導体ウエーハ(以下半導体ウエーハ又はウエーハということがある)を例にとり、図2を用いて説明する。図2は本発明の半導体ウエーハの表面処理方法に用いられる装置の一例を示す説明図であり、同一装置内においてウエーハの加熱とコロナ放電によるウエーハ表面への電荷形成処理を行なうことが可能な構成となっている。
【0037】
図2において、Aは半導体ウエーハ表面の処理装置で、ステージ1を有している。このステージ1に半導体ウエーハWを積載する。ステージ1はX−Y駆動用モーター7に接続されていてX−Y軸方向に駆動できる構造である。ステージ1の上部には半導体ウエーハWを加熱するためのハロゲンランプ3が配置されており、その後方にはハロゲンランプ3からの光を反射させるための反射材4が配置されている。そして、ハロゲンランプ3の隙間には半導体ウエーハWの温度を測定するための温度センサー5が配置されている。
【0038】
まずステージ1に積載されたウエーハWはステージ1を駆動することにより、ハロゲンランプ3の下まで移動する。そしてランプ印加用電源6よりハロゲンランプ3に電圧が印加されて、ウエーハWが加熱される。ウエーハWの温度は温度センサー5でセンシングされて所望の昇温速度、保持温度、降温速度になるようにランプ印加用電源6の出力を制御しながらウエーハWを加熱する。加熱保持温度は100〜600℃の範囲で好ましくは300℃前後である。100℃未満の温度ではウエーハW表面に付着した有機物を熱分解し脱離するには長時間の熱処理が必要であり、実用的ではない。逆に600℃を超える温度では加熱により汚染を受けやすくなるため問題である。保持時間であるがウエーハW表面に付着した有機物が完全に昇温脱離するのに必要最低限の時間でよく、数秒〜300秒の範囲である。好ましくは20〜60秒である。300秒より長いとスループットの低下を招くので好ましくはない。
【0039】
加熱中の雰囲気は空気(Air)、Ar、O2、N2、H2及びこれらの混合ガス雰囲気でよいが、以下の理由よりできれば空気(Air)の様なO2含有雰囲気が好ましい。酸素が1%以上の濃度であれば加熱処理中にウエーハ表面に付着した有機物は昇温脱離すると同時に表面に極薄い酸化膜が形成される。この酸化膜は正電荷を帯びているため、有機物の除去と正電荷の形成が同時にできるため、特にp型半導体では有効である。また表面に酸化膜が形成されると、抵抗率がSiウエーハより高くなる。この結果、この後にコロナ放電でウエーハ上に付着させたコロナチャージの消滅速度が遅くなり、結果としてより多量のチャージをウエーハ表面に形成できるので、ウエーハの表面に強反転層を形成することができる。強反転状態では、前述したようにウエーハ内部に形成される空乏層の幅は最大値Wmaxになり、空乏層は最大値で一定になる。ウエーハ表面の電荷量が多少変化しても強反転状態を保つことができれば空乏層は最大値で一定であるので、安定したSPV他の測定が実現できるのである。
【0040】
ウエーハWは、前述の加熱処理後、ステージ1が駆動してコロナ放電を発生させる金属ワイヤー10の下まで移動する。この状態で金属ワイヤー10に高電圧印加電源8より、ステージ1に対して正の高電圧を印加することによりウエーハW上に+のコロナイオンが降り注がれることになる。+のコロナイオンは金属ワイヤー10に全体よりウエーハWに向かって線状に降り注がれるのので、ステージ1をY方向に駆動することによりウエーハW全面に+イオンを付着させることができる。
【0041】
ウエーハWを熱処理した後にコロナチャージ処理を開始するまでの時間は60分以内である必要がある。より好ましくは5分以内であり、もっとも望ましくは熱処理直後に行うことである。その理由は以下のとおりである。
【0042】
クリーンルームの雰囲気は壁面に使用している塗料や、各種装置の構成材であるプラスチックを代表とする有機物部材、特にウエーハを収納・運搬するBOXやカセットはウエーハと極めて近接な位置関係にあるため、半導体ウエーハ表面を有機物汚染する。これらの理由により半導体ウエーハを製造する場所の雰囲気中には相当量の有機物が存在している。このため、熱処理によって折角ウエーハ表面に付着した有機物を昇温脱離させてもそのままウエーハを放置すると再度ウエーハ表面は有機物汚染されてしまうからである。
【0043】
従って、図2の装置のように、加熱処理と電荷形成処理が同一装置内で実施できる装置構成とし、加熱処理直後にコロナチャージ処理を実施することが好適である。尚、加熱処理と電荷形成処理を別々の装置で行うこともできるが、その場合には、前述のように加熱処理後60分以内、望ましくは5分以内にコロナチャージ処理を行うことが好ましい。
【0044】
ウエーハ表面の有機物を除去する方法としては、上記の加熱処理のほか、紫外線を照射することにより実施することもできる。その場合、例えば図2の装置において、ハロゲンランプ3の代わりに紫外線ランプを用いた装置とすればよい。また、加熱しながら紫外線を照射することを可能にするため、ステージ1に温度調整機能を付加することもできる。
【0045】
一方、オゾン(O3)の強い酸化力を用いて有機物を分解除去するため、純水にO3を1〜30ppm程度溶かしたO3水、より好ましくは10〜20ppmのO3水に0.5〜3分接触させることにより実施することもできる。O3水に接触させる方法としては例えば特願平9−267080に記載されている方法や一般的に広く市販のO3洗浄装置を用いることができる。その場合には、前述のようにオゾン処理後60分以内、望ましくは5分以内にコロナチャージ処理を行うことが好ましい。
【0046】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0047】
(実施例1〜3及び比較例1)
p型0.01Ωcmのシリコンウエーハの表面にp型10Ωcmのエピタキシャル層を形成したウエーハ4枚を、ポリカーボネート製のウエーハボックス内に収容し1週間放置した。
【0048】
これらのエピタキシャルウエーハのそれぞれに対し、表1に示した条件で有機物除去工程(実施例1:加熱処理、実施例2:紫外線照射、実施例3:オゾン水洗浄、比較例1:なし)を施した。そして、有機物除去工程直後(5分以内)に、各ウエーハに対してコロナ放電処理によりプラスチャージをウエーハ表面に形成し、SPV法によりエピタキシャル層のキャリア濃度を測定した。
【0049】
SPV法によるキャリア濃度はウエーハ面内9点を測定し、その面内バラツキ((最大値−最小値)/平均値×100%)を求め、その結果を表1に示した。表1から明らかなごとく、実施例1〜3においてはキャリア濃度のバラツキは2.5〜3.6%という安定した範囲内におさまっているのに対し、比較例1では8.3%と大きいバラツキを示している。したがって、本発明方法によれば半導体ウエーハ表面に安定した空乏層を形成することができ、安定したSPV測定を行うことができることが判明した。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明方法によれば、半導体ウエーハ表面の有機物が効果的に除去されるため、半導体ウエーハ表面に均一で安定した正味の電荷を形成することができ、そのため、SPV法などによる測定の際に精度の高い測定結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体ウエーハの表面処理方法の工程順の1例を示すフローチャートである。
【図2】 本発明の半導体ウエーハの表面処理方法に用いられる装置の1例を示す説明図である。
【図3】 SPVの測定装置の一例を示す説明図である。
【図4】 p型Siウエーハの抵抗率を測定する原理図である。
【符号の説明】
1:ステージ、3:ハロゲンランプ、4:反射材、5:温度センサー、6:ランプ印加用電源、7:駆動用モーター、8:高電圧印加電源、9:コントローラー、10:金属ワイヤー、11:SPV測定装置、12:LED、12a:光、14:開口、16:レンズ、18:LEDドライバー、20:ロックイン増幅器、22:マイラー膜、24,30、:透明電極、26:ガラスプレート、28:金属電極、32:空隙、34:光源、34a:入射光、36:空乏層、38:グランド電極、e:電子、h:正孔、W:半導体ウエーハ(Siウエーハ)。
Claims (6)
- 半導体ウエーハの表面に安定した空乏層を形成する方法であって、少なくとも半導体ウエーハの表面に付着した有機物を除去する工程と、有機物除去後の前記半導体ウエーハの表面に電荷を形成する工程とを有し、前記有機物を除去する工程は、100℃以上600℃以下の温度範囲にて、1秒以上300秒以下の範囲で加熱処理する工程であり、前記加熱処理を酸素濃度1%以上の酸化性雰囲気にて行うことを特徴とする半導体ウエーハの表面処理方法。
- 前記半導体の導電型がp型であることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエーハの表面処理方法。
- 半導体ウエーハの表面に安定した空乏層を形成する方法であって、少なくとも半導体ウエーハの表面に付着した有機物を除去する工程と、有機物除去後の前記半導体ウエーハの表面に電荷を形成する工程とを有し、前記有機物を除去する工程は、紫外線を1秒以上300秒以下の範囲で照射する工程であることを特徴とする半導体ウエーハの表面処理方法。
- 半導体ウエーハの表面に安定した空乏層を形成する方法であって、少なくとも半導体ウエーハの表面に付着した有機物を除去する工程と、有機物除去後の前記半導体ウエーハの表面に電荷を形成する工程とを有し、前記有機物を除去する工程は、オゾン水に前記半導体ウエーハの表面を接触させる工程であることを特徴とする半導体ウエーハの表面処理方法。
- 前記半導体ウエーハの導電型がp型であることを特徴とする請求項4に記載の半導体ウエーハの表面処理方法。
- 前記の半導体ウエーハの表面に電荷を形成する工程は、コロナ放電によって半導体ウエーハの表面にイオンを付着させる工程であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体ウエーハの表面処理方法。
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