JP2006128502A - 表面キャリア再結合速度の測定方法及び測定装置 - Google Patents

表面キャリア再結合速度の測定方法及び測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的強度の強いプローブ光の影響を受けたFK振動からであっても表面フェルミ準位を求めることができると同時に表面再結合速度を決定できる表面キャリア再結合速度の測定方法及び測定装置を提供する。
【解決手段】半導体試料5の表面に励起光源9によるポンプ光を変調器12を介して照射すると共に、白色光源1によるプローブ光を照射し、上記半導体試料5の表面で反射されたプローブ光の光変調スペクトルをPR信号用検出器8で測定し、上記光変調スペクトルに現れるフランツ・ケルディッシュ振動の周期にもとづいて表面電場強度を算出すると共に、上記表面電場強度とプローブ光強度の関係にもとづいて表面再結合速度と表面フェルミ準位とを算出する。
【選択図】図12

Description

この発明は、表面キャリア再結合速度の測定方法及び測定装置、特に分光測定技術に属する変調分光法を用いて、半導体表面のキャリア再結合速度と表面フェルミ準位とを非破壊・非接触で同時かつ精密に評価するための方法および装置に関するものである。
一般に、半導体(ここでいう半導体とはドーピング技術によりキャリア濃度を制御できる固体全てを含む)素子の特性および信頼性とエピタキシャル(以下エピという)表面および界面(以下、単に表面という場合は界面も含む)の状態との間には密接な関係がある。例えば、電界効果型トランジスタ(field effect transistor, FET)の場合では表面準位による周波数分散の発生や耐圧変動、ヘテロ接合型バイポーラトランジスタ(heterojunction bipolar transistor, HBT)の場合では再結合電流の増大に伴う信頼性の低下や雑音の増加が表面/界面状態に依存する。
一方、表面発光レーザーダイオード(laser diode, LD)では、閾値電流と微分量子効率とが表面状態に関係している。従って、表面状態の定量的評価は、高性能/高信頼性素子の開発/量産の鍵であると考えられる。
近年、半導体表面の光学的評価技術として、光変調反射(photoreflectance, 以下PRという)分光法に代表される非破壊・非接触型の変調分光法が注目を集めている(例えば特許文献1参照)。その大きな理由の一つとして、変調分光法が表面の電場強度に対して敏感であるという事実が挙げられる。例えば、変調分光法を用いることによって得られる内部電場を有する半導体試料からのスペクトルには、フランツ・ケルディッシュ(Franz-Keldysh, 以下FKという)振動と呼ばれる振動パターンが特異点での光学遷移エネルギー近傍に出現する。
特開2002−340675号公報
この FK振動の周期に対応する電気光学エネルギーは、表面電場強度によって決定される。特に半導体では、表面電場は、表面フェルミ準位ピニングという現象によって生成されるので、FK振動の測定は表面フェルミ準位測定の一手段とみなすことができる。
実際、例えばShen らは、アンドープ AlxGa1-xAs (i-AlxGa1-xAs)/n型AlxGa1-xAs (n-AlxGa1-xAs)/ n型基板からなるエピ構造のPRスペクトル測定を行い、i-AlxGa1-xAs層のフェルミ準位を算出し評価している。
半導体表面を特徴付けるもう一つ別の重要なパラメータとして、表面再結合速度と呼ばれるパラメータがある。これは、表面での再結合によるキャリアの損失を特徴付けるパラメータであり、表面フェルミ準位と同様に半導体素子の性能に影響を与える。
これまで、このパラメータの評価には、上述の変調反射分光法以外の測定方法が用いられてきた。例えば、半導体からの光励起発光(photoluminescence, 以下PLという)の時間分解測定を行い、光励起後の時間の関数としてプロットされた発光強度の減衰プロファイルの解析から表面再結合速度を決定するという方法があり広く用いられている。
従来の測定方法において、FK振動から表面フェルミ準位を評価する場合、定常的なプローブ光照射に起因する光起電力効果を除去する必要があるとされてきた。なぜなら、光起電力効果により表面電場強度が減少するためである。この光起電力効果を抑制するために、例えば、上述のShenらの測定では、プローブ光は試料表面上でデフォーカスされており、プローブ光強度密度は0.1 μW/cm2以下となっている。このように非常に弱い強度のプローブ光は、言うまでもなく、信号対雑音(signal to noise, S/N)比の低下を引き起こしてしまい、これはPR測定の困難さにつながっている。
一方、表面再結合速度の評価方法にも問題点が存在しており、その一つとして、例えば減衰プロファイルから半導体結晶内部でのキャリア再結合成分との表面再結合速度に起因する成分との分離が困難であるという問題点がある。しかも言うまでもなくPL分光法に基づくこの方法は、試料からの発光が弱い場合には適用できない。
上述した表面フェルミ準位と表面再結合速度という二つのパラメータは、いずれも表面状態を反映したパラメータなので、それらの間には相関があると考えられる。ところが前にも触れたように、表面フェルミ準位と表面再結合速度とは、従来、全く異なる方法で測定されてきた。このことは、これまでに得られてきた表面フェルミ準位と表面再結合速度とが異なる測定条件で得られた値であることを意味しており、従って、それらの相関を議論する際に不確かさを伴うという問題があった。当然のことながら、この二つのパラメータを評価する場合、2種類の異なった測定を行うことになる。このことは評価時間やコストの増大につながり、半導体素子の精密な表面設計に対する障害となっていた。
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、比較的強度の強いプローブ光の影響を受けたFK振動からであっても表面フェルミ準位を求めることができると同時に表面再結合速度を決定できる変調分光測定および解析方法を提供することを目的としており、さらにこの方法に適した装置および評価用試料構造を与えることを目的とする。
この発明に係る表面キャリア再結合速度の測定方法は、半導体の表面にポンプ光を変調器を介して照射すると共に、ある強度のプローブ光を照射し、上記半導体の表面で反射されたプローブ光の光変調スペクトルを測定し、上記光変調スペクトルに現れるFK振動の周期にもとづいて表面電場強度を算出すると共に、上記表面電場強度とプローブ光強度との関係にもとづいて表面再結合速度と表面フェルミ準位とを算出するものである。
この発明に係る表面キャリア再結合速度の測定方法は上記のように構成されているため、FK振動から表面再結合速度と表面フェルミ準位とを同時に算出することができる他、非破壊・非接触で計測することができる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。この実施の形態では、始めに、光変調分光測定によって得られるスペクトル(例えば、PRスペクトル、光変調透過スペクトルおよび光変調吸収スペクトル)上に現れるFK振動から表面再結合速度と表面フェルミ準位とを同時に算出するための解析方法およびそれを可能とする測定方法の実施の形態を示す。次に、解析方法の妥当性および有効性の詳細な説明を行う。引き続き、この測定・解析方法に適した各装置の実施の形態とそれらの構成に対する詳細な説明を行う。さらに、表面再結合速度と表面フェルミ準位とを精密に測定するためのエピ構造を示し、その構造の作用と効果の詳細な説明を行う。最後に、具体例を示し、この発明の実現の可能性を検証する。
PRスペクトルに現れるFK振動から表面再結合速度と表面フェルミ準位とを同時に抽出するための測定・解析方法を以下に示す。なお、ここではPRスペクトルを例にあげて説明を行うが、光変調透過スペクトル、光変調吸収スペクトルに対しても同様な測定・解析方法を適用することにより、表面再結合速度と表面フェルミ準位とを同時に抽出することが可能である。
(1) さまざまなプローブ光強度に対してPRスペクトルを測定する。得られたスペクトルの一例を図1に示す。この図の横軸はフォトンエネルギーを示し、縦軸はPR信号強度を示す。また、Aはプローブ光強度密度が30 μW/cm2の場合、Bは同じく13 μW/cm2の場合、Cは同じく5.5 μW/cm2の場合、Dは同じく2.8 μW/cm2の場合を示す。
(2) PRスペクトル上に現れるFK振動の周期(電気光学エネルギーに相当)を解析し、表面電場強度を算出する。FK振動解析による振動パターンの極値をプロットした図を図2に示し、プローブ光強度密度が30 μW/cm2の場合におけるFK振動をフーリエ変換したスペクトルを図3に示す。表面電場強度の算出については後述する。
(3) 得られた表面電場強度をプローブ光強度密度の関数としてプロットし、表面再結合速度と表面フェルミ準位とをパラメータとし、シミュレーターを用いてフィッティングを行う。フィッティングの一例を図4に示す。この図において、黒丸は実験値を示し、実線は計算値を示す。また、Sは表面再結合速度を示し、△EFは表面フェルミ準位を示す。
後述するように表面電場強度はこれら二つのパラメータに対して顕著に依存し、他のパラメータ、例えば半導体結晶内部でのキャリアライフタイム(バルクキャリアライフタイム)等は、このフィッティングに影響を与えない。従って、表面再結合速度と表面フェルミ準位とを精密に求めることができる。
次に、上記測定・解析方法の詳細な説明を行う。図5はPR測定装置の構成を示す概略図である。この装置を用いたPRスペクトルの測定は以下の手順で行われる。
(1) 励起光源9からの光、例えばレーザー光をポンプ光として励起光源パワー安定器10および励起光源用フィルター11、変調器(例えばチョッパー)12を経て連続光から断続光に変換し、ポンプ光集光レンズ13を介して半導体試料5に照射する。
(2) 試料5上で散乱された外部変調光が反射プローブ光集光レンズ6およびロングパスフィルター7を経てPR信号用検出器8に入る状態にする。この状態で検出された信号に対して、ロックインアンプ(図示せず)の位相を合わせる。位相合わせは、以下の手続きで行なわれる。
まずロングパスフィルター7を外し、試料5で散乱されたポンプ光をレンズ6でPR信号用検出器8に集光する。PR信号用検出器8で変換された電気信号に対して、必要に応じて電流電圧変換あるいは電圧増幅した後、参照信号としてロックインアンプに送り、ロックインアンプの位相を参照信号と同位相になるように合わせる。
(3) ロングパスフィルター7を挿入し、PR信号用検出器8に試料5の表面で散乱されたポンプ光が入らないようにする。
(4) 試料5のPRスペクトルを測定するために、白色光源(例えばランプ)1の光を白色光集光レンズ2を介して分光器3に導く。この状態で分光器3から出射されプローブ光集光レンズ4を経た光がプローブ光である。
(5) 分光器3を掃引し、PR信号用検出器8でプローブ光を検出する。
(6) 検出された信号を、バンドパスフィルター(図示せず)を通して、反射率Rに相当する直流成分と変調反射率△Rに相当する交流成分とに分ける。
(7) 上記直流成分および交流成分を、それぞれ直流電圧計とロックインアンプとで測定する。
(8) コンピューター上で△R/Rを計算し、PR信号を得る。
(9) (5)〜(8)を繰り返し、PRスペクトル△R/Rを波長λあるいはフォトンエネルギーの関数として記録する。
次に、得られたスペクトル上に現れるFK 振動の解析方法について述べる。FK振動から表面電場強度を算出する手法の一つとして、振動パターンの極値を図2に示すようにプロットし、その傾きから求める方法がある。図2において白丸はプローブ光強度が5.5 μW/cm2の場合、黒丸は同じく30 μW/cm2の場合を例示している。
この方法では、まずFK振動の極値に対して図6に示すように指数jを割り振る。
次に、指数付けされた極値を、jによって決定される準指数Xjの関数としてプロットする。極値とXjとの関係は、被測定試料の内部電場の分布状態および変調の方法に依存する。例えばアンドープ層/ドーピング層の2層からなるサンプルの場合は、アンドープ層内で電場強度がほぼ一様であるため、表面電場を無視できるほど小さくしてしまうような強い変調をかける場合、極値とXjとの関係は次式で表される。
Figure 2006128502
Figure 2006128502

ここでΦは位相因子であり、その一般形式は次式で表される。なおこの一般形式は、FK振動を生じさせる表面に保護膜が存在する場合にも適用できる式である。
Figure 2006128502
Figure 2006128502
Figure 2006128502

このフーリエ変換によって得られるスペクトルのピークの位置νmaxから電場強度を算出するためには次式が用いられる。
Figure 2006128502
ここでμrは、電子・正孔の換算有効質量である。
次に、図4に示すようにプローブ光強度の関数としてプロットされた表面電場強度から表面フェルミ準位および表面再結合速度を抽出するフィッティングについて説明する。
フィッティングの原理を示しその妥当性および有効性を証明するため、以下の説明では、例として試料5がi-GaAs/n-GaAs構造の場合を取り上げ、この構造に対する計算結果を示す。なお試料構造の具体的な数値は以下の通りである。i-GaAs層膜厚: 200 nm、n-GaAs層膜厚: 1.0μm、n-GaAs層ドーピング濃度: 3x1018 cm-3。その他シミュレーションに用いられたパラメータは特に断らない限り、表1および表2に示された値である。表1はi-GaAs(200 nm)/n-GaAs(1.0 μm, 3x1018 cm-3) エピタキシャルレイヤー構造における内部電場強度およびキャリア密度の計算に用いられたパラメータで、i-GaAs層、n-GaAs層に共通のパラメータを示し、表2はi-GaAs層、n-GaAs層で値が異なるパラメータを示している。さらに、以下ドーピング濃度とはイオン化されたドーパントの密度を指すものとする。
Figure 2006128502
Figure 2006128502
図7は、試料表面からの距離の関数としてプロットされたさまざまなプローブ光強度におけるi-GaAs/n-GaAsの内部電場強度を示している。この計算に用いられた表面フェルミ準位と表面再結合速度は、それぞれ±0.0 eVおよび2x105 cm/sである。ここで表面フェルミ準位の値は、図8に示すように、ミッドギャップ位置を基準として定義した値である。従って、±0.0 eVという値は、表面フェルミ準位がミッドギャップにピニングされていることを意味しており、一方正(負)の値は、表面フェルミ準位が伝導帯(価電帯)とミッドギャップとの間に位置している状態に相当する。
図7において、実線はプローブ光が照射されていない状態、すなわち平衡状態での内部電場に相当する。一方、他の線はプローブ光が常時照射されている状態、すなわち定常状態での内部電場に相当する。一点鎖線、破線および点線は、プローブ光強度密度がそれぞれ1.0, 10 および 100 μW/cm2での内部電場強度に相当する。表面からの距離0.2 μmで現れているピークは、主にn-GaAs層でのバンドギャップ・シュリンケージに起因するn-GaAs層とi-GaAs層との間でのバンドギャップエネルギー差によるものである。このピーク構造を除けば、内部電場はi-GaAsで一様に分布している。ここで注目すべき点は、μW/cm2オーダーの強度密度のプローブ光照射で表面電場強度が減少していることである。これは、内部電場強度がプローブ光強度密度に対して敏感であることを示している。
この現象が表面電場に対する光起電力効果である。
この光起電力効果と表面フェルミ準位、表面再結合速度との間の関係を調べるため、表面フェルミ準位と表面再結合速度とを可変パラメータとして用いてさまざまなプローブ光強度密度での表面電場強度を計算した。計算された表面電場強度は、プローブ光強度密度の関数として図9(a)および図9(b)にプロットされている。
図9(a)は表面フェルミ準位を±0.0 eVに固定し、表面再結合速度を種々の値にした場合の状況を示すものであり、(i)は表面再結合速度を1.0x106 cm/sとした場合、(ii)は同じく5.0x105 cm/s、(iii)は同じく2.0x105cm/s、(iv)は同じく1.0x105 cm/sとした場合の状況である。
また、図9(b)は表面再結合速度を2.0x105cm/sに固定し、表面フェルミ準位を種々の値にした場合の状況を示すものであり、(i)は表面フェルミ準位を0.10 eVとした場合、(ii)は同じく±0.00 eV、(iii)は同じく+0.10 eV、(iv)は同じく+0.15 eVとした場合の状況である。
図9(a)に示されている表面電場強度の計算では、表面再結合速度は、(iv)の1.0x105から(i)の1.0x106 cm/sまで変化させられており、一方、表面フェルミ準位は、±0.0 eVに固定されている。対照的に図9(b)に示されている表面電場強度の計算では、表面フェルミ準位は(i)の0.10から(iv)の+0.15 eVまで変化させられており、一方、表面再結合速度は2.0x105 cm/sに固定されている。
図9(a)が示すように表面電場強度は、表面再結合速度の増大によって増強される。この表面電場強度の増強は、キャリアに由来する光起電力効果が抑制されることによって引き起こされると考えられる。なぜなら表面再結合速度の増加は有効キャリアライフタイムを短くさせ、これが定常状態でのキャリア密度を減少させるからである。キャリア密度と表面再結合速度との関係を調べるため、異なる表面再結合速度における表面での電子密度の計算を行った。
その結果、表面再結合速度が1.0x105 および 5.0x105 cm/sの場合における表面電子密度は、それぞれ1.2x108 および2.3x107 cm-3である。なおこの計算は、5.0 μW/cm2のプローブ光強度密度と±0.0 eVの表面フェルミ準位とを用いて行われている。この計算例は、キャリア密度が表面での再結合速度に強く依存することを支持している。
次に、表面電場強度をプローブ光強度の関数としてプロットすることによって得られた図9(a)と図9(b)に示されている曲線の形状について説明する。図9(a)に示されているそれぞれの曲線の形状は、表面電場強度がプローブ光強度密度の対数に対して直線的な依存性を持つことを示している。対照的に、図9(b)で曲線の形状は、表面フェルミ準位が伝導帯の底に近づくに従い、低プローブ光強度密度領域で飽和特性を示している。それゆえ曲線の形状は、表面フェルミ準位と表面再結合速度との二つのパラメータの組み合わせに対して敏感であると結論される。この結論は、表面フェルミ準位と表面再結合速度とが表面電場強度のプローブ光強度密度依存性から同時に決定できることを意味している。
この解析方法が物理的に意味のある方法であることを確認するため、言い換えれば解析方法の効果/妥当性を検証するため、曲線形状の違いの原因を明らかにすることは重要である。
この曲線形状の違いは、太陽電池の開放端光起電力に関する理論によって説明できる。
この理論によると、プローブ光照射時におけるフェルミ準位と伝導帯底のエネルギー差に相当する定常状態での表面ポテンシャル障壁VBは次のように表される。
Figure 2006128502
ここで、VB,0は平衡状態でのポテンシャル障壁、kBはボルツマン定数、eは素電荷、Tは温度、γは理想因子である。物理量JPCとJ0は、それぞれ光誘起電流(光電流)および飽和電流(暗電流)密度である。式(7)において光起電力効果に相当するのは第2項である。
第2項に現れる飽和電流密度に対する主な寄与は、室温では熱放出と拡散である。一方、光誘起電流密度はプローブ光強度密度に比例する。デバイ長および空間電荷による補正を無視するという近似に基づけば、定常状態でのポテンシャル障壁は、
Figure 2006128502

と与えられる。ここでFs と di-GaAs は、それぞれ定常状態での表面電場強度およびi-GaAs層の層厚を示している。式(7)は次のように変形できる。
Figure 2006128502

この式でFs,0は、平衡状態での表面電場強度である。
この式から明らかなように、定常状態での表面電場強度は、J0<<JPCの極限においてプローブ光強度密度の対数に対して比例する。対照的に逆の極限、すなわちJ0>>JPCにおいて、定常状態での表面電場強度は、低プローブ光強度密度領域で飽和する。ゆえに、図9(a)に示されている直線依存性は前者の極限に由来しており、図9(b)の飽和特性は後者の極限から生じていると考えられる。
上記考察を確かめるため、キャリア密度の分布を調べた。図10(a)と図10(b)は、表面からの距離の関数とした電子密度の分布を示している。図10(a)と図10(b)に示されている電子密度分布の計算で採用された表面再結合速度の値は同じであり、2.0x105 cm/sである。
一方、表面フェルミ準位の値は異なっており、それぞれ±0.0 eVおよび+0.10 eVである。
このことは、図10(a)と図10(b)に示されている電子密度分布がそれぞれ図9(a)の曲線(iii)および図9(b)の曲線(iii)と同じパラメータを用いて計算されていることを意味する。
図10(a)および図10(b)の実線は平衡状態での電子密度分布を示している。一方、他の線は定常状態での電子密度分布を示している。破線と一点鎖線との計算において用いられたプローブ光強度密度は、それぞれ2.0および20 μW/cm2である。明らかなように、i-GaAs層における平衡状態での電子密度分布は、表面フェルミ準位に対して敏感であり、図10(b) に示された表面電子密度は、図10(a)のそれと比べて50倍程度高い値を示している。ボルツマン統計に基づけば、平衡状態での表面電子密度ns は次式で表される。
Figure 2006128502
Figure 2006128502
光起電力効果は、式(7)および式(9)が示すように、定常状態の電子密度が平衡状態の電子密度と同程度である場合に抑制される。図10(b)は、強度密度2.0 μW/cm2のプローブ光照射が電子密度を僅かに増加させるだけであることを示している。この事実と対応して、図9(b)の曲線(iii)は、5 μW/cm2以下のプローブ光強度密度領域で直線依存性から外れ飽和し始めている。これは上述した状況に帰属される現象である。
一方、定常状態での電子密度が平衡状態での電子密度より十分高い場合には、図9(a)および図9(b)に示された曲線の対応する部分が直線依存性を示している。これらの結果から、電子密度の表面フェルミ準位依存性が表面電場強度のプローブ光強度密度の対数に対する直線依存性を決定するパラメータに帰属されることを確認できた。
表面電場強度の計算の際には、表1および表2に示されているように、さまざまなパラメータが用いられる。それらのパラメータの中で、バルクキャリアライフタイムと移動度は試料の結晶性に敏感であり、試料によって異なる。こうしたバルクキャリアライフタイムと移動度の不確かさは、フィッティングに影響を与える可能性がある。しかしながら以下の計算結果は、表面電場強度がこれら二つのパラメータの変化に対して殆ど影響を受けないことを示している。このことは、バルクキャリアライフタイムと移動度の不確かさに影響されることなく表面再結合速度と表面フェルミ準位とを精密に決定できることを意味している。
図11は、i-GaAs層におけるバルクキャリアライフタイムの関数とした表面電場強度を示している。計算に用いられたパラメータは以下の通りである。表面フェルミ準位: ±0.0 eV、表面再結合速度: 2.0x105 cm/s、プローブ光強度密度: 20 μW/cm2
簡単のため、電子および正孔のバルクキャリアライフタイムは同じであるとして計算した。
図11の実線は、表2に示された値と同じキャリア移動度を用いて計算されている。図11が示すようにバルクキャリアライフタイムを1.0 から 5.0x10-4 μsまで変化させても、表面電場強度は0.2 kV/cmしか変化しない。この値は表面電場強度の高々1.1 %に過ぎないので、バルクキャリアライフタイムの変化による影響は無視できるほど小さいと考えられる。
この結果は定性的には、i-GaAs層の有効キャリアライフタイムによって説明できる。この有効キャリアライフタイムτeffは次式で表される。
Figure 2006128502

ここでτBulkとS は、それぞれバルクキャリアライフタイムおよび表面再結合速度である。
この式で第2項目は表面再結合速度の効果を表している。これまで用いてきたモデル試料構造における第2項目の値は、2x105 cm/sという表面再結合速度を用いることにより、 10 ns-1と見積もられる。この値は通常のGaAs結晶のバルクキャリアライフタイム(50 ns程度)の逆数よりはるかに大きい。従って、i-GaAs層のキャリア密度を決定する有効キャリアライフタイムは主に表面再結合によって決定されているのである。なお、図11が示すように、第2項目の逆数(= 0.1 ns)は、表面電場強度が増加に転じる閾値にほぼ対応しており、このことは、有効キャリアライフタイムという概念に基づいた上記説明を支持するものである。
次に、i-GaAsのキャリア移動度が与える影響について説明する。図11の破線は、i-GaAs層の電子・正孔移動度をそれぞれ2000 cm2/Vsおよび100 cm2/Vsとして計算することによって得られている。この図から明らかなように、表面電場強度はキャリア移動度の変化に対しても殆ど影響を受けない。この結果は、次式で示される光誘起電流密度とキャリア移動度との関係で説明できる。
Figure 2006128502

ここで物理量JPC,∞は、キャリア移動度が無限大であるとした場合の光誘起電流密度である。一方μτは、平均移動度-キャリアライフタイムプロダクトと呼ばれる物理量であり、次のように書きあらわされる。
Figure 2006128502

ここでμe(h)とτe(h)は、i-GaAs層における電子の移動度とバルクキャリアライフタイムである。
式(12)は、有限なキャリア移動度のもとでは、バルク再結合により光誘起電流密度の損失が発生することを示している。当然のことながら、第2項目が無視できるほどに小さければキャリア移動度の影響を無視することができる。第2項目の影響を調べるため、以下のパラメータを用いてその分母項の計算を行った。電子移動度: 2000 cm2/Vs、正孔移動度: 100 cm2/Vs、バルクキャリアライフタイム: 1.0 ns、平衡状態におけるポテンシャル障壁: Eg,0/2e (= 0.712 V)。
これらのパラメータを用いて計算された分母項の値は1.4x10-7 cm2であり、この値は分子項であるi-GaAs層厚の2乗(4x10-10 cm2)よりはるかに大きい。従って、光誘起電流密度はキャリア移動度に殆ど依存しないと考えられる。このことは、表面電場強度がキャリア移動度の影響を殆ど受けないことを意味している。以上の結果から、この発明で採用されている解析手法が表面フェルミ準位と表面再結合速度とを同時にかつ他のパラメータに影響されることなく精密に決定できる効果を有していると結論できる。
上述した解析方法で表面フェルミ準位および表面再結合速度を決定する場合、解析の元となるデータを測定するための分光装置には以下の性能が要求される。
(1) ある一定強度密度のプローブ光を用いて測定している最中に試料の表面電場強度を変化させない。
(2) FK振動を高精度に検出できる。
こうした性能を満たした分光測定装置の一例を図12に示す。この図において、図5と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。図5と異なる点は、次の2つの機構を設けた点である。すなわち、
(1) 試料5の表面電場強度変化を防止するために試料5にガスを吹き付けることにより試料5の表面の温度を一定に保つことができる温度制御用機構14。
(2) 外乱光の影響を受けることなくFK振動を高精度に検出するための差分回路18で構成される信号検出系。
そのために集光レンズ15を介して散乱光およびPL成分を集光するバランス補正用アッテネータ16と、アッテネータ16の出力にもとづいて散乱光およびPL成分に対応した補正用の参照信号を形成する参照信号用検出器17を設け、差分回路18で検出器17からの信号とPR信号用検出器8からの信号とを差動増幅するようにしている。
以下、測定装置の形態の詳細と効果について説明する。
まず機構(1)の詳細と効果について述べる。これまで述べてきたように、試料5の表面電場強度は表面フェルミ準位および表面再結合速度に対して敏感であり、バルクキャリアライフタイムや移動度に対してほとんど依存しない。その他のパラメータ、例えばバンドギャップエネルギーや屈折率は試料固有の物性定数であり、これまで詳細に調べられている。従って、これらのパラメータの不確かさは、ほとんど無視できる。
このため、表面電場強度から表面フェルミ準位および表面再結合速度を抽出する際に、試料内部のパラメータによる影響は、ほとんどないと考えられる。しかしながら、試料外部の環境に起因するパラメータ、特に温度に対して表面電場強度は敏感である。
図13は、温度の関数としてプロットされた表面電場強度を示している。計算に用いられたパラメータは以下の通りである。表面再結合速度: 5x105 cm/s、表面フェルミ準位: ±0.0 eV、プローブ光強度密度 5.0 μW/cm2
図13から明らかなように、高々10℃程度の温度変化であっても、表面電場強度は約1 kV/cm程度変化する。PR測定では、ポンプ光の照射により試料表面の温度が上昇するので、PRスペクトルから表面電場強度を精密に求めるためには、試料表面の温度上昇を防ぐ機構を測定装置に取り付ける必要がある。
図14は、図12に示す測定装置において試料5の表面の温度上昇を防止するための機構を拡大したものを示している。この機構には、試料5の表面においてポンプ光が照射されている領域に一定温度のガスを吹き付けることを可能にするという効果がある。PR測定で用いられるポンプ光およびプローブ光の強度はそれほど強くはないので、温度変化も高々10℃程度である。従って、図14のように比較的簡便な機構を取り付ける程度で、費用をかけることなく試料表面の温度上昇を防ぎ、表面電場強度を精密に計測することが可能である。
吹き付けに用いるガスとして乾燥した不活性ガス、例えば希ガス類、窒素、あるいはこれらの混合物を用いると、試料表面への酸素や水分の吸着を防ぐことができ、酸素や水分の吸着による表面電場強度の変化という不確定要素を取り除くことができる。
次に機構(2)の詳細と効果について述べる。より精密に表面フェルミ準位と表面再結合速度とを求める場合、より多くのプローブ光強度密度条件で測定する場合がある。
この場合、低プローブ光強度密度条件で測定する必要に迫られる。通常のPR測定では、試料5から反射されたプローブ光を検出するための検出器8には、本来の測定対象であるプローブ光成分以外に、試料表面で散乱されたポンプ光成分やポンプ光照射によって発生したPL成分が外乱光として混入する。
検出器8からロックインアンプ等の変調反射成分を検出するための測定器に信号が送られると、こうしたポンプ光起因の外乱光は、試料から反射されたプローブ光に含まれる変調反射成分と同位相なので、変調反射成分と同時に記録されてしまう。実際に測定に用いられるポンプ光は、時間によって変化する揺らぎやノイズを含んでいる。低プローブ光強度密度条件で測定すると、こうしたノイズ成分はプローブ光に含まれる変調反射成分より大きくなり変調成分をかき消す場合がある。しかもロックインアンプのレンジには上限が存在するため、変調反射成分と外乱光成分とをまとめて増幅してしまうと、外乱光成分をわずかに増幅するだけで測定レンジ上限にあたってしまい、変調反射成分を効率よく増幅できなくなってしまう。
このことを模式的に示すのが図15の矢印(I)で示された信号の流れである。すなわち、検出器8の出力を直接ロックインアンプに供給するルートである。こうした信号の流れは、PRスペクトルの精密な測定を困難にする。そのためポンプ光に由来する外乱光起因の信号を除去する必要がある。
このうち試料表面で散乱されたポンプ光成分の除去は比較的簡単である。例えば被測定試料においてFK振動が観測されるフォトンエネルギー領域より高いエネルギーを有する光源をポンプ光として用い、さらに検出器8の手前にポンプ光を遮断し、かつFK振動が観測されるフォトンエネルギー領域の光を透過させるバンドパスフィルターあるいはショートカットフィルターに代表される光学フィルター7を設置することにより、ポンプ光成分そのものが検出器8に侵入しないようにすることができる。
しかしながら、ポンプ光照射によって発生したPL成分は、そのフォトンエネルギー領域がFK振動の観測されるフォトンエネルギー領域と重なるため、分光フィルターによる除去が不可能である。そのため、これまでポンプ光照射によって発生したPL成分の除去はPR測定における重要な課題の一つであった。
このPL成分の除去を可能とする機構が図12中の差分回路18で構成された検出系である。この部分を拡大した図を図16に示す。この検出系には従来の測定系で用いられている検出器8以外にもう一つ、試料からのPL成分および散乱光成分を検出するための検出器17が設置されている。この2つの検出器を用いて得られた信号の差分を取り、PL成分および散乱光成分を除去することにより、検出器8で検出された変調反射信号のみをロックインアンプに送ることができる。
ロックインアンプに送られた信号には余分な信号が含まれていないため、変調反射信号を効率良く増幅し、記録することができる。このことを模式的に示すのが図15の矢印(II)で示す信号の流れである。差分をとることによる効果はこれだけではなく、例えば、ポンプ光の不安定性に起因する時間的強度変動やノイズ成分を除去できるという効果がもたらされる。
これまで述べてきたのは、光変調分光法を用いてFK振動を観測し、表面電場強度を抽出するという方法であった。このFK振動は、光変調分光法以外の変調分光法でも測定可能である。そのなかでも非接触電場変調反射(contactless electroreflectance, 以下CERという)分光法は、非破壊・非接触で測定できるという特徴がある。従ってCER分光法を用いて表面フェルミ準位と表面再結合速度を抽出してもよい。CERスペクトルに現れるFK振動から表面再結合速度と表面フェルミ準位とを同時に抽出するための測定・解析手順を以下に示す。
(1) CER分光法を用いて、さまざまなプローブ光強度に対してCERスペクトルを測定する。
(2) CERスペクトル上に現れるFK振動の周期を解析し表面電場強度を算出する。
(3) 得られた表面電場強度をプローブ光強度の関数としてプロットし、表面再結合速度と表面フェルミ準位とをパラメータとしたシミュレーションフィッティングに基づいた解析を行う。
以上の測定・解析手順の詳細について述べる。また、CER測定装置の概略構成を図17に示す。この装置を用いたCERスペクトルの測定は以下の手順で行われる。
(1) パルス発生器等の交流電源20を用いて周期的に変化する電圧を発生させる。発生させた周期的な電圧信号を、試料におくり途中で分岐させ、一方はロックインアンプの参照信号入力端子に送り、もう一方を試料に印加する電圧を発生させるための電圧増幅器に送る。
(2) 電圧増幅器で増幅された周期的に変化する電圧信号を、透明電極21と試料裏面のサンプルステージ22との間にかける。
(3) 参照信号入力端子に送られた周期的に変化する電圧信号に対してロックインアンプが同位相となるように位相をあわせる。
(4) 試料5のPRスペクトルを測定するために、白色光源(例えばランプ)1の光を分光器3に導く。この状態で分光器3から出射される光がプローブ光である。
(5) 分光器3を掃引し、CER信号用検出器23でプローブ光を検出する。
(6) 検出された信号を、バンドパスフィルターを通して反射率Rに相当する直流成分と変調反射率△Rに相当する交流成分とに分ける。
(7) 上記直流成分および交流成分を、それぞれ直流電圧計とロックインアンプとで測定する。
(8) コンピューター上で△R/Rを計算し、CER信号を得る。
(9) (5)〜(8)を繰り返し、PRスペクトル△R/Rを波長λあるいはフォトンエネルギーの関数として記録する。
なお測定で得られたデータの解析は、PR分光法を用いた場合と全く同じである。
CER分光法を用いた測定・解析手順の効果について述べる。先に述べたようにCER分光法ではポンプ光を必要としない。そのためPR分光法で問題となるポンプ光起因の表面温度上昇やプローブ光検出時に悪影響を与える外乱光が生じないという利点がある。
しかも試料のバンドギャップエネルギーに対して適切なポンプ光のフォトンエネルギー(波長)を選択しなければならないという変調分光法の抱える問題点も解消される。
FK振動を解析する際、当然のことながら、観測される振動パターンが多いほど、より精度よく電場強度を見積もることができる。これまでに、観測される振動パターンの数は測定に用いられる試料の構造に依存することが知られている。高精度・高精密測定を可能にする試料構造として、図18に示すような、n型あるいはp型基板30、n型あるいはp型半導体層31、および高抵抗層あるいはアンドープ層32の3層からなる構造が提案されている。
当然のことながら、試料を測定することにより得られたドーピング濃度や移動度をシミュレーションに用いることにより、表面再結合速度および表面フェルミ準位をより高精度に求めることができる。しかし上記試料構造では、半導体層31のドーピング濃度や移動度を非破壊非接触で調べることが不可能である。なぜならこれらを計測する際、ドーピングされた基板の影響を受けてしまうからである。
この問題を解決するのが、高抵抗性(半絶縁性)基板40、n型あるいはp型半導体層41、および高抵抗層あるいはアンドープ層42で構成されるFK振動の高精度・高精密測定を可能にする試料構造である。この構造を図19(a)に示す。なお図19(b)に示すように、高抵抗性(半絶縁性)基板40とn(p)型半導体層41の界面の間に緩衝層43を挿入した試料構造でも上記問題を解決することができる。ただしこれらの構造では、基板40とその上の層41との間で内部電場が発生する。
この内部電場に起因するFK振動が測定時にスペクトルに現れないようにする必要がある。そのためには層41の厚さをプローブ光が透過しない程度に厚くすればよい。例えばGaAsの場合、1.0 μm以上である。
図19(a)および図19(b)の試料のドーピング層41の移動度およびドーピング濃度は、従来からよく知られている以下の2つの測定方法を組み合わせることによって簡便に決定できる。
(1) 試料のラマン散乱スペクトル測定を行い、観測されるプラズモン起因のラマンバンドのピークポジションからキャリア密度を算出する。キャリアは、ドーパントがイオン化することにより発生するので、得られたキャリア密度はイオン化したドーパントの密度(ドーピング濃度)に対応している。
(2) 非接触型シート抵抗測定装置を用い、試料のシート抵抗を測定する。ドーピングされていない層や半絶縁性基板のシート抵抗はドーピング層に比べて十分高いので、測定によって得られる値は、ドーピングされた層のシート抵抗を示している。
(3) シート抵抗Rsは、キャリア密度nと移動度μとを用いることにより次式で表される。
Figure 2006128502
ここでlは、ドーピングされた層の膜厚である。この式を用いれば移動度を求めることができる。
上述のように、既知の方法でドーピング濃度や移動度を非破壊・非接触測定できるので,図19(a)および図19(b)に示された試料構造は、高精度に表面再結合速度と表面フェルミ準位を求めることができるという効果をもたらす。
最後に、この発明の具体例を示す。図1は、さまざまな強度密度のプローブ光を用いて測定されたPRスペクトルを示している。なお測定に用いられた試料は、i-GaAs(200 nm)/n-GaAs(3.0 μm, 3.0x1018 cm-3)/semi-insulating GaAsであり、括弧内の数字は各層の膜厚およびドーピング濃度を示している。
いずれのスペクトルにも明確に振動パターンがあらわれている。これらの振動パターンが表面電場に起因するFK振動である。観測されたFK振動の周期は、プローブ光強度密度が低下するに従い大きくなっている。式(1b)が示すように、FK振動の周期の増大は試料の表面電場強度の増強を示している。
FK振動から表面電場強度を算出するため、式(1a)に従いFK振動の極値を準指数Xjの関数としてプロットしたのが図2である。黒丸はプローブ光強度密度が30 μW/cm2の場合のプロットを示しており、一方、白丸はプローブ光強度密度が5.5 μW/cm2の場合のプロットを示している。これらのプロットから、プローブ光強度密度が30 μW/cm2と5.5 μW/cm2との場合における表面電場強度は、それぞれ26.0 kV/cmおよび28.2 kV/cmと算出される。
他のプローブ光強度密度条件における表面電場強度も同様に算出し、得られた表面電場強度をプローブ光強度密度の関数としてプロットしたのが図4である。黒丸はFK振動から得られた電場強度であり、プローブ光強度密度の対数に対して直線的に依存している。この結果は図9(a)に相当するものである。
このデータから表面フェルミ準位と表面再結合速度を抽出するためにシミュレーションフィッティングを行った。実線は、その結果を示しており、得られた表面フェルミ準位と表面再結合速度は、それぞれ±0.0 eVおよび2.0x105 cm/sである。このうち表面フェルミ準位は、図20に示された既報値(Shen et al.,Appl. Phys. Lett. 57,2118(1990), i-AlGaAsエピレイヤーにおける表面フェルミ準位から引用、Aはバンドギャップエネルギー、Bは表面フェルミ準位)と一致している。
同様に表面再結合速度も、表3に示された既報値と矛盾ない値となっている。表3はGaAsにおける表面再結合速度の既報値を示すもので、C.A. Hoffman et al., J. Appl. Phys. 51, 1603 (1990)から引用したものである。このことから、この発明は、表面フェルミ準位と表面再結合速度とを同時に決定するのに有効な方法であると結論できる。
Figure 2006128502
さまざまなプローブ光強度密度におけるPRスペクトルの一例を示す図である。 PRスペクトル上に現れているFK振動の極値をプロットした図である。 プローブ光強度密度30 μW/cm2におけるFK振動のフーリエ変換スペクトルを示す図である。 プローブ光強度密度の関数としてプロットされた表面電場強度を示す図である。 PR測定装置の構成を示す概略図である。 FK振動の極値に対する指数づけの一例を示す図である。 表面からの距離の関数としてプロットした内部電場強度を示す図である。 ポテンシャルダイヤグラムの例を示す図である。 プローブ光強度密度の関数としてプロットされた表面電場強度を示すもので、(a)はさまざまな表面再結合速度における表面電場強度を示し、(b)はさまざまな表面フェルミ準位における表面電場強度を示す。 表面からの距離の関数としてプロットされた電子密度の分布を示す図で、(a)は表面再結合速度が2.0x105 cm/s, 表面フェルミ準位が±0.0 eVの場合を示し、(b)は表面再結合速度が2.0x105 cm/s, 表面フェルミ準位が+0.1 eVの場合を示す。 バルクキャリアライフタイムの関数としてプロットされた表面電場強度を示す図である。 実施の形態1によるPR測定装置の概略構成を示す模式図である。 表面電場強度の温度依存性を示す図である。 図12における試料表面の温度を一定に保つための温度制御用機構の部分を拡大して示す図である。 検出された信号の処理の概念図である。 図12における差分回路で構成された信号検出系の部分を拡大して示す図である。 CER測定装置の模式図である。 評価用試料の構造の例を示す図である。 評価用試料の構造の例を示すもので、(a)は緩衝層なしの場合、(b)は緩衝層ありの場合を示す。 AlxGa1-xAsにおける表面フェルミ準位の既報値を示す図である。
符号の説明
1 白色光源、 2 白色光集光レンズ、 3 分光器、 4 プローブ光集光レンズ、 5 試料、 6 反射プローブ光集光レンズ、 7 ロングパスフィルター、 8 PR信号用検出器、 9 励起光源、 10 パワー安定器、 11 励起光源用フィルター、 12 変調器、 13 ポンプ光集光レンズ、 14 温度制御用ガス導入チューブ、 15 集光レンズ、 16 バランス補正用アッテネータ、 17 参照信号用検出器、 18 差分回路。

Claims (4)

  1. 半導体の表面にポンプ光を変調器を介して照射すると共に、プローブ光を照射し、半導体の表面で反射された上記プローブ光の光変調スペクトルを測定し、上記光変調スペクトルに現れるフランツ・ケルディッシュ振動の周期にもとづいて表面電場強度を算出すると共に、上記表面電場強度とプローブ光強度にもとづいて表面再結合速度と表面フェルミ準位とを算出することを特徴とする表面キャリア再結合速度の測定方法。
  2. 表面キャリア再結合速度と表面フェルミ準位とを同時に評価するための非接触電場変調分光を用いることを特徴とする請求項1記載の表面キャリア再結合速度の測定方法。
  3. 高抵抗性(半絶縁性)基板と、n型あるいはp型半導体層と、高抵抗層あるいはアンドープ層とで構成されることを特徴とする試料を用いた請求項1または請求項2記載の表面キャリア再結合速度の測定方法。
  4. 半導体の表面にポンプ光を変調器を介して照射する手段と、上記半導体の表面温度を一定に保持する手段と、上記半導体の表面にプローブ光を照射して上記半導体の表面で反射されたプローブ光の光変調スペクトルを検出し、上記光変調スペクトルに現れるフランツ・ケルディッシュ振動を測定すると共に、その周期にもとづいて表面電場強度を算出する手段と、上記表面電場強度に対応した信号と光励起発光及び散乱光に対応した信号とを差動的に動作させる手段とを備えた表面キャリア再結合速度の測定装置。
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