JPH11103077A - 光導電型受光素子 - Google Patents

光導電型受光素子

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JPH11103077A
JPH11103077A JP9261250A JP26125097A JPH11103077A JP H11103077 A JPH11103077 A JP H11103077A JP 9261250 A JP9261250 A JP 9261250A JP 26125097 A JP26125097 A JP 26125097A JP H11103077 A JPH11103077 A JP H11103077A
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JP
Japan
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light
light receiving
diamond
photoconductive
receiving element
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JP9261250A
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English (en)
Inventor
Eiji Nozu
栄治 野洲
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な構成で光の強度及び波長を検出できる
光導電型受光素子を提供する。 【解決手段】 受光面LSに入射した光によって生じる
電気抵抗の変化で光を検出する光導電型受光素子におい
て、前記受光面LSは、ダイヤモンドの表面に形成され
た表面導電層にて構成され且つ分光感度が互いに異なる
複数個の受光部分LPが並べられて構成され、前記受光
部分LP夫々の電気抵抗を各別に測定可能に構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受光面に入射した
光によって生じる電気抵抗の変化で光を検出する光導電
型受光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる光導電型受光素子は、受光面に入
射した光によって素子内に生成された電子・正孔対のた
めに電気抵抗が変化する性質を利用して、光を検出する
素子として一般的に知られている。かかる光導電型受光
素子としては、例えばCdS等の種々の半導体材料を利
用して実用化されており、従来、光の強度の測定に利用
されるのが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、上記従来構成
では、光導電型受光素子を光の強度測定に利用できるの
みであり、光の波長を測定しようとすると、分光器や干
渉フィルター等によって分光又はそれに類似の処理をし
た後の光の強度を光導電型受光素子にて測定する構成と
する必要があり、構成が複雑化してしまう不都合があっ
た。本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、簡素な構成で光の強度及び波長を検出
できる光導電型受光素子を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記請求項1記載の構成
を備えることにより、複数個の受光部分が並べられて構
成される受光面に、ある程度の単色性を有する光が入射
すると、受光部分は互いに分光感度が異なるので、その
入射した光によって生じる電気抵抗の変化も互いに異な
るものとなる。従って、各受光部分について、分光感度
を予め測定しておけば、各受光部分での電気抵抗の変化
の絶対量及び受光部分間での電気抵抗の変化の比から、
入射した光の波長を特定でき、且つ、光の強度も知るこ
とができる。このように、入射した光の強度と波長を知
るために、各受光部分はダイヤモンドの表面に形成され
た表面導電層にて構成されている。ダイヤモンドの表面
導電層は、ダイヤモンド膜をプラズマCVD法によって
作製したときに、ダイヤモンド膜の表面に形成されるも
のであり、又、天然あるいは高圧合成による単結晶ダイ
ヤモンドの表面を水素プラズマにさらすことによっても
形成されることが確認されている。このように形成され
る表面導電層では、種々の測定結果から、バンドギャッ
プ内に複雑に分布するエネルギー準位が存在することが
知られている。
【0005】本発明の発明者は、このような複雑に分布
するエネルギー準位は、光導電作用に寄与し得るものと
の認識に立ち、ダイヤモンドの表面導電層の光導電効果
の測定を行った。その結果、ダイヤモンドのバンドギャ
ップに相当する波長よりも長波長側で、極めて広い波長
範囲において光感度を有し、且つ、作製条件を異ならせ
ることで、分光感度が異なるものとできることを確認し
た。これにより、他に分光感度を異ならせるための構成
を必ずしも要さずに、種々の異なる条件で表面導電層を
形成するだけの簡単な処理で、各受光部分で互いに分光
感度を異ならせることができ、もって、簡素な構成で光
の強度及び波長を検出できる光導電型受光素子を提供で
きるに至った。
【0006】又、上記請求項2記載の構成を備えること
により、ダイヤモンド多結晶膜の表面に形成された表面
導電層を受光部分として光導電型受光素子の受光面が構
成され、その表面導電層の電気抵抗の変化によって光を
検出する。このように、ダイヤモンド多結晶膜の表面に
形成した表面導電層を利用する場合、ダイヤモンド多結
晶膜がアンドープのものであっても、又、不純物をドー
ピングしてp型半導体とした場合であっても光感度を有
することを確認でき、しかも、このように表面導電層の
作製条件を異ならせることで、分光感度を異ならせるこ
とができることを確認できた。従って、不純物のドーピ
ングの有無という程度の処理の差で、分光感度を異なる
ものとでき、一層実施製作面で有利なものとできる。
【0007】又、上記請求項3記載の構成を備えること
により、ダイヤモンド単結晶基板上に積層されたアンド
ープのダイヤモンド単結晶膜の表面に形成された表面導
電層を受光部分として光導電型受光素子の受光面が構成
され、その表面導電層の電気抵抗の変化によって光を検
出する。つまり、本発明の発明者の実験により、ダイヤ
モンド単結晶基板上に積層されたp型のダイヤモンド単
結晶膜の表面に表面導電層を形成したのでは、実験の結
果、十分な光感度を有しないことを確認でき、逆に、ダ
イヤモンド単結晶基板上に積層されたアンドープのダイ
ヤモンド単結晶膜の表面に表面導電層を形成した場合は
光感度を有することを確認できた。もって、アンドープ
のダイヤモンド単結晶膜の表面に形成された表面導電層
を受光部分の一つとすることで、分光感度が互いに異な
る複数個の受光部分のうちの一つを確保できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光導電型受光素子
の実施の形態を図面に基づいて説明する。光導電型受光
素子PSは、図1に示すように、単結晶ダイヤモンドの
基板1上に、5つの受光領域A1〜A5が形成されてい
る。5つの受光領域A1〜A5は、最も表面側にダイヤ
モンド膜2を積層している点で共通するが、その作製方
法が5つの受光領域A1〜A5夫々で異なる。具体的に
は、ダイヤモンド膜2は、受光領域A1ではアンドープ
のダイヤモンド多結晶膜として、受光領域A2,A3で
はp型のダイヤモンド多結晶膜として、A4,A5では
アンドープのダイヤモンド単結晶膜として作製されてい
る。
【0009】上記各受光領域A1〜A5は、基板1上
に、適宜、フォトリソグラフ技術等により所望の形状の
マスクを形成しつつ、順次選択的に形成されるのである
が、主に受光領域A1によって、その製造方法を簡単に
説明する。受光領域A1の部分を抜き出した図2に示す
ように、受光領域A1においては、先ず基板1上に、種
々の気相積層法にてSi多結晶膜4を積層した上に、原
料ガスとしてCH4 を用いるプラズマCVD装置を用い
て、不純物ガスを混入しない状態でダイヤモンド膜2を
積層する。基板1上にSi多結晶膜4を積層しているの
は、ダイヤモンド膜2を多結晶とするためであるが、ダ
イヤモンド膜2の積層条件を適当に設定することによ
り、基板1上に直接ダイヤモンド膜2を積層しても多結
晶化できる場合は、このSi多結晶膜4は不要である。
従って、受光領域A4,A5ではダイヤモンド膜2を単
結晶膜として形成するので、Si多結晶膜4の形成工程
を省略する。又、受光領域A2,A3では、ダイヤモン
ド膜2の成膜中に不純物としてホウ素をドーピングして
p型半導体として形成し、更に、受光領域A4と受光領
域A5とでは、材料ガスであるCH4 の混合比が異な
り、前者は1%、後者は2%として作製している。
【0010】上述のように、ダイヤモンド膜2の積層を
行った後、水素化処理を行う。尚、受光領域A3ではこ
の工程を省略し、各受光領域で同時に水素化処理を行う
場合は、受光領域A3にマスクをかけておく。この水素
化処理とは、ダイヤモンド膜2の表面を水素プラズマに
さらす処理であり、プラズマCVD装置を用いてダイヤ
モンド膜2を積層することにより、積層中の水素プラズ
マの影響でダイヤモンド膜2の表面に形成される表面導
電層をさらに確実に形成するためのものである。受光領
域A3については、上述の水素化処理の代わりに、酸素
雰囲気中で10分間450℃に加熱する酸化処理を行
う。
【0011】このように、水素化処理又は酸化処理を行
った後に、フォトリソグラフ技術等により一対の櫛形電
極3a,3bを形成する。この一対の櫛形電極3a,3
bに囲まれる部分が、光を受光する受光部分LPとな
り、光導電型受光素子PS全体で見ると、ダイヤモンド
の表面すなわちダイヤモンド膜2の表面に形成された表
面導電層にて構成される複数個の受光部分LPが並べら
れて受光面LSを構成している。又、各受光領域A1〜
A5の夫々に設けられた櫛形電極3a,3bによって、
各受光部分LP夫々の電気抵抗を測定できる。
【0012】次に、上記各受光領域A1〜A5の特性に
ついて、図3乃至図7に基づいて説明する。図3乃至図
7において(イ)及び(ロ)として示す特性では、何れ
も受光部分LPに光を照射したときの表面抵抗の変化
(ΔR)の光を照射しないときの抵抗値(R)に対する
割合が、光の波長に対してどのように変化するかを示
す、いわゆる分光感度に相当するものである。但し、測
定装置の都合上、受光部分LPに照射する光の波長を変
化させるにあたって、上記各図の(イ)は、図8(イ)
に示す発光波長分布を有するハロゲンランプを光源とし
て、その光源からの出射光を、特定波長より短波長側の
光をカットするカットフィルタを通過させて、受光部分
LPに照射し、そのカットフィルタの前記特定波長より
長波長側の光成分の総量に対する光感度を、前記特定波
長が異なるカットフィルタを適宜交換しつつ測定するこ
とによって、分光感度に相当する特定を測定している。
従って、縦軸の光感度(ΔR/R)は、長波長側から短
波長側に向けて積算されていくことになる。
【0013】又、上記各図の(ロ)は、図8(ロ)に示
す発光波長分布を有する超高圧水銀ランプを光源とし
て、その光源からの出射光を分光器により分光して受光
部分LPに照射し、その光感度を測定したもので、一般
的な分光感度を示すものである。尚、図8(ロ)の発光
波長分布から明らかなように、超高圧水銀ランプは複数
の特定の波長において発光強度が大となっており、それ
に応じて、上記各図の(ロ)の特性にも複数のピークが
存在している。使用する光源の発光波長分布との関係
上、上記各図の(イ)に示す特性では、、主に、500
〜1000nmの範囲での分光感度を確認でき、上記通
常の分光感度測定では、主に、250〜600nmの範
囲での分光感度を確認できる。
【0014】図3(イ)及び図3(ロ)には、受光領域
A1の特性、すなわち、ダイヤモンド膜2をアンドープ
のダイヤモンド多結晶膜として作製したものの特性を示
す。図4(イ)及び図4(ロ)には、受光領域A2の特
性、すなわち、ダイヤモンド膜2をp型のダイヤモンド
多結晶膜として作製したものの特性を示す。図5(イ)
及び図5(ロ)には、受光領域A3の特性、すなわち、
ダイヤモンド膜2をp型のダイヤモンド多結晶膜として
作製し、且つ、上記水素化処理の代わりに上記酸化処理
を行ったものの特性を示す。図6(イ)及び図6(ロ)
には、受光領域A4の特性、すなわち、ダイヤモンド膜
2をアンドープのダイアモンド単結晶膜として作製し、
且つ、材料ガスの混合比を1%としたものの特性を示
す。図7(イ)及び図7(ロ)には、受光領域A5の特
性、すなわち、ダイヤモンド膜2をアンドープのダイア
モンド単結晶膜として作製し、且つ、材料ガスの混合比
を2%としたものの特性を示す。
【0015】上記各図から明らかなように、ダイヤモン
ド膜2の作製条件を異ならせた上記各受光領域A1〜A
5間夫々の各受光部分LPの分光感度が互いに異なるも
のなっている。従って、この分光感度の違いを利用し
て、各受光部分での電気抵抗の変化の絶対量及び受光部
分間での電気抵抗の変化の比から、入射した光の波長を
特定でき、且つ、光の強度も知ることができる。
【0016】〔別実施形態〕以下、別実施形態を列記す
る。 上記実施の形態では、5つの受光領域A1〜A5を
備え、従って、5つの受光部分LPを備える構成として
いるが、2個以上であれば、受光部分LPの設置個数は
適宜変更可能であり、例えば、上記実施の形態における
受光領域A1,A2,A3のみにより光導電型受光素子
PSを構成しても良い。このように構成した場合、基板
1としてダイヤモンドの単結晶基板を用いる必要がな
く、例えば、単結晶又は多結晶のSi基板を用いること
ができ、このSi基板の上に直接にダイヤモンド膜2を
積層することができる。
【0017】 上記実施の形態では、光導電型受光素
子PSの各受光部分LP夫々の電気抵抗を測定するため
の電極を、一対の櫛形電極3a,3bとしているが、例
えば平面視で略長方形状の電極を二つ並べる等、電極の
具体形状は種々変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる光導電型受光素子
の概略斜視図
【図2】本発明の実施の形態にかかる光導電型受光素子
の要部拡大図
【図3】本発明の実施の形態にかかる光導電型受光素子
の特性を示す図
【図4】本発明の実施の形態にかかる光導電型受光素子
の特性を示す図
【図5】本発明の実施の形態にかかる光導電型受光素子
の特性を示す図
【図6】本発明の実施の形態にかかる光導電型受光素子
の特性を示す図
【図7】本発明の実施の形態にかかる光導電型受光素子
の特性を示す図
【図8】本発明の実施の形態にかかる測定に用いた光源
の特性を示す図
【符号の説明】
2 ダイヤモンド LP 受光部分 LS 受光面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受光面に入射した光によって生じる電気
    抵抗の変化で光を検出する光導電型受光素子であって、 前記受光面は、ダイヤモンドの表面に形成された表面導
    電層にて構成され且つ分光感度が互いに異なる複数個の
    受光部分が並べられて構成され、 前記受光部分夫々の電気抵抗を各別に測定可能に構成さ
    れている光導電型受光素子。
  2. 【請求項2】 前記受光部分における前記ダイヤモンド
    は、ダイヤモンド多結晶膜である請求項1記載の光導電
    型受光素子。
  3. 【請求項3】 前記受光部分における前記ダイヤモンド
    は、ダイヤモンド単結晶基板上に積層されたアンドープ
    のダイヤモンド単結晶膜である請求項1記載の光導電型
    受光素子。
JP9261250A 1997-09-26 1997-09-26 光導電型受光素子 Pending JPH11103077A (ja)

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Cited By (4)

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