JP6533508B2 - 家畜飼料用添加物、家畜飼料及びそれらの製造方法 - Google Patents

家畜飼料用添加物、家畜飼料及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、家畜用飼料及びその製造方法に関する。さらに詳しく説明すると、本発明は、家畜に与えることで、家畜の発育を良くし、繁殖成績を改善、向上させる家畜用飼料及びその製造方法に関する。
畜産業は、家畜や家禽を飼育することで、乳製品、肉及び卵その他の生産物を得ることを目的とする。畜産業では、これらの生産物の量や質を向上させることが重要であるが、家畜や家禽の繁殖を安定して効率的に行うことも重要である。このため、家畜や家禽に与える家畜用飼料は、家畜や家禽の飼育のため又はそれらの繁殖のために様々な工夫がされている。例えば、家畜用飼料は、最適な栄養をバランス良く摂取できるように、複数の原料あるいは添加物を配合して製造されている。
近年、家畜用飼料には、その栄養成分を添加する添加物としてサンゴが使用されている。サンゴには、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、マンガン、亜鉛、鉄、銅等のミネラルが含まれている。サンゴは、家畜用飼料にまんべんなく添加でき、家畜や家禽が効率良く吸収されるように粉末状にしたものが利用されている。このように、従来から様々なサンゴが添加された家畜用飼料があるが、特許文献を基に従来の技術を説明する。
コーラルサンドを主成分として含有し、繁殖、発育促進、糞臭抑制という効果をもたらす添加剤及び飼料の技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、マイコトキシン除去に有効な化石サンゴを主成分として含有する飼料添加剤、及びこの添加剤を用いた乳牛から採取される牛乳に含まれるマイコトキシン量を低減する方法を提供するマイコトキシン除去用飼料添加剤の技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−218399号公報 特開2007−174926号公報
しかし、特許文献1に示された化石サンゴは、平均粒径が0.1〜0.6mmであり、特許文献2に示されたコーラルサンドは、最大粒径が1mmや2.5mmであり非常に大きい。このため、これらの化石サンゴやコーラルサンドは、体内での吸収率が低いため、家畜や家禽に大量に摂取させなければならず、コストが高くなりやすいという問題点があった。これらの化石サンゴやコーラルサンドは、粒径が大きくじゃりじゃりと歯触りが悪いためか、家畜や家禽の食いつきが悪いという問題点があった。これらの化石サンゴやコーラルサンドは、単に粉砕しただけであり、家畜用飼料に添加する過程で飛散しやすく、無駄が生じやすいという問題点があった。
また、これらの化石サンゴやコーラルサンドは、製造過程において殺菌をするため、加熱の工程や、加熱殺菌の工程が含まれていた。このため、これらの化石サンゴやコーラルサンドは、製造工程が多工程であり、製造コストが高くなってしまうという問題点があった。さらに、これらの化石サンゴやコーラルサンドには、セレンが含まれていない。このため、もともとセレンの含有率が0.1ppm以下と少ない牧草等の家畜用飼料に、化石サンゴやコーラルサンドを混ぜても家畜や家禽の繁殖成績の向上や疾病の減少が望めないという問題点があった。
本発明は、このような社会的、技術的背景に基づいたものであり、次のような目的を達成する。本発明の目的は、粒径が小さく吸収率が良い家畜飼料用添加物及び家畜飼料を提供することにある。本発明の他の目的は、飛散しづらい家畜飼料用添加物及び家畜飼料を提供することにある。また、本発明の他の目的は、製造工程が少なく容易に製造できる家畜飼料用添加物及び家畜飼料を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、セレンの含有率が適切な家畜飼料用添加物及び家畜飼料を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の家畜飼料用添加物は、家畜の飼料に添加する家畜飼料用添加物であって、
粉末状に形成された粉末サンゴと、粉末状に形成された塩と、粉末状に形成されセレンを含む粉末植物とを有し、前記粉末サンゴ、前記粉末植物、前記塩及び、80:10:10:0.012又は87:2.5:10:0.012の割合での割合で混ぜられた混合粉末であり、前記粉末植物は、全部又は一部の粒径が前記粉末サンゴの粒径より大きく形成され、前記混合粉末をダイス内で加圧することでペレット状に成形されることを特徴とする。
本発明2の家畜飼料用添加物は、本発明1において、前記粉末サンゴは、粒径が0mmより大きく0.075mm以下の造礁サンゴからなることを特徴とする。
本発明の家畜飼料用添加物は、本発明において、前記粉末植物は、前記セレンを含む生草、サイレージ、乾草、わら類、リーフミール類、穀類、マメ類、イモ類及びその他の植物から選択される一つ又は複数を繊維と共に粉砕して形成されていることを特徴とする。
本発明の家畜飼料用添加物は、本発明において、前記混合粉末は、前記ダイス内で加圧されることで、前記粉末植物が前記ダイスに擦れて摩擦熱で加熱されていることを特徴とする。
本発明の家畜飼料は、本発明1〜のいずれかの家畜飼料用添加物を含むことを特徴とする家畜飼料。
本発明の家畜飼料用添加物の製造方法は、サンゴを粉末状に粉砕して粉末サンゴを形成するサンゴ粉砕工程と、セレンを含む植物を粉末状に粉砕して粉末植物を形成する植物粉砕工程と、前記粉末サンゴ、前記粉末植物及び塩を混ぜて混合粉末を形成する混合工程とからなることを特徴とする。
本発明の家畜飼料用添加物の製造方法は、本発明において、前記サンゴ粉砕工程では、造礁サンゴを粒径が0mmより大きく0.075mm以下に粉砕することを特徴とする。
本発明の家畜飼料用添加物の製造方法は、本発明において、前記植物粉砕工程では、前記セレンを含む生草、サイレージ、乾草、わら類、リーフミール類、穀類、マメ類、イモ類及びその他の植物から選択される一つ又は複数を繊維と共に粉砕していることを特徴とする。
本発明の家畜飼料用添加物の製造方法は、本発明において、前記混合粉末は、前記ダイス内で加圧されることで、前記粉末植物が前記ダイスに擦れて摩擦熱で加熱されていることを特徴とする。
以上説明したように、本発明の家畜飼料用添加物及び家畜飼料は、粒径が小さく吸収率が良い。また、本発明の家畜飼料用添加物及び家畜飼料は、飛散しづらい。さらに、本発明の家畜飼料用添加物及び家畜飼料は、セレン含有率が適切である。
図1は、本発明の第一実施形態の家畜飼料用添加物1を示す外観図である。 図2は、家畜飼料用添加物1が含んでいる成分no状態を示す模式図である。 図3は、第一製造方法による家畜飼料用添加物1の製造工程を示すフロー図である。 図4は、比較例7によって製造された家畜飼料用添加物1を示す外観図である。 図5は、比較例7によって家畜飼料用添加物1が製造された後の造粒装置を示す外観図である。 図6は、実施例1〜5によって製造された家畜飼料用添加物1を示す外観図である。
〔第一実施形態〕
本発明の第一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第一実施形態の家畜飼料用添加物1を示す外観図である。図2は、家畜飼料用添加物1が含んでいる成分の状態を示す模式図である。図1に示すように、家畜飼料用添加物1は、直径が3mm程度の円筒に形成されたペレット状である。図2に示すように、家畜飼料用添加物1は、粉末サンゴ10と、塩20及び粉末植物40とから構成されている。粉末植物40は、セレン30を含んでいる。
〔粉末サンゴ10〕
粉末サンゴ10は、採取された造礁サンゴから生成された石灰岩を水洗いして粉砕して粉末状にされている。粉末サンゴ10は、その平均粒径が0mmより大きく0.075mm以下の範囲に粉砕されていると良い。粉末サンゴ10は、家畜飼料用添加物1の中の大多数であり、本例においては約83重量%含まれている。造礁サンゴから生成された石灰岩は、造礁サンゴ礁が陸上に隆起してできたものであり、海中のサンゴと異なり塩分をほとんど含んでいない。粉末サンゴ10の成分は、産地によってやや異なるが、その鉱物組成は炭酸カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、珪素等を含んでいる。本例においては、造礁サンゴから生成された石灰岩の産地としては、沖縄、八重山諸島海域のもの等がある。
〔塩20〕
塩20は、塩化ナトリウムを主な成分とする物質であり、乾燥した海水や採掘した岩塩を粉砕して粉末状にされている。塩20は、本例においては家畜飼料用添加物1の中に8重量%含まれている。家畜や家禽における塩20の生理的役割は、人間と同じように体液の浸透圧の維持、体液量の調整、食べ物の消化吸収、神経伝達などである。また、家畜飼料用添加物1に塩20を含めることで、家畜や家禽の食いつきが良くなる。このため、家畜飼料用添加物1は、肉牛、羊、山羊、乳牛、豚、馬及びその他の家畜に応じて必要な量の塩20を含めると良い。
〔セレン30〕
セレン30は、植物を粉砕して粉末状にされた粉末植物40に含まれている。粉末植物40は、本例においては家畜飼料用添加物1の中に8重量%含まれている。粉末植物40は、その平均粒径が粉末サンゴ10の平均粒径0.075mmより大きく、造粒装置のダイス孔の内周に擦れやすい大きさに粉砕されていると良い。本例においては粉末植物40として、平均粒径が約0.3〜0.5mmの米ヌカが使用されている。セレン30は、グルタチオンパーオキシダーゼなどの酵素の構成成分として、ビタミンEと共に抗酸化作用により牛の生体膜を保護する。
セレン30の欠乏は、子牛に対しては白筋症を発症させ、親牛に対しては繁殖成績の低下や疾病の増加が生じる。セレン30は、肉用牛では0.05〜0.3ppm(DM当たり)が要求量とされている。セレン30は、胎盤停滞の予防、繁殖成績の向上などに添加が効果を示したことから、分娩前後においては飼料中のセレン濃度を0.1ppm以上にする方が良いとされている。セレン30は、他の微量元素に比較すると消化管から吸収されやすく、要求量と中毒量が近接しているため、より適切には、約0.2ppm(100g当たり0.02mg)にすると良い。
家畜飼料用添加物1は、粉末植物40を含めることにより、造粒装置のダイス孔内で粉末植物40が擦れて摩擦熱で加熱されると共にペレット状に固められる。家畜飼料用添加物1は、ペレット状の形状維持に優れ、簡単に破損することがなく、割れたペレットから粉末が飛散することを防止することができる。また、家畜飼料用添加物1は、家畜や家禽が摂取したときにその体内で、粉末サンゴ10が水分を吸収して分離する。さらに、家畜飼料用添加物1を構成する粉末サンゴ10は、その平均粒径が0.075mmと非常に小さいため、家畜や家禽の体内での吸収率が良い。
セレン30は、生草から抽出され、例えば、くずまきかずら、ペレニアルライグラス、卜ールフェスク、メドーフェスク、カラードギニアグラス、バミューダグラス、トウモロコシ、ソルガム、エン麦、大麦、大豆、ギニアグラズ及びノシバ等から抽出される。セレン30は、サイレージから抽出され、例えば、オーチャードグラス、イタリアンライグラス、ベレニアルライグラス、カラードギニアグラス、リードカナリーグラス、アルファルファ、トウモロコシ、ソルガム、エン麦、大麦、ライ麦及びイネ等から抽出される。
セレン30は、乾草、わら類及びリーフミール類から抽出され、例えば、くずまきかずら、オーチャードグラス、イタリアンライグラス、トールフェスク、バヒアグラス、カラードギニアグラス、ローズグラス、リ一ドカナリーグラス、スーダングラス、ヒエ、シロビエ、エンパク、ライ麦、羊草、セタリア、プェストロリウム、稲ワラ及びギンネムリーフミール等から抽出される。セレン30は、穀類、マメ類及びイモ類から抽出され、例えば、トウモロコシ、グレインソルガム(マイロ)、大麦、小麦粉(飼料用)及び大豆(乾熱加熱)等から抽出される。
また、セレン30は、植物性油粕類から抽出され、例えば、大豆粕、大豆粕(脱皮大豆粕)、ナタネ粕、ラッカセイ粕、アマニ粕、ヤシ粕及びカボツク粕から抽出される。さらに、セレン30は、ヌ力類から抽出され、例えば、米ヌカ(生米ヌカ)、米ヌカ(脱脂米ヌカ)及びフスマから抽出される。
〔家畜飼料用添加物1の第一製造方法〕
次に、家畜飼料用添加物1の第一製造方法を図面にもとづいて説明する。家畜飼料用添加物1の第一製造方法は、第一実施形態で説明した家畜飼料用添加物の製造方法である。図3は、第一製造方法による家畜飼料用添加物1の製造工程を示すフロー図である。家畜飼料用添加物1は、主成分が粉末サンゴ10で構成され、水分量を粉末サンゴ10に対して極めて少ない量でペレット状に成形したものである。
まず、図3に記載されたフロー図に従って、家畜飼料用添加物1の製造工程の概略を説明する。サンゴ粉砕工程S1では、造礁サンゴが、粉砕されて粉末サンゴ10が製造される。植物粉砕工程S2では、植物が、粉砕されて粉末植物40が製造される。混合工程S3では、粉末サンゴ10、塩20及び粉末植物40を混合して混合粉末が製造される。造粒工程S4では、混合粉末を押出成形機で押し出してペレット状の家畜飼料用添加物1が製造される。
次に、図3に記載されたフロー図に従って、家畜飼料用添加物1の製造工程の詳細を説明する。
〔サンゴ粉砕工程S1〕
粉末サンゴ10の製造には、まず採掘した造礁サンゴから生成された石灰岩を選別する。石灰岩は、自生粉砕ミルに供給するために、粗粉砕や中粉砕の工程を経て適度な大きさ(例えば、5mm〜70mm)に粉砕し、水洗いをして汚れを落とす。その後、その石灰岩を乾燥して、自生粉砕ミルに供給して粉砕する。供給された石灰岩は、自生粉砕ミルの粉砕室内で石灰岩同士がぶつかり合い粉砕されて粉末サンゴ10が製造される。このように粉末サンゴ10は、自生粉砕ミルによって石灰岩が粉砕され、平均粒径が0.075mmの範囲のものが製造される。
粉末サンゴ10は、微細な孔が無数に空いた「多孔質」構造であり、その総表面積が広く強力な吸着力を有すると考えられている。粉末サンゴ10は、「多孔質」構造であるため、有害な物質等を吸着することができる。粉末サンゴ10は、平均粒径が0.075mmであるため、家畜や家禽が摂取したときに、炭酸カルシウムをはじめとする有効なミネラルを無駄なく摂取することができる。
本例において、粉末サンゴ10は、摩耗などの異物混入を防ぐために、ボールやビーズ等のメディア(粉砕媒体)を使用しない自生粉砕機を使用した。しかし、粉末サンゴ10は、他の粉砕機で製造しても良い。例えば、ハンマーミル、ボールミル、ロッドミル、SAGミル(Semi−Autogenous Grinding mill、準自生粉砕)小石ミル、高圧粉砕ロール、縦軸インパクタミル及びジェットミルその他の粉砕機を使用しても良い。
〔植物粉砕工程S2〕
粉末植物40の製造には、まずセレン30と繊維を含む植物を選別する。本例では、セレン30と繊維を含む植物として、米ヌカを使用する。米ヌカは、米を精米する際にその果皮や胚芽等が粉砕されたものであり、平均粒径が約0.3〜0.5mmである。なお、粉末植物40として粉砕されていない植物(例えば、くずまきかずら)を使用する場合には、その平均粒径が粉末サンゴ10の平均粒径0.075mmより大きく、造粒装置のダイス孔の内周に擦れやすい大きさに粉砕すると良い。くずまきかずらは、自生粉砕ミルに供給するために、乾燥させた後に、適度な大きさ(例えば、5mm〜10mm)に砕いた後に、自生粉砕ミルに供給して粉砕する。
供給されたくずまきかずらは、自生粉砕ミルの粉砕室内でくずまきかずら同士がぶつかり合い粉砕されてセレン30と繊維を含む粉末植物40が製造される。このようにセレン30を含む粉末植物40は、自生粉砕ミルによってくずまきかずらが粉砕され、平均粒径が粉末サンゴ10の粒径より大きい例えば約0.3〜0.5mmの範囲のものが製造される。このように、粉末植物40は、既に粉砕されている米ヌカを使用しても良いし、粉砕されていないくずまきかずら等の植物で製造しても良い。粉末植物40についても、粉末サンゴ10と同様に自生粉砕ミルではなくその他の粉砕機を使用しても良い。
〔混合工程S3〕
サンゴ粉砕工程S1で製造された粉末サンゴ10と、植物粉砕工程S2で製造された粉末植物40は、混合機で混ぜ合わせられて混合粉末が製造される。混合粉末は、混合機において、さらに塩20と水とが混ぜ合わせられる。粉末サンゴ10は、水との反応性があるため、水はあまり混ぜ合わせたくないが、水を添加しないと、造粒装置のローラーの回転に沿って混合粉末が滑るだけである。つまり、混合粉末が、造粒装置のダイス孔に押し込められない。また、混合粉末が、造粒装置のダイス孔に押し込められても、形が整わず成形ができず、場合によっては、粉のまま排出されてしまう。
このため、混合粉末には、水の投入が不可欠ではあるが、水を混ぜ合わせることにより粘性が増すため、造粒装置への付着が問題となる。混合粉末に多くの水を混ぜ合わせると、粘性が増してしまい、ダイス孔より押し出すことができず、ダイスの温度が上昇して、造粒装置が過負荷により停止となる場合がある。このため、混合粉末には、限界まで減らした水を少しずつ混ぜ合わせると良い。例えば、混合粉末には、噴霧装置等で霧状にされた水を少しずつ混ぜ合わせると良い。混合機は、粉体同士を単に混合する装置として、V型混合機、ロッキングミル、ドラムミキサー及びタンブラーミキサー等が使用される。
〔造粒工程S4〕
混合機で混ぜ合わせられた混合粉末は、造粒装置(例えば、プレスペレッター(FMP−180N))を用いて直径3mm長さ8mmの粒状又はペレット状の家畜飼料用添加物1に加工する。混合粉末は、造粒装置のダイスの上を公転しながら自転する2〜4個の円形のローラーにかき込まれ、ダイスのダイス孔の中に強制的に押し出されて家畜飼料用添加物1が造粒される。ダイス孔は、直径3mmの円筒形状の孔で良い。ダイス孔は、混合粉末を押し込みやすくするために入口の直径を3mmより大きく(例えば、直径5mm)して、徐々に縮径するテーパ状に形成しても良い。
ダイス孔は、家畜飼料用添加物1を出しやすくするために出口の直径を3mmより大きく(例えば、直径4mm)して、徐々に拡径するテーパ状に形成しても良い。造粒装置の円錐形ローラーには、溝加工がされているため、混合粉末をしっかりと捉えることができる。造粒装置のローラーは、円錐形に形成されているため、ダイスとのスリップがなく均一な圧力で混合粉末を押し出すことができ、カッターで一定の長さ(1mm〜10mm)にカットすることができる。
混合粉末は、造粒装置のダイス孔から押し出されるときに、ダイス孔の内周に粉末植物40の繊維が擦れることで、摩擦熱が発生して混合粉末が加熱される。混合粉末は、ダイス孔の中で粉末サンゴ10の多孔質構造の穴の不純物が摩擦熱で加熱されて除去され、あわせて殺菌がされる。混合粉末中の粉末サンゴ10の炭酸カルシウムは、結晶型がアラレ石(アラゴナイト)である。アラレ石は、空気中で加熱することにより方解石(カルサイト)に相転移してしまう。このため、混合粉末は、造礁サンゴの結晶型を変えることなく殺菌ができる温度で加熱されると良い。
例えば、混合粉末が加圧されて加熱される加熱温度は、80〜120℃程度が良い。混合粉末は、造粒装置のダイス孔から押し出されるときに、ダイス孔の内周に粉末植物40の繊維が擦れることで、摩擦熱が発生して混合粉末が約80℃に加熱される。つまり、混合粉末は、別段に加熱処理を施すことなく、ダイス孔から押し出されるときに、加熱がされて殺菌がされる。また、混合粉末は、粉末植物40の粒径が粉末サンゴ10の粒径より大きく形成されている。このため、混合粉末中の粉末植物40の繊維がダイス孔の内周に良く擦れて、摩擦熱が効率良く発生する。
混合粉末は、造粒装置のダイス孔から押し出されるときに、粒状又はペレット状に押し固められて成形される。つまり、混合粉末は、加圧されるとその粒子同士が密着して家畜飼料用添加物1になる。混合粉末は、家畜飼料用添加物1に成形されることにより、家畜用飼料に添加するときには、飛散することがない。また、このように加圧されて成形された家畜飼料用添加物1は、添加する水を限界まで減らしているため、家畜や家禽が摂取したときにその体内で水分を吸収して粉末に分離し易い。さらに、家畜飼料用添加物1を構成する混合粉末は、粉末サンゴ10の平均粒径が0.075mmと非常に小さいため、家畜や家禽の体内での吸収率が良い。
以下、本発明を、比較例と実施例を挙げて成形性について詳細に説明する。しかし、これらは本発明の理解を助けるためのものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。表1は、粉末サンゴ10、塩20、セレン30及び水を混ぜ合わせる量と造粒装置の仕様等を表す比較例1〜7を示す表である。表1に示すように、比較例1〜7については、粉末サンゴ10は、含水率が0.4%で嵩比重が0.85g/cmのものを使用した。塩20は、含水率が0.4%で嵩比重が1.18g/cmのものを使用した。
表2は、比較例1〜7の成形性を示す表である。
<比較例1>
表1に示すように、粉末サンゴ10を0.9kgと塩20を0.1kgを混合して混合粉末を製造した。表1に示すように、得られた混合粉末を造粒装置で直径3mmのダイス孔に抵抗値24.4で成形を試みた。しかし、表2に示すように、混合粉末は、ダイスに留まりペレット状には成形できなかった。
<比較例2>
表1に示すように、粉末サンゴ10を0.9kgと塩20を0.1kgを混合して混合粉末を製造した。表1に示すように、得られた混合粉末を造粒装置で直径3mmのダイス孔に抵抗値18.1で成形を試みた。しかし、表2に示すように、混合粉末は、ダイスに留まりペレット状には成形できなかった。
<比較例3>
表1に示すように、粉末サンゴ10を0.9kgと塩20を0.1kgを混合して混合粉末を製造した。表1に示すように、得られた混合粉末を造粒装置で直径3mmのダイス孔に抵抗値15.5で成形を試みた。しかし、表2に示すように、混合粉末は、ダイスに留まりペレット状には成形できなかった。
<比較例4>
表1に示すように、粉末サンゴ10を0.9kgと塩20を0.1kgを混合して混合粉末を製造した。表1に示すように、得られた混合粉末を造粒装置で直径3mmのダイス孔に抵抗値12.2で成形を試みた。しかし、表2に示すように、混合粉末をペレット状には成形できず、混合粉末のまま排出された。
<比較例5>
表1に示すように、粉末サンゴ10を0.9kgと塩20を0.1kgと水を0.05kgを混合して混合粉末を製造した。表1に示すように、得られた混合粉末を造粒装置で直径3mmのダイス孔に抵抗値18.1で成形を試みた。しかし、表2に示すように、造粒装置にかかる負荷が高すぎて、混合粉末をペレット状には成形できなかった。
<比較例6>
表1に示すように、粉末サンゴ10を0.9kgと塩20を0.1kgと水を0.07〜0.1kgを混合して混合粉末を製造した。表1に示すように、得られた混合粉末を造粒装置で直径3mmのダイス孔に抵抗値18.1で成形を試みた。しかし、表2に示すように、造粒装置にかかる負荷が高すぎて、混合粉末をペレット状には成形できなかった。
<比較例7>
表1に示すように、粉末サンゴ10を2.7kgと塩20を0.3kgと水を0.00036kgを混合して混合粉末を製造した。表1に示すように、得られた混合粉末を造粒装置で直径3mmのダイス孔に抵抗値12.2で成形を試みた。図4に示すように、得られた混合粉末からは、ペレット状に成形され家畜飼料用添加物1が製造された。
表1に示すように、家畜飼料用添加物1を製造する造粒装置の成形時負荷電流値は9〜12Aであり、製造された家畜飼料用添加物1のペレット嵩比重は1.14であり、ペレット表面温度は73℃である。表1に示すように、家畜飼料用添加物1は、1時間あたりに13kgのペースで製造された(16分で3.54kg)。ただし、表2に示すように、造粒装置は運転開始から16分で過負荷により停止した。また、図5に示すように、造粒装置には、ペレット状になりきれない混合粉末が付着して残った。
表3は、粉末サンゴ10、塩20、セレン30及び水を混ぜ合わせる量と造粒装置の仕様等を表す実施例1〜5を示す表である。表3に示すように、比較例1〜7については、粉末サンゴ10は、含水率が0.4%で嵩比重が0.89g/cmのものを使用した。塩20は、含水率が0.4%で嵩比重が1.18g/cmのものを使用した。
表4は、実施例1〜5の成形性を示す表である。
<実施例1>
表3に示すように、粉末サンゴ10を2.7kgと塩20を0.3kgと水を0.00036kg(0.36g)を混合して混合粉末を製造した。つまり、粉末サンゴ10と塩20との重量比が9:1である。表3に示すように、得られた混合粉末を造粒装置で直径3mmのダイス孔に抵抗値が最も小さい7.0で成形を試みた。図6(a)に示すように、得られた混合粉末からは、ペレット状に成形され家畜飼料用添加物1が製造された。表3に示すように、家畜飼料用添加物1を製造する造粒装置の成形時負荷電流値は9〜12Aであり、製造された家畜飼料用添加物1のペレット嵩比重は1.1であり、ペレット表面温度は54℃である。
表3に示すように、家畜飼料用添加物1は、1時間あたりに56kgのペースで製造された(2.5分で2.35kg)。造粒装置のローラーの回転数(周波数)は、54Hzであった。造粒装置は、過負荷による停止は無かったが、徐々に成形時負荷電流値が上昇した。造粒装置からは、家畜飼料用添加物1に成形されない粉末の発生量が多く、成形された家畜飼料用添加物1は硬くなく脆い。成形された家畜飼料用添加物1は、自然乾燥をした後には硬さが増した。
<実施例2>
表3に示すように、粉末サンゴ10を4.0kgと塩20を0.5kgと水を0.0006kg(0.6g)と粉末植物40として米ヌカを0.5kgを混合して混合粉末を製造した。つまり、粉末サンゴ10、塩20及び粉末植物40との重量比が8:1:1である。表3に示すように、得られた混合粉末を造粒装置で直径3mmのダイス孔に抵抗値12.2で成形を試みた。図6(b)に示すように、得られた混合粉末からは、ペレット状に成形され家畜飼料用添加物1が製造された。
表3に示すように、家畜飼料用添加物1を製造する造粒装置の成形時負荷電流値は7〜8Aであり、製造された家畜飼料用添加物1のペレット嵩比重は1.0であり、ペレット表面温度は49℃である。表3に示すように、家畜飼料用添加物1は、1時間あたりに30kgのペースで製造された(7.5分で3.76kg)。造粒装置は、混合粉末に粉末植物40として米ヌカを混ぜ合わせたことにより、過負荷により停止することが無くなった。造粒装置のローラーの回転数(周波数)は、54Hzであった。造粒装置からは、家畜飼料用添加物1に成形されない粉末の発生が無く、成形された家畜飼料用添加物1はしっかりとしたペレット状になった。造粒装置のカバーには、混合粉末の付着が観察された。
<実施例3>
表3に示すように、粉末サンゴ10を4.0kgと塩20を0.5kgと水を0.0006kg(0.6g)と粉末植物40として米ヌカを0.5kgを混合して混合粉末を製造した。つまり、粉末サンゴ10、塩20及び粉末植物40との重量比が8:1:1である。表3に示すように、得られた混合粉末を造粒装置で直径3mmのダイス孔に抵抗値が実施例1と同じ7.0で成形を試みた。図6(c)に示すように、得られた混合粉末からは、ペレット状に成形され家畜飼料用添加物1が製造された。
表3に示すように、家畜飼料用添加物1を製造する造粒装置の成形時負荷電流値は7Aであり、製造された家畜飼料用添加物1のペレット嵩比重は1.0であり、ペレット表面温度は38℃である。表3に示すように、家畜飼料用添加物1は、1時間あたりに163kgのペースで製造された(1.8分で4.89kg)。カバーへの付着は無く、生産量も増えたが軟らかくなった。造粒装置からは、家畜飼料用添加物1に成形されない粉末の発生が無く、成形された家畜飼料用添加物1は実施例2と比較して柔らかいペレット状になった。造粒装置のカバーには、混合粉末の付着はなかった。
<実施例4>
表3に示すように、粉末サンゴ10を3.2kgと塩20を0.4kgと水を0.00048kg(0.48g)と粉末植物40として米ヌカ0.4kgを混合して混合粉末を製造した。つまり、粉末サンゴ10、塩20及び粉末植物40との重量比が8:1:1である。表3に示すように、得られた混合粉末を造粒装置で直径3mmのダイス孔に抵抗値8.7で成形を試みた。図6(d)に示すように、得られた混合粉末からは、ペレット状に成形され家畜飼料用添加物1が製造された。
表3に示すように、家畜飼料用添加物1を製造する造粒装置の成形時負荷電流値は7Aであり、製造された家畜飼料用添加物1のペレット嵩比重は1.0であり、ペレット表面温度は37℃である。表3に示すように、家畜飼料用添加物1は、1時間あたりに139kgのペースで製造された(1.7分で3.95kg)。実施例4においては、実施例2(12.2)と実施例3(7.0)の中間の抵抗値(8.7)のダイスを使用したが、実施例3の結果と殆ど同じ傾向であった。造粒装置のカバーには、混合粉末の付着はなかった。
<実施例5>
表3に示すように、粉末サンゴ10を3.5kgと塩20を0.4kgと水を0.00048kg(0.48g)と粉末植物40として米ヌカ0.1kgを混合して混合粉末を製造した。つまり、粉末サンゴ10、塩20及び米ヌカとの重量比が35:4:1である。表3に示すように、得られた混合粉末を造粒装置で直径3mmのダイス孔に抵抗値8.7で成形を試みた。図6(e)に示すように、得られた混合粉末からは、ペレット状に成形され家畜飼料用添加物1が製造された。
表3に示すように、家畜飼料用添加物1を製造する造粒装置の成形時負荷電流値は9〜10Aであり、製造された家畜飼料用添加物1のペレット嵩比重は1.1であり、ペレット表面温度は46℃である。表3に示すように、家畜飼料用添加物1は、1時間あたりに111kgのペースで製造された。実施例5は、実施例2、3及び4と比較して粉末植物40として米ヌカの添加量を下げた。その結果、成形された家畜飼料用添加物1は、実施例2、3及び4と比較して、少し硬くなったが、家畜飼料用添加物1に成形されない粉末の発生が増えた。
<比較例1〜7と実施例1〜5の結果>
比較例1〜4に示すように、水を全く入れないと、混合粉末の粘度が低くサラサラするため、家畜飼料用添加物1が製造されることなく、ダイスに混合粉末が留まり、粉のまま排出されてしまう。比較例5〜6に示すように、水を多く入れると、混合粉末の粘度が非常に高くなりベトベトするため、負荷が高くなりすぎて、家畜飼料用添加物1が製造されることなく機械が停止してしまう。比較例7に示すように、加える水の割合を限りなく減らすことで、混合粉末の粘度が若干高くなるため、家畜飼料用添加物1は硬くなく脆いペレット状になるが、粉の発生量も多い。
実施例1に示すように、比較例7よりも抵抗値を下げることで、家畜飼料用添加物1の生産量が多くなった。実施例2〜5に示すように、粉末サンゴ10に粉末サンゴより粒径の大きい粉末植物40を加えて、加える水の割合を限りなく減らすことで、家畜飼料用添加物1が比較的安定して製造される。なお、加える水の割合を限りなく減らすことで家畜飼料用添加物1を製造する場合には、強い圧力でダイス孔に混合粉末を押し込めないといけない。このため、造粒装置のモータの出力をあげることで、家畜飼料用添加物1を製造効率が良くなることが予想される。例えば、現在使用している造粒装置のモータの出力は、200Vで3.7KWであるが、これを200Vで15KWにすることで、家畜飼料用添加物1を製造効率が良くなることが予想される。
家畜飼料用添加物1を製造する場合に、強い圧力でダイス孔に混合粉末を押し込むことで、混合粉末とダイス孔との間に約80℃の摩擦熱が発生する。このため、混合粉末は、家畜飼料用添加物1に成形されるときに摩擦熱で加熱がされて粒状又はペレット状に押し固まる。このように製造される家畜飼料用添加物1は、成形されるときに摩擦熱が加えられながら押し固められるため、乾燥する工程や殺菌する工程が省略できる。なお、家畜飼料用添加物1が成形されるときに摩擦により加熱される加熱温度は、セレン30の溶ける温度(180℃)より低い80〜120℃程度が良い。
このように製造される家畜飼料用添加物1は、もともと混合粉末に加えられる水の割合が限りなく減らされているため、家畜や家禽が摂取したときにその体内で水分を吸収して粉末に分離し易い。なお、粉末サンゴ10、塩20及び粉末植物40との重量比は、家畜飼料が含有するセレンの量に応じて適宜変更すると良い。また、粉末サンゴ10、塩20及び粉末植物40との重量比は、家畜や家禽の種類、肉用なのか繁殖用なのかに応じて適宜変更すると良い。例えば、粉末サンゴ10、塩20及び粉末植物40との重量比は、10:1:1や20:4:1(80%:16%:4%)であっても良い。
<子牛の発育について>
子牛の発育試験について、宮崎県立農業大学校の3ヶ月齢の子牛を使いました。家畜飼料用添加物1の投与試験を実施するため、子牛に家畜飼料用添加物1を投与する投与区と、子牛に家畜飼料用添加物1を投与しない対照区とに分けて、投与区と対照区の子牛の発育を比較して判定しました。子牛に投与する家畜飼料用添加物1の投与量は、1日1頭当たり30gに設定しました。子牛への家畜飼料用添加物1の給与試験では、子牛に家畜飼料用添加物1を投与しない対照区と子牛に家畜飼料用添加物1を投与する給与区とでは、給与区の子牛の方が発育が良かった。従って、本発明の家畜飼料用添加物1により大きな経済効果を得ることができる。
<繁殖母牛の血清成分の改善について>
繁殖母牛の繁殖成績の改善について、宮崎県立農業大学校の5頭の繁殖母牛を選定しました。表5に示すように家畜飼料用添加物1の投与試験を実施するため、投与前の血液検査を実施し、粉末サンゴ10を投与後にもう一度血液検査を実施して効果を判定しました。繁殖母牛に投与する粉末サンゴ10の投与量は、1日1頭当たり30gに設定しました。その際、粉末サンゴ10を一般的な牛の飼料に添加したものを繁殖母牛に与えた。
繁殖母牛への家畜飼料用添加物1給与試験では、繁殖母牛に粉末サンゴ10を投与する前と、繁殖母牛への粉末サンゴ10を投与した後とでは、血清成分の標準値の状態が変化した。以下、繁殖母牛の血清成分の変化について表5を参考に記載する。アルブミンは、給与前と給与後に変化が認められない。尿素窒素は、給与後に上昇しており、蛋白質代謝が向上していました。総コレステロールは、給与前と給与後に変化が認められない。遊離脂肪酸は、給与後標準値への回復が認められました。
AST、γ−gtは、給与前と給与後に変化が認めず、肝機能は正常に機能していました。カルシウムは、給与前と給与後に変化が認められない。血糖は、給与前と給与後に変化が認められない。ケトン体は、給与前と給与後に変化が認められない。アンモニアは、給与後、正常値に回復した。乳酸は、給与後、正常値に回復した。従って、本発明の家畜飼料用添加物1により大きな経済効果を得ることができる。
<繁殖母牛の繁殖成績の改善について>
繁殖母牛の繁殖成績の改善について、宮崎県立農業大学校の不受胎母牛を選定しました。粉末サンゴ10の投与試験を実施するため、繁殖母牛に粉末サンゴ10を投与後に人工受精を行い繁殖母牛の受胎の可否について判定しました。繁殖母牛に投与する粉末サンゴ10の投与量は、1日1頭当たり30gに設定しました。その際、粉末サンゴ10を一般的な牛の飼料に添加したものを繁殖母牛に与えた。表7は、繁殖牛に対する繁殖生成期について示す図である。
表6に示すように、繁殖牛に対する繁殖生成期については、11頭中の4頭に妊娠が認められた。不受胎期間が長かった状況を考えれば、良好な成績である。従って、本発明の家畜飼料用添加物1により大きな経済効果を得ることができる。
表7は、繁殖牛に対する繁殖生成期について示す図である。
表7に示すように、繁殖牛に対する繁殖生成期については、7頭中の1頭に妊娠が認められた。不受胎期間が長かった状況を考えれば、良好な成績である。従って、本発明の家畜飼料用添加物1により大きな経済効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態の説明を行ったが、本発明は、この実施形態に限定されることはなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内で変更ができる。本例において、家畜飼料用添加物1は、粉末植物40として米ヌカによって形成されている。しかし、セレン30が抽出されるものであれば、他の材料でもよい。つまり、粉末植物40は、生草、サイレージ、乾草、わら類、リーフミール類、穀類、マメ類、イモ類及びその他の植物から選択される一つ又は複数を繊維と共に粉砕したものでも良い。例えば、粉末植物40は、米ヌカとくずまきかずらを混ぜ合わせたものでも良い。くずまきかずらは、その葉にセレンを含んでいるが、米ヌカと比較して安価に手に入る。このため、粉末植物40は、米ヌカだけで製造するよりも、米ヌカとくずまきかずらを混ぜ合わせることで、安価に製造することができる。
1 :家畜飼料用添加物
10 :粉末サンゴ
20 :塩
30 :セレン
40 :粉末植物

Claims (9)

  1. 家畜の飼料に添加する家畜飼料用添加物であって、
    粉末状に形成された粉末サンゴと、
    粉末状に形成された塩と、
    粉末状に形成されセレンを含む粉末植物とを有し
    前記粉末サンゴ、前記粉末植物、前記塩及び、80:10:10:0.012の割合で又は87:2.5:10:0.012の割合で混ぜられた混合粉末であり、
    前記粉末植物は、全部又は一部の粒径が前記粉末サンゴの粒径より大きく形成され、
    前記混合粉末をダイス内で加圧することでペレット状に成形される
    ことを特徴とする家畜飼料用添加物。
  2. 請求項1に記載された家畜飼料用添加物であって、
    前記粉末サンゴは、粒径が0mmより大きく0.075mm以下の造礁サンゴからなる
    ことを特徴とする家畜飼料用添加物。
  3. 請求項に記載された家畜飼料用添加物であって、
    前記粉末植物は、前記セレンを含む生草、サイレージ、乾草、わら類、リーフミール類、穀類、マメ類、イモ類及びその他の植物から選択される一つ又は複数を繊維と共に粉砕して形成されている
    ことを特徴とする家畜飼料用添加物。
  4. 請求項に記載された家畜飼料用添加物であって、
    前記混合粉末は、前記ダイス内で加圧されることで、前記粉末植物が前記ダイスに擦れて摩擦熱で加熱されている
    ことを特徴とする家畜飼料用添加物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載された家畜飼料用添加物を含むことを特徴とする家畜飼料。
  6. 家畜の飼料に添加する家畜飼料用添加物の製造方法であって、
    サンゴを粉末状に粉砕して粉末サンゴを形成するサンゴ粉砕工程と、
    セレンを含む植物を粉末状に粉砕して粉末植物を形成する植物粉砕工程と、
    前記粉末サンゴ、前記粉末植物及び水80:10:10:0.012の割合で又は87:2.5:10:0.012の割合で混ぜて混合粉末を形成する混合工程と
    前記混合粉末をダイス内で加圧して、ペレット状に押し出して成形する造粒工程とからなり、
    前記植物粉砕工程は、前記粉末植物の全部又は一部の粒径を前記粉末サンゴの粒径より大きくなるように粉砕する
    ことを特徴とする家畜飼料用添加物の製造方法。
  7. 請求項に記載された家畜飼料用添加物の製造方法であって、
    前記サンゴ粉砕工程では、造礁サンゴを粒径が0mmより大きく0.075mm以下に粉砕する
    ことを特徴とする家畜飼料用添加物の製造方法。
  8. 請求項に記載された家畜飼料用添加物の製造方法であって、
    前記植物粉砕工程では、前記セレンを含む生草、サイレージ、乾草、わら類、リーフミール類、穀類、マメ類、イモ類及びその他の植物から選択される一つ又は複数を繊維と共に粉砕している
    ことを特徴とする家畜飼料用添加物の製造方法。
  9. 請求項に記載された家畜飼料用添加物の製造方法であって、
    前記混合粉末は、前記ダイス内で加圧されることで、前記粉末植物が前記ダイスに擦れて摩擦熱で加熱されている
    ことを特徴とする家畜飼料用添加物の製造方法。
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