JP4422263B2 - 固形状ペットフード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペットフードおよびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、犬や猫などのペット類による嗜好性が良好で、消化吸収性に優れ、しかも取り扱い性および外観に優れる固形状のペットフードおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
犬や猫などのペット類は、本来野生の状態では、獲物を捕獲して生のままで摂取していたが、ペットとして飼われることによって、人が加工・調理した食材を摂取することで、その食生活が大きく変化してきた。近年、ペットフードの普及により、加工・調理の一層進んだ食材がペットに与えられるようになっている。
【0003】
市販のペットフードは、水分含量が通常50重量%以上のモイストタイプ、水分含量が通常約20〜40重量%程度であるセミモイストタイプおよび水分含量が通常約10重量%以下のドライタイプに大別される。そのうちで、ドライタイプまたはセミモイストタイプのペットフードは、一般に粒状、ペレット状、フレーク状、ステック状、ドーナツ状、星形などの固形状の形態で生産、販売されているが、取り扱い易さ、保存性の良さなどの点から近年その需要がますます増加している。
【0004】
しかしながら、水分含量の低いドライタイプまたはセミモイストタイプの固形状ペットフード、特にドライタイプの固形状ペットフードは、缶詰などのモイストタイプのペットフード、および生肉や生魚などの生のペットフードに比べて、蛋白質の熱変性が生じているために、消化吸収性に劣っており、しかも嗜好性が低くペットに与えても充分に摂取されない場合が多い。人は食べ物を良く咀嚼することによって食物の消化吸収を促すことができるが、犬や猫などのペット類では、歯の構造などから十分に咀嚼することが困難であり、咀嚼によってペットフードの消化吸収を促進することができない。
【0005】
また、ドライタイプやセミモイストタイプの固形状ペットフードは、袋などに充填・包装して流通、販売されることが多いが、従来のドライタイプやセミモイストタイプのペットフードは、流動性が十分ではなく、袋などに充填・包装する際の取り扱い性が劣っていた。また、従来のドライタイプやセミモイストタイプのペットフードは、表面の凹凸が大きく、外観的にも良好であるとは言い難かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、消化吸収性に優れ、しかも犬や猫などのペット類による嗜好性が良好なドライタイプやセミモイストタイプの固形状ペットフードおよびその製造方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、流動性に優れ、取り扱い性の良好な固形状ペットフードおよびその製造方法を提供することである。
また、本発明の目的は、表面が滑らかで、外観に優れる固形状ペットフードおよびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者らは鋭意検討を行ってきた。その結果、従来の固形状ペットフードでは、粒径の大きなペットフード用の各種原料を十分に粉砕せずに粗粉砕し、それを用いて造粒または成形を行って固形状ペットフードを製造していたために、犬や猫などのペット類による消化吸収性が十分ではなく、しかも流動性および外観の点で劣ったものになっていたことが判明した。
【0008】
より具体的に説明すると、ペットフードの主たる原料である蛋白質原料についてみると、ペットフードの製造に用いられる蛋白質原料は、一般に、下記の表1に示すような粒径を有している。
【0009】
【表1】
【0010】
従来の固形状ペットフードでは、上記の表1に示したような蛋白質原料をその他の原料と共に用い、該蛋白質原料やその他の原料を粉砕機で粉砕して、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が50〜60重量%程度で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が20〜30重量%程度である粗粉砕原料をつくり、その粗粉砕原料を用いて造粒や成形を行っている。そのため、犬や猫などのペット類による消化吸収性が十分ではなく、流動性および外観の点でも劣っていることが判明した。
【0011】
上記した知見に基づいて、本発明者らが更に検討を重ねた結果、微粉砕されたペットフード用原料を用いて造粒または成形を行うと、特に粒径が150μmを超える粒子の含有割合が30重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が10重量%以下であるようにして微粉砕したペットフード用原料を用いて造粒または成形を行って固形状ペットフードを製造すると、消化吸収性に優れ、犬や猫などのペット類による嗜好性が良好であること、しかも流動性に優れていて取り扱い性が良好であり、さらには表面が滑らかで外観に優れる固形状ペットフードが得られることを見出して本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は、
(1) ハンマーミル、ピンミル、パルベライザーおよびターボ型ミルから選ばれる粉砕機を用いて粉砕して得られる、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が30重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が10重量%以下である微粉砕されたペットフード用原料を造粒または成形してなる固形状ペットフードである。
【0013】
本発明は、
(2) ハンマーミル、ピンミル、パルベライザーおよびターボ型ミルから選ばれる粉砕機を用いて粉砕して得られる、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が25重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が5重量%以下である微粉砕されたペットフード用原料を造粒または成形してなる前記(1)の固形状ペットフードを好ましい態様として包含する。
【0014】
さらに、本発明は、
(3) ペットフード用原料をハンマーミル、ピンミル、パルベライザーおよびターボ型ミルから選ばれる粉砕機を用いて粉砕して、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が30重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が10重量%以下である微粉砕されたペットフード用原料を調製し、当該微粉砕されたペットフード用原料を用いて造粒または成形を行うことを特徴とする固形状ペットフードの製造方法である。
【0015】
本発明は、
(4) ペットフード用原料をハンマーミル、ピンミル、パルベライザーおよびターボ型ミルから選ばれる粉砕機を用いて粉砕して、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が25重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が5重量%以下である微粉砕されたペットフード原料を調製し、当該微粉砕されたペットフード用原料を用いて造粒または成形を行う前記(3)の固形状ペットフードの製造方法;および、
(5) 前記微粉砕されたペットフード用原料を、押出機を使用して造粒または成形する前記(3)または(4)の固形状ペットフードの製造方法;
を好ましい態様として包含する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の固形状ペットフードは、犬、猫、ウサギ、モルモット、九官鳥などのペット類に給与される固形状フードである。本発明の固形状ペットフードは、流通、保存、販売、ペット類への給与時などの取扱い時に、大きな変形や崩れなどを生ずることなく、その固体形状を保持できるものであればいずれでもよく、ドライタイプまたはセミモイストタイプのペットフードが包含される。そのうちでも、本発明の固形状ペットフードは、ドライタイプのものであることが、取り扱い性、製造の容易性、保存性などの点で優れていることから好ましい。
また、本発明の固形状ペットフードの形状は特に限定されず、例えば、ペレット状、粒状、スティク状、ドーナツ状、星形、ボーン形などの所望の形状の固形状を呈していることができる。
さらに、本発明の固形状ペットフードの大きさは特に制限されず、給与するペットの種類などに応じて決めることができ、例えば、ペレット状のものでは、直径を5〜10mm程度、長さを10〜15mm程度にすると、犬または猫への給餌が容易で、嗜好性にも優れる。
【0017】
本発明の固形状ペットフードは、ハンマーミル、ピンミル、パルベライザーおよびターボ型ミルから選ばれる粉砕機を用いて粉砕して得られる、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が30重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が10重量%以下である微粉砕されたペットフード用原料を用いて造粒または成形されていることが必要であり、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が25重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が5重量%以下である微粉砕されたペットフード用原料を用いて造粒または成形されていることが好ましい。
【0018】
ペットフード用原料として、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が30重量%を超えるものを用いると、粒径が350μmを超える粒子の含有割合が10重量%以下であっても、ペットによる消化吸収性が低下し、しかもペットフード表面の平滑性が失われて、流動性、取り扱い性、外観に優れる固形状ペットフードが得られなくなる。また、ペットフード用原料として、粒径が350μmを超える粒子の含有割合が10重量%を超えるものを用いると、粒径が150μm以下の粒子の含有割合が30重量%以下であっても、やはり消化吸収性が低下し、しかもペットフード表面につぶつぶ(凹凸)が発生して、平滑性が失われて、流動性、取り扱い性が低下し、外観に劣るようになる。
【0019】
ここで本発明における「粒径が150μmを超える粒子の含有割合」は、固形状ペットフードの製造に用いる原料全体を目開き150μmの篩を用いて分級し、原料全体の重量に対する、目開きが150μmの篩上に残留した粒子の割合(重量%)を言う。また、本発明における「粒径が350μmを超える粒子の含有割合」は、固形状ペットフードの製造に用いる原料全体を目開き350μmの篩を用いて分級し、原料全体の重量に対する、目開きが350μmの篩上に残留した粒子の割合(重量%)を言う。
【0020】
本発明の固形状ペットフードでは、使用する原料の種類、配合割合などは特に限定されず、対象とするペットの種類などに応じて、適宜選択することができ、例えばトウモロコシ、小麦粉、肉粉、魚粉、大豆粕、大豆粉、油脂類、ビタミン類、ミネラル類、食塩、調味料などを使用して製造することができる。
【0021】
本発明の固形状ペットフードは、(1)上記したようなペットフード用原料を予め混合し、それをハンマーミル、ピンミル、パルベライザーおよびターボ型ミルから選ばれる粉砕機を用いて粒径が150μmを超える粒子の含有割合が30重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が10重量%以下になるまで微粉砕し、それにより得られた微粉砕ペットフード用原料を用いて造粒または成形を行って製造する方法、(2)それぞれのペットフード用原料を予め個別に前記粉砕機を用いて微粉砕してから混合して、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が30重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が10重量%以下である混合物を調製し、その混合物を用いて造粒または成形を行って製造する方法などによって製造することができる。そのうちでも、固形状ペットフードの製造に必要な原料を予め混合した後に前記粉砕機を用いて微粉砕し、それを用いて造粒または成形を行う前記(1)の方法が、粒径が150μmを超える粒子および粒径が350μmを超える粒子の含有割合の調整が容易であり、栄養成分の調整が容易であり、しかも工程的に簡便であり、望ましい。
【0022】
ペットフード用原料の粉砕は、ハンマーミル、ピンミル、パルベライザーおよびターボ型ミルから選ばれる粉砕機を用いて行なう。
【0023】
本発明の固形状ペットフードを製造するための造粒法や成形法、造粒装置や成形装置は特に制限されず、固形状ペットフードの製造に従来から用いられている造粒または成形の方法や装置のいずれもが採用できる。例えば、エクストルーダー、前スクリュー式押し出し造粒機、横スクリュー式押し出し造粒機、ペレットミルなどの押し出し造粒機、ドラム型転動造粒機、皿型転動造粒機、振動型転動造粒機などの転動造粒機、打錠機、プリケッターマシンなどの圧縮型造粒機などを挙げることができ、そのうちでも押し出し造粒機が好ましく用いられる。
【0024】
造粒または成形時の条件も特に制限されず、固形状ペットフードの製造において従来から採用されているのと同様の条件で行うことができる。例えば、押し出し造粒機を用いてペレット状の固形状ペットフードを製造する場合は、一般に、コンディショナー温度60℃〜100℃、バレル先端内部圧力30〜70バール、バレル先端内部温度90℃〜160℃が好ましく採用される。
【0025】
【実施例】
以下に実施例などにより本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例により限定されない。
【0026】
《実施例1》[ドッグフードの製造]
(1) 下記の表2に示す組成を有するドッグフード用の原料混合物を準備した。
【0027】
【表2】
【0028】
(2) 上記(1)で準備したドッグフード用の原料混合物を、ターボ工業株式会社製粉砕機「Turbo Mill T−40−4型」を用いて粉砕して、下記の表4に示す5種類(実験番号1〜5)のドッグフード用の粉砕された原料混合物を製造した。
(3) 上記(2)で得られたドッグフード用の粉砕された原料混合物のそれぞれを用いて、エクストルーダー(ジョーダ鉄工株式会社製「EP−50」)を使用して、エクストルーダーへの原料混合物の供給量60kg/時、エクストルーダーへの給水量13リットル/時、混練温度70℃〜90℃、バレル先端温度100℃〜130℃、バレル先端圧力5〜10バールの条件下に押出成形してストランド状に押し出した後、切断し、それを120℃で乾燥して、水分含量が8%のペレット状の5種類のドッグフード(ドライタイプ)を製造した。
これにより得られた実験番号1〜5のドッグフードの飼料エネルギー量は、いずれも330Kcal/100gであった。
なお、実験番号5のドッグフードは、従来市販されている一般的なドッグフードに相当する。
(4) 上記(3)で得られたドッグフードの外観を目視により観察して下記の表3に示す評価基準にしたがって評価したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
上記の表4の結果から、粒径が150μm以上の粒子の含有割合が30重量%以下で且つ粒径が350μm以上の粒子の含有割合が10重量%以下である微粉砕原料混合物を用いて製造した実験番号1および2のドッグフードは、表面につぶつぶが殆どないか全くなくて平滑な表面を有し、外観に優れていることがわかる。
【0032】
(5) また、上記(3)で得られたドッグフードのうち、実験番号1(発明例)のドッグフードおよび実験番号5(比較例)のドッグフードについて、その流動性を以下のようにして調べたところ、下記の表5に示すとおりであった。
【0033】
[ドッグフードの流動性の測定]
図1に示す形状および寸法を有するホッパーに、実験番号1のドッグフードまたは実験番号5のドッグフードを、外部から押圧することなく擦り切り一杯に充填した後、ホッパーに振幅5mm、周波数5Hzの振動を与えて、毎秒当たりホッパーの下部から排出されるドッグフードの重量を測定した。
また、ホッパー内のドッグフードが完全に排出された時点で、ホッパーの出口の下方に形成された山形のドッグフード堆積物の安息角を測定した。
【0034】
【表5】
【0035】
上記の表5の結果から、粒径が150μm以上の粒子の含有割合が30重量%以下で且つ粒径が350μm以上の粒子の含有割合が10重量%以下である微粉砕原料混合物を用いて製造した実験番号1の本発明のドッグフードは、粒径が150μm以上の粒子の含有割合が50重量%で且つ粒径が350μm以上の粒子の含有割合が20重量%である粗粉砕原料混合物を用いて製造した実験番号5の比較例のドッグフード(従来のドッグフード)に比べて、毎秒当たりホッパーから排出される量が多く、しかも排出されたドッグフード堆積物における安息角が小さく、流動性に優れていることがわかる。
【0036】
《試験例1》[犬へのドッグフードの給与試験]
(1) 小型犬を6頭(平均体重7kg/頭)準備し、無作為に2群に分けた。
(2) 第1群の小型犬3頭には、最初の10日間(第1期)にわたって実施例1の実験番号1のドッグフード(発明例)を220g/体重7kg(726Kcal/体重7kg)の割合で給与して自由に摂取させた後、次の10日間(第2期)にわたって実施例1の実験番号5のドッグフード(比較例)を220g/体重7kg(726Kcal/体重7kg)の割合で給与して自由に摂取させた。なお、第1期および第2期中に給与したドッグフードの量は、小型犬が1日に必要としているカロリー量の約1.3倍である。第1期の後半の5日間に採糞し、またそれとは別に第2期の後半の5日間に採糞した。
【0037】
(3) 第2群の小型犬3頭には、最初の10日間(第1期)にわたって実施例1の実験番号5のドッグフード(比較例)を220g/体重7kg(726Kcal/体重7kg)の割合で給与して自由に摂取させた後、次の10日間(第2期)にわたって実施例1の実験番号1のドッグフード(発明例)を220g/体重7kg(726Kcal/体重7kg)の割合で給与して自由に摂取させた。なお、第1期および第2期中に給与したドッグフードの量は、小型犬が1日に必要としているカロリー量の約1.3倍である。第1期の後半の5日間に採糞し、またそれとは別に第2期の後半の5日間に採糞した。
【0038】
(4) 第1群の小型犬について第1期の後半の5日間に採取した糞と第2群の小型犬について第2期の後半の5日間に採取した糞(すなわち、実験番号1のドッグフードの給与中に排出した糞)を合わせてその重量を測定して、1頭が1日当たりに排出した糞の量を求めた。
(5) 採糞中に小型犬が摂取した実験番号1のドッグフードの絶乾重量、該ドッグフード中に含まれている粗蛋白含量、粗脂肪含量および粗灰分含量を測定し且つ該ドッグフードのカロリー数を計算すると共に、採取した糞の絶乾重量、該糞中に含まれている粗蛋白含量、粗脂肪含量および粗灰分含量を測定し且つ該糞のカロリー数を計算して、以下の数式により乾物消化率、粗蛋白消化率、粗脂肪消化率、粗灰分消化率およびカロリー消化率を求めたところ、下記の表6に示すとおりであった。
【0039】
(6) 第1群の小型犬について第2期の後半の5日間に採取した糞と第2群の小型犬について第1期の後半の5日間に採取した糞(すなわち、実験番号5のドッグフードの給与中に排出した糞)を合わせてその重量を測定して、1頭が1日当たりに排出した糞の量を求めた。
(7) 採糞中に小型犬が摂取した実験番号5のドッグフードの絶乾重量、該ドッグフード中に含まれている粗蛋白含量、粗脂肪含量および粗灰分含量を測定し且つ該ドッグフードのカロリー数を計算すると共に、採取した糞の絶乾重量、該糞中に含まれている粗蛋白含量、粗脂肪含量および粗灰分含量を測定し且つ該糞のカロリー数を計算して、以下の数式により乾物消化率、粗蛋白消化率、粗脂肪消化率、粗灰分消化率およびカロリー消化率を求めたところ、下記の表6に示すとおりであった。
【0040】
【数1】
乾物消化率(%)={(採糞中に摂取したドッグフードの絶乾重量−糞の絶乾重量)/(採糞中に摂取したドッグフードの絶乾重量)}×100
【0041】
【数2】
粗蛋白消化率(%)={(採糞中に摂取したドッグフードの粗蛋白含量−糞の粗蛋白含量)/(採糞中に摂取したドッグフードの粗蛋白含量)}×100
【0042】
【数3】
粗脂肪消化率(%)={(採糞中に摂取したドッグフードの粗脂肪含量−糞の粗脂肪含量)/(採糞中に摂取したドッグフードの粗脂肪含量)}×100
【0043】
【数4】
粗灰分消化率(%)={(採糞中に摂取したドッグフードの粗灰分含量−糞の粗灰分含量)/(採糞中に摂取したドッグフードの粗灰分含量)}×100
【0044】
【数5】
カロリー消化率(%)={(採糞中に摂取したドッグフードのカロリー数−糞のカロリー数)/(採糞中に摂取したドッグフードのカロリー数)}×100
【0045】
【表6】
【0046】
上記の表6の結果から、ターボ型ミルを用いて粉砕して得られた、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が30重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が10重量%以下である微粉砕ペットフード用原料を用いて造粒して得られた実験番号1の固形状ドッグフード(発明例)は、消化吸収性に優れていることがわかる。
【0047】
【発明の効果】
本発明のペットフードは、消化吸収性に優れており、しかも犬や猫などのペット類による嗜好性が良好である。
さらに、本発明のペットフードは、流動性に優れ、充填・包装、流通、保存、販売、ペットへの給与時などでの取り扱い性に優れている。
また、本発明のペットフードは、表面が滑らかで、外観に優れている。
そして、本発明の方法による場合は、前記した優れた特性を有するペットフードを簡単な工程で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において、ドッグフードの流動性の測定に用いたホッパーの形状および寸法を示す図である。
Claims (5)
- ハンマーミル、ピンミル、パルベライザーおよびターボ型ミルから選ばれる粉砕機を用いて粉砕して得られる、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が30重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が10重量%以下である微粉砕されたペットフード用原料を造粒または成形してなる固形状ペットフード。
- ハンマーミル、ピンミル、パルベライザーおよびターボ型ミルから選ばれる粉砕機を用いて粉砕して得られる、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が25重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が5重量%以下である微粉砕されたペットフード用原料を造粒または成形してなる請求項1に記載の固形状ペットフード。
- ペットフード用原料をハンマーミル、ピンミル、パルベライザーおよびターボ型ミルから選ばれる粉砕機を用いて粉砕して、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が30重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が10重量%以下である微粉砕されたペットフード用原料を調製し、当該微粉砕されたペットフード用原料を用いて造粒または成形を行うことを特徴とする固形状ペットフードの製造方法。
- ペットフード用原料をハンマーミル、ピンミル、パルベライザーおよびターボ型ミルから選ばれる粉砕機を用いて粉砕して、粒径が150μmを超える粒子の含有割合が25重量%以下で且つ粒径が350μmを超える粒子の含有割合が5重量%以下である微粉砕されたペットフード原料を調製し、当該微粉砕されたペットフード用原料を用いて造粒または成形を行う請求項3に記載の固形状ペットフードの製造方法。
- 前記微粉砕されたペットフード用原料を、押出機を使用して造粒または成形する請求項3または4に記載の固形状ペットフードの製造方法。
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