JP6533164B2 - 改修建具 - Google Patents

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Description

建物開口部の既存枠に対して設置される新設枠と、新設枠と既存枠との接続部の室外側に配置されるカバー体とを備える改修建具に関する。
従来、既存枠の内周に新設枠を設置して建具を改修する改修建具が知られており、改修に際しては、既存枠と新設枠との接続部が室外側に露出しないようにするために、既存枠から新設枠にかけてカバー体を配置して、接続部の室外側を覆うように構成されていた。
そして、既存枠には、種々の形状、寸法のものが存在するが、既存枠の見込み方向位置に応じてカバー体の室内端部を折り取ることで、既存枠と新設枠とに亘って隙間無くカバー体が配置できるようにしていた(特許文献1)。
特開平11−125066号公報
しかし、カバー体の一部を折り取る作業は難しく、たとえ折り取りのための溝等が形成されていたとしても、カバー体の一部を正確な箇所で、しかも全長にわたって折り取ることは非常に手間だった。
また、カバー体の一部を折り取る際に、折り取りとは関係のないカバー体の見付け面等を傷つけたり破損させる恐れもあり、慎重に折り取り作業を行う必要があることから、作業に大変手間が掛かって、施工性に劣っていた。
本発明は、上記の事情を鑑みたものであり、カバー体の折り取り作業を行うことなく、外壁から突出する既存枠の形状、寸法の違いに応じて調整可能なカバー体を備える改修建具を提供することを目的とする。
本発明は、既存枠の内周に設置される新設枠と、新設枠と既存枠の接続部の室外側に配置されるカバー体とを備え、カバー体は、新設枠に固定されて少なくとも新設枠と既存枠の接続部の室外側に配置される主カバー部材と、主カバー部材に対して見込み方向に位置調節自在に係合される副カバー部材とからなり、カバー体の外周側の見込み面に主カバー部材に対する副カバー部材の位置調整部を有することを特徴とする。
既存枠の内周に新設枠を設置した後、カバー体によって既存枠と新設枠の接続部を覆うに際して、形状、寸法の異なる既存枠に対しても、カバー体を、折り取ることなく設置することができ、改修建具の施工性を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るリフォームドアの外観図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアの縦断面図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアの横断面図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアの上カバー体の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアの縦カバー体の分解斜視図である。 (a)は本発明の実施形態に係るリフォームドアの上カバー材の縦断面図であり、(b)はその一部拡大図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアの上カバー体近傍の縦断面図であり、(a)は既存枠が比較的室内側に設けられていた場合の既存上枠、新設上枠、上カバー体の縦断面図であり、(b)は既存枠が比較的室外側に設けられていた場合の既存上枠、新設上枠、上カバー体の縦断面図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアの縦カバー体近傍の横断面図であり、(a)は既存枠が比較的室内側に設けられていた場合の既存左縦枠、新設左縦枠、縦カバー体の縦断面図であり、(b)は既存枠が比較的室外側に設けられていた場合の既存左縦枠、新設左縦枠、縦カバー体の縦断面図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアのカバー体の室内側端部に保持される他の例のバックアップ材を説明するための図であり、(a)はバックアップ材を取り付けた既存左縦枠、新設左縦枠、縦カバー体の縦断面図であり、(b)は(a)のバックアップ材部分の拡大横断面図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアのカバー体の室内側端部に保持されるバックアップ材を説明するための図であり、(a)乃至(c)はバックアップ材を配置してコーキング処理を施した状態を示す横断面図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアの上カバー体、縦カバー体及びキャップ体の取付けを説明するための斜視図であり、既存枠が比較的室内側に設けられていた場合の上角部の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアの上カバー体、縦カバー体及びキャップ体の取付けを説明するための斜視図であり、既存枠が比較的室外側に設けられていた場合の上角部の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアの上角部の斜視図であり、(a)は既存枠が比較的室内側に設けられていた場合の上角部の斜視図であり、(b)は既存枠が比較的室外側に設けられていた場合の上角部の斜視図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアの縦カバー体の上端小口に装着されるキャップ体を説明するための図であり、(a)は上カバー体の外壁部とのコーキングの状態を示す縦断面図であり、(b)はキャップ体の外壁部とのコーキングの状態を示す縦断面図である。 本発明の実施形態に係るリフォームドアの縦カバー体の上端小口にキャップが装着された状態の平面図である。
(改修建具の全体構成)
本発明の改修建具を、既存枠の内周に新設枠を設置して、既存枠と新設枠の接続部の室外側をカバー体で覆うリフォームドアの実施形態を用いて説明する。
本発明の実施形態に係るリフォームドアは、図1に示すように、既存枠に対して固定される新設枠2にヒンジhによって新設ドア本体1が開閉自在に支持されており、既存枠及び新設枠2の接続部の室外側を覆うようにカバー体5,6が配置されて構成されている。
カバー体5,6は、上枠部分における既存枠と新設枠2との接続部を覆う上カバー体5と、縦枠部分における既存枠と新設枠2との接続部を覆う縦カバー体6,6とを備えている。上カバー体5の両側端部は縦カバー体6,6の内周面に突き当てられてネジ止め固定されており、縦カバー体6,6の上端には、縦カバー体6,6の上端の小口を覆うキャップ体7,7が装着されている。
(既存枠と新設枠の構成)
本実施形態に係るリフォームドアは、既存枠9の内周に新設枠2が設置され接続されており、上枠部分については、図2に示すように、建物躯体Bに固定された既存上枠91に対してその内周側にスペーサブロック95を介して新設上枠21が固定されている。
新設上枠21は、アルミの押出形材からなり中空矩形状をなす室外側上枠211とアルミの押出形材からなる室内側上枠212とを合成樹脂等のブリッジ材213により連結してなる断熱枠であり、長ネジ等の固定手段bにより既存上枠91及び建物躯体Bに固定されている。
また、左右縦枠部分については、図3に示すように、建物躯体Bに固定された既存縦枠93,94に対してその内周側にスペーサブロック96,96を介して左右の新設縦枠23、24が固定されている。
左右の新設縦枠23,24は、アルミの押出形材からなり中空矩形状をなす室外側縦枠231,241とアルミの押出形材からなる室内側縦枠232,242とを合成樹脂等のブリッジ材233,243により連結してなる断熱枠であり、長ネジ等の固定手段bにより既存上枠91及び建物躯体Bに固定されている。
そして、左側の新設縦枠23に対して新設ドア本体1がヒンジhによって取り付けられることで、既存枠9に対してリフォームドアが施工されている。
(カバー体の構成)
本実施形態に係るリフォームドアでは、既存枠9の内周に施工された新設枠2の室外側見付け面から既存枠9の室外側見付け面および既存枠9の外周側の外壁部Wにかけて、それらの室外側を覆うようにカバー体5,6が配置されている。
まず、図2、4を参考にして、上カバー体5について説明する。
上カバー体5は、新設上枠21に固定される主カバー部材51と、主カバー部材51に位置調節自在に取り付けられる副カバー部材52とから構成されている。
主カバー部材51は、少なくとも新設上枠21と既存上枠91との接続部の室外側を覆う見付け面部511と、見付け面部511の外周(上)側に連続して室内側に向かって延設される上壁部512と、見付け面部511の内周(下)側に連続して室内側に向かって延設される見込み面部513と、見込み面部513に連続して形成され、施工された新設上枠21の室外側見付け面に固定される固定部514とから構成されており、上壁部512の外周(上)面には、主カバー部材51の長手方向に延びる2条の係合片512a,512aが形成されている。
そして、固定部514を新設上枠21の室外側見付け面にネジ等の固定手段bにより固定することで主カバー部材51が新設上枠21の室外側上方位置に配置される。なお、ネジ等の固定手段bにより固定された固定部514には、キャップ515が嵌められてネジ等の固定手段bが室外に露出することを防止している。
副カバー部材52は、長尺の板状部材からなる副カバー本体521の一面に長手方向に沿って複数の被係合部522,522・・が延設されて形成されており、さらに副カバー本体521の室内側(躯体側)端部には、外壁部Wと対向するように下方に延設される対向壁523と、対向壁523に連続して外壁部Wに当接もしくは近接するように見込み方向に延設される近接壁524が形成されている。
そして、主カバー部材51の上壁部512の外周(上)面に形成された2条の係合片512a,512aに対して、副カバー部材52の一面に形成された複数の被係合部522,522が外周側から係合されることで、副カバー部材52は、主カバー部材51の上壁部512の外周(上)面に固定されている。
なお、外壁部Wに近い副カバー部材52が主カバー部材51の上方に配置されていることで、水が外壁部Wに向かって流れることを防止できる。
次に、図3、5を参考にして、縦カバー体6について説明する。なお、左右の縦カバー体6は同一の構成を備えているので、ここでは左側の縦カバー体6を用いて以下説明する。
縦カバー体6は、新設縦枠23に固定される主カバー部材61と、主カバー部材61に位置調節自在に取り付けられる副カバー部材62とから構成されている。
主カバー部材61は、少なくとも新設左縦枠23と既存左縦枠93との接続部の室外側を覆う見付け面部611と、見付け面部611の外周(左)側に連続して室内側に向かって延設される外周壁部612と、見付け面部611の内周(右)側に連続して室内側に向かって延設される見込み面部613と、見込み面部613に連続して形成され、施工された新設上枠21の室外側見付け面に固定される固定部614とから構成されており、外周壁部612の内周面には、主カバー部材61の長手方向に延びる複数の被係合部612a,612a・・が形成されている。
そして、固定部614を新設左縦枠23の室外側見付け面にネジ等の固定手段bにより固定することで主カバー部材61が新設左縦枠23の室外側外周側位置に配置されている。なお、ネジ等の固定手段bにより固定された固定部614には、キャップ615が嵌められてネジ等の固定手段bが室外に露出することを防止している。
副カバー部材62は長尺の板状部材からなる副カバー本体621の一面側に長手方向に沿って延設された2条の係合片622,622が延設されて形成されており、さらに副カバー本体621の室内側端部から外壁部Wと対向するように見付け方向に延設される対向壁623と、対向壁623に連続して外壁面部Wに当接もしくは近接するように見込み方向に延設される近接壁624が形成されている。
そして、主カバー部材61の外周壁部612の内周面に形成された複数の被係合部612a,612a・・に対して副カバー部材52の一面に形成された一対の係合片622,622からなる係合部を内周側から係合されることで、副カバー部材62は、主カバー部材61の外周壁部612の内周側に固定されている。
(カバー体の位置調節構造)
ここで、本発明の改修建具がリフォームの対象とする既存枠9には、図2,3に示す構成のものに限らず、様々な形状、寸法のものが存在する。具体的に上枠部分を用いて説明すれば、図7(b)に示す既存枠9は、図7(a)に示す既存枠9に比べて室外側に設置されておりそれに合わせた断面形状を備えている。このように見込み方向に位置の異なる既存枠9に対して新設枠2を固定すると、それに伴って新設枠2に固定されるカバー体5の上壁部512の室内側端部と外壁部Wとの間隔が変化することとなる。本発明の本実施形態においては、上記のように、カバー体5,6を、主カバー部材51,61と副カバー部材52,62の少なくとも二部材で構成するとともに、主カバー部材51,61に対して副カバー部材52,62を見込み方向に位置調節可能に構成することで、カバー体5,6と外壁部Wとの間隔を調節することができる。
以下、主カバー部材51,61と副カバー部材52,62との位置調節構造について、さらに詳細に説明する。
図6(a)に示すように、上カバー体5の主カバー部材51の上壁部512の室内側端部の上面には、主カバー部材51の長手方向に2条の係合片512a,512aが突出しており、2条の係合片512a,512aが副カバー部材52の下面に形成された複数の被係合部522,522のいずれか2片に係合することで、副カバー部材52が主カバー部材51に係合されている。
主カバー部材51の上壁部512に形成される2条の係合片512a,512aは、図6(b)に示すように、上壁部512の上面よりお互いの間隔が大きくなるように上方に延びる係合部分512b,512bと係合部分512b,512bよりお互いの間隔が小さくなるように上方に延びる先端部分512c,512cとを備え、上壁部512の係合部分512b,512bの間は下方に凹んで凹部512dを形成し、全体として上方に2条の係合片512a,512aを有する係合部として形成されている。係合部分512b,512bの下方に凹部512dが形成されていることで、係合片512a,512aの弾性が大きくなって、良好な係合を可能にしている。
一方、副カバー部材52の副カバー本体521の一方の面(下面)に形成される被係合部522は、副カバー本体521の下面より下方向けて延設される垂下部522aと、垂下部522aの下端両側より水平方向に延びる係合突部522b,522bとからなる逆T字状に形成されている。
そして、図6に示す実施形態においては、複数の被係合部522,522のうち、間に一つの被係合部522を挟んだ二つの被係合部522,522の間に主カバー部材51の係合片512a,512aが挿入されることで、係合片512a,512aの係合部分512b,512bが、被係合部522,522の係合突部522b,522bに係止され、主カバー部材51の上面に対して副カバー部材52が固定されている。
なお、本実施形態に係るリフォームドアの上カバー体5においては、主カバー部材51の一対の係合片512a,512aが一つの被係合部522を挟んだ二つの被係合部522,522の間に係合されているが、一対の係合片512a,512aが挟む被係合部522は、特に限定されるものではなく、いくつかの被係合部522を跨いで二つの被係合部522に係合されればよい。
このように、一対の係合片512a,512aがいくつかの被係合部522を跨いで係合する間隔を有しているので、係合を安定させながら細かい間隔での調整を可能にしている。
そして、副カバー部材52の下面に形成された複数の被係合部522,522から適当な被係合部522,522を選択して主カバー部材51の係合片512a,512aを係合することにより、主カバー部材51に対して副カバー部材52の見込み方向の位置を調節することができる。
具体的には、図7(a)に示すように、既存枠9が建物躯体Bの比較的室内側に配置されている場合には、副カバー部材52の副カバー本体521下面の比較的室内側よりに形成された被係合部522,522に主カバー部材51の係合片512a,512aを係合することにより、また、図7(b)に示すように、既存枠9が建物躯体Bの比較的室外側に配置されている場合には、副カバー部材52の副カバー本体521下面の比較的室外側よりに形成された被係合部522,522に主カバー部材51の係合片512a,512aを係合することにより、副カバー部材52の副カバー本体521の室内側端と外壁部(躯体表面)Wの室外側面との間隔を調節することができる。そして、図7(c)に示すように、室内側端と外壁部(躯体表面)Wの室外側面との間にはバックアップ材8が配置され、外壁部(躯体表面)Wの室外側面には、副カバー部材52の対向壁523及び近接壁524とバックアップ材8とによりシールポケットが形成され、コーキング剤Sが充填されることにより、良好なコーキング処理を施すことができる。
また、副カバー部材52の複数の被係合部522,522の高さ寸法と、主カバー部材51の係合片512a,512aの高さ寸法が略同一に形成されているので、両者を係合固定した際には、複数の被係合部522,522の先端が主カバー部材51の上面に当接するので、副カバー部材52を安定して支持することができる。この点は、後述する縦カバー体6についても同様である。
なお、図2、図7(a)に示すように、主カバー部材51の上壁部512の室外端部には室外側に向けて突出壁512eが延設されており、副カバー部材52が主カバー部材51の上壁部512の最も室外側に配置された場合であっても、副カバー部材52の被係合部522,522が形成された下面を突出壁512eにより被覆することができるので、副カバー部材52の下面が露出することなく、意匠性を損なうことがない。
同様に、図8(a),(b)に示すように、縦カバー体6についても、主カバー部材61に対して、副カバー部材62の係合位置を調節することができ、副カバー部材62と外壁部(躯体表面)Wとの間隔を調節し、上カバー体5と同様に、シールポケットを形成することにより、良好なコーキング処理を施すことができる。
そして、本実施形態に係るリフォームドアの縦カバー体6においては、副カバー部材62が主カバー部材61の内周側に配置されていることから、主カバー部材61の外周壁部612の内周面に複数の被係合部612a,612a・・が形成されており、副カバー部材62の外周に2条の係合片622,622が形成されている。
そのため、図8(b)に示すように、主カバー部材61に対して副カバー部材62が室内側に位置調節された場合であっても、複数の被係合部612a,612aが室外面に露出せず、意匠性を損なうことがない。
なお、主カバー部材51,61に対する副カバー部材52,62の係合は、カバー体5,6を新設枠2に固定する前に行うことで、主カバー部材51,61と副カバー部材52,62との係合を作業者が確認しながら確実に行うことができる。
そして、カバー体5,6の外周側の見込み面において、主カバー部材51,61に対して副カバー部材52,62が位置調節自在に係合されているので、たとえ係合が緩んでもカバー体5,6の新設枠に対する固定に影響が少なく、カバー体5,6の外れを防止することができる。また、主カバー部材51,61に対する副カバー部材52,62の係合方向は、両者の位置調節方向と直交する方向である見付け方向であるので、たとえ位置調節部の係合が緩んでも調節した位置のずれを抑えることができる。
以上のようにして位置調節されたカバー体5,6は、既存枠9に固定された新設枠2に固定され、副カバー部材52,62の室内側端と外壁部との間には、バックアップ材8が配置されてシールポケットが形成され、コーキング剤が注入されることで、カバー体5,6と外壁部(躯体表面)Wとのコーキング処理がなされる。
バックアップ材8としては、コーキング剤を保持するシールポケットが形成できればどのようなものを使用しても良いが、バックアップ材8によっては、カバー体5,6を新設枠2に固定する際にねじれ等が発生して、コーキング剤を注入した際にバックアップ材8の内部に漏れてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態のリフォームドアにおいては、良好なシール機能を有するバックアップ材8が採用されている。以下、縦カバー体6のバックアップ材として採用した例を用いて説明する。
(バックアップ材の構成)
バックアップ材は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂等の弾性部材を押し出し成型することにより長尺部材として形成されており、必要に応じて外周表面をコーティング処理して製造されている。
そして、図9に示すように、本実施形態に係るバックアップ材8を取り付ける副カバー部材62の近接壁624は外周方向に開口する係合溝(被取付部)625を有しており、バックアップ材8は係合溝(被取付部)625に係合するための取付部81と、取付部81から一側(室内側)に向けて突出する突出部82とを備えている。
突出部82は略平板状に形成され取付部81から室内側に突出しており、その根元部分、具体的には、副カバー部材62の係合溝(被取付部)625の室内側壁625aより室外側の部位に薄肉部82bが形成されているとともに、突出部の薄肉部82bより室内側の位置で、突出部の内周側面に係合溝(被取付部)625の室内側壁625aに当接する回転防止突起82cが形成されている。また、突出部82の室内端部には、外周側に折り返した補強片82aが形成されている。
そして、外周に開口する係合溝(被取付部)625に取り付けられたバックアップ材8は、突出部82が内周側に屈曲しようとする変形が係合溝(被取付部)625の室内側壁625aと回転防止突起82cとの当接により阻止され、突出部82が外周側にのみ変形可能となる。
したがって、予めバックアップ材8が取り付けられたカバー体6を新設枠2に取り付けるに際して、バックアップ材8が外壁部(躯体表面)Wに当接することによって屈曲することとなるが、例えば図10(a)に示すように副カバー部材62の室内側端部と外壁部(躯体表面)Wとの間隔が比較的大きい(15mm程度)場合には、突出部82は室内側方向に延びてコーキング剤Sを保持することができ、図10(b)に示すように副カバー部材62の室外側端部と外壁部(躯体表面)Wとの距離が中程度(10mm程度)である場合には、突出部82の先端の補強片82aが外壁部(躯体表面)Wに当接して外周側に屈曲して良好なシール状態を確保することができ、図10(c)に示すように、副カバー部材62の室内側端部と外壁部(躯体表面)Wとの距離が比較的小さい(5mm程度)場合には、突出部82は薄肉部82bにおいて外周側に屈曲して良好なシール状態を確保することができる。いずれの場合においてもバックアップ材8の突出部82はねじれることなく外周側にのみ屈曲することとなり、良好なシールポケットを形成することができ、コーキング剤Sの内周側への漏れを防いで良好にシールすることができる。
(縦カバー体の小口を覆うキャップ体の構成)
本実施形態のリフォームドアにおいては、上カバー体5は、両側端面を縦カバー体6の上端部内周側面に当接されることでカバー体5,6が連続してリフォームドアを囲むように配置されており、図11,12、13に示すように、縦カバー体6の上端小口には、キャップ体7が取り付けられる。
キャップ体7は、縦カバー体6の上端に固定される主キャップ部材71と、主キャップ部材71に対して見込み方向に調整可能に取り付けられる副キャップ部材72とから幅寸法が調節自在なキャップ体として構成されている。そして、縦カバー体6の主カバー部材61に対する副カバー部材62の取付位置に応じて、キャップ体7の見込み方向の幅寸法を調節することにより、カバー体6の上端小口を良好に塞ぐことができる。
以下、キャップ体について、さらに詳細に説明する。
例えば、図11に示すように、キャップ体7の主キャップ部材71は、カバー体6の小口を覆う天井部711と、天井部711の室外側及び内周側から下方に延設される係止辺712とから構成されており、天井部711の上面には見付け方向に離間した位置にそれぞれ見込み方向に並ぶ2つの位置決め突起713,713が形成されている。そして、係止辺712の内周側部分にはネジ孔が形成されており、係止辺712がカバー体6の小口内部に挿入された状態で、縦カバー体6の外周側から挿入されるネジ等の固定手段bにより主キャップ部材71と縦カバー体6と上カバー体5とが一体的に固定されている。
副キャップ部材72は、主キャップ部材71の天井部711上に載置されてカバー体6の小口を覆う天井部721と、天井部721の外周側辺より下方に垂下される外周壁722と、天井部721の内周側辺及び室内側辺より上方に延設される上方縁部723とから構成されており、天井部721の下面には見付け方向に離間した位置にそれぞれ見込み方向に並ぶ複数の係合孔724,724・・が形成されている。
そして、図11に示すように、縦カバー体6の見込み寸法が比較的小さい場合には、主キャップ部材71の位置決め突起713,713を副キャップ部材72の比較的室内側の係合孔724,724に係合することにより、また、図12に示すように、縦カバー体6の見込み寸法が比較的大きい場合には、主キャップ部材71の位置決め突起713,713を副キャップ部材72の比較的室外側よりの係合孔724、724に係合することにより、図13(a)(b)に示すように、縦カバー体6の見込み寸法に応じて、キャップ体7の見込み寸法を適宜調節することができる。
なお、キャップ体7が取り付けられるカバー体としては、縦カバー体に限るものではなく、縦カバー体6を上カバー体5の内周面に当接させるなどして上カバー体6等横カバー体の小口を覆うように形成してもよい。
また、キャップ体7が取り付けられるカバー体としては、見込み寸法が調節可能なカバー体に限るものではなく、従来広く流通している、折り取りにより見込み寸法を調整しているリフォームカバー装置にも使用でき、各種の寸法調整部材のキャップ体として、汎用的に利用することができる。
さらに、本実施形態のリフォームドアにおいては、縦カバー体6の上端位置においてもコーキング処理を行うための構成を備えている。図14(a)は上カバー体5の断面図であり、図14(b)は、上カバー体5の側端面に続くキャップ体7の側面図であるが、キャップ体7の副キャップ部材72の室内側には、図14(b)に示すように、室内側に突出したヒレ片725が一体成型されている。そして、ヒレ片725は、図14(a)に示す上カバー体5に取り付けられるバックアップ材8の突出部82と略同じ断面形状を有している。なお、ヒレ片725は根元部に薄肉部725bが形成されることで、所定の位置で容易に変形させることができるとともに、必要に応じて、薄肉部725bで切除することも可能である。
そして、副キャップ部材72のヒレ片725と上カバー体5に取り付けられるバックアップ材8とを連続させることにより、リフォームドアの上端全長にわたる切れ目の無い連続的なコーキング目地が形成できる。
また、図15に示すように、副キャップ部材72のヒレ辺725の外周側端部は縦カバー体6のバックアップ材8が配置されている位置で切欠かれて切欠き725aが形成されており、ヒレ辺725により形成されるシールポケットと縦カバー体6のバックアップ材8により形成されるシールポケットとを連続させることができる。これにより、上カバー体5に形成されるシールポケットと縦カバー体6,6に形成されるシールポケットがコーナー部で連続され、切れ目の無い連続的なコーキング目地が形成でき、外観が向上し、止水性能を向上させることもできる。
以上のように、本実施形態のリフォームドアにおいては、カバー体5,6を構成する主カバー部材の最も外周側に配置される見込み面の内周側に複数の被係合部が形成され、副カバー部材の見込み面の外周側に形成された係合片が内周側から見付け方向に係合されるので、係合方向がカバー体の位置調節方向と直交して多少係合が緩んだとしても副カバー体と外壁部との間隔寸法に対する影響が少なく、シール材によるシールが破壊されることを防止できる。また、複数の被係合部が室外側に露出することがなく、意匠性を損なうことがない。
また、係合部同士の弾性係合によって副カバー部材が主カバー部材に係合されるので、副カバー部材を折り取って長さ調節する必要が無く、折り取った部分からラッピングシート等の端部が剥がれてくることも防止できる。さらに、位置調節が容易で、煩雑な加工を必要とすることなく、折り取った部分等の廃棄物を出すことのない施工を行うことができる。
なお、副カバー部材については、見込み寸法が異なるものを複数用意しておき、既存枠9が大きく室内側に配置されている場合には見込み寸法の大きな副カバー部材を用いることにより、カバー体と外壁との間にさらに大きな間隔が生じた場合にも対応することができる。
また、主カバー部材と副カバー部材との係合は、弾性変形を利用した嵌合について説明しているが、その嵌合方法に限られるものではなく、他の方法による係合でも可能である。
1 :新設ドア本体
2 :新設枠
21 :新設上枠
23 :新設左縦枠
24 :新設縦枠
5 :上カバー体
51 :主カバー部材
511 :見付け面部
512 :上壁部
512a :係合片
512b :係合部分
512c :先端部分
512d :凹部
512e :突出壁
513 :見込み面部
514 :固定部
515 :キャップ
52 :副カバー部材
521 :副カバー本体
522 :被係合部
522a :垂下部
522b :係合突部
523 :対向壁
524 :近接壁
525 :係合溝
525a :室内側壁
6 :縦カバー体
61 :主カバー部材
611 :見付け面部
612 :外周壁部
612a :被係合部
613 :見込み面部
614 :固定部
615 :キャップ
62 :副カバー部材
621 :副カバー本体
622 :係合片
623 :対向壁
624 :近接壁
7 :キャップ体
71 :主キャップ体
711 :天井部
712 :係止辺
713 :位置決め突起
72 :副キャップ体
721 :天井部
722 :外周壁
723 :上方縁部
724 :係合孔
725 :ヒレ片
725b :薄肉部
8 :バックアップ材
81 :取付部
82 :突出部
82a :補強片
82b :薄肉部
82c :回転防止突起
9 :既存枠

Claims (2)

  1. 既存枠の内周に設置される新設枠と、新設枠と既存枠の接続部の室外側に配置されるカバー体とを備え、
    カバー体は、新設枠に固定されて少なくとも新設枠と既存枠の接続部の室外側に配置される主カバー部材と、主カバー部材に対して見込み方向に位置調節自在に係合される副カバー部材とからなり、
    カバー体の外周側の見込み面で主カバー部材に副カバー部材が位置調節自在に係合されている
    ことを特徴とする改修建具。
  2. 既存枠の内周に設置される新設枠と、新設枠と既存枠の接続部の室外側に配置されるカバー体とを備え、
    カバー体は、新設枠に固定されて少なくとも新設枠と既存枠の接続部の室外側に配置される主カバー部材と、主カバー部材に対して見込み方向に位置調節自在に係合される副カバー部材とからなり、
    主カバー部材に対する副カバー部材の係合方向が位置調節方向に直交する
    ことを特徴とする改修建具。
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