JP6529736B2 - 誘電加熱定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は誘電加熱定着装置及び画像形成装置に関する。
画像形成装置の定着装置として、例えば特許文献1に記載された誘電加熱定着装置が知られている。特許文献1に記載された誘電加熱定着装置は、通紙可能な最大用紙幅まで発熱体を加熱可能な第1のコイルを備えている。また、当該誘電加熱定着装置は、第1のコイルの幅方向両端部において第1のコイルに重なるように配置された第2のコイルを備えている。また、当該誘電加熱定着装置は、第1のコイル及び第2のコイルに電力を供給する電力供給部を備えている。更に、当該誘電加熱定着装置は、供給される電流の方向が互いに同方向又は逆方向になるように第1のコイル及び第2のコイルを切替可能に接続するスイッチを備えている。
上記構成の誘電加熱定着装置では、幅の広い用紙(第2のコイルに重なる用紙)を通過させる際には第1のコイル及び第2のコイルに対して互いに同方向の電流を供給する。一方で、幅の狭い用紙(第2のコイルに重ならない用紙)を通過させる際には第1のコイル及び第2のコイルに対して互いに逆方向の電流を供給する。逆方向の電流を供給することにより、幅の狭い用紙を通過させる際における、発熱体の用紙が通過しない部分(非通紙部)での磁束発生を抑え、非通紙部の昇温を抑制することができる。
米国特許出願公開第2013/0078019号明細書
ここで、上記誘電加熱定着装置では、幅の広い用紙を通過させる際において、第1のコイル及び第2のコイルが重なっている領域と重なっていない領域とで磁束分布が異なる。つまり、コイルが重なっている領域である端部では、重なっていない領域である中央部分に比べて磁束密度が高くなる。このため、発熱体は中央部分に比べて端部の昇温が大きくなる。その結果、発熱体の温度分布が不均一となる。発熱体の温度分布が不均一である場合には、画像に影響(光沢差等)がでるおそれがある。また、発熱体の端部の温度が定着に必要な温度よりも高くなるので、誘電加熱定着装置において無駄なエネルギー(電力)が消費されることとなる。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、発熱体の温度分布の均一化を図ることができる誘電加熱定着装置及び画像形成装置に関する。
本発明に係る誘電加熱定着装置は、回転可能な発熱体と、発熱体の外周面に対向して配置されるコイル部と、コイル部とコイル部に電力を供給する電力供給部とを接続する回路部と、を備えている。コイル部は、発熱体の幅方向に沿って配置される第1のコイルと、第1のコイルの幅方向における両端部に重なるように配置される一対の第2のコイルと、第1のコイルの幅方向における中央部に重なるように配置される第3のコイルと、を有する。回路部は、第1のコイル、第2のコイル及び第3のコイルを直列接続するとともに、第1のコイル、第2のコイル及び第3のコイルの電流方向が切替わるように第1のコイル、第2のコイル及び第3のコイルの直列接続形態を切り替える切替接続部を有する。
この定着装置では、第1のコイルの両端部に重なるように一対の第2のコイルが設けられるとともに、第1のコイルの中央部に重なるように第3のコイルが設けられている。そして、直列接続された第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルの電流方向が切り替わるように、各コイルの直列接続形態が切り替えられる。例えば比較的幅が狭い(第2のコイルに重ならない)メディアが通過する際には、第2のコイルの電流方向を、第1のコイル及び第3のコイルに対して逆方向とすることが考えられる。この場合、発熱体の非通紙部での磁束発生が抑えられ、非通紙部の昇温を抑制することができる。また、例えば比較的幅が広い(第2のコイルに重なる)メディアが通過する際には、第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルの電流方向を互いに同方向とすることが考えられる。この場合、第2のコイルが設けられていない中央部分においても第3のコイルによる磁束が発生することとなる。これにより、従来のように発熱体の中央部分に比べて端部の昇温が大きくなることを抑制することができる。以上より、本発明によれば発熱体の温度分布の均一化を図ることができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、第2のコイルの巻き数が、第1のコイルの巻き数よりも少なくてもよい。これにより、第2のコイルにより生じる磁界の磁束密度が抑えられるため、発熱体の中央部分に比べて端部の温度の昇温が大きくなることをより効果的に抑制することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、第2のコイルの巻き数が、第1のコイルの巻き数の10%以上50%以下であってもよく、更に、第1のコイルの巻き数の30%以下であってもよい。これにより、発熱体の中央部分に比べて端部の温度の昇温が大きくなることをより効果的に抑制することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、発熱体の回転方向における第2のコイル及び第3のコイルの内幅が、回転方向における第1のコイルの内幅より大きくてもよい。更に、回転方向における第2のコイル及び第3のコイルの外幅が、回転方向における第1のコイルの外幅より小さくてもよい。これにより、回転方向において、第2のコイル及び第3のコイルが第1のコイルに挟まれた構成とできる。このため、第1のコイルの磁束の影響が及ばない領域において第2のコイル及び第3のコイルの磁束が生じることを防止できる。このことで、発熱体の温度分布の均一化を図ることができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、第2のコイル及び第3のコイルの、発熱体からの対向方向における距離、及び、巻き数が同じであってもよい。これにより、第2のコイル及び第3のコイルにより発生する磁束を同程度とでき、発熱体の温度分布の均一化をより図ることができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、第2のコイル及び第3のコイルの、幅方向における端部同士が互いに隣接して配置されていてもよい。第2のコイル及び第3のコイルを隣接配置し、各コイル間に隙間を空けないことにより、各コイル間に大きな隙間が空いている場合と比較して、発熱体の温度分布の均一化を図ることができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、第2のコイル及び第3のコイルの、幅方向における端部同士が互いに離間して配置されていてもよい。これにより、第2のコイル及び第3のコイルを容易に配置することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、第2のコイル及び第3のコイルの、発熱体からの対向方向における距離が互いに異なり、幅方向における端部同士が対向方向において重なるように配置されていてもよい。端部同士を重ねて配置することにより、各コイル間に隙間が発生することを確実且つ容易に防止することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置は、第1のコイル、第2のコイル及び第3のコイルにより発生する磁束を発熱体に集中させるコアを更に備えていてもよい。更に、コアが、幅方向において少なくとも第2のコイル及び第3のコイルに重なる位置に配置されていてもよい。第2のコイル及び第3のコイルに重なる位置にコアが配置されているので、各コイルが発生した磁束を適切に発熱体に集中させることができ、発熱体の温度分布の均一化を図ることができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、第1のコイルが、対向方向において、第2のコイル及び第3のコイルよりもコアに近い位置に配置されていてもよい。発熱体の幅方向に沿って配置された第1のコイルがコアに近い位置に配置されることにより、幅方向全域の磁束密度を同程度とし易くなり、発熱体の温度分布の均一化を図ることができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、コアが、第3のコイルの第2のコイル側の端部から第2のコイルの第3のコイル側の端部に至る繋ぎ領域と対向方向において重なる繋ぎ部と、繋ぎ部以外の部分である主要部と、を有していてもよい。更に、繋ぎ部及び主要部の、配置密度が互いに異なり、且つ、透磁率が互いに同じであってもよい。繋ぎ領域においては、第2のコイル及び第3のコイルから発生した磁束が互いに影響を及ぼし易く、その他の領域と異なった磁界となり易い。このような繋ぎ領域に重なる繋ぎ部と、主要部との配置密度を異ならせることにより、発熱体全体の温度分布をより均一化することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、コアが、第3のコイルの第2のコイル側の端部から第2のコイルの第3のコイル側の端部に至る繋ぎ領域と対向方向において重なる繋ぎ部と、繋ぎ部以外の部分である主要部と、を有していてもよい。更に、繋ぎ部及び主要部の透磁率が互いに異なっていてもよい。繋ぎ領域は、第2のコイル及び第3のコイルから発生した磁束が互いに及ぼし合う影響が大きく、その他の領域と異なった磁界となり易い。このような繋ぎ領域に重なる繋ぎ部と、主要部との透磁率を異ならせることにより、発熱体全体の温度分布をより均一化することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、コアが、第3のコイルの第2のコイル側の端部から第2のコイルの第3のコイル側の端部に至る繋ぎ領域と対向方向において重なる繋ぎ部と、繋ぎ部以外の部分である主要部と、を有していてもよい。更に、繋ぎ部及び主要部の発熱体からの対向方向における距離が互いに異なっていてもよい。繋ぎ領域は、第2のコイル及び第3のコイルから発生した磁束が互いに及ぼし合う影響が大きく、その他の領域と異なった磁界となり易い。このような繋ぎ領域に重なる繋ぎ部と、主要部とで発熱体からの距離を異ならせることにより、発熱体全体の温度分布をより均一化することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、コイル部が、対向方向において、第1のコイル及び第2のコイルの幅方向における両端部に重なるように配置される一対の第4のコイルと、対向方向において第1のコイル及び第3のコイルの幅方向における中央部に重なるように配置される第5のコイルと、を更に有していてもよい。更に、第4のコイル及び第5のコイルの幅方向における長さの比は、第2のコイル及び第3のコイルの幅方向における長さの比と異なっていてもよい。更に、切替接続部が、第1のコイル、第2のコイル、第3のコイル、第4のコイル及び第5のコイルを直列接続するとともに、第1のコイル、第2のコイル、第3のコイル、第4のコイル及び第5のコイルの電流方向が切替わるように第1のコイル、第2のコイル、第3のコイル、第4のコイル及び第5のコイルの直列接続形態を切り替えてもよい。長さの比が第2のコイル及び第3のコイルの長さの比と異なる、第4のコイル及び第5のコイルを有している。このため、第2のコイル及び第3のコイルのみの場合と比較して、メディアサイズのより細かな違いに対応しながら発熱体全体の温度分布を均一化することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置は、電力供給部及び切替接続部の少なくともいずれか一方を制御する制御部を更に備えていてもよい。更に、制御部が、通紙準備時、通紙開始時、連続通紙時、及び通紙終了時に、電力供給部及び切替接続部の少なくともいずれか一方の制御パターンを、それぞれ個別に設定してもよい。通紙状況に応じて電力供給部等の制御パターンを設定することにより、例えば、通紙時に比べて非通紙時における電力供給を抑えること等が可能となり、様々な状況において、発熱体の温度分布を均一化することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、制御パターンが、電力供給部による電力の供給及び停止を設定するパターンであってもよい。電力の供給及び停止の設定により、通紙状況に応じて発熱体の温度分布を適切化できる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、制御パターンが、切替接続部によるコイル部の直列接続形態を設定するパターンであってもよい。直列接続形態の設定により、各コイルに流れる電流の向きが変更されるので、通紙状況に応じて、発熱体の温度分布を適切化できる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、制御部が、制御パターンを複数有していてもよい。これにより、様々な状況に応じた適切な制御パターンを選択することができ、発熱体の温度分布の均一化を図ることができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、制御部が、通紙するメディアの幅に応じて、制御パターンを決定してもよい。メディアの幅毎に適切な制御パターンは異なるので、メディアの幅に応じて制御パターンを決定することにより、発熱体の温度分布の均一化を図ることができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、制御部が、通紙するメディアの厚さに応じて、制御パターンを決定してもよい。メディアの厚さ毎に適切な制御パターンは異なるので、メディアの厚さに応じて制御パターンを決定することにより、発熱体の温度分布の均一化を図ることができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、制御部が、発熱体の測定温度と目標温度との差に応じて、制御パターンを決定してもよい。現状の温度(測定温度)と目標温度との乖離から制御パターンを決定することにより、状況に応じた制御パターンが選択され、発熱体の温度分布の均一化を図ることができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置は、第1のコイル及び第3のコイルの幅方向における中央部と対向方向において重なる発熱体の領域の温度を検知する第1の温度検知センサーと、第1のコイル及び第2のコイルが対向方向において互いに重なる箇所と対向方向において重なる発熱体の領域の温度を検知する一対の第2の温度検知センサーと、を更に備えていてもよい。温度検知センサーの値から、発熱体の温度分布が異常状態となっているか否かが判断できる。これにより、誤ったメディアサイズのメディアを通紙させているか否かの判断が可能となる。例えば、比較的幅が広い(第2のコイルに重なる)メディアを通紙させるように制御している際に、温度検知センサーの値が異常状態となっている場合には、誤ったメディアサイズ(設定よりも小さいサイズ)のメディアを通紙させていると判断することができる。そして、制御の設定を変更することにより、誤ったメディアサイズのメディアを通紙させた場合においても発熱体の温度分布を均一に保つように制御することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、コイル部が、対向方向において第1のコイル及び第2のコイルの幅方向における両端部に重なるように配置される一対の第4のコイルと、対向方向において第1のコイル及び第3のコイルの幅方向における中央部に重なるように配置される第5のコイルと、を更に有していてもよい。更に、第5のコイルは、対向方向において第2のコイルの第3のコイル側の端部に重なるように配置されていてもよい。更に、誘電加熱定着装置は、第2のコイル及び第4のコイルが対向方向において互いに重なる箇所と対向方向において重なる発熱体の温度を検知する一対の第3の温度検知センサーを更に備えてもよい。そして、第1の温度検知センサーは、第1のコイル、第3のコイル、及び第5のコイルの幅方向における中央部と対向方向において重なる発熱体の領域の温度を検知してもよい。また、第2の温度検知センサーは、第1のコイル、第2のコイル、及び第5のコイルが対向方向において互いに重なる箇所と対向方向において重なる発熱体の領域の温度を検知してもよい。このように配置された3つの温度検知センサーを有することによって、より多くのメディアサイズ(具体的には3種類)の通紙誤りを判断することができる。これにより、メディアサイズを3種類とした場合においても、発熱体の温度分布を均一に保つように制御することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、第1のメディア、第1のメディアよりも幅広の第2のメディア、及び第2のメディアよりも幅広の第3のメディアを通紙してもよい。更に、第1のコイルの幅方向における寸法が、第3のメディアの幅よりも大きくてもよい。更に、第3のコイルの幅方向における寸法が、第2のメディアの幅よりも小さく、且つ、第1のメディアの幅よりも大きくてもよい。更に、第5のコイルの幅方向における寸法が、第3のメディアの幅よりも小さく、且つ、第2のメディアの幅よりも大きくてもよい。このようなサイズのメディア及びコイルを用いることにより、上述した第1〜第3の温度検知センサーによって、第1〜第3のメディアの通紙誤りを判断することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、第1のコイルの幅方向における寸法が、第3のメディアの幅よりも5〜10%大きく、第3のコイルの幅方向における寸法が、第1のメディアの幅よりも5〜10%大きく、第5のコイルの幅方向における寸法が、第2のメディアの幅よりも5〜10%大きくてもよい。このようなサイズのコイルを用いることにより、上述した第1〜第3の温度検知センサーによって、より確実に第1〜第3のメディアの通紙誤りを判断することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、第1のコイルにより発生する磁束に対する第2のコイル及び第3のコイルにより発生する磁束の割合が50%以下になるように、各種設定が調整されていてもよい。すなわち、誘電加熱定着装置では、電力供給部の出力電力、第2のコイル及び第3のコイルの共振周波数、材質、線径、撚り数、内幅若しくは外幅、形状、コアの形状、及びコアの密度の少なくともいずれか1つが調整されていてもよい。このようにして第2のコイル及び第3のコイルによって生じる磁束の磁束密度を抑えることにより、第2のコイル又は第3のコイルの影響によって発熱体の一部分だけが昇温する事態を抑制し、発熱体の温度分布を均一化することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、第1のコイルにより発生する磁束に対する第2のコイル及び第3のコイルにより発生する磁束の割合が10%以上30%以下であってもよい。これにより、第2のコイル又は第3のコイルの影響によって発熱体の一部分だけが昇温する事態を抑制し、発熱体の温度分布を均一化することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、コイル部が、対向方向において第1のコイル及び第2のコイルの前記幅方向における両端部に重なるように配置される一対の第4のコイルと、対向方向において第1のコイル及び第3のコイルの幅方向における中央部に重なるように配置される第5のコイルと、を更に有していてもよい。更に、第1のコイルにより発生する磁束に対する第4のコイル及び第5のコイルにより発生する磁束の割合が50%以下になるように、各種設定が調整されていてもよい。すなわち、誘電加熱定着装置では、電力供給部の出力電力、第4のコイル及び前記第5のコイルの共振周波数、材質、線径、撚り数、内幅若しくは外幅、形状、コアの形状、及びコアの密度の少なくともいずれか1つが調整されていてもよい。このようにして第4のコイル及び第5のコイルによって生じる磁束の磁束密度を抑えることにより、第4のコイル又は第5のコイルの影響によって発熱体の一部分だけが昇温する事態を抑制し、発熱体の温度分布を均一化することができる。
また、本発明に係る誘電加熱定着装置では、第1のコイルにより発生する磁束に対する第4のコイル及び第5のコイルにより発生する磁束の割合が10%以上30%以下であってもよい。これにより、第4のコイル又は第5のコイルの影響によって発熱体の一部分だけが昇温する事態を抑制し、発熱体の温度分布を均一化することができる。
本発明に係る画像形成装置は、上述した誘電加熱定着装置を備えている。
本発明によれば、発熱体の温度分布の均一化を図ることができる誘電加熱定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 図1の画像形成装置の定着装置を示す模式図である。 図2の定着装置を示す斜視図である。 図3の定着装置に係るコイル及びコア部の平面図である。 図4において第1のコイル及びコア部を省略した平面図である。 第1の直列接続形態における、コイルユニット回路図(図6(a))及び発熱回転体の温度分布を示す図(図6(b))である。 第2の直列接続形態における、コイルユニット回路図(図7(a))及び発熱回転体の温度分布を示す図(図7(b))である。 比較例に係るコイルユニット回路図及び発熱回転体の温度分布を示す図である。 第1実施形態に係る発熱回転体の温度分布と、比較例に係る発熱回転体の温度分布とを比較した図である。 第2実施形態に係る定着装置のコイル構成及び発熱体の温度分布を示す図である。 各直列接続形態における、コイルユニット回路図である。 第3実施形態の繋ぎ領域においてコイルに流れる電流を示す図(図12(a))、第4実施形態の繋ぎ領域においてコイルに流れる電流を示す図(図12(b))、及び、第5実施形態の繋ぎ領域においてコイルに流れる電流を示す図(図12(c))である。 第3実施形態及び第4実施形態における発熱回転体の磁束分布を示す図である。 第3実施形態に係る定着装置を示す斜視図である。 図14の定着装置に係るコイル及びコアの平面図である。 変形例に係る定着装置を示す斜視図である。 第5実施形態における発熱回転体の磁束分布を示す図である。 変形例に係る定着装置を示す斜視図(図18(a))、並びに、コイル及びコアの平面図(図18(b)である。 第6実施形態に係る定着装置においてコイルに流れる電流を示す図である。 図19に示す電流を流した場合の発熱回転体の温度分布を示す図である。 制御パターンを示す図である。 各種条件と図21の制御パターンとの関係を示した表である。 第7実施形態に係る定着装置の制御パターンを示す図である。 第7実施形態に係る定着装置の制御パターンを示す図である。 各種条件と図23及び図24の制御パターンとの関係を示した表である。 第8実施形態に係る定着装置の温度検知センサーを示す模式図である。 各用紙サイズにおける発熱体の温度分布を示す図である。 第9実施形態に係る定着装置の温度検知センサーを示す模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
(画像形成装置の全体構成)
図1に示すように、画像形成装置1は、搬送ユニット10、転写ユニット20、感光体ドラム30、4つの現像ユニット100、及び定着装置40を含んで構成されている。画像形成装置1は、例えばゼログラフィー技術を利用した画像形成装置である。
搬送ユニット10は、最終的に画像が形成される記録媒体としての用紙P(メディア)を収容すると共に、用紙Pを記録媒体搬送路上に搬送する。用紙Pは、カセットCに積層して収容される。搬送ユニット10は、用紙Pに転写されるトナー像が二次転写領域Rに到達するタイミングで、用紙Pを二次転写領域Rに到達させる。
転写ユニット20は、4つの現像ユニット100により形成されたトナー像を、用紙Pに二次転写する二次転写領域Rに搬送する。転写ユニット20は、転写ベルト21と、懸架ローラ21a,21b,21c,21dと、一次転写ローラ22と、二次転写ローラ24とを含んで構成される。懸架ローラ21a,21b,21c,21dは、転写ベルト21を懸架する。一次転写ローラ22は、感光体ドラム30と共に転写ベルト21を挟持する。二次転写ローラ24は、懸架ローラ21dと共に転写ベルト21を挟持する。
転写ベルト21は、懸架ローラ21a,21b,21c,21dにより循環移動される無端状のベルトである。一次転写ローラ22は、転写ベルト21の内周側から感光体ドラム30を押圧するように設けられる。一方、二次転写ローラ24は、転写ベルト21の外周側から懸架ローラ21dを押圧するように設けられる。なお、転写ユニット20は、転写ベルト21に付着したトナーを除去するベルトクリーニング装置等を更に備えていてもよい。
感光体ドラム30は、周面に画像が形成されるドラム状の静電潜像担持体であり、例えばOPC(Organic PhotoConductor)からなる。本実施形態に係る画像形成装置1は、カラー画像を形成可能な画像形成装置である。画像形成装置1では、例えばマゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの各色に対応して、4つの感光体ドラム30が転写ベルト21の移動方向に沿って設けられている。各感光体ドラム30は、ドラムモータ35によって動作させられる。各感光体ドラム30の周上には、帯電ローラ32、露光ユニット34、ドラムモータ35、クリーニングユニット38、及び現像ユニット100がそれぞれ設けられている。
帯電ローラ32は、帯電電圧の印加により感光体ドラム30の表面を所定の電位に均一に帯電させる。帯電ローラ32は、感光体ドラム30に近接もしくは当接しており、微小GAP放電を利用して上述した均一帯電を行う。露光ユニット34は、帯電ローラ32により帯電した感光体ドラム30の表面を、用紙Pに形成する画像に応じて露光する。これにより、感光体ドラム30の表面のうち露光ユニット34により露光された部分の電位が変化し、静電潜像が形成される。4つの現像ユニット100は、現像電圧の印加に応じて静電潜像を現像する。より詳細には、各現像ユニット100は、トナータンク36から供給されたトナーによって感光体ドラム30に描画された静電潜像を現像し、トナー像を生成する。4つのトナータンク36内には、それぞれ、マゼンダ、イエロー、シアン、及び、ブラックのトナーが充填されている。
クリーニングユニット38は、転写ベルト21に一時転写された後においても感光体ドラム30上に残存しているトナー(残トナー)を回収する。クリーニングユニット38は、例えばクリーニングブレードを設け、感光体ドラム30の周面にクリーニングブレードを当接させることにより残トナーをそぎ落とす。また、クリーニングユニット38は、感光体ドラム30の周上に、感光体ドラム30の表面電位を制御する除電ランプ39を有している。除電ランプ39は、点灯することによって感光体ドラム30の表面を除電するイレースランプである。除電ランプ39は、画像形成時(プリント時)に動作することにより感光体ドラム30の表面電位を所望の値とする。また、除電ランプ39は、転写後等の非画像形成時に動作することで、感光体ドラム30の残留電荷を感光体ドラム30の光減衰電圧以下にし、表面電位をリセットする。除電ランプ39によって、残留電荷による帯電電位の不安定さの解消、及び、画像におけるゴーストの発生が抑制される。なお、非画像形成時には、プリント動作前やプリント動作後だけでなく、複数ページにわたって画像形成が行われる場合のページ間も含まれる。
定着装置40は、加圧回転体42と発熱回転体44とを含んで構成されており、転写ベルト21から用紙Pへ二次転写されたトナー像を用紙Pに付着させ、定着させる。定着装置40に関する詳細は後述する。
また、画像形成装置1には、定着装置40によりトナー像が定着された用紙Pを装置外部へ排出するための排出ローラ52,54が設けられている。
次に、画像形成装置1の動作について説明する。画像形成装置1に被記録画像の画像信号が入力されると、画像形成装置1の制御部は、当該画像信号に基づいて、帯電ローラ32により感光体ドラム30の表面を所定の電位に均一に帯電させる。その後、露光ユニット34により感光体ドラム30の表面にレーザ光が照射され静電潜像が形成される。
一方、現像ユニット100では、二成分現像方式における現像剤が現像ローラ110に担持される。当該現像剤は、トナーとキャリアとを混合攪拌して十分に帯電させた後、トナーとキャリアとを混合することにより生成される。現像ローラ110の回転により現像剤が感光体ドラム30と対向する領域まで搬送されると、現像剤のうちのトナーが感光体ドラム30の周面上に形成された静電潜像に移動する。これにより静電潜像が現像される。こうして形成されたトナー像は、感光体ドラム30と転写ベルト21とが対向する領域において、感光体ドラム30から転写ベルト21へ一次転写される。転写ベルト21には、4つの感光体ドラム30上に形成されたトナー像が順次積層されて、1つの積層トナー像が形成される。そして、積層トナー像は、懸架ローラ21dと二次転写ローラ24とが対向する二次転写領域Rにおいて、搬送ユニット10から搬送された用紙Pに二次転写される。
積層トナー像が二次転写された用紙Pは、定着装置40へ搬送される。用紙Pを発熱回転体44と加圧回転体42との間で熱及び圧力を加えながら通過させることにより、積層トナー像を用紙Pに溶融定着させる。その後、用紙Pは、排出ローラ52及び54により画像形成装置1の外部へ排出される。なお、転写ベルト21は、ベルトクリーニング装置を備える場合、積層トナー像が用紙Pへ二次転写された後、残存するトナーをベルトクリーニング装置により除去してもよい。
(定着装置の構成)
次に、定着装置40の詳細な構成について図2を参照して説明する。図2に示されるように、定着装置40は、加圧回転体42と、発熱回転体44と、磁界発生装置45と、を備えた誘電加熱定着装置である。また、磁界発生装置45は、発熱回転体44の外周面44aに対向して配置されるコイル部46と、コイル部46により発生する磁束を発熱回転体44に集中させるコア部47と、を有している。
加圧回転体42は、発熱回転体44を押圧するように設けられた円筒状の回転体であり、例えば硬度JISA65度のシリコーンゴムによって構成されている。加圧回転体42は、耐摩耗性や離型性を高めるために、その表面がフッ素樹脂等でコーティングされていてもよい。また、加圧回転体42はいわゆるスポンジタイプの発砲体であってもよい。また、加圧回転体42は、熱の拡散を防止するために、熱伝導性の小さい材料によって構成されていてもよい。加圧回転体42の軸方向の長さは例えば210〜370mmであり、その外径は例えば20〜100mmである。
発熱回転体44は、発熱層を有する円筒状の回転体(回転可能な発熱体)であり、例えばニッケル、クロム、銅といった磁性材料である金属導電体により複層化されて構成されている。発熱回転体44は、耐摩耗性や離型性を高めるために、その表面がフッ素樹脂等でコーティングされていてもよい。この場合、複層化された発熱回転体44は、10〜50μmの発熱層、50〜500μmのゴム層、及び10〜50μmのフッ素樹脂層から構成されてもよい。発熱回転体44の軸方向の長さは例えば210〜370mmであり、その外径は例えば20〜100mmである。
発熱回転体44は、コイル部46が発生した磁束の影響を受けて発熱する。すなわち、コイル部46が発生した磁束がコア部47によって発熱回転体44の外周面44aに誘導される。そして、当該磁束が渦電流を発生させることにより、発熱回転体44の外周面44aにジュール熱が発生し、発熱回転体44が発熱する。発熱回転体44は、所定の定着処理時においてその表面温度が例えば140〜200℃とされる。
発熱回転体44の内周面側には、円筒状の回転体であるニップ形成部材44bが配置されている。ニップ形成部材44bの回転軸は、発熱回転体44の回転軸と平行である。ニップ形成部材44bは、発熱回転体44を、発熱回転体44の内周面側から加圧回転体42側に押圧する。発熱回転体44は駆動モーター(図示せず)によって一方向(回転方向T1)に回転し、加圧回転体42はこれに従動して回転方向T1とは反対方向である回転方向T2に回転する。そして、加圧回転体42及び発熱回転体44は、互いの接触領域である定着ニップ部Nに用紙を通過させることによってトナー像を用紙に溶融定着させる。
コイル部46は、高周波電流が印加されることにより電磁誘導によって磁束を発生する磁束発生手段である。コイル部46の出力周波数は例えば20kHz〜100kHzである。コイル部46は、発熱回転体44に対する加圧回転体42の反対側に配置されており、発熱回転体44の外周の略半周を覆うように配置されている。コイル部46は、発熱回転体44に接しないものの外周面44aに近接した位置に配置されており、発熱回転体44との離間距離は例えば1〜10mmである。コイル部46は、発熱回転体44の回転軸方向(発熱回転体44の幅方向)D1における発熱回転体44の略両端部間に亘って延在している。
コア部47は、コイル部46を覆うように配置され、コイル部46が発生した磁束の磁路を形成する磁性体コアである。コア部47は、コイル部46が発生した磁束が漏れ出さないように受け、当該磁束を発熱回転体44に誘導する。コア部47は、コイル部46に対する発熱回転体44の反対側に配置されている。コア部47は、コイル部46に接しないものの近接した位置に配置されており、コイル部46との離間距離は例えば1〜10mmである。なお、コア部47は高透磁率且つ低損失の磁性材料、例えばフェライトから構成されている。
次に、図3〜図5も参照しながら、コイル部46及びコア部47の詳細について説明する。図3〜図5に示すように、コイル部46は、レーストラック型(半円型)のコイルであり、回転軸方向D1及び回転方向T1に延びている。コイル部46は、回転軸方向D1に延びて回転方向T1に並設される一対の直線部46a,46bと、直線部46a,46bの両端同士をそれぞれ接続して回転方向T1に延びる一対の円弧部46c,46cと、を有している。コイル部46のコイル線は、厚みを薄くするために回転軸方向D1及び回転方向T1に並列している。
コイル部46は、第1のコイル48と、一対の第2のコイル49と、第3のコイル50とを有している。第1のコイル48は、回転軸方向D1に沿って配置されている。回転軸方向D1において、第1のコイル48は発熱回転体44と同じ長さ、又は、発熱回転体よりも少し長い長さである。第1のコイル48は、対向方向D2において、回転軸方向D1における発熱回転体44の略全域と重なるように配置されている。第2のコイル49は、回転軸方向D1において、発熱回転体44の半分の長さよりも短い長さである。第2のコイル49は、対向方向D2において、第1のコイル48の回転軸方向D1における両端部48xに重なるように配置されている。第3のコイル50は、対向方向D2において、第1のコイル48の回転軸方向D1における中央部48yに重なるように配置されている。なお、第1のコイル48、第2のコイル49、及び第3のコイル50のそれぞれが、一対の直線部46a,46b、及び、一対の円弧部46c,46cを有している。
発熱回転体44の外周面44aから第2のコイル49及び第3のコイル50までの距離は、発熱回転体44の外周面44aから第1のコイル48までの距離よりも短い。つまり、第2のコイル49及び第3のコイル50は、第1のコイル48よりも発熱回転体44側に配置されている。
第2のコイル49及び第3のコイル50は、発熱回転体44からの対向方向D2における距離が互いに同じである。また、第3のコイル50は、一対の第2のコイル49に挟まれるように、回転軸方向D1において第2のコイル49と異なる領域に配置されている(図5参照)。第2のコイル49の、回転軸方向D1における第3のコイル50側の円弧部46cは、第3のコイル50の円弧部46cに隣接して配置されている。このように互いに隣接して配置された第2のコイル49の円弧部46cと第3のコイル50の円弧部46cとによって、繋ぎ領域46xが形成されている。すなわち、繋ぎ領域46xとは、第2のコイル49の第3のコイル50側の端部である円弧部46cから、第3のコイルの端部である円弧部46cに至る領域である。つまり、繋ぎ領域46xには、第2のコイル49の円弧部46c及び第3のコイル50の円弧部46cが含まれる。一対の第2のコイル49の回転軸方向D1の長さと第3のコイル50の回転軸方向D1の長さとを足し合せた長さは、第1のコイル48の回転軸方向D1の長さに略一致している。また、回転軸方向D1において、一対の第2のコイル49の第3のコイル50とは反対側の端部である円弧部46cの位置は、第1のコイル48の端部である円弧部46cの位置と略一致している。
第2のコイル49及び第3のコイル50の巻き数は、互いに同じであるとともに、第1のコイル48の巻き数よりも少ない。例えば、第1のコイル48の巻き数が6〜30ターンであるのに対し、第2のコイル49及び第3のコイル50の巻き数は1〜5ターンである。第2のコイル49及び第3のコイル50の巻き数は、好ましくは第1のコイル48の巻き数の10%以上50%以下であり、より好ましくは第1のコイルの巻き数の10%以上30%以下である。第1のコイル48、第2のコイル49、及び第3のコイル50の各コイル線は、例えば、線径が0.08〜0.8mm(好ましくは、0.1〜0.3mm)、撚り数が1〜200本(好ましくは20〜150本)のリッツ線で構成されている。第2のコイル49及び第3のコイル50の各コイル線は同じ線径、撚り数である。
また、発熱回転体44の回転方向T1における第2のコイル49及び第3のコイル50の内幅IW1は、回転方向T1における第1のコイル48の内幅IW2より大きく、回転方向T1における第2のコイル49及び第3のコイル50の外幅OW1は、回転方向T1における第1のコイル48の外幅OW2より小さい。つまり、回転方向T1において、第2のコイル49及び第3のコイル50は、第1のコイル48の内側に配置されている。
コア部47は、複数のコア51を含んで構成されている。複数のコア51は、対向方向D2において直線部46a,46bとそれぞれ重なるように、発熱回転体44の回転軸方向D1に等間隔に並んで配置されている。複数のコア51は、第2のコイル49及び第3のコイル50に重なる位置に配置されている。コア部47の複数のコア51の配置密度は、回転軸方向D1において一定である。また、複数のコア51の透磁率及びコイル部46からの距離は、互いに同じである。また、第1のコイル48は、対向方向D2において、第2のコイル49及び第3のコイル50よりも、コア部47に近い位置に配置されている。
次に、図6及び図7も参照しながら、コイル部46への電力供給について説明する。なお、図6及び図7においては、便宜上、第2のコイル49及び第3のコイル50の対向方向D2における位置をずらして記載している。コイル部46は、コイルユニット回路61に含まれることにより電力供給を受ける。コイルユニット回路61は、コイル部46と、電力供給部62と、回路部63と、を含んで構成されている。電力供給部62は、コイル部46に電力を供給するインバータである。回路部63は、コイル部46及び電力供給部62を接続する。回路部63は、切替接続部64を有する。切替接続部64は、第1のコイル48、第2のコイル49、及び第3のコイル50を直列接続するとともに、各コイルの電流方向が切り替わるように各コイルの直列接続形態を切り替える。切替接続部64は、第1のコイル48及び第2のコイル49の間に配置されたスイッチであり、第1のコイル48及び第3のコイル50の電流方向と第2のコイル49の電流方向とを、同方向又は逆方向に切り替える。なお、第1のコイル48及び第3のコイル50の電流方向は常に互いに同方向とされている。
具体的には、切替接続部64は、二つの直接接続形態(第1の直列接続形態及び第2の直列接続形態)を切り替える。第1の直列接続形態では、図6(a)に示すように、第1のコイル48及び第3のコイル50の電流方向と、第2のコイル49の電流方向とが同方向になるように、各コイルが直列接続される。第2のコイル49及び第3のコイル50の双方の電流方向が、第1のコイル48の電流方向と同じであるので、発熱回転体44の外周面44aにおける磁束密度は、回転軸方向D1において略一定となる。その結果、図6(b)に示すように、発熱回転体44の外周面44aにおける温度は、回転軸方向D1において略一定となる。このような第1の直列接続形態は、通紙される用紙の幅が比較的広い場合に選択される。幅が比較的広い用紙とは、例えば、発熱回転体44における第2のコイル49に対向する部分(両端部44x)に接触する程度に幅が広い用紙をいう。以下では比較的幅が広い用紙を第1の用紙として説明する場合がある。
一方、第2の直列接続形態では、図7(a)に示すように、第1のコイル48及び第3のコイル50の電流方向と、第2のコイル49の電流方向とが逆方向になるように、各コイルが直列接続される。第2のコイル49の電流方向が、第1のコイル48及び第3のコイル50の電流方向と逆であるので、第1のコイル48の磁束の一部が第2のコイル49の磁束に打ち消される。このため、発熱回転体44の外周面44aにおける磁束密度は、第2のコイル49と対向する両端部44xにおいて他の部分より低くなる。その結果、図7(b)に示すように、発熱回転体44の外周面44aにおける温度は、両端部44xにおいて他の部分より低くなる。このような第2の直列接続形態は、通紙される用紙の幅が比較的狭い場合に選択される。幅が比較的狭い用紙とは、例えば、発熱回転体44の両端部44xに達しない程度に幅が狭い用紙をいう。以下では比較的幅が狭い用紙を第2の用紙として説明する場合がある。
切替接続部64は、二つの直接接続形態(第1の直列接続形態及び第2の直列接続形態)の切り替えを、制御部65からの切替信号に基づいて行う。制御部65は、設定された用紙(第1の用紙又は第2の用紙)を記憶し、該設定された用紙に基づいた切替信号を、切替接続部64に出力する。すなわち、制御部65は、設定された用紙が第1の用紙である場合には、直列接続形態として第1の直列接続形態を選択させる切替信号を、切替接続部64に出力する。一方、制御部65は、設定された用紙が第2の用紙である場合には、直列接続形態として第2の直列接続形態を選択させる切替信号を、切替接続部64に出力する。
また、定着装置40では、第1のコイル48により発生する磁束に対する第2のコイル49及び第3のコイル50により発生する磁束の割合が50%以下(より好ましくは10%以上30%以下)になるように、各種調整が行われている。具体的には、電力供給部62の出力電力、第2のコイル49及び第3のコイル50の条件、並びに、コア部47の条件の少なくともいずれか1つが調整されている。
電力供給部62の出力電力は、高くするほど、第1のコイル48により発生する磁束に対する第2のコイル49及び第3のコイル50により発生する磁束の割合(以下、単に「磁束の割合」と記載する場合がある)が高くなり、例えば300〜2000Wとされる。また、第2のコイル49及び第3のコイル50の条件とは具体的には、第2のコイル49及び第3のコイル50の共振周波数、材質、線径、撚り数、回転方向T1における内幅(若しくは外幅)、及び形状等である。共振周波数は、高くするほど、磁束の割合が低くなり、例えば10〜100kHzとされる。この場合、磁束の割合を3%〜50%とすることができる。材質は、比透磁率が高い材質ほど、磁束の割合が高くなり、例えば銅やアルミ等が採用される。この場合、磁束の割合を40%〜50%とすることができる。線径(より詳細には素線径)は、大きくするほど、磁束の割合が高くなり、例えば0.08〜0.8mm、好ましくは、0.1〜0.3mmとされる。この場合、磁束の割合を10%〜50%とすることができる。撚り数は、多くするほど、磁束の割合が高くなり、例えば1〜200本、(好ましくは20〜150本とされる。この場合、磁束の割合を8%〜50%とすることができる。内幅は、大きくするほど、磁束の割合が低くなり、例えば10〜50mmとされる。この場合、磁束の割合を40%〜50%とすることができる。外幅は、大きくするほど、磁束の割合が高くなり、例えば20〜100mmとされる。この場合、磁束の割合を40%〜50%とすることができる。形状は、例えば寄り線の巻き形状又は寄り線の巻き方により表される。寄り線の巻き形状は、U字型の場合に、磁束の割合が高くなり、例えばU字型、コの字型、又は半円等とされる。また、寄り線の巻き方は、密集であるほど、磁束の割合が高くなり、例えば密集した巻き方又は間隔が空いた巻き方とされる。
また、コア部47の条件とは具体的には、コア部47の形状及び密度等である。形状は、幅が大きく厚みが厚いほど、磁束の割合が高くなり、例えば各コア51の幅が5〜30mmとされる。又は、厚みが1〜5mmとされる。コア部47の密度は、各コア51の配置密度のみによって定義されるものではなく、各コア51の透磁率又は飽和磁束密度によっても定義される。各コアの配置密度は、高いほど、磁束の割合が高くなる。各コア51の透磁率は、高いほど、磁束の割合が高くなり、例えば1000〜3000H/mとされる。また、飽和磁束密度は、高いほど、磁束の割合が高くなり、例えば300〜600mTとされる。
次に、第1実施形態に係る定着装置40の作用効果について、図8に示した比較例に係る定着装置140と比較しながら説明する。
図8に示す比較例に係る定着装置140には、第1実施形態に係る定着装置40と同様、コイルユニット回路(コイルユニット回路161)が含まれている。コイルユニット回路161は、コイル部146と、電力供給部162と、回路部163と、を含んで構成されている。コイル部146は、コイル部46同様、回転軸方向D1に沿って配置された第1のコイル148と、第1のコイル148の回転軸方向D1における両端部148xに重なるように配置された一対の第2のコイル149とを有している。一方で、コイル部146は、第1のコイル148の回転軸方向D1における中央部148yに重なるように配置されるコイル(定着装置40の第3のコイル50に相当するコイル)を有していない。回路部163は、各コイルの電流方向が切り替わるように各コイルの直列接続形態を切り替える切替接続部164を有する。
このようなコイルユニット回路161において、切替接続部164は、二つの直列接続形態を切り替える。一方の直列接続形態では、図8(a)に示すように、第1のコイル148の電流方向と、第2のコイル149の電流方向とが同方向になるように、各コイルが直列接続される。このような直列接続形態は、通紙される用紙の幅が比較的広い場合に選択される。他方の直列接続形態では、図8(b)に示すように、第1のコイル148の電流方向と、第2のコイル149の電流方向とが逆方向になるように、各コイルが直列接続される。このような直列接続形態は、通紙される用紙の幅が比較的狭い場合に選択される。
ここで、通紙される用紙の幅が比較的狭い場合に上述した他方の直列接続形態とされることにより、第1のコイル148の磁束の一部が第2のコイル149の磁束に打ち消される。このため、発熱回転体44の外周面44aにおける磁束密度は、両端部44xにおいて他の部分より低くなる。これにより、幅の狭い用紙を通過させる際における、発熱回転体44の用紙が通過しない部分(非通紙部)の昇温を抑制することができる(図8(b)参照)。
これに対して、上述した一方の直列接続形態とされた場合には、発熱回転体44における第2のコイル149に対向する部分である両端部44xの磁束密度が、中央部44yの磁束密度と比べて高くなってしまう。このため、発熱回転体44は回転軸方向D1における中央部44yに比べて両端部44xにおいて昇温が大きくなる(図8(a)参照)。その結果、例えば発熱回転体44の中央部44yにおいて定着可能な温度で発熱回転体44の温度制御を行うと、相対的に発熱回転体44の両端部44xの温度が高くなり発熱回転体44の温度分布が不均一となる。発熱回転体44の温度分布が不均一である場合には、画像に影響(光沢差等)がでるおそれがある。また、発熱回転体44の両端部44xの温度が定着に必要な温度よりも高くなるので、無駄なエネルギー(電力)が消費されることとなる。
この点、図6及び図7に示すように、第1実施形態に係る定着装置40では、発熱回転体44の両端部44xと対向する第1のコイル48の両端部48xに重なるように、一対の第2のコイル49が設けられている。また、発熱回転体44の中央部44yと対向する第1のコイル48の中央部48yに重なるように、第3のコイル50が設けられている。そして、直列接続された各コイルの電流方向が切り替わるように、各コイルの直列接続形態が切り替えられる。比較的幅が狭い第2の用紙が通過する際には、第2の接続形態(図7参照)が選択され、第2のコイル149の電流方向が第1のコイル148及び第3のコイル150に対して逆方向とされる。この場合、比較例同様、発熱回転体44の非通紙部での磁束発生が抑えられ、非通紙部の昇温を抑制することができる。更に、比較的幅が広い第1の用紙が通過する際には、第1の接続形態(図6参照)が選択され、第1のコイル48、第2のコイル49、及び第3のコイル50の電流方向が互いに同方向とされる。この場合、第2のコイル49が設けられていない中央部44yにおいても第3のコイル50による磁束が発生することとなる。これにより、比較例のように発熱回転体44の中央部44yに比べて両端部44xの昇温が大きくなることを抑制することができる。以上より、定着装置40によれば発熱回転体44の温度分布の均一化を図ることができる。
このように発熱回転体44の温度分布の均一化を図ることにより、画像の光沢差等が抑制される。更に、定着装置40におけるエネルギー(電力)消費についても低減することができる。例えば、第2の用紙が通紙される場合において発熱回転体44の中央部44yの温度を150℃に維持する例で考える。この場合、図9に示すように、比較例では発熱回転体44の両端部44xの温度が中央部44yの温度よりも高くなる(図9中の一点鎖線)のに対し、定着装置40では発熱回転体44の両端部44xの温度が中央部44yの温度と同程度(図9中の実線)となる。比較例では両端部44xの温度が高くなる分電力が多く(例えば780W)必要となるのに対し、定着装置40では発熱回転体44が均一に加熱されるので電力を低く(例えば700W)抑えることができる。
また、定着装置40では、第2のコイル49の巻き数が第1のコイル48の巻き数よりも少ない。具体的には、第2のコイル49の巻き数が、第1のコイル48の巻き数の10%以上50%以下(より好ましくは30%以下)である。これにより、第2のコイル49により生じる磁界の磁束密度が低下するため、発熱回転体44の中央部44yに比べて両端部44xの温度の昇温が大きくなることを効果的に抑制することができる。
また、発熱回転体44の回転方向T1における第2のコイル49及び第3のコイル50の内幅IW1は、回転方向T1における第1のコイル48の内幅IW2より大きく、回転方向T1における第2のコイル49及び第3のコイル50の外幅OW1は、回転方向T1における第1のコイル48の外幅OW2より小さい。つまり、回転方向T1において、第2のコイル49及び第3のコイル50は、第1のコイル48の内側に配置されている。これにより、第1のコイル48の磁束の影響が及ばない領域において第2のコイル49及び第3のコイル50の磁束が生じることを防止でき、発熱回転体44の温度分布の均一化を図ることができる。
また、第2のコイル49及び第3のコイル50は、発熱回転体44からの対向方向D2における距離、及び、巻き数が同じである。これにより、第2のコイル49及び第3のコイル50により発生する磁束を同程度とでき、発熱回転体44の温度分布の一層の均一化を図ることができる。
また、定着装置40では、第1のコイル48により発生する磁束に対する第2のコイル49及び第3のコイル50により発生する磁束の割合が50%以下(好ましくは、10%以上30%以下)になるように、電力供給部162の出力電力、第2のコイル49及び第3のコイル50の共振周波数、材質、線径、撚り数、内幅若しくは外幅、形状、コアの形状、及びコアの密度の少なくともいずれか1つが調整されている。このようにして第2のコイル49及び第3のコイル50によって生じる磁束の磁束密度を抑えることにより、第2のコイル49又は第3のコイル50の影響によって発熱回転体44の一部分だけが昇温する事態を抑制し、発熱回転体44の温度分布の均一化を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、図1〜図9に加えて図10も参照しながら、第2実施形態に係る画像形成装置について説明する。なお、本実施形態を含む以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と異なる点について主に説明し、重複する説明を省略する。
画像形成装置1Aは、定着装置40Aを含んで構成されている。定着装置40Aは、コイル部46Aを有している。コイル部46Aは、第1実施形態のコイル部46に含まれる各コイル(第1のコイル48、第2のコイル49、及び第3のコイル50)に加えて、第4のコイル71A及び第5のコイル72Aを有している。
第4のコイル71Aは、対向方向D2において、第1のコイル48及び第2のコイル49の回転軸方向D1における両端部に重なるように配置されている。第5のコイル72Aは、対向方向D2において、第1のコイル48及び第3のコイル50の回転軸方向D1における中央部に重なるように配置されている。
第4のコイル71A及び第5のコイル72Aは、発熱回転体44からの対向方向D2における距離が互いに同じである。発熱回転体44の外周面44aから第4のコイル71A及び第5のコイル72Aまでの距離は、外周面44aから第2のコイル49及び第3のコイル50までの距離よりも短い。また、第4のコイル71A及び第5のコイル72Aは、端部同士が互いに隣接して配置されている。
一対の第4のコイル71Aの回転軸方向D1の長さと第5のコイル72Aの回転軸方向D1の長さとを足し合せた長さは、一対の第2のコイル49の回転軸方向D1の長さと第3のコイル50の回転軸方向D1の長さとを足し合せた長さに略一致している。また、一対の第4のコイル71Aの第5のコイル72Aと隣接する側とは反対側の端部の位置は、一対の第2のコイル49の第3のコイル50と隣接する側とは反対側の端部の位置と回転軸方向D1において略一致している。また、第4のコイル71A及び第5のコイル72Aの回転軸方向D1における長さの比は、第2のコイル49及び第3のコイル50の回転軸方向D1における長さの比と異なっている。具体的には、第4のコイル71Aの回転軸方向D1の長さは、第2のコイル49の回転軸方向D1の長さよりも短い。また、第5のコイル72Aの回転軸方向D1の長さは、第3のコイル50の回転軸方向D1の長さよりも長い。
第4のコイル71A及び第5のコイル72Aは、切替接続部64により第1のコイル48、第2のコイル49、及び第3のコイル50に直列接続される。切替接続部64は、第1のコイル48、第2のコイル49、第3のコイル50、第4のコイル71A、及び第5のコイル72Aの直列接続形態を切り替える。なお、第1のコイル48、第3のコイル50、及び第5のコイル72Aの電流方向は、常に互いに同方向とされている。また、第2のコイル49及び第4のコイル71Aの電流方向は、それぞれ、第1のコイル48と同方向又は逆方向とされる。
このように、第2実施形態に係る定着装置40Aでは、長さの比が第2のコイル49及び第3のコイル50の長さの比と異なる、第4のコイル71A及び第5のコイル72Aが備わっている。これによって、第1実施形態に係る定着装置40と比較して、用紙サイズのより細かな違いに対応しながら発熱回転体44の温度分布の均一化を図ることができる。
すなわち、発熱回転体44における第4のコイル71Aに対向する部分に接触する程度に幅が広い用紙が通紙される場合を考える。この場合、図11(a)に示すように、全てのコイルの電流方向が互いに同方向とされる。このため、回転軸方向D1において磁束密度を同程度とでき、発熱回転体44の温度分布の均一化を図ることができる。更に、発熱回転体44における第4のコイル71Aに対向する部分には接触しないが第2のコイル49に対向する部分に接触する程度に幅が広い用紙が通紙される場合を考える。この場合、図11(b)に示すように、第4のコイル71Aの電流方向のみが、その他のコイルの電流方向と逆方向とされる。これにより、当該用紙が通紙される場合において、発熱回転体44の非通紙部での磁束発生が抑えられ、非通紙部の昇温を抑制することができる。更に、発熱回転体44における第2のコイル49に対向する部分に達しない用紙が通紙される場合を考える。この場合、図11(c)に示すように、第4のコイル71Aに加えて第2のコイル49の電流方向が、その他のコイルの電流方向と逆方向とされる。これにより、当該用紙が通紙される場合において、発熱回転体44の非通紙部での磁束発生が抑えられ、非通紙部の昇温を抑制することができる。なお、図11は、定着装置40Aの一部の構成を省略して記載している。
なお、定着装置40Aでは、第1のコイル48により発生する磁束に対する第4のコイル71A及び第5のコイル72Aにより発生する磁束の割合が50%以下(より好ましくは10%以上30%以下)になるように、電力供給部62の出力電力、第4のコイル71A及び第5のコイル72Aの条件、並びに、コア部47の条件の少なくともいずれか1つが調整されている。電力供給部62の出力電力、及び、コア部47の条件については上述した第1実施形態と同様である。
第4のコイル71A及び第5のコイル72Aの条件とは具体的には、第4のコイル71A及び第5のコイル72Aの共振周波数、材質、線径、撚り数、回転方向T1における内幅(若しくは外幅)、及び形状である。共振周波数は例えば10〜100kHzとされる。材質は例えば銅やアルミ等が採用される。線径(より詳細には素線径)は例えば0.08〜0.8mm(好ましくは、0.1〜0.3mm)とされる。撚り数は例えば1〜200本(好ましくは20〜150本)とされる。内幅は例えば10〜50mmとされる。外幅は例えば20〜100mmとされる。形状とは、例えば寄り線の巻き形状又は寄り線の巻き方により表される。寄り線の巻き形状は例えばU字型、コの字型、又は半円等とされる。また、寄り線の巻き方は例えば密集した巻き方又は間隔が空いた巻き方とされる。
[第3実施形態]
次に、図1〜図11に加えて、図12〜図16も参照しながら、第3実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図12(a)に示す第3実施形態に係るコイル部46は、第1実施形態同様、第2のコイル49及び第3のコイル50を有している。そして、第2のコイル49及び第3のコイル50の端部(円弧部46c)同士が繋ぎ領域46xにおいて隣接して配置されている。この場合、コイル間に大きな隙間がないため、コイル間に大きな隙間がある場合と比較すると発熱回転体44の温度分布を均一に保ち易い。しかしながら、例えば第2のコイル49及び第3のコイル50に同方向の電流を流す場合、繋ぎ領域46xにおいては、第2のコイル49の電流と第3のコイル50の電流とが逆方向に流れるため、互いに磁束を打ち消し合うこととなる。そのため、図13(a)に示すように繋ぎ領域46xに対向する発熱回転体44の領域TS1は、発熱回転体44の他の領域と比べて磁束密度が低くなる。その結果、発熱回転体44の温度分布が均一でなくなるおそれがある。
図14及び図15に示すように、第3実施形態に係る画像形成装置1Bは、定着装置40Bを含んで構成されている。定着装置40Bは、コア部47Bを有している。
コア部47Bは、繋ぎ領域46xと対向方向D2において重なる複数のコア51B(繋ぎ部)を有している。また、コア部47Bは、コア51B以外のコアとして複数のコア51(主要部)を有している。当該複数のコア51は、繋ぎ領域46xに対向する領域(複数のコア51Bが設けられた領域)を除き、回転軸方向D1に等間隔に並んで配置されている。コア51Bとコア51とは透磁率が互いに同じである。
複数のコア51Bと複数のコア51とは、回転軸方向D1における配置密度が互いに異なっている。すなわち、複数のコア51が互いに一定の間隔を空けて配置されているのに対し、複数のコア51Bは互いに隣接(接触)した状態で配置されている。このため、複数のコア51に比べて、複数のコア51Bは回転軸方向D1における配置密度が高い。
ここで、繋ぎ領域46xにおいては、上述したように第2のコイル49及び第3のコイル50から発生した磁束が互いに影響を及ぼし易い。このことにより、発熱回転体44における繋ぎ領域46xに対向する領域TS1(図13(a))においては、その他の領域と異なった磁界となり易い。
この点、本実施形態では、繋ぎ領域46xと対向方向D2において重なる複数のコア51Bの配置密度が、その他のコアである複数のコア51の配置密度よりも高くされている。これにより、図13(b)に示すように、発熱回転体44における、磁束密度が低くなった領域TS1の周囲の領域の磁束密度を高くすることができる。この結果、回転軸方向D1における温度分布の均一化を図ることができる。
なお、発熱回転体44の磁束密度が低い領域の周囲の磁束密度を調整することにより発熱回転体44の温度分布を全体として均一にする構成は、上記定着装置40Bの構成に限定されない。例えば、図16に示す画像形成装置1Xの定着装置40Xのように、コア部47Xが、繋ぎ領域46xと対向方向D2において重なる複数のコア51Xと、その他のコアである複数のコア51とを有してもよい。複数のコア51Xと複数のコア51とは、配置密度及び透磁率が互いに同じである。一方、複数のコア51Xと複数のコア51とは、発熱回転体44からの対向方向D2における距離が互いに異なっている。具体的には、複数のコア51Xは、複数のコア51と比べて発熱回転体44からの距離が近い。これにより、発熱回転体44における磁束密度が低くなった領域(繋ぎ領域46xに対向する領域TS1)の周囲の領域の磁束密度を高くすることができる。この結果、回転軸方向D1における温度分布の均一化を図ることができる。
また、コア部の各コアの、配置密度、及び発熱回転体44からの距離は互いに同じにするとともに、繋ぎ領域46xと対向方向D2において重なる複数のコアの透磁率と、その他のコアの透磁率とを異ならせてもよい。具体的には、繋ぎ領域46xと対向方向D2において重なるコアの透磁率をその他のコアの透磁率よりも高くしてもよい。これにより、発熱回転体44における磁束密度が低くなった領域(繋ぎ領域46xに対向する領域)の周囲の領域の磁束密度を高くすることができる。この結果、回転軸方向D1における温度分布の均一化を図ることができる。
また、第2実施形態の定着装置40Aのように第4のコイル71A及び第5のコイル72Aを有しており、第4のコイル71A及び第5のコイル72Aが、第2のコイル49及び第3のコイル50の繋ぎ領域46xと同じ関係の繋ぎ領域73xを有している定着装置40C(画像形成装置1C)を考える(図18参照)。定着装置40Cは、コア部47Cを有している。コア部47Cは、繋ぎ領域46x及び繋ぎ領域73xと対向方向D2において重なる複数のコア51C(繋ぎ部)を有している。また、コア部47Cは、コア51C以外のコアとして複数のコア51(主要部)を有している。当該複数のコア51は、複数のコア51Cが設けられた領域を除き、回転軸方向D1に等間隔に並んで配置されている。コア51Cとコア51とは透磁率が互いに同じである。
複数のコア51Cと複数のコア51とは、回転軸方向D1における配置密度が互いに異なっている。すなわち、複数のコア51が互いに一定の間隔を空けて配置されているのに対し、複数のコア51Cは互いに隣接(接触)した状態で配置されている。このため、複数のコア51に比べて、複数のコア51Cは回転軸方向D1における配置密度が高い。
このように、繋ぎ領域46x及び繋ぎ領域73xと対向方向D2において重なる複数のコア51Cの配置密度が、その他のコアである複数のコア51の配置密度よりも高くされる。これにより、発熱回転体44における、磁束密度が低くなった領域(繋ぎ領域46x及び繋ぎ領域73xに対向する領域)の周囲の領域の磁束密度を高くすることができる。この結果、回転軸方向D1における温度分布の均一化を図ることができる。
[第4実施形態]
次に、第3実施形態同様、図1〜図16を参照しながら、第4実施形態を説明する。
上述した第3実施形態では、コイル部46の第2のコイル49及び第3のコイル50の端部同士が繋ぎ領域46xにおいて隣接して配置されているとして説明した。これに対し、第4実施形態では、図12(b)に示すように、コイル部46hの第2のコイル49h及び第3のコイル50hの端部同士が、繋ぎ領域46yにおいて、互いに離間して配置されている。このように離間して配置されることにより、第2のコイル49h及び第3のコイル50hを容易に配置することができる。
ここで、第2のコイル49h及び第3のコイル50hが離間して配置されている場合には、第2のコイル49h及び第3のコイル50hに同方向に電流が流された場合であっても、第3実施形態のような磁束の打ち消し合いは生じにくい。しかしながら、繋ぎ領域46yにおいてコイルが存在しない領域があり、当該領域で磁束が発生しない。このことにより、図13(a)に示すように繋ぎ領域46yに対向する発熱回転体44の領域TS1は、発熱回転体44の他の領域と比べて磁束密度が低くなる。その結果、発熱回転体44の温度分布が均一でなくなるおそれがある。このような場合であっても、第3実施形態で説明した定着装置40B(図14及び図15参照)や定着装置40X(図16参照)により、発熱回転体44における磁束密度が低くなった領域(繋ぎ領域46yに対向する領域TS1)の周囲の領域の磁束密度を高くすることができる(図13(b))。この結果、回転軸方向D1における温度分布の均一化を図ることができる。
なお、第2実施形態の定着装置40Aのように第4のコイル及び第5のコイルを有しており、第4のコイル及び第5のコイルが、第2のコイル49h及び第3のコイル50hの繋ぎ領域46yと同じ関係の繋ぎ領域を有している場合を考える。この場合にも、第4のコイル及び第5のコイルの繋ぎ領域に対向する発熱回転体44の領域の周囲の領域の磁束密度を高くするようにコア部を構成することにより、回転軸方向D1における温度分布の均一化を図ることができる。
[第5実施形態]
次に、図1〜図16に加えて、図17も参照しながら、第5実施形態を説明する。
上述した第3実施形態では、コイル部46の第2のコイル49及び第3のコイル50の端部同士が繋ぎ領域46xにおいて隣接して配置されているとして説明した。これに対し、第5実施形態では、図12(c)に示すように、コイル部46iの第2のコイル49i及び第3のコイル50iの端部同士が、対向方向D2において重なるように配置されている。この場合、第2のコイル49i及び第3のコイル50iに同方向に電流が流されると、繋ぎ領域46zにおいても第2のコイル49i及び第3のコイル50iに同方向に電流が流れることとなり、コイルから発生する磁束は互いに強め合うこととなる。
この場合には、図17(a)に示すように繋ぎ領域46zに対向する発熱回転体44の領域TS2は、発熱回転体44の他の領域と比べて磁束密度が高くなる。その結果、発熱回転体44の温度分布が均一でなくなるおそれがある。
本実施形態では、第3実施形態において磁束密度が低くなった領域の周囲の領域の磁束密度を高くしたことと反対に、磁束密度が高くなった領域の周囲の温度の領域の磁束密度を低くする。すなわち、例えば、繋ぎ領域46zと対向方向D2において重なる複数のコアの配置密度を、その他の複数のコアの配置密度よりも低くする。また、例えば、繋ぎ領域46zと対向方向D2において重なる複数のコアの発熱回転体44からの距離を、その他の複数のコアの発熱回転体44からの距離よりも遠くする。また、例えば、繋ぎ領域46zと対向方向D2において重なる複数のコアの透磁率を、その他の複数のコアの透磁率よりも低くする。これにより、図17(b)に示すように、発熱回転体44における磁束密度が高くなった領域TS3の周囲の領域の磁束密度を低くすることができる。この結果、回転軸方向D1における温度分布の均一化を図ることができる。
なお、第2実施形態の定着装置40Aのように第4のコイル及び第5のコイルを有しており、第4のコイル及び第5のコイルが、第2のコイル49i及び第3のコイル50iの繋ぎ領域46zと同じ関係の繋ぎ領域を有している場合を考える。この場合にも、第4のコイル及び第5のコイルの繋ぎ領域に対向する発熱回転体44の領域の周囲の領域の磁束密度を低くするようにコア部を構成することにより、回転軸方向D1における温度分布の均一化を図ることができる。
[第6実施形態]
次に、図1〜図18に加えて、図19〜図22も参照しながら、第6実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図19に示すように、画像形成装置1Dは、定着装置40Dを含んで構成されている。なお、図19においては、定着装置40Dのうち、コイル部46に係る構成のみを図示し、その他の構成を省略している。
定着装置40Dでは、制御部65が、電力供給部62及び切替接続部64の少なくともいずれか一方を制御する。制御部65は、用紙の通紙状況に応じて、電力供給部62及び切替接続部64の少なくともいずれか一方の制御パターンをそれぞれ個別に設定する。
制御部65は、上述したように、切替接続部64に対して切替信号を出力することにより、切替接続部64に二つの直列接続形態(第1の直列接続形態及び第2の直列接続形態)の切り替えを行わせる。第1の直列接続形態では、図19(a)に示すように、第1のコイル48及び第3のコイル50の電流方向と、第2のコイル49の電流方向とが同方向になるように、各コイルが直列接続される。また、第2の直列接続形態では、図19(b)に示すように、第1のコイル48及び第3のコイル50の電流方向と、第2のコイル49の電流方向とが逆方向になるように、各コイルが直列接続される。上述したように、第1のコイル48及び第3のコイル50の電流方向は、常に互いに同方向とされている。このような二つの直列接続形態は、それぞれ、切替接続部64を制御する制御パターンの一例である。
また、制御部65は、電力供給部62による電力供給を制御することによって、上述した二つの直列接続形態に係る制御パターンとは異なる制御パターンを設定する。すなわち、上述した二つの直列接続形態に係る制御パターンでは、全てのコイルに電力が供給されていたが、制御パターンには、一部のコイルに電力が供給されない制御パターン(電力供給部62による電力の供給停止を設定するパターン)も含まれる。例えば、第2のコイル49に対して電力供給が行われない制御パターン(図19(c))や、第3のコイル50に対して電力供給が行われない制御パターン(図19(d))についても制御パターンに含まれる。
このように多種多様な制御パターンの設定が可能となることにより、回転軸方向D1における温度分布として様々な態様を実現することができる。すなわち、図20に示した、二つの直列接続形態による制御パターンに係る温度分布ga及び温度分布gbに加えて、第2のコイル49に対して電力供給が行われない制御パターンに係る温度分布gcや、第3のコイル50に対して電力供給が行われない制御パターンに係る温度分布gd等の態様も実現することができる。これにより、様々な状況に応じて、発熱回転体44の温度分布の均一化を図ることが可能となる。
なお、制御部65による、電力供給部62の電力供給を制御する方法は特に限定されず、例えば、直列接続回路中の各コイルと並列に迂回ルートを設け、制御部65が制御するスイッチにより、コイル若しくは迂回ルートが選択されることにより、各コイルへの電力供給有無を制御すること等が考えられる。
様々な制御パターンを図21に示す。図21(a)〜図21(g)は、それぞれ制御パターンA1〜A7を示している。制御パターンA1では、直列接続形態として上述した第1の直列接続形態が選択されるとともに、全てのコイルに対して電力供給が行われる(図21(a))。制御パターンA2では、直列接続形態として第1の直列接続形態(又は上述した第2の直列接続形態)が選択されるとともに、第1のコイル48に対してのみ電力供給が行われる(図21(b))。制御パターンA3では、直列接続形態として第1の直列接続形態(又は第2の直列接続形態)が選択されるとともに、第1のコイル48及び第3のコイル50に対してのみ電力供給が行われる(図21(c))。制御パターンA4では、直列接続形態として第2の直列接続形態が選択されるとともに、全てのコイルに対して電力供給が行われる(図21(d))。制御パターンA5では、直列接続形態として第1の直列接続形態(又は第2の直列接続形態)が選択されるとともに、第3のコイル50に対してのみ電力供給が行われる(図21(e))。制御パターンA6では、直列接続形態として第1の直列接続形態が選択されるとともに、第2のコイル49に対してのみ電力供給が行われる(図21(f))。制御パターンA7では、直列接続形態として第1の直列接続形態が選択されるとともに、第1のコイル48及び第2のコイル49に対してのみ電力供給が行われる(図21(g))。
このような制御パターンの設定例を図22に示す。図22は、用紙種、用紙幅、用紙通過中であるか用紙間であるか、の条件に応じた適切な制御パターンを示している。用紙種は、普通紙又は厚紙のいずれかである。普通紙とは厚さが60.2〜104.7g/m2程度の用紙であり、厚紙とは厚さが104.7〜216.0g/m2程度の用紙である。用紙通過中とは、用紙が発熱回転体44を通過中である状態であり、通紙開始時、複数用紙の連続通紙時、通紙終了時を含んでいる。また、用紙間とは、通紙準備時である。用紙通過中である場合には、更に、目標温度(発熱回転体44の目標温度)+3℃以上であるか、目標温度±3℃未満であるか、目標温度−3℃以下であるか、が制御パターン決定における条件とされる。また、用紙間である場合には、目標温度以下である場合に制御パターンが設定され、目標温度より高い場合には制御パターンの設定(変更)は行われない。なお、図22に示す制御パターンの設定例は、第1のコイル48の回転軸方向D1の長さが300mm、第2のコイル49及び第3のコイル50の回転軸方向D1の長さがそれぞれ100mmである場合の設定例である。
例えば、用紙種が普通紙であり、用紙幅が151mm〜200mmであり、用紙通過中であり、発熱回転体44の目標温度+3℃以上である場合には、制御パターンA5(図21(e))が選択される。また、用紙種が普通紙であり、用紙幅が101mm〜150mmであり、用紙通過中であり、発熱回転体44の目標温度+3℃以上である場合には、制御パターンOFFが選択される。制御パターンOFFとは、新たに制御パターンを設定しない場合を示している。
なお、上述した制御パターンの設定例はあくまでも一例であり、制御パターン決定における条件も一例にすぎない。例えば、用紙通過中であるか用紙間であるか、を条件とするとして説明したが、より詳細に、通紙準備時、通紙開始時、連続通紙時、通紙終了時をそれぞれ個別の条件としてもよい。このように通紙状況に応じて制御パターンが決定されることにより、例えば通紙時に比べて非通紙時における電力供給を抑える、等が可能となり、様々な状況に応じて、発熱回転体44の温度分布の均一化を図ることができる。
また、図22の制御パターンのように用紙の幅に応じて制御パターンが決定されることにより、様々な用紙幅に応じた適切な制御パターンを選択し、様々な幅の用紙を通紙する際において発熱回転体44の温度分布の均一化を図ることができる。同様に用紙の厚みに応じて制御パターンが決定されることにより、様々な厚みの用紙を通紙する際において発熱回転体44の温度分布の均一化を図ることができる。
また、発熱回転体44の測定温度と目標温度との差に応じて制御パターンが決定されることにより、発熱回転体44の温度状況に応じて適切な制御パターンを選択することができる。
[第7実施形態]
次に、図1〜図22に加えて、図23〜図25も参照しながら、第7実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図23及び図24に示すように、画像形成装置1Eは、定着装置40Eを含んで構成されている。定着装置40Eは、第2実施形態の定着装置40同様、コイル部46A(図10及び図11参照)を有している。なお、図23及び図24においては、定着装置40Eのうち、コイル部46Aに係る構成のみを図示し、その他の構成を省略している。
定着装置40Eでは、第6実施形態に係る定着装置40Dと同様、制御部65が、電力供給部62及び切替接続部64の少なくともいずれか一方を制御する。制御部65による様々な制御パターンについて説明する。なお、上述したように、第1のコイル48、第3のコイル50、及び第5のコイル72Aの電流方向は、常に互いに同方向とされている。
図23は、制御パターンB1〜B6を示している。制御パターンB1では、全てのコイルの電流方向が同じになる直列接続形態が選択されるとともに、全てのコイルに対して電力供給が行われる(図23(a))。制御パターンB2では、第1のコイル48に対してのみ電力供給が行われる(図23(b))。制御パターンB3では、第4のコイル71Aを除く全てのコイルの電流方向が同じになる直列接続形態が選択されるとともに、第4のコイル71Aを除く全てのコイルに対して電力供給が行われる(図23(c))。制御パターンB4では、第4のコイル71Aの電流方向のみその他のコイルの電流方向と逆になる直列接続形態が選択されるとともに、全てのコイルに対して電力供給が行われる(図23(d))。制御パターンB5では、第2のコイル49の電流方向と第1のコイル48の電流方向とが逆になる直列接続形態が選択されるとともに、第4のコイル71Aを除く全てのコイルに対して電力供給が行われる(図23(e))。制御パターンB6では、第2のコイル49及び第4のコイル71Aを除く全てのコイルに対して電力供給が行われる(図23(f))。
図24は、制御パターンB7〜B12を示している。制御パターンB7では、第1のコイル48、第2のコイル49、及び第4のコイル71Aを除く全てのコイルに対して電力供給が行われる(図24(a))。制御パターンB8では、第2のコイル49及び第4のコイル71Aの電流方向とその他のコイルの電流方向とが逆になる直列接続形態が選択されるとともに、第5のコイル72Aを除く全てのコイルに対して電力供給が行われる(図24(b))。制御パターンB9では、第5のコイル72Aにのみ電力供給が行われる(図24(c))。制御パターンB10では、第3のコイル50にのみ電力供給が行われる(図22(d))。制御パターンB11では、第2のコイル49の電流方向と第1のコイル48の電流方向とが同じになる直列接続形態が選択されるとともに、第2のコイル49にのみ電力供給が行われる(図24(e))。制御パターンB12では、第4のコイル71Aの電流方向と第1のコイル48の電流方向とが同じになる直列接続形態が選択されるとともに、第4のコイル71Aにのみ電力供給が行われる(図24(f))。
このような制御パターンの設定例を図25に示す。制御パターンを決定する各種の条件は、第5実施形態において説明した図22の制御パターンと同じである。なお、図25に示す制御パターンの設定例は、第1のコイル48の回転軸方向D1の長さが300mm、第2のコイル49及び第3のコイル50の回転軸方向D1の長さがそれぞれ100mm、第4のコイル71Aの回転軸方向D1の長さが50mm、第5のコイル72Aの回転軸方向D1の長さが200mmである場合の設定例である。
例えば、用紙種が普通紙であり、用紙幅が151mm〜200mmであり、用紙通過中であり、発熱回転体44の目標温度+3℃以上である場合には、制御パターンB9が選択される。また、用紙種が普通紙であり、用紙幅が100mm未満であり、用紙通過中であり、発熱回転体44の目標温度+3℃以上である場合には、制御パターンOFFが選択される。制御パターンOFFとは、新たに制御パターンを設定しない場合を示している。
[第8実施形態]
次に、図1〜図25に加えて、図26及び図27も参照しながら、第8実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図26に示すように、画像形成装置1Fは、定着装置40Fを含んで構成されている。定着装置40Fは、第2実施形態の定着装置40A同様、コイル部46A(図10及び図11参照)を有している。また、定着装置40Fは、発熱回転体44の温度を検知する温度検知センサー80を有している。なお、図26においては、定着装置40Fの構成のうち、コイル部46A及び温度検知センサー80に係る構成のみを記載している。また、図26においては説明の便宜上、温度検知センサー80がコイル部46A上に配置されているように記載されているが、実際には、温度検知センサー80は発熱回転体44の直下又は周辺に配置されている。
温度検知センサー80は、第1の温度検知センサー81と、第2の温度検知センサー82と、第3の温度検知センサー83と、を含んで構成されている。第1の温度検知センサー81は、第1のコイル48、第3のコイル50、及び第5のコイル72Aの、幅方向における中央部と重なる発熱回転体44の領域の温度を検知する。第2の温度検知センサー82は、第1のコイル48、第2のコイル49、及び第5のコイル72Aが互いに重なる箇所と対向方向D2において重なる発熱回転体44の領域の温度を検知する。第3の温度検知センサー83は、第2のコイル49及び第4のコイル71Aが互いに重なる箇所と対向方向D2において重なる発熱回転体44の温度を検知する。
このような温度検知センサー80の値から、発熱回転体44の温度分布が異常状態となっているか否かが判断できる。これにより、誤った(設定とは異なった)用紙サイズの用紙が通紙されているか否かの判断が可能となる。以下、図27を参照して具体的に説明する。
図27は、事前に設定されていた用紙サイズ(設定サイズ)に対する、実際に通紙された用紙の用紙サイズ(実際サイズ)毎の発熱回転体44における温度分布を示した図である。ここで、定着装置40Fでは、第1の用紙S1、第1の用紙よりも幅広の第2の用紙S2、及び、第2の用紙よりも幅広の第3の用紙S3が通紙可能とされている。また、第1のコイル48の回転軸方向D1における寸法は、第3の用紙S3の幅よりも大きい。また、第3のコイル50の回転軸方向D1における寸法は、第2の用紙S2の幅より小さく、且つ、第1の用紙S1の幅よりも大きい。また、第5のコイル72Aの回転軸方向D1における寸法は、第3の用紙S3の幅よりも小さく、且つ、第2の用紙S2の幅よりも大きい。このようなサイズの用紙及びコイルを用いることによって、上述した温度検知センサー80によって、通紙誤りを適切に判断することが可能となる。
なお、温度検知センサー80による通紙誤り判断の精度を向上させるべく、第1のコイル48の回転軸方向D1における寸法は、第3の用紙S3の幅よりも5〜10%大きいことが好ましい。また、第3のコイル50の回転軸方向D1における寸法は、第1の用紙S1の幅よりも5〜10%大きいことが好ましい。また、第5のコイル72Aの寸法は、第2の用紙S2の幅よりも5〜10%大きいことが好ましい。
まず、設定サイズと実際サイズとが一致している場合、すなわち通紙誤りが発生していない場合について説明する。例えば、設定サイズが第3の用紙S3のサイズとされている場合には、全てのコイルの電流方向が互いに同方向とされる。この状態で、第5のコイル72Aよりも幅広である第3の用紙S3が通紙された場合(図27(a))には、全ての温度検知センサー80の検知箇所が通紙部となる。そのため、第1の温度検知センサー81、第2の温度検知センサー82、及び第3の温度検知センサー83のそれぞれで検知される温度は同程度となる。このように設定サイズが第3の用紙S3のサイズとされている場合において全ての温度検知センサー80の値が同程度となった場合には、通紙誤りが発生していないと判断することができる。
また、例えば、設定サイズが第2の用紙S2のサイズとされている場合には、第4のコイル71Aの電流方向のみがその他のコイルの電流方向と逆方向とされる。この状態で、第3のコイル50よりも幅広で且つ第5のコイル72Aよりも幅が狭い第2の用紙S2が通紙された場合(図27(e))には、検知箇所が非通紙部となる第3の温度検知センサー83の値のみが、第1の温度検知センサー81及び第2の温度検知センサー82の値と比べて所定の値だけ低くなる。このように設定サイズが第2の用紙S2のサイズとされている場合において第3の温度検知センサー83の値のみが所定の値だけ低くなった場合には、通紙誤りが発生していないと判断することができる。
また、例えば、設定サイズが第1の用紙S1のサイズとされている場合には、第4のコイル71Aに加えて第2のコイル49の電流方向がその他のコイルの電流方向と逆方向とされる。この状態で、第3のコイル50よりも幅が狭い第1の用紙S1が通紙された場合(図27(i))には、検知箇所が非通紙部となる第2の温度検知センサー82及び第3の温度検知センサー83の値が、第1の温度検知センサー81の値と比べて所定の値だけ低くなる。このように設定サイズが第1の用紙S1のサイズとされている場合において第2の温度検知センサー82及び第3の温度検知センサー83の値が第1の温度検知センサー81の値と比べて所定の値だけ低くなった場合には、通紙誤りが発生していないと判断することができる。
対して、設定サイズと実際サイズとが一致していない場合、すなわち通紙誤りが発生している場合には、温度検知センサー80が、上述した通紙誤りが発生していない場合と異なる温度検知を行う。例えば、設定サイズが第3の用紙S3の用紙サイズとされている場合において、第2の用紙S2が通紙された場合(図27(d))には、第3の温度検知センサー83の値のみが、第1の温度検知センサー81及び第2の温度検知センサー82の値と比べて高くなる。当該温度差は、用紙が通過する部分において熱の一部が用紙に移動することにより、用紙が通過する部分の温度が、用紙が通過しない部分と比べて低くなることにより生じる。この場合、本来全ての温度検知センサー80の値が同程度とならなければならないため、制御部65は、通紙誤りが発生していると判断することができる。また、温度検知センサー80による温度検知状況が、第2の用紙S2が通紙された際の状況(第3の温度検知センサー83の値のみ低くなる)と一致するため、制御部65は、設定サイズを第2の用紙S2のサイズに変更する。このようにして、制御部65は、温度検知センサー80において検知された温度検知状況が、設定サイズに係る温度検知状況と異なる場合には、適切な設定サイズに変更することができる。
[第9実施形態]
次に、図1〜図27に加えて、図28も参照しながら、第9実施形態に係る画像形成装置について説明する。
図28に示すように、画像形成装置1Gは、定着装置40Gを含んで構成されている。定着装置40Gは、第1実施形態の定着装置40同様、コイル部46を有している。また、定着装置40Gは、発熱回転体の温度を検知する温度検知センサー80Gを有している。なお、図28においては、定着装置40Gの構成のうち、コイル部46及び温度検知センサー80Gに係る構成のみを記載している。また、図28においては説明の便宜上、温度検知センサー80Gがコイル部46上に配置されているように記載されているが、実際には、温度検知センサー80Gは発熱回転体44の直下又は周辺に配置されている。
図26に示した第8実施形態に係る定着装置40Fでは、三層構造のコイル部46Aに対して3つの温度検知センサー80が設けられていたのに対し、定着装置40Gでは、二層構造のコイル部46に対して2つの温度検知センサー80が設けられている。すなわち、第1の温度検知センサー81Gと第2の温度検知センサー83Gが設けられている。
第1の温度検知センサー81Gは、第1のコイル48及び第3のコイル50の回転軸方向D1における中央部と対向方向D2において重なる発熱回転体44の領域の温度を検知する。第2の温度検知センサー83Gは、第1のコイル48及び第2のコイル49が対向方向D2において互いに重なる箇所と対向方向D2において重なる発熱回転体44の領域の温度を検知する。
このような構成によれば、コイル部46のように第1のコイル48、第2のコイル49、及び第3のコイルにより構成された二層構造のコイル構成においても、通紙誤りを検知することができる。すなわち、第1の温度検知センサー81Gの温度と、第2の温度検知センサー83Gの温度とに応じて、設定サイズに対する実際サイズの誤りを検知することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第2のコイル49及び第3のコイル50の巻き数は第1のコイル48の巻き数よりも少ないとして説明したがこれに限定されず、第1のコイルの巻き数と同じであってもよいし、多くてもよい。
また、第2のコイル49及び第3のコイルの内幅IW2は第1のコイル48の内幅IW1よりも大きく、第2のコイル49及び第3のコイルの外幅OW2は第1のコイル48の外幅OW1よりも大きいとして説明したがこれに限定されない。すなわち、内幅IW2は内幅IW1と同じが小さくてもよいし、外幅OW2は外幅OW1と同じか大きくてもよい。
また、第2のコイル49及び第3のコイル50の巻き数が同じであるとして説明したが、異なっていてもよい。また、必ずしも第1のコイル48のほうが第2のコイル49及び第3のコイル50よりもコア部47に近い位置に配置されている必要はない。また、コア部47は必ずしも設けられていなくてもよい。また、各コイルは必ずしも別体でなくてもよく、例えば、常に互いに同じ方向に電流が流れる第1のコイル48及び第3のコイル50を一体型のコイルとしてもよい。
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1X…画像形成装置、40,40A,40B,40C,40D,40E,40F,40G,40X…定着装置、44…発熱回転体、44a…外周面、46,46A,46h,46i…コイル部、46c…円弧部、46x,46y,46z,73x…繋ぎ領域、47,47B,47C,47X…コア部、48…第1のコイル、48x…両端部、48y…中央部、49,49h,49i…第2のコイル、50,50h,50i…第3のコイル、51,51B,51C,51X…コア、62…電力供給部、63…回路部、64…切替接続部、65…制御部、71A…第4のコイル、72A…第5のコイル、80,80G…温度検知センサー、81,81G…第1の温度検知センサー、82,83G…第2の温度検知センサー、83…第3の温度検知センサー、D1…回転軸方向、D2…対向方向、IW1,IW2…内幅、OW1,OW2…外幅、T1…回転方向。

Claims (30)

  1. 回転可能な発熱体と、
    前記発熱体の外周面に対向して配置されるコイル部と、
    前記コイル部と前記コイル部に電力を供給する電力供給部とを接続する回路部と、を備え、
    前記コイル部は、
    前記発熱体の幅方向に沿って配置される第1のコイルと、
    前記外周面と前記コイル部との対向方向において前記第1のコイルの前記幅方向における両端部に重なるように配置される一対の第2のコイルと、
    前記対向方向において前記第1のコイルの前記幅方向における中央部に重なるように配置される単一の第3のコイルと、を有し、
    前記一対の第2のコイルと前記第3のコイルは、前記第3のコイルの第1の端部が、前記幅方向において、前記一対の第2のコイルの一方に隣接し、該第3のコイルの第2の端部が、前記幅方向において、前記一対の第2のコイルの他方に隣接するという配置関係にあり、
    前記回路部は、前記第1のコイル、前記第2のコイル及び前記第3のコイルを直列接続するとともに、前記第2のコイルの電流方向が切替わるように前記第1のコイル、前記第2のコイル及び前記第3のコイルの直列接続形態を切り替える切替接続部を有する、
    誘電加熱定着装置。
  2. 前記第2のコイルの巻き数は、前記第1のコイルの巻き数よりも少ない、請求項1記載の誘電加熱定着装置。
  3. 前記第2のコイルの巻き数は、前記第1のコイルの巻き数の10%以上50%以下である、請求項2記載の誘電加熱定着装置。
  4. 前記第2のコイルの巻き数は、前記第1のコイルの巻き数の30%以下である、
    請求項3記載の誘電加熱定着装置。
  5. 前記発熱体の回転方向における前記第2のコイル及び前記第3のコイルの内幅は、前記回転方向における前記第1のコイルの内幅より大きく、
    前記回転方向における前記第2のコイル及び前記第3のコイルの外幅は、前記回転方向における前記第1のコイルの外幅より小さい、
    請求項1〜4のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  6. 前記第2のコイル及び前記第3のコイルは、前記発熱体からの前記対向方向における距離、及び、巻き数が同じである、
    請求項1〜5のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  7. 前記配置関係に代えて、前記第2のコイル前記第3のコイルは、前記幅方向における端部同士が互いに離間して配置されるという配置関係にある
    請求項1〜6のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  8. 前記配置関係に代えて、前記第2のコイル前記第3のコイルは、前記発熱体からの前記対向方向における距離が互いに異なり、前記幅方向における端部同士が前記対向方向において重なるように配置されるという配置関係にある
    請求項1〜5のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  9. 前記第1のコイル、前記第2のコイル及び前記第3のコイルにより発生する磁束を前記発熱体に集中させるコアを更に備え、
    前記コアは、前記幅方向において少なくとも前記第2のコイル及び前記第3のコイルに重なる位置に配置されている、
    請求項1〜のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  10. 前記第1のコイルは、前記対向方向において、前記第2のコイル及び前記第3のコイルよりも前記コアに近い位置に配置される、
    請求項記載の誘電加熱定着装置。
  11. 前記コアは、
    前記第3のコイルの前記第2のコイル側の端部から前記第2のコイルの前記第3のコイル側の端部に至る繋ぎ領域と前記対向方向において重なる繋ぎ部と、
    前記繋ぎ部以外の部分である主要部と、を有し、
    前記繋ぎ部及び前記主要部は、配置密度が互いに異なり、且つ、透磁率が互いに同じである、
    請求項又は10記載の誘電加熱定着装置。
  12. 前記コアは、
    前記第3のコイルの前記第2のコイル側の端部から前記第2のコイルの前記第3のコイル側の端部に至る繋ぎ領域と前記対向方向において重なる繋ぎ部と、
    前記繋ぎ部以外の部分である主要部と、を有し、
    前記繋ぎ部及び前記主要部は、透磁率が互いに異なる、
    請求項又は10記載の誘電加熱定着装置。
  13. 前記コアは、
    前記第3のコイルの前記第2のコイル側の端部から前記第2のコイルの前記第3のコイル側の端部に至る繋ぎ領域と前記対向方向において重なる繋ぎ部と、
    前記繋ぎ部以外の部分である主要部と、を有し、
    前記繋ぎ部及び前記主要部は、前記発熱体からの前記対向方向における距離が互いに異なる、
    請求項12のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  14. 前記コイル部は、
    前記対向方向において、前記第1のコイル及び前記第2のコイルの前記幅方向における両端部に重なるように配置される一対の第4のコイルと、
    前記対向方向において前記第1のコイル及び前記第3のコイルの前記幅方向における中央部に重なるように配置される第5のコイルと、を更に有し、
    前記第4のコイル及び前記第5のコイルの前記幅方向における長さの比は、前記第2のコイル及び前記第3のコイルの前記幅方向における長さの比と異なっており、
    前記切替接続部は、前記第1のコイル、前記第2のコイル、前記第3のコイル、前記第4のコイル及び前記第5のコイルを直列接続するとともに、前記第2のコイル前記第4のコイルのうちの少なくとも一方のコイルの電流方向が切替わるように前記第1のコイル、前記第2のコイル、前記第3のコイル、前記第4のコイル及び前記第5のコイルの直列接続形態を切り替える、
    請求項1〜13のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  15. 前記電力供給部及び前記切替接続部の少なくともいずれか一方を制御する制御部を更に備え、
    前記制御部は、通紙準備時、通紙開始時、連続通紙時、及び通紙終了時に、前記電力供給部及び前記切替接続部の少なくともいずれか一方の制御パターンを、それぞれ個別に設定する、
    請求項1〜14のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  16. 前記制御パターンは、前記電力供給部による電力の供給及び停止を設定するパターンである、
    請求項15記載の誘電加熱定着装置。
  17. 前記制御パターンは、前記切替接続部による前記コイル部の直列接続形態を設定するパターンである、
    請求項15記載の誘電加熱定着装置。
  18. 前記制御部は、前記制御パターンを複数有している、
    請求項1517のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  19. 前記制御部は、通紙するメディアの幅に応じて、前記制御パターンを決定する、
    請求項1518のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  20. 前記制御部は、通紙するメディアの厚さに応じて、前記制御パターンを決定する、
    請求項1519のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  21. 前記制御部は、前記発熱体の測定温度と目標温度との差に応じて、前記制御パターンを決定する、
    請求項1520のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  22. 前記第1のコイル及び前記第3のコイルの前記幅方向における中央部と前記対向方向において重なる前記発熱体の領域の温度を検知する第1の温度検知センサーと、
    前記第1のコイル及び前記第2のコイルが前記対向方向において互いに重なる箇所と前記対向方向において重なる前記発熱体の領域の温度を検知する一対の第2の温度検知センサーと、を更に備える、
    請求項1〜21のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置。
  23. 前記コイル部は、
    前記対向方向において前記第1のコイル及び前記第2のコイルの前記幅方向における両端部に重なるように配置される一対の第4のコイルと、
    前記対向方向において前記第1のコイル及び前記第3のコイルの前記幅方向における中央部に重なるように配置される第5のコイルと、を更に有し、
    前記第5のコイルは、前記対向方向において前記第2のコイルの前記第3のコイル側の端部に重なるように配置されており、
    前記誘電加熱定着装置は、
    前記第2のコイル及び前記第のコイルが前記対向方向において互いに重なる箇所と前記対向方向において重なる前記発熱体の温度を検知する一対の第3の温度検知センサーを更に備え、
    前記第1の温度検知センサーは、前記第1のコイル、前記第3のコイル、及び前記第5のコイルの前記幅方向における中央部と前記対向方向において重なる前記発熱体の領域の温度を検知し、
    前記第2の温度検知センサーは、前記第1のコイル、前記第2のコイル、及び前記第5のコイルが前記対向方向において互いに重なる箇所と前記対向方向において重なる前記発熱体の領域の温度を検知する、
    請求項22記載の誘電加熱定着装置。
  24. 第1のメディア、前記第1のメディアよりも幅広の第2のメディア、及び前記第2のメディアよりも幅広の第3のメディアを通紙する場合に、
    前記第1のコイルの前記幅方向における寸法は、前記第3のメディアの幅よりも大きく、
    前記第3のコイルの前記幅方向における寸法は、前記第2のメディアの幅よりも小さく、且つ、前記第1のメディアの幅よりも大きく、
    前記第5のコイルの前記幅方向における寸法は、前記第3のメディアの幅よりも小さく、且つ、前記第2のメディアの幅よりも大きい、
    請求項23記載の誘電加熱定着装置。
  25. 前記第1のコイルの前記幅方向における寸法は、前記第3のメディアの幅よりも5〜10%大きく、
    前記第3のコイルの前記幅方向における寸法は、前記第1のメディアの幅よりも5〜10%大きく、
    前記第5のコイルの前記幅方向における寸法は、前記第2のメディアの幅よりも5〜10%大きい、
    請求項24記載の誘電加熱定着装置。
  26. 前記第1のコイルにより発生する磁束に対する前記第2のコイル及び前記第3のコイルにより発生する磁束の割合が50%以下になるように、前記電力供給部の出力電力、前記第2のコイル及び前記第3のコイルの共振周波数、前記第2のコイル及び前記第3のコイルの材質、前記第2のコイル及び前記第3のコイルの線径、前記第2のコイル及び前記第3のコイルの撚り数、前記第2のコイル及び前記第3のコイルの内幅若しくは外幅、前記第2のコイル及び前記第3のコイルの形状、前記コアの形状、及び前記コアの密度の少なくともいずれか1つが調整されている、請求項記載の誘電加熱定着装置。
  27. 前記第1のコイルにより発生する磁束に対する前記第2のコイル及び前記第3のコイルにより発生する磁束の割合が10%以上30%以下である、
    請求項26記載の誘電加熱定着装置。
  28. 前記コイル部は、
    前記対向方向において前記第1のコイル及び前記第2のコイルの前記幅方向における両端部に重なるように配置される一対の第4のコイルと、
    前記対向方向において前記第1のコイル及び前記第3のコイルの前記幅方向における中央部に重なるように配置される第5のコイルと、を更に有し、
    前記第1のコイルにより発生する磁束に対する前記第4のコイル及び前記第5のコイルにより発生する磁束の割合が50%以下になるように、前記電力供給部の出力電力、前記第4のコイル及び前記第5のコイルの共振周波数、前記第4のコイル及び前記第5のコイルの材質、前記第4のコイル及び前記第5のコイルの線径、前記第4のコイル及び前記第5のコイルの撚り数、前記第4のコイル及び前記第5のコイルの内幅若しくは外幅、前記第4のコイル及び前記第5のコイルの形状、前記コアの形状、及び前記コアの密度の少なくともいずれか1つが調整されている、請求項26又は27記載の誘電加熱定着装置。
  29. 前記第1のコイルにより発生する磁束に対する前記第4のコイル及び前記第5のコイルにより発生する磁束の割合が10%以上30%以下である、請求項28記載の誘電加熱定着装置。
  30. 請求項1〜29のいずれか一項記載の誘電加熱定着装置を備える、画像形成装置。
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