JP2007127890A - 誘導加熱部材、定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

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Tomohito Tokai
智史 東海
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Haruaki Kondo
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Abstract

【課題】電磁誘導加熱方式の定着装置の立ち上げ時間の短縮と消費電力の低減とが更に向上され、温度分布ムラの少ない、誘導加熱部材、定着装置、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】この発明の誘導加熱部材24は、トナー像を記録媒体に定着する定着装置に設置される回転円筒体23の外周面23A及び内周面23Bを挟むように離間して配設されている。そして、回転円筒体23は、外周面23Aの回転軸方向両端にそれぞれ軸受45が挿設され、その軸受45間で外周面23Aからの距離が等間隔になるように外周面23Aに近接されている。
【選択図】図3

Description

この発明は、電磁誘導加熱方式の定着装置に搭載される誘導加熱部材と、それを備えた定着装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、装置の立ち上がり時間を低減して省エネルギー化することを目的として、電磁誘導加熱方式の定着装置を用いる技術が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1等において、電磁誘導加熱方式の定着装置は、支持ローラ(加熱ローラ)、定着補助ローラ(定着ローラ)、支持ローラと定着補助ローラとによって張架された定着ベルト、支持ローラに定着ベルトを介して対向する誘導加熱手段、定着補助ローラに定着ベルトを介して当接する加圧ローラ、等で構成される。誘導加熱手段は、幅方向(記録媒体の搬送方向に直交する方向である。)に延設された励磁コイルや、励磁コイルに対向する励磁コイルコア等で構成される。
そして、定着ベルトは、誘導加熱手段との対向位置で加熱される。加熱された定着ベルトは、定着補助ローラ及び加圧ローラの位置に搬送される記録媒体上のトナー像を加熱して定着する。詳しくは、励磁コイルに高周波の交番電流を流すことで、励磁コイルの周囲に交番磁界が形成されて、支持ローラ表面近傍に渦電流が生じる。支持ローラに渦電流が生じると、支持ローラ自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、支持ローラに巻装された定着ベルトが加熱される。
特開2005−70376号公報
上述した従来の電磁誘導加熱方式の定着装置は、熱ローラ方式等の他方式のものに比べて、少ないエネルギー消費で短い立ち上げ時間にて定着ベルトの表面温度(定着温度)を所望の温度まで昇温できる。しかし、省エネルギー化には限度がなく、更なる立ち上げ時間の短縮と消費電力の低減とが望まれている。
本願発明者は、前記課題を解決するために研究を重ねた結果、次の事項を知るに至った。
すなわち、交番磁界を生成する誘導加熱手段を支持ローラ(回転円筒体)の外周面に対向して配設したとき(特許文献1等の構成である。)に比べて、支持ローラの表裏面(外周面と内周面とである。)を挟むようにコイル(複数の導線を束ねたリッツ線で構成されている。)を離間して配設したときの方が、立ち上げ時間が更に短縮されて、消費電力も更に低減される。
ここで、支持ローラの外周面及び内周面を挟むように配設されるコイルを、支持ローラに可能な限り均一に近接させた方が、支持ローラを効率よく温度分布ムラを生じさせることなく加熱することができる。ところが、支持ローラの回転軸方向両端には軸受が挿設されているために、支持ローラに対する効率よい加熱が妨げられてしまう。
すなわち、支持ローラの回転軸方向両端に挿設された軸受間で、軸受の外径に合わせて、コイルを屈曲させることなく支持ローラの外周面に対向させた場合には、コイルが支持ローラの外周面に充分に近接しないために、支持ローラに対する加熱効率が不充分になる。これに対して、支持ローラの軸受間で、コイルを屈曲させて支持ローラの外周面に近接させようとしても、複数の導線を束ねたリッツ線で構成されたコイルは屈曲性が低いために、軸受間におけるコイルと支持ローラ外周面とのギャップが不均一になってしまう(軸受近傍におけるギャップが、中央部におけるギャップよりも大きくなってしまう。)。
さらに、複数の導線を束ねたリッツ線で構成されたコイルは、潰れて外径が変化してしまったり、導線の片寄りにより外径が不均一になってしまったりするために、支持ローラに対して均一に近接させることが難しい。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、電磁誘導加熱方式の定着装置の立ち上げ時間の短縮と消費電力の低減とが更に向上され、温度分布ムラの少ない、誘導加熱部材、定着装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる誘導加熱部材は、トナー像を記録媒体に定着する定着装置に設置される回転円筒体の外周面及び内周面を挟むように離間して配設される誘導加熱部材であって、前記回転円筒体は、前記外周面の回転軸方向両端にそれぞれ軸受が挿設され、前記回転軸方向両端に挿設された軸受間で前記外周面からの距離が等間隔になるように当該外周面に近接されたものである。
また、請求項2記載の発明にかかる誘導加熱部材は、前記請求項1に記載の発明において、前記軸受に当接しないように直角に屈曲されたものである。
また、請求項3記載の発明にかかる誘導加熱部材は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、絶縁層上に導電層を形成してなる積層体であって、前記導電層が前記外周面及び前記内周面に対向するように配設されたものである。
また、請求項4記載の発明にかかる誘導加熱部材は、前記請求項3に記載の発明において、前記導電層は、前記回転円筒体の周方向に複数離間して配設され、前記積層体を回転軸方向の一端で折り返して前記外周面及び前記内周面に対向するように配設するとともに、前記外周面及び前記内周面を複数巻回する一続きの回路が形成されるように前記複数離間して配設された導電層を回転軸方向の他端で電気的に接続したものである。
また、請求項5記載の発明にかかる誘導加熱部材は、前記請求項4に記載の発明において、前記複数離間して配設された導電層のうち最端部に配設された導電層を他の導電層と電気的に接続しないように形成したものである。
また、請求項6記載の発明にかかる誘導加熱部材は、前記請求項3〜請求項5のいずれかに記載の発明において、前記積層体の周方向端部にシールド部材を設けたものである。
また、請求項7記載の発明にかかる誘導加熱部材は、前記請求項3〜請求項6のいずれかに記載の発明において、前記絶縁層における前記導電層が形成されていない側にシールド部材を設けたものである。
また、請求項8記載の発明にかかる誘導加熱部材は、前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明において、前記回転円筒体の回転軸方向及び周方向において前記内周面からの距離が等間隔になるように当該内周面に近接されたものである。
また、請求項9記載の発明にかかる誘導加熱部材は、前記請求項1〜請求項8のいずれかに記載の発明において、交番電流を供給する電源部に接続されたものである。
また、この発明の請求項10記載の発明にかかる定着装置は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の誘導加熱部材と、前記回転円筒体と、を備えたものである。
また、請求項11記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項10に記載の発明において、前記回転円筒体は、トナー像を溶融する定着ベルトを定着補助ローラとともに張架し、前記誘導加熱部材は、前記定着ベルトの外周面に対向するとともに、前記回転円筒体を介して前記定着ベルトの内周面に対向するように配設されたものである。
また、請求項12記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項11に記載の発明において、前記回転円筒体及び前記定着ベルトのうち少なくとも一方が誘導加熱部材によって電磁誘導加熱されるものである。
また、請求項13記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項11又は請求項12に記載の発明において、前記定着補助ローラは、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに対して前記定着ベルトを介して当接するように配設されたものである。
また、請求項14記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項10に記載の発明において、前記円筒回転体を、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接するとともにトナー像を溶融する定着ローラとしたものである。
また、請求項15記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項14に記載の発明において、前記定着ローラの発熱層が誘導加熱部材によって電磁誘導加熱されるものである。
また、この発明の請求項16記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項10〜請求項15のいずれかに記載の定着装置を備えたものである。
本発明は、電磁誘導加熱方式の定着装置において、誘導加熱部材が回転円筒体の外周面及び内周面を挟むように離間して配設され、回転円筒体の回転軸方向両端に挿設された軸受間で回転円筒体の外周面からの距離が等間隔になるように誘導加熱部材が外周面に近接されている。これによって、電磁誘導加熱方式の定着装置の立ち上げ時間の短縮と消費電力の低減とが更に向上され、温度分布ムラの少ない、誘導加熱部材、定着装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図6にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのレーザープリンタの装置本体、3は画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム18上に照射する露光部、4は装置本体1に着脱自在に設置される作像部としてのプロセスカートリッジ、7は感光体ドラム18上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10は出力画像が載置される排紙トレイ、11、12は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、13は記録媒体Pを転写部7に搬送するレジストローラ、15は手差し給紙部、18は像担持体としての感光体ドラム、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置を示す。
図1を参照して、画像形成装置における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、露光部3から、画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、プロセスカートリッジ4の感光体ドラム18上に向けて発せられる。感光体ドラム18は図中の反時計方向に回転しており、所定の電子写真プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム18上に画像情報に対応したトナー像が形成される。その後、感光体ドラム18上に形成されたトナー像は、転写部7で、レジストローラ13により搬送された記録媒体P上に転写される。
なお、図示は省略するが、プロセスカートリッジ4には、感光体ドラム18、感光体ドラム18上を帯電する帯電部、トナー(現像剤)が収容されていて感光体ドラム18上に形成された静電潜像を現像する現像部、感光体ドラム18上に残存する未転写トナーを除去するクリーニング部、等が一体的に設けられている。
一方、転写部7に搬送される記録媒体Pは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部11、12、15のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部11が選択されたものとする。)。そして、給紙部11に収納された記録媒体Pの最上方の1枚が、搬送経路Kの位置に向けて搬送される。その後、記録媒体Pは、搬送経路Kを通過してレジストローラ13の位置に達する。そして、レジストローラ13の位置に達した記録媒体Pは、感光体ドラム18上に形成されたトナー像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7に向けて搬送される。
そして、転写工程後の記録媒体Pは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した記録媒体Pは、定着ベルトと加圧ローラとの間に送入されて、定着ベルトから受ける熱と加圧ローラから受ける圧力とによってトナー像が定着される。トナー像が定着された記録媒体Pは、定着ベルトと加圧ローラとの間から送出された後に、出力画像として画像形成装置本体1から排出されて、排紙トレイ10上に載置される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、画像形成装置本体1における定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2に示すように、定着装置20は、主として、定着補助ローラ21、定着ベルト22、支持ローラ23、誘導加熱部材24、加圧ローラ30、サーミスタ38、ガイド板35、分離板36等で構成される。
ここで、定着補助ローラ21は、ステンレス、炭素鋼等からなる芯金の表面に、シリコーンゴム等の弾性層を形成したものである。定着補助ローラ21の弾性層は、肉厚が3〜10mmで、アスカー硬度が10〜50度となるように形成されている。定着補助ローラ21は、不図示の駆動装置によって図2の反時計方向に回転駆動される。
回転円筒体としての支持ローラ23(加熱ローラ)は、磁性導電性材料で形成されている。支持ローラ23(回転円筒体)は、その肉厚が0.6mm程度となるように形成されている。支持ローラ23は、図2の反時計方向に回転する。支持ローラ23の表裏面(外周面及び内周面である。)を挟むように離間して誘導加熱部材24が配設されている(図3をも参照できる。)。
ここで、支持ローラ23の材料として、ニッケル、鉄、クロム、又は、それらの合金等の磁性導電性材料を用いることができる。本実施の形態1では、支持ローラ23は、導電層のみで形成されていて、単層構造になっている。具体的には、支持ローラ23の材料(導電層)として、キューリー点が定着ベルト22の制御温度の目標値(定着目標温度であって、180度程度である。)近傍から500度(好ましくは、300度以下である。)の範囲となる整磁合金を用いている。具体的には、ニッケル、鉄、クロムの合金であって、各材料の添加量と加工条件とを調整することで所望のキューリー点を得ることができる。このように、キューリー点が定着ベルト22の定着目標温度近傍となる導電層にて支持ローラ23を形成することで、支持ローラ23は誘導加熱部材24による電磁誘導によって過昇温されることなく加熱されることになる。
なお、本実施の形態1では、支持ローラ23を導電層のみの構成としたが、支持ローラ23の導電層上に補強層、弾性層、断熱層等を設けることもできる。
ここで、図3を参照して、支持ローラ23の外周面23A上であって回転軸方向両端には、それぞれ、軸受45が挿設されている。この軸受45は、支持ローラ23を定着装置20の筐体に回転自在に支持するためのものである。
以下、定着ベルト22について詳述する。
図2を参照して、定着ベルト22(定着部材)は、支持ローラ23と定着補助ローラ21とに張架・支持されている。
図示は省略するが、定着ベルト22は、基材上に導電層、弾性層、離型層が順次形成された、多層構造のエンドレスベルトである。基材は、絶縁性の耐熱樹脂材料からなり、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、フッ素樹脂等を用いることができる。基材の層厚は、熱容量及び強度の点から、30〜200μmに形成されている。
定着ベルト22の導電層(発熱層)は、磁性導電性材料からなり、その層厚が1〜20μmに形成されている。導電層は基材上に、メッキ、スパッタ、真空蒸着等によって形成される。
ここで、導電層の材料として、ニッケル、ステンレス鋼等の磁性導電性材料を用いることができる。本実施の形態1では、導電層の材料として、キューリー点が定着目標温度以上であって500℃以下(好ましくは、300度以下である。)となる整磁合金を用いている。具体的には、ニッケル、鉄、クロムの合金であって、各材料の添加量と加工条件とを調整することで所望のキューリー点を得ることができる。このように、キューリー点が定着ベルトの定着温度近傍となる磁性導電性材料にて導電層を形成することで、導電層は誘導加熱部材24による電磁誘導によって過昇温されることなく加熱されることになる。
定着ベルト22の弾性層は、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム等からなり、層厚が50〜500μmでアスカー硬度が5〜50度となるように形成されている。これにより、出力画像において、光沢ムラのない均一な画質を得ることができる。
定着ベルト22の離型層は、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂、これらの樹脂の混合物、又は、これらの樹脂を耐熱性樹脂に分散させたものである。離型層の層厚は、5〜50μm(好ましくは、10〜30μmである。)に形成されている。これにより、定着ベルト22上のトナー離型性が担保されるとともに、定着ベルト22の柔軟性が確保される。
以下、図2〜図5を参照して、本実施の形態1にて特徴的な誘導加熱部材24について詳述する。
図3を参照して、誘導加熱部材24は、層厚が0.05mmのポリイミド樹脂等からなる絶縁層25上に、層厚が0.04mmの銅箔等からなる導電層26を形成してなるプリント基板(積層体)である。そして、誘導加熱部材24(積層体)の導電層26が、支持ローラ23の外周面23A及び内周面23Bに対向するように配設されている。詳しくは、誘導加熱部材24の外周面側24Aが支持ローラ23の外周面23Aに対向して、誘導加熱部材24の内周面側24Bが支持ローラ23の内周面23Bに対向するように構成されている。
さらに、誘導加熱部材24は、支持ローラ23の回転軸方向両端に設置された軸受45間で、外周面23Aからの距離(ギャップ)が等間隔になるように外周面23Aに近接されている。さらに、誘導加熱部材24は、軸受45の近傍では、軸受45に当接しないようにほぼ直角に屈曲されている。すなわち、支持ローラ23の軸受45間(厳密には軸受45近傍間である。)で、支持ローラ23の外周面23Aに対して誘導加熱部材24がほぼ平行になるように配設されている。
なお、誘導加熱部材24は、定着ベルト22及び支持ローラ23の幅方向(回転軸方向)にほぼ平行に延設されて、幅方向の一端が外周面側24Aと内周面側24Bとを結ぶ折返し部になっていて、他端には電源部40(高周波電源部)が接続されている。そして、電源部40から、周波数が10k〜1MHz(好ましくは、20k〜300kHzである。)の交番電流が誘導加熱部材24に印加される。こうして、支持ローラ23及び定着ベルト22が電磁誘導加熱されることになる。
また、本実施の形態1では、図2を参照して、誘導加熱部材24の内周面側24Bにおいても、外周面側24Aが外周面23A(軸受45間である。)に近接されているのと同様に、支持ローラ23の回転軸方向及び周方向において内周面23Bからの距離が等間隔になるように内周面23Bに近接されている。すなわち、誘導加熱部材24は、支持ローラ23の内周面23B及び外周面23Aの曲率に合わせて屈曲されている。これにより、支持ローラ23(及び定着ベルト22)に対する誘導加熱部材24の加熱効率が向上することになる。
ここまで述べたように、本実施の形態1では、誘導加熱部材24が、軸受45間で外周面23Aからの距離が等しくなるように外周面23Aに近接され、軸受45に当接しないようにほぼ直角に屈曲されている。これは、誘導加熱部材24が屈曲性のあるプリント基板(積層体)で形成されていることによるものである。
すなわち、図6(A)を参照して、本実施の形態1で用いた誘導加熱部材24の代わりに、複数の導線を束ねたリッツ線で構成されたコイル50を用いる場合には、コイル50の屈曲性が不充分であるために、支持ローラ23の軸受45間で軸受45の外径に合わせて、コイル50を屈曲させることなく支持ローラ23の外周面23Aに対向させるようにコイルガイド51上に設置することになる。このような場合には、コイル50が支持ローラ23の外周面23Aに充分に近接しないために、支持ローラ23に対する加熱効率が不充分になってしまう。
これに対して、図6(B)を参照して、支持ローラ23の軸受45間で、コイル50を強制的に屈曲させて支持ローラ23の外周面23Aに近接させようとしても、複数の導線を束ねたリッツ線で構成されたコイル50は屈曲性が低いために、軸受45間におけるコイル50と支持ローラ外周面23Aとのギャップが不均一になってしまう。具体的には、軸受45近傍におけるギャップが、中央部におけるギャップよりも大きくなってしまう。このような場合には、支持ローラ23及び定着ベルト22における、幅方向の温度分布ムラが発生してしまう。
本実施の形態1では、誘導加熱部材24を屈曲性のあるプリント基板(積層体)で形成しているために、軸受45の近傍で誘導加熱部材24をほぼ直角に屈曲させて、軸受45間で誘導加熱部材24をほぼ均一に外周面23Aに近接させることができる。これにより、支持ローラ23及び定着ベルト22における、幅方向の温度分布ムラが発生することなく、支持ローラ23及び定着ベルト22の昇温効率を向上させることができる。
なお、誘導加熱部材24の形態は、本実施の形態1のものに限定されることなく、例えば、誘導加熱部材24の外周面側24Aにおける絶縁層25の形状を凸状(図3に示す外周面23A及び軸受45に沿う形状である。)に形成して、その絶縁層25上に導電層26を形成することもできる。すなわち、屈曲性のあるプリント基板を用いるのではなく、軸受45が挿設された支持ローラ23の外周面23Aの形状に合わせて絶縁層25を肉厚に形成して、その上に実質的に誘導加熱部材24として機能する導電層26を形成する。このような場合には、誘導加熱部材24自体の機械的強度が増すために、支持ローラ23に対する姿勢が安定することになって、誘導加熱部材24を保持するガイド部材等が不要になる。
また、本実施の形態1における誘導加熱部材24は、導電層26を絶縁層25上のパターンとするリソグラフィ法(導電層塗布工程、マスキング工程、エッチング工程等がおこなわれる。)にて製造することもできるし、絶縁層25上に直接的に所望の大きさの銅箔(導電層26)を貼着する方法にて製造することもできる。
いずれの製造方法がとられても、導電層26の厚みは、高周波交番電流による抵抗上昇を抑えるために、0.06mm以下とすることが望ましい。また、絶縁層25の材料としては、ポリイミド樹脂の他に、ポリアミドイミド、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂を用いることもできる。
ここで、本実施の形態1では、図4を参照して、誘導加熱部材24の導電層26が、回転円筒体としての支持ローラ23の周方向(回転軸方向に交差する方向である。)に複数離間して配設されている(本実施の形態1では7層である。)。なお、図4は、図3における誘導加熱部材24の外周面側24Aを下方からみた下面図、又は、内周面側24Bを上方からみた上面図である。
そして、誘導加熱部材24は、回転軸方向の一端でほぼ直角に折り返して外周面23A及び内周面23Bに対向するように配設されるとともに、外周面23A及び内周面23Bを複数巻回する一続きの回路が形成されるように複数の導電層26が回転軸方向の他端で電気的に接続されている。
詳しくは、図5(A)に示すように、誘導加熱部材が回転軸方向一端で折り返されて、外周面23A側の複数の導電層26Aの始端a、b、cと、内周面23B側の複数の導電層26Bの終端a´、b´、c´と、が回転軸方向他端に配設された状態になっている。そして、図5(B)に示すように、終端a´と始端bとがワイヤ27Aで電気的に接続され、終端b´と始端cとがワイヤ27Bで電気的に接続され、終端c´と始端aとが電源40に接続される。これにより、外周面23A及び内周面23Bを3回だけ巻回する一続きの回路が形成されることになる。このように、支持ローラ23の外周面23A及び内周面23Bを複数巻回するように誘導加熱部材24を構成することで、支持ローラ23(及び定着ベルト22)に対する加熱効率が向上することになる。
なお、図5は支持ローラ23に巻回される誘導加熱部材24を簡略的に図示したものである(外周面23A及び内周面23Bを3回だけ巻回した図になっている。)。本実施の形態1では、図4を参照して、7本の導電層26を用いて外周面23A及び内周面23Bを7回巻回する一続きの回路を形成している。
図2を参照して、加圧ローラ30は、アルミニウム、銅等からなる円筒部材上にフッ素ゴム、シリコーンゴム等の弾性層が形成されたものである。加圧ローラ30の弾性層は、肉厚が1〜5mmで、アスカー硬度が20〜50度となるように形成されている。加圧ローラ30は、定着ベルト22を介して定着補助ローラ21に圧接している。そして、定着ベルト22と加圧ローラ30との当接部(定着ニップ部である。)に、記録媒体Pが搬送される。
定着ベルト22と加圧ローラ30との当接部の入口側には、記録媒体Pの搬送を案内するガイド板35が配設されている。
定着ベルト22と加圧ローラ30との当接部の出口側には、記録媒体Pの搬送を案内するとともに記録媒体Pが定着ベルト22から分離するのを促進する分離板36が配設されている。
定着ベルト22の外周面上であって定着ニップ部の上流側には、熱応答性の高いサーミスタ38(感温素子)が当接されている。そして、温度検知手段(検知手段)としてのサーミスタ38によって、定着ベルト22上の表面温度(定着温度)が検知されて、誘導加熱部材24の出力(電源部40)が調整される。
このように構成された定着装置20は、次のように動作する。
定着補助ローラ21の回転駆動によって、定着ベルト22は図2中の矢印方向に周回するとともに、軸受45に支持された支持ローラ23も反時計方向に回転して、加圧ローラ30も矢印方向に回転する。定着ベルト22は、誘導加熱部材24との対向位置(支持ローラ23の位置である。)で加熱される。
詳しくは、電源部40から誘導加熱部材24に10kHz〜1MHzの高周波交番電流を流すことで、誘導加熱部材24の外周面側24Aと内周面側24Bとの間に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このように交番磁界が形成されることで、支持ローラ23及び定着ベルト2(導電層)の温度がキューリー点以下である場合に、支持ローラ23表面と定着ベルト22の導電層とに渦電流が生じて、支持ローラ23及び導電層の電気抵抗によってジュール熱が発生して、支持ローラ23及び導電層が加熱される。こうして、定着ベルト22は、発熱した支持ローラ23から受ける熱と、自身の導電層の発熱と、によって加熱される。
その後、誘導加熱部材24によって発熱した定着ベルト22表面は、サーミスタ38の位置を通過して、加圧ローラ30との当接部に達する。そして、搬送される記録媒体P上のトナー像Tを加熱して溶融する。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、ガイド板35に案内されながら定着ベルト22と加圧ローラ30との間に送入される(矢印Yの搬送方向の移動である。)。そして、定着ベルト22から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ベルト22と加圧ローラ30との間から送出される。
加圧ローラ30の位置を通過した定着ベルト22表面は、その後に再び誘導加熱部材24との対向位置に達する。このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
このような定着工程において、支持ローラ23及び導電層の温度がキューリー点を超えた場合には、支持ローラ23及び導電層の発熱が制限されることになる。
すなわち、誘導加熱部材24によって加熱された支持ローラ23及び導電層の温度がキューリー点を超えた場合には、支持ローラ23及び導電層が磁性を失うために、表面近傍での渦電流の発生が制限される。これにより、支持ローラ23及び導電層におけるジュール熱の発生量が低下して、過昇温が抑止される。
このような自己温度制御能力は、本実施の形態1のように支持ローラ23(及び定着ベルト22)の表裏面に対向するように誘導加熱部材24を配設した場合、支持ローラ23(及び定着ベルト22)の片面側(例えば、外周面側である。)のみに対向するように誘導加熱部材を配設した場合に比べて、特に高くなる。
さらに、本実施の形態1のように支持ローラ23(及び定着ベルト22)の表裏面に対向するように誘導加熱部材24を配設した場合、支持ローラ23(及び定着ベルト22)の片面側のみに対向するように誘導加熱部材を配設した場合に比べて、定着装置20の立ち上げ時間が更に短縮されて、消費電力も更に低減される。
以上説明したように、本実施の形態1における電磁誘導加熱方式の定着装置20は、誘導加熱部材24が支持ローラ23(回転円筒体)の外周面23A及び内周面23Bを挟むように離間して配設され、支持ローラ23の回転軸方向両端に挿設された軸受45間で外周面23Aからの距離が等間隔になるように誘導加熱部材24が外周面23Aに近接されている。これによって、電磁誘導加熱方式の定着装置20の立ち上げ時間の短縮と消費電力の低減とが更に向上され、支持ローラ23及び定着ベルト22の温度分布ムラにともなう定着不良の発生も抑止することができる。
なお、本実施の形態1では、導電層を有する定着ベルト22と、支持ローラ23と、を誘導加熱部材24によって電磁誘導加熱される発熱部材として用いた。これに対して、定着ベルト22及び支持ローラ23のうちいずれか一方のみを発熱部材として用いることもできる。その場合も、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
図7にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図7は、実施の形態2における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1の図2に対応する図である。本実施の形態2の定着装置は、誘導加熱部材24の内周面側24Bの形状が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図7に示すように、本実施の形態2における定着装置20の誘導加熱部材24も、前記実施の形態1のものと同様に、絶縁層25上に導電層26を形成してなるプリント基板(積層体)である。そして、誘導加熱部材24が、軸受45間で外周面23Aからの距離が等間隔になるように外周面23Aに近接され、軸受45に当接しないようにほぼ直角に屈曲されている。
また、本実施の形態2では、前記実施の形態1とは異なり、誘導加熱部材24の内周面側24Bが平板状に形成されている。
以上説明したように、本実施の形態2における電磁誘導加熱方式の定着装置20も、前記実施の形態1のものと同様に、誘導加熱部材24が支持ローラ23の外周面23A及び内周面23Bを挟むように離間して配設され、支持ローラ23の軸受45間で外周面23Aからの距離が等間隔になるように誘導加熱部材24が外周面23Aに近接されている。これによって、電磁誘導加熱方式の定着装置20の立ち上げ時間の短縮と消費電力の低減とが更に向上され、支持ローラ23及び定着ベルト22の温度分布ムラにともなう定着不良の発生も抑止することができる。
実施の形態3.
図8にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図8は、実施の形態3における定着装置に設置される誘導加熱部材24を示す図であって、前記実施の形態1の図4に対応する図である。本実施の形態3の誘導加熱部材24は、シールド部材28が設けられている点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図8に示すように、本実施の形態3における誘導加熱部材24も、前記実施の形態1のものと同様に、導電層26が回転円筒体としての支持ローラ23の周方向に複数離間して配設されている。そして、誘導加熱部材24は、回転軸方向の一端で折り返して外周面23A及び内周面23Bに対向するように配設されるとともに、外周面23A及び内周面23Bを複数巻回する一続きの回路が形成されるように複数の導電層26が回転軸方向の他端で電気的に接続されている。
ここで、本実施の形態3における誘導加熱部材24(積層体)は、前記実施の形態1のものとは異なり、周方向端部にシールド部材28が形成されている。具体的に、シールド部材28は、導電層26と同様に銅箔であって、複数の導電層26とは電気的に絶縁されている(ワイヤで接続されていない。)。すなわち、本実施の形態3における誘導加熱部材24は、前記実施の形態1における誘導加熱部材に対して、複数離間して配設された導電層26のうち最端部に配設された導電層を他の導電層と電気的に接続しないように形成したものである。
このように誘導加熱部材24の端部に電気的接続なく設置された銅箔は、誘導加熱部材24によって発生する磁束を誘導加熱部材24の外部に漏出させないためのシールド部材28として機能することになる。したがって、本実施の形態3の構成の他に、誘導加熱部材24における両側の最端部に形成された導電層をそれぞれシールド部材として用いることもできる。また、絶縁層25における導電層26が形成されていない側に、シールド部材を設けることもできる(シールド部材、絶縁層、導電層の3層構造になる。)。
そして、このような構成により、誘導加熱部材24の外周に生じる不要な電磁波の輻射を確実に遮断することができる。
以上説明したように、本実施の形態3における電磁誘導加熱方式の定着装置20も、前記各実施の形態のものと同様に、誘導加熱部材24が支持ローラ23の外周面23A及び内周面23Bを挟むように離間して配設され、支持ローラ23の軸受45間で外周面23Aからの距離が等間隔になるように誘導加熱部材24が外周面23Aに近接されている。これによって、電磁誘導加熱方式の定着装置20の立ち上げ時間の短縮と消費電力の低減とが更に向上され、支持ローラ23及び定着ベルト22の温度分布ムラにともなう定着不良の発生も抑止することができる。
実施の形態4.
図9にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図9は、実施の形態4における画像形成装置の要部を示す構成図である。本実施の形態4の画像形成装置は、タンデム型のカラー画像形成装置である点と、回転円筒体として定着ローラ31を用いている点とが、前記実施の形態1のものとは相違する。
本実施の形態4における画像形成装置は、タンデム型のカラー画像形成装置である。図9に示すように、作像部には、複数の感光体ドラム18BK、18Y、18M、18Cが転写ベルト8上に並設されている。図示は省略するが、複数の感光体ドラム18BK、18Y、18M、18Cの外周には、帯電部、露光部、現像部、クリーニング部、除電部が配設されている(図1のプロセスカートリッジ4を参照できる。)。そして、各感光体ドラム18BK、18Y、18M、18C上で、各色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー像が形成される。
転写部7は、記録媒体Pを搬送する転写ベルト8、各感光体ドラム18BK、18Y、18M、18Cに対して転写ベルト8を介して対向するバイアスローラ9、転写ベルト8表面を清掃するクリーニングローラ14、等で構成される。
転写ベルト8は、矢印方向から搬送される記録媒体Pを、各感光体ドラム18Y、18M、18C、18BKとの対向位置に順次搬送する。このとき、バイアスローラ9に印加される転写バイアスによって、記録媒体P上に各色のトナー像が重ねて転写される。こうして、記録媒体P上にフルカラーのトナー像が形成される。その後、フルカラーのトナー像が形成された記録媒体Pは、転写ベルト8から分離されて、定着装置20に向けて搬送されることになる。
一方、本実施の形態4の定着装置20は、主として、回転円筒体としての定着ローラ31(定着部材)、加圧ローラ30、誘導加熱部材24等で構成される。
定着ローラ31は、磁性導電性材料からなる発熱層31a(導電層)、シリコーンゴム等からなる弾性層、フッ素化合物等からなる離型層、等で構成される。定着ローラ31の発熱層31aは、前記実施の形態1と同様に、キューリー点が定着目標温度以上であって500℃以下となる整磁合金によって形成されている。定着ローラ31は、加圧ローラ30の加圧力に抗するだけの機械的強度をもつ。また、図示は省略するが、定着ローラ31の外周面上であって回転軸方向両端には、それぞれ、軸受が挿設されている。この軸受は、定着ローラ31を定着装置20の筐体に回転自在に支持するためのものである。
また、誘導加熱部材24は、前記実施の形態1と同様に、絶縁層上に導電層を形成してなるプリント基板(積層体)であって、定着ローラ31の表裏面(内周面及び外周面である。)を挟むように離間して配設されている。そして、誘導加熱部材24が、定着ローラ31の軸受間で外周面からの距離が等間隔になるように外周面に近接され、軸受に当接しないようにほぼ直角に屈曲されている。また、誘導加熱部材24の内周面側24Bにおいても、定着ローラ31の回転軸方向及び周方向において内周面からの距離が等間隔になるように内周面に近接されている。
そして、電源から誘導加熱部材24に所定の周波数の交番電流が供給されることで、誘導加熱部材24に挟まれた定着ローラ31近傍に交番磁界が生成されて、定着ローラ31が電磁誘導加熱される。このようにして、電磁誘導加熱された定着ローラ31は、矢印方向から搬送される記録媒体P上のトナー像を加熱・溶融して記録媒体Pに定着する。
以上説明したように、本実施の形態4における電磁誘導加熱方式の定着装置20は、誘導加熱部材24が定着ローラ31(回転円筒体)の外周面及び内周面を挟むように離間して配設され、定着ローラ31の軸受間で外周面からの距離が等間隔になるように誘導加熱部材24が外周面に近接されている。これによって、電磁誘導加熱方式の定着装置20の立ち上げ時間の短縮と消費電力の低減とが更に向上され、定着ローラ31の温度分布ムラにともなう定着不良の発生も抑止することができる。
実験例.
図10にて、前記各実施の形態で述べた効果を確認するための実験例(実施例及び比較例)について説明する。
図10は、実施例1〜3、比較例1〜2の各定着装置において、立ち上げ時間と温度分布ムラの程度とを測定した結果である。なお、立ち上げ時間は、定着ベルト22の表面温度が20℃から定着可能温度(170℃)に到達するまでの時間とした。また、図10の「温度分布」欄中において、「○」は定着ベルト22上の幅方向(回転軸方向)の温度分布ムラがほとんど生じていない状態であって、「×」は温度分布ムラが生じている状態である。
図10の「実施例1」は前記実施の形態1における定着装置20を用いた場合の実験結果であって、「実施例2」は前記実施の形態2における定着装置20を用いた場合の実験結果であって、「実施例3」は前記実施の形態3における定着装置20を用いた場合の実験結果である。また、「比較例1」は図6(A)で説明した定着装置20を用いた場合の実験結果であって、「比較例2」は図6(B)で説明した定着装置20を用いた場合の実験結果である。
実施例1〜3と比較例1とから、誘導加熱部材24が支持ローラ23の外周面23Aに近接されることで、立ち上げ時間が短縮されることがわかる。
実施例1〜3と比較例2とから、支持ローラ23の軸受45間で外周面23Aからの距離が等間隔になるように誘導加熱部材24が外周面23Aに近接されることで、温度分布ムラが軽減されることがわかる。
実施例1と実施例2とから、誘導加熱部材24の内周面側24Bにおいて支持ローラ23の内周面23Bに近接させることで、立ち上げ時間が短縮されることがわかる。
また、実施例3において、誘導加熱部材24の外部への電磁波の漏出がないことが確認された。これに対して、実施例1において、誘導加熱部材24の外部への電磁波の漏出が確認された。これらのことから、誘導加熱部材24にシールド部材28を設けることで、誘導加熱部材24からの電磁波の漏出を抑止できることがわかる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置における定着装置を示す断面図である。 図2の定着装置における支持ローラ及び誘導加熱部材を示す側面図である。 図2の定着装置における誘導加熱部材を示す下面図である。 支持ローラの外周面及び内周面に対向する誘導加熱部材を示す概略図である。 コイルを用いた場合の、支持ローラ及びコイルを示す側面図である。 この発明の実施の形態2における定着装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3における定着装置の誘導加熱部材を示す下面図である。 この発明の実施の形態4における画像形成装置の要部を示す構成図である。 実験例の結果を示す表図である。
符号の説明
1 画像形成装置本体(装置本体)、
20 定着装置、
21 定着補助ローラ、 22 定着ベルト、
23 支持ローラ(回転円筒体)、
23A 外周面、 23B 内周面、
24 誘導加熱部材(積層体)、
25 絶縁層、 26 導電層、
27A、27B ワイヤ、
28 シールド部材、 30 加圧ローラ、
31 定着ローラ(回転円筒体)、 31a 発熱層、 40 電源部、
45 軸受、 50 コイル、 51 コイルガイド。

Claims (16)

  1. トナー像を記録媒体に定着する定着装置に設置される回転円筒体の外周面及び内周面を挟むように離間して配設される誘導加熱部材であって、
    前記回転円筒体は、前記外周面の回転軸方向両端にそれぞれ軸受が挿設され、
    前記回転軸方向両端に挿設された軸受間で前記外周面からの距離が等間隔になるように当該外周面に近接されたことを特徴とする誘導加熱部材。
  2. 前記軸受に当接しないように直角に屈曲されたことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱部材。
  3. 絶縁層上に導電層を形成してなる積層体であって、前記導電層が前記外周面及び前記内周面に対向するように配設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の誘導加熱部材。
  4. 前記導電層は、前記回転円筒体の周方向に複数離間して配設され、
    前記積層体を回転軸方向の一端で折り返して前記外周面及び前記内周面に対向するように配設するとともに、前記外周面及び前記内周面を複数巻回する一続きの回路が形成されるように前記複数離間して配設された導電層を回転軸方向の他端で電気的に接続したことを特徴とする請求項3に記載の誘導加熱部材。
  5. 前記複数離間して配設された導電層のうち最端部に配設された導電層を他の導電層と電気的に接続しないように形成したことを特徴とする請求項4に記載の誘導加熱部材。
  6. 前記積層体の周方向端部にシールド部材を設けたことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかに記載の誘導加熱部材。
  7. 前記絶縁層における前記導電層が形成されていない側にシールド部材を設けたことを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれかに記載の誘導加熱部材。
  8. 前記回転円筒体の回転軸方向及び周方向において前記内周面からの距離が等間隔になるように当該内周面に近接されたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の誘導加熱部材。
  9. 交番電流を供給する電源部に接続されたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれかに記載の誘導加熱部材と、前記回転円筒体と、を備えたことを特徴とする定着装置。
  11. 前記回転円筒体は、トナー像を溶融する定着ベルトを定着補助ローラとともに張架し、
    前記誘導加熱部材は、前記定着ベルトの外周面に対向するとともに、前記回転円筒体を介して前記定着ベルトの内周面に対向するように配設されたことを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  12. 前記回転円筒体及び前記定着ベルトのうち少なくとも一方が誘導加熱部材によって電磁誘導加熱されることを特徴とする請求項11に記載の定着装置。
  13. 前記定着補助ローラは、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに対して前記定着ベルトを介して当接するように配設されたことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の定着装置。
  14. 前記円筒回転体は、搬送される記録媒体を加圧する加圧ローラに当接するとともにトナー像を溶融する定着ローラであることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  15. 前記定着ローラの発熱層が誘導加熱部材によって電磁誘導加熱されることを特徴とする請求項14に記載の定着装置。
  16. 請求項10〜請求項15のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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