JP5696123B2 - 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に搭載される誘導加熱方式の定着装置、及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を用いた従来の画像形成装置においては、ニップを形成する定着ローラー対の少なくとも一方のローラーに熱源を内蔵させるか、或いは外部に熱源を配置して加熱ローラーとし、この定着ローラー対のニップ部に未定着トナー画像を担持した用紙(記録媒体)を挿通して加熱、及び加圧することによって、用紙にトナー画像を定着する熱ローラー定着方式が広く用いられている。
また、加熱ローラーに代えて、熱源により加熱される無端状の定着ベルトを用い、定着ベルトとこれに圧接される加圧部材とのニップ部に未定着トナー画像を担持した用紙を挿通することによって、用紙にトナー画像を定着するベルト定着方式が開発されている。このベルト定着方式では、熱ローラー定着方式に比べ熱容量を小さくしてウォームアップ時間を短縮するとともに、消費電力を低減することができる。
このような加熱ローラーや定着ベルトの加熱方式として、ハロゲンランプ等のランプで加熱するランプ方式が知られているが、近年のウォームアップ時間の短縮や、省エネルギーの要請から、交番磁界を磁性導体に鎖交させ、渦電流を発生させることによって加熱する誘導加熱(IH:Induction Heating)方式が提案されている。
誘導加熱方式では、加熱ローラーや定着ベルト等の加熱部材の幅方向(用紙搬送方向と直交する方向)に延在するボビンの外周面に沿ってリッツ線が巻回された誘導加熱コイルに高周波電流を印加することにより、高周波磁束が発生する。この高周波磁束が加熱ローラーまたは定着ベルトの誘導発熱層に作用し、誘導発熱層の磁束の周りに渦電流が生じるため、誘導発熱層内の材質固有の抵抗に起因するジュール熱が発生して加熱ローラー、或いは定着ベルトが加熱される。
ところで、誘導加熱方式の定着装置では、誘導加熱コイルの長手方向寸法を加熱ローラーの長手方向の寸法、或いは定着ベルトの幅方向の寸法と略同一にすると、加熱ローラーの長手方向両端部、或いは定着ベルトの幅方向両端部に誘導加熱コイルのターン部(折り返し部分)が対向することになる。ここで、ターン部に発生する磁束はターン部以外の直線部に発生する磁束に比べて小さくなるため、ターン部に対向する加熱ローラーの長手方向両端部、或いは定着ベルトの幅方向両端部を効率良く加熱することができず、定着温度ムラの発生やエネルギーのロスに繋がっていた。
また、誘導加熱コイルの直線部を加熱ローラー、或いは定着ベルトの幅方向寸法よりも長くすれば上記の問題を解決できるが、誘導加熱コイルを含む誘導加熱部が大型化するため、画像形成装置の小型化、コンパクト化の妨げとなっていた。
そこで、装置を大型化することなく誘導加熱コイルに発生する磁束を有効利用する構成が提案されており、例えば特許文献1には、加熱部材である定着フィルムの幅方向両端部における励磁コイルと定着フィルムとの距離を中央部よりも近づけることにより、定着フィルムの幅方向両端部での発熱量を増加させた誘導加熱装置が開示されている。また、特許文献2には、励磁コイルが巻き付けられるコア材の断面積を加熱ローラーの中央部から長手方向両端部に向かって大きくすることにより、励磁コイルの間隔が加熱ローラーの中央部から長手方向両端部に向かって大きくなるように構成した誘導加熱方式の定着装置が開示されている。
特開平9−26719号公報 特開2002−123106号公報
特許文献1及び特許文献2の方法では、誘導加熱コイルの長手方向端部における磁束の減少が抑制され、加熱部材の用紙搬送方向と直交する方向の両端部における発熱量も増加するため、温度低下を抑制することができる。しかし、特許文献1及び特許文献2の構成では、加熱部材の最大通紙領域の外側の部分における発熱量も増加する結果となり、エネルギーのロスに繋がっていた。さらに、誘導加熱コイルのターン部に対向する加熱部材の用紙搬送方向と直交する方向の両端部では、ターン部が形成する磁束が貫通することで局所的に発熱量が高くなるため、過昇温によって加熱部材が破損するおそれもあった。
本発明は、上記問題点に鑑み、記録媒体の通過領域全域において均一な発熱量を確保するとともに、記録媒体の非通過領域の発熱も抑制できる誘導加熱方式の定着装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、記録媒体の搬送速度と略等速で回動可能な加熱部材と、該加熱部材に所定の圧力で当接する加圧部材と、前記加熱部材の外周面に沿って配置される誘導加熱コイルに電流を流して磁束を発生させ、該磁束によって前記加熱部材に設けられた誘導発熱層を加熱する誘導加熱部と、を備え、前記加熱部材と前記加圧部材により形成された定着ニップ部に記録媒体を挿通させて記録媒体上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置において、前記誘導加熱コイルを軸方向から見たときの長手方向中央部の巻き幅をWc、記録媒体の最大挿通幅の内側直近の巻き幅をWp、長手方向両端部の巻き幅をWeとするとき、We≦Wc<Wpを満たす定着装置である。
本発明の第1の構成によれば、誘導加熱コイルの長手方向中央部の巻き幅Wcから徐々に広くして記録媒体の最大挿通幅の内側直近の巻き幅Wpを最大とし、長手方向両端部の巻き幅Weを巻き幅Wcと同等以下とすることにより、記録媒体の挿通幅全域に亘って加熱部材の表面温度を略均一に保持しつつ、記録媒体の非挿通領域における加熱部材の不要な発熱を抑えることができる。従って、記録媒体のサイズに係わらず良好な定着性能を維持するとともに、エネルギーのロスも少なく過剰な発熱による加熱部材の破損も抑制可能な定着装置となる。
本発明の定着装置13が搭載されたカラープリンター100の概略断面図 本発明の一実施形態に係る定着装置13の側面断面図 定着装置13を誘導加熱部25側から見た平面図 本発明の定着装置13に用いられる誘導加熱コイル29を平面的に見た概略図 本発明の定着装置13を構成する誘導加熱ベルト21、定着ローラー22、及び誘導加熱部25の、誘導加熱コイル29の巻き幅Wp部分における側面断面図 誘導加熱コイル29の巻き幅Wp部分におけるリッツ線28の巻き付け状態を示す部分斜視図 本発明の定着装置13を構成する誘導加熱ベルト21、定着ローラー22、及び誘導加熱部25の、誘導加熱コイル29の巻き幅We部分における側面断面図 実施例1における加熱ベルト21の幅方向の表面温度分布を示すグラフ 実施例2における加熱ベルト21の幅方向中央部から端部までの発熱量を示すグラフ
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の定着装置が搭載される画像形成装置の構成を示す模式断面図であり、ここではタンデム方式のカラー画像形成装置について示している。カラープリンター100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、中間転写ベルト8の移動方向上流側(図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dが配設されており、さらに駆動手段(図示せず)により図1において時計回りに回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次一次転写されて重畳された後、二次転写ローラー9の作用によって記録媒体の一例としての用紙P上に二次転写され、さらに、定着装置13において用紙P上に定着された後、装置本体より排出される。感光体ドラム1a〜1dを図1において反時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が転写される用紙Pは、カラープリンター100の本体下部に配置された用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12a及びレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9と後述する中間転写ベルト8の駆動ローラー11とのニップ部へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。また、二次転写ローラー9からみて中間転写ベルト8の移動方向の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を露光する露光装置5と、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)等を除去するクリーニング部7a、7b、7c及び7dが設けられている。
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光装置5によって画像データに応じて光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dには、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a〜4dから各現像装置3a〜3dにトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a〜3dにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、一次転写後に感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナー等がクリーニング部7a〜7dにより除去される。
中間転写ベルト8は、上流側の従動ローラー10と、下流側の駆動ローラー11とに掛け渡されており、駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が時計回りに回転を開始すると、用紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで駆動ローラー11とこれに隣接して設けられた二次転写ローラー9とのニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、中間転写ベルト8上のフルカラー画像が用紙P上に転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着装置13へと搬送される。
定着装置13に搬送された用紙Pは、加熱ベルト21及び加圧ローラー23(図2参照)により加熱及び加圧されてトナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。用紙Pの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
一方、用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着装置13を通過した用紙Pは一旦排出ローラー対15方向に搬送され、用紙Pの後端が分岐部14を通過した後に排出ローラー対15を逆回転させるとともに分岐部14の搬送方向を切り換えることで、用紙Pの後端から反転搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ニップ部に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が二次転写ローラー9により用紙Pの画像が形成されていない面に転写され、定着装置13に搬送されてトナー像が定着された後、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
図2は、定着装置13の側面断面図(図3のAA′矢視断面図)であり、図3は、定着装置13を誘導加熱部25側(図2の上方向)から見た平面図である。なお、図2は図1の定着装置13を時計回り方向に90°回転させた状態を示しており、用紙搬送方向は左から右方向となっている。また、図3では誘導加熱部25の背面側にある加熱ベルト21、加圧ローラー23をずらして記載している。
図2、図3に示すように、定着装置13は、無端状の加熱ベルト21と、加熱ベルト21に内接し、図2において反時計回り方向に回動する定着ローラー22と、加熱ベルト21を介して定着ローラー22に圧接され、図2において時計回り方向に回転する加圧ローラー23と、加熱ベルト21を挟んで加圧ローラー23の反対側に配置される誘導加熱部25と、を含む構成である。加熱ベルト21と加圧ローラー23の圧接部分は、トナー像が形成された用紙Pを挿通して加熱及び加圧する定着ニップ部Nとなっている。
加熱ベルト21は、定着ローラー22に接する最も内側に設けられた誘導発熱層や、加圧ローラー23に接する最も外側に設けられた離型層を含む複数の層が積層されて成る無端状のベルトである。この加熱ベルト21は、定着ローラー22に巻き掛けられ、所定の張力が与えられるとともに、定着ローラー22に接していない部分が誘導加熱部25と所定の間隔を隔てた円弧形状に保持されている。なお、定着ローラー22に代えて、加熱ベルト21を介して加圧ローラー23に圧接されるベルト支持部材を配置しても良い。
加熱ベルト21の誘導発熱層としては、ニッケル等の金属をメッキ、又は圧延処理した金属層が用いられる。離型層は、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフッ素系樹脂を用いて、塗料の塗布やチューブを被せることによって形成されている。離型層は、PFAチューブであれば10〜50μm、フッ素樹脂塗料であれば10〜30μm程度の厚さが適当である。
また、誘導発熱層と離型層との間に、弾性層として厚さ0.1〜1mm程度のシリコーンゴム層を設けても良い。この構成によれば、弾性層が用紙上の未定着トナー像を包み込んで、ソフトに定着できる。その結果、画像の高画質化を図ることが可能となり、高性能な定着装置13を得ることができる。
また、誘導発熱層と離型層との間に蓄熱層を設けて誘導発熱層で発生した熱を逃がさないようにし、且つ加熱ベルト21の表面の温度を均一に保持することもできる。その結果、さらに高い加熱効率が得られるとともに、ウォームアップ時間の短縮及び消費電力の低減の効果を高めることが可能となる。
蓄熱層は、シリカやアルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物の粉末をフィラーとして配合して熱伝導率を高めたシリコーンゴムや、アルミ、銅、ニッケル等の熱伝導率の高い金属で構成され、これらをチューブ状に成型したものを被覆する、或いはメッキするなどして設けられている。蓄熱層は、シリコーンゴムのように弾性がある材料であれば良いが、金属で構成した場合、肉厚を厚くし過ぎるとベルトの硬度が上がり、トナーを溶融するのに必要なニップ量が得られなくなってしまう。したがって、蓄熱層の厚さは、10〜1000μm、望ましくは50〜500μmとする。
また、加熱ベルト21の幅方向(図2の紙面と垂直方向)の寸法は、誘導加熱部25の幅方向の寸法よりも狭く、且つ定着ニップ部Nを通過する最大の用紙幅よりも広く設定されている。これにより、誘導加熱部25は加熱ベルト21全体を均一に加熱して定着ムラの発生を防止するとともに、加熱ベルト21は用紙サイズに係わらず用紙全面を覆うことができるため、定着ローラー22への未定着トナーの付着を防止できる。
本実施形態に用いる加熱ベルト21の構成としては、例えば、厚さ0.035mmのニッケル層(誘導発熱層)上に厚さ0.3mmのシリコーンゴム層(弾性層)を積層し、厚さ30μmのPFAチューブ(離型層)で被覆した外径40mm、幅340mmのベルトが挙げられる。
また、加熱ベルト21の表面に接するようにサーミスター(図示せず)が設けられている。このサーミスターにより加熱ベルト21の温度を検知し、誘導加熱部25に流れる電流をON/OFFすることによって定着温度の制御を行う。
定着ローラー22は、加熱ベルト21を介して加圧ローラー23と当接することで、用紙を挿通させる定着ニップ部Nを形成する。定着ローラー22の材質としては、アルミニウム等の金属や耐熱性樹脂等が用いられる。また、加熱ベルト21との接触面には弾性層として厚さ1〜10mm程度のシリコーンゴム層が設けられ、シリコーンゴム層の表面には離型層としてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製のシートが貼り付けられている。
本実施形態に用いる定着ローラー22の構成としては、例えば、外径20mm、長さ335mm、厚さ2mmのアルミニウム管の外周面に、厚さ9.5mmのシリコーンゴム層(弾性層)を積層し、さらにPTFEシート(離型層)を貼り付けたものが挙げられる。
加圧ローラー23は、芯金23aの外側に弾性層23bが設けられている。芯金23aには加圧ローラー23の圧力を調整する圧調整機構(図示せず)が配置されており、加圧ローラー23を定着ローラー22に対し所定の圧力(例えば300N)で圧接する。加圧ローラー23は図示しない駆動モーターにより時計回り方向に回転駆動される。なお、加圧ローラー23の表面はPFAチューブ等の離型層で被覆されていても良い。本実施形態に用いる加圧ローラー23の構成としては、例えば、外径23mm、長さ337mm、厚さ3mmのアルミニウム管である芯金23aの外側に、弾性層23bを構成する厚さ3.5mmのシリコーンゴム層を設け、外周面に離型層としてフッ素樹脂をコーティングしたものが挙げられる。
誘導加熱部25は、電磁誘導により加熱ベルト21を加熱するものであり、コイルボビン27、誘導加熱コイル29、及びアーチコア30a、サイドコア30bからなるコア部等で構成され、加熱ベルト21の円弧状の外面の一部を囲うように対向して配設される。
コイルボビン27は、加熱ベルト21の外面に沿う断面円弧状に成形されている。コイルボビン27の材質は、耐熱性樹脂(例えばPPS:ポリフェニレンサルファイド樹脂、PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂、LCP:液晶ポリマー樹脂)であることが好ましい。
コイルボビン27上には誘導加熱部25の長手方向(図2の紙面と垂直方向)に延びる巻芯部31が形成されており、リッツ線28を巻芯部31に複数回(ここでは10回)巻回した誘導加熱コイル29が配置されている。誘導加熱コイル29は、誘導加熱部25の長手方向に平行な直線部29aと、誘導加熱部25の両端部に位置するターン部29bとを有し、両端部が図示しない電源に接続されている。また、誘導加熱コイル29のコイルボビン27への固定は、耐熱性接着剤(例えばシリコーン系接着剤)を用いて行う。
リッツ線28は、細線(導線)を複数本束ねて撚り合わせたものをエナメル層で被覆し、さらにエナメル層の外側を融着層で被覆したものである。細線の本数はリッツ線28に接続される電源の電圧に応じて調整される。例えば、電圧100Vの場合は150本の細線を撚り合わせた直径3.3mmのリッツ線28が用いられ、電圧200Vの場合は75本の細線を撚り合わせた直径1.7〜1.8mmのリッツ線28が用いられる。
誘導加熱コイル29を囲むように、複数のアーチコア30a及び一対のサイドコア30bが配置されている。アーチコア30aは、その断面形状がアーチ形に成形されたフェライト製コアである。また、両側のサイドコア30bは、ブロック形状に成形されたフェライト製のコアである。サイドコア30bは各アーチコア30aの両端(図3では上下端)に連結して設けられている。各サイドコア30bは、それぞれ誘導加熱コイル29が配置された領域の外側を覆っている。
アーチコア30aは、例えば誘導加熱部25の長手方向に間隔をおいて複数箇所に配置されている。また、アーチコア30aの配置密度は、高ければ高いほど磁束の誘導性能が良くなる。しかしながら、ある程度アーチコア30aの配置密度を減らしても磁束の誘導性能の低下は少ないので、充分な性能を発揮できる範囲で高いコストパフォーマンスが得られるようにアーチコア30aの配置密度を設定することが好ましい。また、加熱ベルト21の幅方向の温度分布を調整する場合、アーチコア30aの配置密度を調整することで対応可能である。
また、サイドコア30bは、誘導加熱部25の長手方向において複数に分割されており、その1つの長さが30〜60mm程度である。複数のサイドコア30bは誘導加熱部25の長手方向に間隔を開けずに連続して配置されている。このようにサイドコア30bを連続して複数配置することで、アーチコア30aの配置による温度分布の振れ幅を均す効果がある。なお、各アーチコア30a、サイドコア30bの配置は、例えば誘導加熱コイル29の磁束密度(磁界強度)分布に合わせて決定されている。アーチコア30aがある程度の間隔をおいて配置されている分、アーチコア30aが抜けた箇所でサイドコア30bが磁束の集束効果を補い、長手方向での磁束密度分布(温度分布)を均している。
本実施形態では、図2に示すようなアーチ形状の断面を有する幅10mmのアーチコア30aを、誘導加熱部25の長手方向に所定の間隔を隔てて13個配置している。また、アーチコア30aの両端に、長さ42.5mm、幅12mm、厚さ3.5mmのブロック形状のサイドコア30bを、長手方向に8個ずつ配置している。
誘導加熱部25は、誘導加熱コイル29に高周波電流を供給することにより、アーチコア30b及びサイドコア30cを通じて磁束を発生させる。誘導加熱部25から発せられる磁束は加熱ベルト21の誘導発熱層に作用する。その結果、誘導発熱層の磁束の周りに渦電流が生じるため、誘導発熱層の電気抵抗によってジュール熱が発生して加熱ベルト21が発熱することになる。
誘導加熱コイル29に流れる電流は、サーミスターによって加熱ベルト21が所定の温度となるように制御されている。そして、誘導加熱部25により加熱ベルト21が加熱されて所定の温度に昇温された後に、定着ニップ部Nで挟持されながら搬送される用紙P(図1参照)が加熱されるとともに、加圧ローラー23にて加圧されることにより、用紙P上の粉体状態のトナーが用紙Pに溶融定着される。
図4は、誘導加熱コイル29を平面的に見た概略図である。図4では誘導加熱コイル29を構成するリッツ線28は記載を省略している。本実施形態では、誘導加熱コイル29を巻芯方向(軸方向)から見たときの巻き幅を、誘導加熱コイル29の長手方向中央部の巻き幅Wcから長手方向両端部に向けて徐々に広くしている。そして最大通紙幅Rの内側直近の巻き幅Wpを最大としている。さらに、最大通紙幅Rから長手方向両端部に向けて逆に巻き幅を狭くしていき、長手方向両端部での巻き幅Weは長手方向中央部の巻き幅Wcに比べて同等以下となるようにしている。即ち、巻き幅Wc、Wp、Weの関係は以下の式(1)のようになっている。
We≦Wc<Wp ・・・(1)
次に、誘導加熱コイル29の作製方法について説明する。先ず、リッツ線28が巻き取られたリール(図示せず)からリッツ線28を繰り出してコイルボビン27の巻芯部31に沿わせ、巻き始め側の先端が所定の長さだけコイルボビン27から突出するようにセットする。次いで、リッツ線28に所定の張力を掛けつつ、巻芯部31に所定回数(例えば10回)だけ巻回する。
図5は、誘導加熱ベルト21、定着ローラー22、及び誘導加熱部25の、誘導加熱コイル29の巻き幅Wp部分における側面断面図(図3のBB′矢視断面図)であり、図6は、誘導加熱コイル29の巻き幅Wp部分におけるリッツ線28の巻き付け状態を示す部分斜視図である。図2及び図5に示すように、巻芯部31には最大通紙幅Rに対向する部分に段差部31aが形成されているため、誘導加熱コイル29の長手方向中央部から最大通紙領域までの範囲においては、2段に分けられたリッツ線28が幅方向にずれた状態で巻き付けられる。
ここで、巻芯部31の最大通紙幅Rに対応する領域の、長手方向における内側直近に形成される段差部31a(図5参照)は、巻芯部31の長手方向中央部に形成される段差部31a(図2参照)よりも段差が大きくなっている。そのため、図6に示すように、コイルボビン27の表面に当接する1段目のリッツ線28aは、巻芯部31の長手方向に沿って直線状に巻き付けられるのに対し、1段目のリッツ線28aに重なる2段目のリッツ線28bは、長手方向中央部側(図6の左側)から最大通紙幅Rの内側直近(図6の右側)に向かってずれ幅が徐々に大きくなるように、周方向外側へ屈曲した形状で巻き付けられる。これにより、誘導加熱コイル29の巻き幅WpはWcに比べて広くなっている。
図7は、誘導加熱ベルト21、定着ローラー22、及び誘導加熱部25の、誘導加熱コイル29の巻き幅We部分における側面断面図(図3のCC′矢視断面図)である。図7に示すように、巻芯部31には最大通紙幅Rから長手方向端部に向かう部分に段差部31aが形成されていない。そのため、2段に分けられたリッツ線28は幅方向にずれることなく重なり合うように巻き付けられ、誘導加熱コイル29の長手方向両端部での巻き幅WeはWc、Wpに比べて狭くなっている。
上述したように、リッツ線28は既に巻き付けられたリッツ線28に沿って巻芯部31の径方向内側から外側に向かって順次整列して巻き付けられ、コイルボビン27に沿って断面円弧状の誘導加熱コイル29が巻き上げられる。そして、巻き上げられた誘導加熱コイル29が緩まないように保持しながら、リッツ線28のリール側を所定の長さだけコイルボビン27から突出するように切断することにより、リッツ線28の巻き始め側、及び巻き終わり側の両端がコイルボビン27から突出した状態となる。このリッツ線28の両端には端子を取り付けておく。
この状態で、リッツ線28の両端に取り付けられた端子を介して誘導加熱コイル29に電流を流すと、リッツ線28が自己発熱することによって表面の融着層が溶融する。そして、一定時間経過後に電流を遮断して誘導加熱コイル29を冷却することにより、融着層が再び固化して誘導加熱コイル29の形状が固定される。
誘導加熱コイル29の巻き幅を増加させると、加熱ベルト21に対向する誘導加熱コイル29の面積が増加する。そのため、誘導加熱コイル29によって発生した磁束が加熱ベルト21を通過する面積も大きくなり、加熱ベルト21の発熱量は増加する。本実施形態では、最大通紙幅Rの内側直近の誘導加熱コイル29の巻き幅Wpを最大にすることで、加熱ベルト21の通紙領域では発熱量が増加する一方、加熱ベルト21の非通紙領域では長手方向端部に向かってコイル幅が狭くなるため発熱量は減少する。
従って、加熱ベルト21の最大通紙幅R全域を効率良く加熱するとともに均一な発熱量分布を実現しつつ、非通紙領域の発熱を抑制できるため、定着温度ムラの発生やエネルギーのロスを効果的に低減することができる。また、過剰な発熱によって破損し易い加熱ベルト21の幅方向端部の破損を防止することができ、加熱ベルト21の長寿命化にも寄与する。さらに、誘導加熱コイル29の両端部近傍にコア材(センターコア)を配置する必要がないため、誘導加熱部25の構成が簡素化され、定着装置13の低コスト化にも繋がる。
また、誘導加熱コイル29の長手方向両端部での巻き幅Weを、長手方向中央部の巻き幅Wcよりも狭くすることで、加熱ベルト21の幅方向端部の発熱をより一層抑制することができる。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態で示した加熱ベルト21、加圧ローラー23等の構成は好ましい一例であり、本発明の目的を達成可能な他の構成を採用することもできる。また、上記実施形態では、誘導加熱部25により加熱ベルト21の誘導発熱層を加熱するベルト定着方式の定着装置13について説明したが、加熱ベルト21に代えて誘導発熱層を有する加熱ローラーを設けた熱ローラー定着方式の定着装置にも同様に適用可能である。
また、誘導加熱部25を備えた本発明の定着装置13は、図1に示したタンデム式のカラープリンターに限らず、デジタル複合機やカラー複写機、アナログ方式のモノクロ複写機、或いはモノクロプリンターやファクシミリ等の、電子写真プロセスを用いた種々の画像形成装置に適用できる。以下、実施例により本発明の効果を更に詳細に説明する。
図2に示したベルト定着方式の定着装置13を用いて、加熱ベルト21の幅方向における温度分布を測定した。コイルボビン27の巻芯部31に段差部31aを形成し、長手方向中央部から150mm(最大通紙幅)までの範囲で2段目のリッツ線28bを周方向外側へ屈曲した形状で巻き付けて、図4に示したような誘導加熱コイル29を形成したものを本実施例1とした。この屈曲部の頂点は長手方向中央部から120mmの位置とした。誘導加熱コイル29の巻き幅は、長手方向中央部の巻き幅Wcを15mm、屈曲部の頂点(最大通紙幅の内側直近)の巻き幅Wpを19mm、長手方向中央部から160mm(長手方向両端部)での巻き幅Weを14mmとした。また、誘導加熱コイル29のターン部29b(図3参照)の内面間の幅は330mm、誘導加熱コイル29の直線部29a(図3参照)の内側面の幅は10mmとした。
また、コイルボビン27の巻芯部31に段差部31aを形成せず、コイルの巻き幅Wc、Wp、Weが全て15mmである誘導加熱コイル29を形成したものを比較例1とし、比較例1の誘導加熱コイル29の長手方向両端部に磁性体コア(センターコア)を配置したものを比較例2とした。そして、本実施例1、比較例1及び2の定着装置の誘導加熱コイル29に通電したときの加熱ベルト21の幅方向における表面温度分布を測定した。結果を図8に示す。
図8から明らかなように、誘導加熱コイル29の長手方向中央部の巻き幅Wcから徐々に広くして最大通紙幅の内側直近の巻き幅Wpを最大とし、長手方向両端部の巻き幅Weを巻き幅Wcよりも狭くした本実施例1の定着装置(図8の実線で表示)では、最大通紙幅の両端部まで加熱ベルト21の表面温度は約180℃に保持されており、通紙幅全域に亘って表面温度が略均一となっていた。また、最大通紙幅よりも外側の領域では加熱ベルト21の表面温度が160℃付近まで低下しており、非通紙領域における不要な発熱も抑えられていた。
これに対し、誘導加熱コイル29の巻き幅が一定である比較例1の定着装置(図8の破線で表示)では、最大通紙幅の両端部において加熱ベルト21の表面温度が約160℃に低下しており、定着不良が発生するおそれがあった。また、長手方向端部に磁性体コアを追加した点以外は比較例1と同様の構成とした比較例2の定着装置(図8の点線で表示)では、通紙幅全域に亘って加熱ベルト21の表面温度が185℃に保持されていたが、最大通紙幅よりも外側の領域においても表面温度が180℃付近と高く、非通紙領域における不要な発熱が発生していた。
図2に示したベルト定着方式の定着装置13を用いて、加熱ベルト21の幅方向端部における発熱量を測定した。コイルボビン27の巻芯部31に段差部31aを形成し、誘導加熱コイル29の長手方向中央部の巻き幅Wcを16mm、屈曲部の頂点近傍(135mm〜145mm)の巻き幅Wpを20mm、長手方向中央部から160mm(長手方向両端部)での巻き幅Weを16mmとしたものを本実施例2とした。そして、誘導加熱コイル29に通電したときの加熱ベルト21の幅方向端部における発熱量を測定した。
また、誘導加熱コイル29の巻き幅Wc、Wp、Weが全て15mmである比較例1の定着装置と、最大通紙幅(長手方向中央部から150mm)から長手方向両端部までの誘導加熱コイル29の巻き幅Weが19mmである比較例3の定着装置についても同様に加熱ベルト21の幅方向端部における発熱量を測定した。結果を図9に示す。なお、図9では加熱ベルト21の幅方向中央部から一方の端部までの発熱量を図示しているが、他方の端部までの発熱量についても全く同様の挙動を示した。
図9から明らかなように、誘導加熱コイル29の幅を長手方向中央部の巻き幅Wcから徐々に広くして最大通紙幅の内側直近の巻き幅Wpを最大とし、長手方向両端部の巻き幅Weを巻き幅Wcよりも狭くした本実施例2の定着装置(図9の実線で表示)では、最大通紙幅の両端部まで加熱ベルト21の発熱量が約6.5Wであり、通紙幅全域に亘って6.5〜7.5Wの発熱量が保持されていた。また、加熱ベルト21の幅方向端部での発熱量も7.6Wに抑えられており、非通紙領域における不要な発熱も抑えられていた。
これに対し、誘導加熱コイル29の巻き幅が一定である比較例1の定着装置(図9の破線で表示)では、最大通紙幅の両端部において加熱ベルト21の発熱量が約6Wに低下した。また、長手方向端部の巻き幅Weを広くした比較例3の定着装置(図9の一点鎖線で表示)では、通紙幅全域に亘って発熱量が6.5W以上に保持されていたが、加熱ベルト21の幅方向端部での発熱量が8Wと高く、非通紙領域における不要な発熱が発生していた。また、発熱によって加熱ベルト21の幅方向端部が破損するおそれもあった。
本発明は、誘導加熱部を備えた誘導加熱方式の定着装置に利用可能である。本発明の利用により、通紙幅全域に亘って加熱部材の表面温度を略均一に保持することで定着性能を維持しつつ、非通紙領域における加熱部材の不要な発熱を抑えることでエネルギーのロスも少ない定着装置を提供することができる。
13 定着装置
21 加熱ベルト(加熱部材)
22 定着ローラー
23 加圧ローラー
25 誘導加熱部
27 コイルボビン
28 リッツ線
28a リッツ線(1段目)
28b リッツ線(2段目)
29 誘導加熱コイル
29a 直線部
29b ターン部
30a アーチコア
30b サイドコア
31 巻芯部
31a 段差部
100 カラープリンター(画像形成装置)

Claims (5)

  1. 記録媒体の搬送速度と略等速で回動可能な加熱部材と、
    該加熱部材に所定の圧力で当接する加圧部材と、
    前記加熱部材の外周面に沿って配置される誘導加熱コイルに電流を流して磁束を発生させ、該磁束によって前記加熱部材に設けられた誘導発熱層を加熱する誘導加熱部と、
    を備え、前記加熱部材と前記加圧部材により形成された定着ニップ部に記録媒体を挿通させて記録媒体上に担持された未定着トナー像を定着する定着装置において、
    前記誘導加熱コイルは、リッツ線を2段に分けて所定回数巻回して形成され、1段目の前記リッツ線と2段目の前記リッツ線との段差部が、前記誘導加熱コイルを軸方向から見たときの長手方向中央部から記録媒体の最大挿通幅の内側直近に向かってずれ幅が大きくなるように巻き付けられ、記録媒体の最大挿通幅から長手方向端部に向かってずれ幅が小さくなるように巻き付けられており、
    前記誘導加熱コイルを軸方向から見たときの長手方向中央部の径方向内側から外側までの巻き幅をWc、記録媒体の最大挿通幅の内側直近の径方向内側から外側までの巻き幅をWp、長手方向両端部の径方向内側から外側までの巻き幅をWeとするとき、以下の式(1)を満たすことを特徴とする定着装置。
    We≦Wc<Wp ・・・(1)
  2. 前記誘導加熱コイルは、記録媒体の最大挿通幅から長手方向端部に向かう部分では1段目の前記リッツ線と2段目の前記リッツ線とがずれることなく重なり合うように巻き付けられており、
    前記誘導加熱コイルの長手方向両端部の径方向内側から外側までの巻き幅Weが、長手方向中央部の径方向内側から外側までの巻き幅Wcよりも狭いことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記誘導加熱部は、リッツ線を複数回巻き付けて前記誘導加熱コイルを形成する巻芯部が設けられたコイルボビンを有し、前記巻芯部に形成された段差部に沿って前記リッツ線を巻き付けることで前記誘導加熱コイルの巻き幅を変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記加熱部材は、無端状の加熱ベルトであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の定着装置を備えた画像形成装置。
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