JP6527444B2 - 超音波探傷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車軸を超音波探傷する超音波探傷装置に関する。特に、本発明は、短時間で適正に校正可能な超音波探傷装置に関する。
従来、レール上を搬送される輪軸の車軸を所定の停止位置で探傷するために、超音波探傷装置が用いられている。超音波探傷装置は、超音波探傷装置が備える超音波探触子から車軸に対して超音波を送受信し、車軸に存在するきずからのエコーを検出して探傷するものである。超音波探傷装置は、例えば、超音波探傷装置に内蔵された校正片に対して超音波探触子から超音波を送受信し、その校正片からの底面エコーの強度が予め定めた一定値となるように探傷感度(エコー強度の増幅率)を調整することで校正される。校正片は、一般的に、探傷される車軸に比べて十分小さく、また、形状も車軸とは異なる円柱形状や直方体形状である場合が多い。このため、校正片を用いて校正した場合、実際の被探傷材である車軸に対して超音波を送受信した場合とは超音波の伝搬時間や伝搬経路が異なることになる。従って、車軸に対する探傷精度を高める上では、実際に探傷される車軸と同種の校正用サンプルを用いて校正する方が好ましいと考えられる。
実際に探傷される被探傷材と同様の校正用サンプルを用いて校正を行う超音波探傷装置として、例えば、特許文献1に記載の超音波探傷装置が提案されている。特許文献1に記載の超音波探傷装置は、搬送路で搬送される被探傷材としてのスパイラルパイプを探傷するものであり、搬送路外に配置された校正用スパイラルパイプを備えている。この特許文献1に記載の超音波探傷装置では、校正する際、搬送路から超音波探触子を上昇させ、超音波探触子を搬送路外に配置された校正用スパイラルパイプの位置まで水平に移動させ、さらに超音波探触子を下降させ、その校正用スパイラルパイプに対して超音波探触子で超音波を送受信して校正する。そして、校正後に、搬送路に超音波探触子を移動させて、スパイラルパイプを探傷する。このように、特許文献1に記載の超音波探傷装置は、校正の際、被探傷材であるスパイラルパイプと同様の大きさ、形状の校正用スパイラルパイプに対して超音波を送受信するため、超音波の伝搬時間や伝搬経路が被探傷材に対して超音波を送受信した場合と同様になり、適正な校正が期待できる。
しかしながら、特許文献1に記載の超音波探傷装置は、前述のように、校正する際、搬送路外の校正用スパイラルパイプが配置された位置まで超音波探触子を移動させる必要がある。このため、探触子を移動させるのに時間が掛かり、校正片を用いた場合に比べて、校正に要する時間が長くなるという問題がある。
特公昭62−36536号公報
本発明は、従来の超音波探傷装置における上記問題点に鑑み、短時間で適正に校正可能な超音波探傷装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは、特許文献1のように超音波探触子を搬送路の外に移動させるのではなく、校正用サンプルとしての校正用車軸を用意し、校正の際に、この校正用車軸を搬送路に搬入して校正を行うことを検討した。しかしながら、搬送路外から校正用車軸を搬入すること自体に時間が掛かると共に、搬送路において超音波探触子から超音波を送受信可能な位置である所定の停止位置に校正用車軸を搬入するには、停止位置にある被探傷材である輪軸をよける必要がある。このため、校正片を用いて校正を行うのに比べ、適正な校正が可能であるものの、校正に要する時間が長くなる。
以上のことを踏まえて、本発明者らは、さらに検討し、本発明を完成した。
すなわち、前記課題を解決するため、本発明は、水平に敷設されたレール上を搬送される輪軸の被探傷車軸を所定の停止位置で探傷する超音波探傷装置であって、前記輪軸の搬送を妨げない位置に配置され、前記停止位置で停止した輪軸の被探傷車軸に対して超音波を送受信可能な超音波探触子と、前記超音波探触子を上下方向に移動させる移動手段と、前記停止位置で停止する輪軸の上方又は下方であって前記輪軸の搬送を妨げない位置に配置された校正用車軸と、前記超音波探触子からの超音波の送受信と、前記移動手段の動作とを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記被探傷車軸を探傷する際には、前記移動手段によって前記超音波探触子を前記被探傷車軸に対して超音波を送受信可能な位置に位置決めし、前記超音波探触子から前記被探傷車軸に対して超音波を送受信させ、前記校正用車軸を用いて校正する際には、前記移動手段によって前記超音波探触子を前記校正用車軸に対して超音波を送受信可能な位置に位置決めし、前記超音波探触子から前記校正用車軸に対して超音波を送受信させることを特徴とする超音波探傷装置を提供する。
本発明によれば、校正用車軸を用いて校正を行うため、実際に探傷される被探傷車軸と同様に車軸で校正を行うことになる。このため、校正の際に校正用車軸に対して送受信される超音波の伝搬時間や伝搬経路を、実際に探傷される被探傷車軸に対して送受信される超音波の伝搬時間や伝搬経路と同様にすることができ、適正な校正が可能である。
また、本発明によれば、校正用車軸は輪軸の上方又は下方であって輪軸の搬送を妨げない位置に配置されており、超音波探触子は輪軸の搬送を妨げない位置に配置され、移動手段により上下方向に移動可能である。そして、制御手段は、校正用車軸を用いて校正する際、移動手段によって超音波探触子を校正用車軸に対して超音波を送受信可能な位置に位置決めする。このため、校正の際には、超音波探触子を上下方向に移動させるのみでよいため、校正の際に超音波探触子を水平方向と上下方向の両方に移動させる必要がある特許文献1に記載の超音波探傷装置に比べ、校正時間を短縮可能である。また、校正用車軸をレール上に搬送したり、被探傷車軸をよける必要がないという点でも校正時間を短くすることが可能である。
好ましくは、前記超音波探触子は、前記被探傷車軸を探傷する際には、前記被探傷車軸の軸方向に沿うように位置決めされ、前記校正用車軸を用いて校正する際には、前記校正用車軸の軸方向に沿うように位置決めされる。
上記の好ましい構成によれば、中実の被探傷車軸及び校正用車軸に対し、軸端部から超音波を送受信可能である。また、被探傷車軸及び校正用車軸が中空の車軸(中ぐり車軸)である場合でも、超音波探触子を中空部に進退させることで、被探傷車軸及び校正用車軸に対し超音波を送受信可能である。
好ましくは、前記校正用車軸は、前記レールが敷設された床面に形成された凹所に設置される。
上記の好ましい構成によれば、レールが敷設された床面より下方に形成された凹所に校正用車軸が設置される。このため、床面を超えて校正用車軸が突出せず、例えばその凹所に蓋をすることで、床面を歩行する作業者が校正用車軸につまずいたりすることもない。また、凹所の蓋を超音波探触子の上下方向の移動を妨げない形状にすれば蓋を開けることなく校正できる。ただし、蓋が超音波探触子の上下方向の移動を妨げてしまうような形状でも、校正時には蓋を開けて、超音波探触子を移動させればよい。
このように、校正用車軸を床面より下方に形成された凹所に設置することで、校正用車軸を輪軸の上方に配置する場合のように校正用車軸の落下のおそれもなく、また、凹所に蓋をすることで、つまずいたりすることもないため、安全に作業できる。
好ましくは、本発明に係る超音波探傷装置は、前記輪軸を前記停止位置で停止させて位置決めする位置決め手段を更に備える。
上記の好ましい構成によれば、レール上を搬送される輪軸をより確実に所定の停止位置に停止させることが可能である。複数の輪軸が連続的に搬送されることでレール上の停止位置の前後に輪軸が詰まっている場合などは、位置決め手段が無くても前後の輪軸がストッパーとなり、探傷する輪軸を停止位置に停止させることが可能な状態となることも考えられる。しかしながら、上記の好ましい構成のように位置決め手段を備えれば、レール上を単独で輪軸が搬送されてきた場合でも確実に輪軸を停止位置に停止させることができる。
本発明によれば、車軸を超音波探傷する超音波探傷装置であって、短時間で適正に校正可能な超音波探傷装置を提供することが可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波探傷装置の概略構成を示す正面図である。 図2は、図1に示す超音波探傷装置の概略構成を示す平面図である。 図3は、校正用車軸の設置態様を説明する図である。 図4は、図2に示すIV―IV矢視断面図である。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態に係る超音波探傷装置について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る超音波探傷装置の概略構成を示す正面図である。図1は、輪軸の被探傷車軸が所定の停止位置に停止した状態を示している。図2は、図1に示す超音波探傷装置の概略構成を示す平面図である。図2においては、図1に示す制御手段の図示を省略している。また、図2においては、凹所の底面に相当する部分にハッチングを施しており、蓋がされた凹所の外縁を破線で示している。なお、説明の便宜上、各図に示す各部品の寸法や縮尺比は、実際の場合とは異なる場合がある。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る超音波探傷装置100は、水平に敷設されたレールR上を搬送される輪軸WAの被探傷車軸Aを所定の停止位置で探傷するように構成されている。
本実施形態では、床面Fに凹所Dが形成されており、凹所Dに架け渡された状態でレールRが敷設されている。そして、超音波探傷装置100は、図2に示す白抜き矢符の方向(図1においては紙面に垂直な奥行方向)に搬送され、レールR上の所定の停止位置で停止した輪軸WAの被探傷車軸Aを探傷可能な位置に配置されている。凹所Dには、超音波探触子1の上下方向への移動を妨げないように蓋Cがされている。
なお、本明細書において、「後側」は、輪軸WAの搬送方向の上流側を意味し、「前側」は、輪軸WAの搬送の方向の下流側を意味する。また、「左右」は、レールR上を輪軸WAが搬送される方向に対して垂直で且つ水平な方向を意味する。以下、超音波探傷装置100の構成について説明する。
<<1.超音波探傷装置の構成>>
本実施形態に係る超音波探傷装置100は、超音波探触子1と、移動手段2と、校正用車軸3と、制御手段4とを備える。また、本実施形態に係る超音波探傷装置100は、好ましい構成として、位置決め手段5と、進退機構6と、検芯アーム機構7とを備える。以下、超音波探傷装置100が備える各構成要素について順次説明する。なお、本実施形態に係る超音波探傷装置100は、超音波探触子1、移動手段2、位置決め手段5、進退機構6及び検芯アーム機構7を、一対のレールRの左右両側にそれぞれ一組ずつ備えており、左右の各構成要素は同様の構成である。したがって、以下の説明では、特に断りが無い限り、左右の一方側に位置する構成要素についてのみ説明する。
<1−1.移動手段>
移動手段2は、超音波探触子1を上下方向に移動させるように構成されている。移動手段2は、停止した輪軸WAの被探傷車軸Aに対して超音波を送受信可能な位置と校正用車軸に対して超音波を送受信可能な位置とにそれぞれ超音波探触子1を移動可能とするものである。
具体的には、本実施形態の移動手段2は、上流側支柱21uと、下流側支柱21dと、モータ22と、昇降軸23と、案内軸24と、ステージ25とを具備する。
上流側支柱21u及び下流側支柱21dは、それぞれレールRに対して左右方向外側の位置において、一対ずつ凹所Dの底面に立設されている。上流側支柱21uと下流側支柱21dとは、輪軸WAの搬送方向に平行な方向に並設されている。上流側支柱21uは、下流側支柱21d対して輪軸WAの搬送方向の上流側(図1においては紙面手前側、図2においては紙面の下側)に位置している。
昇降軸23は、上下方向に延びており、上流側支柱21uに対して左右方向外側に取り付けられている。昇降軸23は、モータ22によって軸周りに回転する。昇降軸23としては、例えばボールねじが用いられる。
案内軸24は、上下方向に延びており、下流側支柱21dに対して左右方向外側に取り付けられている。案内軸24としては、例えば、断面円形の棒状部材が用いられる。
ステージ25には、超音波探触子1が取り付けられ、超音波探触子1が取り付けられた状態で上下方向に移動する。ステージ25は、図1に示すように正面視L字状であり、図2に示すように平面視矩形状である。ステージ25の正面視L字状の上下方向に延設されている部分には、昇降軸23のねじに螺合するねじが形成された昇降軸受孔25aと、案内軸24が挿通する案内軸受孔とが上下方向に貫通するように形成されている。案内軸受孔は、案内軸24の軸方向の動きを妨げない程度に、案内軸24の直径よりも僅かに大きく形成されている。そして、ステージ25は、正面視L字状の左右方向に延設されている部分がレールR側と反対側に位置するように、昇降軸受孔25aに昇降軸23が螺入されると共に、案内軸受孔に案内軸24が挿通されている。なお、ステージ25のL字状の上下方向に延設されている部分は、昇降軸受孔25aと案内軸受孔とが形成されている部分を除き、後述する超音波探触子1の左右方向(被探傷車軸Aの軸方向及び校正用車軸3の軸方向)への進退を妨げないように、切り欠かれた状態となっている。
上記の構成により、移動手段2は、超音波探触子1を上下方向に移動させることが可能である。
具体的には、移動手段2は、モータ22により昇降軸23を回転させることで、昇降軸23が螺入された昇降軸受孔25aを有するステージ25を昇降軸23の軸方向(上下方向)に移動させる。このとき、ステージ25の案内軸受孔に案内軸24が挿通されているため、ステージ25は、昇降軸23の回転動作に同期して回転することがなく、そのまま上下方向に移動する。ステージ25には超音波探触子1が取り付けられるため、移動手段2は、ステージ25を上下方向に移動させることで、超音波探触子1を上下方向(図1の矢符V1の方向)に移動させる。前述のように、ステージ25は、回転せずに上下方向に移動するため、ステージ25に取り付けられた超音波探触子も回転することなく上下方向に移動することになる。
なお、本実施形態では、ボールねじを用いた移動手段2でステージ25(ひいては超音波探触子1)を上下方向に移動させているが、本発明の移動手段2としては、何らこれに限るものではない。移動手段2としては、ラックギアとピニオンギアの組み合わせなど、超音波探触子1を上下方向に移動させることができる限りにおいて、種々の構成を採用可能である。
<1−2.超音波探触子及び進退機構>
超音波探触子1は、輪軸WAの搬送を妨げない位置に配置され、停止した輪軸WAの被探傷車軸Aに対して超音波を送受信可能に構成されている。また、好ましい構成として、本実施形態の超音波探傷装置100は、進退機構6を備えている。本実施形態の超音波探触子1は、超音波の送受信面側をレールR側(被探傷車軸A側)に向けた状態で、進退機構6を介して、移動手段2のステージ25に取り付けられている。
進退機構6は、被探傷車軸A及び校正用車軸3に対して超音波探触子1を進退させるように構成されている。進退機構6は、例えば、超音波探触子1を被探傷車軸A及び校正用車軸3に対して進退可能なエアシリンダから構成される。エアシリンダから構成された進退機構6は、ステージ25上で、エアシリンダを進動させるためのシリンダ室に圧縮空気が供給され、輪軸WAの被探傷車軸Aの軸方向及び校正用車軸3の軸方向に超音波探触子1を進動させる。そして、進退機構6は、供給された圧縮空気の圧力により、一定の付勢力を維持しつつ超音波探触子1を被探傷車軸A及び校正用車軸3に当接させる。このように、正常に超音波探触子1が被探傷車軸A及び校正用車軸3に当接した場合、エアシリンダは、進動の限界位置(出限)に到達することなく、進動が止まった状態となる。なお、何らかの異常で超音波探触子1が被探傷車軸A及び校正用車軸3に当接しないで進動し続けた場合、エアシリンダは出限に到達する。この場合、例えば、エアシリンダの出限にセンサを設け、エアシリンダが出限に到達したことを検出することにより、進動した超音波探触子1が被探傷車軸A及び校正用車軸3に当接していないと判断すればよい。このようにして、進動した超音波探触子1が被探傷車軸A及び校正用車軸3に当接していないことを判断し、例えば、その後の探傷及び校正を一旦停止し、アラームを鳴らしてオペレータに異常を伝えるようにしてもよい。
そして、超音波探触子1を退動させる場合には、エアシリンダを退動させるためのシリンダ室に圧縮空気が供給されることで、輪軸WAの被探傷車軸Aの軸方向及び校正用車軸3の軸方向に超音波探触子1を退動させる。
なお、本実施形態では、進退機構6としてエアシリンダを用いているが、これに限られるものではなく、進退機構6として油圧シリンダ、1軸ステージなど、超音波探触子1を被探傷車軸A及び校正用車軸3に対して進退させることができる限りにおいて、種々の構成を採用可能である。
超音波探触子1としては、例えば、被探傷車軸Aの軸周りに回転可能とされた単一の斜角探傷用の超音波探触子が用いられる。
超音波探触子1は、輪軸WAの被探傷車軸Aに対して超音波を送受信する際には、進退機構6により被探傷車軸Aに向かって(図1の矢符H1の向きに)進動し、被探傷車軸Aの軸方向端面に当接する。被探傷車軸Aに当接した超音波探触子1は、回転しながら超音波を被探傷車軸Aに送受信することで、被探傷車軸Aの全周に亘る斜角探傷を行う。
なお、本実施形態では、超音波探触子1が被探傷車軸A及び校正用車軸3に当接したことを検出していないが、これに限られず、当接したことを検出するセンサを進退機構6に追加して、超音波探触子1が被探傷車軸Aに当接したことを検出してもよい。そして、超音波探触子1が被探傷車軸A及び校正用車軸3に当接した状態を検出し、例えば、供給する圧縮空気の量を制限して超音波探触子1への付勢を弱めることで、探傷時及び校正時の超音波探触子1と被探傷車軸A及び校正用車軸3との当接面の摩耗を低減出来ることが期待できる。
超音波探触子1が被探傷車軸Aに当接したことを検出するには、例えば、圧力センサや接触センサなど公知のセンサを適宜適用可能である。圧力センサを用いる場合には、超音波探触子1が被探傷車軸Aに当接することに起因した圧力の増加を圧力センサで検出することで、超音波探触子1が被探傷車軸Aに当接したことを検出可能である。また、接触センサを用いる場合には、接触センサの接触面と超音波探触子1の超音波送受信面とが同一面内に位置するように接触センサを取り付け、接触センサの接触面が被探傷車軸Aに接触(当接)したことを接触センサで検出することで、超音波探触子1が被探傷車軸Aに当接したことを検出可能である。制御手段4は、上記のようなセンサから超音波探触子1が被探傷車軸Aに当接したことを示す検出信号を受信した場合、進退機構6を制御して、超音波探触子1の進動を停止させる。
また、超音波探触子1としては、単数に限るものではなく、複数の超音波探触子を用いることも可能である。例えば、超音波の入射角が互いに異なる複数の斜角探傷用の超音波探触子を環状に配置し、この複数の超音波探触子を被探傷車軸Aの軸周りに回転可能にしたものを用いることが可能である。複数の超音波探触子は入射角が互いに異なるため、各超音波探触子を被探傷車軸Aの軸方向端面に当接させ、回転させながら被探傷車軸Aに対して超音波を送受信させることで、被探傷車軸Aの軸方向について異なる複数の位置で全周に亘る斜角探傷が可能である。
本実施形態では、超音波探触子1は、被探傷車軸Aを探傷する際には、被探傷車軸Aの軸方向に沿うように位置決めされ、校正用車軸3を用いて校正する際には、校正用車軸3の軸方向に沿うように位置決めされる。
上記の構成により、中実の被探傷車軸A及び校正用車軸3に対し、軸端部(軸方向端面)から超音波を送受信可能である。図1に示すように、超音波探触子1は、被探傷車軸Aを探傷する際には、被探傷車軸Aの軸方向に沿うように位置決めされ、前述のように、超音波探触子1は、進退機構6によって被探傷車軸Aの軸端部(軸方向端面)に当接し、超音波を被探傷車軸Aに対して送受信する。
また、例えば、被探傷車軸A及び校正用車軸3がそれぞれ中空の車軸(中ぐり車軸)である場合でも、超音波探触子1を中空部に進退させることで、被探傷車軸A及び校正用車軸3に対し超音波を送受信可能である。ただし、この場合の超音波探触子1は、被探傷車軸A及び校正用車軸3の内面から外面に向けて超音波を送受信可能な構成にする必要がある。
なお、本実施形態では、好ましい構成として、進退機構6を用いて超音波探触子1を被探傷車軸A及び校正用車軸3に対して進退させているが、超音波探触子1を被探傷車軸A及び校正用車軸3に対して進退させることは必ずしも必要ではない。超音波探触子1を被探傷車軸A及び校正用車軸3に対して進退させなくても、被探傷車軸A及び校正用車軸3に対して超音波探触子1から超音波を送受信させることが可能であればよい。例えば、超音波探触子1と被探傷車軸A及び校正用車軸3の各軸方向端面との隙間に接触媒質を充填する機構を設ければ、進退機構6を設けないことで超音波探触子1と被探傷車軸A及び校正用車軸3の各軸方向端面との間に一定以上の隙間が生じるとしても、超音波を送受信させることが可能である。
<1−3.校正用車軸>
校正用車軸3は、停止位置で停止する輪軸WAの上方又は下方であって輪軸WAの搬送を妨げない位置に配置されている。本実施形態の校正用車軸3は、輪軸WAの下方であって輪軸WAの搬送を妨げない位置に設置されている。具体的には、校正用車軸3は、レールRが敷設された床面Fに形成された凹所Dに設置されている。具体的には、本実施形態の校正用車軸3は、レールRが敷設された床面Fに形成された凹所Dの底面に設置された支持部Sに載置されている。凹所Dは、校正用車軸3を凹所Dに設置した場合に、校正用車軸3が床面Fを超えて上方に突出しない深さに形成されている。
このため、床面Fを超えて校正用車軸3が突出せず、その凹所Dに蓋Cをすることで、床面Fを歩行する作業者が校正用車軸3につまずいたりすることもない。また、図2に示すように、本実施形態では、凹所Dの蓋Cが超音波探触子1の上下方向の移動を妨げない形状になっているため、蓋Cを開けることなく校正可能である。仮に、蓋Cが超音波探触子1の上下方向の移動を妨げてしまうような形状でも、校正時には蓋Cを開けて、超音波探触子1を移動させればよい。
このように、校正用車軸3を床面Fより下方に形成された凹所Dに設置することで、校正用車軸3を輪軸WAの上方に配置する場合のように校正用車軸3の落下のおそれもなく、また、凹所Dに蓋Cをすることで、つまずいたりすることもないため、安全に作業できるという利点がある。
校正用車軸3は、実際に探傷される被探傷車軸Aと同様の構成を有する車軸である。このため、校正の際に校正用車軸3に対して送受信される超音波の伝搬時間や伝搬経路が、実際に探傷される被探傷車軸Aに対して送受信される超音波の伝搬時間や伝搬経路と同様になるため、適正な校正が可能である。
好ましくは、校正用車軸3には、予め定められた寸法を有する人工きず(図示せず)が予め定められた位置に設けられる。人工きずが設けられた校正用車軸3で校正することにより、被探傷車軸Aに人工きずと同様のきずが発生している場合、確実にきずを検出することが可能である。人工きずは、例えば、放電加工によって校正用車軸3の表面に設けられる。人工きずは、校正用車軸3の軸方向の異なる位置に複数設けられていてもよいし、校正用車軸3の周方向の全周に亘って又は一部に設けられていてもよい。
次に、校正用車軸3の設置態様について説明する。
図3は、校正用車軸3の設置態様の例を説明する図である。図3(a)は、校正用車軸3が車輪Wに圧入された状態(いわゆる輪軸の状態)を示す正面図である。図3(b)は、校正用車軸3がダミーボスに圧入された状態を示す正面図である。図3(c)は、単体の校正用車軸3を示す正面図である。なお、図1に示す校正用車軸3は、図3(c)に示す態様の校正用車軸3を設置した状態を図示している。
校正用車軸3は、図3(a)に示すように、車輪Wに圧入された状態(すなわち、校正用車軸3と車輪Wとを合わせた輪軸の状態)で設置されてもよい。この場合、校正用車軸3の車輪Wに圧入された部分は、実際に探傷される輪軸WAの被探傷車軸Aの車輪Wに圧入された部分と同様の応力状態になり、この部分における超音波の伝搬挙動が近似したものとなるため、適正な校正が可能であると考えられる。しかし、車輪Wと一体化されているため、校正用車軸3のみを設置する場合に比べ、設置するのに必要なスペースが大きくなる。凹所Dに設置する場合には、より深い凹所Dが必要になるという欠点を有する。
これに対し、図3(c)に示すように、校正用車軸3のみを設置する場合、設置スペースを小さくすることができる点で好ましい。しかし、車輪Wに圧入されていない部分の応力状態が実際に探傷される輪軸WAの被探傷車軸Aの応力状態と異なるため、その点で校正精度が低下するおそれがある。
そのため、図3(b)に示すように、校正用車軸3を、車輪Wのボス部に相当するダミーボス31に圧入すれば、車輪W全体を圧入する場合(図3(a))に比べて設置スペースの増大を抑えることが可能である。また、ダミーボス部31の圧入部分の応力状態を実際に探傷される輪軸WAの被探傷車軸Aの応力状態と同様の応力状態とすることができるため、車輪W全体を圧入する場合と同等の適正な校正が可能となることが期待できる。
このように、校正用車軸3は、ダミーボス31を圧入した状態で設置することが好ましい。
なお、ダミーボス31としては、例えば、輪軸WAの組み立て前の車輪Wのボス部を加工して用いることが可能である。
なお、本実施形態では、中実の校正用車軸3を用いているが、被探傷車軸Aが中空の車軸(中ぐり車軸)であった場合には、中空の校正用車軸3を用いることが好ましい。
<1−4.位置決め手段>
図4は、図2のIV−IV矢視断面図である。図4においては、輪軸WA、レールR、校正用車軸3及び位置決め手段5を図示し、見易さの為にその他の構成要素の図示は省略している。図4(a)は輪軸WAを位置決めする前の状態を示す断面図であり、図4(b)は輪軸WAを位置決めした状態を示す断面図である。
位置決め手段5は、輪軸WAを停止位置で停止させて位置決めするように構成されている。
具体的には、本実施形態の位置決め手段5は、図1及び図2に示すように、予め決められた輪軸WAの停止位置に敷設されたレールRの下方に設置されている。図4に示すように、位置決め手段5は、左右両側のそれぞれのレールRに沿って配置された一対の昇降手段(例えば、エアシリンダ)51と、各昇降手段51の先端にそれぞれ取り付けられた係止片52とを具備する。
係止片52は、昇降手段51が進退することにより上下に移動する。係止片52は、輪軸WAが搬送される際には、図4(a)に示すように、輪軸WAの車輪Wに当たることなく、輪軸WAの搬送を妨げない。一方、輪軸WAが停止位置に到達して位置決めされる際には、図4(b)に示すように係止片52は上昇して、停止位置に到達した輪軸WAの車輪Wの下方外縁に前後で当接し、輪軸WAを確実に停止させて、その位置に位置決めする。停止位置の輪軸WAの車輪Wに前後で当接した係止片52は、それぞれの当接位置の高さが等しく、停止位置の輪軸WAの車輪Wの軸心から前方の係止片52の当接位置までの距離と停止位置の輪軸WAの車輪Wの軸心から後方の係止片52の当接位置までの距離とが等しくなるように構成されている。
このように、位置決め手段5は、レールR上を搬送される輪軸WAをより確実に所定の停止位置に停止させることが可能である。複数の輪軸WAが連続的に搬送されることでレールR上の停止位置の前後に輪軸WAが詰まっている場合などは、位置決め手段5が無くても前後の輪軸WAが係止片52と同様の機能を奏し、探傷する輪軸WAを停止位置に停止させることが可能な状態となることも考えられる。しかしながら、位置決め手段5を備えれば、レールR上を単独で輪軸WAが搬送されてきた場合でも、確実に輪軸WAを停止位置に停止させることができる。また、本実施形態の位置決め手段5は、左右両側のそれぞれのレールRに沿って配置されており、停止位置の輪軸WAの左右両側の車輪Wの外縁のそれぞれに前後で係止片が当接するため、左右両側の車輪Wを位置決め手段が左右何れか一方のみにしかない場合より確実に停止させることができる。
なお、本実施形態では、下方から係止片52を車輪Wに当接させているが、これに限られず、係止片52を上方から車輪Wの上方外縁に前後で当接させる構成を採用することも可能である。また、車輪Wの左右方向から車輪Wの前方及び後方に進動させた係止片52を車輪Wの外縁に向かって前後から当接させる構成を採用することも可能である。
また、本実施形態では、左右両側のそれぞれのレールRに位置決め手段5を設けているが、これに限られず、左右何れか一方のみにレールRに位置決め手段5を設けてもよい。左右何れか一方のみにのレールRに位置決め手段5を設けることで、左右両側のそれぞれのレールRに位置決め手段5を設ける場合に比べ、コストを低減できる。
また、本実施形態では、昇降手段51としてエアシリンダを用いているが、これに限られるものではなく、昇降手段51として油圧シリンダなど、係止片52を車輪Wに当接させることができる限りにおいて、種々の手段を採用可能である。
<1−5.検芯アーム機構>
検芯アーム機構7は、停止位置に停止した輪軸WAの車輪Wの上部の位置を検出するように構成されている。
具体的には、本実施形態の検芯アーム機構7は、移動手段2の上流側支柱21u及び下流側支柱21dに取り付けられ、レールR側に向けて延出している。検芯アーム機構7は、輪軸WAの停止位置で上下方向に移動可能なアーム71と、アーム71の先端の下側に取り付けられた接触センサ72と、アーム71に連結されたアーム昇降軸73と、アーム昇降軸73に取り付けられたアームモータ74とを具備する。
検芯アーム機構7は、移動手段2と同様に、アーム昇降軸73がアームモータ74によって軸周りに回転することで、アーム71を上下方向(図1の矢符V2の方向)に移動させる。移動させたアーム71の先端に取り付けられた接触センサ72が、停止している車輪Wの上面に接触することで車輪Wの上面を検出し、その検出信号を制御手段4に出力する。また、アームモータ74の回転軸にはロータリーエンコーダ(図示せず)が取り付けられており、ロータリーエンコーダの計測値も、制御手段4に出力される。
なお、接触センサ72としては、例えば、リミットスイッチや、マイクロスイッチを用いることができる。
また、本実施形態では、車輪Wの上面位置を検出するために接触センサを用いているが、これに限られるものではなく、車輪Wの上面位置を検出するためのセンサとして、非接触式センサである光センサや近接センサを用いることもできる。
<1−6.制御手段>
制御手段4は、超音波探触子1からの超音波の送受信と、移動手段2の動作とを制御する。また、本実施形態の制御手段4は、進退機構6の動作と、検芯アーム機構7の動作も制御するように構成されている。
具体的には、本実施形態の制御手段4は、信号処理手段41と、機構制御手段42とを具備する。
信号処理手段41は、超音波探触子からの超音波の送受信を制御する。信号処理手段41は、超音波探触子1を用いた一般的な超音波探傷装置でも慣用されているパルサー、レシーバー、増幅器、A/D変換器などを具備する。ここでは、その詳細な説明は省略する。
機構制御手段42は、移動手段2、位置決め手段5、進退機構6及び検芯アーム機構7の各動作を制御する。この機構制御手段42は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)、並びに、PLCの指示により、モータに電流を供給する電源装置や、エアシリンダに圧縮空気を提供する空気圧縮機を具備する。
なお、本実施形態の超音波探傷装置は、図1及び図2に示すように、一対のレールRの左右両側から被探傷車軸A及び校正用車軸3に対して超音波を送受信するように構成されているが、これに限られず、一対のレールRの片側のみから被探傷車軸A及び校正用車軸3に対して超音波を送受信するような構成であってもよい。
以下、超音波探傷装置100の動作について、説明する。
<<2.超音波探傷装置100の動作>>
本実施形態に係る超音波探傷装置100は、水平に敷設されたレールR上を搬送される輪軸WAの被探傷車軸Aを所定の停止位置で探傷する。また、本実施形態に係る超音波探傷装置100は、校正用車軸3を用いて校正する。以下、超音波探傷装置100での探傷動作及び校正動作について説明する。
<2−1.被探傷車軸の探傷動作>
本実施形態に係る超音波探傷装置100が探傷する被探傷車軸Aを有する輪軸WAは、レールR上を図2に示す白抜き矢符の方向に搬送される。搬送される輪軸WAは、当該輪軸WA単独で搬送される場合もあれば、連続してレールR上に詰まった状態で搬送される場合もある。輪軸WAの搬送は、例えば、輪軸WAの製造工程や検査工程全体を制御するプロセスコンピュータによって制御される。
被探傷車軸Aを探傷する際、まず位置決め手段5が、上記のようにしてレールR上を搬送されてきた輪軸WAを所定の停止位置で停止させて位置決めする。
具体的には、例えば、レールR上を搬送される輪軸WAが停止位置に到達すると、停止位置近傍に設置された近接センサ(図示せず)から機構制御手段42に到達信号が入力される。到達信号が入力された機構制御手段42は、停止位置に輪軸WAを停止させて位置決めするために、位置決め手段5を制御して、輪軸WAを停止位置で停止させて位置決めする。本実施形態では、機構制御手段42の空気圧縮機から位置決め手段5の昇降手段(エアシリンダ)51に圧縮空気が供給され、この圧縮空気の空気圧によって昇降手段51が上昇して係止片52も上昇する。この上昇した係止片52が輪軸WAの車輪Wの下方外縁に前後で当接することで、輪軸WAは停止位置に位置決めされる。なお、前後方向に設けられた一対の係止片52は同じ長さだけ上昇するように制御されるため、輪軸WAは、車輪Wの軸心(被探傷車軸Aの軸心)が前後方向について一対の係止片52の中間位置に位置するように位置決めされることになる。
図4(b)に示すように、校正用車軸3は、その軸心が前後方向について一対の係止片52の中間位置に位置するように設置されている。換言すれば、校正用車軸3は、その軸心が前後方向について被探傷車軸Aの軸心と同じ位置になるように設置されている。このため、超音波探触子1から被探傷車軸Aに対して超音波を送受信可能な位置と、超音波探触子1から校正用車軸3に対して超音波を送受信可能な位置とは、前後方向について同じ位置になる。したがって、上記のように位置決めされた輪軸WAの被探傷車軸Aに対して超音波を送受信可能な位置と、校正用車軸3に対して超音波を送受信可能な位置との間で超音波探触子1を移動させる場合、超音波探触子1を上下方向に移動させるだけでよい。
次に、停止位置に位置決めされた輪軸WAの車輪Wの上面の位置を検芯アーム機構7で検出する。以下、具体的に説明する。
検芯アーム機構7のアーム71は、通常、車輪Wの上面より上方にある所定の待機位置に停止している。機構制御手段42は、停止位置に位置決めされた輪軸WAの車輪Wの上面に向けてアーム7を待機位置から下降させるために、電源装置から検芯アーム機構7のアームモータ74に電流を供給する。機構制御手段42から供給された電流によってアームモータ74は回転し、これによりアーム昇降軸73が軸周りに回転することで、アーム71が下降する。そして、アーム71の先端の接触センサ72が輪軸WAの車輪Wの上面に接触することで車輪Wの上面を検出し、その検出信号を機構制御手段42に出力する。検出信号が入力された機構制御手段42は、アームモータ74への電流の供給を停止し、アーム71の下降を停止させる。
機構制御手段42は、入力された検出信号とアーム71の上下方向位置とに基づいて、被探傷車軸Aに対して超音波を送受信する際の超音波探触子1の上下方向位置(探傷位置)を決定する。
具体的には、機構制御手段42は、検出信号が入力された時点のアームモータ74に取り付けられたロータリーエンコーダの計測値に基づいて、アーム71の上下方向位置を算出する。例えば、機構制御手段42は、床面Fを基準としたアーム71の待機位置(上下方向位置)を予め記憶しており、その待機位置からの下降量をロータリーエンコーダの計測値から算出し、これを待機位置から減算することで、床面Fを基準としたアーム71の上下方向位置を算出する。そして、機構制御手段42は、算出したアーム71の上下方向位置の半分の値を超音波探触子1の探傷位置として決定する。
なお、本実施形態では、左右一対の検芯アーム機構7を備え、左右毎に個別にアーム71の上下方向位置を算出し、左右毎に個別に超音波探触子1の探傷位置を決定しているが、本発明はこれに限るものではなく、左右のいずれか一方にのみ検芯アーム機構7を設け、この単一の検芯アーム機構7を用いて決定した探傷位置を左右一対の超音波探触子1の双方に適用することも可能である。
また、本実施形態では、検芯アーム機構7で検出した車輪Wの上面位置に基づいて超音波探触子1の探傷位置を決定しており、探傷精度を高める上では好ましいものの、検芯アーム機構7が必ずしも必要というわけではない。例えば、検芯アーム機構7を用いなくても、搬送されてくる輪軸WAの寸法(車輪Wの寸法)に応じた超音波探触子1の探傷位置を予め機構制御手段42に記憶させておき、機構制御手段42が上位のプロセスコンピュータから搬送されてくる輪軸WAの寸法を受信して、この受信した輪軸WAの寸法に応じた探傷位置を選択するように構成することも可能である。また、搬送されてくる輪軸WAに応じた探傷位置を、作業者がキーボードなどの入力手段によって手動で入力することも可能である。
さらに、搬送されてくる輪軸WAの車輪Wの寸法が同じである場合には、その寸法に応じた探傷位置を初期設定しておけば足りる。
次に、機構制御手段42は、移動手段2によって、上記のように決定された探傷位置に超音波探触子1を位置決めする。
具体的には、例えば、移動手段2が具備するモータ22としてステッピングモータが用いられ、機構制御手段42の電源装置から、モータ22に対して、探傷位置までの超音波探触子1の移動距離に応じたパルス数のパルス電流が供給される。パルス電流が供給されたモータ22は、昇降軸23を回転させ、ステージ25に取り付けられた超音波探触子1を上下方向に移動させる。このようにして、機構制御手段42は、超音波探触子1を探傷位置に位置決めする。
最後に、制御手段4は、超音波探触子1から被探傷車軸Aに対して超音波を送受信させる。具体的には、制御手段4の信号処理手段41が、探傷位置に移動した超音波探触子1から被探傷車軸Aに対して超音波を送受信させる。超音波を送受信させる前には、前述のように、制御手段4(具体的には、機構制御手段42)が、進退機構6を制御して、超音波探触子1を被探傷車軸Aの軸方向端面に当接させる。そして、機構制御手段42は、信号処理手段41に対して、被探傷車軸Aに対して超音波を送受信させる指令信号を送信する。指令信号を受信した信号処理手段41は、超音波探触子1に超音波の送受信をさせ、これにより被探傷車軸Aの探傷が行われる。受信したエコーに基づくきず検出のロジックについては、種々の公知のロジックを適用可能であるため、ここではその詳細な説明は省略する。
<2−2.校正用車軸を用いた校正動作>
制御手段4は、校正用車軸3を用いて校正する際には、移動手段2によって超音波探触子1を校正用車軸3に対して超音波を送受信可能な位置に位置決めし、超音波探触子1から校正用車軸3に対して超音波を送受信させる。
制御手段4は、校正開始の指示信号を受信することにより、校正を開始する。校正の頻度としては、例えば、上位のプロセスコンピュータからの指示信号に基づき、1日の探傷作業の開始前毎に行うことが考えられる。
校正開始の指示信号を受信した制御手段4(具体的には、機構制御手段42)は、移動手段2を制御し、超音波探触子1を校正用車軸3に対して超音波の送受信可能な校正位置(図1において校正用車軸3の左右両側に破線で示す位置)まで上下方向(図1の矢符V1の方向)に移動させる。この校正位置は、例えば、予め機構制御手段42に記憶しておけばよい。移動手段2による超音波探触子1の移動手順は、被探傷車軸Aの探傷動作の際に超音波探傷子1を探傷位置に移動させる動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。
校正用車軸3に対して超音波を送受信可能な校正位置に位置決めされた超音波探触子1は、機構制御手段42が進退機構6を制御することで、校正用車軸3の軸方向端面に当接する。そして、信号処理手段41により、校正用車軸3に対して超音波探触子1から超音波を送受信させる。
オペレータは、信号処理手段41によって得られた校正用車軸3からのエコー信号(探傷信号)に基づいて校正を行うことが可能である。例えば、探傷信号に含まれる校正用車軸3に設けられた人工きずからのエコー強度が、予め定めた範囲(例えば、Aスコープの最大表示値の50〜60%)となるように、探傷感度(信号処理手段41が具備する増幅器の増幅率)を調整することが可能である。
以上のように、本実施形態に係る超音波探傷装置100によれば、校正の際には、超音波探触子1を上下方向に移動させるのみでよいため、校正の際に超音波探触子1を水平方向と上下方向の両方に移動させる必要がある従来の超音波探傷装置に比べ、校正時間を短縮可能である。また、校正用車軸3をレールR上に搬送したり、被探傷車軸Aをよける必要がないという点でも校正時間を短くすることが可能である。
なお、本実施形態では、上位のプロセスコンピュータからの指示信号に基づき校正動作を行うことを例示したが、これに限られるというわけではない。例えば、制御手段4が探傷回数(被探傷車軸Aの本数)を計数するカウンタを具備し、一定の探傷回数毎に校正動作を行うようにしてもよいし、作業者が校正動作の開始指示をキーボードなどの入力手段によって手動で制御手段4に入力してもよい。
100…超音波探傷装置、
1…超音波探触子、
2…移動手段、21u,21d…支柱、22…モータ、23…昇降軸、24…案内軸、
25…ステージ、25a…昇降軸受孔、
3…校正用車軸、31…ダミーボス、
4…制御手段、41…信号処理手段、42…機構制御手段、
5…位置決め手段、51…シリンダ、52…係止片、
6…進退機構、
7…検芯アーム機構、
71…アーム、72…接触センサ、73…アーム昇降軸、74…アームモータ、
F…床面、R…レール、D…凹所、C…蓋、S…支持部、
WA…輪軸、W…車輪、A…被探傷車軸、

Claims (4)

  1. 水平に敷設されたレール上を搬送される輪軸の被探傷車軸を所定の停止位置で探傷する超音波探傷装置であって、
    前記輪軸の搬送を妨げない位置に配置され、前記停止位置で停止した輪軸の被探傷車軸に対して超音波を送受信可能な超音波探触子と、
    前記超音波探触子を上下方向に移動させる移動手段と、
    前記停止位置で停止する輪軸の上方又は下方であって前記輪軸の搬送を妨げない位置に配置された校正用車軸と、
    前記超音波探触子からの超音波の送受信と、前記移動手段の動作とを制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記被探傷車軸を探傷する際には、前記移動手段によって前記超音波探触子を前記被探傷車軸に対して超音波を送受信可能な位置に位置決めし、前記超音波探触子から前記被探傷車軸に対して超音波を送受信させ、
    前記校正用車軸を用いて校正する際には、前記移動手段によって前記超音波探触子を前記校正用車軸に対して超音波を送受信可能な位置に位置決めし、前記超音波探触子から前記校正用車軸に対して超音波を送受信させることを特徴とする超音波探傷装置。
  2. 前記超音波探触子は、前記被探傷車軸を探傷する際には、前記被探傷車軸の軸方向に沿うように位置決めされ、前記校正用車軸を用いて校正する際には、前記校正用車軸の軸方向に沿うように位置決めされることを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷装置。
  3. 前記校正用車軸は、前記レールが敷設された床面に形成された凹所に設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波探傷装置。
  4. 前記輪軸を前記停止位置で停止させて位置決めする位置決め手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の超音波探傷装置。
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