JP2017075828A - 超音波探傷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の超音波探傷装置100は、水平に敷設されたレールR上を搬送される輪軸WAの被探傷車軸Aを所定の停止位置で探傷する超音波探傷装置であって、輪軸の搬送を妨げない位置に配置され、停止位置で停止した輪軸の被探傷車軸に対して超音波を送受信可能な超音波探触子1と、超音波探触子を上下方向に移動させる移動手段2と、停止位置で停止する輪軸の上方又は下方であって輪軸の搬送を妨げない位置に配置された校正用車軸3と、超音波探触子及び移動手段を制御する制御手段4とを備える。制御手段は、被探傷車軸を探傷する際には、移動手段によって超音波探触子を被探傷車軸に対して超音波を送受信可能な位置に位置決めし、校正用車軸を用いて校正する際には、移動手段によって超音波探触子を校正用車軸に対して超音波を送受信可能な位置に位置決めする。
【選択図】図1
Description
以上のことを踏まえて、本発明者らは、さらに検討し、本発明を完成した。
このように、校正用車軸を床面より下方に形成された凹所に設置することで、校正用車軸を輪軸の上方に配置する場合のように校正用車軸の落下のおそれもなく、また、凹所に蓋をすることで、つまずいたりすることもないため、安全に作業できる。
本実施形態では、床面Fに凹所Dが形成されており、凹所Dに架け渡された状態でレールRが敷設されている。そして、超音波探傷装置100は、図2に示す白抜き矢符の方向(図1においては紙面に垂直な奥行方向)に搬送され、レールR上の所定の停止位置で停止した輪軸WAの被探傷車軸Aを探傷可能な位置に配置されている。凹所Dには、超音波探触子1の上下方向への移動を妨げないように蓋Cがされている。
なお、本明細書において、「後側」は、輪軸WAの搬送方向の上流側を意味し、「前側」は、輪軸WAの搬送の方向の下流側を意味する。また、「左右」は、レールR上を輪軸WAが搬送される方向に対して垂直で且つ水平な方向を意味する。以下、超音波探傷装置100の構成について説明する。
本実施形態に係る超音波探傷装置100は、超音波探触子1と、移動手段2と、校正用車軸3と、制御手段4とを備える。また、本実施形態に係る超音波探傷装置100は、好ましい構成として、位置決め手段5と、進退機構6と、検芯アーム機構7とを備える。以下、超音波探傷装置100が備える各構成要素について順次説明する。なお、本実施形態に係る超音波探傷装置100は、超音波探触子1、移動手段2、位置決め手段5、進退機構6及び検芯アーム機構7を、一対のレールRの左右両側にそれぞれ一組ずつ備えており、左右の各構成要素は同様の構成である。したがって、以下の説明では、特に断りが無い限り、左右の一方側に位置する構成要素についてのみ説明する。
移動手段2は、超音波探触子1を上下方向に移動させるように構成されている。移動手段2は、停止した輪軸WAの被探傷車軸Aに対して超音波を送受信可能な位置と校正用車軸に対して超音波を送受信可能な位置とにそれぞれ超音波探触子1を移動可能とするものである。
具体的には、本実施形態の移動手段2は、上流側支柱21uと、下流側支柱21dと、モータ22と、昇降軸23と、案内軸24と、ステージ25とを具備する。
昇降軸23は、上下方向に延びており、上流側支柱21uに対して左右方向外側に取り付けられている。昇降軸23は、モータ22によって軸周りに回転する。昇降軸23としては、例えばボールねじが用いられる。
案内軸24は、上下方向に延びており、下流側支柱21dに対して左右方向外側に取り付けられている。案内軸24としては、例えば、断面円形の棒状部材が用いられる。
ステージ25には、超音波探触子1が取り付けられ、超音波探触子1が取り付けられた状態で上下方向に移動する。ステージ25は、図1に示すように正面視L字状であり、図2に示すように平面視矩形状である。ステージ25の正面視L字状の上下方向に延設されている部分には、昇降軸23のねじに螺合するねじが形成された昇降軸受孔25aと、案内軸24が挿通する案内軸受孔とが上下方向に貫通するように形成されている。案内軸受孔は、案内軸24の軸方向の動きを妨げない程度に、案内軸24の直径よりも僅かに大きく形成されている。そして、ステージ25は、正面視L字状の左右方向に延設されている部分がレールR側と反対側に位置するように、昇降軸受孔25aに昇降軸23が螺入されると共に、案内軸受孔に案内軸24が挿通されている。なお、ステージ25のL字状の上下方向に延設されている部分は、昇降軸受孔25aと案内軸受孔とが形成されている部分を除き、後述する超音波探触子1の左右方向(被探傷車軸Aの軸方向及び校正用車軸3の軸方向)への進退を妨げないように、切り欠かれた状態となっている。
具体的には、移動手段2は、モータ22により昇降軸23を回転させることで、昇降軸23が螺入された昇降軸受孔25aを有するステージ25を昇降軸23の軸方向(上下方向)に移動させる。このとき、ステージ25の案内軸受孔に案内軸24が挿通されているため、ステージ25は、昇降軸23の回転動作に同期して回転することがなく、そのまま上下方向に移動する。ステージ25には超音波探触子1が取り付けられるため、移動手段2は、ステージ25を上下方向に移動させることで、超音波探触子1を上下方向(図1の矢符V1の方向)に移動させる。前述のように、ステージ25は、回転せずに上下方向に移動するため、ステージ25に取り付けられた超音波探触子も回転することなく上下方向に移動することになる。
超音波探触子1は、輪軸WAの搬送を妨げない位置に配置され、停止した輪軸WAの被探傷車軸Aに対して超音波を送受信可能に構成されている。また、好ましい構成として、本実施形態の超音波探傷装置100は、進退機構6を備えている。本実施形態の超音波探触子1は、超音波の送受信面側をレールR側(被探傷車軸A側)に向けた状態で、進退機構6を介して、移動手段2のステージ25に取り付けられている。
そして、超音波探触子1を退動させる場合には、エアシリンダを退動させるためのシリンダ室に圧縮空気が供給されることで、輪軸WAの被探傷車軸Aの軸方向及び校正用車軸3の軸方向に超音波探触子1を退動させる。
なお、本実施形態では、進退機構6としてエアシリンダを用いているが、これに限られるものではなく、進退機構6として油圧シリンダ、1軸ステージなど、超音波探触子1を被探傷車軸A及び校正用車軸3に対して進退させることができる限りにおいて、種々の構成を採用可能である。
超音波探触子1は、輪軸WAの被探傷車軸Aに対して超音波を送受信する際には、進退機構6により被探傷車軸Aに向かって(図1の矢符H1の向きに)進動し、被探傷車軸Aの軸方向端面に当接する。被探傷車軸Aに当接した超音波探触子1は、回転しながら超音波を被探傷車軸Aに送受信することで、被探傷車軸Aの全周に亘る斜角探傷を行う。
超音波探触子1が被探傷車軸Aに当接したことを検出するには、例えば、圧力センサや接触センサなど公知のセンサを適宜適用可能である。圧力センサを用いる場合には、超音波探触子1が被探傷車軸Aに当接することに起因した圧力の増加を圧力センサで検出することで、超音波探触子1が被探傷車軸Aに当接したことを検出可能である。また、接触センサを用いる場合には、接触センサの接触面と超音波探触子1の超音波送受信面とが同一面内に位置するように接触センサを取り付け、接触センサの接触面が被探傷車軸Aに接触(当接)したことを接触センサで検出することで、超音波探触子1が被探傷車軸Aに当接したことを検出可能である。制御手段4は、上記のようなセンサから超音波探触子1が被探傷車軸Aに当接したことを示す検出信号を受信した場合、進退機構6を制御して、超音波探触子1の進動を停止させる。
また、例えば、被探傷車軸A及び校正用車軸3がそれぞれ中空の車軸(中ぐり車軸)である場合でも、超音波探触子1を中空部に進退させることで、被探傷車軸A及び校正用車軸3に対し超音波を送受信可能である。ただし、この場合の超音波探触子1は、被探傷車軸A及び校正用車軸3の内面から外面に向けて超音波を送受信可能な構成にする必要がある。
校正用車軸3は、停止位置で停止する輪軸WAの上方又は下方であって輪軸WAの搬送を妨げない位置に配置されている。本実施形態の校正用車軸3は、輪軸WAの下方であって輪軸WAの搬送を妨げない位置に設置されている。具体的には、校正用車軸3は、レールRが敷設された床面Fに形成された凹所Dに設置されている。具体的には、本実施形態の校正用車軸3は、レールRが敷設された床面Fに形成された凹所Dの底面に設置された支持部Sに載置されている。凹所Dは、校正用車軸3を凹所Dに設置した場合に、校正用車軸3が床面Fを超えて上方に突出しない深さに形成されている。
このため、床面Fを超えて校正用車軸3が突出せず、その凹所Dに蓋Cをすることで、床面Fを歩行する作業者が校正用車軸3につまずいたりすることもない。また、図2に示すように、本実施形態では、凹所Dの蓋Cが超音波探触子1の上下方向の移動を妨げない形状になっているため、蓋Cを開けることなく校正可能である。仮に、蓋Cが超音波探触子1の上下方向の移動を妨げてしまうような形状でも、校正時には蓋Cを開けて、超音波探触子1を移動させればよい。
このように、校正用車軸3を床面Fより下方に形成された凹所Dに設置することで、校正用車軸3を輪軸WAの上方に配置する場合のように校正用車軸3の落下のおそれもなく、また、凹所Dに蓋Cをすることで、つまずいたりすることもないため、安全に作業できるという利点がある。
図3は、校正用車軸3の設置態様の例を説明する図である。図3(a)は、校正用車軸3が車輪Wに圧入された状態(いわゆる輪軸の状態)を示す正面図である。図3(b)は、校正用車軸3がダミーボスに圧入された状態を示す正面図である。図3(c)は、単体の校正用車軸3を示す正面図である。なお、図1に示す校正用車軸3は、図3(c)に示す態様の校正用車軸3を設置した状態を図示している。
これに対し、図3(c)に示すように、校正用車軸3のみを設置する場合、設置スペースを小さくすることができる点で好ましい。しかし、車輪Wに圧入されていない部分の応力状態が実際に探傷される輪軸WAの被探傷車軸Aの応力状態と異なるため、その点で校正精度が低下するおそれがある。
そのため、図3(b)に示すように、校正用車軸3を、車輪Wのボス部に相当するダミーボス31に圧入すれば、車輪W全体を圧入する場合(図3(a))に比べて設置スペースの増大を抑えることが可能である。また、ダミーボス部31の圧入部分の応力状態を実際に探傷される輪軸WAの被探傷車軸Aの応力状態と同様の応力状態とすることができるため、車輪W全体を圧入する場合と同等の適正な校正が可能となることが期待できる。
このように、校正用車軸3は、ダミーボス31を圧入した状態で設置することが好ましい。
なお、ダミーボス31としては、例えば、輪軸WAの組み立て前の車輪Wのボス部を加工して用いることが可能である。
図4は、図2のIV−IV矢視断面図である。図4においては、輪軸WA、レールR、校正用車軸3及び位置決め手段5を図示し、見易さの為にその他の構成要素の図示は省略している。図4(a)は輪軸WAを位置決めする前の状態を示す断面図であり、図4(b)は輪軸WAを位置決めした状態を示す断面図である。
具体的には、本実施形態の位置決め手段5は、図1及び図2に示すように、予め決められた輪軸WAの停止位置に敷設されたレールRの下方に設置されている。図4に示すように、位置決め手段5は、左右両側のそれぞれのレールRに沿って配置された一対の昇降手段(例えば、エアシリンダ)51と、各昇降手段51の先端にそれぞれ取り付けられた係止片52とを具備する。
このように、位置決め手段5は、レールR上を搬送される輪軸WAをより確実に所定の停止位置に停止させることが可能である。複数の輪軸WAが連続的に搬送されることでレールR上の停止位置の前後に輪軸WAが詰まっている場合などは、位置決め手段5が無くても前後の輪軸WAが係止片52と同様の機能を奏し、探傷する輪軸WAを停止位置に停止させることが可能な状態となることも考えられる。しかしながら、位置決め手段5を備えれば、レールR上を単独で輪軸WAが搬送されてきた場合でも、確実に輪軸WAを停止位置に停止させることができる。また、本実施形態の位置決め手段5は、左右両側のそれぞれのレールRに沿って配置されており、停止位置の輪軸WAの左右両側の車輪Wの外縁のそれぞれに前後で係止片が当接するため、左右両側の車輪Wを位置決め手段が左右何れか一方のみにしかない場合より確実に停止させることができる。
また、本実施形態では、左右両側のそれぞれのレールRに位置決め手段5を設けているが、これに限られず、左右何れか一方のみにレールRに位置決め手段5を設けてもよい。左右何れか一方のみにのレールRに位置決め手段5を設けることで、左右両側のそれぞれのレールRに位置決め手段5を設ける場合に比べ、コストを低減できる。
また、本実施形態では、昇降手段51としてエアシリンダを用いているが、これに限られるものではなく、昇降手段51として油圧シリンダなど、係止片52を車輪Wに当接させることができる限りにおいて、種々の手段を採用可能である。
検芯アーム機構7は、停止位置に停止した輪軸WAの車輪Wの上部の位置を検出するように構成されている。
具体的には、本実施形態の検芯アーム機構7は、移動手段2の上流側支柱21u及び下流側支柱21dに取り付けられ、レールR側に向けて延出している。検芯アーム機構7は、輪軸WAの停止位置で上下方向に移動可能なアーム71と、アーム71の先端の下側に取り付けられた接触センサ72と、アーム71に連結されたアーム昇降軸73と、アーム昇降軸73に取り付けられたアームモータ74とを具備する。
検芯アーム機構7は、移動手段2と同様に、アーム昇降軸73がアームモータ74によって軸周りに回転することで、アーム71を上下方向(図1の矢符V2の方向)に移動させる。移動させたアーム71の先端に取り付けられた接触センサ72が、停止している車輪Wの上面に接触することで車輪Wの上面を検出し、その検出信号を制御手段4に出力する。また、アームモータ74の回転軸にはロータリーエンコーダ(図示せず)が取り付けられており、ロータリーエンコーダの計測値も、制御手段4に出力される。
なお、接触センサ72としては、例えば、リミットスイッチや、マイクロスイッチを用いることができる。
また、本実施形態では、車輪Wの上面位置を検出するために接触センサを用いているが、これに限られるものではなく、車輪Wの上面位置を検出するためのセンサとして、非接触式センサである光センサや近接センサを用いることもできる。
制御手段4は、超音波探触子1からの超音波の送受信と、移動手段2の動作とを制御する。また、本実施形態の制御手段4は、進退機構6の動作と、検芯アーム機構7の動作も制御するように構成されている。
具体的には、本実施形態の制御手段4は、信号処理手段41と、機構制御手段42とを具備する。
信号処理手段41は、超音波探触子からの超音波の送受信を制御する。信号処理手段41は、超音波探触子1を用いた一般的な超音波探傷装置でも慣用されているパルサー、レシーバー、増幅器、A/D変換器などを具備する。ここでは、その詳細な説明は省略する。
機構制御手段42は、移動手段2、位置決め手段5、進退機構6及び検芯アーム機構7の各動作を制御する。この機構制御手段42は、例えば、PLC(Programmable Logic Controller)、並びに、PLCの指示により、モータに電流を供給する電源装置や、エアシリンダに圧縮空気を提供する空気圧縮機を具備する。
以下、超音波探傷装置100の動作について、説明する。
本実施形態に係る超音波探傷装置100は、水平に敷設されたレールR上を搬送される輪軸WAの被探傷車軸Aを所定の停止位置で探傷する。また、本実施形態に係る超音波探傷装置100は、校正用車軸3を用いて校正する。以下、超音波探傷装置100での探傷動作及び校正動作について説明する。
本実施形態に係る超音波探傷装置100が探傷する被探傷車軸Aを有する輪軸WAは、レールR上を図2に示す白抜き矢符の方向に搬送される。搬送される輪軸WAは、当該輪軸WA単独で搬送される場合もあれば、連続してレールR上に詰まった状態で搬送される場合もある。輪軸WAの搬送は、例えば、輪軸WAの製造工程や検査工程全体を制御するプロセスコンピュータによって制御される。
具体的には、例えば、レールR上を搬送される輪軸WAが停止位置に到達すると、停止位置近傍に設置された近接センサ(図示せず)から機構制御手段42に到達信号が入力される。到達信号が入力された機構制御手段42は、停止位置に輪軸WAを停止させて位置決めするために、位置決め手段5を制御して、輪軸WAを停止位置で停止させて位置決めする。本実施形態では、機構制御手段42の空気圧縮機から位置決め手段5の昇降手段(エアシリンダ)51に圧縮空気が供給され、この圧縮空気の空気圧によって昇降手段51が上昇して係止片52も上昇する。この上昇した係止片52が輪軸WAの車輪Wの下方外縁に前後で当接することで、輪軸WAは停止位置に位置決めされる。なお、前後方向に設けられた一対の係止片52は同じ長さだけ上昇するように制御されるため、輪軸WAは、車輪Wの軸心(被探傷車軸Aの軸心)が前後方向について一対の係止片52の中間位置に位置するように位置決めされることになる。
検芯アーム機構7のアーム71は、通常、車輪Wの上面より上方にある所定の待機位置に停止している。機構制御手段42は、停止位置に位置決めされた輪軸WAの車輪Wの上面に向けてアーム7を待機位置から下降させるために、電源装置から検芯アーム機構7のアームモータ74に電流を供給する。機構制御手段42から供給された電流によってアームモータ74は回転し、これによりアーム昇降軸73が軸周りに回転することで、アーム71が下降する。そして、アーム71の先端の接触センサ72が輪軸WAの車輪Wの上面に接触することで車輪Wの上面を検出し、その検出信号を機構制御手段42に出力する。検出信号が入力された機構制御手段42は、アームモータ74への電流の供給を停止し、アーム71の下降を停止させる。
具体的には、機構制御手段42は、検出信号が入力された時点のアームモータ74に取り付けられたロータリーエンコーダの計測値に基づいて、アーム71の上下方向位置を算出する。例えば、機構制御手段42は、床面Fを基準としたアーム71の待機位置(上下方向位置)を予め記憶しており、その待機位置からの下降量をロータリーエンコーダの計測値から算出し、これを待機位置から減算することで、床面Fを基準としたアーム71の上下方向位置を算出する。そして、機構制御手段42は、算出したアーム71の上下方向位置の半分の値を超音波探触子1の探傷位置として決定する。
また、本実施形態では、検芯アーム機構7で検出した車輪Wの上面位置に基づいて超音波探触子1の探傷位置を決定しており、探傷精度を高める上では好ましいものの、検芯アーム機構7が必ずしも必要というわけではない。例えば、検芯アーム機構7を用いなくても、搬送されてくる輪軸WAの寸法(車輪Wの寸法)に応じた超音波探触子1の探傷位置を予め機構制御手段42に記憶させておき、機構制御手段42が上位のプロセスコンピュータから搬送されてくる輪軸WAの寸法を受信して、この受信した輪軸WAの寸法に応じた探傷位置を選択するように構成することも可能である。また、搬送されてくる輪軸WAに応じた探傷位置を、作業者がキーボードなどの入力手段によって手動で入力することも可能である。
さらに、搬送されてくる輪軸WAの車輪Wの寸法が同じである場合には、その寸法に応じた探傷位置を初期設定しておけば足りる。
具体的には、例えば、移動手段2が具備するモータ22としてステッピングモータが用いられ、機構制御手段42の電源装置から、モータ22に対して、探傷位置までの超音波探触子1の移動距離に応じたパルス数のパルス電流が供給される。パルス電流が供給されたモータ22は、昇降軸23を回転させ、ステージ25に取り付けられた超音波探触子1を上下方向に移動させる。このようにして、機構制御手段42は、超音波探触子1を探傷位置に位置決めする。
制御手段4は、校正用車軸3を用いて校正する際には、移動手段2によって超音波探触子1を校正用車軸3に対して超音波を送受信可能な位置に位置決めし、超音波探触子1から校正用車軸3に対して超音波を送受信させる。
1…超音波探触子、
2…移動手段、21u,21d…支柱、22…モータ、23…昇降軸、24…案内軸、
25…ステージ、25a…昇降軸受孔、
3…校正用車軸、31…ダミーボス、
4…制御手段、41…信号処理手段、42…機構制御手段、
5…位置決め手段、51…シリンダ、52…係止片、
6…進退機構、
7…検芯アーム機構、
71…アーム、72…接触センサ、73…アーム昇降軸、74…アームモータ、
F…床面、R…レール、D…凹所、C…蓋、S…支持部、
WA…輪軸、W…車輪、A…被探傷車軸、
Claims (4)
- 水平に敷設されたレール上を搬送される輪軸の被探傷車軸を所定の停止位置で探傷する超音波探傷装置であって、
前記輪軸の搬送を妨げない位置に配置され、前記停止位置で停止した輪軸の被探傷車軸に対して超音波を送受信可能な超音波探触子と、
前記超音波探触子を上下方向に移動させる移動手段と、
前記停止位置で停止する輪軸の上方又は下方であって前記輪軸の搬送を妨げない位置に配置された校正用車軸と、
前記超音波探触子からの超音波の送受信と、前記移動手段の動作とを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記被探傷車軸を探傷する際には、前記移動手段によって前記超音波探触子を前記被探傷車軸に対して超音波を送受信可能な位置に位置決めし、前記超音波探触子から前記被探傷車軸に対して超音波を送受信させ、
前記校正用車軸を用いて校正する際には、前記移動手段によって前記超音波探触子を前記校正用車軸に対して超音波を送受信可能な位置に位置決めし、前記超音波探触子から前記校正用車軸に対して超音波を送受信させることを特徴とする超音波探傷装置。 - 前記超音波探触子は、前記被探傷車軸を探傷する際には、前記被探傷車軸の軸方向に沿うように位置決めされ、前記校正用車軸を用いて校正する際には、前記校正用車軸の軸方向に沿うように位置決めされることを特徴とする請求項1に記載の超音波探傷装置。
- 前記校正用車軸は、前記レールが敷設された床面に形成された凹所に設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波探傷装置。
- 前記輪軸を前記停止位置で停止させて位置決めする位置決め手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の超音波探傷装置。
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