JP6525666B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

トナー及びトナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法などの方法によって形成される静電潜像を現像してトナー画像を形成するために用いるトナー、およびその製造方法に関する。
近年、プリンターや複写機では、高画質で、かつ、カートリッジの交換頻度やトナーの補給頻度をより低くすること、すなわち、カートリッジやトナーの長寿命化が求められている。具体的には、高い画像濃度が得られ、高速で印刷しても長期にわたり安定した画質が維持できる耐久性に優れたトナーが求められている。
特許文献1では、多価カルボン酸及び/又は多価アルコールの少なくとも一つに脂環式構造を有するポリエステル系樹脂を含有し、かつ、トナー粒子の粒度分布と円形度分布を規定したトナーが記載されている。
特許文献2では、脂肪族または脂環式ジオールを重縮合したポリエステル樹脂を含むトナーバインダーが記載されている。
特開2000−305320号公報 特開2010−276978号公報
特許文献1に記載のトナーは、プロセススピードを高速にして印刷したところ、耐久性が十分ではなく、改善する必要があるものであった。また、特許文献2のトナーバインダーを用いたところ、帯電特性は向上するものの、画像濃度や耐久性は十分ではなく、改善する必要があるものであった。
本発明は、高い画像濃度が得られ、高速で印刷しても長期にわたり安定した画質が維持できる耐久性に優れたトナー、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、
ポリエステル樹脂、結着樹脂、および顔料を含有するトナー粒子を含むトナーの製造方法であって、
該製造方法が、
該ポリエステル樹脂、重合性単量体、該顔料を含有する組成物の粒子を水系媒体中で形成して懸濁液を得る造粒工程、および
該組成物の該粒子に含まれる重合性単量体を重合して、該重合性単量体の重合によって得られる該結着樹脂を含有する樹脂粒子を得る重合工程
を経て該トナー粒子を得る工程を有し、
該ポリエステル樹脂、主鎖および/または側鎖に、
シクロヘキサン構造を有するアルコールに由来するユニットおよびシクロヘキサン構造を有するカルボン酸に由来するユニットからなる群より選択される少なくとも1種のユニット(1)と、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来するユニットおよびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来するユニットからなる群より選択される少なくとも1種のユニット(2)
を有し、
該ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対する該ユニット(1)の数の比率が、0.mol%以上0.0mol%以下であり、
該ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対する該ユニット(2)の数の比率が、10.0mol%以上50.0mol%以下であり、
該ポリエステル樹脂の酸価が、5.6mgKOH/g以上6.2mgKOH/g以下であり、
該ポリエステル樹脂のピーク分子量が、3000以上20000以下である
ことを特徴とするトナーの製造方法である。
また、本発明は、
ポリエステル樹脂、結着樹脂、および顔料を含有するトナー粒子を含むトナーであって、
該トナー粒子が、懸濁重合法によって製造されたトナー粒子であり、
該ポリエステル樹脂、主鎖および/または側鎖に、
シクロヘキサン構造を有するアルコールに由来するユニットおよびシクロヘキサン構造を有するカルボン酸に由来するユニットからなる群より選択される少なくとも1種のユニット(1)と、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来するユニットおよびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来するユニットからなる群より選択される少なくとも1種のユニット(2)
を有し、
該ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対する該ユニット(1)の数の比率が、0.mol%以上0.0mol%以下であり、
該ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対する該ユニット(2)の数の比率が、10.0mol%以上50.0mol%以下であり、
該ポリエステル樹脂の酸価が、5.6mgKOH/g以上6.2mgKOH/g以下であり、
該ポリエステル樹脂のピーク分子量が、3000以上20000以下である
ことを特徴とするトナーである。
本発明は、高い画像濃度が得られ、高速で印刷しても長期にわたり安定した画質が維持できる耐久性に優れたトナー、およびその製造方法を提供することができる。
本発明の着色力評価に用いた画像パターンを示す模式図である。
本発明は、ポリエステル樹脂、結着樹脂、および顔料を含有するトナー粒子を含むトナーである。ポリエステル樹脂は、主鎖および/または側鎖に、シクロヘキサン構造を有するアルコール又はシクロヘキサン構造を有するカルボン酸に由来するユニットと、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物またはビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来するユニットとを有する。そして、ポリエステル樹脂は、以下3つの特徴を有する。1つ目は、ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対するシクロヘキサン構造を有するアルコール又はシクロヘキサン構造を有するカルボン酸に由来するユニット数の比率が、0.1mol%以上50.0mol%以下である。2つ目は、ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対する該ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物または該ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来するユニット数の比率が、10.0mol%以上50.0mol%以下である。3つ目は、ポリエステル樹脂のピーク分子量が、3000以上20000以下である。
本発明において、上記トナー粒子を製造する方法として、下記(1)または(2)の工程を経てトナー粒子を得る方法が好ましい。(1)は、懸濁重合法であり、ポリエステル樹脂、重合性単量体、顔料を含有する組成物の粒子を水系媒体中で形成して懸濁液を得る造粒工程、ならびに懸濁液において、組成物の粒子に含まれる中の重合性単量体を重合して、重合性単量体の重合によって得られる結着樹脂を含有する樹脂粒子を得る重合工程を有する。(2)は、溶解懸濁法であり、有機溶媒に、ポリエステル樹脂、結着樹脂、および顔料を溶解又は分散して樹脂溶液を調製する溶解工程、樹脂溶液を水系媒体中に分散させ造粒する造粒工程、ならびに造粒された粒子中に含有される有機溶媒を除去して樹脂粒子を製造する脱溶剤工程を有する。
本発明のトナーが着色力と耐久性に優れる理由について本発明者らは以下のように推測している。水系媒体中では、トナーを構成する各種材料が、極性の近いもの同士で集まりやすいことがある。このため、顔料は顔料同士で集まりやすく、顔料が集まってしまうと、トナー粒子の一部に顔料が凝集し、画像濃度が低下しやすい。このように、顔料が分散しにくいトナーの製造方法においても、トナー粒子が上記特徴を有するポリエステル樹脂を含有することにより、着色力と耐久性を両立させることができると考えている。これは、ポリエステル樹脂が顔料分散剤として機能し、着色力を向上させていると考えている。
ポリエステル樹脂が、顔料分散剤として作用するためには、顔料に吸着する部分と、溶解液中に分散させる部分の2つが必要である。なお、溶解液中とは、懸濁重合法においては、ポリエステル樹脂および重合性単量体を含む組成物であり、溶解懸濁法においては、ポリエステル樹脂および結着樹脂を含む溶液である。顔料に吸着するためには、顔料への吸着力であるππ相互作用を有する芳香環と、顔料表面に寄り添うような柔軟性が必要である。そこで、顔料に吸着する部位としてビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物またはプロピレンオキサイド付加物に由来するユニットが、適していることを見出した。ビスフェノールAは、芳香環を2つ有する同時に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドという柔軟な脂肪族炭化水素部位が存在することで、ππ相互作用と柔軟性の両立を図っていると思われる。
次に顔料を溶解液中に分散させるためには、ポリエステル樹脂が顔料に吸着しにくい部位を有し、重合性単量体または結着樹脂や、有機溶媒に溶解しやすい部位を有することが必要である。そこで、溶解液中に分散させるためには、シクロヘキサン構造を有するアルコール又はカルボン酸に由来するユニットが適していることを見出した。シクロヘキサン構造は、芳香族ではないためππ相互作用を生じず、顔料に吸着しにくくなり、脂環族という構造は脂肪族より結晶性が低いために高い溶解性を有していると思われる。
ポリエステル樹脂を用いることで、耐久性も向上する。これは、ポリエステル樹脂中のシクロヘキサン構造が、硬さと柔軟性を兼ね備えていると推測している。シクロヘキサン構造は、ベンゼン環より構造が柔軟で、また、脂肪族炭化水素構造より構造が制約されているため、トナーの劣化に対し、ゴムの様な弾性的な挙動をしめし、耐久性が向上すると考えている。
本発明のポリエステル樹脂において、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物またはプロピレンオキサイド付加物に由来するユニット数の比率は、ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対して10.0mol%以上50.0mol%以下である。ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物またはプロピレンオキサイド付加物に由来するユニット数が10.0mol%未満であると、顔料への吸着力が弱く、画像濃度が低下してしまう。
また、シクロヘキサン構造を有するアルコール又はカルボン酸に由来するユニット数の比率は、ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対して0.1mol%以上50.0mol%以下である。シクロヘキサン構造を有するアルコール又はカルボン酸に由来するユニット数が0.1mol%未満であると、ポリエステル樹脂が顔料へ吸着しやすく、ポリエステル樹脂による顔料分散効果が十分に得られず、画像濃度が低下しやすい。また、シクロヘキサン構造が十分に含有しないことで、耐久性が十分に得られない。一方、シクロヘキサン構造を有するアルコール又はカルボン酸に由来するユニット数が50.0mol%を越えると、ポリエステル樹脂中の分子配向が促進し、結晶化が進んでしまう。その結果、ポリエステル樹脂が析出し、画像濃度が低下しやすい。
ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対するシクロヘキサン構造を有するアルコール又はカルボン酸に由来するユニット数の比率が、0.5mol%以上30.0mol%以下であることが好ましい。この範囲内であると、画像濃度の向上により優れる。
また、ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対するビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物またはプロピレンオキサイド付加物に由来するユニット数の比率が、1.0mol%以上50.0mol%以下であることが好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、上記特定のユニットを主鎖および/または側鎖に有する。なお、ポリエステル樹脂の側鎖とは、以下の定義(出典:高分子学会用語集)における「枝、側鎖、ペンダント分子鎖」とし、「ペンダント基、側基」は含まない物とする。
側鎖とは、高分子の分子鎖から伸びているオリゴマー程度または高分子量の枝をいう(高分子学会用語集、1.53 枝、側鎖、ペンダント分子鎖)。なお、ペンダント基、側基とは、オリゴマー分子鎖でもポリマー分子鎖でもない主鎖から出ている側枝をいう(高分子学会用語集、1.56 ペンダント基、側基)。すなわち、本発明の側鎖は主鎖と同様に繰り返し単位を有するものである。
シクロヘキサン構造を有するアルコール又はカルボン酸は、下記式(1)で示される化合物であるとより好ましい。
Figure 0006525666
式(1)中、RからRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、−R−OH、または−R−COOHを示し、RからRの少なくとも2つは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、−R−OH、または−R−COOHである。Rはアルキレン基を示す。
シクロヘキサン構造を有するアルコールとしては、例えば、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサノール、4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノールなどが挙げられる。
シクロヘキサン構造を有するカルボン酸としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル,1,2−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも、パラ位に置換基がついた1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸は、高湿環境下での耐久性が良好でより好ましい。
ポリエステル樹脂のピーク分子量は、3000以上20000以下である。この範囲であると、ポリエステル樹脂の溶解性が良好であり、着色力が向上できると同時に、樹脂の強度を維持できるため、耐久性も良好となる。ピーク分子量が20000より大きいと、フローリー・ハギンズ理論でも示されている通り、ポリエステル樹脂の溶解性が低下してしまうため、画像濃度が低下しやすい。また、ピーク分子量が3000より小さくなると、ポリエステル樹脂が脆くなり耐久性が低下しやすい。より好ましくは、ピーク分子量5000以上15000以下である。
本発明のポリエステル樹脂は、さらに、上記以外の酸またはアルコールに由来するユニットを含んでもよい。用いられる酸、アルコールとしては、例えば、非環式の脂肪族二塩基酸、芳香族の二塩基酸、非環式の脂肪族ジオール、三官能以上の多塩基酸やその無水物が挙げられる。非環式の脂肪族二塩基酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、またはデカン−1,10−ジカルボン酸などが挙げられる。芳香族の二塩基酸としては、フタル酸、テトラブロムフタル酸、テトラクロルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、または2,6−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。非環式の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、またはネオペンチルグリコールが挙げられる。三官能以上の多塩基酸やその無水物としては、例えば、トリメリット酸、無水トリメリット酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサカルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、ピロメリット酸、または無水ピロメリット酸が挙げられる。これらの中でも、エチレングリコール、テレフタル酸、無水トリメリット酸が好ましい。
ポリエステル樹脂の酸価は0.1mgKOH/g以上20.0mgKOH/g以下であることがより好ましい。この範囲を満たすことで、トナーの帯電特性が周囲の環境の影響を受けにくくなるため、長期にわたって優れた耐久性を維持することが可能である。ポリエステル樹脂の酸価の制御方法は、ポリエステル樹脂を製造する際の酸モノマーとアルコールモノマーの比率、分子量、一価または三価の酸モノマーまたはアルコールモノマーの量などの条件で制御することができる。
ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上100質量部以下であることが好ましい。
〈顔料〉
顔料としては、以下に挙げる黒色顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料などが用いられる。
黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック等が挙げられる。
イエロー顔料としては、例えば、モノアゾ化合物;ジスアゾ化合物;縮合アゾ化合物;イソインドリノン化合物;イソインドリン化合物;ベンズイミダゾロン化合物;アンスラキノン化合物;アゾ金属錯体;メチン化合物;アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー74,93,95,109,111,128,155,174,180,185等が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、例えば、モノアゾ化合物;縮合アゾ化合物;ジケトピロロピロール化合物;アントラキノン化合物;キナクリドン化合物;塩基染料レーキ化合物;ナフトール化合物:ベンズイミダゾロン化合物;チオインジゴ化合物;ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2,3,5,6,7,23,48:2,48:3,48:4,57:1,81:1,122,144,146,150,166,169,177,184,185,202,206,220,221,238,254,269、C.I.ピグメントバイオレッド19等が挙げられる。
シアン顔料としては、例えば、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物;塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1,7,15,15:1,15:2,15:3,15:4,60,62,66が挙げられる。
中でも、顔料の構造中に芳香環を有する顔料を用いると、ππ相互作用によりポリエステル樹脂が顔料分散剤として作用しやすく、着色力を向上させやすくなり、より好ましい。より好ましくは、カーボンブラック、C.I.ピグメントイエロー74,93,95,109,128,155,174,180,185、C.I.ピグメントレッド2,3,5,6,7,23,48:2,48:3,48:4,57:1,122,144,146,150,177,184,185,202,221,238,269、C.I.ピグメントバイオレッド19、C.I.ピグメントブルー1,7,15,15:1,15:2,15:3,15:4,60,66であるまた、顔料とともに、着色剤として従来知られている種々の染料を併用して用いてもよい。
顔料の含有量は、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
〔結着樹脂〕
本発明のトナーは、トナー粒子に結着樹脂を含有する。本発明に用いられる結着樹脂としては、例えば、ビニル系樹脂;ポリエステル樹脂;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;シリコーン樹脂が挙げられる。これらの中でも、ビニル系樹脂を用いることが好ましい。なお、ビニル系樹脂としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンの如きスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルの如き不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸の如き不飽和カルボン酸;マレイン酸の如き不飽和ジカルボン酸;マレイン酸無水物の如き不飽和ジカルボン酸無水物;アクリロニトリルの如きニトリル系ビニル単量体;塩化ビニルの如き含ハロゲン系ビニル単量体;ニトロスチレンの如きニトロ系ビニル単量体の単量体の重合体またはそれらの共重合体を用いることが可能である。中でも、スチレン系単量体と不飽和カルボン酸エステルとの共重合体を用いることが好ましい。
本発明のトナーには、さらに、トナー粒子にワックスを含有してもよい。
例えば、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチルの如きモノアルコールとモノカルボン酸とのエステル;セバシン酸ジベヘニル、ヘキサンジオールジベヘネートの如き2価アルコールと脂肪族カルボン酸とのエステル或いは2価カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル;グリセリントリベヘネートの如き3価アルコールと脂肪族カルボン酸とのエステル或いは3価カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル;ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテートの如き4価アルコールと脂肪族カルボン酸とのエステル或いは4価カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル;ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテートの如き6価アルコールと脂肪族カルボン酸とのエステル或いは6価カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル;ポリグリセリンベヘネートの如き多価アルコールと脂肪族カルボン酸とのエステル或いは多価カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル;カルナバワックス、ライスワックスの如き天然エステルワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体;高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪酸;酸アミドワックスが挙げられる。
これらの中でも、炭化水素ワックスが、着色力と耐久性を向上できるためより好ましい。具体的は、融点60℃以上110℃以下のパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスである。ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下であると、トナーの離型性が向上し、好ましい。
本発明のトナーには、さらに、トナーの流動性の改善を目的として、外添剤を有してもよい。外添剤としては、ケイ酸微粉体、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機微粉体が用いられる。これら無機微粉体は、シランカップリング剤、シリコーンオイルまたはそれらの混合物などの処理剤で疎水化処理されていることが好ましい。さらに、必要に応じて無機微粉体以外の外部添加剤をトナー粒子に混合されていてもよい。
無機微粒子の添加量は、外添剤を添加する前のトナー粒子100質量部に対して1質量部以上5質量部以下であることが好ましい。
本発明のトナーは、そのまま一成分系現像剤として、あるいは磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
次に、本発明のトナーの製造方法としては、懸濁重合法、溶解懸濁法が挙げられる。
懸濁重合法でトナー粒子を得る場合には、ポリエステル樹脂、重合性単量体、および顔料を加え、分散機を用いてこれらを溶融、溶解あるいは分散させた重合性単量体組成物を調製する。このとき、重合性単量体組成物中には、必要に応じて離型剤や荷電制御剤、粘度調整のための溶剤、結晶性樹脂、可塑剤、連鎖移動剤、さらに他の添加剤を適宜加えることが可能である。分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機が挙げられる。
次いで、重合性単量体組成物を、あらかじめ用意しておいた分散安定剤を含有する水系媒体中に投入し、高速攪拌機もしくは超音波分散機などの高速分散機を用いて懸濁液を調製する(造粒工程)。その後、懸濁液中の重合性単量体を重合して、重合性単量体の重合によって得られる結着樹脂を含有する樹脂粒子を得る(重合工程)。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を調製する際に他の添加剤とともに混合してもよく、水系媒体中に懸濁させる直前に重合性単量体組成物中に混合してもよい。また、造粒中や造粒完了後、すなわち重合反応を開始する直前に、必要に応じて重合性単量体や他の溶媒に溶解した状態で加えることもできる。重合性単量体を重合して樹脂粒子を得たあと、必要に応じて脱溶剤処理を行い、トナー粒子の水分散液が形成される。その後、必要に応じて洗浄を行い、種々の方法によって乾燥、分級、外添剤処理を行うことでトナーを得ることが出来る。
溶解懸濁法でトナー粒子を得る場合には、まず、有機溶媒に、結着樹脂、ポリエステル樹脂および顔料を溶解又は分散して樹脂溶液を調製する(溶解工程)。次に、樹脂溶液を水系媒体中に分散して造粒する(造粒工程)。そして、造粒された粒子中に含有される有機溶媒を除去して樹脂粒子を得る脱溶剤工程を経てトナー粒子を得る。上記トナー粒子(外添剤添加前)は脱溶剤工程終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、外添剤を混合して、本発明のトナーを得ることが可能である。
溶解懸濁法によってトナー粒子を得る場合の有機溶媒としては、水に混和せず、昇温による脱溶剤が容易な溶媒を用いることが好ましい。例えば、酢酸エチルが挙げられる。
溶解懸濁法によってトナー粒子を得る場合、さらに水系媒体に無機または有機の分散安定剤を含有してもよい。
以下に、本発明で規定する各物性値の測定方法を記載する。
<ポリエステル樹脂のピーク分子量(Mp)の測定方法>
ポリエステル樹脂のピーク分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、ポリエステル樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<ポリエステル樹脂の酸価の測定方法>
ポリエステル樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定される。具体的な測定方法を以下に示す。
粉砕したポリエステル樹脂の試料2.0gを精秤する(W(g))。200mlの三角フラスコに試料を入れ、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間溶解する。この時、必要に応じて加熱してもよい。指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加える。0.1モル/L規定のKOHもアルコール溶液を用いて溶液を、ビュレットを用いて滴定する。この時のKOH溶液の添加量をS(ml)とする。ブランクテストとして、試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。このときのKOH溶液の添加量をB(ml)とする。
次式により酸価を計算する。尚、式中の“f”は、KOH溶液のファクターである。
酸価(mgKOH/g)=〔(S−B)×f×5.61〕/W
<重量平均粒子径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒子径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標商品名、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解させて濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散させた前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒子径(D4)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒子径(D4)である。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例中及び比較例中の各材料の「部」および「%」は特に断りがない場合、全て質量基準である。また、実施例2〜9、13〜19及び21は参考例である。
<ポリエステル樹脂1の製造例>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、及び、減圧装置を備えた反応容器に、原材料モノマーを表1に示したmol比率で混合した混合物100.0部を添加して撹拌しながら温度120℃まで加熱した。その後、エステル化触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.50部を加え、温度190℃に昇温し所望の分子量になるまで縮重合し、ポリエステル樹脂1を得た。ポリエステル樹脂1のピーク分子量は9000、酸価は6.2mgKOH/gであった。
<ポリエステル樹脂2〜25の製造例>
表1の原材料モノマー添加量および重縮合反応の温度条件にて、ポリエステル樹脂1と同様の操作を行い、ポリエステル樹脂2〜25を製造した。ポリエステル樹脂2〜21のピーク分子量は3000以上20000以下であった。
Figure 0006525666
表1中の表記は、以下のことを意味し、用いたモノマーの単位はすべてモル比(mol%)である。BPA−POは、ビスフェノールA−PO 2mol付加物;EGは、エチレングリコール;1,2−CHDOは、1,2−シクロヘキサンジオール;1,3−CHDOは、1,3−シクロヘキサンジオール;1,4−CHDOは、1,4−シクロヘキサンジオール;1,4−CHDMは、1,4−シクロヘキサンジメタノール;1,2−CHDAは、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸;4M−1,2−CHDAは、4メチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸;1,3−CHDAは、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸;1,4−CHDAは、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸;TPAは、テレフタル酸;TMAは、無水トリメリット酸である。
<トナー1の製造>
(水系分散媒の製造工程)
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業社製)14部を投入し、Nパージしながら65℃で60分保温した。T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10部に7.8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10質量%塩酸を4.5部投入し、pHを5.2に調整した。
(重合性単量体組成物の製造工程)
・スチレン:60.0部
・カーボンブラック(デグサ社製、商品名「Nipex35」):10.0部
・サリチル酸系化合物(オリエント化学工業社製、E84):2.0部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、顔料分散液を調製した。
上記顔料分散液に下記材料を加えた。
・スチレン:20.0部
・n−ブチルアクリレート:20.0部
・ポリエステル樹脂1:5.0部
・フィッシャートロプシュワックス(離型剤、HNP−51:日本精鑞製 融点78℃):7.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
(造粒工程)
水系媒体の温度を70℃、撹拌装置の回転数を12000回転/分に保ちながら、水系媒体中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま該撹拌装置にて12000回転/分を維持しつつ10分間造粒した。
(重合工程)
高速撹拌装置からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を代え、150回転/分で攪拌しながら70℃を保持して5時間重合を行い、85℃に昇温して2時間加熱することで重合反応を行い、トナー粒子のスラリーを得た。
(洗浄、乾燥、分級、外添工程)
重合工程終了後、トナー粒子のスラリーを冷却し、トナー粒子のスラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、トナー粒子のスラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。
その後、トナー粒子(外添剤添加前)100.0部に対して、外添剤1.5部を、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)を用いて撹拌速度3000rpmで15分間混合して、トナー1を得た。外添剤は、シリカ微粉体に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m/g)を用いた。
<トナー2〜20、22〜26の製造>
表2に示すように、ポリエステル樹脂の種類、顔料の種類、ワックスの種類を変更すること以外はトナー1の製造方法と同様にしてトナー2〜20、22〜26を得た。なお、芳香環を有する顔料は、カーボンブラック、PR122、PR150である。
Figure 0006525666
<トナー21の製造>
還流冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を入れた。
・トルエン:100.0部
・スチレン:80.0部
・n−ブチルアクリレート:20.0部
・メタクリル酸:4.0部
・t−ブチルパーオキシピバレート:3.0部
前記容器内を毎分200回転で撹拌し、70℃に加熱して10時間撹拌した。さらに、100℃に加熱して6時間溶媒を留去させてスチレンアクリル系樹脂1を得た。次いで、
・スチレンアクリル系樹脂1:100.0部
・カーボンブラック(Nipex35):8.0部
・ポリエステル樹脂21:5.0部
・フィッシャートロプシュワックス:7.0部(HNP−51:日本精鑞製 融点78℃)
・酢酸エチル:200.0部
前記成分をボールミルにて10時間混合分散させ、分散液を調製した。分散液を、リン酸三カルシウム3.5質量%を含むイオン交換水2000部に投入し、高速撹拌装置T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)にて回転数を15000回転/分で10分間造粒を行った。その後、スリーワンモーターにて150回転/分で撹拌しながらウォーターバス中において75℃に4時間保持し、脱溶剤を行った。
その後、トナー1の製造例と同様にして洗浄、乾燥、分級、外添工程を行い、トナー21を得た。
得られたトナー1〜26について以下の方法に従って性能評価を行った。
[着色力]
カラーレーザープリンター Satera LBP7700C(キヤノン(株)製)用のカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアブローにて内部を清掃した後、上記製造した各トナー(トナー1〜26)を150g充填した。また、Satera LBP7700Cを一部改造し、定着機を外して未定着画像を出力できるように変更し、コントローラーにより画像濃度を調節可能にした。さらに、一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改造した。外した定着機は、定着機単体でも動作できるように改良し、さらにプロセススピードと温度を制御できるように外部定着機として改造した。
前記カートリッジをプリンターに装着し、図3に示すような転写材の上部に30mmの空白の後、横150mm×縦30mmの帯画像を作成した。さらに帯画像のトナー載り量が0.35mg/cmとなるようにコントローラーを設定した。転写材は、A4サイズのGF−C081(キヤノン(株)製、81.4g/m)を用いた。
上記帯画像を10枚出力し、LBP7700Cの外部定着機を用いて、プロセススピード300mm/sec、160℃で定着した。この帯画像の画像濃度を測定して着色力を評価した。尚、画像濃度の測定には「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて測定した。原稿濃度が0.00の白下地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、出力画像1枚に付き左部、中央部および右部の3点ずつ測定し出力画像10枚の平均値で評価した。評価基準は以下の通りである。ランクA、B、Cは、本発明の着色力の効果が得られているレベルである。
A:画像濃度が1.40以上。(着色力に特に優れる)
B:画像濃度が1.30以上1.40未満。(着色力に優れる)
C:画像濃度が1.20以上1.30未満。
D:画像濃度が1.20未満。(着色力に劣る)
[耐久性]
カラーレーザープリンター(HP Color LaserJet 3525dn、HP社製)を、一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改造して評価を行った。このカラーレーザープリンターに搭載されていたシアンカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアブローにて内部を清掃した後、上記製造した各トナー(トナー1〜26)を200g充填した。常温常湿下(23℃、湿度60%RH)と、高温高湿下(30℃、湿度80%RH)の2環境で評価を行った。受像紙として、キヤノン製オフィスプランナー(64g/m)を用い、印字率1%チャートを10000枚連続して画像出力した。画像出力後、さらにハーフトーン画像を出力し、現像ローラおよびハーフトーン画像におけるスジの有無について観察し、以下のように現像性を評価した。ランクA、B、Cは、本発明の耐久性の効果が得られているレベルである。
(評価基準)
A:現像ローラ上とハーフトーン部の画像上に、排紙方向の縦スジは見られない。(現像性に特に優れる)
B:現像ローラ上に、細いスジが1乃至5本あるものの、ハーフトーン部の画像上に排紙方向の縦スジは見られない。(現像性に優れる)
C:現像ローラ上に、細いスジが6乃至10本あるものの、ハーフトーン部の画像上に排紙方向の縦スジは見られない。
D:現像ローラ上とハーフトーン部の画像上に10本以上のスジが見られる。(現像性に劣る)
結果を表3に示す。
Figure 0006525666

Claims (8)

  1. ポリエステル樹脂、結着樹脂、および顔料を含有するトナー粒子を含むトナーの製造方法であって、
    製法方法が、
    該ポリエステル樹脂、重合性単量体、該顔料を含有する組成物の粒子を水系媒体中で形成して懸濁液を得る造粒工程、および、
    該組成物の該粒子に含まれる重合性単量体を重合して、該重合性単量体の重合によって得られる該結着樹脂を含有する樹脂粒子を得る重合工程
    を経て該トナー粒子を得る工程を有し、
    該ポリエステル樹脂、主鎖および/または側鎖に、
    シクロヘキサン構造を有するアルコールに由来するユニットおよびシクロヘキサン構造を有するカルボン酸に由来するユニットからなる群より選択される少なくとも1種のユニット(1)と、
    ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来するユニットおよびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来するユニットからなる群より選択される少なくとも1種のユニット(2)
    を有し、
    該ユニット(1)が、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来するユニットを含み、
    該ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対する該ユニット(1)の数の比率が、0.mol%以上0.0mol%以下であり、
    該ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対する該ユニット(2)の数の比率が、10.0mol%以上50.0mol%以下であり、
    該ポリエステル樹脂の酸価が、5.6mgKOH/g以上6.2mgKOH/g以下であり、
    該ポリエステル樹脂のピーク分子量が、3000以上20000以下である
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 該顔料が、芳香環を有する請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 該トナー粒子が、さらに、ワックスとして炭化水素ワックスを含有る請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
  4. 該トナー粒子中の該炭化水素ワックスの含有量が、該結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下である請求項3に記載のトナーの製造方法。
  5. ポリエステル樹脂、結着樹脂、および顔料を含有するトナー粒子を含むトナーであって、
    該トナー粒子が、懸濁重合法によって製造されたトナー粒子であり、
    該ポリエステル樹脂、主鎖および/または側鎖に、
    シクロヘキサン構造を有するアルコールに由来するユニットおよびシクロヘキサン構造を有するカルボン酸に由来するユニットからなる群より選択される少なくとも1種のユニット(1)と、
    ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来するユニットおよびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来するユニットからなる群より選択される少なくとも1種のユニット(2)
    を有し、
    該ユニット(1)が、1,4−シクロヘキサンジメタノールに由来するユニットを含み、
    該ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対する該ユニット(1)の数の比率が、0.mol%以上0.0mol%以下であり、
    該ポリエステル樹脂を構成する全ユニット数に対する該ユニット(2)の数の比率が、10.0mol%以上50.0mol%以下であり、
    該ポリエステル樹脂の酸価が、5.6mgKOH/g以上6.2mgKOH/g以下であり、
    該ポリエステル樹脂のピーク分子量が、3000以上20000以下である
    ことを特徴とするトナー。
  6. 該顔料が、芳香環を有する請求項5に記載のトナー。
  7. 該トナー粒子が、さらに、ワックスとして炭化水素ワックスを含有る請求項5または6に記載のトナー。
  8. 該トナー粒子中の該炭化水素ワックスの含有量が、該結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下である請求項7に記載のトナー。
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