JP6525136B2 - 不純物半導体層の製造装置及び製造方法 - Google Patents

不純物半導体層の製造装置及び製造方法 Download PDF

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本発明は、不純物半導体層の製造装置及び製造方法に関する。
p型不純物又はn型不純物が半導体膜中に添加された不純物半導体層を製造する製造方法としては、例えば基板上に形成されたシリコンなどの半導体膜に、例えばホウ素などのp型不純物や、ヒ素などのn型不純物をイオン化して注入するイオン注入法が知られている。
例えば、特許文献1に開示されるイオン注入法により不純物半導体層を製造する製造方法では、まず始めに、イオン源ガスと、カソードフィラメントから放出された電子とを衝突させて、イオン源チャンバ内に複数種のイオンを生成し、引出電極によってイオン源チャンバから複数のイオンを引き出してイオンビームを生成する。
次いで、この従来の製造方法では、質量分離法によって、イオンビーム内に含まれる複数種のイオンを単一種のイオンに分離し、当該イオンを加速器で加速した後、四極レンズで収束させたイオンを、真空チャンバ内に設置した半導体膜に照射する。このようにして従来の製造方法では、p型不純物又はn型不純物が半導体膜内にイオン注入された不純物半導体層を製造し得る。
特開2006−19048号公報
しかしながら、このような従来の製造方法では、p型不純物又はn型不純物が半導体膜内に添加された不純物半導体層を製造する際、半導体膜に直接イオンを打ち込んでいるため、当該半導体膜が設置される真空チャンバ内を高真空状態に維持する必要があり、製造工程が煩雑であるという問題があった。
そこで、本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、大気雰囲気下での簡易な製造工程によって不純物半導体層を容易に製造できる不純物半導体層の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
本発明による不純物半導体層の製造装置は、p型不純物イオン又はn型不純物イオンのいずれか一方と、半導体イオンとを含有した電解液が貯留された貯留部と、前記貯留部内にて前記電解液に浸漬された作用電極と、前記貯留部内にて前記電解液に浸漬され、前記作用電極と対向配置された対電極と、前記作用電極と前記対電極との間に電流を流し、前記作用電極の電極層表面に、p型又はn型の不純物半導体を電解析出させ、該電極層表面に不純物半導体層を形成させる定電位電解部とを備えることを特徴とする。
本発明による不純物半導体層の製造方法は、p型不純物イオン又はn型不純物イオンのいずれか一方と、半導体イオンとを含有した電解液が貯留された貯留部内に、前記電解液に浸漬させるように作用電極と対電極とを対向配置させ、定電位電解部によって、前記作用電極と前記対電極との間に電流を流し、前記作用電極の電極層表面に、p型又はn型の不純物半導体を電解析出させ、該電極層表面に不純物半導体層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、貯留部内にて電解液に浸漬させた作用電極と対電極との間に電流を流すだけで、電解液に含有しているp型不純物イオン又はn型不純物イオンと、半導体イオンとの還元反応により、電極層の表面に不純物半導体を電解析出させて不純物半導体層を形成でき、かくして、従来のような真空状態を維持する煩雑な製造工程が不要となり、大気雰囲気下での簡易な製造工程によって不純物半導体層を容易に形成できる。
本発明の製造方法で製造した不純物半導体層を備える不純物半導体素子を示す模式図である。 本発明の製造装置を示す概略図である。
1.不純物半導体素子の構成
図1において1は、本発明による製造方法によって製造された不純物半導体層3を備える不純物半導体素子を示す。この場合、不純物半導体素子1は、例えば石英ガラスなどにより板状に形成された基板4と、当該基板4の表面に設けられた層状の電極層2と、当該電極層2の表面に形成された所定パターンの不純物半導体層3とを有する。電極層2は、例えばAuやCrなどの金属で形成されており、不純物半導体層3を形成するために後述する製造装置に設置された際に、当該製造装置の電極として機能し得る。不純物半導体層3は、電極層2の表面に配置された複数の不純物半導体部3aにより構成されている。
これら複数の不純物半導体部3aは、全て同一構成を有しており、例えばSiなどの半導体と、Alなどのp型不純物とが混在した不純物半導体により形成されており、外郭が所定形状に形成されている。なお、この実施の形態の場合、不純物半導体部3aは、例えば円柱形状に形成されており、その底面が電極層2の表面に固着され、当該電極層2の表面に対して立設するように配置されている。また、この実施の形態の場合、不純物半導体層3は、互いに隣接する不純物半導体部3a同士が所定間隔を空けて規則的に配置され、所定のパターンを形成している。そして、このような複数の不純物半導体部3aからなる不純物半導体層3は後述する製造装置により形成し得る。
2.本発明の製造装置の構成
次に、不純物半導体層3を電極層2の表面に形成する本発明の製造装置について説明する。図2に示すように、本発明の製造装置11は、容器状の貯留部12を有しており、当該貯留部12内に所定量の電解液13が貯留されている。
貯留部12内には、作用電極14と対電極15と参照電極16とが電解液13に浸漬され得るように配置されている。この場合、対電極15は、例えばPtなどの金属で針金状に形成されており、貯留部12内にて作用電極14と対向配置されている。また、参照電極16は、例えばPtやAgなどの金属で針金状に形成されており、作用電極14及び対電極15間に配置されている。
作用電極14には、基板4の一方の表面に層状の電極層2が形成されており、当該電極層2の表面に所定パターンのフォトレジスト層14aが配置されている。この実施の形態の場合、フォトレジスト層14aは、厚みを貫通するように複数の貫通孔14bが穿設されており、各貫通孔14b内にて電極層2が外部に露出している。
因みに、この実施の形態の場合、フォトレジスト層14aは、各貫通孔14bが全て同一の形状を有しており、隣接する貫通孔14b同士が所定間隔を空けて規則的に配置された構成を有する。なお、この実施の形態の場合、貫通孔14bは、フォトレジスト層14aを表面から見たとき、孔形状が円形状に形成されており、フォトレジスト層14aに円柱状の空間を形成し得るようになされている。
因みに、このような作用電極14は、電子ビーム蒸着法などにより電極層2を基板4上に形成した後、UVナノインプリント法などのリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト層14aを電極層2上に形成することで作製できる。例えばUVナノインプリント法を用いた場合は、まず表面に円柱形状の凸部が所定の間隔をあけて規則的に配置された原版を用意する。次に、電極層2の表面にフォトレジストを塗布した後、原版の凸部の先端が電極層2の表面に接触するまで原版を電極層2に押し付ける。この際、電極層2の表面と原版の表面との間は、フォトレジストで充満した状態となる。最後に、紫外線を、原版を介してフォトレジストに照射して、電極層2の表面と原版の表面との間のフォトレジストを固化させることで、原版の凸部形状に対応した形状の貫通孔14bが規則的に配置されたフォトレジスト層14aを形成できる。
これに加えて、この製造装置11には、定電位電解部17が設けられており、作用電極14の電極層2に接続された導線18aと、対電極15に接続された導線18bと、参照電極16に接続された導線18cとが、当該定電位電解部17にそれぞれ接続されている。定電位電解部17は、導線18a及び導線18bを介して電解液13内の作用電極14と対電極15との間に電流を流すとともに、導線18a及び導線18cを介して作用電極14と参照電極16との間の電位差を測定し得るようになされている。これにより、定電位電解部17は、参照電極16を基準としたときの作用電極14及び参照電極16間の電位差を、作用電極14の電位と見なし、当該電位が所定の値となるように、電解液13内にて作用電極14と対電極15との間に流す電流を調整し得る。
ここで、作用電極14、対電極15及び参照電極16が浸漬される電解液13は、例えば、p型の不純物半導体層3を形成する場合、半導体イオン(Siイオン)とp型不純物イオン(Alイオン)とがイオン液体内に溶解された電解液13が用いられる。これにより、作用電極14には、作用電極14と対電極15との間に電流が流れることで、フォトレジスト層14aの各貫通孔14b内で電解液13に露出している電極層2の表面に、半導体イオン及びp型不純物イオンの還元反応によって、半導体及びp型不純物が混在したp型の不純物半導体が電解析出し得る。
かくして、作用電極14には、フォトレジスト層14aの貫通孔14bごとに、p型の不純物半導体でなる不純物半導体部3aが形成され、これら複数の不純物半導体部3aが所定間隔で配置された不純物半導体層3が電極層2の表面に形成され得る。
なお、この実施の形態の場合、電解液13は、例えば、トリメチルヘキシルアンモニウム‐ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TMHA‐TFSI)などのイオン液体に、SiClなどの半導体化合物と、AlClなどのp型不純物化合物とを溶解することにより生成し得る。これにより、電解液13は、半導体化合物とp型不純物化合物とがイオン液体に溶解する過程でイオン化され、半導体イオンとp型不純物イオンとがイオン液体内に存在した状態となり得る。因みに、イオン液体へのp型不純物の添加量を調整することで、電解析出する不純物半導体でのp型不純物の含有量を調整できる。
ここで、p型不純物化合物としては、例えば塩化、臭化、フッ化又はよう化したAl、Ga、B、Tlを適用することができ、この場合、p型不純物イオンとして、Alイオン、Gaイオン、Bイオン、Tlイオンを電解液内に含有させることができる。
また、半導体化合物としては塩化、臭化、フッ化又はよう化した、Si、Geを適用することができ、この場合、半導体イオンとしてSiイオン、Geイオンを電解液内に含有させることができる。
因みに、上述した実施の形態においては、溶媒としてのイオン液体にp型不純物化合物を添加して、p型不純物イオンがイオン液体内に溶解した電解液13を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、イオン液体にn型不純物化合物を添加して、n型不純物イオンがイオン液体内に溶解した電解液を適用してもよい。
このようなn型不純物イオンがイオン液体内に溶解した電解液を用いた場合には、フォトレジスト層14aの各貫通孔14b内の電極層2に、n型の不純物半導体を電解析出させることができ、かくして、n型の不純物半導体でなる複数の不純物半導体部が所定間隔で配置されたn型の不純物半導体層を電極層2の表面に形成できる。
因みに、この場合、n型不純物化合物としては、塩化、臭化、フッ化又はよう化したP、Sb、Biを適用することができ、これにより、n型不純物イオンとして、Pイオン、Sbイオン、Biイオンを電解液内に含有させることができる。
なお、上述した実施の形態のように、イオン液体としてTMHA‐TFSIを適用し、半導体化合物としてSiClを適用し、p型不純物化合物としてAlClを適用した場合には、TMHA‐TFSIに対して、SiClを0.5Mの濃度で混合し、AlClを8.8×10-4Mの濃度で混合することが好ましい。
3.本発明による不純物半導体層の製造方法
次に、上述の製造装置11を用いて不純物半導体層3を製造する製造方法について説明する。この場合、定電位電解部17により、貯留部12内の電解液13に浸漬された作用電極14及び対電極15間に流す電流を調整し、作用電極14の電位を負の所定の値にする。当該作用電極14の電位を所定時間維持し、フォトレジスト層14aの貫通孔14b内にて電解液13に露出している電極層2の表面に、半導体イオン及びp型不純物イオンの還元反応によって、半導体及びp型不純物が混在したp型の不純物半導体を電解析出させる。これにより、製造装置11では、作用電極14の貫通孔14bごとに不純物半導体部3aが形成され、これら複数の不純物半導体部3aが所定パターンで配置された不純物半導体層3を作製できる。
上述の実施の形態の場合、作用電極14の電位を-4V以上-1V以下となるようにし、当該作用電極14の電位を0.01時間以上1時間以下の間維持する。因みに、作用電極14の電位の値を調整することで、不純物半導体層3のp型不純物の含有量を調整できる。
次いで、製造装置11の貯留部12から作用電極14を取り出した後、例えばプラズマアッシャーによって、作用電極14のフォトレジスト層14aを除去することにより、基板4上の電極層2の表面に、複数の不純物半導体部3aでなる不純物半導体層3が形成された不純物半導体素子1を製造できる。
また、この実施の形態に場合、最後に、真空中、又は例えばArなどの不活性ガス中に不純物半導体素子1を置き、不純物半導体素子1を100℃以上1500℃以下で0.1時間以上加熱して熱処理を行う。このような熱処理によって、不純物半導体素子1における不純物半導体層3の結晶性を向上できると共に、当該不純物半導体層3に含まれているCの量を低減できる。
4.作用及び効果
以上の構成において、本発明の製造装置11では、溶媒としてのイオン液体中にp型不純物イオン及び半導体イオンを含有した電解液13が貯留された貯留部12と、貯留部12内で電解液13に浸漬されて対向配置された作用電極14及び対電極15と、作用電極14及び対電極15間に電流を流す定電位電解部17とを設けるようにした。
そして、この製造装置11では、電解液13内に浸漬させた作用電極14と対電極15との間に、定電位電解部17により電流を流して作用電極14の電位を所定の値に設定するようにしたことにより、作用電極14に設けたフォトレジスト層14aの各貫通孔14b内にそれぞれ露出した電極層2の表面に、p型の不純物半導体が電解析出してゆき、当該電極層2の表面に不純物半導体層3を形成できる。
このように、本発明の製造装置11では、貯留部12内にて電解液13に浸漬させた作用電極14と対電極15との間に電流を流すだけで、電解液13に含有しているp型不純物イオンと、半導体イオンとの還元反応により、電極層2の表面に不純物半導体を電解析出させて不純物半導体層3を形成でき、かくして、従来のような真空状態を維持する煩雑な製造工程が不要となり、大気雰囲気下での簡易な製造工程によって不純物半導体層3を容易に形成できる。
また、本発明の製造装置11では、複数の貫通孔14bを所定パターンで形成したフォトレジスト層14aを、電極層2の表面に設け、各貫通孔14b内に露出した電極層2の表面に、電解析出により不純物半導体部3aをそれぞれ形成するようにした。これにより、本発明の製造装置11では、フォトレジスト層14aの貫通孔14bに対応した位置にそれぞれ不純物半導体部3aを形成し得、これら複数の不純物半導体部3aが所望のパターンで配置された不純物半導体層3を電極層2上に形成できる。
従って、本発明の製造装置11では、最終的に形成したい不純物半導体層3の所望パターンに合わせて、複数の貫通孔14bを配置させたフォトレジスト層14aを単に電極層2の表面に形成しておくだけで、不純物半導体部3aが所望パターンに配置された不純物半導体層3を形成できるので、不純物半導体層3の形成工程と同時に、不純物半導体層3のパターニング工程をも行うことができ、その分、従来のように層状の不純物半導体層を形成した後にエッチング技術により層状の不純物半導体層を別途パターニングする場合に比して、製造工程を簡略化できる。
また、この製造装置11では、フォトレジスト層14aに形成する貫通孔14bの形状を変えるだけで、所望する形状の不純物半導体部3aを容易に形成できる。
5.検証試験
次に、上述の本発明による製造装置11を用いて不純物半導体層3を作製し、作製した不純物半導体層の特性について評価した。この検証試験では、半導体化合物としてSiClを用い、p型不純物化合物としてAlClを用い、溶媒としてTMHA‐TFSIを用いて電解液13を作製した。具体的には、SiClとAlClとをそれぞれ0.5M,8.8×10-4Mの濃度でTMHA‐TFSIに溶解させて、半導体イオンとしてSiイオンを含有し、かつp型不純物イオンとしてAlイオンを含有した電解液13を作製した。
また、この検証試験では、石英ガラスでなる板状の基板4を用意し、電子ビーム蒸着によって、厚さ0.01μmのCr層と、厚さ0.2μmのAu層とを基板4上に順に積層して電極層2を作製した。次いで、UVナノインプリント法により、貫通孔14bが所定パターンで形成されたフォトレジスト層14aを、電極層2の表面に形成し、これを作用電極14として貯留部12内に設置した。
なお、この場合、フォトレジスト層14aには、直径が0.3μmで、孔形状が円形状でなる複数の貫通孔を、1μmの間隔をあけて規則的に配置させた。なお、各貫通孔14b内には電極層2が露出している。さらに、この検証試験では、Ptでなる対電極15と、Agでなる参照電極16とを用意し、対電極15と作用電極14とを貯留部12内で対向配置させ、さらに、対電極15及び作用電極14間に参照電極16を配置させた。
なお、これら作用電極14、対電極15及び参照電極16には、導線18a、18b、18cを用いて定電位電解部17を接続させた。そして、作用電極14と対電極15との間に流す電流を、定電位電解部17によって制御して作用電極14の電位を-2.5Vとし、0.1時間、当該電位を維持した。
これにより、作用電極14には、フォトレジスト層14aの各貫通孔14b内に電解析出物が出現していることが確認できた。その後、作用電極14を電解液13から取り出し、フォトレジスト層14aを除去した。これにより、電極層2の表面には、フォトレジスト層14aの各貫通孔14bの位置に、当該貫通孔14bの形状と同じ形状でなる電解析出物が形成されていることが確認できた。次に、電極層2の表面に形成された電解析出物のゼーベック係数をゼーベック係数測定装置を用いて測定した。その結果、電極層2の表面に形成された電解析出物は、ゼーベック係数が500〜700/μVK-1であり、正の値であった。よって、電極層2の表面に形成された電解析出物は、p型の不純物半導体層であることが確認できた。
次に、このように電極層2上に不純物半導体層3を有した不純物半導体素子1に対して熱処理を行い、熱処理前と熱処理後での不純物半導体層3の炭素の量を調べた。なお、ここでは、熱処理として、Ar雰囲気中において250℃で1時間、不純物半導体素子1を加熱した。そして、炭素の量は、XPSにより測定した。これにより熱処理した不純物半導体層3では、炭素の量が低減していることが確認できた。また、熱処理後の不純物半導体層3は結晶性も向上することが確認できた。
6.変形例
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能であり、例えば、電極層2、対電極15、参照電極16、及び基板4を形成する材料を適宜変更することができる。
上述した実施の形態では、溶媒として、TMHA‐TFSIを用いて電解液13を作製した場合について説明したが、本発明はこれに限られず、TMHA‐TFSIにかえて1-butyl-1-methylpyrrolidiniumbis(trifluoromethylsulfonyl)amide、1-butyl-1-methylpyrrolidiniumtrifluoromethylsulfonate、1-butyl-1-methylpyrrolidiniumtris(pentafluoroethyl)-trifluorophosphateなどのイオン液体や、プロピレンカーボネート(PC)などの有機溶媒を、溶媒として用いて電解液を作製してもよい。
上述した実施の形態では、本発明の製造装置11及び製造方法を用いて、p型の不純物半導体層3、又はn型の不純物半導体層を製造する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、本発明の製造装置11及び製造方法を用いて、pn接合を有する不純物半導体層を製造するようにしてもよい。この場合、製造装置11では、先ず始めにp型の不純物半導体を電極層2の表面に電解析出させてp型の不純物半導体部3aを形成し、次いで、貯留部12に貯留されているp型不純物イオンを含有した電解液13を、p型不純物イオンとは導電型が異なるn型不純物イオンを含有した別の電解液にかえて、n型の不純物半導体をp型の不純物半導体部3a上に電解析出させる。これにより、製造装置11は、電極層2上にあるp型の不純物半導体層3上に、n型の不純物半導体層を積層させた、pn接合の不純物半導体層を作製できる。
上述した実施の形態では、基板4上に電極層2を設けた作用電極14を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られず、基板4を設けずに、板状の電極層2を用いた作用電極を適用してもよい。
上述した実施の形態では、所定の間隔をあけて規則的に配置させた円柱形状の不純物半導体部3aを電極層2上に形成する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、フォトレジスト層14aに形成した貫通孔14bの形状や配置を変えることで、不純物半導体部3aの形状や配置を適宜変更するようにしてもよい。また、本発明の製造装置11及び製造方法では、フォトレジスト層14aを形成せずに、基板4上に電極層2のみが設けられた作用電極を用いて、電極層2上に層状の不純物半導体層を形成するようにしてもよい。
上述した実施の形態では、フォトレジスト層14aを除去した後、不純物半導体層3を熱処理した場合について説明したが、本発明はこれに限られず、不純物半導体層3を熱処理しなくてもよい。
1 不純物半導体素子
2 電極層
3 不純物半導体層
11 製造装置
12 貯留部
13 電解液
14 作用電極
15 対電極
17 定電位電解部

Claims (4)

  1. p型不純物イオン又はn型不純物イオンのいずれか一方と、半導体イオンとを含有した電解液が貯留された貯留部と、
    前記貯留部内にて前記電解液に浸漬された作用電極と、
    前記貯留部内にて前記電解液に浸漬され、前記作用電極と対向配置された対電極と、
    前記作用電極と前記対電極との間に電流を流し、前記作用電極の電極層表面に、p型又はn型の不純物半導体を電解析出させ、該電極層表面に不純物半導体層を形成させる定電位電解部と
    を備え
    前記作用電極には、複数の貫通孔を有するフォトレジスト層が前記電極層表面に形成されており、各前記貫通孔内で外部に露出している前記電極層表面に前記不純物半導体を電解析出させる
    ことを特徴とする不純物半導体層の製造装置。
  2. p型不純物イオン又はn型不純物イオンのいずれか一方と、半導体イオンとを含有した電解液が貯留された貯留部内に、前記電解液に浸漬させるように作用電極と対電極とを対向配置させ、定電位電解部によって、前記作用電極と前記対電極との間に電流を流し、前記作用電極の電極層表面に、p型又はn型の不純物半導体を電解析出させ、該電極層表面に不純物半導体層を形成する不純物半導体層の製造方法であって、
    前記作用電極には、複数の貫通孔を有するフォトレジスト層が前記電極層表面に形成されており、各前記貫通孔内で外部に露出している前記電極層表面に前記不純物半導体が電解析出する
    ことを特徴とする不純物半導体層の製造方法。
  3. 前記p型不純物イオン又は前記n型不純物イオンを含有した一の前記電解液を用いて、前記p型又は前記n型でなる一の前記不純物半導体を前記電極層上に電解析出させた後、前記一の電解液に含まれる前記p型不純物イオン又は前記n型不純物イオンとは導電型が異なる前記n型不純物イオン又は前記p型不純物イオンを含有した別の前記電解液を用いて、前記n型又は前記p型でなる他の前記不純物半導体を前記一の不純物半導体上に電解析出させる
    ことを特徴とする請求項に記載の不純物半導体層の製造方法。
  4. 前記不純物半導体層を熱処理する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の不純物半導体層の製造方法。
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