JP6524450B2 - 鋼製部材の縦継構造 - Google Patents

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Description

本開示は、鋼製部材を材軸方向に連結する鋼製部材の縦継構造に関する。
複数の鋼矢板を縦継する場合、一般的に鋼矢板同士を現場で溶接して縦継している。この場合、鋼矢板の断面積の増大に伴って溶接量が増大し、溶接時間が長くなる。特に、縦継ぎ部の箇所が多い場合には、工期が長期化する傾向にある。
そこで、剛性・耐力を確保しつつ、安価かつ簡便に施工して工期やコストを削減できるものとして、例えば日本国特許出願公開2011−38288号公報(以下、特許文献1という)に開示された鋼矢板の継手構造が提案されている。
特許文献1に開示された鋼矢板の継手構造は、断面屈曲状の鋼矢板を上下に連結する。下側鋼矢板の上端部には、鋼矢板のウェブ及びフランジの表面から突出する下側継手部材が設けられている。上側鋼矢板の下端部には、ウェブ及びフランジの表面から突出する上側継手部材が設けられている。そして、下側鋼矢板の上端縁と上側鋼矢板の下端縁とが当接された状態で下側継手部材と上側継手部材が固着手段で固着される。
しかし、特許文献1に開示された鋼矢板の継手構造では、縦継ぎ部の曲げ剛性が低く、縦継ぎ部が構造的弱点となりやすい。
そこで、本開示は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、鋼製部材を材軸方向に連結する作業を容易とし、十分な初期剛性及び耐力を確保できる鋼製部材の縦継構造を提供することにある。
上記課題を解決する鋼製部材の縦継構造は、材軸方向に連結される一方の鋼製部材の端部側面及び他方の鋼製部材の端部側面より突出する鋼製部材側突起部であって、突出方向に対して傾斜する鋼製部材側斜面が両鋼製部材の境界側及び境界から離れた側の少なくとも一方に形成された前記鋼製部材側突起部と、前記境界を跨いで配置される平板部及び該平板部より各鋼製部材の端部側面へ向けて突出する連結側突起部を有するとともに、前記鋼製部材側突起部の鋼製部材側斜面に対向する連結側斜面が前記連結側突起部に形成された連結部材と、前記平板部と前記鋼製部材側突起部との間に隙間を形成した状態で前記連結側斜面を対向する前記鋼製部材側斜面に押し当てる固定部材と、を備えている。
本開示に係る鋼製部材の縦継構造によれば、鋼製部材同士を材軸方向に連結する作業を容易とし、十分な初期剛性及び耐力を確保できる。
本開示を適用した鋼製部材の縦継構造が用いられた鋼製壁を示す斜視図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造を示す斜視図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造でハット形鋼矢板のフランジ部のみを連結部材を用いて連結した状態を示す平面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造でU形鋼矢板を連結した状態を示す平面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造でZ形鋼矢板を連結した状態を示す平面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造でハット形鋼矢板のフランジ部及びアーム部を連結した状態を示す平面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造の連結部材を示す正面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造の連結部材を示す背面図である。 本開示を適用した実施形態に係る鋼製部材の縦継構造で鋼矢板の縦継部分を示す側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造の変形例を示す側面図である。 図9の一部を示す拡大図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で先端側を幅広とした両面テーパ状の連結側突起部及び鋼製部材側突起部を示す変形例の一部の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で両側面を略平行とした両面テーパ状の連結側突起部及び鋼製部材側突起部を示す変形例の一部の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で連結部材の平板部を貫通する軸部材で連結部材を移動させる前の状態を示す実施形態の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で連結部材の平板部を貫通する軸部材で連結部材を移動させた後の状態を示す実施形態の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で連結部材の連結側突起部を貫通して鋼矢板の端部側面に当接される軸部材を示す変形例の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で連結部材の連結側突起部を貫通して鋼矢板の端部側面に設けられた板状部材に当接される軸部材を示す変形例の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で鋼矢板の端部のみを貫通させた軸部材を示す変形例の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で鋼矢板の端部及び板状部材を貫通させた軸部材を示す変形例の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で連結部材と鋼矢板の端部側面との間に介装される楔部材で連結部材を移動させる前の状態を示す変形例の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で連結部材と鋼矢板の端部側面との間に介装される楔部材で連結部材を移動させた後の状態を示す変形例の側面図である。 図14の一部を示す拡大図である。 図15の一部を示す拡大図である。 図13に対応した連結部材の移動前の状態を示す一部の側面図である。 図13に対応した連結部材の移動後の状態を示す一部の側面図である。 図12に対応した連結部材の移動前の状態を示す一部の側面図である。 図12に対応した連結部材を移動させ連結側突起部の内側面と鋼製部材側突起部の外側面とが当接するまで接近した状態を示す一部の側面図である。 図12に対応した連結部材の移動前の状態を示す一部の側面図である。 図12に対応した連結部材を移動させ連結側突起部の内側面と鋼製部材側突起部の外側面とが当接されずに接近した状態を示す一部の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で曲げ荷重に起因して作用する圧縮力を示す側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で曲げ荷重に起因して作用する引張力を示す側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で鋼製部材としてH形鋼を用いた例を示す平面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で鋼製部材として角形鋼管を用いた例を示す平面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で鋼製部材として円形鋼管を用いた例を示す平面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造で鋼矢板の端部を板厚方向両面から挟むようにして連結した変形例を示す平面図である。 本開示を適用した他の実施形態に係る鋼製部材の縦継構造で鋼矢板の縦継部分を縦継する前の状態を示す斜視図である。 本開示を適用した他の実施形態に係る鋼製部材の縦継構造で鋼矢板の縦継部分を縦継した状態を示す斜視図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造の他の実施形態の変形例を示す斜視図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造における他の実施形態で、両面テーパ状に形成された連結側突起部及び鋼製部材側突起部を示す一部の側面図である。 本開示を適用した他の実施形態に係る鋼製部材の縦継構造の変形例を示す一部の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造における他の実施形態で、連結側突起部に設けられた孔に挿通された軸部材を示す変形例の側面図である。 連結部材に設けられた孔へ挿入した軸部材が鋼矢板の端部に設けられた孔を貫通してナットに螺合された状態を示す変形例の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造における他の実施形態で、仮受け材により連結部材を固定する前の状態を示す変形例の斜視図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造における他の実施形態で、仮受け材により連結部材を固定した状態を示す変形例の斜視図である。 図39に対応した連結部材の移動前の状態を示す一部の側面図である。 図39に対応した連結部材の移動後の状態を示す一部の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造における他の実施形態で、連結側突起部の突出高が鋼製部材側突起部の突起高と略等しくなるように形成された状態を示す側面図である。 図47の連結部材の移動後の状態を示す一部の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造における他の実施形態の変形例で、連結側突起部における先端面の縁が鋼製部材側突起部における側面と当接する場合を示す一部の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造における他の実施形態の変形例で、鋼製部材側突起部における先端面の縁が連結側突起部における側面と当接する場合を示す一部の側面図である。 本開示を適用した鋼製部材の縦継構造における他の実施形態の変形例で、鋼製部材側突起部が両鋼製部材の境界から近い側に形成された縦継構造で縦継された鋼矢板の縦継部分を示す側面図であり、連結部材の平板部を貫通する軸部材で連結部材を移動させる前の状態を示す図である。 図51の連結部材の平板部を貫通する軸部材で連結部材を移動させた後の状態を示す側面図である。
以下、本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
この鋼製部材の縦継構造1は、図1に示すように、例えば、長尺の鋼矢板2を施工できない狭隘地等の現場において、地盤内8の下方及び上方に埋め込まれる短尺の鋼矢板2を、複数の鋼製部材として材軸方向Yで互いに連結するために用いられる。
鋼製部材の縦継構造1は、複数の鋼矢板2等の鋼製部材を材軸方向Yに連結して長尺の連結鋼製部材70を形成する。また、鋼製部材の縦継構造1は、材軸方向Yに連結された複数の鋼製部材を1個の連結鋼製部材70として、複数の連結鋼製部材70を壁幅方向Zに連設して鋼製壁7を構築する。
鋼製部材の縦継構造1は、図2に示すように、主に、各々の鋼製部材としてハット形鋼矢板21等の鋼矢板2が用いられる。また、鋼製部材の縦継構造1は、複数の鋼矢板2の各々の材軸方向Yの端部30を材軸方向Yに対向させて、各々の鋼矢板2の材軸方向Yの端部30を互いに連結させた縦継箇所3が形成される。この縦継箇所3は、縦継された一方の鋼矢板2と他方の鋼矢板2との境界を構成する。
鋼製部材の縦継構造1は、複数の鋼矢板2の材軸方向Yの縦継箇所3に架設される連結部材5と、連結部材5に取り付けられる軸部材41等が用いられた固定部材4と、各々の鋼矢板2の端部30に設けられる鋼製部材側突起部60とを備える。
鋼矢板2は、図3に示すように、ハット形鋼矢板21が用いられる場合に、フランジ部2aと、一対のウェブ部2bと、一対のアーム部2cと、一対の継手部2dとを有する。壁幅方向Zに並べられた鋼矢板2は、継手部2dが互いに嵌合されて連結される。
鋼矢板2は、壁幅方向Zに延びてフランジ部2aが形成されるとともに、壁幅方向Zでフランジ部2aの両端の各々から、各々のウェブ部2bが傾斜させて形成されることで、溝部Sが形成される。鋼矢板2は、各々のウェブ部2bの片端から、各々のアーム部2cが形成されるとともに、各々のアーム部2cの先端に、各々の継手部2dが形成される。
鋼矢板2は、フランジ部2a、ウェブ部2b及びアーム部2cの各々の側面が略平坦状に形成されることで、互いに連結される材軸方向Yの端部30で略平坦状の端部側面31が形成される。
鋼矢板2は、ハット形鋼矢板21が用いられるだけでなく、例えば、図4、図5の変形例に示すように、U形鋼矢板22又はZ形鋼矢板23等が用いられてもよい。
鋼矢板2は、図4に示すように、U形鋼矢板22が用いられる場合に、フランジ部2aと、一対のウェブ部2bと、一対の継手部2dとを有して、フランジ部2a及びウェブ部2bの側面が、材軸方向Yの端部30で略平坦状に形成された端部側面31となる。
また、鋼矢板2は、図5に示すように、Z形鋼矢板23が用いられる場合に、ウェブ部2bと、一対のアーム部2cと、一対の継手部2dとを有して、ウェブ部2b及びアーム部2cの側面が、材軸方向Yの端部30で略平坦状に形成された端部側面31となる。
鋼矢板2は、図3に示すように、フランジ部2aにおける端部側面31に連結部材5が架設されるだけでなく、ウェブ部2b又はアーム部2cにおける端部側面31に連結部材5が架設されてもよい。ハット形鋼矢板21が用いられた鋼矢板2は、特に、図6に示すように、フランジ部2a及び一対のアーム部2cにおける端部側面31に連結部材5が架設されることが望ましい。
連結部材5は、図7及び図8に示すように、鋼板等が用いられた平板部51と、平板部51から材軸直交方向Xに突出した連結側突起部50とを有する。連結部材5は、壁幅方向Zに連続して延びる複数の連結側突起部50が形成されている。平板部51と各々の連結側突起部50とは、熱間押出や熱間圧延又は冷間圧延の圧延加工等により一体的に形成されている。
連結部材5は、これに限らず、厚板鋼板を切削加工等とすることで、平板部51と連結側突起部50とが機械加工により一体的に形成されてもよい。また、連結部材5は、連結側突起部50として平鋼等が用いられ、平板部51として用いられる鋼板の側面に平鋼を溶接接合することで、平板部51と連結側突起部50とが一体的に形成されてもよい。
平板部51は、略矩形状等に形成されて、幅寸法Bを50mm〜400mm程度、高さ寸法Hを200mm〜400mm程度とする。平板部51は、図9に示すように、板厚tを9mm〜25mm程度として、互いに連結される鋼矢板2の一方の端部30から他方の端部30まで、鋼矢板2の縦継箇所3に跨らせて材軸方向Yに連続させて形成される。
平板部51は、鋼矢板2の一方の端部30側に配置される部分を上板部51a、鋼矢板2の他方の端部30側に配置される部分を下板部51bとする。このとき、平板部51は、上板部51a及び下板部51bの各々で、一又は複数の連結側突起部50が形成されるとともに、材軸直交方向Xに貫通する一又は複数のねじ孔40が形成される。
連結側突起部50は、平板部51から鋼矢板2の端部側面31に向けて材軸直交方向Xに突出する。連結部材5は、材軸方向Yで互いに離間させて複数の連結側突起部50が形成されるとともに、材軸方向Yに隣り合った複数の連結側突起部50を互いに離間させた部分に連結側溝部52が形成される。本実施形態では、上板部51a及び下板部51bのそれぞれに連結側突起部50が複数設けられている。
連結側突起部50は、図11に示すように、その突出方向である材軸直交方向Xに最も突出した部分を連結側突起部50における材軸直交方向Xの先端面50cとして、先端面50cから連結側溝部52の底面まで連続した内側面50a及び外側面50bが形成される。
連結側突起部50は、連結側突起部50における材軸方向Yの内側面50aが、材軸方向Yで縦継箇所3に近接して配置される。また、連結側突起部50における材軸方向Yの外側面50bが、材軸方向Yで縦継箇所3より離れた方向側に配置される。そして、縦継箇所3を境に上下対称に形成されている。
鋼製部材側突起部60は、図9に示すように、各々の鋼矢板2の端部側面31から連結部材5に向けて突出し、各々の鋼矢板2の端部側面31に、一又は複数の鋼製部材側突起部60が形成される。このとき、鋼矢板2の縦継箇所3には、材軸方向Yで互いに離間した複数の鋼製部材側突起部60が形成されるとともに、材軸方向Yに隣り合った複数の鋼製部材側突起部60を互いに離間させた部分に鋼製部材側溝部62が形成される。
鋼製部材側突起部60は、図9に示すように、各々の鋼矢板2の端部30に溶接等により取り付けられた鋼板等の板状部材6に設けられ、鋼製部材側突起部60は、板状部材6から材軸直交方向Xに突出する。
板状部材6には、壁幅方向Zに連続して延びる複数の鋼製部材側突起部60が、熱間押出や熱間圧延又は冷間圧延の圧延加工等により一体的に形成される。また、厚板鋼板を機械加工により切削加工等することで、板状部材6に鋼製部材側突起部60を一体的に形成してもよい。また、板状部材6となる鋼板の側面に、鋼製部材側突起部60となる平鋼等を溶接接合することで、板状部材6に鋼製部材側突起部60を一体的に形成してもよい。
鋼製部材側突起部60は、各々の鋼矢板2の端部30に板状部材6が取り付けられるものに限らず、図10の変形例に示すように、鋼製部材側突起部60となる平鋼等を、各々の鋼矢板2の端部30に直接溶接等により取り付けて鋼製部材側突起部60を形成してもよい。鋼製部材側突起部60は、鋼矢板2の端部30に鋼製部材側突起部60となる平鋼等が直接設けられることで、各々の鋼矢板2の端部側面31から連結部材5に向けて材軸直交方向Xに突出する。
鋼製部材側突起部60は、図11に示すように、材軸直交方向Xに最も突出した部分を鋼製部材側突起部60における材軸直交方向Xの先端面60cとして、先端面60cから鋼製部材側溝部62まで連続する内側面60a及び外側面60bが形成される。そして、鋼製部材側突起部60は、鋼製部材側突起部60における材軸方向Yの内側面60aが、材軸方向Yで縦継箇所3に近接して配置される。また、鋼製部材側突起部60における材軸方向Yの外側面60bが、材軸方向Yで縦継箇所3より離れた方向側に配置される。
連結部材5は、図2に示すように、鋼製部材側突起部60が設けられた鋼矢板2の端部側面31に沿わせて、壁幅方向Zにスライド移動させることで、複数の鋼矢板2の縦継箇所3に架設される。このとき、連結部材5は、図9及び図10に示すように、複数の鋼製部材側突起部60を離間させた鋼製部材側溝部62に連結側突起部50が嵌合される。また、複数の連結側突起部50を離間させた連結側溝部52に鋼製部材側突起部60が嵌合される。
ここで、鋼製部材側突起部60は、図11に示すように、縦継される鋼矢板2の境界を構成する縦継箇所3から離れた側の外側面60bが、突出方向である材軸直交方向Xに対して傾斜する鋼製部材側斜面である。また、鋼製部材側突起部60は、縦継箇所3に近接する側の内側面60aが材軸直交方向Xに延在する。そして、鋼製部材側突起部60は、鋼製部材側突起部60における内側面60aと先端面60cとが略直交しており、鋼製部材側突起部60は、片面テーパ状とされている。
連結側突起部50は、縦継される鋼矢板2の境界を構成する縦継箇所3に近接する側の内側面50aが、突出方向である材軸直交方向Xに対して傾斜する連結側斜面であり、鋼製部材側突起部60の外側面60bと対向する。また、連結側突起部50は、縦継箇所3から離れた側の外側面50bが材軸直交方向Xに延在する。そして、連結側突起部50は、外側面50bと先端面50cとが略直交しており、連結側突起部50は、片面テーパ状とされている。
また、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、図12及び図13の変形例に示すように、材軸方向Yの両側面50a、50b、60a、60bを傾斜させた両面テーパ状としてもよい。
図12の例では、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、連結側突起部50における内側面50aと外側面50bとを異なる方向に傾斜させるとともに、鋼製部材側突起部60における外側面60bと内側面60aとを異なる方向に傾斜させる。
連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、図11及び図12に示すように、連結側突起部50における先端面50cが平板部51側よりも材軸方向Yに拡幅されている。また、鋼製部材側突起部60における先端面60cは、端部側面31側よりも材軸方向Yに拡幅されている。図11及び図12の例では、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、材軸直交方向Xの先端側を幅広とした片面テーパ状又は両面テーパ状に形成されている。
図13の例において、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、連結側突起部50における外側面50bと内側面50aとが略平行であり、鋼製部材側突起部60における内側面60aと外側面60bとが略平行である。このとき、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、材軸直交方向Xの先端側を幅広としないものの、連結側突起部50の先端側を縦継箇所3側に傾倒させた形状に形成され、このような形状も両面テーパ状に含まれることとする。
連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、図11〜図13に示すように、例えば、材軸直交方向Xの先端側での突起幅w1を20mm〜60mm程度、材軸直交方向Xの突出高hを10mm〜30mm程度とする。このとき、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、連結側突起部50の先端側における材軸方向Yの突起幅w1と、鋼製部材側突起部60の先端側における材軸方向Yの突起幅w1とが、互いに略同一に形成されるとともに、材軸直交方向Xの突出高hも、互いに略同一に形成される。
連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、連結側突起部50における先端面50cと内側面50a又は外側面50bとのコーナー部分Cが、熱間押出加工にて略湾曲状又は略直線状等に面取りされている。なお、各コーナー部分Cは、機械加工で面取りしてもよい。また、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、鋼製部材側突起部60における先端面60cと内側面60a又は外側面60bとのコーナー部分Cも、熱間押出加工にて略湾曲状又は略直線状等に面取りされている。
また、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、連結側溝部52又は鋼製部材側溝部62の先端側での材軸方向Yの開口幅c1を10mm〜50mm程度とする。このとき、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、連結側突起部50及び連結側溝部52を合わせた材軸方向Yの合計寸法である合計延長lp(=w1+c1)と、鋼製部材側突起部60及び鋼製部材側溝部62を合わせた材軸方向Yの合計延長lp(=w1+c1)とが、互いに略同一に形成される。
連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、互いに略同一の形状寸法となるように形成される。そして、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、図11、図12に示すように、材軸直交方向Xの先端側を幅広とした片面テーパ状又は両面テーパ状に形成される場合に、材軸直交方向Xの基端側での接続幅w2が、材軸直交方向Xの先端側での突起幅w1よりも小さくなる。連結側溝部52又は鋼製部材側溝部62の奥側での材軸方向Yの離間幅c2が、連結側溝部52又は鋼製部材側溝部62の開口幅c1よりも大きくなる。このため、前述したように、連結部材5を鋼矢板2の端部側面31に沿って壁幅方向Zにスライド移動させることで、連結部材5が鋼矢板2の縦継箇所3に架設される。
連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、材軸直交方向Xの先端側を幅広とした場合に、連結側突起部50及び連結側溝部52を合わせた材軸方向Yの合計延長lpと突起幅w1とが、下記(1)式により規定される関係を満足する。また、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、鋼製部材側突起部60及び鋼製部材側溝部62を合わせた材軸方向Yの合計延長lpと突起幅w1とが、下記(1)式により規定される関係を満足する。
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連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、材軸直交方向Xの先端側での突起幅w1を、連結側溝部52又は鋼製部材側溝部62の離間幅c2よりも小さくして、材軸直交方向Xの基端側での接続幅w2を、連結側溝部52又は鋼製部材側溝部62の開口幅c1よりも小さくする。これにより、連結側突起部50と鋼製部材側突起部60とを互いに材軸直交方向Xに離間させることで、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bが当接し押し当てられ連結状態となる。
連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、図14に示すように、軸部材41による移動前に連結側突起部50と鋼製部材側突起部60とを互いに離間させて所定の間隙Gが形成される。これにより、連結側突起部50を鋼製部材側溝部62に嵌合させるとともに、鋼製部材側突起部60を連結側溝部52に嵌合させた状態で、少なくとも連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとを、材軸方向Yで互いに離間させた状態となる。
固定部材4は、図15に示すように、連結部材5を材軸直交方向Xに移動させ、連結部材5の平板部51と鋼製部材側突起部60との間に材軸直交方向Xの隙間SPを形成した状態で連結部材5の内側面50aを対向する鋼製部材側突起部60の内側面60aに押し当てる。
固定部材4は、主に、連結部材5を貫通するとともに鋼製部材側突起部60又は鋼矢板2の端部側面31に当接される軸部材41が用いられる。軸部材41は、連結部材5を貫通させてねじ切りされたねじ孔40に螺合されるボルトが用いられるほか、他の例として、ねじ、ビス又は打込鋲等が用いられ、ボルト等の先端部41aが鋼製部材側突起部60等に当接される。
軸部材41は、連結部材5の連結側溝部52に開口するねじ孔40が形成される場合に、ボルト等の先端部41aが鋼製部材側突起部60に当接される。また、軸部材41は、図16に示すように、連結部材5の連結側突起部50にねじ孔40が形成され、鋼製部材側突起部60が鋼矢板2の端部30に直接に設けられる場合の別例として、ボルト等の先端部41aが鋼矢板2の端部側面31に当接されてもよい。
さらに、軸部材41は、図17に示すように、連結部材5の連結側突起部50にねじ孔40が形成され、鋼製部材側突起部60と一体的に形成した板状部材6が鋼矢板2の端部30に取り付けられる場合の別例として、ボルト等の先端部41aが板状部材6に当接されてもよい。
固定部材4は、図18に示すように、鋼矢板2の端部30を貫通するとともに連結部材5に当接される軸部材41が用いられてもよい。そして、軸部材41は、鋼矢板2の端部30を貫通させてねじ切りされたねじ孔40に螺合されるボルトが用いられるほか、他の例として、ねじ、ビス又は打込鋲等が用いられて、ボルト等の先端部41aが連結部材5に当接される。
軸部材41は、図18に示すように、鋼製部材側突起部60が鋼矢板2の端部30に直接に設けられる場合、鋼製部材側溝部62となる部分で鋼矢板2の端部30にねじ孔40が形成される。そして、このねじ孔40に螺入されたボルト等の先端部41aが連結部材5の連結側突起部50に当接される。
また、軸部材41は、図19に示すように、鋼矢板2の端部30に取り付けられる板状部材6にもねじ孔40が形成された場合、鋼矢板2の端部30及び板状部材6を貫通するとともに連結部材5に当接されるボルト等が用いられてもよい。
軸部材41は、図14に示すように、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60を嵌合させた直後において、ボルト等の先端部41aが鋼製部材側突起部60等に当接された状態とする。すなわち、軸部材41は、図15に示すように、連結部材5のねじ孔40に螺合されたボルト等が捩じ込まれる。
そして、軸部材41は、鋼製部材側突起部60等に先端部41aが当接されたボルト等から捩じ込みに伴う反力等が作用することで、図15〜図19に示すように、材軸直交方向Xで鋼矢板2の端部側面31から離間する方向に連結部材5を移動させる。
固定部材4は、図20及び図21の変形例に示すように、連結部材5を材軸直交方向Xに移動させるものとして、連結部材5と鋼矢板2の端部側面31との間に介装される楔部材42を用いてもよい。本実施形態では、材軸直交方向Xの一方側に楔部材42を設ける場合を例に挙げたが、連結部材5に対する材軸直交方向Xの両方側に楔部材42を設けても良い。
楔部材42は、連結部材5と鋼矢板2の端部側面31との間に先行して打ち込まれる先行部42aからテーパ状に板厚を大きくした略楔形状とする。
楔部材42は、図20に示すように、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60を嵌合させた直後において、連結部材5と鋼矢板2の端部側面31との間に先行部42aから打ち込まれる。そして、楔部材42は、図21に示すように、連結部材5と鋼矢板2の端部側面31との間にさらに打ち込まれて、材軸直交方向Xで鋼矢板2の端部側面31から離間する方向に連結部材5を移動させる。
なお、固定部材4は、図14〜図19に示す何れかの軸部材41、又は、図20及び図21に示す楔部材42が単独で用いられるほか、これらの軸部材41及び楔部材42が組み合わせて用いられることで、材軸直交方向Xに連結部材5を移動させるものでもよい。
固定部材4は、図22に示すように、鋼矢板2の端部側面31から離間する方向に連結部材5を移動させる前の状態で、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとが、材軸方向Yで互いに離間した状態となる。そして、固定部材4は、図23に示すように、鋼矢板2の端部側面31から離間する方向に連結部材5を移動させた状態で、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとが、材軸方向Yで互いに接近した状態となる。
固定部材4は、図22及び図23に示すように、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60の各々が片面テーパ状に形成される場合に、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとを、互いに当接するまで接近した状態とする。
また、固定部材4は、図24及び図25に示すように、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60の各々が略平行の両面テーパ状に形成される場合にも、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとを、互いに当接するまで接近した状態とする。
固定部材4は、図26〜図29に示すように、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60の各々が幅広の両面テーパ状に形成される場合にも、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとを互いに接近した状態とする。
この場合には、連結部材5を移動させる前の状態で、例えば、図26に示すように、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとを離間させた間隙Gを、連結側突起部50の外側面50bと鋼製部材側突起部60の内側面60aとを離間させた間隙Gよりも小さくする。
そして、固定部材4は、連結部材5を移動させた後の状態で、図27に示すように、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとを、互いに当接するまで接近した状態とする。
また、連結部材5を移動させる前の状態で、図28に示すように、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとを離間させた間隙Gが、連結側突起部50の外側面50bと鋼製部材側突起部60の内側面60aとを離間させた間隙Gよりも大きくなってもよい。
このとき、固定部材4は、連結部材5を移動させた後の状態で、図29に示すように、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとを、互いに当接させないものの接近した状態とする。
なお、連結部材5を移動させる前の状態で、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとを離間させた間隙Gと、連結側突起部50の外側面50bと鋼製部材側突起部60の内側面60aとを離間させた間隙Gとが、互いに同程度の大きさでもよい。このとき、固定部材4は、連結部材5を移動させた後の状態で、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60の両側面を、互いに当接するまで接近した状態とする。
材軸方向Yに並ぶ複数の鋼製部材側突起部60間の鋼製部材側溝部62には、連結部材5の連結側突起部50が配置され、連結側突起部50間の連結側溝部52には、鋼製部材側突起部60が配置される。
鋼製部材側突起部60間の鋼製部材側溝部62に配置された連結側突起部50は、例えば図11に示すように、縦継箇所3から離れる方向に配置された鋼製部材側突起部60がストッパーとして機能することで、縦継箇所3から離れる方向への逃げが規制される。
ここで、縦継箇所3から離れる方向に配置された鋼製部材側突起部60とは、連結側突起部50の内側面50aが押し当てられている鋼製部材側突起部60を基準として、縦継箇所3から離れる方向に配置された鋼製部材側突起部60を示す。
また、ストッパーは、鋼製部材側突起部60の内側面60aが連結側突起部50の外側面50bに接している場合のみを示すものではない。例えば、鋼製部材側突起部60内側面60aが連結側突起部50の外側面50bから離れていても、連結側突起部50に倒れが生じた際に連結側突起部50に接して逃げを規制できればストッパーを構成するものとする。
(作用)
鋼製部材の縦継構造1は、連結側突起部50と鋼製部材側突起部60とを離間させた間隙Gが形成されることで、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60を円滑に嵌合させることができる。このように、鋼製部材の縦継構造1は、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60の嵌合作業が円滑となることで、複数の鋼矢板2を材軸方向Yに連結する作業を容易、迅速に実施することが可能となる。
鋼製部材の縦継構造1は、図1に示すように、複数の鋼矢板2を地盤内8に埋め込むときに、又は、複数の鋼矢板2が地盤内8に埋め込まれた状態で、複数の鋼矢板2を連結させた縦継箇所3に曲げ荷重が作用する。
そして、鋼製部材の縦継構造1は、図2に示すように、連結部材5をスライド移動させて連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60を嵌合させ荷重を受けた初期状態である直後から、鋼矢板2本体と同程度の十分な曲げ剛性を縦継箇所3で確保するために設けられる。
本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1は、図30に示すように、材軸方向Yで複数の鋼矢板2を互いに接近させる方向に、曲げ荷重に起因する圧縮力Pが作用する。このとき、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60を嵌合させた直後の状態から、各々の鋼矢板2の端部30の端面30aが縦継箇所3で互いに当接されることで、複数の鋼矢板2で互いに圧縮力Pの伝達ができる。なお、各鋼矢板2の端面30a間に若干の隙間があったとしても、曲げ荷重入力時に鋼矢板2の端面30a同士が当接した時点から各鋼矢板2で互いに圧縮力Pの伝達ができる。
また、図31に示すように、材軸方向Yで複数の鋼矢板2を互いに離間させる方向に、曲げ荷重に起因する引張力Tが作用する。このとき、本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1では、連結部材5を固定部材4で移動させることで、図22〜図27に示すように、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとが互いに当接するまで接近した状態となっている。
ここで、鋼製部材側突起部60の外側面60bは、材軸直交方向Xに対して傾斜しており、この外側面60bに押し当てられる連結側突起部50の内側面50aも材軸直交方向Xに対して傾斜している。
そして、本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1は、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとが当接し間隙Gによるガタがなくなる。このため、引張力Tが作用した直後から連結部材5の平板部51を介して複数の鋼矢板2で互いに引張力T(図31参照)の伝達ができる。
このように、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60を嵌合させた直後又は比較的早い段階で、圧縮力P及び引張力Tの伝達ができる。このため、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60の嵌合作業を円滑にしながら、平板部51を有する連結部材5で複数の鋼矢板2を材軸方向Yで頑強に連結できる。すなわち、鋼矢板2同士を縦継するボルトの剪断力により耐力を発揮する場合と比較して、平板部51の引張力として大きな耐力を発揮できるので、十分な初期の曲げ剛性を確保することが可能となる。
本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1は、複数の鋼矢板2の縦継箇所3で十分な初期の曲げ剛性を確保して、複数の鋼矢板2の縦継箇所3が構造的弱点となりにくい。また、鋼矢板2同士を縦継箇所3で現場溶接したり、鋼矢板2同士を多数の高力ボルトの剪断力や締め付け時の摩擦接合力で縦継したりする場合と比較して、工期の長期化を避けながら、縦継された鋼矢板2全体の曲げ剛性の低下を回避することが可能となる。
この状態において、鋼製部材側突起部60間の鋼製部材側溝部62に配置された連結側突起部50は、縦継箇所3から離れる方向に配置された鋼製部材側突起部60がストッパーとして機能し、縦継箇所3から離れる方向への逃げが規制される。
このため、鋼製部材側突起部60からの張力Tが連結側突起部50を変形させる力として作用しても、縦継箇所3から離れる方向に配置された鋼製部材側突起部60で連結側突起部50の倒れを抑制することができる。
これにより、縦継箇所3を境界とした一方の鋼製部材側突起部60と他方の鋼製部材側突起部60との間に形成された連結側溝部52の口開きを抑制することができる。よって、鋼製部材側突起部60を単純に複数設けた場合と比較して、耐荷重を向上し、連結部材5の予期せぬ離脱を抑制することができる。
また、本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1は、図14〜図19に示すように、ボルト等の軸部材41を固定部材4として用い、ねじ孔40に螺合されたボルト等の先端部41aを鋼製部材側突起部60等に当接する。このとき、軸部材41の先端部41aが鋼製部材側突起部60等に当接することで、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60の横滑りを抑制し、連結部材5の予期せぬ脱落を防止することが可能となる。
また、図20及び図21の変形例に示すように、連結部材5と鋼矢板2の端部側面31との間に介装されて打ち込まれる楔部材42を固定部材4として用いることで、連結部材5を材軸直交方向Xに移動させることができる。この場合、連結部材5に対する削孔作業及びボルト等の螺合作業等が不要となるため、連結部材5を移動させる構造を容易に実現することが可能となる。
必要に応じて、図11〜図13に示すように、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60におけるコーナー部分Cを熱間押出加工にて面取りすることが望ましい。これにより、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60におけるコーナー部分Cの熱間押出加工を容易にすることができ、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60の加工性を向上させることが可能となる。
また、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60が互いに略同一の形状寸法に形成され、先端側が幅広の片面テーパ状又は両面テーパ状の場合、連結側突起部50及び連結側溝部52を合わせた材軸方向Yの合計延長lpと突起幅w1とが上記(1)式を満たす。この場合、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60が嵌合状態から材軸直交方向Xに離脱することを抑制することができる。
なお、本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1は、特定の断面形状の複数の鋼製部材を材軸方向Yに連結したが、これに限定されるものではない。例えば、図3〜図5に示す断面略ハット形状のハット形鋼矢板21等の鋼矢板2を鋼製部材として用いることができる。また、図32に示す断面略H形状のH形鋼24、図33に示す断面略矩形状の角形鋼管25、又は図34に示す断面略円形状の円形鋼管26を鋼製部材として用いて材軸方向Yに連結してもよい。
そして、連結部材5は、平坦な平板部51を有するので、円弧状に形成された場合と比較して、製造・加工が容易になり、かつ縦継時の作業性も向上する。また、円形鋼管26を縦継する際には、周方向に離れた複数箇所で縦継することができる。このため、円形鋼管26の全周を連結部材5で縦継しなければならない場合と比較して、作業性が向上する。
また、図6に示すように、鋼矢板2の端部30に対して1つの連結部材5が架設されるほか、例えば図35に示すように、鋼矢板2の端部30を材軸直交方向Xから挟むように2つの連結部材5が架設されてもよく、連結部材5を架設する位置及び数は任意である。
次に、本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1を実施するための他の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、上述した構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1は、図36及び図37に示すように、材軸方向Yで互いに離間して複数の連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60が形成される。
固定部材4は、連結側突起部50間の連結側溝部52に鋼製部材側突起部60を嵌合される状態、又は鋼製部材側突起部60間の鋼製部材側溝部62に連結側突起部50を嵌合される状態の少なくとも何れかの状態を形成する。
この実施形態では、連結部材5を材軸直交方向Xで鋼矢板2の端部側面31に接近する方向(図36の矢印)に移動させることで、連結側突起部50の各側面50a、50bが鋼製部材側突起部60の各側面60a、60bに当接する(図39参照)。このとき、連結側突起部50には、連結部材5側から鋼矢板2側に向けて圧縮力が作用する。これにより、連結部材5の連結側突起部50は、鋼製部材側突起部60によって係止された状態で、鋼矢板2の縦継箇所3に架設される。
なお、図36及び図37には、各鋼矢板2の端部30に取り付けられた板状部材6に鋼製部材側突起部60が設けられた場合を示したが、これに限定されるものではない。例えば図38の変形例に示すように、鋼製部材側突起部60となる平鋼等が各々の鋼矢板2の端部30に直接溶接等で取り付けられるものであってもよい。
連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、図39及び図40に示すように、連結側突起部50における各側面50a、50b、及び鋼製部材側突起部60における各側面60a、60bが、材軸直交方向Xに対して傾斜したテーパ状に形成される。
連結側突起部50は、平板部51側を先端面50c側よりも材軸方向Yに拡幅させた形状である。鋼製部材側突起部60は、端部側面31側を先端面60c側よりも材軸方向Yに拡幅させた形状である。すなわち、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60のZ方向から見た形は、それぞれ先端面50c、60c側を短辺とした台形である。
連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、例えば図39に示すように、各側面50a、50b、60a、60bが材軸直交方向Xに傾斜させた両面テーパ状に形成される。このとき、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、連結側突起部50における内側面50aと外側面50bとを異なる方向に傾斜させるとともに、鋼製部材側突起部60における内側面60aと外側面60bとを異なる方向に傾斜させる。
連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、連結側突起部50における内側面50a及び鋼製部材側突起部60における外側面60bが材軸直交方向Xに対して傾斜した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば図40の変形例に示すように、連結側突起部50における内側面50a、及び鋼製部材側突起部60における外側面60bが、材軸直交方向Xに対して傾斜した片面テーパ状であってもよい。
固定部材4は、図39及び図40に示すように、連結部材5に設けられた孔5aを貫通するとともに、鋼製部材側突起部60に設けられた孔60dに挿通される軸部材41が用いられる。また、図41の変形例に示すように、鋼矢板2の端部30に設けられた孔30bを貫通するとともに、連結側突起部50に設けられた孔50dに挿通されてもよい。ここで、挿通とは、貫通しないが、一部に挿入された状態を示す。
軸部材41は、例えばボルト等が用いられ、図40の変形例に示すように、ねじ切りされた鋼製部材側突起部60に設けられた孔60d、又は図41に示すように、連結側突起部50に設けられた孔50dに螺合される。このとき、ボルト等が貫通する連結部材5に設けられた孔5a又は鋼矢板2の端部30に設けられた孔30bがねじ切りされるか否かは、任意である。
軸部材41は、例えば図42の変形例に示すように、ボルト等が連結部材5に設けられた孔5aから鋼矢板2の端部30に設けられた孔30bまでを貫通し、ナット43等に螺合されてもよい。このとき、連結部材5に設けられた孔5a及び鋼矢板2の端部30に設けられた孔30bがねじ切りされるか否かは、任意である。
連結部材5に設けられた孔5a又は鋼矢板2の端部30に設けられた孔30bは、ねじ切りされない場合、例えば軸部材41の形状よりも大きく形成されてもよい。
これにより、軸部材41が連結部材5を移動させるときに、連結側突起部50の各側面50a、50bと鋼製部材側突起部60の各側面60a、60bとが当たるように、材軸方向Yにおける連結部材5の位置を調整することができる。また、連結側溝部52に鋼製部材側突起部60が嵌合される状態、又は、鋼製部材側溝部62に連結側突起部50が嵌合される状態、の少なくとも何れかの状態を容易に実現することができる。
なお、連結部材5に設けられた孔5a又は鋼矢板2の端部30に設けられた孔30bは、ねじ切りされない場合、材軸方向Yを長辺とする長孔であってもよい。この場合、軸部材41が連結部材5を移動させるときに、材軸方向Yにおける連結部材5の調整可能な位置の範囲を拡大させることができる。これにより、連結側溝部52に鋼製部材側突起部60が嵌合される状態、又は、鋼製部材側溝部62に連結側突起部50が嵌合される状態、の少なくとも何れかの状態を、さらに容易に実現することができる。
本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1は、図43及び図44の変形例に示すように、連結部材5が鋼製部材側突起部60に近接した状態で、仮受け材44等により固定され、例えば連結部材5の一部が鋼製部材側突起部60に当接した状態で固定されてもよい。
例えば仮受け材44としてZ型鋼材が用いられ、一対の仮受け材44が、鋼製部材側突起部60を材軸方向Yに挟んで設けられる。仮受け材44は、一端が鋼矢板2の端部側面31にボルト等で固定されており、仮受け材44における一端がボルト等を軸として回転可能となる。連結部材5を鋼製部材側突起部60に近接させた状態で、仮受け材44の他端を連結部材5に当接するように回転(図44の矢印)させることにより、仮受け材44が連結部材5を材軸方向Yに仮固定する。
仮受け材44により連結部材5を仮固定したあと、図45に示すように、軸部材41を、連結部材5に設けられた孔5aを貫通するとともに、鋼製部材側突起部60に設けられた孔60dに挿通した状態で仮止めする。軸部材41の一部を、例えばねじ切りされた鋼製部材側突起部60に設けられた孔60dに螺合された状態で連結部材5を仮止めする。
なお、本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1は、例えば仮受け材44等を用いずに、連結部材5を鋼製部材側突起部60に近接又は当接した状態で、軸部材41により仮止めして固定してもよい。
そして、図46に示すように、軸部材41が鋼製部材側突起部60に設けられた孔60dに捩じ込まれる。このとき、軸部材41は、連結側溝部52に鋼製部材側突起部60が嵌合される状態、又は、鋼製部材側溝部62に連結側突起部50が嵌合される状態、の少なくとも何れかの状態となるように、材軸直交方向Xで端部側面31に接近する方向へ連結部材5を移動させる。このとき、連結側突起部50と隣接した2つの鋼製部材側突起部60とが当接した状態となる。
例えば軸部材41が鋼製部材側突起部60に設けられた孔60dに捩じ込まれるとき、互いに隣接した連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60b、又は、互いに隣接した連結側突起部50の外側面50bと鋼製部材側突起部60の内側面60aとの少なくとも何れかが、当接した状態となる場合がある。
このとき、互いに隣接した連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとの接する面積、又は、互いに隣接した連結側突起部50の外側面50bと鋼製部材側突起部60の内側面60aとの接する面積の少なくとも何れかが大きくなるように、軸部材41は材軸直交方向Xで端部側面31に接近する方向へ連結部材5を移動させる。
軸部材41は、鋼製部材側突起部60に設けられた孔60dに捩じ込まれたあと、さらに締め付けられる。すると、軸部材41は、連結部材5側から鋼矢板2側に向けて、圧縮力を連結部材5に作用させる。これにより、連結側突起部50と隣接した2つの鋼製部材側突起部60との当接部分に摩擦力が生じるとともに、連結側突起部50は、隣接した2つの鋼製部材側突起部60によって材軸方向Yに係止される。このとき、連結側突起部50の先端面50cは鋼製部材側溝部62と離間してもよく、鋼製部材側突起部60の先端面60cは連結側溝部52と離間してもよい。
連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、図47及び図48に示すように、連結側突起部50における材軸直交方向Xの突出高h1bが、鋼製部材側突起部60における材軸直交方向Xの突出高h1aと略等しくなるように形成される場合がある。このとき、鋼製部材側溝部62の最少溝幅である最小離間幅c2aは、連結側突起部50の先端面50cにおける材軸方向Yの突起幅w1b以下となるように形成される。又は、連結側溝部52の最少溝幅である最小離間幅c2bは、鋼製部材側突起部60の先端面60cにおける材軸方向Yの突起幅w1a以下となるように形成される。
この場合、固定部材4が連結部材5を移動させるとき、図49で一例として示すように、連結側突起部50の先端面50cの縁が、鋼製部材側溝部62と当接した状態、又は離間した状態で、連結側突起部50の側面50a、50bと隣接した2つの鋼製部材側突起部60の各側面60a、60bとが当接する(図49参照)。
また、固定部材4が連結部材5を移動させるとき、図50で他の例として示すように、鋼製部材側突起部60の先端面60cの縁が、連結側溝部52と当接した状態、又は離間した状態で、鋼製部材側突起部60の各側面60a、60bと隣接した2つの連結側突起部50の各側面50a、50bとが当接する。
このように、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、連結側突起部50の突出高h1bが鋼製部材側突起部60の突出高h1aと略等しいとき、鋼製部材側溝部62の最小離間幅c2aが連結側突起部50の突起幅w1b以下である関係、又は、連結側溝部52の最小離間幅c2bが鋼製部材側突起部60の突起幅w1a以下である関係、の少なくとも何れかの関係を満足する。
これにより、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、連結側突起部50と隣接した2つの鋼製部材側突起部60とが、固定部材4による連結部材5の移動に伴い確実に当接する。このため、連結側突起部50が、隣接した2つの鋼製部材側突起部60によって材軸方向Yに係止された状態を確実に形成することができる。
特に、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60は、連結側突起部50の突出高h1bが鋼製部材側突起部60の突出高h1aと略等しく、先端面50cの突起幅w1bが最小離間幅c2aと略等しく、先端面60cの突起幅w1aが最小離間幅c2bと略等しい場合、連結側突起部50と鋼製部材側突起部60との間における離間部分の体積を減少させることができる。このため、連結側突起部50と鋼製部材側突起部60との接する面積が大きくなり、応力集中を避けることが可能となる。
(作用)
本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1は、例えば図47及び図48に示すように、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60b、又は、連結側突起部50の外側面50bと鋼製部材側突起部60の内側面60aとの少なくとも何れかが、略平行である。これにより、互いに隣接する連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとの接する面積、又は、互いに隣接する連結側突起部50の外側面50bと鋼製部材側突起部60の内側面60aとの接する面積の少なくとも何れかを、大きくすることができる。このため、連結側突起部50と鋼製部材側突起部60との間の荷重伝達を容易にすることができる。
そして、例えば図49及び図50に示すように、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60b、又は連結側突起部50の外側面50bと鋼製部材側突起部60の内側面60aとの少なくとも何れかが、異なるテーパ角度を有する場合がある。この場合においても、連結側突起部50が隣接した2つの鋼製部材側突起部60に当接し係止された状態を形成することができる。
このとき、図49に示すように、連結側突起部50の先端面50cの縁(内側面50a及び外側面50bの縁)が鋼製部材側突起部60の内側面60a及び外側面60bに当接し、連結側突起部50が係止された状態を形成する。または、図50に示すように、鋼製部材側突起部60の先端面60cの縁(内側面60a及び外側面60b)が連結側突起部50の内側面50a及び外側面50bに当接し、連結側突起部50が係止された状態を形成する。
ここで、連結側突起部50の内側面50a及び外側面50bの縁が鋼製部材側突起部60の内側面60a及び外側面60bに当接する構成は、本開示の連結側斜面を対向する鋼製部材側斜面に「押し当てる」に含まれる。また、鋼製部材側突起部60の内側面60a及び外側面60bが連結側突起部50の内側面50a及び外側面50bに当接する構成は、本開示の連結側斜面を対向する鋼製部材側斜面に「押し当てる」に含まれる。
このように、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60における各側面50a、50b、60a、60bのテーパ角度や、材軸直交方向Xの突出高や、材軸方向Yにおける配置ピッチは、連結側突起部50と隣接した2つの鋼製部材側突起部60とが当接し係止された状態を形成できる範囲内において任意に設定できる。
本他の実施形態にあっても、前述した実施形態と同様の作用効果を奏する。また、鋼製部材側突起部60間の鋼製部材側溝部62に配置された連結側突起部50は、縦継箇所3から離れる方向に配置された鋼製部材側突起部60がストッパーとして機能し、縦継箇所3から離れる方向への逃げを規制できる。
また、複数の鋼矢板2の縦継箇所3で十分な初期の曲げ剛性を確保することで、複数の鋼矢板2の縦継箇所3が構造的弱点とならないものとなる。これにより、複数の鋼矢板2の縦継箇所3で現場溶接又は高力ボルト摩擦接合等による工期の長期化を避けながら、複数の鋼矢板2が互いに連結された鋼製部材全体の曲げ剛性の低下を回避することが可能となる。
また、連結側溝部52に鋼製部材側突起部60が嵌合される状態、又は、鋼製部材側溝部62に連結側突起部50が嵌合される状態、の少なくとも何れかの状態となるように、連結部材5を移動させる固定部材4が用いられる。これにより、連結部材5には、連結部材5側から鋼矢板2側に向けて圧縮力が作用し、鋼製部材側突起部60により連結側突起部50を係止する状態が形成される。
このため、施工時において、連結部材5側から鋼矢板2側に向けて外圧力が作用したときに、連結側突起部50の係止状態を保持する方向に圧縮力が作用するため、鋼製部材全体の曲げ剛性の向上を図ることが可能となる。
また、連結側突起部50の形状及び鋼製部材側突起部60の形状により、連結側突起部50と隣接した2つの鋼製部材側突起部60とを容易に当接させることができる。このため、連結側突起部50が、隣接した2つの鋼製部材側突起部60によって材軸方向Yに係止された状態を容易に形成することができ、正負曲げの交番荷重が働くときのずれを抑制することが可能となる。
さらに、ボルト等の軸部材41が固定部材4に用いられることで、連結部材5に設けられた孔5a等をボルト等が貫通し、ねじ切りされた鋼製部材側突起部60に設けられた孔60d等又はナット43に螺合される。これにより、連結側突起部50の係止状態が保持されるとともに、連結部材5の脱落を防止することが可能となる。
そして、連結側突起部50の突出高h1bが鋼製部材側突起部60の突出高h1aと略等しいとき、鋼製部材側溝部62の最小離間幅c2aが連結側突起部50の突起幅w1b以下である関係、又は、連結側溝部52の最小離間幅c2bが鋼製部材側突起部60の突起幅w1a以下である関係、の少なくとも何れかの関係を満足することで、連結側突起部50と鋼製部材側突起部60とを確実に当接させることができる。
このため、連結側突起部50が、隣接した2つの鋼製部材側突起部60によって材軸方向Yに係止された状態を確実に形成することができ、正負曲げの交番荷重が働くときのずれをさらに抑制することが可能となる。
また、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60b、又は、連結側突起部50の外側面50bと鋼製部材側突起部60の内側面60aとの少なくとも何れかが、略平行である。このため、互いに隣接する連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60bとの接する面積、又は、互いに隣接する連結側突起部50の外側面50bと鋼製部材側突起部60の内側面60aとの接する面積を大きくすることができる。これにより、連結側突起部50と鋼製部材側突起部60との間の応力伝達を容易にすることができ、正負曲げの交番荷重が働くときのずれをさらに抑制することが可能となる。
そして、連結側突起部50の内側面50aと鋼製部材側突起部60の外側面60b、及び連結側突起部50の外側面50bと鋼製部材側突起部60の内側面60aとが略平行である。このため、連結側突起部50と鋼製部材側突起部60との間における離間部分の体積を減少させることができる。これにより、連結側突起部50と鋼製部材側突起部60との接する面積が大きくなり、荷重伝達が容易になる。
なお、本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1の他の実施形態は、上述した形態と同様に、必要に応じて、例えば図11〜図13に示すように、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60におけるコーナー部分Cが熱間押出加工にて面取りされてもよい。また、本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1は、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60におけるコーナー部分Cの熱間押出加工を容易にすることで、連結側突起部50及び鋼製部材側突起部60の加工性を向上させることが可能となる。
例えば、本開示を適用した鋼製部材の縦継構造1の他の実施形態は、上述した形態と同様に、所定の断面形状の複数の鋼製部材を材軸方向Yに連結するために用いられる。
また、図3〜図5に示す断面略ハット形状のハット形鋼矢板21等の鋼矢板2を鋼製部材として用いたが、これに限定されるものではない。例えば、図32に示す断面略H形状のH形鋼24や、図33に示す断面略矩形状の角形鋼管25や、図34に示す断面略円形状の円形鋼管26を鋼製部材として用いて材軸方向Yに連結してもよい。
さらに、図6に示すように、鋼矢板2の端部30に対して1つの連結部材5が架設されるほか、例えば図35に示すように、鋼矢板2の端部30を材軸直交方向Xで挟むように2つの連結部材5が架設されてもよく、連結部材5を架設する場所及び数は任意である。
また、固定部材4は、連結部材5に設けられた孔5aを貫通するとともに鋼製部材側突起部60若しくは鋼製部材である鋼矢板2に設けられた孔30bに挿通されるものであってもよい。
また、図51及び図52に示すように、鋼製部材側突起部60の鋼製部材側斜面を構成する内側面60aが鋼製部材である両鋼矢板2の境界である縦継箇所3から近い側に形成された縦継構造としてもよい。連結部材5は、鋼製部材側突起部60が設けられた鋼矢板2の端部側面31に沿わせて、壁幅方向Zにスライド移動させることで、複数の鋼矢板2の縦継箇所3に架設される。
このとき、連結部材5の連結側突起部50は、複数の鋼製部材側突起部60の間に形成された鋼製部材側溝部62と嵌合する。また、鋼矢板2の鋼製部材側突起部60は、複数の連結側突起部50の間に形成された連結側溝部52と嵌合する。
以上、本開示の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本開示を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
以下に符号の説明を記載する。
1 鋼矢板の縦継構造
2 鋼矢板
2a フランジ部
2b ウェブ部
2c アーム部
2d 継手部
21 ハット形鋼矢板
22 U形鋼矢板
23 Z形鋼矢板
24 H形鋼
25 角形鋼管
26 円形鋼管
3 縦継箇所
30 端部
30a 端面
30b 端部に設けられた孔
31 端部側面
4 固定部材
40 ねじ孔
41 軸部材
41a 先端部
42 楔部材
42a 先行部
43 ナット
44 仮受け材
5 連結部材
5a 連結部材に設けられた孔
50 連結側突起部
50a 連結側突起部の内側面
50b 連結側突起部の外側面
50c 連結側突起部の先端面
50d 連結側突起部に設けられた孔
51 平板部
51a 上板部
51b 下板部
52 連結側溝部
6 板状部材
60 鋼製部材側突起部
60a 鋼製部材側突起部の内側面
60b 鋼製部材側突起部の外側面
60c 鋼製部材側突起部の先端面
60d 鋼製部材側突起部に設けられた孔
62 鋼製部材側溝部
7 鋼製壁
70 連結鋼製部材
8 地盤内
X 材軸直交方向
Y 材軸方向
Z 壁幅方向
≪付記≫
本明細書からは、以下の他の態様が概念化される。
第1態様の鋼製部材の縦継構造は、
材軸方向に連結される一方の鋼製部材の端部側面及び他方の鋼製部材の端部側面より突出する鋼製部材側突起部であって、突出方向に対して傾斜する鋼製部材側斜面が両鋼製部材の境界側及び境界から離れた側の少なくとも一方に形成された前記鋼製部材側突起部と、
前記境界を跨いで配置される平板部及び該平板部より各鋼製部材の端部側面へ向けて突出する連結側突起部を有するとともに、前記鋼製部材側突起部の鋼製部材側斜面に対向する連結側斜面が前記連結側突起部に形成された連結部材と、
前記平板部と前記鋼製部材側突起部との間に隙間を形成した状態で前記連結側斜面を対向する前記鋼製部材側斜面に押し当てる固定部材と、
を備えている。
第2態様の鋼製部材の縦継構造は、第1態様において、
前記材軸方向に並んで配置された複数の前記鋼製部材側突起部が各鋼製部材に設けられ、各鋼製部材側突起部の間に配置された前記連結側突起部の前記境界から離れる方向への逃げを規制するストッパーが前記境界から離れた側に配置された前記鋼製部材側突起部で構成されている。
第3態様の鋼製部材の縦継構造は、第1又は第2態様において、
前記固定部材は、前記連結部材が前記鋼製部材から離れる方向への荷重によって前記連結側斜面を対向する前記鋼製部材側斜面に押し当てる。
第4態様の鋼製部材の縦継構造は、第3態様において、
前記固定部材は、前記連結部材を貫通して前記鋼製部材側突起部、若しくは前記端部側面に当接される軸部材、又は、前記鋼製部材の前記端部側面を貫通して前記連結部材に当接される軸部材を含む。
第5態様の鋼製部材の縦継構造は、第4態様において、
前記軸部材は、前記連結部材又は前記鋼製部材を貫通するねじ孔に螺合されるボルトを含む。
第6態様の鋼製部材の縦継構造は、第3〜第5態様において、
前記固定部材は、前記連結部材と前記端部側面との間に介装される楔部材を含む。
第7態様の鋼製部材の縦継構造は、第1〜第6の何れか一態様において、
前記連結部材は、前記材軸方向に並んで配置された複数の前記連結側突起部を有し、隣接する前記連結側突起部の間に前記鋼製部材側突起部が配置される連結側溝部が形成され、
前記連結側突起部及び前記鋼製部材側突起部は、各々の突出方向先端の前記材軸方向の突起幅w1が互いに略同寸法とされ、前記連結側突起部の基端側及び前記連結側溝部を合わせた前記材軸方向の合計寸法lpと前記突起幅w1とが、下記(1)式により規定される関係を満足する。
w1>lp/2 ・・・(1)
第8態様の鋼製部材の縦継構造は、第1態様において、
前記連結側突起部は、前記材軸方向に並んで配置された複数の前記連結側突起部を有し、前記平板部側が先端側よりも前記材軸方向に拡幅された形状であり、
前記鋼製部材側突起部は、前記材軸方向に並んで配置された複数の前記鋼製部材側突起部を有し、前記鋼製部材の前記端部側面側が先端側よりも前記材軸方向に拡幅された形状であり、
前記固定部材は、前記連結部材に設けられた孔を貫通するとともに前記鋼製部材側突起部若しくは鋼製部材に設けられた孔に挿通される軸部材、又は、前記鋼製部材に設けられた孔を貫通するとともに前記連結部材に設けられた孔に挿通される軸部材を含み、
前記固定部材は、隣接する前記連結側突起部の間の連結側溝部に前記鋼製部材側突起部が配置された状態、又は、隣接した前記鋼製部材側突起部の間の鋼製部材側溝部に前記連結側突起部が配置された状態の少なくとも何れかで前記連結部材を前記鋼製部材側へ押し当てる。
第9態様の鋼製部材の縦継構造は、第8態様において、
前記軸部材は、ねじ切りされた前記鋼製部材側突起部の孔又は前記連結側突起部の孔に螺合されるボルト、又は、前記連結部材及び前記鋼製部材を貫通してナットに螺合される。
第10態様の鋼製部材の縦継構造は、第8又は第9態様において、
前記鋼製部材側溝部の最小溝幅c2aが、前記連結側突起部の先端における前記材軸方向の突起幅w1b以下である関係、又は、前記連結側溝部の最小溝幅c2bが、前記鋼製部材側突起部の先端における前記材軸方向の突起幅w1a以下である関係の少なくとも何れかの関係を満足する。
第11態様の鋼製部材の縦継構造は、第1、第8〜第10のいずれか一態様において、
前記連結側突起部及び前記鋼製部材側突起部は、前記連結側突起部における前記境界側の面と前記鋼製部材側突起部における前記境界から離れた側の面、又は、前記連結側突起部における前記境界から離れた側の面と前記鋼製部材側突起部における前記境界側の面との少なくとも何れかが略平行である。
第12態様の鋼製部材の縦継構造は、第1〜第11のいずれか一態様において、
前記連結側突起部及び前記鋼製部材側突起部は、突出方向先端側の角部が面取りされた形状である。
<他の態様>
また、本明細書からは、以下の他の態様が概念化される。
第1態様の鋼製部材の縦継構造は、
所定の断面形状の複数の鋼製部材を材軸方向に連結する鋼製部材の縦継構造であって、
各々の鋼製部材の材軸方向の端部を互いに連結させた縦継箇所に架設される連結部材と、前記連結部材を材軸直交方向に移動させる固定部材と、各々の鋼製部材の端部側面から前記連結部材に向けて材軸直交方向に突出させた母材側突起部とを備え、
前記連結部材は、前記縦継箇所に跨らせて材軸方向に連続させた平板部と、前記平板部から前記端部側面に向けて材軸直交方向に突出させた連結側突起部とを有し、
前記連結側突起部及び前記母材側突起部は、前記連結側突起部における側面及び前記母材側突起部における側面が、材軸直交方向に傾斜させたテーパ状に形成される。
第2態様の鋼製部材の縦継構造は、第1態様において、
前記連結側突起部及び前記母材側突起部は、前記連結側突起部における材軸方向で前記縦継箇所に近接させた内側面、及び、前記母材側突起部における材軸方向で前記縦継箇所より離間させた外側面が、材軸直交方向に傾斜させたテーパ状に形成されて、
前記固定部材は、前記連結側突起部の内側面と前記母材側突起部の外側面とが材軸方向で互いに離間した状態から接近した状態となるように、材軸直交方向で前記端部側面から離間する方向に前記連結部材を移動させるものである。
第3態様の鋼製部材の縦継構造は、第1又は第2態様において、
前記固定部材は、前記連結部材を貫通するとともに前記母材側突起部若しくは前記端部側面に当接される軸部材、又は、鋼製部材の前記端部を貫通するとともに前記連結部材に当接される軸部材が用いられる。
第4態様の鋼製部材の縦継構造は、第3態様において、
前記軸部材は、前記連結部材又は鋼製部材の前記端部を貫通させたねじ孔に螺合されるボルトが用いられる。
第5態様の鋼製部材の縦継構造は、第1〜4態様のいずれかの態様において、
前記固定部材は、前記連結部材と前記端部側面との間に介装される楔部材が用いられる。
第6態様の鋼製部材の縦継構造は、第1〜5態様のいずれかの態様において、
前記連結部材は、材軸方向で互いに離間させて複数の前記連結側突起部が形成されるとともに、材軸方向に隣り合った複数の前記連結側突起部を離間させた部分の連結側溝部に前記母材側突起部が嵌合されて、
前記連結側突起部及び前記母材側突起部は、各々の材軸直交方向の先端側における材軸方向の突起幅w1が互いに略同一に形成されて、前記連結側突起部及び前記連結側溝部を合わせた材軸方向の合計延長lpと前記突起幅w1とが、下記(1)式により規定される関係を満足する。
w1>lp/2 ・・・(1)
第7態様の鋼製部材の縦継構造は、第1態様において、
前記連結側突起部は、材軸方向で互いに離間されて複数の前記連結側突起部が形成され、前記平板部側を先端面側よりも材軸方向に拡幅させた形状であり、
前記母材側突起部は、材軸方向で互いに離間されて複数の前記母材側突起部が形成され、鋼製部材の前記端部側面側を先端面側よりも材軸方向に拡幅させた形状であり、
前記固定部材は、前記連結部材に設けられた孔を貫通するとともに前記母材側突起部に設けられた孔に挿通される軸部材、又は、鋼製部材の前記端部に設けられた孔を貫通するとともに前記連結側突起部に設けられた孔に挿通される軸部材が用いられ、
前記固定部材は、材軸方向に隣り合った複数の前記連結側突起部を離間させた部分の連結側溝部に前記母材側突起部が嵌合される状態、又は、材軸方向に隣り合った複数の前記母材側突起部を離間させた部分の母材側溝部に前記連結側突起部が嵌合される状態、の少なくとも何れかの状態となるように、材軸直交方向で前記端部側面に接近する方向へ前記連結部材を移動させるものであ。
第8態様の鋼製部材の縦継構造は、第7態様において、
前記軸部材は、ねじ切りされた前記母材側突起部に設けられた孔又は前記連結側突起部に設けられた孔に螺合されたボルト、又は、前記連結部材及び鋼製部材の前記端部を貫通しナットに螺合されるボルトが用いられる。
第9態様の鋼製部材の縦継構造は、第7又は8態様において、
前記連結側突起部及び前記母材側突起部は、前記連結側突起部における材軸直交方向の突出高h1bが、前記母材側突起部における材軸直交方向の突出高h1aと略等しいとき、
前記母材側溝部の最小離間幅c2aが、前記連結側突起部の先端面における材軸方向の突起幅w1b以下である関係、又は、
前記連結側溝部の最小離間幅c2bが、前記母材側突起部の先端面における材軸方向の突起幅w1a以下である関係、
の少なくとも何れかの関係を満足する。
第10態様の鋼製部材の縦継構造は、第1、第7〜9態様の何れかの態様において、
前記連結側突起部及び前記母材側突起部は、前記連結側突起部における材軸方向で前記縦継箇所に近接させた内側面と前記母材側突起部における材軸方向で前記縦継箇所より離間させた外側面、又は、前記連結側突起部における材軸方向で前記縦継箇所より離間させた外側面と前記母材側突起部における材軸方向で前記縦継箇所に近接させた内側面との少なくとも何れかが、略平行である。
第11態様の鋼製部材の縦継構造は、第1〜10態様の何れかの態様において、
前記連結側突起部及び前記母材側突起部は、各々の材軸直交方向の先端面と材軸方向の内側面又は外側面とのコーナー部分が面取りされた形状である。
これらの他の態様においては以下の作用効果を奏する。
第1態様〜第11態様によれば、複数の鋼矢板等の縦継箇所で十分な初期の曲げ剛性を確保して、複数の鋼矢板等の縦継箇所が構造的弱点とならないため、複数の鋼矢板等の縦継箇所で現場溶接又は高力ボルト摩擦接合による工期の長期化を避けながら、複数の鋼矢板等が互いに連結された連結鋼製部材全体の曲げ剛性の低下を回避することが可能となる。
第2態様〜第6態様、第11態様によれば、連結側突起部と母材側突起部とを離間させた間隙が形成されて、連結側突起部及び母材側突起部の嵌合作業が円滑となることで、複数の鋼矢板等を材軸方向に連結する作業を容易、迅速に実施することが可能となる。
第2態様〜第6態様、第11態様によれば、連結側突起部及び母材側突起部を嵌合させた直後又は比較的早い段階で、引張力の伝達ができるため、連結側突起部及び母材側突起部の嵌合作業を円滑にしながら、複数の鋼矢板等を材軸方向で頑強に連結させて、鋼矢板等の本体と同程度の十分な初期の曲げ剛性を確保することが可能となる。
特に、第3態様、第4態様、第11態様によれば、ボルト等の軸部材が固定部材に用いられることで、ねじ孔に螺合されたボルト等の先端部が母材側突起部等に当接されるため、連結側突起部及び母材側突起部が嵌合状態からスライド移動することを抑制して、連結部材の脱落を防止することが可能となる。
特に、第5態様、第11態様によれば、連結部材と鋼矢板等の端部側面との間に介装されて打ち込まれる楔部材が固定部材に用いられることでも、連結部材を材軸直交方向に移動させることができるため、連結部材に対するねじ孔の削孔作業及びボルト等の螺合作業等を不要として、連結部材を移動させる構造を容易に実現することが可能となる。
特に、第6態様、第11態様によれば、連結側突起部及び母材側突起部が互いに略同一の形状寸法に形成されて、先端側が幅広の片面テーパ状又は両面テーパ状となる場合は、連結側突起部及び連結側溝部を合わせた材軸方向の合計延長lpと突起幅w1とが、上記(1)式により規定される関係を満足することで、連結側突起部及び母材側突起部が嵌合状態から材軸直交方向に離脱することを確実に防止することが可能となる。
特に、第7態様〜第11態様によれば、連結側溝部に母材側突起部が嵌合される状態、又は、母材側溝部に連結側突起部が嵌合される状態、の少なくとも何れかの状態となるように、連結部材を移動させる固定部材が用いられる。このため、連結部材には、連結部材側から鋼製部材側に向けて圧縮力が作用し、母材側突起部により連結側突起部を係止する状態が形成される。これにより、施工時において、連結部材側から鋼製部材側に向けて外圧力が作用したときに、連結側突起部の係止状態を保持する方向に圧縮力が作用するため、連結鋼製部材全体の曲げ剛性の向上を図ることが可能となる。
特に、第7態様〜第11態様によれば、連結側突起部の形状及び母材側突起部の形状により、連結側突起部と隣接した2つの母材側突起部とを容易に当接させることができる。このため、連結側突起部が、隣接した2つの母材側突起部によって材軸方向に係止された状態を容易に形成することができ、正負曲げの交番荷重が働くときのずれを抑制することが可能となる。
特に、第8態様〜第11態様によれば、ボルト等の軸部材が固定部材に用いられることで、連結部材に設けられた孔等をボルト等が貫通し、ねじ切りされた母材側突起部に設けられた孔等又はナットに螺合される。このため、連結側突起部の係止状態が保持されるとともに、連結部材の脱落を防止することが可能となる。
特に、第9態様〜第11態様によれば、連結側突起部の突出高h1bが母材側突起部の突出高h1aと略等しいとき、母材側溝部の最小離間幅c2aが連結側突起部の突起幅w1b以下である関係、又は、連結側溝部の最小離間幅c2bが母材側突起部の突起幅w1a以下である関係、の少なくとも何れかの関係を満足することで、連結側突起部と隣接した2つの母材側突起部とを確実に当接させることができる。このため、連結側突起部が、隣接した2つの母材側突起部によって材軸方向に係止された状態を確実に形成することができ、正負曲げの交番荷重が働くときのずれをさらに抑制することが可能となる。
特に、第10態様、第11態様によれば、連結側突起部の内側面と母材側突起部の外側面、又は、連結側突起部の外側面と母材側突起部の内側面との少なくとも何れかが、略平行である。このため、互いに隣接する連結側突起部の内側面と母材側突起部の外側面との接する面積、又は、互いに隣接する連結側突起部の外側面と母材側突起部の内側面との接する面積を大きくすることができる。これにより、連結側突起部と母材側突起部との間の応力伝達を容易にすることができ、正負曲げの交番荷重が働くときのずれをさらに抑制することが可能となる。
特に、第10態様、第11態様によれば、連結側突起部の内側面と母材側突起部の外側面、及び、連結側突起部の外側面と母材側突起部の内側面とが、略平行であるため、連結側突起部と母材側突起部との間における離間部分の体積を減少させることができる。これにより、連結側突起部と母材側突起部との接する面積が大きくなり、応力伝達が容易になる。
特に、第11態様によれば、連結側突起部及び母材側突起部におけるコーナー部分が面取りされることで、連結側突起部及び母材側突起部におけるコーナー部分の熱間押出加工が容易になるため、連結側突起部及び母材側突起部の加工性を向上させることが可能となる。
そして、2016年8月8日に出願された日本国特許出願2016−156002号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。また、2017年2月17日に出願された日本国特許出願2017−027817号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
また、本明細書に記載されたすべての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (12)

  1. 材軸方向に連結される一方の鋼製部材の端部側面及び他方の鋼製部材の端部側面より突出する鋼製部材側突起部であって、突出方向に対して傾斜する鋼製部材側斜面が両鋼製部材の境界側及び境界から離れた側の少なくとも一方に形成された前記鋼製部材側突起部と、
    前記境界を跨いで配置される平板部及び該平板部より各鋼製部材の端部側面へ向けて突出する連結側突起部を有するとともに、前記鋼製部材側突起部の鋼製部材側斜面に対向する連結側斜面が前記連結側突起部に形成された連結部材と、
    前記平板部と前記鋼製部材側突起部との間に隙間を形成した状態で前記連結側斜面を対向する前記鋼製部材側斜面に押し当てる固定部材と、
    を備えた鋼製部材の縦継構造。
  2. 前記材軸方向に並んで配置された複数の前記鋼製部材側突起部が各鋼製部材に設けられ、各鋼製部材側突起部の間に配置された前記連結側突起部の前記境界から離れる方向への逃げを規制するストッパーが前記境界から離れた側に配置された前記鋼製部材側突起部で構成されている請求項1に記載の鋼製部材の縦継構造。
  3. 前記固定部材は、前記連結部材が前記鋼製部材から離れる方向への荷重によって前記連結側斜面を対向する前記鋼製部材側斜面に押し当てる請求項1又は請求項2に記載の鋼製部材の縦継構造。
  4. 前記固定部材は、前記連結部材を貫通して前記鋼製部材側突起部、若しくは前記端部側面に当接される軸部材、又は、前記鋼製部材の前記端部側面を貫通して前記連結部材に当接される軸部材を含む請求項3に記載の鋼製部材の縦継構造。
  5. 前記軸部材は、前記連結部材又は前記鋼製部材を貫通するねじ孔に螺合されるボルトを含む請求項4に記載の鋼製部材の縦継構造。
  6. 前記固定部材は、前記連結部材と前記端部側面との間に介装される楔部材を含む請求項3から請求項5の何れか1項に記載の鋼製部材の縦継構造。
  7. 前記連結部材は、前記材軸方向に並んで配置された複数の前記連結側突起部を有し、隣接する前記連結側突起部の間に前記鋼製部材側突起部が配置される連結側溝部が形成され、
    前記連結側突起部及び前記鋼製部材側突起部は、各々の突出方向先端の前記材軸方向の突起幅w1が互いに略同寸法とされ、前記連結側突起部の基端側及び前記連結側溝部を合わせた前記材軸方向の合計寸法lpと前記突起幅w1とが、下記(1)式により規定される関係を満足する請求項1から請求項6の何れか1項に記載の鋼製部材の縦継構造。
    w1>lp/2 ・・・(1)
  8. 前記連結側突起部は、前記材軸方向に並んで配置された複数の前記連結側突起部を有し、前記平板部側が先端側よりも前記材軸方向に拡幅された形状であり、
    前記鋼製部材側突起部は、前記材軸方向に並んで配置された複数の前記鋼製部材側突起部を有し、前記鋼製部材の前記端部側面側が先端側よりも前記材軸方向に拡幅された形状であり、
    前記固定部材は、前記連結部材に設けられた孔を貫通するとともに前記鋼製部材側突起部若しくは鋼製部材に設けられた孔に挿通される軸部材、又は、前記鋼製部材に設けられた孔を貫通するとともに前記連結部材に設けられた孔に挿通される軸部材を含み、
    前記固定部材は、隣接する前記連結側突起部の間の連結側溝部に前記鋼製部材側突起部が配置された状態、又は、隣接した前記鋼製部材側突起部の間の鋼製部材側溝部に前記連結側突起部が配置された状態の少なくとも何れかで前記連結部材を前記鋼製部材側へ押し当てる請求項1に記載の鋼製部材の縦継構造。
  9. 前記軸部材は、ねじ切りされた前記鋼製部材側突起部の孔又は前記連結側突起部の孔に螺合されるボルト、又は、前記連結部材及び前記鋼製部材を貫通してナットに螺合されるボルトである請求項8に記載の鋼製部材の縦継構造。
  10. 前記鋼製部材側溝部の最小溝幅c2aが、前記連結側突起部の先端における前記材軸方向の突起幅w1b以下である関係、又は、前記連結側溝部の最小溝幅c2bが、前記鋼製部材側突起部の先端における前記材軸方向の突起幅w1a以下である関係の少なくとも何れかの関係を満足する請求項8又は請求項9に記載の鋼製部材の縦継構造。
  11. 前記連結側突起部及び前記鋼製部材側突起部は、前記連結側突起部における前記境界側の面と前記鋼製部材側突起部における前記境界から離れた側の面、又は、前記連結側突起部における前記境界から離れた側の面と前記鋼製部材側突起部における前記境界側の面との少なくとも何れかが略平行である請求項1又は請求項8から請求項10の何れか1項に記載の鋼製部材の縦継構造。
  12. 前記連結側突起部及び前記鋼製部材側突起部は、突出方向先端側の角部が面取りされた形状である請求項1から請求項11の何れか1項に記載の鋼製部材の縦継構造。
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