JP2005307526A - 木部材の接合金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 施工現場において、横木部材を縦木部材に安全かつ容易に仮接合でき、かつ、仮接合させた後、横木部材の木口面を縦木部材に強く密着させた状態で接合することの可能な木部材の接合金具の提供を目的とする。
【解決手段】 棒状に形成された接合金具本体2の梁側に、梁8の側面から打ち込まれる連結ピン4が貫入する、本体軸線方向に延びる長孔21を設けるとともに、梁8の上面から打ち込まれるくさびピン5が貫入するくさび孔22を、長孔21と異なった角度で設け、接合金具本体2の柱側周面に、梁8に取り付けた受け金具3と係合する係合溝23を、本体軸線と直交する方向に設けた構成としてある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、木部材の接合金具に関し、特に、長孔に連結ピンを貫入することにより梁に係入した接合金具本体を、柱側に移動させた状態で、柱に固定された受け金具と係合し、さらに、くさびピンを使用して梁を柱側に移動させ、梁を柱に強く密着させた状態で接合する木部材の接合金具に関する。
従来、梁と柱などの木部材どうしを接合する際、金属製の接合金具が用いられてきた。
一般的に、接合金具を使用すると、木部材に複雑な仕口加工を行なう代わりに、工場内で接合金具を木部材に効率よく取り付けることができ、かつ、施工現場では、安全かつ容易に木部材どうしを接合することができる。さらに、接合金具を使用することにより、木部材どうしを強固に接合することもできる。
このように、接合金具は優れた効果を有しており、これらの効果をさらに高めることを目的として、様々な構造のものが提案され実用化されている。
たとえば、特許文献1の接合構造は、互いに対応している楔挿通孔と楔窓孔に、楔案内片が挿入するとともに打込み細長楔を打設挿入することにより、互いの接合端面を圧接緊締し、木造建築物において、簡単な構造により木材を十分な剪断耐力および緊締強度で、しかも、体裁よく接合することができる。
特開平7−279260号公報 (請求項3、図2)
しかしながら、上記特許文献1にかかる接合構造は、長尺どうしを接合するためのものであり、柱と梁の接合のように縦木部材と横木部材の接合については考慮されていない。すなわち、一本の棒状の金具だけで木部材を接合しているので、柱と梁などの接合には、強度上問題がある。また、施工現場において、重量物である木部材、たとえば、梁を柱に接止させるときには、まず、梁を柱に安全かつ容易に仮接合し、その後、堅締する必要があるが、上記接合構造では、この要求に応えることができない。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、施工現場において、横木部材を縦木部材に安全かつ容易に仮接合でき、かつ、仮接合させた後、横木部材の木口面を縦木部材に強く密着させた状態で接合することの可能な木部材の接合金具の提供を目的とする。
この目的を達成するため、本発明の木部材の接合金具は、棒状に形成された本体の一側が、一方の木部材に係入し、他側が他方の木部材に取り付けられた金具と係合することによって、前記木部材どうしを接合する接合金具であって、前記本体の一側に、前記一方の木部材の一の壁部から打ち込まれる連結ピンが貫入する、本体軸線方向に延びる長孔を設けるとともに、前記一方の木部材の他の壁部から打ち込まれるくさびピンが貫入するくさび孔を、前記長孔と異なった角度で設け、かつ、前記本体の他側周面に、前記他方の木部材に取り付けた前記金具と係合する溝を、前記本体軸線と直交する方向に設けた構成としてある。
このようにすると、棒状の本体は、長孔内を連結ピンが移動可能な距離だけ本体軸線方向に移動することができ、一方の木部材の木口面が他方の木部材と接触しない状態で、金具と係合させることができ、係合作業(仮接合作業)を安全かつ容易に行なうことができる。さらに、くさびピンをくさび孔に貫入させることにより、一方の木部材の木口面を他方の木部材に強く密着させることができ、接合強度を高めることができる。
また、本発明の木部材の接合金具は、前記本体の一側に設けたくさび孔の少なくとも一部が、前記長孔の本体一側の端部を貫設する構成としてある。
このようにすると、くさびピンを打ち込むといった単純かつ安全な作業により、長孔内の連結ピンを他側に移動させることができ、一方の木部材の木口面を他方の木部材に強く密着させることができる。
また、本発明の木部材の接合金具は、前記本体の他側における溝を、本体周面の対向する位置に平行に設けた構成としてある。
このようにすると、対向する一対の溝を利用して、本体を挟むように係合することができるので、本体を確実に係合することができる。
また、本発明の木部材の接合金具は、前記本体の溝が、前記長孔の穿設方向と同一方向に設けられ、前記金具が、他方の木部材に固定される背部と、この背部の両側に直角に形成された側部とを有し、かつ、この両側部間に架設され、前記本体の溝と係合する受け部材を備えた構成としてある。
このようにすると、本体を上方から降下させることにより、本体の溝が受け部材と係合するので、接合作業(仮接合作業)の作業性を向上させることができる。
また、本発明の木部材の接合金具は、前記金具の両側部に、前記受け部と前記本体の溝が係合した際、前記溝と対向する他の溝に係合するピンの貫入孔を設けた構成としてある。
このようにすると、本体を受け部とピンで挟むように係合することができるので、受け部から本体の溝が外れるといった不具合を防止でき、確実に本体を係合することができる。
また、本発明の木部材の接合金具は、前記本体の溝が、前記長孔の穿設方向と直交する方向に設けられ、前記金具が、組み合わされて連結される第一金具と第二金具とからなり、前記第一金具が、前記他方の木部材に固定される背部と、この背部の両側に直角に形成された側部とを有し、前記第二金具が、背部と、この背部の両側に直角に形成された側部とを有し、かつ、前記背部の上端から、前記本体の溝が係合するスリット溝を形成した構成としてある。
このようにすると、第二金具を介して木部材どうしを接合するので、接合強度を向上させることができる。
また、本発明の木部材の接合金具は、前記第一金具の両側部上辺に受け溝を形成し、前記第二金具の両側部間に前記受け溝に係合する落し部材を架設した構成としてある。
このように、落し部材を第二金具に設けることにより、落し部材の取付け強度を向上させることができる。
また、本発明の木部材の接合金具は、前記第一金具の受け溝を前記背部側に向かう傾斜溝とし、前記第二金具の落し部材を前記傾斜溝と同じ傾斜角の板状部材とした構成としてある。
このようにすると、第二金具を傾斜角に沿って降下させると、板状部材が傾斜溝に係合されるので、作業性をさらに向上させることができる。
また、本発明の木部材の接合金具は、前記第二金具を、前記一方の木部材に形成した仕口溝の内部に取り付けた構成としてある。
このようにすると、一方の木部材の仕口溝に第二金具が取り付けられるので、木部材が十分に乾燥していない場合でも、木口面のひねりを防止することができる。
このように、本発明にかかる木部材の接合金具は、長孔に連結ピンを貫入することにより梁に係入した接合金具本体を、柱側に移動させた状態で、柱に固定された受け金具と係合することにより、梁の木口面が柱と接触しない状態で、梁を柱に安全かつ容易に仮接合することができる。また、仮接合した後、くさびピンを使用して梁を柱側に移動させ、梁を柱に強く密着させた状態で接合することができる。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態にかかる木部材の接合金具を説明するための概略分解斜視図を示している。
同図において、木部材の接合金具1(適宜、接合金具1と略称する。)は、接合金具本体2,受け金具3,連結ピン4,くさびピン5,ボルト41及びナット42とからなっている。
なお、本実施形態では、柱9(他方の木部材)に梁8(一方の木部材)を接合する例について説明するが、この例に限定されないことはもちろんである。
(接合金具本体)
接合金具本体2は、長孔21,くさび孔22及び係合溝23の形成された金属製の丸棒である。
長孔21は、接合金具本体2の梁側に穿設され、接合金具本体2が梁8に挿入された状態で、梁8の側面から連結ピン4が貫入される、本体軸線方向に延びる長孔である。ここで、連結ピン4の直径をDとすると、長孔21の幅を約Dとし、最大長さを約1.4Dとしてある。すなわち、接合金具本体2は、本体軸線方向に約0.4Dだけ移動することができ(図3a参照)、梁8の木口面が柱9と接触しない状態で、受け金具3と係合することができ、係合作業(仮接合作業)を安全かつ容易に行なうことができる。なお、長孔21の最大長さ約1.4Dは一例であり、この寸法に限定されるものではない。
くさび孔22は、長孔21よりもさらに接合金具本体2の梁側に穿設され、接合金具本体2が梁8に係入された状態で、梁8の上面からくさびピン5が貫入される孔であり、梁側に設けたくさび孔22の少なくとも一部が、長孔21の梁側の端部を貫設する。このようにすると、くさびピン5を打ち込むといった単純かつ安全な作業により、長孔21内の連結ピン4を柱側に移動させることができるので、梁8の木口面を柱9に強く密着させて接合強度を高めることができる。ここで、くさび孔22は、長孔21の穿設方向と異なった角度で穿設してあり、本実施形態では、上記角度が約90度であるが、たとえば、横木部材が四角材でないときはこの角度に限定されない。
なお、本実施形態では、くさび孔22と長孔21との本体軸線方向の重なり代を約0.4Dとしてあり(図3c参照)、くさび孔22にくさびピン5を貫入すると、連結ピン4がくさびピン5によって押され長孔21の柱側まで移動する。
係合溝23は、柱側端部の周面に本体軸線と直交し、長孔21の穿設方向と同じ方向に設けた一対の溝であり、本実施形態では、図1において上下方向に対向する位置に平行に設けてある。下向きの係合溝23は、受け金具3の受け部31と係合し、上向きの係合溝23は、受け金具3の貫入孔34aに貫入される連結ピン4と係合する。このようにすると、対向する一対の係合溝23を利用して、接合金具本体2を挟むように係合することができるので、接合金具本体2を確実に係合することができる。
なお、本実施形態では、係合溝23の本体軸線方向の長さを約Dとしており、また、受け部31の本体軸線方向の厚さを約0.8Dとしてあるので(図3a参照)、接合金具本体2を柱側に引き出すことにより、約0.2Dの隙間ができ、下向きの係合溝23を受け部31と容易に係合させることができる。
(受け金具)
受け金具3は、固定板(背部)32と、この固定板32の水平方向の両側から正面方向に突設された一対の側板(側部)33とからなっている。
この受け金具3は、通常、一枚の金属板をプレス加工により折り曲げて成形されるが、この構造に限定されるものではなく、たとえば、固定板32に側板33を溶接した構造としてもよい。
固定板32は、細長い矩形平板状であり、ボルト孔(図示せず)が、固定板32の上部,中部及び下部に穿設してある。
なお、固定板32の形状は、上記形状に限定されるものではなく、縦木部材に応じて様々な形状とすることができる。たとえば、縦木部材が円柱である場合には、固定板32は、円柱の側面形状に対応した曲面を有する板状とすることができる。
側板33は、中段よりやや上方に、接合金具本体2の下向きの係合溝23に係合される受け部31が架設してある。この受け部31は、上面が面取りされた矩形角棒であり、両側板33に貫入した状態で、端部を溶接した構造としてある。このようにすると、接合金具本体2を上方から降下させることにより、係合溝23と受け部材3が係合するので、接合作業の作業性を向上させることができる。
また、側板33は、受け部31の上方に、連結ピン4が貫入される貫入孔34aが穿設してある。ここで、貫入孔34aに貫入される連結ピン4は、接合金具本体2の上向きの係合溝23と係合される構造としてあり、接合金具本体2を受け部31と連結ピン4で挟むように係合することができる。このようにすると、受け部31から接合金具本体2が外れるといった不具合を防止することができ、より確実に接合金具本体2を係合することができる。
さらに、側板33は、中段よりやや下方に、連結ピン4が貫入される連結孔34b,34cが穿設してある。
次に、上記構成の接合金具1の接合方法について、図面を参照して説明する。
図2は、本発明の第一実施形態にかかる木部材の接合金具を使用した概略軸組分解図を示している。
同図において、受け金具3は、柱9にボルト41及びナット42によって固定されている。
また、接合金具本体2は、木口面に仕口溝81及び切込溝82の形成された梁8に、長孔21に連結ピン4が貫入された状態で本体軸線方向に沿って係入されている。
これらの取付け作業は、工場などの作業環境の良いところで行なわれるので、作業効率を向上させることができる。
なお、図2においては、ボルト41,ナット42及び接合金具本体2は省略してある。
図3aは、本発明の第一実施形態にかかる木部材の接合金具において、係合溝を受け部へ係合した状態の概略拡大断面図を示している。
同図において、接合金具本体2は、柱側に引き出された状態で、下方の係合溝23が受け部31に載置され、係合される。すなわち、接合金具本体2は、長孔21に貫入された連結ピン4が梁側に位置し、梁8の木口面と柱9との間に隙間Δ(=約0.1D)がある状態で、下向きの係合溝23が受け部31に係合される。ここで、梁8の木口面と柱9との間に少なくとも隙間Δがあり、この隙間Δによって、梁8を柱9に容易に落とし込むことができ、下向きの係合溝23を受け部31と係合させる作業を容易に行なうことができる。また、この係合作業(仮接合作業)の作業性が向上することにより、安全に現場での高所作業を行なうことができる。
図3bは、本発明の第一実施形態にかかる木部材の接合金具において、連結孔に連結ピンを打ち込んだ状態の概略拡大断面図を示している。
同図において、連結ピン4が貫入孔34aに貫入されると、接合金具本体2だけが梁側に約0.2D移動し、受け部31が係合溝23の柱側端面と当接する。この段階で、接合金具本体2は、これ以上梁側に移動することはできなくなり、梁側に完全に戻った状態となる。また、長孔21に貫入された連結ピン4は、打ち込まれるくさびピン5に対して、約0.2Dだけ重なる状態となる。
図3cは、本発明の第一実施形態にかかる木部材の接合金具において、くさびピンを打ち込んだ状態の概略拡大断面図を示している。
同図において、くさび孔22へくさびピン5が貫入されると、くさびピン5が長孔21に貫入された連結ピン4を柱側に押し、まず、梁8及び連結ピン4が柱側に約0.1D移動すると、隙間Δがなくなり梁8の木口面が柱9と接触する。続いて、梁8の木口面が柱9と接触した状態から、さらに、くさびピン5が長孔21に貫入された連結ピン4を柱側に約0.1D押すことにより、梁8を柱9に強く密着させることができる。すなわち、梁8の木口面と柱9との間の隙間Δ(=約0.1D)に対して、梁8を約0.2Dだけ柱側に移動させているので、梁8は柱9に強く密着される。
なお、くさびピン5は、ハンマーを上から下に打ち下ろすだけの容易な作業によって、くさび孔22に貫入される。
また、本実施形態では、梁8の木口面が柱9と接触した状態からの押し代を約0.1Dとしてあるが、押し代はこの約0.1Dに限定されるものではない。
図4は、本発明の第一実施形態にかかる木部材の接合金具の使用状態を説明するための概略図であり、(a)は金具組合せ姿図を、(b)は軸組姿図を示している。
同図において、接合金具1は、くさびピン5がくさび孔22に貫入され、さらに、連結孔34b,34cに連結ピン4を貫入してあり、梁8が柱9に強く密着された状態で、梁8と柱9を強固に接合することができる。なお、本実施形態では、くさびピン5を貫入した後に、連結孔34b,34cに連結ピン4を貫入しいるが、これに限定されるものではなく、たとえば、連結孔34b,34cに連結ピン4を貫入してから、くさびピン5を貫入してもよい。
このように、本実施形態の接合金具1は、梁8に係入された接合金具本体2を柱側に引き出すことにより、係合溝23と受け部31を容易に係合させることができ、さらに、くさびピン5を用いて、梁8を柱9に強く密着させることができる。
また、受け金具3の側板33の出幅を小さくすることができるので、工場内で予め受け金具3を柱9に取り付けてから、施工現場に出荷する際、搬送車への積載効率を向上させることができる。さらに、受け金具3の側板33の出幅を小さくすることによって、梁8の木口面への切込溝82が短くなり、加工量を低減することができ、梁8への加工を効率よく行なうことができる。
[第二実施形態]
図5は、本発明の第二実施形態にかかる木部材の接合金具を説明するための概略分解斜視図を示している。
なお、本実施形態では、柱9(他方の木部材)に梁8(一方の木部材)を接合する例について説明するが、この例に限定されないことはもちろんである。
同図において、木部材の接合金具1a(適宜、接合金具1aと略称する。)は、接合金具本体2a,連結金具6,受け金具3a,丸鋼だぼ7,ボルト70,連結ピン4,くさびピン5,ボルト41及びナット42とからなっている。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、接合金具本体2及び受け金具3に代え、接合金具本体2a及び受け金具3aを使用し、さらに、連結金具6及び丸鋼だぼ7を用いた構成とした点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様としてある。
したがって、図5において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
(接合金具本体)
接合金具本体2aは、上記接合金具本体2とほぼ同様な構造としてあり、図5において、左右方向に対向して一対の係合溝23aが形成された構造としてある。
ここで、係合溝23aの溝幅Tは、連結金具6の接合板61の板厚tより広いので、係合溝23aをスリット溝64と容易に係合することができる(図7a参照)。
(連結金具)
連結金具6は、受け金具3aと組み合わせて連結される第二金具であり、一対の対向した連結板(側部)62と接合板(背部)61とからなっており、連結板62の梁側端部に接合板61を設け、横断面コ字状に形成してある。
連結板62は、矩形平板状であり、中段部及び下部に、連結ピン4が挿入される連結孔65b,65cが穿設してある。
また、連結板62の上部には、柱9に固定された受け金具3aの受け溝35に係合される丸棒状の落し部材63を架設してある。
接合板61は、上端から下方向に向かって、接合金具本体2の係合溝23aが係合するスリット溝64を形成した構成としてある。このようにすると、接合金具本体2aと連結金具6を容易に係合でき、かつ、梁8の荷重を連結金具6が受けることができる。
また、連結金具6の接合板61は、下段に、丸鋼だぼ7と連結するためのボルト70を貫入させるボルト孔66が穿設してあり、連結金具6が梁8から抜け落ちることを防止する。なお、ボルト70は、長孔21における連結ピン4の移動に応じて、連結金具6が本体軸線方向に移動できるように取り付けられている。
(丸鋼だぼ)
丸鋼だぼ7は、金属からなる丸棒であり、一方(梁側)の端部に、側面方向から連結ピン4が貫入される貫入孔71が穿設され、他方(柱側)の木口面に、固定用のボルト70が螺着される雌ねじ72が設けられている。
(受け金具)
受け金具3aは、側板33の上端部に、落し部材63が係合される受け溝35を形成した構造としてある。この受け溝35は、上方に向かって溝幅が広がるように、梁側の上部に斜面が形成してあり、落し部材63を安全かつ容易に落とし込むことができる。
なお、その他の構成は、上記接合金具1とほぼ同様な構成としてある。
次に、上記構成の接合金具1aの接合方法について、図面を参照して説明する。
図6は、本発明の第二実施形態にかかる木部材の接合金具を使用した概略軸組分解図を示している。
同図において、受け金具3aは、柱9にボルト41及びナット42を用いて固定される。また、接合金具本体2aは、木口面に仕口溝81aの形成された梁8に、長孔21に連結ピン4が貫入された状態で本体軸線方向に沿って係入される。また、丸鋼だぼ7は、梁8の木口面から本体軸線方向に沿って挿入され、貫入孔71に連結ピン4が貫入される。
なお、図6において、ボルト41およびナット42は省略してある。
好ましくは、連結金具6は、梁8の木口面の仕口溝81aに嵌め込まれるように、接合金具本体2a及び丸鋼だぼ7を介して取り付けるとよい。このようにすると、たとえば、梁8が十分に乾燥していない場合であっても、木口面のひねりを防止することができる。
図7aは、本発明の第二実施形態にかかる木部材の接合金具の、落し部材を受け溝に係合させた状態を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。
同図において、連結金具6は、係合溝23aがスリット溝64に係合された状態で、ボルト70が丸鋼だぼ7に締め込まれることにより、梁8の端面に固定される。このとき、長孔21に貫入された連結ピン4が長孔21のほぼ中央に位置する。
次に、落し部材63が受け金具3aの受け溝35に係合される。この際、上記受け溝35の斜面に沿って、落し部材63がガイドされるので、梁8を柱9に容易に落とし込むことができ、この係合作業(仮接合作業)の作業性が向上することにより、安全に現場での高所作業を行なうことができる。
続いて、連結孔34b,65bと連結孔34c,65cに、それぞれ連結ピン4を貫入させる。これにより、梁8の木口面と柱9は、ゆるやかに接触した状態となる。
なお、本実施形態では、くさび孔22へくさびピン5が貫入される前の状態において、長孔21に貫入された連結ピン4の中心から仕口溝81aの端面までの長さが約81mmであり、仕口溝81aの端面から梁8の木口面までの長さが約39mmである。
この状態で、図7bに示すように、くさび孔22へくさびピン5を貫入すると、接合金具本体2aが連結金具6を引っ張る。このとき、連結金具6は受け金具3aと強固に固定されているので、反作用的に梁8が柱9側に引き寄せられ、梁8の木口面が柱9に強く密着する。梁8が柱9に強く密着される際、連結金具6を嵌め込んである梁8の仕口溝81aが多少押しつぶされる状態で、梁8が柱9側に移動する。
なお、本実施形態では、くさび孔22へくさびピン5が貫入されると、長孔21に貫入された連結ピン4の中心から仕口溝81aの端面までの長さが約79.5mmとなり、仕口溝81aの端面から梁8の木口面までの長さが約38.5mmとなる。したがって、梁8の木口面が柱9と接触した状態からの押し代は、約2(=1.5+0.5)mmとなり、梁8は柱9に強く密着される。
また、本実施形態では、梁8の木口面が柱9と接触した状態からの押し代を約2mmとしてあるが、押し代はこの約2mmに限定されるものではない。
図8は、本発明の第二実施形態にかかる木部材の接合金具を使用した概略図であり、(a)は金具組合せ姿図を、(b)は軸組姿図を示している。
同図において、接合金具1aは、連結金具6の落し部材63が受け金具3aの受け溝35に係合され、連結孔34b,65bと連結孔34c,65cに、それぞれ連結ピン4が貫入され、さらに、くさびピン5が貫入されることにより、梁8が柱9に強く密着された状態で梁8と柱9を接合することができる。
上述したように、本実施形態の接合金具1aは、連結金具6に落し部材63を設けることにより、落し部材63の機械的強度を向上させることができる。さらに、くさびピン5を用いて、梁8を柱9に強く密着した状態で接合することができる。
また、受け金具3aと連結金具6の連結孔34b,34c,65b,65cに連結ピン4を貫通させて連結するので、外力の作用する方向によって、機械的強度が異なるといった不具合を防止することができる。
さらに、受け金具3aの側板33の出幅を小さくすることができるので、予め受け金具3を柱9に取り付けて出荷する際、搬送車への積載効率を向上させることができる。
また、受け金具3の側板33の出幅を小さくすることによって、梁8の木口面への切込溝82が短くなり、加工量を低減することができ、木加工を効率よく行なうことができる。
以上、本発明の木部材の接合金具について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る木部材の接合金具は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
たとえば、本実施形態では、丸棒状の落し部材63と半円状の受け溝35を用いているが、この構成に限定されるものではなく、たとえば、図9に示す接合金具1bは、受け金具3bの受け溝35bを梁側に向かう傾斜溝とし、落し部材63bを傾斜溝と同じ傾斜角の板状部材としてもよい。このようにすると、連結金具6bを受け溝35bの傾斜角に沿って降下させると、板状部材が傾斜溝35bに係合されるので、作業性を向上させることができる。
また、接合金具1bは、受け金具3bの側板33の下端に、底板36を設けてあり、このようにすると、梁8の下方空間と上方空間を遮断することができるので、防火性能を向上させることができる。
本発明の木部材の接合金具は、木部材の接合金具に限定されるものではなく、建築用部材の接合金具にも適用することが可能である。
本発明の第一実施形態にかかる木部材の接合金具を説明するための概略分解斜視図を示している。 本発明の第一実施形態にかかる木部材の接合金具を使用した概略軸組分解図を示している。 本発明の第一実施形態にかかる木部材の接合金具において、係合溝を受け部へ係合した状態の概略拡大断面図を示している。 本発明の第一実施形態にかかる木部材の接合金具において、連結孔に連結ピンを打ち込んだ状態の概略拡大断面図を示している。 本発明の第一実施形態にかかる木部材の接合金具において、くさびピンを打ち込んだ状態の概略拡大断面図を示している。 本発明の第一実施形態にかかる木部材の接合金具の使用状態を説明するための概略図であり、(a)は金具組合せ姿図を、(b)は軸組姿図を示している。 本発明の第二実施形態にかかる木部材の接合金具を説明するための概略分解斜視図を示している。 本発明の第二実施形態にかかる木部材の接合金具を使用した概略軸組分解図を示している。 本発明の第二実施形態にかかる木部材の接合金具の、落し部材を受け溝に係合させた状態を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。 本発明の第二実施形態にかかる木部材の接合金具の、くさびピンを打ち込んだ状態を説明するための要部の概略拡大断面図を示している。 本発明の第二実施形態にかかる木部材の接合金具を使用した概略図であり、(a)は金具組合せ姿図を、(b)は軸組姿図を示している。 本発明の第二実施形態の応用例にかかる木部材の接合金具を説明するための概略分解斜視図を示している。
符号の説明
1,1a,1b 木部材の接合金具(接合金具)
2,2a 接合金具本体
3,3a,3b 受け金具
4 連結ピン
5 くさびピン
6,6b 連結金具
7 丸鋼だぼ
8 梁
9 柱
21 長孔
22 くさび孔
23,23a 係合溝
31 受け部
32 固定板(背部)
33 側板(側部)
34a 貫入孔
34b,34c 連結孔
35,35b 受け溝
36 底板
41 ボルト
42 ナット
61 接合板(背部)
62 連結板(側部)
63,63b 落し部材
64 スリット溝
65b,65c 連結孔
66 ボルト孔
70 ボルト
71 貫入孔
72 雌ねじ
81,81a 仕口溝
82 切込溝

Claims (9)

  1. 棒状に形成された本体の一側が、一方の木部材に係入し、他側が他方の木部材に取り付けられた金具と係合することによって、前記木部材どうしを接合する接合金具であって、
    前記本体の一側に、前記一方の木部材の一の壁部から打ち込まれる連結ピンが貫入する、本体軸線方向に延びる長孔を設けるとともに、前記一方の木部材の他の壁部から打ち込まれるくさびピンが貫入するくさび孔を、前記長孔と異なった角度で設け、
    かつ、前記本体の他側周面に、前記他方の木部材に取り付けた前記金具と係合する溝を、前記本体軸線と直交する方向に設けた
    ことを特徴とする木部材の接合金具。
  2. 前記本体の一側に設けたくさび孔の少なくとも一部が、前記長孔の本体一側の端部を貫設することを特徴とする請求項1記載の木部材の接合金具。
  3. 前記本体の他側における溝を、本体周面の対向する位置に平行に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の木部材の接合金具。
  4. 前記本体の溝が、前記長孔の穿設方向と同一方向に設けられ、
    前記金具が、他方の木部材に固定される背部と、この背部の両側に直角に形成された側部とを有し、かつ、この両側部間に架設され、前記本体の溝と係合する受け部材を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の木部材の接合金具。
  5. 前記金具の両側部に、前記受け部と前記本体の溝が係合した際、前記溝と対向する他の溝に係合するピンの貫入孔を設けたことを特徴とする請求項3又は4記載の木部材の接合金具。
  6. 前記本体の溝が、前記長孔の穿設方向と直交する方向に設けられ、
    前記金具が、組み合わされて連結される第一金具と第二金具とからなり、
    前記第一金具が、前記他方の木部材に固定される背部と、この背部の両側に直角に形成された側部とを有し、
    前記第二金具が、背部と、この背部の両側に直角に形成された側部とを有し、かつ、前記背部の上端から、前記本体の溝が係合するスリット溝を形成したことを特徴とする請求項3記載の木部材の接合金具。
  7. 前記第一金具の両側部上辺に受け溝を形成し、前記第二金具の両側部間に前記受け溝に係合する落し部材を架設したことを特徴とする請求項6記載の木部材の接合金具。
  8. 前記第一金具の受け溝を前記背部側に向かう傾斜溝とし、前記第二金具の落し部材を前記傾斜溝と同じ傾斜角の板状部材としたことを特徴とする請求項7記載の木部材の接合金具。
  9. 前記第二金具を、前記一方の木部材に形成した仕口溝の内部に取り付けたことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の木部材の接合金具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010281192A (ja) * 2009-05-08 2010-12-16 Kuretekku Kk 建築用接合金具、固定金具、及び、固定ピン
JP2013133677A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Tatsumi:Kk 建築用木材の接合構造

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