JP6523880B2 - ガスセンサ - Google Patents

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本発明は、被測定ガスに含まれる酸素、特定ガス等の濃度を測定するガスセンサに関する。
内燃機関の排気管に配置されるガスセンサにおいては、内燃機関から排気される排ガスを被測定ガスとし、大気を基準ガスとして、被測定ガスと基準ガスとの酸素濃度との差に基づいて、被測定ガス中の酸素濃度、特定ガス成分濃度等を測定している。また、ガスセンサは、固体電解質体の一方の表面に被測定ガスに晒される測定電極を設けるとともに、固体電解質体の他方の表面に基準ガスに晒される基準電極を設けて形成されている。
例えば、特許文献1においては、固体電解質と白金電極との接合強度等を向上させるために、固体電解質を構成するジルコニアの結晶粒子の粒径分布が特定のピークを有するようにしている。この粒径分布の特定のピークは少なくとも2つあり、第一のピークが0.15〜0.25μmであり、第二のピークが0.25〜0.35μmであり、かつ2つのピークの差が0.03〜0.2μmである。
特開2003−194766号公報
ところで、ガスセンサのセンサ出力性能を改善するためには、固体電解質体と各電極との界面における酸素イオンの伝導性を良くすることが考えられる。しかしながら、特許文献1等を含む従来のガスセンサにおいては、電極を構成する貴金属粒子の性状、電極の気孔率等については特別な工夫はなされていない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、測定電極における酸素イオン化を促進し、センサ出力性能を向上させることができるガスセンサを提供しようとして得られたものである。
本発明の一態様は、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の表面に形成されて被測定ガスに晒される測定電極と、上記固体電解質体の他方の表面に形成されて基準ガスに晒される基準電極と、を備え、
上記測定電極に含まれる、白金を含有する貴金属粒子の平均粒子径は、上記基準電極に含まれる、白金を含有する貴金属粒子の平均粒子径よりも小さく、
上記測定電極に含まれる貴金属粒子の平均粒子径は、0.05〜0.5μmであり、上記基準電極に含まれる貴金属粒子の平均粒子径は、1〜10μmであり、
上記測定電極の気孔率は、30〜60%であり、上記基準電極の気孔率は、5〜20%である、ガスセンサにある。
上記ガスセンサにおいては、測定電極に含まれる貴金属粒子の平均粒子径を、基準電極に含まれる貴金属粒子の平均粒子径よりも小さくしている。
測定電極及び基準電極においては、固体電解質体との接合を行うための共材として固体電解質粒子が含まれている。測定電極に接触する被測定ガス中の酸素分子は、貴金属粒子と固体電解質粒子との界面において酸素イオンとなり、固体電解質体を通過した後、基準電極における貴金属粒子と固体電解質粒子との界面において再び酸素分子となる。
このとき、測定電極における貴金属粒子の平均粒子径が小さいことにより、測定電極における貴金属粒子全体の表面積が増え、被測定ガスが測定電極における貴金属粒子及び固体電解質粒子と接触しやすくなる。これにより、測定電極において、被測定ガス中の酸素が酸素イオンとなる界面反応が促進され、ガスセンサのセンサ出力性能を向上させることができる。
一方、基準電極における貴金属粒子の平均粒子径が測定電極における貴金属粒子の平均粒子径よりも相対的に大きくても、酸素イオンが酸素分子となるときの弊害とはなりにくい。その理由は、次のように考える。
測定電極においては、被測定ガスの組成及び酸素濃度が適宜変化し、また、酸素分子が酸素イオンとなる界面反応が行われる。そして、センサ出力特性を高めるためには、被測定ガスの組成及び酸素濃度の変化に素早く応答するとともに界面反応を促進する必要があり、測定電極における貴金属粒子の平均粒子径は小さい方が好ましい。一方、基準電極においては、酸素濃度が一定である基準ガスとしての大気等が接触し、酸素イオンは再び酸素分子となればよく、反応のための応答性及び反応の促進はそれほど要求されない。そのため、基準電極における貴金属粒子の平均粒子径が、測定電極における貴金属粒子の平均粒子径に比べて大きくても、センサ出力特性を悪化させる要因にはなりにくい。
それ故、上記ガスセンサによれば、測定電極における酸素イオン化を促進し、センサ出力性能を向上させることができる。
実施形態にかかる、固体電解質体及び各電極のミクロ構造を模式的に示す説明図。 実施形態にかかる、ガスセンサのセンサ素子の構造を、その長手方向に直交する断面によって示す説明図。 実施形態にかかる、測定電極の貴金属粒子の平均粒子径と、センサ出力特性との関係を示すグラフ。 実施形態にかかる、基準電極の貴金属粒子の平均粒子径と、センサ出力特性との関係を示すグラフ。 実施形態にかかる、測定電極の貴金属粒子の平均粒子径と、出力耐久変動量との関係を示すグラフ。 実施形態にかかる、基準電極の貴金属粒子の平均粒子径と、出力耐久変動量との関係を示すグラフ。 実施形態にかかる、測定電極の気孔率と、センサ出力特性との関係を示すグラフ。 実施形態にかかる、基準電極の気孔率と、センサ出力特性との関係を示すグラフ。 実施形態にかかる、基準電極の気孔率と、出力耐久変動量との関係を示すグラフ。 実施形態にかかる、ガスセンサを製造する過程を示す説明図。
上述したガスセンサにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
本形態のガスセンサ1は、図1に示すように、酸素イオン伝導性の固体電解質体2と、固体電解質体2の一方の表面201に形成されて被測定ガスGに晒される測定電極21と、固体電解質体2の他方の表面202に形成されて基準ガスAに晒される基準電極22とを備えている。ガスセンサ1においては、測定電極21に含まれる貴金属粒子K1の平均粒子径は、基準電極22に含まれる貴金属粒子K2の平均粒子径よりも小さい。
図示は省略するが、ガスセンサ1は、固体電解質体2にヒータ5を積層して構成されたセンサ素子10と、センサ素子10を内部に挿通させるハウジングと、センサ素子10の長手方向の基端側部分をハウジングに保持する碍子と、ハウジングに取り付けられてセンサ素子10の長手方向の先端側部分を覆う保護カバーとを備えている。固体電解質体2に測定電極21及び基準電極22が設けられて構成される検知部は、センサ素子10の先端側部分に形成されている。保護カバーには、被測定ガスGを検知部へ導くための貫通孔が設けられている。
ガスセンサ1は、内燃機関としてのエンジンの排気管に配置され、排気管を通過する排ガスを被測定ガスGとするとともに、大気を基準ガスAとして、被測定ガスGと基準ガスAとの酸素濃度の差に基づいて、被測定ガスG中の酸素の濃度を求めるものである。
固体電解質体2に測定電極21及び基準電極22を設けて構成されたセンサ素子10には、固体電解質体2を加熱するヒータ5が積層されている。センサ素子10は、長尺形状に形成されており、測定電極21及び基準電極22は、センサ素子10の長手方向の先端側部分に配置される。測定電極21及び基準電極22に繋がるリード部は、センサ素子10の長手方向の後端側に引き出される。
図2は、ガスセンサ1のセンサ素子10を、その長手方向に直交する断面によって示す。同図に示すように、固体電解質体2は、板形状のイットリア安定化ジルコニア(単に、ジルコニアという。)によって形成されている。固体電解質体2の一方の表面201には、測定電極21を保護するための多孔質保護層31が測定電極21を覆う状態で積層されている。多孔質保護層31は、測定電極21の被毒を抑制するものであるとともに、気体を透過させる一方、水分は透過させない性質を有するものである。本形態のセンサ素子10においては、固体電解質体2の一方の表面201には、アルミナ等の絶縁体が積層されておらず、測定電極21を配置するための空間としての測定ガス室も形成されていない。
固体電解質体2の他方の表面202には、基準ガスAが導入される基準ガス室33が形成されており、基準電極22は基準ガス室33に配置されている。基準ガス室33は、固体電解質体2の他方の表面202に積層された、アルミナ等からなるスペーサ32によって形成されている。ヒータ5は、スペーサ32に対して積層されており、通電によって発熱する発熱体52と、発熱体52を埋設する、アルミナ等からなるセラミック基板51とによって形成されている。発熱体52は、白金、アルミナ等を含有して形成されている。
図1に示すように、固体電解質体2は、ジルコニアからなる多数の固体電解質粒子Zが集まって形成されている。測定電極21及び基準電極22は、白金等の貴金属粒子K1,K2、及び固体電解質体2との共材であるジルコニア成分としての固体電解質粒子Zを含有している。固体電解質体2における固体電解質粒子Zと、測定電極21及び基準電極22における固体電解質粒子Zとは、同じ組成を有するものである。
本形態のガスセンサ1は、酸素センサとして用いられ、被測定ガスGと基準ガスAとの酸素濃度の差に応じて、測定電極21と基準電極22との間に流れる電流を、電圧検出手段11によって起電力として検出するものである。図1に示すように、基準ガスA中の酸素分子O2は、基準電極22における貴金属粒子K2と固体電解質粒子Zとの界面において、酸素イオンO2-となって固体電解質体2を通過する。固体電解質体2を通過した酸素イオンO2-は、測定電極21における貴金属粒子K1と固体電解質粒子Zとの界面において再び酸素分子O2となる。また、固体電解質体2を酸素イオンO2-が通過する際に、測定電極21と基準電極22との間に起電力が生じる。
ガスセンサ1においては、測定電極21に含まれる貴金属粒子K1の平均粒子径を、基準電極22に含まれる貴金属粒子K2の平均粒子径よりも小さくしている。
測定電極21に接触する被測定ガスG中の酸素が酸素イオンとなるときには、測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径が小さいことにより、測定電極21における貴金属粒子K1全体の表面積が増え、被測定ガスGが、測定電極21における貴金属粒子K1及び固体電解質粒子Zと接触しやすくなる。これにより、測定電極21において、被測定ガスG中の酸素が酸素イオンとなる界面反応が促進され、ガスセンサ1のセンサ出力性能を向上させることができる。
一方、基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径が測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径よりも相対的に大きくても、酸素イオンが再び酸素分子となるときの弊害とはなりにくい。その理由は、次のように考える。
測定電極21においては、被測定ガスGの組成及び酸素濃度が適宜変化し、また、酸素分子が酸素イオンとなる界面反応が行われる。そして、センサ出力特性を高めるためには、被測定ガスGの組成及び酸素濃度の変化に素早く応答するとともに界面反応を促進する必要があり、測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径は小さい方が好ましい。一方、基準電極22においては、酸素濃度が一定である基準ガスAとしての大気等が接触し、酸素イオンは再び酸素分子となればよく、反応のための応答性及び反応の促進はそれほど要求されない。そのため、基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径が、測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径に比べて大きくても、センサ出力特性を悪化させる要因にはなりにくい。
また、測定電極21に含まれる貴金属粒子K1の平均粒子径は、0.05〜0.5μmであり、基準電極22に含まれる貴金属粒子K2の平均粒子径は、1〜10μmである。
ここで、貴金属粒子K1,K2の粒子径とは、貴金属粒子K1,K2がいかなる形状であっても、最も長くなる部分の長さである最大粒子径のことをいう。貴金属粒子K1,K2の最大粒子径とは、例えば、貴金属粒子K1,K2が球状である場合には、その直径のことをいい、貴金属粒子K1,K2が板状である場合には、その対角部分の長さのことをいい、貴金属粒子K1,K2が複雑な形状である場合には、最も長くなる部分の長さのことをいう。
また、貴金属粒子K1,K2の平均粒子径とは、貴金属粒子K1,K2の粒度分布の平均値のことをいい、具体的には、任意に100個の貴金属粒子K1,K2の最大粒子径を測定した場合の数平均粒径のことをいう。
貴金属粒子K1,K2の最大粒子径は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いた観察によって測定することができる。この最大粒子径は、例えば、イオンビーム加工等によって測定電極21等の断面を露出させ、この断面をSEM(走査電子顕微鏡法)等によって観察して測定することができる。
測定電極21及び基準電極22に含まれる貴金属粒子K1,K2は、測定電極21及び基準電極22が所定の温度で焼成されていることにより、隣り合う粒子同士が接合された状態にある。ただし、隣り合う粒子同士が接合されていても、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いた観察によって1つ1つの粒子の外形を観測することができる。そのため、各電極21,22における貴金属粒子K1,K2の最大粒子径を測定し、測定した最大粒子径に基づいて、平均粒子径を求めることができる。
測定電極21に含まれる貴金属粒子K1の平均粒子径が0.5μm超過になると、測定電極21における貴金属粒子K1全体の表面積を増やすことが困難になり、被測定ガスGが測定電極21における貴金属粒子K1と接触しにくくなる。一方、貴金属粒子K1の平均粒子径が0.05μm未満になると、測定電極21の耐久性が悪化するおそれがある。
基準電極22に含まれる貴金属粒子K2の平均粒子径が1μm未満になると、貴金属粒子K2が小さくて、基準ガスAとしての大気等に接触する際に生じる貴金属粒子K2の蒸散によって、基準電極22の耐久性が悪化するおそれがある。貴金属粒子K2の平均粒子径が10μm超過になると、基準ガスAとしての大気等が貴金属粒子K2と接触する面積が減り、センサ出力特性に影響を与えるおそれがある。
図3には、測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径(μm)とセンサ出力特性(V)との関係をグラフで示す。
センサ出力特性は、測定電極21と基準電極22との間に生じる起電力(電位差)を示し、この起電力が一定値以上に保たれている場合にセンサ出力特性は良好となる。センサ出力特性を求める際には、一酸化炭素が100ppm含まれる窒素を測定電極21に接触させるとともに、大気を基準電極22に接触させて、測定電極21と基準電極22との間の起電力を測定した。また、測定電極21及び基準電極22の温度は400℃とした。
同図において、測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径が0.5μm以下である場合には、センサ出力特性が良好に維持されることが分かる。一方、測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径が0.5μmよりも大きくなるに連れて、センサ出力特性が悪化していくことが分かる。このことより、測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径は0.5μm以下であることが好ましいと言える。
図4には、基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径(μm)とセンサ出力特性(V)との関係をグラフで示す。センサ出力特性を求める際の条件は、図3の測定電極21の場合と同様である。
同図において、基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径が10μm以下である場合には、センサ出力特性が良好に維持されることが分かる。一方、基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径が10μmよりも大きくなるに連れて、センサ出力特性が悪化していくことが分かる。このことより、基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径は10μm以下であることが好ましいと言える。
基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径が、測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径に比べて大きくても、センサ出力特性を悪化させる要因にはなりにくい理由は上述したとおりである。
基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径は、大きくすることにより耐久性が向上する。図5には、測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径(μm)と出力耐久変動量(V)との関係を示し、図6には、基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径(μm)と出力耐久変動量(V)との関係を示す。
出力耐久変動量は、初期状態におけるセンサ出力特性と、950℃の温度環境下において800時間、ガスセンサ1によって酸素濃度の測定を行った後における使用後のセンサ出力特性との差を電位差によって示す。出力耐久変動量が小さいほど、基準電極22の耐久性が良好となる。出力耐久変動量を求める際には、一酸化炭素が100ppm含まれる窒素を測定電極21に接触させるとともに、大気を基準電極22に接触させて、測定電極21と基準電極22との間の起電力を測定した。また、測定電極21及び基準電極22の温度は400℃とした。
図5において、測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径が0.05μm以上である場合には、出力耐久変動量が良好に維持されることが分かる。一方、測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径が0.05μmよりも小さくなるに連れて、出力耐久変動量が悪化していくことが分かる。このことより、測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径は0.05μm以上であることが好ましいと言える。
図6において、基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径が1μm以上である場合には、出力耐久変動量が良好に維持されることが分かる。一方、基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径が1μmよりも小さくなるに連れて、出力耐久変動量が悪化していくことが分かる。このことより、基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径は1μm以上であることが好ましいと言える。
出力耐久変動量を良好に維持するための測定電極21における貴金属粒子K1の平均粒子径が、基準電極22における貴金属粒子K2の平均粒子径に比べて大幅に小さくてもよい理由は次のように考える。
一般に、電極の劣化となる貴金属粒子K1,K2(白金等)の蒸散は、酸素分子と接触することによって生じる。基準電極22は、基準ガスAとしての大気等と接触するために、劣化を防ぐための工夫が必要とされる。一方、測定電極21は、燃焼によって酸素濃度が低下した排ガス等の被測定ガスGと接触するために、酸化及び蒸散による劣化が生じにくい。そのため、測定電極21については、貴金属粒子K1の平均粒子径を0.05μmまで小さくしても、出力耐久変動量がほとんど増加しない。
また、ガスセンサ1において、測定電極21の気孔率は、基準電極22の気孔率よりも大きい。
ここで、気孔率とは、測定電極21又は基準電極22の体積全体に対して、貴金属粒子K1,K2、固体電解質粒子Z以外の気孔(空洞)Hによって表される体積の割合のことをいう。測定電極21及び基準電極22においては、各電極21,22の表面に溝状に現れる気孔H、各電極21,22の内部に現れる気孔H等が存在する。これらの気孔Hは、複雑な形状で各電極21,22の表面から内部まで繋がっていることが多い。そして、測定電極21においては、気孔Hを介して貴金属粒子K1と固体電解質粒子Zと被測定ガスGとが接触し、被測定ガスG中の酸素が酸素イオンとなる界面反応が行われる。
このとき、測定電極21の気孔率が大きいことにより、測定電極21における気孔Hを介して、貴金属粒子K1と固体電解質粒子Zと被測定ガスGとが接触しやすくなる。これにより、測定電極21における酸素イオン化の界面反応が促進され、ガスセンサ1のセンサ出力性能を向上させることができる。
一方、基準電極22の気孔率を測定電極21の気孔率よりも相対的に小さくしても、大きな弊害はない。その理由は、平均粒子径の場合と同様であり、基準電極22においては、酸素濃度が一定である基準ガスAとしての大気等が接触し、酸素イオンは再び酸素分子となればよく、反応のための応答性及び反応の促進は要求されないためである。そのため、基準電極22の気孔率が、測定電極21の気孔率に比べて小さくても、センサ出力特性を悪化させる要因にはなりにくい。
測定電極21の気孔率は、30〜60%であり、基準電極22の気孔率は、5〜20%である。ここで、測定電極21及び基準電極22の気孔率は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いた観察によって測定することができる。この気孔率は、例えば、イオンビーム加工等によって測定電極21等の断面を露出させ、この断面をSEM(走査電子顕微鏡法)等によって観察して測定することができる。
測定電極21の気孔率が30%未満になると、測定電極21における、貴金属粒子K1と固体電解質粒子Zと被測定ガスGとの界面を増やすことが困難になり、被測定ガスGが貴金属粒子K1及び固体電解質粒子Zと接触しにくくなる。一方、測定電極21の気孔率が60%超過になると、測定電極21の抵抗値が増加し、センサ出力特性の低下が生じるおそれがある。
基準電極22の気孔率が20%超過になると、基準電極22中の気孔の割合が多くて、基準電極22の耐久性が悪化するおそれがある。一方、基準電極22の気孔率が5%未満になると、貴金属粒子K2と固体電解質粒子Zと基準ガスAとの界面が減り、基準ガスAが貴金属粒子K2及び固体電解質粒子Zと接触しにくくなる。
図7には、測定電極21の気孔率(%)とセンサ出力特性(V)との関係をグラフで示し、図8には、基準電極22の気孔率(%)とセンサ出力特性(V)との関係をグラフで示す。センサ出力特性が示す内容、及びセンサ出力特性を求める際の条件については、図3の測定電極21の貴金属粒子K1の平均粒子径について述べたことと同様である。
図7において、測定電極21の気孔率が30%以上である場合には、センサ出力特性が良好に維持されることが分かる。一方、測定電極21の気孔率が30%よりも小さくなるに連れて、センサ出力特性が悪化していくことが分かる。また、測定電極21の気孔率が60%よりも大きくなるに連れて、センサ出力特性が悪化していくことが分かる。これらのことより、測定電極21の気孔率は30〜60%であることが好ましいと言える。
図8において、基準電極22の気孔率が5%以上である場合には、センサ出力特性が良好に維持されることが分かる。一方、基準電極22の気孔率が5%よりも小さくなるに連れて、センサ出力特性が悪化していくことが分かる。このことより、基準電極22の気孔率は5%以上であることが好ましいと言える。
基準電極22の気孔率は、小さくすることにより耐久性が向上する。図9には、基準電極22の気孔率(%)と出力耐久変動量(V)との関係を示す。出力耐久変動量が示す内容、及び出力耐久変動量を求める際の条件については、図5、図6の貴金属粒子K1,K2の平均粒子径について述べたことと同様である。
図9において、基準電極22の気孔率が20%以下である場合には、出力耐久変動量が良好に維持されることが分かる。一方、基準電極22の気孔率が20%よりも大きくなるに連れて、出力耐久変動量が悪化していくことが分かる。このことより、基準電極22の気孔率は20%以下であることが好ましいと言える。
なお、測定電極21の気孔率と出力耐久変動量との関係についてはグラフを示すことを省略する。測定電極21は、燃焼によって酸素濃度が低下した排ガス等の被測定ガスGと接触するために、酸化及び蒸散による劣化が生じにくいためである。
また、センサ素子10は、次のようにして製造することができる。
まず、図10に示すように、固体電解質体2を形成するジルコニアシートの他方の表面202に、基準電極22を形成するためのペースト状の電極材料を配置する。この電極材料は、貴金属粒子K2、固体電解質粒子Z、有機溶剤等を含有するものである。なお、ジルコニアシートの一方の表面201には、測定電極21に繋がるリード部分211を形成するためのペースト状の電極材料を配置することができる。
また、ヒータ5のセラミック基板51を形成するセラミックシートに、発熱体52を形成するための導体材料を配置する。そして、固体電解質体2を形成するジルコニアシート、スペーサ32を形成するセラミックシート、セラミック基板51を形成するセラミックシートを積層して、積層体を形成する。次いで、この積層体を、1300℃以上の温度の環境下において焼成する。
基準電極22を形成するための電極材料は、1300℃以上の温度で焼成することにより、この電極材料における貴金属粒子K2、固体電解質粒子Z等の焼成がより深く進行する。これにより、基準電極22を構成する貴金属粒子K2の平均粒子径が大きくなり、基準電極22の気孔率は小さくなる。
次いで、図10に示すように、積層体におけるジルコニアシートの一方の表面201に、測定電極21を形成するためのペースト状の電極材料を配置する。この電極材料は、貴金属粒子K1、固体電解質粒子Z、有機溶剤等を含有するものである。この電極材料の配置は、無電解めっきによって行うことができる。また、積層体におけるジルコニアシートの一方の表面201には、電極材料を覆うようにして、多孔質保護層31を形成するための多孔質材料を配置する。そして、電極材料及び多孔質材料が配置された積層体を、1200℃以下の温度の環境下において焼成する。
測定電極21を形成するための電極材料は、1200℃以下の温度で焼成することにより、この電極材料における貴金属粒子K1、固体電解質粒子Z等の焼成の進行を抑える。これにより、測定電極21を構成する貴金属粒子K1の平均粒子径が小さく抑えられ、測定電極21の気孔率が大きくなる。
このように、測定電極21の焼成温度を基準電極22の焼成温度よりも低くすることにより、測定電極21に含まれる貴金属粒子K1の平均粒子径を、基準電極22に含まれる貴金属粒子K2の平均粒子径よりも小さくすることができる。また、測定電極21の焼成温度を基準電極22の焼成温度よりも低くすることにより、測定電極21の気孔率を、基準電極22の気孔率よりも大きくすることができる。
また、測定電極21を形成するための電極材料及び基準電極22を形成するための電極材料には、気孔を形成するためのカーボン等の焼失剤を含有させることができる。焼失剤は、各電極材料を焼成する際に焼失することによって、各電極21,22に気孔を形成するものである。
以上のように、ガスセンサ1によれば、センサ出力性能を向上させることができるとともに、耐久性も向上させることができる。
また、本発明は、本形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる形態に適用することが可能である。
1 ガスセンサ
2 固体電解質体
201 一方の表面
202 他方の表面
21 測定電極
22 基準電極
K1,K2 貴金属粒子
G 被測定ガス
A 基準ガス

Claims (2)

  1. 酸素イオン伝導性の固体電解質体(2)と、該固体電解質体(2)の一方の表面(201)に形成されて被測定ガス(G)に晒される測定電極(21)と、上記固体電解質体(2)の他方の表面(202)に形成されて基準ガス(A)に晒される基準電極(22)と、を備え、
    上記測定電極(21)に含まれる、白金を含有する貴金属粒子(K1)の平均粒子径は、上記基準電極(22)に含まれる、白金を含有する貴金属粒子(K2)の平均粒子径よりも小さく、
    上記測定電極(21)に含まれる貴金属粒子(K1)の平均粒子径は、0.05〜0.5μmであり、上記基準電極(22)に含まれる貴金属粒子(K2)の平均粒子径は、1〜10μmであり、
    上記測定電極(21)の気孔率は、30〜60%であり、上記基準電極(22)の気孔率は、5〜20%である、ガスセンサ。
  2. 上記ガスセンサは、上記被測定ガス(G)と上記基準ガス(A)との酸素濃度の差に応じて、上記測定電極(21)と上記基準電極(22)との間に流れる電流を、電圧検出手段(11)によって起電力として検出するものである、請求項1に記載のガスセンサ。
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