JP6521782B2 - トナー - Google Patents
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Description
一方で、最近の市場ではプリンター装置はLED、レーザビームプリンタが主流になっており、技術の方向としてより高解像度、すなわち、従来300、400dpiであったものが600、1200dpiとなってきている。従って現像方式もこれにともなって、より高精細が要求されている。そのため良好な帯電性を保持できるトナーが求められている。
以上のような背景からトナーの帯電性を改良するための検討が盛んに行われている。トナーの帯電性を制御するためには、結着樹脂自体の摩擦帯電特性を利用することもできるが、一般的には帯電性を付与する荷電制御剤なるものを添加することが行われている。
従来、荷電制御剤としては、モノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などの金属化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、塩素化パラフィンなどがある。
これらの染顔料を含む荷電制御剤の中でも特にサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などの金属化合物はトナーに十分な帯電性を与えることができる。さらに帯電の立ち上がりも良好であるため荷電制御剤として高い性能を発揮することができる。
しかし、これらの荷電制御剤は、トナーの製造時に荷電制御剤自身の熱分解や、他の材料の影響による分解などを引き起こし、帯電性が低下するものが殆どである。また、高湿環境においては吸湿しやすい傾向があるためトナーの帯電性が低下する傾向があり、十分機能を発揮することができないものがある。
一方で、ビニル芳香族炭化水素と(メタ)アクリレートとスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミドの共重合体を用いた荷電制御剤が開示されている(特許文献1)。
この荷電制御剤は高分子であるため化学的に安定である。さらには電荷発生能力が高いため摩擦帯電を行うと瞬時に帯電量を保持できるという帯電の立ち上がりに優れている。しかし、帯電量が高くなりすぎて、一定の帯電量に保持することが困難なのが実状である。
また、トナーに用いる樹脂成分を改良することでトナーの帯電性を良好にする手法も提案されている。カルボン酸成分と糖アルコール由来の多価アルコール成分の重縮合によって得られるポリエステル樹脂を用いることで電気特性に優れたトナーが提案されている(特許文献2)。
多価アルコール成分の一つとしてイソソルビドユニットを用いているもので、カブリを良好にすることができる。しかし本発明者らは鋭意検討した結果、高湿環境においてトナーの帯電性低下に伴う画像濃度の低下が発生した。これはイソソルビド特有の吸湿特性による帯電量低下であると考えられる。
また、イソソルビドユニットを有するポリエステル樹脂を用いることで、トナーの定着性、保存性及び耐久性を向上させるトナーが提案されている(特許文献3及び4)。
また、環境対応の観点でイソソルビドユニットを有するポリエステル樹脂を用いたトナ
ーが提案されている(特許文献5)。
確かにこれらのトナーは、定着性や保存性は優れたものであるが、上記同様に主な樹脂として、イソソルビドユニットを有しているトナーであるために、トナーの吸湿特性が高まり、トナーの帯電量が低下する傾向にある。
以上の理由から、低温低湿から高温高湿環境に至る様々な環境において、トナーの帯電性が良好であり、画像濃度が安定した優れた画像品位を有するトナーが切望されているのが実状である。
樹脂、ポリエステル樹脂A及び下記式(1)で示されるモノマーユニットを有する重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該ポリエステル樹脂Aが、下記式(2)で示されるイソソルビドユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂Aの含有量が、該樹脂100.00質量部に対して、1.00質量部以上40.00質量部以下であることを特徴とするトナー。
樹脂、ポリエステル樹脂A及び下記式(1)で示されるモノマーユニットを有する重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該ポリエステル樹脂Aが、下記式(2)で示されるイソソルビドユニットを含有し、
該ポリエステル樹脂Aの含有量が、該樹脂100.00質量部に対して、1.00質量部以上40.00質量部以下であることを特徴とする。
また、該ポリエステル樹脂Aの含有量は、樹脂100.00質量部に対して、1.00質量部以上40.00質量部以下である。ポリエステル樹脂Aの含有量を前記範囲とすることでトナーの帯電性を良好なものとすることができる。
具体的には、トナーの帯電の立ち上がり性が良好になり、且つトナーの帯電量を最適化することができる。その結果、本発明のトナーを用い、初期から多数枚にわたってプリントアウトを行っても高い画像濃度を安定して提供することができる。
本発明では、式(1)で示されるモノマーユニットにおける、スルホン酸基及びアミド結合を有する部分と、式(2)で示されるイソソルビドユニットの酸素原子部分が互いに
分子レベルで相互作用している。そのため、トナーの摩擦帯電を行うと、式(1)で示されるモノマーユニット部位で瞬時に帯電量を得ることができるとともに、式(2)で示されるイソソルビドユニット部位で適度な電荷リーク作用が行われる。その結果、トナーにおける帯電量の適正化が実現できるものと、本発明者らは考えている。
該重合体をトナー粒子中に含有させることで、トナーの帯電の立ち上がり性は良好になる。これは前述したように、式(1)で示されるモノマーユニットがスルホン酸基を含有しているために、該スルホン酸基部位で瞬時に摩擦帯電を行うことができるからである。
一方、スルホン酸基は高い帯電量を保持する傾向があるため、帯電量を制御することが難しい。しかし、本発明においては、式(2)で示されるイソソルビドユニットを有するポリエステル樹脂Aを共存させることで、トナーの帯電量を適正値に保持することが可能である。
本発明に用いられる重合体における式(1)で示されるモノマーユニットの含有割合は、該重合体を構成する全モノマーユニットを基準として、0.50mol%以上20.00mol%以下であることが好ましく、0.50mol%以上10.00mol%以下であることがより好ましい。
式(1)で示されるモノマーユニットの含有割合が0.50mol%未満の場合、帯電の立ち上がり性が低下する傾向にあり、現像初期の画像濃度が低下しやすくなる。
一方、含有割合が20.00mol%を超える場合は、トナーの吸湿特性が高くなり、高温高湿下において帯電量が低下する傾向にあり、画像濃度が低下しやすくなる。
該重合体の含有量が0.10質量部未満の場合、トナーの帯電の立ち上がり性が低下する傾向にある。一方、含有量が10.00質量部を超える場合は、樹脂の極性が高くなりポリエステル樹脂Aとの相溶性が低下する傾向にある。
式(1)で示されるモノマーユニットの特徴としては、ユニット中にスルホン酸基とアミド基が比較的近い距離で隣接している。そのため、ポリエステル樹脂Aに含まれるイソソルビドユニット中の酸素原子と相互作用を起こしやすい。そのため、トナーの帯電の立ち上がり性を高めるとともに、適正な帯電量を長期にわたって維持することができる。
本発明において、該重合体のガラス転移温度(Tg)は、40℃以上90℃以下であることが好ましい。また、重合体のピーク平均分子量は10,000以上30,000以下であることが好ましく、重合体の重量平均分子量は25,000以上40,000以下であることが好ましい。
該重合体を用いた場合、トナー粒子に求められる熱特性に影響を及ぼすことなく、好ましい帯電特性を享受することができる。
また、該重合体はスルホン酸基を含有しているため、樹脂中での該重合体の分散性、及び、必要に応じて用いられる着色剤の分散性が向上し、着色力、透明性、及び帯電性が著しく改善される。
該置換基を有していてもよい2価の脂肪族基としては、置換基を有していてもよい、炭素数2以上6以下のアルカンジイル基が好ましく(該置換基としては、置換基を有していてもよいフェニル基などが挙げられる。)、無置換の炭素数2以上6以下のアルカンジイル基がより好ましい。
また、置換基を有していてもよいフェニレン基としては、p-フェニレン基が好ましい
。
R1は水素原子、アルカリ金属、炭素数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を示す。一方、R2は水素原子又はメチル基を示す。
上記式(1)で示されるモノマーユニットを生じさせるモノマーとしては、2−(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−n−ブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−n−ヘキサンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−n−オクタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−n−ドデカンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−n−テトラデカンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2,2,4−トリメチルペンタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルフェニルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−(4−クロロフェニル)プロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−カルボキシメチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−(2−ピリジル)プロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−3−メチルブタンスルホン酸などを挙げることができる。
これらのうち、帯電の立ち上がり性の観点から、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸や2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が好適に例示できる。
該式(1)で示されるモノマーユニット以外のモノマーユニットを生じさせるモノマーとしては、特に限定されず、公知の単官能性モノマー及び多官能性モノマーが挙げられる。
単官能性モノマーとしては、以下を例示することができる。
スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン系モノマー;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系モノマー;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系モノマー;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトン。
多官能性モノマーとしては、以下を例示することができる。
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テト
ラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
該イソソルビドユニットは、ユニット内に複数のエーテル基を有した環状構造をとることから、上記重合体と共存させることで、適度な電荷リーク作用を起こすことが可能である。本発明では、このイソソルビドユニットの電荷リーク作用を利用することで、トナーの帯電量を適正値で保持できる。
本発明において、ポリエステル樹脂Aの含有量は、樹脂100.00質量部に対して、1.00質量部以上40.00質量部であり、1.00質量部以上6.00質量部以下であることが好ましい。
ポリエステル樹脂Aの含有量を上記範囲とすることで、上記重合体との相互作用が良好に働き、トナーの帯電の立ち上がり性と帯電量の適正化が大幅に改善される。
そのため、低温低湿環境から高温高湿環境に至る様々な環境において、プリントアウトを多数枚行っても、初期から高い画像濃度を安定に保つことができる。
イソソルビドユニットの含有割合を上記範囲とすることで、上記重合体との相互作用が最も有効に働き、トナーの帯電の立ち上がり性と帯電量の適正化が良好なものとなる。
イソソルビドユニットの含有割合が0.10mol%未満の場合、ポリエステル樹脂Aのポリマー鎖内のイソソルビドユニットの存在割合が少なく、ポリエステル樹脂Aの帯電性に寄与する特性が低下する傾向にある。具体的には、上記重合体により発生する帯電量を制御する特性が低下する傾向に有り、トナーの帯電量が高くなる傾向にある。トナーの帯電量が高くなりすぎると、画像濃度が低下しやすくなる。
一方、イソソルビドユニットの含有割合が30.00mol%を超える場合、電荷リーク作用が強く働く傾向にあるため、トナーの帯電量が低くなる傾向にある。トナーの帯電量が低くなりすぎると、画像濃度が低下しやすくなる。
ポリエステル樹脂Aの酸価を上記範囲とすることで、上記重合体との相溶性が良好となり、重合体との相互作用を十分に発現させることができる。
なお、ポリエステル樹脂Aの酸価(mgKOH/g)は、重合時のモノマー組成比などによって制御可能である。
該二価のアルコールとしては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのような脂肪族系のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAの如きビスフェノールA類が挙げられる。
三価以上のアルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
一方、上記二塩基酸などの酸成分としては下記のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びピロメリット酸のような芳香族多価カルボン酸;フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸のような炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸などの脂肪族多価カルボン酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル。
それらの中でも特に、ビスフェノール誘導体をアルコール成分とし、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルを酸成分として、これらを縮重合して得られるポリエステル樹脂を好ましく用いることができる。
具体例としては、一般的に用いられているスチレンアクリル共重合体、スチレンメタクリル共重合体、エポキシ樹脂、スチレンブタジエン共重合体などが含まれる。
該共重合体を構成するモノマーとしては、特に限定されず、以下のモノマーが例示できる。
スチレン;o−(m−、p−)メチルスチレン、m−(p−)エチルスチレンのようなスチレン系モノマー;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなアクリル酸エステル系モノマー、又はメタクリル酸エステル系モノマー;ブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミドのようなエン系モノマー。
これらは、単独、又は、一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−p139乃至192(John Wiley&Sons製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)を参考にしてモノマーを適宜混合して用いられる。
該低分子量ポリマーとしては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が、2,000以上5,000以下であることが好ましく、且つ、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が4.5未満であることが好ましく、より好ましくは3.0未満のものである。
低分子量ポリマーとしては、低分子量ポリスチレン、低分子量スチレン−アクリル酸エステル共重合体、低分子量スチレン−アクリル共重合体などが挙げられる。
本発明において、樹脂は、上記ポリエステル樹脂A以外のポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂などを、極性樹脂として含有してもよい。
また、本発明において、トナー粒子の機械的強度を高めると共に、トナー粒子に含まれる樹脂の分子量を制御するために、樹脂を合成する際に架橋剤を用いてもよい。
該架橋剤としては、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたものが挙げられる。
一方、多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメリテートが挙げられる。
これらの架橋剤の添加量は、樹脂を構成するモノマー100.00質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上100.00質量部以下であり、より好ましくは0.10質量部以上5.00質量部以下である。
上記重合体以外の荷電制御剤を配合することにより、帯電特性の更なる安定化、現像システムに応じた最適の帯電量のコントロールが可能となる。
該荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。
具体例として、トナー粒子を負帯電性に制御するものとしては、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物が挙げられる。また、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸並びにその金属塩、その無水物、及びそのエステル類、ビスフェノールなどのフェノール誘導体類なども例示できる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、及びカリックスアレーンなども例示できる。
一方、トナー粒子を正帯電性に制御するものとしては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩などによるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩などのオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートのようなジオルガノスズボレート類などが挙げられる。
上記トナー粒子は、これら荷電制御剤を単独で、又は2種類以上組み合わせて含有することができる。
該荷電制御剤の含有量は、樹脂100.00質量部に対して、0.01質量部以上20.00質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.50質量部以上10.00質量部以下である。しかしながら、本発明のトナーには、荷電制御剤の添加は必須ではない。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー、マゼンタ、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、128、129、138、147、150、151、154、155、168、180、185、214などが例示できる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19などが例示できる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66などが挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し、さらには固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー粒子中への分散性の点から選択される。該着色剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
該磁性材料としては、以下の、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトようなの酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属、又はこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物などが例示できる。
磁性材料は、好ましくは、表面改質されたものである。懸濁重合法により磁性トナーを調製する場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このような表面改質剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。
該磁性材料は、個数平均粒径が2μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以上0.5μm以下である。トナー粒子中における該磁性材料の含有量は、樹脂100質量部に対して、20質量部以上200質量部以下であることが好ましく、40質量部以上150質量部以下であることがより好ましい。
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムようなの石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスのようなポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスのような天然ワックス及びその誘導体。誘導体としては酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物などが挙げられる。さらには、以下のものが挙げられる。高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸のような脂肪酸;酸アミドワックス;エステルワックス;硬化ヒマシ油及びその誘導体;植物系ワックス;動物性ワックスなど。この中で、離型性に優れるという観点からエステルワックス及び炭化水素ワックスが好ましい。また、トータルの炭素数が同一の化合物が50質量%以上95質量%以下ワックスに含有されているものが、ワックス純度が高く現像性の観点で好ましい。
該ワックスの含有量は、樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、3質量部以上25質量部以下である。
ワックスの含有量が、1質量部以上40質量部以下の場合、トナーの加熱加圧時に適度なワックスのブリード性を持てることにより、高温時の耐巻きつき性が向上する。さらに、現像時や転写時のトナーへのストレスを受けてもトナー表面へのワックスの露出が少なく、トナー個々の均一な帯電性を得ることができる。
トナー粒子に外添する無機微粒子としては、少なくともシリカ微粒子を含むことが好ましい。該シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、4nm以上80nm以下であることが好ましい。シリカ微粒子の一次粒子の個数平均粒径が上記範囲にあることで、トナーの
流動性が向上すると共に、トナーの保存安定性も良好になる。
該無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、走査電子顕微鏡で観察し、視野中の100個の無機微粒子の一次粒子の粒径を測定し、その算術平均により求める。
該無機微粒子として、シリカ微粒子と、酸化チタン、アルミナ又はそれらの複酸化物の微粒子を併用することができる。併用される無機微粒子としては、酸化チタンが好ましい。
該シリカ微粒子としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラスから製造される湿式シリカの両者の微粒子が含まれる。シリカとしては、表面及びシリカの内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2−の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカは、製造工程において例えば、塩化アルミニウム、塩化チタンのような他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粒子を得ることも可能である。シリカはそれらも包含する。
無機微粒子は、また、トナーの摩擦帯電性の均一化のために添加するとよい。無機微粒子を疎水化処理することによって、トナーの摩擦帯電量の調整、環境安定性の向上、高湿環境下での特性の向上などの機能を付与することができるので、疎水化処理された無機微粒子を用いることが好ましい。トナー粒子に外添された無機微粒子が吸湿すると、トナーとしての摩擦帯電量が低下しやすく、現像性や転写性の低下が生じやすくなる。
無機微粒子の疎水化処理のための処理剤としては、以下のものが挙げられる。
未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物。これらの処理剤は単独で、又は2種以上を併用して用いてもよい。
その中でも、シリコーンオイルにより処理された無機微粒子が好ましい。より好ましくは、無機微粒子をカップリング剤で疎水化処理すると同時、あるいはカップリング剤で疎水化処理した後に、シリコーンオイルにより処理した疎水化処理無機微粒子が高湿環境下でもトナー粒子の摩擦帯電量を高く維持し、選択現像性を低減できるという点でよい。
該無機微粒子の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、通常、0.01質量部以上10質量部以下であり、好ましくは、0.05質量部以上5質量部以下である。
以下に懸濁重合法を用いたトナー粒子の製造方法について説明する。
まず、上記ポリエステル樹脂A、上記式(1)で示されるモノマーユニットを有する重合体、及び樹脂を構成するモノマー、並びに、必要に応じて着色剤などの他の成分を含有するモノマー組成物を水系媒体中に分散し、該水系媒体中で該モノマー組成物の粒子を形成し、該粒子に含まれる該モノマーを重合する。重合によって得られた粒子は、ろ過、洗浄、乾燥工程を経てトナー粒子とするとよい。
該水系媒体には、モノマー組成物を均一に分散させて、モノマー組成物の粒子を形成するために、分散剤を添加するとよい。
該懸濁重合法で製造する場合には、重合開始剤を用いてもよく、モノマー中に他の添加剤を添加するときに同時に加えてもよいし、水系媒体中でモノマー組成物の粒子を形成する直前に混合してもよい。また、粒子の形成直後、重合反応を開始する前にモノマー又は溶媒に溶解した重合開始剤を加えてもよい。
該重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2
’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレートのような過酸化物系重合開始剤。
これらの重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には、上記モノマー100質量部に対して、3質量部以上20質量部以下であることが好ましい。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に選定され、単独又は混合して使用される。
無機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。
リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ。
一方、有機系の分散剤としては、以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、モノマー組成物を水系媒体中に分散させるための分散剤として、市販のノニオン型、アニオン型、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。このような界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム。
これらの分散剤の中でも、無機系の難水溶性の分散剤が好ましく、しかも酸に可溶性である難水溶性の無機分散剤を用いることがより好ましい。
該分散剤の使用量は、モノマー100質量部に対して、0.2質量部以上2.0質量部以下であることが好ましい。また、水系媒体は、モノマー組成物100質量部に対して、300質量部以上3,000質量部以下の水を用いて調製されることが好ましい。
本発明において、上記のような難水溶性の無機分散剤が分散された水系媒体を調製する場合には、市販の分散剤をそのまま用いて分散させてもよい。また、細かい均一な粒度を有する分散剤の粒子を得るために、水系媒体中で、高速撹拌下、難水溶性の無機分散剤を生成させて調製してもよい。例えば、リン酸三カルシウムを分散剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成することが挙げられる。
本願実施例で用いられる画像形成方法を含む、画像形成装置の構成を図2に示す。図2に示された画像形成装置は転写方式電子写真プロセスを用いたレーザビームプリンタである。特に、図2はタンデム型のカラーLBP(カラーレーザープリンタ)の断面図を示す。
図2において、101(101a〜101d)は図示矢印方向(反時計方向)に所定のプロセススピードで回転する潜像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと称する)である。感光ドラム101a、101b、101c、101dは順にカラー画像のイエロー(Y)成分、マゼンタ(M)成分、シアン(C)成分、ブラック(Bk)成分のそれぞれを分担するものである。
以下、Y、M、C、Bkの各画像形成装置をそれぞれユニットa、ユニットb、ユニットc、ユニットdと呼ぶ。
これらの感光ドラム101a〜101dは、不図示のドラムモータ(直流サーボモータ)によって回転駆動されるが、各感光ドラム101a〜101dにそれぞれ独立した駆動源を設けてもよい。なお、ドラムモータの回転駆動は不図示のDSP(デジタルシグナルプロセッサ)によって制御され、その他の制御は不図示のCPUによって行われる。
また、静電吸着搬送ベルト109aは、駆動ローラ109bと固定ローラ109c、109e及びテンションローラ109dに張架されており、駆動ローラ109bによって図示矢印方向に回転駆動され、記録媒体Sを吸着して搬送する。
以下、4色のうち、ユニットa(イエロー)を例として説明する。
感光ドラム101aはその回転過程で1次帯電手段102aにより所定の極性及び電位に一様に1次帯電処理される。そして、感光ドラム101aに対してレーザービーム露光手段(以下、スキャナーと称する)103aにより光像露光がなされ、前記感光ドラム101a上に画像情報の静電潜像が形成される。
次に、現像部104aによってトナー像が感光ドラム101a上に形成され、静電潜像が可視化される。同様な工程が他の3色(マゼンタ(B)、シアン(C)及びブラック(Bk))についてもそれぞれ実施される。
而して、4色のトナー像は、所定のタイミングで給紙ローラ108bにより搬送されてきた記録媒体Sを停止、再搬送するレジストローラ108cにより同期され、感光ドラム101a〜101dと静電吸着搬送ベルト109aとのニップ部において記録媒体Sにトナー像が順次転写される。また、これと同時に記録媒体Sへのトナー像転写後の感光ドラム101a〜101dはクリーニング手段106a、106b、106c、106dによって転写残トナーなどの残存付着物が除去され、繰り返し作像に供される。
4つの感光ドラム101a〜101dからトナー像が転写された記録媒体Sは、駆動ローラ109b部において静電吸着搬送ベルト109a面から分離されて定着器110に送り込まれ、定着器110においてトナー像が定着された後、排出ローラ110cによって排出トレー113に排出される。
トナー担持体14は、上記開口部にて図に示す右略半周面を現像剤容器23内に突入し、左略半周面を現像剤容器23外に露出して横設されている。この現像剤容器23外へ露出した面は、図1のように現像ユニット13の図中左方に位置する潜像担持体10に当接している。
トナー担持体14は矢印B方向に回転駆動され、潜像担持体10の周速は50〜170mm/s、トナー担持体14の周速は潜像担持体10の周速に対して1〜2倍の周速で回転させている。
の金属薄板を3枚当接部に挿入し、中央の1枚をばねばかりで引き抜いた値から換算する。なお、規制部材16は当接面側にゴム材料などを接着したものの方がトナーとの付着性の面で、長期使用において規制部材へのトナーの融着、固着を抑制できるため望ましい。また規制部材16は、トナー担持体14に対する当接状態を、先端を当接させるエッジ当接とすることも可能である。なお、エッジ当接とする場合は、トナー担持体との接点におけるトナー担持体の接線に対する規制部材の当接角を40度以下になるよう設定するとトナーの層規制の点でさらに望ましい。
トナー供給ローラ15は、規制部材16のトナー担持体14表面との当接部に対しトナー担持体14の回転方向上流側に当接され、かつ回転可能に支持されている。このトナー供給ローラ15のトナー担持体14に対する当接幅としては、1〜8mmが有効で、またトナー担持体14に対してその当接部において相対速度を持たせることが好ましい。
帯電ローラ29は本発明の画像形成方法に必須のものではないが、設置されているとより好ましい。帯電ローラ29はNBR、シリコーンゴムなどの弾性体であり、抑圧部材30に取り付けられている。そしてこの抑圧部材30による帯電ローラ29のトナー担持体14への当接荷重は0.49〜4.9Nに設定する。帯電ローラ29の当接により、トナー担持体14上のトナー層は細密充填され均一コートされる。規制部材16と帯電ローラ29の長手位置関係は、帯電ローラ29がトナー担持体14上の規制部材16当接全域を確実に覆うことができるように配置されるのが好ましい。
また、帯電ローラ29の駆動については、トナー担持体14との間は従動又は同周速が必須であり、帯電ローラ29とトナー担持体14間に周速差が生じるとトナーコートが不均一になり、画像上にムラが発生するため好ましくない。
帯電ローラ29のバイアスは、電源27によってトナー担持体14と潜像担持体10の両者間に直流で(図1の27)印加されており、トナー担持体14上の非磁性トナー17は帯電ローラ29より、放電によって電荷付与を受ける。
帯電ローラ29のバイアスは、非磁性トナーと同極性の放電開始電圧以上のバイアスであり、トナー担持体14に対して1000〜2000Vの電位差が生じるように設定される。
帯電ローラ29による帯電付与を受けた後、トナー担持体14上に薄層形成されたトナー層は、一様に潜像担持体10との対向部である現像部へ搬送される。
この現像部において、トナー担持体14上に薄層形成されたトナー層は、図1に示す電源27によってトナー担持体14と潜像担持体10の両者間に印加された直流バイアスによって、潜像担持体10上の静電潜像にトナー像として現像される。
<樹脂などの分子量分布の測定>
樹脂などの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びピーク分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。カラムとしては、1×103〜2×106の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組み合わせる。昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合せ、又は、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguard columnの組み合せを用いる。本願では、昭和電工社製のshodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連カラムの組み合せを用いた。
一方で、樹脂などをTHFに分散し溶解後、1晩静置した後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜0.5μm、マイショリディスクH−25−2(東ソー社製)を使
用する。)で濾過し、その濾液を試料として用いる。試料濃度として樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整した樹脂のTHF溶液を50〜200μl注入して測定する。なお、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.製、又は、東ソー社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いる。
ポリエステル樹脂Aの酸価は、以下の操作により求める。酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。基本操作はJIS K0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1Lとする。炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。(2)操作
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂A 2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン:エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン:エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
上記分析には、熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析計(以下、熱分解GC/MS)及びNMRを用いる。尚、本発明では、分子量1500以上の成分を測定の対象とする。分子量1500未満の領域は、ワックスの割合が高く、樹脂成分がほぼ含有されていない領域と思われるためである。
熱分解GC/MSでは、トナー中の樹脂全量の構成モノマーを決定し、各モノマーのピーク面積を求めることができるが、定量を行うには基準となる濃度既知のサンプルによる
ピーク強度の規格化が必要となる。一方、NMRでは構成モノマーの決定および定量を、濃度既知のサンプルを用いることなく求めることが可能である。そこで、状況に応じて、構成モノマーの決定には、NMRと熱分解GC/MSの両方のスペクトルを比較しながら行う。
具体的には、NMR測定時の抽出溶媒である、重水素化クロロホルムに溶けない樹脂成分が5.0質量%未満の場合、NMRの測定による定量を行う。
一方、NMR測定時の抽出溶媒である、重水素化クロロホルムに溶けない樹脂成分が5.0質量%以上存在した場合には、重水素化クロロホルム可溶分に対して、NMRおよび熱分解GC/MSの両方の測定を行い、重水素化クロロホルム不溶分に対して、熱分解GC/MSの測定を行う。この場合は、先ず重水素化クロロホルム可溶分のNMR測定を行い、構成モノマーの決定と定量を行う(定量結果1)。次いで、重水素化クロロホルム可溶分に対して、熱分解GC/MS測定を行い、各構成モノマーに帰属されるピークのピーク面積を求める。NMR測定で得られた定量結果1を用いて、各構成モノマーの量と熱分解GC/MSのピーク面積との関係を求める。次いで、重水素化クロロホルム不溶分の熱分解GC/MS測定を行い、各構成モノマーに帰属されるピークのピーク面積を求める。重水素化クロロホルム可溶分の測定で得られた各構成モノマーの量と熱分解GC/MSのピーク面積との関係から、重水素化クロロホルム不溶分における構成モノマーの定量を行う(定量結果2)。そして、定量結果1と定量結果2とを合わせて、最終的な各構成モノマーの定量結果となる。
具体的には、以下の操作を行う。
(1)トナー500mgを30mLのガラス製サンプル瓶に精秤し、重水素化クロロホルムを10mL加えた後、蓋をし、超音波分散機によって1時間分散し溶解させる。次いで、0.4μm径のメンブランフィルターによりろ過を行い、ろ液を回収する。この際、重水素化クロロホルム不溶分は、メンブランフィルター上に残存する。
(2)ろ液のうち3mLを分取高効率液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、フラクションコレクターにより分子量1500未満を除き、分子量1500未満の成分が除かれた樹脂溶液を回収する。ロータリーエバポレーターを用いて回収した溶液からクロロホルムを除去し、樹脂を得る。なお、分子量1500未満については、分子量が既知のポリスチレン樹脂の測定をあらかじめ行い、溶出時間を求めておくことで決定しておく。
(3)得られた樹脂20mgを、重水素化クロロホルム1mLに溶解させ、1H−NMR測定を行い、重合体とポリエステル樹脂に使用される各構成モノマーについて、スペクトルを帰属し、定量値を求める。
(4)重水素クロロホルム不溶分の分析が必要であれば、熱分解GC/MSにて分析を行う。必要に応じて、メチル化などの誘導化処理を行う。
<NMRの測定条件>
ブルカー・バイオスピン(株)社製 Bruker AVANCE 500
測定核:1H
測定周波数:500.1MHz
積算回数:16回
測定温度:室温
<熱分解GC/MSの測定条件>
熱分解装置:日本分析工業(株)社製 TPS−700
熱分解温度:400℃〜600℃での適正値、本件では590℃
GC/MS装置:サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)社製 ISQ
カラム:「HP5−MS」(アジレント/19091S−433)、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm
GC/MS条件
注入口条件:
InletTemp:250℃、
SplitFlow:50ml/min
GC昇温条件:40℃(5min)→10℃/min(300℃)→300℃(20min)
マスレンジ:m/z=10〜550
以下の表1に示された重合体(1)〜(6)を用いた。
無水トリメリット酸以外の原材料モノマーを表2に示した仕込み量で混合した混合物100質量部と、触媒としてジ(2−エチルヘキサン酸)錫0.52質量部を、窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した6リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃で6時間かけて反応させた。さらに210℃にて無水トリメリット酸を添加して、40kPaの減圧下にて反応を行い、重量平均分子量(Mw)が12000になるまで反応を続けた。得られたポリエステル樹脂Aを樹脂(1)とする。樹脂(1)の仕込み量と組成分析を行った結果を表2に示す。また、得られた樹脂の酸価(mgKOH/g)も表2に示す。
ポリエステル樹脂Aの組成分析は1H−NMRにより行った。具体的な測定方法は下記の通りである。
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて測定試料を調製した。当該測定試料を用いて上記条件にて測定した。
酸成分とアルコール成分の仕込み量を表2のように変更することを除いて、ポリエステル樹脂Aの製造例1と同様にして製造した。得られたポリエステル樹脂Aを樹脂(2)〜(8)とする。得られた樹脂(2)〜(8)の酸価も併せて表2に示す。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
TMA:トリメリット酸
BPA(PO):ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物
下記の手順によってトナー(A)を製造した。
高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に0.1mol/L−Na3PO4水溶液850質量部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、60℃に加温した。ここに1.0mol/L−CaCl2水溶液68質量部を添加し、微小な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む水系媒体を調製した。また、下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて100r/minで溶解して溶解液を調製した。
・スチレン 75.00質量部
・n−ブチルアクリレート 25.00質量部
・重合体(1) 0.70質量部
・樹脂(1) 4.00質量部
次に上記溶解液に下記の材料を添加した。
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.50質量部
・炭化水素ワックス 9.00質量部
(最大吸熱ピークのピーク温度が77℃、HNP−51、日本精蝋社製)
その後、混合液を温度60℃に加温した後にTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)にて、9000r/minにて攪拌し、溶解、分散した。
これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10.00質量部を溶解し、モノマー組成物を調製した。上記水系媒体中に該モノマー組成物を投入し、温度60℃にてクレアミックスを15000rpmで回転させながら15分間造粒した。
その後、プロペラ式攪拌装置に移して100r/minで攪拌しつつ、温度70℃で5時間反応させた後、温度80℃まで昇温し、さらに5時間反応を行い、トナー粒子を製造した。重合反応終了後、前記粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100.0質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粒子(1次粒子の個数平均粒径:10nm、BET比表面積:170m2/g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池製)で3000r/minで15分間混合してトナー(A)を得た。
表3に示すように、式(1)で示されるモノマーユニットを有する重合体の種類と含有量及びポリエステル樹脂Aの種類と含有量を変更することを除いて、トナーの製造例1と同様にして製造した。
下記の手順に従って、溶解懸濁法によってトナーを製造した。
まず、以下の手順に従って、水系媒体と溶解液の調製を行い、トナーを作製した。
水660質量部、48.5質量%ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液25質量部を混合撹拌し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10000r/minにて撹拌して水系媒体を調製した。
また、下記の材料を酢酸エチル500質量部へ投入し、プロペラ式攪拌装置にて100r/minで溶解して溶解液を調製した。
・スチレンとn−ブチルアクリレートの共重合体 100.00質量部
(共重合質量比:スチレン/n−ブチルアクリレート=75/25、Mp=17000)・重合体(1) 0.70質量部
・樹脂(1) 4.00質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.50質量部
・炭化水素ワックス 9.00質量部
(最大吸熱ピークのピーク温度が77℃、HNP−51、日本精蝋社製)
次に水系媒体150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12000rpmで攪拌し、これに上記溶解液100質量部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを調製した。
その後、脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分間で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し45℃で4時間熟成させて、脱溶剤スラリーとした。脱溶剤スラリーを減圧濾過した後、得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12000rpmにて10分間)した後、濾過した。得られた濾過ケーキを乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩いトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100.0質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粒子(1次粒子の個数平均粒径:10nm、BET比表面積:170m2/g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池製)で3000r/minで15分間混合してトナー(W)を得た。
下記の手順に従って、乳化凝集法によってトナーを製造した。
[樹脂粒子分散液の調製]
・スチレンとn−ブチルアクリレートの共重合体 100.00質量部
(共重合質量比:スチレン/n−ブチルアクリレート=75/25、Mp=17000)・重合体(1) 0.70質量部
・樹脂(1) 4.00質量部
をテトラヒドロフラン250質量部に溶解した。このテトラヒドロフラン溶液を室温で撹拌しながらイオン交換水1000質量部を滴下した。この混合溶液を約75℃に加温することによりテトラヒドロフランを除去し、平均粒径0.09μmの樹脂粒子分散液を得た。
[ワックス粒子分散液の調製]
・炭化水素ワックス 9.00質量部
(最大吸熱ピークのピーク温度が77℃、HNP−51、日本精蝋社製)
・イオン交換水 50.00質量部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が0.51μmであるワックスを分散させてなるワックス粒子分散液を調製した。
[着色剤粒子分散液の調製]
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.50質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC) 2.00質量部
・イオン交換水 78.00質量部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。この着色剤粒子分散液における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−700)を用いて測定したところ、含まれる着色剤粒子の平均粒径は、0.21μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
[混合液の調製]
樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、及びワックス粒子分散液の各全量を混合し、撹拌装置、冷却管、温度計を装着した5リットルのセパラブルフラスコに投入し撹拌した。この混合液を1N−水酸化カリウムを用いてpH=5.2に調整した。
[凝集粒子の形成]
得られた混合液に凝集剤として、10%塩化ナトリウム水溶液2質量部を滴下し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を撹拌しながら50℃まで加熱した。
[融着工程]
その後、ここに15%ドデシルベンゼンスルホン酸塩水溶液70質量部をゆっくりと添加し、液温を80℃に加温し、5時間保持した。冷却後、ろ過、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥してトナー粒子を得た。
上記トナー粒子100.0質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粒子(1次粒子の個数平均粒径:10nm、BET比表面積:170m2/g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池製)で3000r/minで15分間混合してトナー(X)を得た。
下記の手順に従って、粉砕法によってトナーを製造した。
・スチレンとn−ブチルアクリレートの共重合体 100.00質量部
(共重合質量比:スチレン/n−ブチルアクリレート=75/25、Mp=17000)・重合体(1) 0.70質量部
・樹脂(1) 4.00質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.50質量部
・炭化水素ワックス 9.00質量部
(最大吸熱ピークのピーク温度が77℃、HNP−51、日本精蝋社製)
以上を溶融混練した後、粉砕してトナー粒子を得た。上記トナー粒子100.0質量部に対して、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粒子(1次粒子の個数平均粒径:10nm、BET比表面積:170m2/g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池製)で300r/minで15分間混合してトナー(Y)を得た。
表3に示すように、式(1)で示されるモノマーユニットを有する重合体の種類と含有量及びポリエステル樹脂Aの種類と含有量を変更することを除いて、トナーの製造例1と同様にして製造した。
トナー(A)〜(Y)、及び、トナー(a)〜(d)を、それぞれ3環境で画像濃度の評価を行った。結果を表4に示す。なお、表中のLL、NN、HHはそれぞれ低温低湿(温度10℃、湿度15%RH)、常温常湿(温度23℃、湿度60%RH)、高温高湿(温度30℃、湿度85%RH)を示す。また、表中に表記してある数値は、1枚目/5枚
目/10枚目/1000枚目の数値である。
図1に示す一成分接触現像システムの現像装置(Satera LBP5300;キヤノン製)において、現像剤容器にトナーを70g充填する。なお、転写紙としてはXerox4200(ゼロックス社製、75g/m2紙)を用いた。
・低温低湿(温度10℃、湿度15%RH)
・常温常湿(温度23℃、湿度60%RH)
・高温高湿(温度30℃、湿度85%RH)
の各3環境下にて、図1に示す現像装置を、図2のユニット104a部に装着した。シアン単色モードにてプロセススピードを150mm/sとした。転写紙上にトナー量の載り量が0.40mg/cm2となるようにベタ画像(画像印字率4%)を連続印字して、ベタ部の画像濃度を測定した。
ベタ部分の画像濃度により評価した。なお、画像濃度の測定には「マクベス反射濃度計RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白下地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
画像濃度の評価は、まず1枚目、5枚目、10枚目のプリントアウト画像を測定して、トナーの帯電の立ち上がり性を確認した。
次に1000枚目のプリントアウト画像を測定して、多数枚のプリントアウト後の画像濃度の安定性を確認した。
トナー(A)〜(Y)、及び、トナー(a)〜(d)の3環境での画像濃度の評価結果を表4に示す。
トナー攪拌部材、26 トナー吹き出し防止シート、27 電源、29 帯電ローラ、30 抑圧部材、101a〜d 感光ドラム、102a〜d 一次帯電手段、103a〜d スキャナー、104a〜d 現像部、106a〜d クリーニング手段、108b 給紙ローラ、108c レジストローラ、109a 静電吸着搬送ベルト、109b 駆動ローラ、109c 固定ローラ、109d テンションローラ、109e 固定ローラ、110 定着器、110c 排出ローラ、110d 除電シート、111 定着器枠体、111a 通紙ガイド、112 定着器メンテナンス用扉、112a 定着器固定部材、113 排出トレー、115、116 排出ローラ、117 通紙ガイド、S 記録媒体
Claims (5)
- 前記式(2)で示されるイソソルビドユニットの含有割合が、前記ポリエステル樹脂Aを構成する全モノマーユニットを基準として、0.10mol%以上30.00mol%以下である、請求項1に記載のトナー。
- 前記ポリエステル樹脂Aの酸価が、0.50mgKOH/g以上25.00mgKOH/g以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記式(1)で示されるモノマーユニットの含有割合が、前記重合体を構成する全モノマーユニットを基準として、0.50mol%以上20.00mol%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記式(1)で示されるモノマーユニットを有する重合体の含有量が、前記樹脂100.00質量部に対して、0.10質量部以上10.00質量部以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
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