JP6521498B2 - ポリオール−エーテル化合物及びその製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
<1>
ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、イリジウム、銅、銀、モリブデン、タングステン、クロム及びレニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む水素化触媒と反応溶媒との存在下に下記一般式(1)で表される化合物を水素化還元することにより、下記一般式(2)で表されるポリオール−エーテル化合物を得る、ポリオール−エーテル化合物の製造方法であって、
前記水素化触媒がパラジウム及び白金からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、及び/又は、前記反応溶媒がジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン及びn−ヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、製造方法。
<2>
前記R3がメチル基又はエチル基である<1>に記載の製造方法。
<3>
前記R3がヒドロキシメチル基である<1>に記載の製造方法。
<4>
前記R1及び前記R2がいずれもメチル基である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の製造方法。
<5>
前記水素化触媒がパラジウム及び白金からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、かつ、前記反応溶媒がジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン及びn−ヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の製造方法。
<6>
前記水素化触媒はパラジウムを含む固体触媒である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の製造方法。
<7>
前記水素化触媒はジルコニウム化合物又はアパタイト化合物を含む固体触媒である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の製造方法。
本実施形態のポリオール−エーテル化合物の製造方法(以下、単に「製造法」ともいう。)に原料として用いる化合物は、上記一般式(1)で表される1,3−ジオキサン骨格を有する六員環アセタール化合物(以下、「化合物(1)」という。)である。
3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロピオンアルデヒド、
3−ヒドロキシ−2,2−ジエチル−プロピオンアルデヒド、
3−ヒドロキシ−2−メチル−2−エチル−プロピオンアルデヒド、
3−ヒドロキシ−2−メチル−2−プロピル−プロピオンアルデヒド、
3−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブチル−プロピオンアルデヒド、
3−ヒドロキシ−2−エチル−2−ブチル−プロピオンアルデヒド、
3−ヒドロキシ−2−プロピル−2−ペンチル−プロピオンアルデヒド、及び
3−ヒドロキシ−2−メチル−2−ヘキシル−プロピオンアルデヒド
が挙げられる。プロピオンアルデヒド骨格の2位の炭素原子に結合した置換基が一般式(1)におけるR1及びR2に該当する。
2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール(トリメチロールエタン)、
2−ヒドロキシメチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(トリメチロールプロパン)、
2−ヒドロキシメチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、
2−ヒドロキシメチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、
2−ヒドロキシメチル−2−ペンチル−1,3−プロパンジオール、
2−ヒドロキシメチル−2−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、及び
ペンタエリスリトール(2,2−ビス−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール)
が挙げられる。1,3−プロパンジオールの2位の炭素原子には、ヒドロキシメチル基及び上記一般式(1)におけるR3に該当する置換基が結合している。
また、化合物(1)を2種以上用い、本実施形態により2種以上のポリオール−エーテル化合物を製造してもよい。その場合に用いられる2種以上の化合物(1)の組み合わせ及び比率について特に制限はない。
I.特定金属成分
本実施形態において用いられる水素化触媒の有効成分としては、接触水素化能を有する金属元素(以下、「特定金属成分」という。)が挙げられる。特定金属成分としては、例えば、ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、イリジウム、銅、銀、モリブデン、タングステン、クロム及びレニウムが挙げられる。特定金属成分は、水素化能を示すのであれば、金属の状態であっても、陽イオンの状態であってもよい。
これらの中では、一般的には、金属状態の方が、水素化能が強く、還元雰囲気下で安定であるため、金属の状態であることが好ましい。特定金属成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて、固体触媒に含有された状態で用いることができる。特定金属成分を2種以上用いる場合、それらの組み合わせ、混合比率及び形態について特に制限はなく、個々の金属の混合物、あるいは、合金又は金属間化合物のような形態で用いることができる。
本実施形態において、水素化触媒は、パラジウム、白金、ニッケル及び銅からなる群より選ばれる少なくとも1種の特定金属成分を含む固体触媒であると好ましく、特に好ましくはパラジウムを特定金属成分として含む固体触媒である。
また、触媒の活性、選択性及び物性等を一層向上させるために、アルカリ金属元素としてリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウム、アルカリ土類金属元素としてマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム、ハロゲン元素としてフッ素、塩素、臭素及びヨウ素、補助添加元素として水銀、鉛、ビスマス、錫、テルル及びアンチモンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の元素の化合物(以下、「特定添加成分」という。)を、前述の特定金属成分と共に触媒に添加して用いることもできる。
本実施形態の水素化触媒において、特定金属成分に非金属物質を組み合わせて用いることもできる。非金属物質としては、例えば、主に、元素単体、炭化物、窒化物、酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩及びリン酸塩が挙げられる(以下、「特定非金属成分」という。)。その具体例としては、例えば、グラファイト、ダイアモンド、活性炭、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ニオブ、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、アルミノシリケート、アルミノシリコホスフェート、アルミノホスフェート、ボロホスフェート、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸ストロンチウム、水酸化アパタイト(ヒドロキシリン酸カルシウム)、塩化アパタイト、フッ化アパタイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム及び炭酸バリウムが挙げられる。特定非金属成分は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。2種以上を組み合わせて用いる場合の組み合わせや混合比率、形態については特に制限はなく、個々の物質の混合物、複合化合物、又は複塩のような形態で用いることができる。
本実施形態の水素化触媒として、特定金属成分を単独で用いてもよく、特定金属成分と特定非金属成分とを組み合わせて用いてもよく、場合によっては、これらに加えて特定添加成分を含んでもよい。本実施形態の水素化触媒の製造法は特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。その例として、特定金属成分の原料化合物を、特定非金属成分上に含浸する方法(担持法)、特定金属成分の原料化合物と特定非金属成分の原料化合物とを適当な溶媒に共に溶解させた後にアルカリ化合物などを用いて同時に析出させる方法(共沈法)、特定金属成分の原料化合物と特定非金属成分を適当な比率で混合均一化する方法(混練法)などが挙げられる。
特定金属成分がパラジウムである場合、パラジウムが貴金属であることを考慮すると、その使用量は少なく、かつパラジウムが有効に利用されることが経済的に望まれる。そのため、パラジウムを触媒担体に分散させて担持して用いることが好ましい。
本実施形態に用いられるジルコニウム化合物は、好ましくは、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、ジルコン酸アルカリ土類塩、ジルコン酸希土類塩及びジルコンからなる群より選ばれる1種を単独で又は2種以上を組み合わせたものである。
本実施形態に用いられるアパタイト化合物としては、例えば、学術誌「触媒」,27(4),237−243(1985)に記載されているようなM10(ZO4)6X2の組成を有する六方晶系化合物が挙げられる。ここで、Mとしては、例えばカルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、イットリウム、ランタン及びセリウムが挙げられ、Zとしては、例えば、リン、ヒ素、バナジウム及びクロムが挙げられ、Xとしては、例えば、水酸基、炭酸基、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。イオン半径などによる物理的な構造上の制約の範囲内において、M、Z及びXのいずれも、上記のうちの1種又は2種以上から構成されていてよい。また、アパタイト化合物は、非量論組成を有することも知られており、本実施形態のアパタイト化合物はそれも包含する。この非量論組成は、M10-a(HZO4)a(ZO4)6-aX2-aの一般式で表され、0<a≦1である。
また、これらを触媒担体として用いる時のBET比表面積にも特に制限はなく、0.1〜400m2/g程度の一般的な比表面積のものを用いることができるが、1〜300m2/gのものが好ましく、10〜200m2/gのものがより好ましい。
これらの中で、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、2,2−ジメチル−ブタン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジiso−プロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジiso−ブチルエーテル、ジsec−ブチルエーテル、メチルプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メチルテトラヒドロピラン及び1,4−ジオキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、ジiso−プロピルエーテル、1,4−ジオキサン及びノルマルヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
分子内に3つの一級水酸基とエーテル結合とを併せ持ち、且つ水酸基がエーテル結合に対して非対称に配置されたポリオール−エーテル化合物としては、特許文献1に記載のネオペンチルグリコール−トリメチロールプロパンエーテルが知られている。この化合物が有する3つの水酸基はエーテル結合に対して1:2に分配されている。
これらの中では、R1及びR2がそれぞれ独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基(イソプロピル基)、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基又は2,2−ジメチルプロピル基(ネオペンチル基)であると好ましい。R1及びR2が共にメチル基であるとより好ましい。
上記一般式(B)で表されるポリオール−エーテル化合物は新規物質である。
原料アセタール(化合物(1))の転化率(%)=
100×[1−(反応液に残存する原料のモル数)/(仕込原料のモル数)]
各生成ポリオール−エーテル化合物の選択率(%)=
100×(目的とする生成物のモル数)/[(仕込原料のモル数)−(反応液に残存する原料のモル数)]
ただし、化合物(1)に異性体が存在する場合、それらの異性体を合算した値を用いた。
ガスクロマトグラフの測定には以下の機器を用いた。
装置:GC−2010 島津製作所製製品名
カラム:DB−1 アジレント・テクノロジー社製製品名
装置:ECA500 日本電子株式会社製製品名
1H−NMR
核種:1H
測定周波数:500MHz
測定試料:5%CD3OD溶液
13C−NMR
核種:13C
測定周波数:125MHz
測定試料:5%CD3OD溶液
さらに化合物(B)の分子量をGC−MS測定(化学イオン化法[CI+]、高分解能質量分析[ミリマス])により行った。測定条件を下記に示す。
装置:Agilent 7890A アジレント社製製品名、及び
ACCU−TOF−GCV(JMS−T100GCV) 日本電子株式会社製製品名
GC測定カラム:HP−5 アジレント・テクノロジー社製製品名
MS測定条件:化学イオン化法、イオン化電圧200eV、
イオン化電流300μA、検出器電圧1700V
充填剤:和光純薬製、商品名「ワコーゲルC−200」
展開溶媒:メタノール−クロロホルム
<原料調製例1>
(2−(5−エチル−5−ヒドロキシメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールの調製)
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド(ヒドロキシピバルアルデヒド、三菱瓦斯化学株式会社製、純度99.8%)45.1gと、2−エチル−2―ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール(トリメチロールプロパン、東京化成工業試薬)59.6g、と、ベンゼン706gと、粒状ナフィオン(商品名「NR−50」、シグマアルドリッチ社試薬)5.0gと、を2リットルの丸底フラスコに収容し、常圧下で生成する水をベンゼンと共沸させながらディーン・スターク・トラップを用いて系外へ抜き出して、水の留出が止まるまで反応させた。これを濾過した後に濃縮及び冷却することにより再結晶させて、2−(5−エチル−5−ヒドロキシメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(以下、「化合物HTPA」と表記する。)の結晶を得た。下記にこの合成反応スキームを示す。
(2−(5−ヒドロキシメチル−5−メチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールの調製)
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド45.1gに代えて2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド(ヒドロキシピバルアルデヒド、三菱瓦斯化学株式会社製、純度99.8%)89.3gを用い、2−エチル−2―ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール59.6gに代えて2−ヒドロキシメチル−2−メチル−プロパン−1,3―ジオール(トリメチロールエタン、東京化成工業試薬)106.0gを用いた以外は原料調製例1と同様にして、2−(5−ヒドロキシメチル−5−メチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(以下、「化合物HTEA」と表記する。)の結晶を得た。下記にこの合成反応スキームを示す。
(2−(5,5−ビス−ヒドロキシメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オールの調製)
2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド45.1gに代えて2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド(ヒドロキシピバルアルデヒド、三菱瓦斯化学株式会社製、純度99.8%)27.3gを用い、2−エチル−2―ヒドロキシメチループロパン−1,3−ジオール59.6gに代えて2,2−ビス−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール(ペンタエリスリトール、東京化成工業試薬)54.0gを用い、ベンゼンに代えてベンゼン−1,4−ジオキサン混合溶液を用いた以外は原料調製例1と同様にして、2−(5,5−ビス−ヒドロキシメチル−[1,3]ジオキサン−2−イル)−2−メチル−プロパン−1−オール(以下、「化合物HPEA」と表記する。)の結晶を得た。下記にこの合成反応スキームを示す。
金属成分の担体として用いた酸化ジルコニウムを下記の方法で調製した。
酸化ジルコニウム(ZrO2)換算で25質量%の濃度のオキシ硝酸ジルコニウム水溶液505gに、撹拌しながら28%アンモニア水15.5gを滴下することにより白色沈殿物を得た。これを濾過し、イオン交換水で洗浄した後に、110℃で10時間乾燥して含水酸化ジルコニウムを得た。これを磁製坩堝に収容し、電気炉を用いて空気中で400℃、3時間の焼成処理を行った後、メノウ乳鉢で粉砕して粉末状酸化ジルコニウム(以下、「担体A」と表記する。)を得た。担体AのBET比表面積(窒素吸着法により測定。以下同様。)は102.7m2/gであった。
金属成分の担体として用いたアパタイト化合物を下記の方法で調製した。
硝酸カルシウム四水和物78.7gを300.5gのイオン交換水に溶解し、そこに28%アンモニア水260mLを添加した。また、リン酸水素二アンモニウム26.4gをイオン交換水500.6gに溶解し、そこに28%アンモニア水150mLとイオン交換水150mLとを添加した。硝酸カルシウム−アンモニア溶液を撹拌しながら、そこにリン酸水素二アンモニウム−アンモニア溶液を少しずつ添加したところ、徐々に白濁して白色沈殿物を得た。添加終了後、約2時間撹拌した後に静置した。次いで、静置後のものを濾過し、イオン交換水で洗浄した後に、110℃で10時間乾燥し、次に電気炉を用いて空気中で500℃、3時間の焼成処理を行った。その後、メノウ乳鉢で粉砕して粉末状水酸化アパタイト(以下、「担体B」と表記する。)を得た。担体BのBET比表面積は60.7m2/gであった。
パラジウムを特定金属成分とする触媒を下記の方法で調製した。
5.0gの担体Aに0.66質量%塩化パラジウム−0.44質量%塩化ナトリウム水溶液を添加し、担体A上に金属成分を吸着させた。そこにホルムアルデヒド−水酸化ナトリウム水溶液を注加して吸着した金属成分を瞬時に還元した。その後、イオン交換水により触媒を洗浄し、乾燥することにより1.0質量%パラジウム担持酸化ジルコニウム触媒(以下、「A1触媒」と表記する。)を調製した。
パラジウムを特定金属成分とする触媒を以下の方法で調製した。
5.0gの担体Bに0.32質量%酢酸パラジウム−アセトン溶液を添加し、吸着させた後に、アセトンを蒸発、乾固させて酢酸パラジウムを担体Bに担持した。これを磁製坩堝に収容し、電気炉を用いて空気中で400℃、3時間の焼成処理を行った。焼成処理後のものを水素ガス気流下、110℃で還元して、1.0質量%パラジウム担持アパタイト触媒(以下、「B1触媒」と表記する。)を調製した。
B1触媒3.0gを5.9質量%塩化ナトリウム水溶液に添加し、2時間撹拌して、イオン交換処理を行った。その後にイオン交換水で触媒を濾過洗浄、乾燥することにより、部分的に塩化物にイオン交換された水酸化アパタイト担体の1.0質量%パラジウム担持触媒(以下、「B2触媒」と表記する。)を調製した。ICP発光分析により元素分析を行った結果、この触媒は全水酸基の約5%に相当する塩素を含んでいた。
<実施例1>
100mLのSUS製反応器内に、A1触媒0.60g、化合物HTPA 2.0g、及びジイソプロピルエーテル24.0gを収容し、反応器内を窒素ガスで置換した。その後、反応器内に水素ガスを8.5MPa充填し、反応温度である210℃へ昇温して6時間反応させた。その後に冷却して反応器の内容物を回収し、ガスクロマトグラフィーで分析した。
その結果、化合物HTPAの転化率は82.3%であり、生成物の2−エチル−2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−プロパン−1,3−ジオール(以下、「化合物NTPE」と表記する。)への選択率は85.0%であった。
下記に実施例1における反応スキームを示す。
ジイソプロピルエーテル24.0gに代えて1,4−ジオキサン24.0gを用い、反応温度を210℃から230℃に、反応時間を6時間から9時間に代えた以外は実施例1と同様にして反応を行った。その結果、化合物HTPAの転化率は82.7%であり、化合物NTPEへの選択率は79.8%であった。
A1触媒0.60gに代えてB1触媒1.00gを用いた以外は実施例2と同様にして反応を行った。その結果、化合物HTPAの転化率は82.6%であり、化合物NTPEへの選択率は72.7%であった。
A1触媒0.60gに代えてB2触媒1.02gを用いた以外は実施例2と同様にして反応を行った。その結果、化合物HTPAの転化率は84.7%であり、化合物NTPEへの選択率は76.8%であった。
1,4−ジオキサン24.0gに代えてn−ヘキサン24.0gを用いた以外は実施例2と同様にして反応を行った。その結果、化合物HTPAの転化率は86.9%であり、化合物NTPEへの選択率は63.2%であった。
化合物HTPA 2.0gに代えて化合物HTEA 1.8gを用いた以外は実施例2と同様にして反応を行った。その結果、化合物HTEAの転化率は95.5%であり、生成物の2−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−プロポキシメチル)−2−メチル−プロパン−1,3−ジオールへの選択率は79.4%であった。
下記に実施例6における反応スキームを示す。
化合物HTPA 2.0gに代えて化合物HPEA 1.8gを用い、反応時間を9時間から12時間に代えた以外は実施例2と同様にして反応を行った。その結果、化合物HPEAの転化率は87.8%であり、生成物の3−(3−ヒドロキシ−2,2−ビス−ヒドロキシメチル−プロポキシ)−2,2−ジメチル−プロパン−1−オール(以下、「化合物NPEE」と表記する。)への選択率は68.8%であった。
下記に実施例7における反応スキームを示す。
(化合物NPEE)
また、化合物NPEEの融点を測定すると101℃であった。4価の類縁アルコールであるジトリメチロールプロパンの110℃及びペンタエリスリトールの260℃よりも低下しており、樹脂原料等としてのハンドリング性が改善していることが分かった。
白金を特定金属成分とする触媒を下記の方法で調製した。
5.0gの担体Aに0.90質量%塩化白金酸カリウム水溶液を添加し、担体A上に金属成分を吸着させた。そこにホルムアルデヒド−水酸化ナトリウム水溶液を注加して吸着した金属成分を還元した。その後、イオン交換水により触媒を洗浄し、乾燥することにより1.0質量%白金担持酸化ジルコニウム触媒(以下、「D1触媒」と表記する。)を調製した。
A1触媒0.60gに代えてD1触媒2.42gを用いた以外は実施例2と同様にして反応を行った。その結果、化合物HTPAの転化率は48.0%であり、化合物NTPEへの選択率は50.5%であった。
水素化触媒として市販の5質量%パラジウム担持アルミナ触媒(和光純薬工業社製、商品コード:163−13871)を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行った。その結果、化合物HTPAの転化率は75.8%であり、化合物NTPEへの選択率は61.5%であった。
600mLのSUS製反応器内に、A1触媒9.2g、化合物HTPA 61.3g、及び1,4−ジオキサン321gを収容し、反応器内を窒素ガスで置換した。その後、反応器内に水素ガスを8.5MPa充填し、反応温度である230℃へ昇温して6時間反応させた。その後に冷却して反応器の内容物を回収し、ガスクロマトグラフィーで分析した。その結果、化合物HTPAの転化率は97.7%であり、化合物NTPEへの選択率は85.5%であった。
Claims (7)
- ニッケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、イリジウム、銅、銀、モリブデン、タングステン、クロム及びレニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む水素化触媒と反応溶媒の存在下に下記一般式(1)で表される化合物を水素化還元することにより、下記一般式(2)で表されるポリオール−エーテル化合物を得る、ポリオール−エーテル化合物の製造方法であって、
前記水素化触媒がパラジウム及び白金からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、及び/又は、前記反応溶媒がジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン及びn−ヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、製造方法。
- 前記R3がメチル基又はエチル基である、請求項1記載の製造方法。
- 前記R3がヒドロキシメチル基である、請求項1記載の製造方法。
- 前記R1及び前記R2がいずれもメチル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記水素化触媒がパラジウム及び白金からなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、かつ、前記反応溶媒がジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン及びn−ヘキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記水素化触媒はパラジウムを含む固体触媒である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記水素化触媒はジルコニウム化合物又はアパタイト化合物を含む固体触媒である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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