JP6519169B2 - 原子共鳴遷移装置、原子発振器、時計、電子機器および移動体 - Google Patents

原子共鳴遷移装置、原子発振器、時計、電子機器および移動体 Download PDF

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    • H03B17/00Generation of oscillations using radiation source and detector, e.g. with interposed variable obturator

Description

本発明は、原子共鳴遷移装置、原子発振器、時計、電子機器および移動体に関するものである。
長期的に高精度な発振特性を有する発振器として、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。
一般に、原子発振器の動作原理は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した方式と、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した方式とに大別されるが、量子干渉効果を利用した原子発振器は、二重共鳴現象を利用した原子発振器よりも小型化できることから、近年、様々な機器への搭載が期待されている(例えば、特許文献1参照)。
量子干渉効果を利用した原子発振器は、例えば、特許文献1に開示されているように、気体状のアルカリ金属原子を封入したガスセルと、ガスセル中のアルカリ金属原子を共鳴させる共鳴光対(第1、第2の光)を出射する光源と、ガスセルを透過した共鳴光対を検出する光検出部と、を備えている。そして、このような原子発振器では、2種類の共鳴光の周波数差が特定の値のときに2種類の共鳴光の双方がガスセル内のアルカリ金属原子に吸収されずに透過する電磁誘起透明化(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)現象を生るが、そのEIT現象に伴って発生する急峻な信号であるEIT信号を光検出器で検出し、そのEIT信号を基準信号として用いる。
また、特許文献1に係る原子発振器では、回路部分の小型化や省電力化を図る目的で、ガスセルを透過した複数の光の干渉により得られるビート信号に基づいて、第1、第2の光がEIT現象を生じさせる共鳴光対となるように周波数制御を行う。
しかし、量子干渉効果を利用した原子発振器、すなわち、EIT信号を基準信号として用いる原子発振器では、一般に、ガスセル内のアルカリ金属原子に定磁場を印加することが行われる。そのため、特許文献1に係る原子発振器においても、磁場発生のためのコイルや、外部磁場を遮蔽するためのシールド等が必要となり、その結果、装置の小型化を十分に図ることができないという問題があった。
特開2011−160251号公報
本発明の目的は、小型化を図ることができる原子共鳴遷移装置を提供すること、また、かかる原子共鳴遷移装置を備える原子発振器、時計、電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の原子共鳴遷移装置は、原子を封入している原子セルと、
前記原子のD1線に共鳴する第1光を出射する第1光源部と、
前記第1光と異なる波長であって前記原子のD1線またはD2線に共鳴する第2光を出射する第2光源部と、
前記原子セルを通過した前記第1光と前記第2光との干渉による光ビートを検出してビート信号を生成する検出部と、
を備えることを特徴とする。
このような原子共鳴遷移装置によれば、電磁誘起透明化現象による信号であるEIT信号を用いずに、ビート信号を用いて、原子のエネルギー遷移に基づく高精度な発振特性を有する原子発振器を実現することができる。そのため、従来のようにEIT信号を用いた装置に必要であった磁気コイル、磁気シールドおよび偏光板等の部品が不要となり、その結果、装置の小型化を図ることができる。しかも、第1光および第2光のうちの少なくとも第1光として原子のD1線に共鳴する光を用いるため、D2線のみを用いた場合に比べて、原子の吸収の線幅を狭くすることができ、その結果、S/N比を向上させることができる。
[適用例2]
本発明の原子共鳴遷移装置では、前記第2光は、前記原子のD2線に共鳴する光であることが好ましい。
これにより、第1光の波長と第2光の波長との差を大きくして、ビート信号の周波数を高くすることができる。その結果、短期安定度を高めることができる。
[適用例3]
本発明の原子共鳴遷移装置では、前記第2光は、前記原子のD1線に共鳴する光であることが好ましい。
これにより、第1光および第2光の双方について原子の吸収の線幅を狭くすることができる。
[適用例4]
本発明の原子共鳴遷移装置では、前記原子は、アルカリ金属原子であることが好ましい。
これにより、原子の吸収の線幅を比較的簡単に狭くすることができる。また、ビート信号に混入するノイズを低減することができる。
[適用例5]
本発明の原子共鳴遷移装置では、前記アルカリ金属原子は、セシウム原子であることが好ましい。
セシウム原子は、アルカリ金属の中でも、D1線とD2線との周波数差が比較的大きい。そのため、第1光の波長と第2光の波長との差を大きくして、ビート信号の周波数を高くすることができる。
[適用例6]
本発明の原子共鳴遷移装置では、前記第1光の波長が前記原子の吸収スペクトルのピーク波長となるように前記第1光源部を制御する第1制御部を備えることが好ましい。
これにより、第1光を原子のD1線に共鳴させることができる。
[適用例7]
本発明の原子共鳴遷移装置では、前記第1制御部は、前記第1光の波長が前記原子の飽和吸収スペクトルのピーク波長となるように前記第1光源部を制御することが好ましい。
これにより、第1光による原子の吸収の線幅を狭くすることができる。
[適用例8]
本発明の原子共鳴遷移装置では、前記第2光の波長が前記原子の吸収スペクトルのピーク波長となるように前記第2光源部を制御する第2制御部を備えることが好ましい。
これにより、第2光を原子のD1線またはD2線に共鳴させることができる。
[適用例9]
本発明の原子共鳴遷移装置では、前記第2制御部は、前記第2光の波長が前記原子の飽和吸収スペクトルのピーク波長となるように前記第2光源部を制御することが好ましい。
これにより、第2光による原子の吸収の線幅を狭くすることができる。
[適用例10]
本発明の原子共鳴遷移装置では、前記第1光と前記第2光とが前記原子セル内で交差することが好ましい。
これにより、第1光および第2光の少なくとも一方の光の波長が原子の飽和吸収スペクトルとなるように制御することができる。
[適用例11]
本発明の原子共鳴遷移装置では、前記ビート信号を用いてクロック信号を出力する出力部を備えることが好ましい。
これにより、ビート信号に基づく高精度なクロック信号を得ることができる。
[適用例12]
本発明の原子発振器は、本発明の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする。
これにより、小型な原子発振器を提供することができる。
[適用例13]
本発明の時計は、本発明の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする。
これにより、小型な原子共鳴遷移装置を備える時計を提供することができる。
[適用例14]
本発明の電子機器は、本発明の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする。
これにより、小型な原子共鳴遷移装置を備える電子機器を提供することができる。
[適用例15]
本発明の移動体は、本発明の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする。
これにより、小型な原子共鳴遷移装置を備える移動体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る原子発振器(原子共鳴遷移装置)を示す概略図である。 原子セル内の原子(セシウム原子)のエネルギー状態と共鳴光対(第1光、第2光)との関係の一例を示す図である。 図1に示す第1光源部および第2光源部からそれぞれ出射される光を説明するための図である。 図3に示す原子セルの横断面図である。 (a)は、原子セル内の原子の吸収スペクトルを示す図、(b)は、検出部で検出されるビート信号を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る原子発振器(原子共鳴遷移装置)を示す概略図である。 図6に示す第1光源部および第2光源部からそれぞれ出射される光を説明するための図である。 本発明の時計の一例を示す斜視図である。 GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。 本発明の移動体の一例を示す図である。
以下、本発明の原子共鳴遷移装置、原子発振器、時計、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.原子発振器(原子共鳴遷移装置)
まず、本発明の原子発振器(本発明の原子共鳴遷移装置を備える原子発振器)について説明する。なお、以下では、本発明の原子共鳴遷移装置を原子発振器に適用した例を説明するが、本発明の原子共鳴遷移装置は、これに限定されず、例えば、磁気センサー、量子メモリー等のデバイスにも適用可能である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る原子発振器(原子共鳴遷移装置)を示す概略図である。図2は、原子セル内の原子(セシウム原子)のエネルギー状態と共鳴光対(第1光、第2光)との関係の一例を示す図である。図3は、図1に示す第1光源部および第2光源部からそれぞれ出射される光を説明するための図、図4は、図3に示す原子セルの横断面図である。図5(a)は、原子セル内の原子の吸収スペクトルを示す図、図5(b)は、検出部で検出されるビート信号を示す図である。
図1に示す原子発振器1は、原子を封入している原子セル2(ガスセル)と、原子セル2内の原子に照射する第1光LL1を出射する第1光源部31と、原子セル2内の原子に照射する第2光LL2を出射する第2光源部32と、第1光LL1および第2光LL2を合成して原子セル2に入射させる光学部品33、34と、原子セル2を透過した第1光LL1および第2光LL2を検出する検出部4と、第1光LL1の波長を制御する第1制御部51と、第2光LL2の波長を制御する第2制御部52と、検出部4の検出結果を用いてクロック信号を出力する出力部53と、を備えている。
この原子発振器1では、第1光源部31から出射する第1光LL1の波長と第2光源部32から出射する第2光LL2の波長とが互いに異なっていて、第1光LL1および第2光LL2が互いに重なり合ってうなり(光ビートLL)を生じさせる。ここで、第1光LL1および第2光LL2の波長は、第1制御部51および第2制御部52により原子セル2内の原子の吸収スペクトルに一致するように高精度に制御される。特に、第1光LL1が原子セル2内の原子のD1線に共鳴するように制御され、また、第2光LL2が原子セル2内の原子のD1線またはD2線に共鳴するように制御される。
そして、検出部4において、光ビートLLの周波数と等しいビート信号を検出し、出力部53において、このビート信号を用いてクロック信号を生成・出力する。
このような原子発振器1によれば、電磁誘起透明化現象による信号であるEIT信号を用いずに、光ビートLLに基づくビート信号を用いて、原子のエネルギー遷移に基づく高精度な発振特性を有する原子発振器を実現することができる。したがって、EIT信号を生じさせる必要がないし、また、EIT信号を生じさせたとしても、そのEIT信号を用いる必要がない。そのため、従来のようにEIT信号を用いた装置に必要であった磁気コイル、磁気シールドおよび偏光板等の部品が不要となり、その結果、装置の小型化を図ることができる。しかも、第1光LL1および第2光LL2のうちの少なくとも第1光LL1として原子のD1線に共鳴する光を用いるため、D2線のみを用いた場合に比べて、原子の吸収の線幅を狭くすることができ、その結果、S/N比を向上させることができる。
以下、原子発振器1の各部を順次説明する。
[原子セル]
原子セル2内には、ガス状の原子が封入されている。この原子としては、少なくとも2つの異なる共鳴波長の遷移を有するもの、すなわち、吸収スペクトルが少なくとも2つのピークを有するものであれば、あらゆる原子を用いることができるが、吸収スペクトルのピークの線幅が狭く、かつ、容易にガス状とすることができるという観点から、ルビジウム原子、セシウム原子、ナトリウム原子等のアルカリ金属原子を用いることが好ましい。また、原子セル2内には、必要に応じて、アルゴン、ネオン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとしてアルカリ金属ガスとともに封入されていてもよい。ただし、吸収スペクトルのピークの線幅を狭くするという観点から、原子セル2内には、アルカリ金属原子以外の原子ができるだけ含まれないことが好ましい。なお、以下では、原子セル2内にアルカリ金属原子を封入した場合を例に説明する。
例えば、アルカリ金属原子の一種であるセシウム原子は、図2に示すように、6S1/2の基底準位と、6P1/2および6P3/2の2つの励起準位と、を有する。また、6S1/2、6P1/2、6P3/2の各準位は、複数のエネルギー準位に分裂した微細構造を有している。具体的には、6S1/2準位はF=3、4の2つの基底準位を有し、6P1/2準位はF’=3、4の2つの励起準位を有し、6P3/2準位はF”=2、3、4、5の4つの励起準位を有している。
6S1/2のF=3の第1基底準位にあるセシウム原子は、D2線を吸収することで、6P3/2のF”=2、3、4のいずれかの励起準位に遷移することができるが、F”=5の励起準位に遷移することはできない。6S1/2のF=4の第2基底準位にあるセシウム原子は、D2線を吸収することで、6P3/2のF”=3、4、5のいずれかの励起準位に遷移することができるが、F”=2の励起準位に遷移することはできない。これらは、電気双極子遷移を仮定した場合の遷移選択則による。逆に、6P3/2のF”=3、4のいずれかの励起準位にあるセシウム原子は、D2線を放出して6S1/2のF=3またはF=4の基底準位(元の基底準位または他方の基底準位のいずれか)に遷移することができる。このような6S1/2のF=3、4の2つの基底準位と6P3/2のF”=3、4のいずれかの励起準位からなる3準位は、D2線の吸収・発光によるΛ型の遷移が可能であることからΛ型3準位と呼ばれる。同様に、6S1/2のF=3、4の2つの基底準位と6P1/2のF’=3、4のいずれかの励起準位からなる3準位も、D1線の吸収・発光によるΛ型の遷移が可能であるからΛ型3準位を形成する。
これに対し、6P3/2のF”=2の励起準位にあるセシウム原子は、D2線を放出して必ず6S1/2のF=3の基底準位(元の基底準位)に遷移し、同様に、6P3/2のF”=5の励起準位にあるセシウム原子は、D2線を放出して必ず6S1/2のF=4の基底準位(元の基底準位)に遷移する。したがって、6S1/2のF=3、4の2つの基底準位と6P3/2のF=2またはF=5の励起準位からなる3準位は、D2線の吸収・放出によるΛ型の遷移が不可能であることからΛ型3準位を形成しない。
なお、セシウム原子以外のアルカリ金属原子も、同様に、Λ型3準位を形成する2つの基底準位と励起準位を有する。
このようなアルカリ金属を封入している原子セル2は、図3および図4に示すように、胴体部21と、胴体部21を挟んで設けられた1対の窓部22、23とを有している。この原子セル2では、胴体部21が1対の窓部22、23の間に配置されていて、気体状のアルカリ金属が封入されている内部空間Sを胴体部21および1対の窓部22、23が区画形成(構成)している。
より具体的に説明すると、胴体部21は、板状をなしており、この胴体部21には、胴体部21の厚さ方向に貫通している貫通孔211が形成されている。
この胴体部21の構成材料としては、特に限定されず、ガラス材料、水晶、金属材料、樹脂材料、シリコン材料等が挙げられるが、中でも、ガラス材料、水晶、シリコン材料のいずれかを用いることが好ましく、シリコン材料を用いることがより好ましい。これにより、幅や高さが10mm以下となるような小さい原子セル2を形成する場合であっても、エッチング等の微細加工技術を用いて、高精度な胴体部21を容易に形成することができる。特に、シリコンは、エッチングによる微細加工が可能である。したがって、シリコンを用いて胴体部21を構成することにより、原子セル2の小型化を図っても、胴体部21を簡単かつ高精度に形成することができる。また、一般に、窓部22、23はガラスで構成されるが、シリコンはガラスに比べて熱伝導性に優れている。したがって、胴体部21の放熱性を優れたものとすることができる。また、窓部22、23がガラスで構成されている場合、胴体部21と窓部22、23とを陽極接合により簡単に気密的に接合することができ、原子セル2の信頼性を優れたものとすることができる。
このような胴体部21の一方の面には、窓部22が接合され、一方、胴体部21の他方の面には、窓部23が接合されている。これにより、貫通孔211の一端開口が窓部22により封鎖されるとともに、貫通孔211の他端開口が窓部23により封鎖されている。
このように、貫通孔211を窓部22、23により封鎖することにより、気体状のアルカリ金属原子が封入されている内部空間Sが形成されている。本実施形態では、貫通孔211の横断面、すなわち、内部空間Sの横断面は、円形をなしている。なお、内部空間Sの横断面形状は、円形に限定されず、例えば、四角形、五角形等の多角形、楕円形等であってもよい。
胴体部21と窓部22、23との接合方法としては、これらの構成材料に応じて決められるものであり、気密的に接合できるものであれば、特に限定されないが、例えば、接着剤による接合方法、直接接合法、陽極接合法、表面活性化接合法等を用いることができるが、直接接合法または陽極接合法を用いることが好ましい。これにより、胴体部21と窓部22、23とを簡単に気密的に接合することができ、原子セル2の信頼性を優れたものとすることができる。
このような胴体部21に接合されている各窓部22、23は、それぞれ、板状をなしていて、第1光LL1および第2光LL2に対する透過性を有している。そして、一方の窓部22は、原子セル2の内部空間S内へ第1光LL1および第2光LL2が入射する入射側窓部であり、他方の窓部23は、原子セル2の内部空間S内から第1光LL1および第2光LL2が出射する出射側窓部である。
窓部22、23の構成材料としては、それぞれ、第1光LL1および第2光LL2に対する透過性を有していれば、特に限定されず、例えば、ガラス材料、水晶等が挙げられるが、ガラス材料を用いることが好ましい。これにより、第1光LL1および第2光LL2に対する優れた透過性を有する窓部22、23を実現することができる。また、胴体部21がシリコンで構成されている場合、ガラスを用いて窓部22、23を構成することにより、胴体部21と窓部22、23とを陽極接合により簡単に気密的に接合することができ、原子セル2の信頼性を優れたものとすることができる。なお、窓部22、23の厚さや第1光LL1および第2光LL2の強度によっては、窓部22、23をシリコンで構成することもできる。この場合でも、胴体部21と窓部22、23とを直接接合または陽極接合することができる。
このような原子セル2は、図示しないヒーターにより所望の温度に温度制御される。これにより、原子セル2内のアルカリ金属を所望濃度のガス状に維持することができる。
[第1光源部・第2光源部]
第1光源部31は、前述した原子セル2内の原子のD1線に共鳴する第1光LL1(第1共鳴光)を出射する機能を有する。一方、第2光源部32は、第1光LL1と異なる波長であって原子セル2内の原子のD1線またはD2線に共鳴する第2光LL2(第2共鳴光)を出射する機能を有する。ここで、第1光LL1および第2光LL2は、それぞれ、可干渉性(コヒーレント性)を有する光である。
例えば、原子セル2内の原子がセシウム原子である場合、第1光LL1の波長は、D1線(第1基底準位から6P1/2励起準位への遷移)に共鳴する894nmであり、第2光LL2の波長は、D2線(第1基底準位から6P3/2励起準位への遷移)に共鳴する850nmである(図2参照)。なお、第2光LL2の波長は、D1線(第2基底準位から6P1/2励起準位への遷移)に共鳴する波長であってもよく、この波長は、第1基底準位と第2基底準位とのエネルギー差ΔEに相当する波長の分だけ、第1光LL1の波長とは異なることになる。
このような第1光源部31および第2光源部32は、それぞれ、前述したような光を出射し得るものであれば特に限定されないが、例えば、端面発光レーザー、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザーを用いて構成することができる。
[光学部品]
光学部品33は、例えば、ミラーであり、光学部品34は、例えば、偏光ビームスプリッターである。
光学部品33は、第2光源部32からの第2光LL2を光学部品34に向けて反射する。そして、光学部品34は、第1光源部31からの第1光LL1をそのまま通過させて原子セル2へ入射させるとともに、光学部品33で反射した第2光LL2を反射させて原子セル2へ入射させる。したがって、図3に示すように、第1光LL1および第2光LL2は、互いに光軸が一致する(または平行となる)ように合成され、原子セル2に入射する。
ここで、光学部品33、34は、第1光LL1と第2光LL2とを合成する「合成部」を構成している。このような合成部により、第1光LL1および第2光LL2を互いに光軸を一致させて原子セル2に照射することができる。なお、光学部品33を省略してもよい。この場合、第2光LL2が光学部品34に入射するような向きで、第2光源部32を設置すればよい。
このように合成された第1光LL1および第2光LL2は、互いの光軸が一致または平行となっていて、かつ、互いに異なる波長であるため、干渉により光ビートLL(ビート信号光)となる。図3では、第1光LL1の光軸a1および第2光LL2の光軸a2がそれぞれ原子セル2の中心軸aと一致している場合を図示しているが、これらの軸が互いに平行であればよい。
また、合成された第1光LL1および第2光LL2は、図3および図4では、第1光LL1の通過領域が第2光LL2の通過領域に包含されているが、これらの通過領域が一致していてもよいし、第2光LL2の通過領域が第1光LL1の通過領域に包含されていてもよいし、これらの光の通過領域の一部同士が重なっていてもよい。ここで、効率的に干渉を生じさせる観点から、原子セル2内において、第1光LL1の幅W1は、第2光LL2の幅W2にできるだけ近いことが好ましく、具体的には、幅W2に対して0.8以上1.2以下であることが好ましい。また、幅W1、W2は、それぞれ、原子セル2内の幅Wよりも小さいことが好ましく、具体的には、幅Wに対して0.5以上0.99以下であることが好ましい。
[検出部]
検出部4は、原子セル2内を透過した第1光LL1および第2光LL2の強度を検出する機能を有する。
ここで、原子セル2内を通過した第1光LL1および第2光LL2は、前述したように干渉により光ビートLL(ビート信号光)となっている。検出部4は、この光ビートLLを検出して、光ビートLLのうなりの周波数(ビート周波数)と等しい周波数のビート信号を含む検出信号を生成・出力する機能を有する。
例えば、原子セル2内の原子がアルカリ金属原子である場合、吸収スペクトルは、図5(a)に示すように、D1線による隣接する2つのピークP11、P12と、D2線による隣接する2つのピークP21、P22と、を有する。ピークP11は、図2に示す第2基底準位から6P1/2励起準位への遷移に対応し、ピークP12は、図2に示す第1基底準位から6P1/2励起準位への遷移に対応し、ピークP21は、図2に示す第2基底準位から6P3/2励起準位への遷移に対応し、ピークP22は、図2に示す第1基底準位から6P3/2励起準位への遷移に対応している。
したがって、例えば、図2に示すように、第1基底準位から6P1/2励起準位へ遷移するD1線を第1光LL1として用い、第1基底準位から6P3/2励起準位へ遷移するD2線を第2光LL2として用いた場合、ピークP12の周波数とピークP22の周波数との差は、第1光LL1の周波数f1と第2光LL2の周波数f2との差(f2−f1)となる。例えば、原子セル2内の原子がセシウム原子である場合、周波数差(f2−f1)は16.6THzであり、原子セル2内の原子がナトリウム原子である場合、周波数差(f2−f1)は515GHzであり、原子セル2内の原子がルビジウム原子である場合、周波数差(f2−f1)は7.12THzである。
そして、図5(b)に示すように、光ビートLLのビート周波数は、この周波数差(f2−f1)に等しい周波数となる。すなわち、光ビートLLの周期は、1/(f2−f1)となる。
なお、第1基底準位から6P1/2励起準位へ遷移するD1線を第1光LL1として用い、第2基底準位から6P1/2励起準位へ遷移するD1線を第2光LL2として用いた場合、光ビートLLのビート周波数は、ピークP11の周波数とピークP12の周波数との差、すなわち、図2に示す第1基底準位と第2基底準位とのエネルギー差ΔEに相当する周波数f3に等しい周波数となる。例えば、原子セル2内の原子がセシウム原子である場合、周波数f3は9.2GHzであり、原子セル2内の原子がナトリウム原子である場合、周波数f3は1.7716GHzであり、原子セル2内の原子がルビジウム(85Rb)原子である場合、周波数f3は3.0357GHzであり、原子セル2内の原子がルビジウム(87Rb)原子である場合、周波数f3は6.8346GHzである。
また、ピークP11、P12のそれぞれの線幅は、ピークP21、P22のそれぞれの線幅よりも狭い。
このような検出部4としては、前述したような吸収スペクトルおよび光ビートLLを検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、フォトダイオード等の光検出器(高速受光素子)を用いることができる。
[第1制御部および第2制御部]
第1制御部51は、前述した検出部4の検出結果を用いて、第1光源部31を制御する機能を有する。同様に、第2制御部52は、検出部4の検出結果を用いて、第2光源部32を制御する機能を有する。
より具体的に説明すると、第1制御部51は、検出部4の検出結果を用いて、第1光LL1の波長が原子セル2内の原子の吸収スペクトルのピーク波長(例えば図5(a)に示すピークP12の波長)となるように、第1光源部31を制御する。これにより、第1光LL1を原子セル2内の原子のD1線に共鳴させることができる。
また、第2制御部52は、検出部4の検出結果を用いて、第2光LL2の波長が原子セル2内の原子の吸収スペクトルのピーク波長(例えば図5(a)に示すピークP22の波長)となるように、第2光源部32を制御する。これにより、第2光LL2を原子セル2内の原子のD2線に共鳴させることができる。
このような第1制御部51および第2制御部52は、それぞれ、例えば、検波回路、変調回路および低周波発振器を有して構成することができ、フィードバックループにより、第1光源部31および第2光源部32が有する半導体レーザーのバイアス電流を設定し、第1光LL1および第2光LL2の中心波長を前述したような波長となるように調整する。
なお、本実施形態では、第1制御部51および第2制御部52が、検出部4の検出結果を用いて第1光源部31および第2光源部32を制御しているが、検出部4とは別途設けられた検出部(受光素子)の検出結果を用いて第1光源部31および第2光源部32を制御してもよい。この場合、例えば、原子セル2と検出部4との間に偏光ビームスプリッターを配置し、分岐した光ビートLLを別途の検出部で受光すればよい。
[出力部]
出力部53は、前述した検出部4の検出結果を用いて、クロック信号を出力する機能を有する。これにより、ビート信号に基づく高精度なクロック信号を得ることができる。
具体的に説明すると、出力部53は、検出部4の検出信号に含まれるビート信号を分周し、クロック信号(例えば10MHzまたは1Hzのクロック信号)を生成・出力する。
このような出力部53は、例えば、フリップフロップ回路およびDDS(Direct Digital Synthesizer)を有して構成することができる。また、出力部53は、必要に応じて、検出部4の検出信号からビート信号のみを選択して取り出すフィルター、ビート信号を増幅させる信号増幅回路等の他の回路を有していてもよい。
以上説明したような原子発振器1によれば、電磁誘起透明化現象による信号であるEIT信号を用いずに、ビート信号を用いて、原子のエネルギー遷移に基づく高精度な発振特性を有する原子発振器を実現することができる。したがって、EIT信号を生じさせる必要がないし、また、EIT信号を生じさせたとしても、そのEIT信号を用いる必要がない。そのため、従来のようにEIT信号を用いた装置に必要であった磁気コイル、磁気シールドおよび偏光板等の部品が不要となり、その結果、装置の小型化を図ることができる。しかも、第1光LL1および第2光LL2のうちの少なくとも第1光LL1として原子のD1線に共鳴する光を用いるため、D2線のみを用いた場合に比べて、原子の吸収の線幅を狭くすることができ、その結果、S/N比を向上させることができる。
ここで、第2光LL2が原子のD2線に共鳴する光であることにより、第1光LL1の波長と第2光LL2の波長との差を大きくして、ビート信号の周波数を高く(大きく)することができる。その結果、短期安定度を高めることができる。
これに対し、第2光LL2が原子のD1線に共鳴する光であることにより、第1光LL1および第2光LL2の双方について、原子の吸収の線幅を狭くすることができる。
また、原子セル2内の原子がアルカリ金属原子であることにより、原子の吸収の線幅を比較的簡単に狭くすることができる。また、ビート信号に混入するノイズを低減することができる。特に、セシウム原子は、アルカリ金属の中でも、D1線とD2線との周波数差が比較的大きい。そのため、第1光LL1がD1線、第2光LL2がD2線である場合において、原子セル2内の原子がセシウム原子であることにより、第1光LL1の波長と第2光LL2の波長との差を大きくして、ビート信号の周波数を高くすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る原子発振器(原子共鳴遷移装置)を示す概略図、図7は、図6に示す第1光源部および第2光源部からそれぞれ出射される光を説明するための図である。
本実施形態は、飽和吸収スペクトルを用いて第1光および第2光の波長を制御する以外は、前述した第1実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図6、7において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図6に示す原子発振器1Aは、光学部品34と原子セル2との間で第1光LL1および第2光LL2を分岐して異なる2つの方向から原子セル2に照射するように配置された光学部品35、36、37を備えている。
光学部品35は、例えば、偏光ビームスプリッターであり、光学部品36、37は、それぞれ、例えば、ミラーである。
光学部品35は、光学部品34からの第1光LL1および第2光LL2を、そのまま通過させて原子セル2へ入射させるとともに、光学部品36に向けて反射させる。すなわち、光学部品35は、光学部品34からの第1光LL1および第2光LL2からなる光を、原子セル2に入射する光LLaと、光学部品36に入射する光LLbとに分岐する。光LLaは、原子セル2を介して検出部4で受光される。一方、光LLbは、光学部品37で反射して、図7に示すように、光LLaとは異なる方向で原子セル2に入射する。そして、原子セル2を通過した光LLbは、図示しない反射防止部に入射する。図7では、光LLaの光軸と光LLbの光軸とが原子セル2内において直交する場合を示している。なお、光LLbの光軸は、光LLaの光軸と異なる方向であればよく、図示のものに限定されない。また、本実施形態では、原子セル2の胴体部21は、光LLbに対する透過性を有するように構成されている。
このように光LLbを光LLaと異なる方向から原子セル2内に入射させることにより、検出部4において、原子セル2内の原子の飽和吸収スペクトルのピークを検出することができる。この飽和吸収スペクトルのピークは、通常の吸収スペクトルのピークよりも線幅が狭い。
そこで、第1制御部51は、第1光LL1の波長が原子セル2内の原子の飽和吸収スペクトルのピーク波長となるように第1光源部31を制御する。これにより、第1光LL1による原子の吸収の線幅を狭くすることができる。同様に、第2制御部52は、第2光LL2の波長が原子セル2内の原子の飽和吸収スペクトルのピーク波長となるように第2光源部32を制御する。これにより、第2光LL2による原子の吸収の線幅を狭くすることができる。その結果、短期周波数安定度を向上させることができる。
このように、第1光LL1と第2光LL2とが原子セル2内で交差することにより、第1光LL1および第2光LL2の波長が原子セル2内の原子の飽和吸収スペクトルのピーク波長となるように制御することができる。
以上説明したような第2実施形態によっても、小型化を図ることができる。
2.時計
次に、本発明の時計の一例について説明する。図8は、本発明の時計の一例を示す斜視図である。
時計500は、腕時計であり、手首に装着することができる。また、時計500の内部には、前述したように小型化された原子発振器1が搭載されており、原子発振器1から出力されるクロック信号に基づく時刻を表示部501に表示することができる。
3.電子機器
図9は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。
図9に示す測位システム100は、GPS衛星200と、基地局装置300と、GPS受信装置400とで構成されている。
GPS衛星200は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置300は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ301を介してGPS衛星200からの測位情報を高精度に受信する受信装置302と、この受信装置302で受信した測位情報をアンテナ303を介して送信する送信装置304とを備える。
ここで、受信装置302は、その基準周波数発振源として前述した本発明の原子発振器1を備える電子装置である。このような受信装置302は、優れた信頼性を有する。また、受信装置302で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置304により送信される。
GPS受信装置400は、GPS衛星200からの測位情報をアンテナ401を介して受信する衛星受信部402と、基地局装置300からの測位情報をアンテナ403を介して受信する基地局受信部404とを備える。
4.移動体
図10は、本発明の移動体の一例を示す図である。
この図において、移動体1500は、車体1501と、4つの車輪1502とを有しており、車体1501に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪1502を回転させるように構成されている。このような移動体1500には、原子発振器1が内蔵されている。
なお、本発明の電子機器は、前述したものに限定されず、例えば、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送、携帯電話基地局、GPSモジュール等に適用することができる。
以上、本発明の原子共鳴遷移装置、原子発振器、時計、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明の各部の構成は、前述した実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。また、本発明は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
1‥‥原子発振器
1A‥‥原子発振器
2‥‥原子セル
4‥‥検出部
21‥‥胴体部
22‥‥窓部
23‥‥窓部
31‥‥第1光源部
32‥‥第2光源部
33‥‥光学部品
34‥‥光学部品
35‥‥光学部品
36‥‥光学部品
37‥‥光学部品
51‥‥第1制御部
52‥‥第2制御部
53‥‥出力部
100‥‥測位システム
200‥‥GPS衛星
211‥‥貫通孔
300‥‥基地局装置
301‥‥アンテナ
302‥‥受信装置
303‥‥アンテナ
304‥‥送信装置
400‥‥GPS受信装置
401‥‥アンテナ
402‥‥衛星受信部
403‥‥アンテナ
404‥‥基地局受信部
500‥‥時計
501‥‥表示部
1500‥‥移動体
1501‥‥車体
1502‥‥車輪
a‥‥中心軸
a1‥‥光軸
a2‥‥光軸
f1‥‥周波数
f2‥‥周波数
f3‥‥周波数
LL‥‥光ビート
LL1‥‥第1光
LL2‥‥第2光
LLa‥‥光
LLb‥‥光
P11‥‥ピーク
P12‥‥ピーク
P21‥‥ピーク
P22‥‥ピーク
S‥‥内部空間
W‥‥幅
W1‥‥幅
W2‥‥幅
ΔE‥‥エネルギー差

Claims (13)

  1. 原子を封入している原子セルと、
    前記原子のD1線に共鳴する第1光を出射する第1光源部と、
    前記第1光と異なる波長であって前記原子のD1線またはD2線に共鳴する第2光を出射する第2光源部と、
    前記原子セルを通過した前記第1光と前記第2光との干渉による光ビートを検出してビート信号を生成する検出部と、
    前記ビート信号を分周する分周器を含む出力部と、
    を備えることを特徴とする原子共鳴遷移装置。
  2. 前記第2光は、前記原子のD2線に共鳴する光である請求項1に記載の原子共鳴遷移装置。
  3. 前記第2光は、前記原子のD1線に共鳴する光である請求項1に記載の原子共鳴遷移装置。
  4. 前記原子は、アルカリ金属原子である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置。
  5. 前記アルカリ金属原子は、セシウム原子である請求項4に記載の原子共鳴遷移装置。
  6. 前記第1光の波長が前記原子の吸収スペクトルのピーク波長となるように前記第1光源部を制御する第1制御部を備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置。
  7. 前記第1制御部は、前記第1光の波長が前記原子の飽和吸収スペクトルのピーク波長となるように前記第1光源部を制御する請求項6に記載の原子共鳴遷移装置。
  8. 前記第2光の波長が前記原子の吸収スペクトルのピーク波長となるように前記第2光源部を制御する第2制御部を備える請求項1ないし7のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置。
  9. 前記第2制御部は、前記第2光の波長が前記原子の飽和吸収スペクトルのピーク波長となるように前記第2光源部を制御する請求項8に記載の原子共鳴遷移装置。
  10. 前記第1光と前記第2光とが前記原子セル内で交差する請求項7または9に記載の原子共鳴遷移装置。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする原子発振器。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする時計。
  13. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする電子機器。
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